JP2005350823A - 非接触方式のicタグが漉き込まれてなる用紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
一般の紙・板紙抄紙機を用いて、非接触型ICタグを用紙基材に漉き込む時に非接触型ICタグの機能停止を生ずることなく、一般の紙・板紙の用紙品質と同等の紙くせ・カールのない印刷品質の良好な非接触型ICタグを漉き込んだ用紙を提供する。
【解決手段】
本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙は、一層からなる用紙基材の紙層内に、又は二層以上からなる多層用紙基材を構成する紙層のうち少なくとも一つの紙層内に、非接触型ICタグが漉き込まれてなり、用紙基材又は多層用紙基材のJIS P 8122:2004で規定されるステキヒト法によるサイズ度が0.0093×(坪量)^2.00秒以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は電波を用いてデータの読み出しや書き込みを行い、非接触で対象物を自認する技術(RFID Radio Frequency Identification)に関する。更に詳細すれば、RFIDを用いたデバイスである非接触型ICタグを紙の紙層内に漉き込んだ用紙及びその製造方法に関する。
図書館、交通機関等の種々の公共施設その他施設において、利用者の確認や識別のための通行証、保険証、会員登録証等のカード内に、情報量の増大や記録の書き換え等に対応するために、アンテナコイルやコンデンサ等の共振回路とICチップを実装した非接触型ICタグを封入したものが用いられている。この様なICカード基材としては通常ポリエステル樹脂、ABS樹脂又は塩化ビニル樹脂等のプラスチックが主に用いられている。
これらICカードの汎用性を進めるにあたり、カードの薄型化や低コスト化が求められている。この様な観点から、印刷等の加工処理の容易さ、コストの大幅な低減等の要求から紙製のICカードが提案されている。
例えば、カード用紙に非接触型ICダグを挟み貼り合わせしたもの(例えば、特許文献1参照。)や、更に該カード用紙表面に導電性インクを用いアンテナパターンを印刷したものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、前記紙製のICカードの非接触型ICタグの張り替え等による偽造防止を目的に、用紙を抄造する際にICタグを用紙の層間に漉き込んだ紙製のICカード(例えば、特許文献3又は4参照。)や、紙層内に漉き込んだ偽造防止用紙(例えば、特許文献5又は特許文献6参照。)等が提案されている。
また、非接触型ICタグも薄物化が図られており、厚さ60〜70μmの非接触型ICタグ(特許文献7参照)も提案されている。
特開2003−85518号公報 特開2003−85510号公報 特開2003−58856号公報 特開2004−102353号公報 特開2002−319006号公報 特開2004−139405号公報 特開2002−49901号公報
従来の抄紙時に非接触型ICタグを紙層間に漉き込んだ紙製ICカードは漉き込んだ用紙の表面にICタグによる膨らみ又は光沢のムラが発生した。これにより、ICタグの存在が目視され、表面平滑性が劣り、印刷適性や意匠性に劣り、また、耐水性や寸法安定性が劣り、実用的には大きな障害があった。
また、従来の非接触型ICタグを紙層内に漉き込んだ紙製ICカードは、紙層内にICタグを漉き込むに当たりワイヤー上に形成された紙料マットに歪みを生じさせたり、最終用途をカード大の寸法等の比較的小さな用途を対象とした場合、非接触型ICタグを抄紙機の幅方向の紙層内に頻度を密にして漉き込まざるをえず、インレット、バット、乃至ポンド内の希釈紙料の流れを塞いだり、乱したり、汚れを発生させたりして、用紙の地合不良、筋及び汚れを発生させ、表面平滑性、印刷適性や意匠性を低下させ、また、耐水性や寸法安定性が劣り、実用的には大きな障害があった。
また、紙製のICカード又は偽造防止印刷用紙においては、長期使用時におけるICタグの金属腐食等による受発信機能の停止が心配されている。
また、一般の紙・板紙の抄紙機で非接触型ICタグをただ単に漉き込んで用紙を製造した場合、用紙に漉き込んだ非接触型ICタグに受発信機能停止トラブルが頻発し、ICタグの欠番を生ずるという大きな問題のあることを見出した。
そこで本発明の第1の目的は、非接触型ICタグを破壊することなしに紙層内に漉き込むことで、用紙の表面にICタグによる膨らみ又は光沢のムラの発生を抑止した用紙を提供することである。すなわち、ICタグの存在が目視されることがなく、表面平滑性、印刷適性や意匠性に優れ、また、耐水性や寸法安定性に優れた実用的な用紙を提供することである。また、本発明の第2の目的は、非接触型ICタグを紙層内に漉き込んだ用紙の製造方法であって、一般的な紙・板紙抄紙機の大幅な変更をすることがなく、また非接触型ICタグを破壊することがなく、用紙とした後も安定して非接触型ICタグが作動しうる用紙の製造方法を提供することである。
即ち、本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙は、一層からなる用紙基材の紙層内に、又は二層以上からなる多層用紙基材を構成する紙層のうち少なくとも一つの紙層内に、非接触型ICタグが漉き込まれてなり、前記用紙基材又は前記多層用紙基材のJIS P 8122:2004で規定されるステキヒト法によるサイズ度(以下、「ステキヒトサイズ度」という)が0.0093×(坪量)^2.00秒以上であることを特徴とする。また、本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙は、一層からなる用紙基材の紙層内に、又は二層以上からなる多層用紙基材を構成する紙層のうち少なくとも一つの紙層内に、非接触型ICタグが漉き込まれてなり、抄紙機の各加圧装置の加圧が線圧0kgf/cmを超えて45kgf/cm以下として製造され、前記用紙基材又は前記多層用紙基材のJIS P 8122:2004で規定されるステキヒト法によるサイズ度が0.0093×(坪量)^2.00秒以上であることを特徴とする。紙層内に非接触型ICタグを漉き込むことで、紙層間にそれを漉き込んだ場合と比較してICタグによる膨らみ又は光沢のムラの発生が少ない。ここで、用紙基材又は多層用紙基材のJIS P 8122:2004で規定されるステキヒトサイズ度を0.0093×(坪量)^2.00秒以上とすることで紙厚の戻りもなく、非接触型ICタグの紙中の存在がより明らかとならず、偽造防止乃至意匠性に優れる。なお、用紙基材又は多層用紙基材の用語が表す意味としては、顔料を含んだ塗被組成物を表面に塗工した塗工紙における用紙基材の部分又は多層用紙基材の部分を含む。もちろん非塗工紙の用紙基材の部分又は多層用紙基材の部分を含む(以下同じ)。
