JP2005351003A - 携帯機、車両電力供給装置、及び電子キーシステム - Google Patents

携帯機、車両電力供給装置、及び電子キーシステム Download PDF

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Abstract

【課題】回路構成を簡素化することができる携帯機を提供する。
【解決手段】その携帯機12との相互無線通信の確立により車両13の制御対象を制御する車両制御装置と該相互無線通信を行うべく、内蔵された電池を用いて該相互無線通信を行う携帯機12において、車両13に備えられたバッテリに接続されたシガライタソケット41のプラス端子43に接触する第1端子51と、シガライタソケット41のマイナス端子44に接触する第2端子52とを備え、プラス端子43と第1端子51との接触及びマイナス端子44と第2端子52との接触によってバッテリから供給される電力を用いて相互無線通信を可能となるように構成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、携帯機、車両電力供給装置、及び電子キーシステムに関するものである。
近年、車両では、エンジン始動許可機能を備えた電子キーシステムが採用されている(例えば、特許文献1)。電子キーシステムは、ユーザが携帯する携帯機と、車両に備え付けられると共に携帯機と相互無線通信する車両制御装置とにより構成されている。エンジン始動許可機能とは、携帯機を携帯したユーザが車両に乗り込むと、車両内で携帯機と車両制御装置との相互無線通信が確立することで車両制御装置がエンジンを始動待機状態にするものである。ユーザは、この始動待機状態の際に、車両内のスイッチ等を操作するとエンジンを始動することができる。なお、この相互無線通信では、ID照合も行うためセキュリティ性が高い。
携帯機はその内部に備えられた電池の電力を用いて、車両制御装置と相互無線通信を行っている。そのため、この電池の電圧が所定値以下まで低下した場合(以下、非常時という)には、携帯機と車両制御装置との相互無線通信ができなくなり、ユーザは、エンジン始動許可機能を使用できなくなり、さらにはエンジンを始動できなくなる。
この非常時には、ユーザは、携帯機内に備えられたトランスポンダを用いてエンジンの始動を行う。詳述すると、ユーザは、車両内に備え付けられたトランスポンダ用送受信装置に携帯機のトランスポンダを近接させる。トランスポンダは、トランスポンダ用送受信装置から発せられる磁場により、誘導起電力を発生させ、その誘導起電力を用いてトランスポンダ用送受信装置と無線通信する。このときID照合も併せて行う。トランスポンダ用送受信装置は、トランスポンダとの無線通信が確立すると、エンジンを始動待機状態にさせる。この始動待機状態の際に、ユーザが車両内のスイッチ等を操作するとエンジンを始動することができる。
特開2004−044257号公報
ところが、携帯機は、非常時用のトランスポンダを備えなくてはならない。そのため、トランスポンダを備えなくても、非常時でもエンジンを始動できるような対策が望まれている。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は回路構成を簡素化することができる携帯機を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、携帯機の回路構成を簡素化することができる車両電力供給装置、及び電子キーシステムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、その携帯機との相互無線通信の確立により車両の制御対象を制御する車両制御装置と該相互無線通信を行うべく、内蔵された第1電源を用いて該相互無線通信を行う携帯機において、前記車両に備えられた第2電源に接続された非常用電力供給手段のプラス端子に接触する第1端子と、前記非常用電力供給手段のマイナス端子に接触する第2端子とを備え、前記プラス端子と前記第1端子との接触及び前記マイナス端子と前記第2端子との接触によって前記第2電源から供給される電力を用いて前記相互無線通信を可能となるように構成した。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記非常用電力供給手段は、シガライタソケットである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1端子及び前記第2端子が設けられたケース本体を備え、前記ケース本体は、天部と側部とを備え、前記天部には、前記第1端子が設けられ、前記側部には、前記第2端子が設けられている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記ケース本体は、その全体が四角箱状でかつ前記天部の天面が長方形状となるように形成されており、前記側部には、前記天面の短手側辺と接する一対の短手側面と、前記天面の長手側辺と接する一対の長手側面とを備え、前記第2端子を前記短手側面から突出するように設けた。