本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙では、前記用紙基材又は前記多層用紙基材のJIS P 8133:1998で規定される冷水抽出pHが6.2を超え、且つ、前記用紙基材又は前記多層用紙基材の全塩素含有量が400ppm以下であり、且つ、前記用紙基材又は前記多層用紙基材のJIS P 8144:1998で規定される水溶性塩化物含有量が80ppm以下であることが好ましい。これらの条件を全て満たす中性用紙の紙層内に非接触型ICタグを配置することにより、非接触型ICタグを安定させて作動しうる環境とするものである。特に封止剤により封止されてない絶縁フィルムに、アンテナコイル、配線パターン、ICチップ等が実装されたままの非接触型ICタグ、及びアンテナ内蔵型ICタグの場合に有効である。
本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙では、主に顔料と接着剤からなる塗被組成物が片面及び/又は両面に片面塗被量5〜15g/mで塗被されている用紙が含まれる。用紙の印刷適性及び意匠性をより高めることができる。
本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙では、前記非接触型ICタグは、単品で若しくは該非接触型ICタグを貼着したテープと共に前記紙層内の所定の一定の位置に漉き込まれてなる場合を含む。非接触型ICタグ単品でも或いはテープをガイドとしても、所定位置に非接触型ICタグが配置されることとなる。
本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法は、抄紙機のワイヤーパートのワイヤー上で形成途中の紙料マットの中に非接触型ICタグを漉き込む工程を有し、前記抄紙機の各加圧装置の加圧を線圧0kgf/cmを超えて45kgf/cm以下としたことを特徴とする。形成途中の紙料マットの中に非接触型ICタグを漉き込むことで、紙層に歪みを生じることなく容易に紙層内に非接触型ICタグを入れることができ、また、非接触型ICタグの破壊を防ぐことができる。
本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法では、用紙基材又は多層用紙基材のJIS P 8122:2004で規定されるステキヒト法によるサイズ度が0.0093×(坪量)^2.00秒以上となる量のサイズ剤を添加する工程を有することが好ましい。紙厚の戻りもなく、非接触型ICタグの紙中の存在が明らかとならず、偽造防止乃至意匠性に優れた用紙ができる。
本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法では、前記非接触型ICタグを漉き込む工程は、細長状の連続テープに所定間隔をおいて貼着された前記非接触型ICタグを該連続テープと共に前記形成途中の紙料マットの中に漉き込む工程であることが好ましい。用紙基材の紙層内に正確に所定間隔空けて非接触型ICタグを漉き込むことができる。これにより、例えば非接触型ICタグを備えたカードを製造する場合には、廃棄される用紙基材を少なくすることができる。
本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法では、前記非接触型ICタグを漉き込む工程は、非接触型ICタグ導入管の先端を前記形成途中の紙料マットの中に配置し、水若しくは希釈紙料をキャリアとして所定間隔ごとに前記非接触型ICタグを漉き込む工程であることが好ましい。前記連続テープを用いて非接触型ICタグを漉き込む場合は勿論のこと、非接触型ICタグを単体で形成途中の紙料マットの中に漉き込む場合においても、所望の場所から一定時間をおいて漉き込むことにより、正確に一定間隔をあけて紙層に歪みを生ぜずに非接触型ICタグを漉き込むことができる。
また、本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法では、前記抄紙機は多層抄き抄紙機であり、且つ、前記非接触型ICタグを漉き込む工程は、紙幅方向で相隣り合う前記非接触型ICタグを異なる紙層内に漉き込む工程である場合を含む。完成品であるカードの大きさが小さい場合など、非接触型ICタグを高密度で漉き込む必要がある場合、非接触型ICタグ導入管同士の間隔を広げることができる。これにより、ポンド又はバット内に送り込まれた希釈紙料の水流を塞ぎ、乱すこともなく、用紙を厚薄、筋等を生じさせ地合の極めて劣ったものとなることもない。また、非接触型ICタグ導入管に紙料が堆積し、粕、汚れとなって用紙を汚すこともない。
本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法では、前記紙料は、原料パルプ繊維としてECF漂白化学パルプを用いた中性抄紙紙料であることが好ましい。酸に弱い非接触型ICタグを安定させて作動しうる環境とするものである。特に封止剤により封止されてない絶縁フィルムに、アンテナコイル、配線パターン、ICチップ等が実装されたままの非接触型ICタグ、及びアンテナ内蔵型ICタグの場合に有効である。
本発明は、一層からなる用紙基材の紙層内に又は二層以上からなる多層用紙基材で構成する紙層のうち少なくとも一つの紙層内に非接触型ICタグを漉き込んだ用紙であり、一般の印刷用紙と同等の表面性と紙層の均一性を有するので印刷適性並びに意匠性に優れる。さらに、寸法安定性並びに耐水性に優れるので実用的である。また、本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法においては、一般的な紙・板紙抄紙機の大幅な変更をすることがなく、また非接触型ICタグを破壊することがない。さらに用紙とした後も非接触型ICタグが機能停止、それによる該ICタグの欠番を生じる恐れがない。
以下、本発明について実施形態を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されることはない。図1は、本実施形態に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の一形態を示す断面概略図であって、(a)は1層の紙層からなる用紙の場合、(b)は多層の紙層からなる用紙の場合である。本発明に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙は、図1(a)に示すように一層の紙層13からなる用紙基材の紙層内に非接触型ICタグ1が漉き込まれてなる。或いは、図1(b)に示すように二層以上の紙層からなる多層用紙基材を構成する紙層13a,13b,13cのうち少なくとも一つの紙層内3bに非接触型ICタグ1が漉き込まれてなる。紙層に歪みを生ずることなく非接触型ICタグは紙層内に漉き込まれる。