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の発明において、前記ケース本体に対して相対移動可能に設けられかつ前記ケース本体との相対位置に応じて前記第1端子及び前記第2端子を覆ったり露出させたりするカバーを備えた。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機へ電力を供給する車両電力供給装置であって、そのオン作動がエンジン始動の条件の一つであるエンジン始動スイッチと、前記オン作動を検出可能で、かつ車両に備えられた第2電源からプラス端子及びマイナス端子を有する非常用電力供給手段への電力供給を制御する電力供給制御手段とを備え、前記電力供給制御手段は、前記オン作動を検出した場合に前記プラス端子及び前記マイナス端子へ電力を供給する。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機へ電力を供給する車両電力供給装置であって、車両に備えられた第2電源からプラス端子及びマイナス端子を有する非常用電力供給手段への電力供給を制御する電力供給制御手段と、車両に備えられたキーシリンダにメカニカルキーが挿入されたことを検出した場合に前記電力供給制御手段へ挿入検出信号を出力する挿入検出手段とを備え、前記電力供給制御手段は、前記挿入検出信号を入力した場合に前記プラス端子及び前記マイナス端子へ電力を供給する。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機と、請求項6に記載の車両電力供給装置と、対応する携帯機との相互無線通信の確立により車両の制御対象を制御する車両制御装置とを備えた。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機と、請求項7に記載の車両電力供給装置と、対応する携帯機との相互無線通信の確立により車両の制御対象を制御する車両制御装置とを備えた。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば以下に示す作用を得る。携帯機は、その第1端子が非常用電力供給手段のプラス端子に接触し、かつその第2端子が非常用電力供給手段のマイナス端子に接触することによって、車両に備えられた第2電源からの電力を受けることが可能となる。そのため、携帯機は、内蔵された第1電源の電圧が所定値以下まで低下したことにより、その第1電源を用いて車両制御装置と相互無線通信を行うことができなくても、上記車両に備えられた第2電源からの電力を用いて車両制御装置と相互無線通信を行うことが可能となる。このため、携帯機は、外部から供給される磁場にて誘導起電力を発生させその誘導起電力を用いて無線通信を行う非常用の通信装置(例えばトランスポンダ)を備える必要がなく、回路構成を簡素化することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。携帯機をシガライタソケットに接触(接続)させることにより、該携帯機が車両制御装置と相互無線通信を行うことができる。シガライタソケットは、通常、車両(自動車)に設けられているため、携帯機と接触させるためだけの専用の非常用電力供給手段を車両に設ける必要がなく、車両側の装備を簡素化することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。一般に、シガライタソケットは、底部と円筒形状の側部とを備えており、その底部にプラス端子が設けられ、その側部にマイナス端子が設けられている。そのため、携帯機の天部に第1端子が設けられ、携帯機の側部に第2端子が設けられていると、携帯機をその天部からシガライタソケットに挿入するだけで、プラス端子と第1端子との接触及びマイナス端子と第2端子との接触を行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。携帯機をシガライタソケットに挿入した場合において、短手側面と直交する方向における短手側面からシガライタソケットの内周面までの距離は、長手側面と直交する方向における長手側面からシガライタソケットの内周面までの距離よりも短い。第2端子を短手側面から突出するように設けたため、第2端子を長手側面から突出するように設けた場合に比して、ケース本体からの第2端子の突出量を抑えてもシガライタソケットの内周面にその第2端子を接触させることが可能となる。ケース本体からの第2端子の突出量を抑えることができると、ユーザは携帯機を携帯しやすくなる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。ユーザは、車両の第2電源から携帯機へ電力を供給する場合には、ケース本体に対してカバーを相対移動させることにより第1端子及び第2端子を露出させ、それらをプラス端子及びマイナス端子に接触させる。第1端子及び第2端子をカバーにて覆うと、ユーザは携帯機を好適に携帯できる。
請求項6に記載の発明によれば以下に示す作用を得る。ユーザは、キーによる照合が成立していなくとも、エンジン始動スイッチをオン作動させることにより、車両の第2電源の電力を非常用電力供給手段を介して利用することが可能となる。そのため、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機は、この非常用電力供給手段からの電力を利用して車両の車両制御装置との相互無線通信を行うことが可能となる。このため、携帯機は、外部から供給される磁場にて誘導起電力を発生させその誘導起電力を用いて無線通信を行う非常用の通信装置(例えばトランスポンダ)を備える必要がなく、回路構成を簡素化することが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば以下に示す作用を得る。ユーザは、キーによる照合が成立していなくとも、キーシリンダにメカニカルキーを挿入することにより、車両の第2電源の電力を非常用電力供給手段を介して利用することが可能となる。そのため、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機は、この非常用電力供給手段からの電力を利用して車両の車両制御装置との相互無線通信を行うことが可能となる。このため、携帯機は、外部から供給される磁場にて誘導起電力を発生させその誘導起電力を用いて無線通信を行う非常用の通信装置(例えばトランスポンダ)を備える必要がなく、回路構成を簡素化することが可能となる。
請求項8に記載の発明によれば以下に示す作用を得る。プラス端子と第1端子とが接触しかつマイナス端子と第2端子とが接触している場合に、車両電力供給装置は、エンジン始動スイッチのオン作動を検出すると、第2電源から携帯機へ電力を供給する。携帯機は、内蔵された第1電源の電圧が所定値以下まで低下したことにより、その第1電源を用いて車両制御装置と相互無線通信を行うことができなくても、上記車両に備えられた第2電源からの電力を用いて車両制御装置と相互無線通信を行うことができる。車両制御装置は、対応する携帯機との相互無線通信の確立により制御対象を制御する。このため、携帯機は、外部から供給される磁場にて誘導起電力を発生させその誘導起電力を用いて無線通信を行う非常用の通信装置(例えばトランスポンダ)を備える必要がなく、回路構成を簡素化することが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば以下に示す作用を得る。挿入検出手段は、キーシリンダにメカニカルキーが挿入されたことを検出すると、電力供給制御手段へ挿入検出信号を出力する。プラス端子と第1端子とが接触しかつマイナス端子と第2端子とが接触している場合に、車両電力供給装置は、挿入検出信号を入力すると、第2電源から携帯機へ電力を供給する。携帯機は、内蔵された第1電源の電圧が所定値以下まで低下したことにより、その第1電源を用いて車両制御装置と相互無線通信を行うことができなくても、上記車両に備えられた第2電源からの電力を用いて車両制御装置と相互無線通信を行うことができる。車両制御装置は、対応する携帯機との相互無線通信の確立により制御対象を制御する。このため、携帯機は、外部から供給される磁場にて誘導起電力を発生させその誘導起電力を用いて無線通信を行う非常用の通信装置(例えばトランスポンダ)を備える必要がなく、回路構成を簡素化することが可能となる。
本発明によれば、携帯機の回路構成を簡素化することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を電子キーシステムに具体化した第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、電子キーシステム11は、ユーザが携帯する携帯機12と、車両13に搭載され携帯機12との相互無線通信の確立により該車両13の車両制御を行う車両制御装置14とを備えている。車両制御装置14は、車両電力供給装置に相当する。
携帯機12は、携帯機側送受信装置15、及び第1電源としての電池16を備えている。携帯機側送受信装置15は、電池16からの電力を用いて車両制御装置14と信号の送受信を行う。携帯機側送受信装置15は、アンテナ17、携帯機側受信回路18、マイクロコンピュータ(マイコン)19、携帯機側送信回路20、及びアンテナ21を備えている。携帯機側受信回路18にはアンテナ17が接続され、マイコン19には携帯機側受信回路18及び携帯機側送信回路20が接続され、携帯機側送信回路20にはアンテナ21が接続されている。
携帯機側受信回路18は、車両制御装置14からのリクエスト信号をアンテナ17を介して受信すると、そのリクエスト信号を復調し、その復調したリクエスト信号をマイコン19に出力する。マイコン19は、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、携帯機12毎に個別に設定された携帯機側IDコードが記憶されている。マイコン19は、携帯機側受信回路18からリクエスト信号が入力されると、そのリクエスト信号に応答するために前記携帯機側IDコードを含むIDコード信号を携帯機側送信回路20に出力する。携帯機側送信回路20は、そのIDコード信号を所定周波数の電波に変調してアンテナ21を介して送信する。