紙層内に漉き込まれる非接触型ICタグは、例えば、PET,PEN,PI等からなる厚さ5〜15μmの絶縁フィルムの片面に厚さ18〜50μmの銅、アルミニウム等の金属層が積層されてなる積層板をパターニングして、アンテナコイルと配線パターンを形成し、フイルムコンデンサー、ICチップを実装し一体化したもの、又は更にこれらをエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエステル等のホットメルト樹脂で封止した厚さ60〜70μmのICダグがある。また、ICチップ上にアンテナコイルを設けたコイルオンチップ乃至アンテナ内蔵型ICタグも含まれる。また、本実施形態に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙には、前記の絶縁フィルムにアンテナコイルのみを設けた共振タグ又はワイヤー状のアンテナが漉き込まれている場合も含まれる。
以下、本実施形態に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法を説明しつつ、当該用紙の特徴についてあわせて説明する。
本実施形態に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法では、一般的な紙及び板紙が製造されている抄紙機を大幅な変更をすることなく非接触型ICダグを紙料マット形成途中の紙層内に漉き込むことに係る発明である。そして、その後の製紙工程において非接触型ICタグを破壊せずに、用紙化する必要がある。一般的な紙及び板紙の抄紙機のフローを図2に示した。本フローに基づき、主に非接触型ICタグの破壊の大きな要因である各パートにおける紙に負荷される加圧状況について説明する。
先ず、紙料調整において主原料であるパルプ等繊維と、サイズ剤、硫酸バンド、填料、染料等の薬品類が混合され、紙乃至板紙の紙料が3%程度の濃度に調整される。
この紙料は濃度0.1〜0.6%に希釈され、所定の坪量の紙に相当する規定量がウェットパートに送られワイヤーで漉き取られる。紙料を漉き取る方式はワイヤーの形式により大きく分けて長網、円網、傾斜の3種類があり、単独又は組み合わせて採用されている。本パートはワイヤーパートとも云われる。本パートの出口の湿紙水分は90%前後である。
次に、90%前後の水分の湿紙はプレスパートに送られ、次段の加熱による乾燥の効率を高めるために、ゆっくりと絞られる。本プレスパートは湿紙の脱水を主目的とするが、湿紙表面は粗であり、ワイヤマークやフェルトマークもあり、これらを矯正してより平滑なものにし、また成紙の密度を高め、物理的強度を高めることもその機能としている。プレスパートに入ってくる湿紙水分は90%前後と高水分であるため、そのままの状態で急激に加圧すると、湿紙の潰れ、膨れ、層間剥離等色々のトラブルを生ずるため、2〜4段のベビープレスで徐々に脱水され、4〜5基のサクションロール、グルーブドロール等のメインプレスで脱水される。プレスパート出口の湿紙水分は52〜60%程度である。一般的紙及び板紙製造におけるプレスパートのプレスの線圧(kgf/cm)と湿紙水分を表1に示す。一般的な紙及び板紙の製造においては最大110kgf/cmのプレス線圧で湿紙が絞られている。なお、表1には、加圧パターンを2通り例示した。
Figure 2005350823
次に、ドライパートにおいてプレスパート出口の水分52〜60%程度の湿紙は成紙水分5%程度まで乾燥される。本パートは蒸気により表面温度が100〜135℃程度に熱せられているシリンダードライヤー又はヤンキードライヤーからなる。ドライパートの途中には、紙の表面強度を増強するする目的で澱粉やPVA(ポリビニルアルコール)等紙力増強剤の3〜10%濃度の溶液を紙に塗布するサイズプレスが設けられている。通常30〜40kgf/cm程度の線圧で紙に紙力増強剤の溶液が塗布されている。
紙水分5%程度に乾燥されドライヤーパートを出てきた紙は、まだ表面が粗く、その組織も柔らかであることから、表面を平滑にし、組織を緻密にし、所定の紙厚にする目的でカレンダー処理される。一般に外表面に硬度の高いチルド層を設けたチルドロールが用いられている。又、弾性ロールを用いたソフトカレンダーも用いられている。通常55〜65kgf/cm程度の線圧で処理されている。
カレンダーパートまでの紙は連続した紙で作られてきているが、抄紙機の最終段でこの連続した紙はそのまま巻き取られたり(リール)、そのまま平判に指定の寸法に断裁されたりする(カッター)。また、そのまま巻き取られたリールは再度ワインダーで指定の幅の小巻ロールやカッターにより指定の寸法の平判に断裁される。
この様に一般の紙・板紙の抄紙機には、湿紙の脱水を図るために、或いは、印刷適性付与のための紙表面の平滑性向上や紙厚の均一性を図るために各種の紙を加圧する設備が設けられている。一般の紙・板紙抄紙機で単に非接触型ICタグを紙に漉き込むと、加圧によるICチップそのものの破壊又は非接触型ICタグのアンテナコイルとICチップの接点の破壊等により非接触型ICタグの機能障害が生じる。非接触型ICタグの機能障害を生ずることなく、非接触型ICタグを漉き込んだ用紙を得るには、抄紙機の各加圧装置の加圧を各加圧設備の加圧を線圧0kgf/cmを超えて45kgf/cm以下にすることが必要であることを見出した。さらにこの条件に加えて通常の紙・板紙製造時の線圧の70%以下とすると良い。一方、本発明の非接触型ICタグを漉き込んだ用紙の印刷適性、特に印刷平滑性を、一般的な印刷用紙・板紙の品質と同等レベルの品質に維持するには、特にプレスパートの各プレスの線圧を一般的紙・板紙の平常生産時における線圧の0%超、即ちプレスパートの各加圧装置を空通しするのではなく若干でも加圧する、好ましくは30%以上の線圧で加圧することが必要であることを見出した。即ち、一般の紙・板紙抄紙機の改造をすることなく、漉き込んだ非接触型ICタグに機能停止のトラブルが発生せず、且つ、一般の紙・板紙と同等の印刷適性を得るには、一般の紙・板紙抄紙機に用いられている加圧装置の線圧を0kgf/cmを超えて45kgf/cm以下とすることで達成できることを見出した。さらにこの条件に加えて各加圧設備の加圧を0%超から70%以下、好ましくは30%以上から70%以下とすると良い。
また、現在提供されている非接触型ICタグの厚さは60〜150μmであるが、この厚みは用紙の坪量とすると50〜130g/mに匹敵する。図3に示したように、積層される湿紙(水分90%前後)の層間に非接触型ICタグを漉き込んだ場合、該ICタグが漉き込まれた箇所は、ICタグが漉き込まれてない箇所に比較して紙層の密度が高くなり、その結果該箇所のみの光沢が高くなる。また、前記積層された紙の耐水性が特に弱い場合、紙厚の戻りが生じ非接触型ICタグの漉き込まれた箇所のみ紙厚が厚くなる。一方、図4に示したように、紙料マット形成途中の試料マット内に非接触型ICタグを漉き込んだ場合は、非接触型ICタグが漉き込まれた箇所とそうでない箇所の紙層密度に殆ど差が生ぜす、紙層に歪みを生ずることがない。更に、非塗工紙或いは顔料を含んだ塗料を塗被する前の紙のJIS P 8122:2004で規定されるステキヒトサイズ度を0.0093×(坪量)^2.00秒以上、好ましくは0.0212×(坪量)^1.90秒以上とすることで、紙厚の戻りもなく、且つ、非接触型ICタグの紙中の存在が明らかとならないため、偽造防止乃至意匠性に優れた非接触型ICタグを漉き込んだ用紙を得ることができた。なお、前記式内の「坪量」は特に断らない限り、一層からなる用紙基材の場合は「非塗工紙の一層の坪量」を表し、二層以上からなる多層用紙基材の場合は「非塗工紙の全坪量」を表す。
また、紙製ICカードにおいては、耐水性が弱く、寸法安定性に劣り、紙くせ及びカールが発生するという課題があった。非塗工紙或いは顔料を含んだ塗被組成物を塗被する前の紙のJIS P 8122:2004で規定されるステキヒトサイズ度を0.0093×(坪量)^2.00秒以上、好ましくは0.0212×(坪量)^1.90秒以上とすることで、非塗被紙及び塗被紙のカール乃至紙くせのない非接触型ICタグを漉き込んだ紙を得ることができた。
更に、一般の塗被紙・板紙の製造に用いられている塗被装置を用いて非接触型ICタグを漉き込んだ用紙に主に顔料と接着剤からなる塗被組成物を片面及び/又は両面に片面塗被量5〜15g/m塗被することで該用紙の印刷適性及び意匠性をより高めることができた。該用紙への塗被組成物の塗被は、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、ロッドコーター(バーコーター)、ノッチバーコーター、エアードクターコーター等が使用できる。より好ましくは、非接触方式のダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、エアードクターコーター等が好ましい。
また、特に封止剤により封止されてない絶縁フィルムにアンテナコイル、配線パターン、ICチップ等が実装されたままの非接触型ICタグ、及びアンテナ内蔵型ICタグの場合、原料紙料の条件により非接触型ICタグの機能に障害を及ぼすことを見出した。抄紙時における該ICタグの機能障害の防止及び該ICタグの漉き込まれた用紙の長期使用時における該ICタグの機能障害を防ぐ為には、非塗工紙或いは顔料を含んだ塗料を塗被してない紙、すなわち用紙基材又は多層用紙基材のJIS P 8133:1998で規定される冷水抽出pHが6.2を超えることが好ましい。さらにこのpHを9以下、より好ましくはpHを8以下とすることが良い。このpHが9を超えると、アルカリ填料及び薬品によりパルプ繊維への紙力向上剤及びサイズ剤の定着が阻害され、その結果、強度及びサイズ度の発現が阻害さる。特に本発明の様な高サイズ度を要求する場合、冷水抽出pHが9以下、より好ましくは8以下が良い。また非塗工紙或いは顔料を含んだ塗料を塗被してない紙、すなわち用紙基材又は多層用紙基材の全塩素含有量が400ppm以下、好ましくは200ppm以下であることが好ましい。さらに、非塗工紙或いは顔料を含んだ塗料を塗被してない紙、すなわち用紙基材又は多層用紙基材のJIS P 8144:1998で規定される水溶性塩化物含有量が80ppm以下、好ましくは50ppm以下を満足する紙料配合であることが必要であることを見出した。
次に非接触型ICタグを紙層内の定位置に漉き込む方法を以下に説明する。非接触型ICタグは非接触型ICタグ自体をそのままで又はPP,PE及びPET等のフィルム或いは不織布等のシート材をスリットした細いテープに非接触型ICタグを所定間隔に貼り付ける。この非接触型ICタグが貼り付けられたテープを水又は希釈紙料をキャリアとして非接触型ICタグ導入管を通じてワイヤー上の紙料マット形成途中で紙料マット中に漉き込む。紙層内の定位置に非接触ICタグを漉き込むワイヤー形式としては、一層からなる用紙基材の紙層内に漉き込む場合は、図5記載の傾斜型ワイヤーを用い、二層以上からなる多層用紙基材を構成する紙層のうち少なくとも一つの紙層内に漉き込む場合は、図6(A)又は(B)記載の円網型ワイヤーを用いる。尚、一層からなる用紙基材についても円網型を用いることが出来る。
図5に傾斜型ワイヤーを示した。傾斜型ワイヤーはワイヤー5の傾斜領域a上にインレット4から導入された0.1〜0.3%程度に希釈された紙料からなるポンド6が形成されている。傾斜型ワイヤーの紙料マットの形成は、ポンド6に対しワイヤーを介して反対側に設置したサクションボックス7乃至テーブルロール(図示してない)により脱水されることで希釈紙料ポンドのワイヤーa領域において徐々に紙料マット8がワイヤー5上に形成され最終的に所定量の成紙坪量の紙料マット8となる。形成された紙料マット8はワイヤー5から分離され次工程のプレス工程へ送られる。
図5の傾斜型ワイヤーによる非接触型ICタグの紙層内への漉き込みは、非接触型ICタグ自体をそのまま単体10で又は非接触型ICタグをテープに貼り付けたテープ10で非接触型ICタグ導入管9を通じて紙料マット形成の途中で紙層内に漉き込む。非接触型ICタグを紙料マット8内の紙の厚さ方向中央部に確実に漉き込むためには、非接触型ICタグ導入管9の先端を第二サクションボックス7又は多数本設置されてあるテーブルロール(図示してない)のインレット4側から1/3位置のテーブルロールの位置とすることが好ましい。
図6に円網型ワイヤーを示した。(A)は順流型バットであり、(B)は逆流型バットを示す。2層以上からなる多層用紙基材を製造するには、これらのバットを多層用紙基材の漉き合わせ層数に応じたバット数を用いて漉き合わせる。
順流型バット(A)では、0.1〜0.3%の希釈紙料はインレット4から導入され、円網型ワイヤー5の回転方向と同じ方向に流れ、余剰分はオーバーフロー口12からオーバーフローして行く。この途中で円網内部のサクションにより円網ワイヤー5上に徐々に紙料マットが形成される。形成された紙料マット8は毛布11に転移されてプレスパートへと送られる。順流型バット(A)から作られる成紙は地合が良く、幅方向の坪量や厚さの分布が均一である。
一方逆流型バット(B)は、0.3〜0.6%希釈紙料の成紙坪量に相当する量が円網型ワイヤー5の回転と逆方向にインレット4から導入され、紙料マット8は希釈紙料がインレット4から導入され円網型ワイヤーの回転方向と逆流し流れ、更に円網型ワイヤーの回転方向と順流し流れる間に導入された紙料の全量が紙料マット8として円網型ワイヤー5上に形成される。形成された紙料マット8は毛布11に転移されてプレスパートへと送られる。逆流型バット(B)は厚紙用の製造に適している。
図6の円網型ワイヤー(A)乃至(B)による非接触型ICタグの紙層内への漉き込みは、非接触型ICタグ自体をそのまま単体10で又は非接触型ICタグをテープに貼り付けたテープ10で非接触型ICタグ導入管(図示してない)を通じて紙料マット8形成の途中で紙料マット内に漉き込む。非接触型ICタグを紙層内の厚さ方向中央部に確実に漉き込むためには、鋭意検討の結果、非接触型ICタグ導入管の先端を図6(A)順流バット場合は5時から7時の間、図のaの位置に、(B)逆流バットの場合は7時から9時の間、図のbの位置にすることが好ましいことがわかった。