車両制御装置14は、車両側送受信装置25、第2電源としてのバッテリ26、エンジン始動制御装置27、及びエンジン始動スイッチとしてのスタートスイッチ28を備えている。車両側送受信装置25は、バッテリ26からの電力を用いて携帯機12との信号の送受信を行う。車両側送受信装置25は、マイクロコンピュータ(マイコン)31、車両側送信回路32、アンテナ33、アンテナ34、及び車両側受信回路35を備えている。マイコン31には車両側送信回路32及び車両側受信回路35が接続され、車両側送信回路32にはアンテナ33が接続され、車両側受信回路35にはアンテナ34が接続されている。
マイコン31は、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、車両制御装置14毎に個別に設定された車両側IDコードが記憶されている。車両側送信回路32は、マイコン31から間欠的に入力されるリクエスト信号を所定の周波数の電波に変調してアンテナ33を介して送信する。車両側受信回路35は、携帯機12からのIDコード信号をアンテナ34を介して受信すると、その信号を復調し、マイコン31へ出力する。マイコン31は、車両側受信回路35からIDコード信号が入力された場合には、そのIDコード信号に含まれる携帯機側IDコードと自身に記憶された車両側IDコードとを照合(以下、この照合をID照合という)する。マイコン31は、ID照合が成立した場合には、エンジン始動制御装置27へエンジン始動許可信号を出力する。
ところで、スタートスイッチ28は、車両13内の例えばインストルメントパネルPに設けられており(図5参照)、ユーザにより押圧操作された場合にエンジン始動制御装置27へ操作信号を出力するように構成されている。エンジン始動制御装置27は、エンジン始動許可信号と操作信号とを共に入力している場合に、図示しないエンジン(制御対象)を始動(制御)し、車両13が走行可能な状態となる。
このように、電子キーシステム11は、携帯機12と車両制御装置14との無線通信によりID照合が成立し、かつユーザによってスタートスイッチ28が押圧操作された場合に、エンジンが始動するようになっている。
次に、車両制御装置14の特徴的な電気的構成について説明する。
図1に示すように、車両制御装置14には、非常用電力供給手段としてのシガライタソケット41と、電力供給制御手段としての電力供給制御装置42とを備えている。
シガライタソケット41は、公知構成のシガライタソケットであり(図2及び図5参照)、プラス端子43とマイナス端子44とを備えている。電力供給制御装置42は、スタートスイッチ28から操作信号を入力可能に構成されている。電力供給制御装置42は、スタートスイッチ28から操作信号が入力されている場合(スタートスイッチ28のオン作動を検出した場合)に、バッテリ26からシガライタソケット41のプラス端子43及びマイナス端子44へ電力を供給するように構成されている。
本実施形態では、電力供給制御装置42は、トランジスタ45及び制御部47を備えている。トランジスタ45は、スイッチ手段に相当する。トランジスタ45は、バッテリ26、プラス端子43、及び制御部47に接続されている。バッテリ26とマイナス端子44とが接続されている。制御部47は、スタートスイッチ28から操作信号を入力すると、トランジスタ45をオン作動させてバッテリ26とプラス端子43とを導通させる。この結果、バッテリ26からシガライタソケット41のプラス端子43及びマイナス端子44へ電力が供給される。
次に、携帯機12の特徴的な電気的構成及び機械的構成を説明する。
図1に示すように、携帯機12は、第1端子51及び第2端子52を備えている。第1端子51及び第2端子52は、携帯機側送受信装置15に接続されている。この第1端子51はシガライタソケット41のプラス端子43に接続可能に構成され、第2端子52はシガライタソケット41のマイナス端子44に接続可能に構成されている。
携帯機12は、電池16が所定以下まで電圧低下した場合には、車両側送受信装置25と通信できない。そのため、携帯機12は、プラス端子43と第1端子51とを接続し、かつマイナス端子44と第2端子52とを接続し、かつ前記トランジスタ45をオン作動していることにより、車両13のバッテリ26から自身の携帯機側送受信装置15に電力の供給を受けることが可能となる。この結果、携帯機12は、電池16が所定以下まで電圧低下した場合でも、車両側送受信装置25と通信を行うように構成されている。
図2及び図3(a),(b)に示すように、携帯機12は、四角箱状をなすケース本体53、ケース本体53から突出した前記第1端子51及び前記第2端子52とを備えている。ケース本体53は、合成樹脂にて形成されており、その内部に前記携帯機側送受信装置15及び前記電池16を収容している。ケース本体53は、底部54、側部55、及び天部56を備えている。ケース本体53は、6つの外側面を備えている。底部54は、ケース本体53の1つの外側面である底面54a(図2参照)を備えている。側部55は、ケース本体53の4つの外側面である長手側面55a,55b及び短手側面55c,55dを備えている。天部56は、ケース本体53の1つの外側面である天面56aを備えている。底面54a及び天面56aは、長方形状に形成されている。天面56aは、長方形状に形成されていることにより、一対の長手側辺H1,H2及び一対の短手側辺H3,H4を備えている。側部55の長手側面55aは長手側辺H1に接し、長手側面55bは長手側辺H2に接し、短手側面55cは短手側辺H3に接し、短手側面55dは短手側辺H4に接している。
前記第1端子51は、天面56aから突出するように形成されている。第2端子52は、短手側面55c,55dからそれぞれ突出するように形成されている。第2端子52は、弾性変形可能な金属片により形成されており、弾性変形しながら短手側面55c(短手側面55d)より内側へ移動可能に構成されている(図2及び図4(a)参照)。
ここで、公知構成のシガライタソケットであるシガライタソケット41の機械的構成について説明する。図2に示すように、シガライタソケット41は、合成樹脂にて形成されたケース本体57と、前記プラス端子43、及び前記マイナス端子44を備えている。ケース本体57は、円筒形状の側部57aと、円盤状の底部57bとから構成されている。側部57aの内周面57c全面にはマイナス端子44が形成され、底部57bのケース内側の側面にはプラス端子43が形成されている。
そして、このシガライタソケット41へ携帯機12をその天部56から挿入すると、携帯機12の第1端子51がプラス端子43と接触し、携帯機12の2つの第2端子52がマイナス端子44と接触する(以下、これら端子同士が接触した状態を端子接触状態という)。携帯機12は、端子接触状態において、スタートスイッチ28が押圧操作された場合には、車両13のバッテリ26から電力の供給を受ける。
図4(a),(b)に示すように、携帯機12は、ケース本体53に対して着脱可能なカバー58を備えている。ケース本体53に対してカバー58が着脱可能であるということは、すなわち、ケース本体53に対してカバー58が相対移動可能であることを意味する。カバー58は、ケース本体53に取り付けている場合には、第1端子51及び第2端子52を覆うように構成されている。
次に、この電子キーシステム11の使用方法について説明する。
ユーザは、メカニカルキーをドアのシリンダ錠に挿入して照合することにより該シリンダ錠を解錠し、ドアを開けて車両13に乗り込む。ちなみに、このメカニカルキーは、携帯機12と一体となるように設けてもよいし、携帯機12と各別に設けてもよい。本実施形態ではメカニカルキーは、携帯機12と各別に設けているため図示もしていない。そして、ユーザは、携帯機12のケース本体53からカバー58を取り外し、第1端子51及び第2端子52を露出させる。ユーザは、カバー58を取り外した携帯機12をシガライタソケット41へ挿入し、車両13のスタートスイッチ28を押圧操作し続ける。
すると、車両13のバッテリ26から携帯機12の携帯機側送受信装置15へ電力が供給され、携帯機12は、車両側送受信装置25から送信されているリクエスト信号を受信可能となる。携帯機12は、リクエスト信号を受信すると、IDコード信号を送信する。車両側送受信装置25は、IDコード信号を受信するとID照合を行い、このID照合が成立した場合には、エンジン始動制御装置27へエンジン始動許可信号を出力する。
なお、本実施形態では、このID照合の成立を含めて「携帯機12と車両制御装置14との相互無線通信の確立」としている。
エンジン始動制御装置27は、上記エンジン始動許可信号を入力し、かつスタートスイッチ28が押圧操作されていることを示す操作信号を入力している場合に、図示しないエンジン(制御対象)を始動(制御)する。
従って、第1実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。ちなみに、(1)〜(5)は携帯機12、(6)は電力供給制御装置42、(7)は電子キーシステム11の作用・効果である。
(1)携帯機12は、その第1端子51がシガライタソケット41のプラス端子43に接触し、かつその第2端子52がシガライタソケット41のマイナス端子44に接触することによって、車両13に備えられたバッテリ26からの電力を受けることが可能となる。そのため、携帯機12は、内蔵された電池16の電圧が所定値以下まで低下したことにより、その電池16を用いて車両制御装置14と相互無線通信を行うことができなくても、上記車両13に備えられたバッテリ26からの電力を用いて車両制御装置14と相互無線通信を行うことが可能となる。このため、携帯機12は、外部から供給される磁場にて誘導起電力を発生させその誘導起電力を用いて無線通信を行う非常用の通信装置(例えばトランスポンダ)を備える必要がなく、回路構成を簡素化することができる。また、車両13側においても、トランスポンダと通信するための装置を備える必要がなく、車両13を簡素化することができる。