非接触型ICタグ導入管により紙料マット内に漉き込まれた非接触型ICタグは、傾斜型ワイヤーの場合はサクションボックス又はテーブルロールの吸引、又は円網型ワイヤーの場合も円網ワイヤー内部からの吸引による希釈紙料の吸引脱水による紙料マット形成に伴う吸引力により自然に容易に抄紙機の幅方向及び流れ方向の定めた所定の位置に正確に漉き込まれた。
最終用途がカード寸法(幅57mm×長さ84mm)の非接触型ICタグ漉き込み用紙を効率的に製造するには、用紙製造時の乾燥及び引っ張りによる紙の縮みを考慮して抄紙機の幅方向及び流れ方向の非接触型ICタグの漉き込み間隔を決める必要があるが、抄紙機の幅方向においては最小57mm間隔で、流れ方向においては最小84mm間隔で非接触型ICタグを密度高く紙層内に正確に漉き込む必要がある。特に、ワイヤーの幅方向は非接触型ICタグ導入管を最小57mm間隔で緻密に多数本設置しなければならい。このとき、非接触型ICタグ導入管が、ポンド又はバット内に送り込まれた希釈紙料の水流を塞いだり乱したりして用紙に厚薄、筋等を生じさせ地合の極めて劣ったものとなるという問題が生じた。また、非接触型ICタグ導入管に紙料が堆積し、粕、汚れとなって用紙を汚す原因となった。鋭意検討の結果、複数層に非接触型ICタグを漉き込むことで1バット当たり挿入する非接触型ICタグ導入管の本数を減らすことにより前記記載の問題を解決することができた。例えば、2台のバットを用い、2つの層に非接触型ICタグを漉き込むことにより非接触型ICタグ導入管の間隔は最小114mmとなる。このように非接触型ICタグ導入管の間隔を大きくすることで、非接触型ICタグ導入管がバット中の希釈紙料の水流を乱すことなく、粕・汚れの発生もなかった。非接触型ICタグ導入管の間隔を、用紙の地合を崩すことなく且つ汚れの発生もない間隔に設定し、また非接触型ICタグを複数層に漉き込むことにより、カード寸法の様な小さな寸法の最終用途のものにも連続して効率よく対応させ、非接触型ICタグを漉き込んだ用紙を得ることができた。
非接触型ICタグ導入管の太さ及び断面の形状は、漉き込む非接触型ICタグの形状に応じて適宜調整した方が非接触型ICタグを一定の位置の漉き込むためにも、及び用紙の厚薄・筋等の発生を抑えるためにも好ましい。
以下に、実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例で用いた抄紙機のワイヤーパートの形式及び材料は以下の通りである。
<ワイヤーパートの形式>
図5 傾斜型ワイヤー
図6(A)円網型ワイヤー(順流)、(B)円網型ワイヤー(逆流)、(C)円網型ワイヤーの組み合わせ例
<紙料配合>
表2に記載した紙料は一般紙・板紙に使用している紙料配合である。
Figure 2005350823
<塗被組成物、塗被装置及び塗被量>
表3に塗被組成物、塗被装置及び塗被条件を示した。
Figure 2005350823
<非接触型ICタグの種類と漉き込み形態>
表4に非接触型ICタグの種類と寸法を示した。
Figure 2005350823

表5に非接触型ICタグの漉き込み形態を示した。
Figure 2005350823
また、以下の実施例及び比較例で実施した試験方法及びその評価基準は以下の通りである。
<紙基材に漉き込んだ非接触型ICタグの機能測定>
非接触型ICタグの機能の作動状況は株式会社日立製作所製の形式HE−MU380−MMP201を用いて行った。非接触型ICタグそのものを及びテープに貼り付けた非接触型ICタグを用紙基材に漉き込む前に非接触型ICタグをランダムに選択し、正常に機能している非接触型ICタグを10個選び、それらにマーキングし試験用非接触型ICタグ(A)とした。マーキングした試験用非接触型ICタグ(A)を用紙基材に漉き込んだ後に、再度これらの非接触型ICタグの機能の作動を検査した。機能の停止した非接触型ICタグの個数を確認した(B)。用紙基材に漉き込んだ非接触型ICタグの機能停止頻度を(B)/(A)で表した。
<ステキヒトサイズ度>
JIS P8122:2004の紙及び板紙−サイズ度試験方法−ステキヒト法に準じて行った。
<紙くせ・カール>
非接触型ICタグを漉き込んだ用紙をカード寸法(幅54mm×長さ85mm)にカットし、温度40℃、湿度90%RH、24時間処理した直後、平らな金属盤上にカール面を上向きに据えて金属盤表面から最も浮いた箇所の距離をノギスで測定した。尚、はがき及び情報記録用紙を想定した実施例及び比較例においてもそれぞれの用途に対応した寸法にカットして、同様にして測定した。評価基準を表6に示した。
Figure 2005350823
<白紙及び印刷平面性>
白紙平面性は非接触型ICタグを漉き込んだ用紙を1/10坪量判にカットしたものを温度40℃、湿度90%RH、24時間処理した後、温度23℃、湿度50%RHで24時間調湿した後の白紙の表面を目視観察して評価した。印刷平面性は白紙平面性を観察した用紙をRI―III型印刷適性試験機(石川島産業株式会社製)を用い、プロセス印刷インキ紅(東洋インキ製造株式会社製)0.4mlで、印刷圧力8.5mm、印刷速度60rpmで印刷し印刷表面を目視で観察評価した。非接触型ICタグの漉き込んでない白紙部分の面は紅インキで均一に印刷されていた。尚、はがき及び情報記録用紙を想定した実施例及び比較例においても同様にして測定した。表7に目視観察評価基準を示す。
Figure 2005350823
<RI強度(膨れ)>
RI―III型印刷適性試験機(石川島産業株式会社製)を用い、タックバリュウ13のインキ(東洋インキ製造株式会社製)0.4mlで、印刷圧力8.5mm、印刷速度60rpmで非接触型ICタグを漉き込んだ用紙の1/10坪量判を印刷し、該用紙の膨れ状況を観察した。尚、はがき及び情報記録用紙を想定した実施例及び比較例においても同様にして測定した。評価基準を表8に示した。
Figure 2005350823
<紙の水抽出pH>
JIS P8133:1998の紙,板紙及びパルプ−水抽出液pHの試験方法に準じて行った。
<紙中の全塩素含有量>
試料を燃焼試験装置により燃焼させ、発生するガスを活性炭に吸着後、塩素分析装置にて全塩素量を測定した。塩素分析装置は三菱化学株式会社製TOX―10を用いた。
<紙の水溶性塩化物含有量>
JIS P8144:1998の紙,板紙及びパルプ−水溶性塩化物の分析方法に準拠して得られた抽出液をイオンクロマト法で行った。装置は日本ダイオネクス株式会社製DX320を用いた。
<用紙の製造紙料配合による非接触型ICタグの作動測定試験>
1/10坪量判にカットした非接触型ICタグが漉き込まれた用紙を温度40℃、湿度90%RH、一週間処理し、温度23℃、湿度50%RHで24時間放置調湿した後、用紙に漉き込まれた非接触型ICタグの作動を株式会社日立製作所製の形式HE−MU380−MMP201を用いて測定した。処理前の用紙に漉き込まれた非接触型ICタグの作動は正常に機能していたことを確認した。<紙基材に漉き込んだ非接触型ICタグの機能測定>と同様の方法で用紙の処理前後の漉き込まれた非接触型ICタグの機能停止頻度を表した。