(2)携帯機12をシガライタソケット41に接触(接続)させることにより、該携帯機12が車両制御装置14と相互無線通信を行うことが可能となる。シガライタソケット41は、通常、車両13(自動車)に設けられているため、携帯機12と接触させるためだけの専用の非常用電力供給手段を車両13に設ける必要がなく、車両13側の装備を簡素化することができる。
(3)一般に、シガライタソケット41は、底部57bと円筒形状の側部57aとを備えており、その底部57bにプラス端子43が形成され、その側部57aにマイナス端子44が形成されている。そのため、携帯機12の天部56に第1端子51が形成され、携帯機12の側部55に第2端子52が形成されていると、携帯機12をその天部56からシガライタソケット41に挿入するだけで、プラス端子43と第1端子51との接触及びマイナス端子44と第2端子52との接触を行うことができる。
(4)携帯機12をシガライタソケット41に挿入した場合において、図5に示すように、距離d1は、距離d2よりも短い。距離d1は、短手側面55c,55dと直交する方向における短手側面55c,55dからシガライタソケット41の内周面57cまでの距離である。距離d2は、長手側面55a,55bと直交する方向における長手側面55a,55bからシガライタソケット41の内周面57cまでの距離である。第2端子52を短手側面55c,55dから突出するように設けたため、第2端子52を長手側面55a,55bから突出するように設けた場合(図5の二点鎖線で示す第2端子52aを参照)に比して、ケース本体53からの第2端子52の突出量を抑えてもシガライタソケット41の内周面57cにその第2端子52を接触させることができる。ケース本体53からの第2端子52の突出量を抑えることができると、ユーザは携帯機12を携帯しやすくなる。
(5)ユーザは、車両13のバッテリ26から携帯機12へ電力を供給する場合には、ケース本体53からカバー58を取り外すことにより第1端子51及び第2端子52を露出させ、それらをプラス端子43及びマイナス端子44に接触させる。第1端子51及び第2端子52をカバー58にて覆うと、ユーザは携帯機12を好適に携帯できる。
(6)ユーザは、ID照合が成立していなくとも、スタートスイッチ28をオン作動させることにより、車両13のバッテリ26の電力をシガライタソケット41を介して利用することができる。
(7)プラス端子43と第1端子51とが接触しかつマイナス端子44と第2端子52とが接触している場合に、電力供給制御装置42は、スタートスイッチ28のオン作動を検出すると、バッテリ26から携帯機12へ電力を供給する。携帯機12は、内蔵された電池16の電圧が所定値以下まで低下したことにより、その電池16を用いて車両制御装置14と相互無線通信を行うことができなくても、車両13に備えられたバッテリ26からの電力を用いて車両制御装置14と相互無線通信を行うことができる。車両制御装置14は、対応する携帯機12との相互無線通信の確立によりエンジン(制御対象)を始動(制御)することができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図6に従って説明する。なお、説明の便宜上、第1実施形態と同様の構成又は相似する構成については同一の符号を付してその説明を一部省略する。
図6に示すように、電子キーシステム61は、第1実施形態のスタートスイッチ28に替えて、キーシリンダ62及び挿入検出手段としてのキー検出装置63を備えている。
キーシリンダ62は、車両13のインストルメントパネル(P)に設けられている。キー検出装置63は、キーシリンダ62にメカニカルキー64が挿入されたことを検出すると、制御部47へ挿入検出信号を出力する。ちなみに、本実施形態ではメカニカルキー64は、携帯機12と各別に設けられているが、その携帯機12と一体となるように設けてもよい。
制御部47は、キー検出装置63から挿入検出信号を入力すると、トランジスタ45をオン作動させてバッテリ26とプラス端子43とを導通させる。キーシリンダ62に挿入したメカニカルキー64は、正規のメカニカルキーである場合には、キーシリンダ62に挿入している状態で回転可能となる。キー検出装置63は、キーシリンダ62に挿入したメカニカルキー64が回転した場合に、エンジン始動制御装置27へキー回転検出信号を出力する。エンジン始動制御装置27は、エンジン始動許可信号とキー回転検出信号とを共に入力している場合に、図示しないエンジン(制御対象)を始動(制御)する。
次に、この電子キーシステム61の使用方法について説明する。
ユーザは、メカニカルキー64をドアのシリンダ錠に挿入して照合することにより該シリンダ錠を解錠し、ドアを開けて車両13に乗り込む。