本実施例及び比較例は最終用途としてカード(坪量270g/m、寸法幅54mm×長さ85mm)、はがき(坪量190g/m、寸法幅100mm×長さ147mm)及び情報記録用紙(坪量80g/m、寸法幅210mm×長さ297mm)を想定して行った。
<実施例1>
表9〜表11に抄紙機に設置されている加圧装置の加圧条件による漉き込んだ非接触型ICタグの機能の作動状況と非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の品質について検討した結果を示した。
Figure 2005350823

Figure 2005350823

Figure 2005350823
本検討は、ウェットパートとして図6(A)円網型(順流)バット3台を用い、図6(C)に図示した様に配置したものを用い、紙料は<紙料配合>記載の紙料Aを用い、全坪量は最終用途をカード用途に想定して一層坪量90g/m×三層の全坪量270g/mで行い、非接触型ICタグの漉き込みは中層にあたる第2バットで図6(A)記載の方法で紙層内に漉き込んだ。抄速は5m/minで行った。最終的に該用紙を<塗被組成物、塗被装置及び塗被量>に記載の条件で両面塗被した。漉き込みに使用した非接触型ICタグ及び漉き込み形態は<非接触型ICタグの種類と漉き込み形態>に記載したICタグX及びICタグXを紙層内に漉き込む形態1で行った。ICタグXは樹脂で封止されてない非接触型ICタグである。
ICタグXを第2バット目で紙層内に漉き込んだ方法を更に詳細すると、鋭意検討の結果、内側断面形状が22mm×2mmの非接触型ICタグ導入管を用い、図6(A)のaの箇所に非接触型ICタグ導入管(図示してない)の先端をワイヤーの幅方向に184mmの間隔で3本設置し、その導入管にワイヤーの回転速度とほぼ同速度でインレット1からバット内に供給されていると同じ希釈紙料を流しながら導入管に自動的に1.08秒間隔で連続的にICタグXを落とし込むことによって紙層内に漉き込んだ。尚、非接触型ICタグ導入管の隙間は161mmであった。
比較としてICタグXの紙層間への漉き込みも行った。図6(C)のバット(I)と(II)の2バットを用い、バット(II)で漉かれ毛布に転移され運ばれてきた湿紙表面に手動で軽くICタグXを貼り付けた。その後バット(I)で漉かれた湿紙によってICタグXを挟み込み層間に漉き込んだ。全坪量は一層坪量135g/m×二層の270g/mで行った。
紙料配合Aは、原料パルプ繊維としてECF漂白化学パルプを用いた中性抄紙紙料であるが、<紙料配合>記載の一般の紙・板紙に使用している該紙料Aと前記紙料Aのサイズ剤添加量をほぼ5倍量増量しステキヒトサイズ度を更に高めた紙料A5の2種類の紙料について検討した。
また、抄紙機の加圧装置の加圧条件は表9〜表11に記載の通りであるが、プレスパートの加圧装置及びカレンダーの加圧条件は一般の紙・板紙の製造条件(100%)から空通し(0%)の範囲で変更した。サイズプレス等その他加圧設備の加圧条件は特に変更しなかった。これらの線圧は全て45kgf/cm以下であった。
ICタグXの漉き込まれた連続した成紙は(非塗被紙)は工程トラブルもなくリールに巻き取られた。該巻き取りはエアードクターを設置した塗被装置で前記塗被組成物を片面12g/m(絶乾)で両面塗被して、塗被紙を得た。工程トラブルもなくICタグXの漉き込まれた連続した塗被紙が得られた。この様にして得られた非塗被紙と塗被紙について、非塗被紙のステキヒトサイズ度、並びに、非塗被紙と塗被紙の紙くせ・カール、白紙平面性、印刷面平面性及びRI強度(膨れ)について評価した。その結果は表9〜表11に記載した通りである。
結果は、次の通りである。
(1)漉き込まれたICタグXは所定の場所の紙層内に用紙の表面と平行に、且つワイヤー幅方向に整列して正確に漉き込まれていた。
(2)例えば、実施例1−1と比較例1−2との比較からわかるように、一般の紙・板紙抄紙機でICタグXの機能を維持しICタグXを漉き込んだ用紙を製造するには各加圧装置の線圧を45kgf/cm以下にしなければならない。実施例では、さらに各加圧装置の加圧条件を70%以下としている。
(3)比較例1−1を参照すると、一般の紙・板紙製造に使用している紙料Aをそのまま用いたICタグX漉き込み用紙は、通常の紙・板紙製加圧条件においても紙くせ・カール、白紙・印刷面平面性、及びRI強度(膨れ)が若干低下する。ステキヒトサイズ度は350秒であった。
(4)比較例1−1〜比較例1−5を参照すると、プレスパートの加圧を下げると用紙のステキヒトサイズ度が低下し、紙くせ・カール、白紙・印刷平面性が低下する。特に、塗被組成物の塗被により更に悪化する。塗被組成物の水による用紙の肌戻りによるものと考えられる。
(5)実施例1−1〜実施例1−3を参照すると、用紙のステキヒトサイズ度を883〜890秒としたことで、各加圧装置の加圧条件の線圧を0kgf/cmを超えて45kgf/cm以下にしても、紙くせ・カール、白紙・印刷面平面性及びRI強度(膨れ)を一般の紙・板紙の品質レベルを確保出来た。但し、比較例1−7〜比較例1−9を参照すると、用紙のステキヒトサイズ度を883〜889秒としたとしてもプレスパートを空通しした場合は、非塗被紙の紙くせ・カール、白紙・印刷面平面性、及び非塗被紙及び塗被紙のRI強度(膨れ)が不良であった。したがって、プレスパートでの加圧が必要である。
(6)比較例1−10と比較例1−11を参照すると、紙料A5を用い、ICタグXを紙層間に漉き込んだ用紙も検討した。該用紙のステキヒトサイズ度は886〜892秒であった。該用紙は紙くせ・カール、白紙・印刷面平面性及びRI強度(膨れ)ともに不良であった。白紙平面性はICタグXが漉き込まれた箇所が膨れていた。また印刷面は膨らんだ箇所の周りにインキの薄い、又は乗らない現象(着肉不良)が見られた。したがって、実施例との比較から、ICタグXを紙層内に漉き込んだ用紙のほうが、紙くせ・カール、白紙・印刷面平面性及びRI強度(膨れ)に優れることが明らかとなった。
(7)以上、一般の紙・板紙抄紙機を用いて漉き込んだICタグXの機能を維持し、一般の紙・板紙と同等の品質を持ったICタグX漉き込み用紙は、ICタグXを紙層内に漉き込み、抄紙機の各加圧装置の加圧条件を線圧0kgf/cmを超えて45kgf/cm以下とし、且つ、用紙のステキヒトサイズ度を883秒以上にすることで得られることが解った。この条件に加えて抄紙機の各加圧装置の加圧条件は、通常一般紙・板紙製造時の加圧条件の0%超から70%以下、好ましくは、30%以上から70%以下にすると良い。
<実施例2>
表12〜表14に紙料配合の違いによる非接触型ICタグの機能に与える影響を検討した結果を示した。
Figure 2005350823

Figure 2005350823