ユーザは、携帯機12のケース本体53からカバー58を取り外し、第1端子51及び第2端子52を露出させる。ユーザは、カバー58を取り外した携帯機12をシガライタソケット41へ挿入する。そして、ユーザがキーシリンダ62にメカニカルキー64を挿入すると、車両13のバッテリ26から携帯機12へ電力が供給され、携帯機12は、車両側送受信装置25から送信されているリクエスト信号を受信可能となる。携帯機12は、リクエスト信号を受信すると、IDコード信号を送信する。車両側送受信装置25は、IDコード信号を受信するとID照合を行い、このID照合が成立した場合には、エンジン始動制御装置27へエンジン始動許可信号を出力する。
なお、本実施形態においても、このID照合の成立を含めて「携帯機12と車両制御装置14との相互無線通信の確立」としている。
また、キー検出装置63は、キーシリンダ62に挿入したメカニカルキー64が回転した場合に、エンジン始動制御装置27へキー回転検出信号を送信する。エンジン始動制御装置27は、エンジン始動許可信号とキー回転検出信号とを共に入力している場合に、図示しないエンジン(制御対象)を始動(制御)する。
従って、上記第2実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(5)の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。ちなみに、(1)は電力供給制御装置42、(2)は電子キーシステム61の作用・効果である。
(1)ユーザは、ID照合が成立していなくとも、キーシリンダ62にメカニカルキー64を挿入することにより、車両13のバッテリ26の電力をシガライタソケット41を介して利用することができる。
(2)キー検出装置63は、キーシリンダ62にメカニカルキー64が挿入されたことを検出すると、電力供給制御装置42へ挿入検出信号を出力する。プラス端子43と第1端子51とが接触しかつマイナス端子44と第2端子52とが接触している場合に、電力供給制御装置42は、挿入検出信号を入力すると、バッテリ26から携帯機12へ電力を供給する。携帯機12は、内蔵された電池16の電圧が所定値以下まで低下したことにより、その電池16を用いて車両制御装置14と相互無線通信を行うことができなくても、車両13に備えられたバッテリ26からの電力を用いて車両制御装置14と相互無線通信を行うことができる。車両制御装置14は、対応する携帯機12との相互無線通信の確立によりエンジン(制御対象)を始動(制御)する。
なお、前記各実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・前記各実施形態では、電力供給制御装置42にトランジスタ45を備え、制御部47がトランジスタ45をオン作動させることにより、バッテリ26とプラス端子43とを導通させていた。これに限らず、電力供給制御装置42はトランジスタ45の代わりにリレーを備え、制御部47がリレーをオン作動させることにより、バッテリ26とプラス端子43とを導通させるように構成してもよい。この場合、リレーはスイッチ手段に相当する。
・前記第2実施形態では、メカニカルキー64を携帯機12と各別に設けていたが、それらを一体となるように設けてもよい。
・前記第1実施形態では、スタートスイッチ28は、押圧操作された場合にエンジン始動制御装置27及び制御部47へ操作信号を出力するように構成していた。これに限らず、スタートスイッチを回転操作した場合にエンジン始動制御装置27及び制御部47へ操作信号を出力するように構成してもよい。
・前記各実施形態では、携帯機12のケース本体53に対して着脱可能なカバー58を設けていた。これに限らず、このカバー58を、ケース本体53に対して着脱不能に、かつケース本体53に対して相対的にスライド移動可能に構成してもよい。この場合、カバー58は、ケース本体53との相対位置に応じて第1端子51及び第2端子52を覆ったり露出させたりする。
・前記各実施形態では、第2端子52を、ケース本体53の短手側面55c,55dから突出するように形成していたが、長手側面55a,55bから突出するように形成してもよい。
・前記各実施形態では、ケース本体53を四角箱状となるように形成していたが、中空となった円柱状、中空となった楕円柱状、中空となった多角形柱状などの形状に形成してもよい。要は、ケース本体をシガライタソケット41内へ挿入でき、そのケース本体内に携帯機側送受信装置15及び電池16を収容できる形状であればどのような形状であってもよい。
・前記各実施形態では、シガライタソケット41に携帯機12を挿入することにより、車両13のバッテリ26から携帯機12へ電力を供給可能となるように電子キーシステム11,61を構成していた。これに限らず、携帯機12のみを挿入可能に構成した専用の非常用電力供給ソケットを車両13内に設けてもよい。非常用電力供給ソケットは、非常用電力供給手段に相当する。この非常用電力供給ソケットには、前記プラス端子43及び前記マイナス端子44と同様のプラス端子及びマイナス端子を備えるようにする。そのため、例えば、このプラス端子をトランジスタ45に接続し、このマイナス端子をバッテリ26に接続すると、前記各実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