Figure 2005350823
抄紙機の加圧装置の加圧条件は表12〜表14に記載した通りであるが、線圧0kgf/cmを超えて45kgf/cm以下とした。ここで、抄紙機の加圧装置の加圧条件は、通常条件の30%以上から70%以下としている。
非接触型ICタグは<非接触型ICタグの種類と漉き込み形態>に記載のICタグX、ICタグYとICタグZの3種類について検討した。ICタグXは樹脂で封止されてない外部アンテナ型ICタグであり、ICタグYは樹脂で封止されている外部アンテナ型ICタグであり、ICタグZはアンテナ内蔵型ICタグである。
非接触型ICタグ導入管の内側断面形状は、ICタグX及びYについては実施例1で用いた22mm×2mmの長方形形状のものを用い、ICタグZについては、鋭意検討の結果、内側断面直径が3mmのパイプを用いて行った。
紙料配合は<紙料配合>に記載の紙料A,紙料B及び紙料Cの3種類について検討した。紙料Aは実施例1で用いた紙料であり、紙料Bは原料パルプに塩素漂白化学パルプを用いた中性抄紙紙料であり、紙料Cは原料パルプにECF漂白化学パルプを用いた酸性抄紙紙料である。用紙のステキヒトサイズ度がほぼ890秒となるようにサイズ剤添加量を<紙料配合>のほぼ5倍量に増量した。
非接触型ICタグが漉き込まれた用紙への塗被組成物の塗被は行わなかった。
その他の条件は実施例1と同様とし、抄速5m/minで、全坪量は270g/m、一層坪量90g/mの三層漉きで、第二層目に3種類の非接触型ICタグを1.08秒間隔で自動的に落とし込んで行った。この様にして得た用紙の製造直後及び長時間経過後を想定した条件での漉き込まれた非接触型ICタグの機能の作動状況を調べた。
結果は、次の通りである。
(1)漉き込まれた非接触型ICタグの3種類とも所定の場所の紙層内に用紙の表面と平行に、且つワイヤー幅方向に整列して正確に漉き込まれていた。
(2)尚、用紙のステキヒトサイズ度は677〜902秒であった。非接触型ICタグを漉き込んだ用紙の紙くせ・カールは全て良好であった。
(3)実施例2−1〜実施例2−4を参照すると、紙料配合Aの用紙の冷水抽出pHは6.4であり、紙中の全塩素含有量は140ppm、紙中の水溶性塩化物含有量は42ppmであった。比較例2−1〜比較例2−4を参照すると、紙料配合Bは、各々6.2,460ppm,90ppmであり、比較例2−5〜比較例2−8を参照すると、紙料Cは各々5.0,145ppm、45ppmであった。
(4)比較例2−5と比較例2−7を参照すると、紙料C(酸性抄紙紙料)では、ICタグX及びZは製造直後において既に機能停止が生じた。
(5)比較例2−1,比較例2−3,比較例2−4,比較例2−8を参照すると、非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の長期使用時を想定した条件での漉き込まれた非接触型ICタグの作動状況は、ICタグX及びICタグZでは紙料B及び紙料Cを用いて漉き込んだ用紙の場合、機能停止した。しかし、実施例2−1〜実施例2−4を参照すると、紙料Aの場合は機能停止が生じなかった。尚、比較例2−2と比較例2−6を参照すると、ICタグYは何れの紙料配合においても機能停止は生じなかった。
(6)ICタグX及びZは、硫酸根及び塩素分等の酸性物質に対し抵抗力がないことが解った。
(7)非接触型ICタグを漉き込む紙料としては、用紙の冷水抽出pHが6.2を超えて、pHが9以下の中性近辺であり、紙中の全塩素含有量が400ppm以下、好ましくは200ppm以下であり、紙中の水溶性塩化物含有量が80ppm以下、好ましくは50ppm以下であることが好ましいことが解った。
<実施例3>
表15に最終用途をカード、はがき及び情報記録用紙を想定し、非接触型ICタグを紙層内に漉き込んだ用紙について鋭意検討した結果を示した。
Figure 2005350823
本実施例に用いた紙料、抄紙機の加圧装置の加圧条件及び非接触型ICタグの紙層内漉き込み方法は実施例1及び2から見出した結果をもとにして実施した。
紙料は、<紙料配合>記載の紙料Aの中性ロジンサイズ剤の添加量を5倍量に増量した実施例1に用いた紙料A5を用いた。
抄紙機の加圧装置の加圧条件は実施例1−1の条件で実施した。即ち、プレスパートの各加圧装置の加圧は、通常一般紙製造時の70%に設定し、45kgf/cm超の線圧の加圧装置は線圧45kgf/cmに設定した。また、カレンダー線圧も45kgf/cmに設定した。
また、非接触型ICタグ導入管は実施例2記載のものを用いた。
尚、塗被組成物の塗被は行わなかった。
カード、はがき及び情報記録用紙を想定し、これらの紙層内に非接触型ICタグを漉き込んだ方法は表15記載の通りであるが、ここに実施例3−1と実施例3−5について具体的に詳細と結果について記載する。
実施例3−1は、幅20mm×長さ50mm×厚さ60μmのICタグXの漉き込まれた幅54mm×長さ85mmのカード(坪量270g/m)に関する実施例である。ICタグXの漉き込みは、図6(A)記載の円網型順流バット3台を図6(C)記載の配置に配置したものを用いて三層多層漉きで行った。各層の坪量は90g/mで、三層の全ての層にICタグを漉き込んだ。抄速は30m/minで行った。ICタグXの漉き込み形態は厚さ10μm×幅2mmのPEテープにICダグXを93.5mm間隔に連続で貼り付けたものである。該形態のICタグXを、内側断面形状が22mm×2mmの非接触型ICタグ導入管を用いバット内に供給されている希釈紙料をキャリアとしてワイヤー上に形成途中の紙料マット中に漉き込んだ。非接触型ICタグ導入管は1バットにワイヤー幅方向に184mm間隔に3本設置した。尚、非接触型ICタグ導入管の隙間は161mmであった。3つのバット間の非接触型ICタグ導入管の配置は全体としてワイヤー幅方向で正確に61.5mm間隔となるように各バットに設置した。また、各パットで漉き込まれたICタグXがワイヤー幅方向に整列するようにICタグX貼り付けテープの非接触型ICタグ導入管への供給開始タイミングを調整した。成紙のカード配列の隙間は5mmとした。用紙の品質は表15の実施例3−1に記載の通りである。
結果は、次の通りである。
(1)各円網型順流バット内の希釈紙料の水流に乱れもなく、粕・汚れの発生もなく良好な地合の用紙を得た。
(2)ICタグXが幅方向に59mm間隔で、流れ方向に90mm間隔で正確に整列して漉き込まれた厚さ0.317mmの用紙を得た。
(3)用紙のステキヒトサイズ度は853秒であった。
(4)漉き込まれたICタグXの製造直後及び長期使用想定条件での機能停止はなかった。
(5)ICタグXの漉き込まれた用紙の紙くせ・カール、白紙・印刷面平面性及びRI強度(膨れ)は全く問題なく一般の紙・板紙に匹敵するものであった。