第1実施形態の電子キーシステムを示すブロック図。 携帯機とシガライタソケットとを示す部分断面図。 (a),(b)は、携帯機の斜視図。 (a)は、携帯機とカバーとの関係を示す平面図。(b)は、携帯機とカバーとの関係を示す正面図 シガライタソケットをインストルメントパネルから見た正面図。 第2実施形態の電子キーシステムを示すブロック図。
符号の説明
11…電子キーシステム、12…携帯機、13…車両、14…車両電力供給装置としての車両制御装置、16…第1電源としての電池、26…第2電源としてのバッテリ、28…エンジン始動スイッチとしてのスタートスイッチ、41…非常用電力供給手段としてのシガライタソケット、42…電力供給制御手段としての電力供給制御装置、43…プラス端子、44…マイナス端子、51…第1端子、52…第2端子、53…ケース本体、55…側部、55a,55b…長手側面、55c,55d…短手側面、56…天部、56a…天面、58…カバー、62…キーシリンダ、63…挿入検出手段としてのキー検出装置、64…メカニカルキー、H1,H2…長手側辺、H3,H4…短手側辺。

Claims (9)

  1. その携帯機との相互無線通信の確立により車両の制御対象を制御する車両制御装置と該相互無線通信を行うべく、内蔵された第1電源を用いて該相互無線通信を行う携帯機において、
    前記車両に備えられた第2電源に接続された非常用電力供給手段のプラス端子に接触する第1端子と、
    前記非常用電力供給手段のマイナス端子に接触する第2端子とを備え、
    前記プラス端子と前記第1端子との接触及び前記マイナス端子と前記第2端子との接触によって前記第2電源から供給される電力を用いて前記相互無線通信を可能となるように構成したことを特徴とする携帯機。
  2. 前記非常用電力供給手段は、シガライタソケットであることを特徴とする請求項1に記載の携帯機。
  3. 前記第1端子及び前記第2端子が設けられたケース本体を備え、
    前記ケース本体は、天部と側部とを備え、
    前記天部には、前記第1端子が設けられ、
    前記側部には、前記第2端子が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の携帯機。
  4. 前記ケース本体は、その全体が四角箱状でかつ前記天部の天面が長方形状となるように形成されており、
    前記側部には、前記天面の短手側辺と接する一対の短手側面と、前記天面の長手側辺と接する一対の長手側面とを備え、
    前記第2端子を前記短手側面から突出するように設けたことを特徴とする請求項3に記載の携帯機。
  5. 前記ケース本体に対して相対移動可能に設けられかつ前記ケース本体との相対位置に応じて前記第1端子及び前記第2端子を覆ったり露出させたりするカバーを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の携帯機。
  6. 請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機へ電力を供給する車両電力供給装置であって、
    そのオン作動がエンジン始動の条件の一つであるエンジン始動スイッチと、
    前記オン作動を検出可能で、かつ車両に備えられた第2電源からプラス端子及びマイナス端子を有する非常用電力供給手段への電力供給を制御する電力供給制御手段とを備え、
    前記電力供給制御手段は、前記オン作動を検出した場合に前記プラス端子及び前記マイナス端子へ電力を供給することを特徴とする車両電力供給装置。
  7. 請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機へ電力を供給する車両電力供給装置であって、
    車両に備えられた第2電源からプラス端子及びマイナス端子を有する非常用電力供給手段への電力供給を制御する電力供給制御手段と、
    車両に備えられたキーシリンダにメカニカルキーが挿入されたことを検出した場合に前記電力供給制御手段へ挿入検出信号を出力する挿入検出手段とを備え、
    前記電力供給制御手段は、前記挿入検出信号を入力した場合に前記プラス端子及び前記マイナス端子へ電力を供給することを特徴とする車両電力供給装置。
  8. 請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機と、
    請求項6に記載の車両電力供給装置と、
    対応する携帯機との相互無線通信の確立により車両の制御対象を制御する車両制御装置と
    を備えたことを特徴とする電子キーシステム。
  9. 請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機と、
    請求項7に記載の車両電力供給装置と、
    対応する携帯機との相互無線通信の確立により車両の制御対象を制御する車両制御装置と
    を備えたことを特徴とする電子キーシステム。
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