実施例3−5は、幅20mm×長さ50mm×厚さ60μmのICタグXの漉き込まれた幅210mm×長さ297mm(A4)の情報記録用紙(坪量80g/m)に関する実施例である。ICタグXの用紙基材への漉き込みは、図5記載の傾斜型ワイヤーを用い、坪量80g/mの一層の紙層内に、インレット4からポンド6に供給されている希釈紙料をキャリアとして実施例3−1と同じ非接触型ICタグ導入管に自動的に3.62秒の一定間隔で落とし込み紙層内への漉き込みを行った。抄速は5m/minで行った。非接触型ICタグ導入管はワイヤーの幅方向に224mm間隔で6本設置した。尚、非接触型ICタグ導入管の隙間は201mmであった。漉き込まれたICタグXがワイヤー幅方向に整列するように各非接触型ICタグ導入管へのICタグXの落とし込み開始タイミングを調整した。成紙のA4寸法の配列の隙間は5mmとした。
用紙の品質は表15の実施例3−5に記載の通りである。
結果は次の通りである。
(1)傾斜型ワイヤー上の希釈紙料のポンドの水流に乱れはなく、粕・汚れの発生もなく良好な地合の用紙を得た。
(2)ICタグXが幅方向に215mm間隔で、流れ方向に302mm間隔で正確に整列して漉き込まれた厚さ0.094mmの用紙を得た。
(3)用紙のステキヒトサイズ度は65秒であった。
(4)漉き込まれたICタグXの製造直後及び長期使用想定条件での機能停止はなかった。
(5)ICタグXの漉き込まれた用紙の紙くせ・カール、白紙・印刷面平面性及びRI強度(膨れ)は全く問題なく一般の紙・板紙に匹敵するものであった。
本実施例3において、前記の実施例の他にも、最終用途を想定し、その想定最終用途の用紙の厚みを考慮して非接触型ICタグの種類、ワイヤー形式及び紙層内への漉く込み方法を選択した実施例を示したが、本発明による非接触型ICタグ紙層内漉き込み用紙は漉き込まれた非接触型ICタグの機能停止もなく、その用紙の品質は一般の用紙に匹敵するものであった。
本実施形態に係る非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の一形態を示す断面概略図であって、(a)は1層の紙層からなる用紙の場合、(b)は多層の紙層からなる用紙の場合である。 一般的な抄紙機のフローを示す図である。 貼り合わせた用紙の紙層間に非接触型ICタグを漉き込んだ場合の紙表面の状態(従来技術)を示す断面概略図であり、(a)は非接触型ICタグが湿紙に漉き込まれる時の状況、(b)は非接触型ICタグが漉き込まれた成紙の状況を示した。 紙層内に非接触型ICタグを漉き込んだ場合の紙表面の状態(本発明)を示す断面概略図であり、(a)は非接触型ICタグが湿紙に漉き込まれる時の状況、(b)は非接触型ICタグが漉き込まれた成紙の状況を示した。 傾斜型ワイヤーと該ワイヤーによる非接触型ICタグの紙層内への漉き込み方法を示す概略図である。 円網型ワイヤーと該ワイヤーによる非接触型ICタグの紙層内への漉き込み方法を示す概略図である。
符合の説明
1,非接触型ICタグ
2,非接触型ICタグが湿紙に漉き込まれる時の状態の湿紙
3,非接触型ICタグが漉き込まれた成紙
4,インレット
5,ワイヤー
6,ポンド
7,サクションボックス
8,紙料マット
9,非接触型ICタグ導入管
10,非接触型ICタグ、又は非接触型ICタグを貼り付けたテープ
11,毛布
12,オーバーフロー口
13,13a,13b,13c,紙層
I,円網型バット(I)
II,円網型バット(II)
III,円網型バット(III)

Claims (11)

  1. 一層からなる用紙基材の紙層内に、又は二層以上からなる多層用紙基材を構成する紙層のうち少なくとも一つの紙層内に、非接触型ICタグが漉き込まれてなり、前記用紙基材又は前記多層用紙基材のJIS P 8122:2004で規定されるステキヒト法によるサイズ度が0.0093×(坪量)^2.00秒以上であることを特徴とする非接触型ICタグが漉き込まれた用紙。
  2. 一層からなる用紙基材の紙層内に、又は二層以上からなる多層用紙基材を構成する紙層のうち少なくとも一つの紙層内に、非接触型ICタグが漉き込まれてなり、抄紙機の各加圧装置の加圧が線圧0kgf/cmを超えて45kgf/cm以下として製造され、前記用紙基材又は前記多層用紙基材のJIS P 8122:2004で規定されるステキヒト法によるサイズ度が0.0093×(坪量)^2.00秒以上であることを特徴とする非接触型ICタグが漉き込まれた用紙。
  3. 前記用紙基材又は前記多層用紙基材のJIS P 8133:1998で規定される冷水抽出pHが6.2を超え、且つ、前記用紙基材又は前記多層用紙基材の全塩素含有量が400ppm以下であり、且つ、前記用紙基材又は前記多層用紙基材のJIS P 8144:1998で規定される水溶性塩化物含有量が80ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の非接触型ICタグが漉き込まれた用紙。
  4. 主に顔料と接着剤からなる塗被組成物が片面及び/又は両面に片面塗被量5〜15g/mで塗被されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の非接触型ICタグが漉き込まれた用紙。
  5. 前記非接触型ICタグは、単品で若しくは該非接触型ICタグを貼着したテープと共に前記紙層内の所定の一定の位置に漉き込まれてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の非接触型ICタグが漉き込まれた用紙。
  6. 抄紙機のワイヤーパートのワイヤー上で形成途中の紙料マットの中に非接触型ICタグを漉き込む工程を有し、前記抄紙機の各加圧装置の加圧を線圧0kgf/cmを超えて45kgf/cm以下としたことを特徴とする非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法。
  7. 用紙基材又は多層用紙基材のJIS P 8122:2004で規定されるステキヒト法によるサイズ度が0.0093×(坪量)^2.00秒以上となる量のサイズ剤を添加する工程を有することを特徴とする請求項6記載の非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法。
  8. 前記非接触型ICタグを漉き込む工程は、細長状の連続テープに所定間隔をおいて貼着された前記非接触型ICタグを該連続テープと共に、前記形成途中の紙料マットの中に漉き込む工程であることを特徴とする請求項6又は7記載の非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法。
  9. 前記非接触型ICタグを漉き込む工程は、非接触型ICタグ導入管の先端を前記形成途中の紙料マットの中に配置し、水若しくは希釈紙料をキャリアとして所定間隔ごとに前記非接触型ICタグを漉き込む工程であることを特徴とする請求項6、7又は8記載の非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法。
  10. 前記抄紙機は多層抄き抄紙機であり、且つ、前記非接触型ICタグを漉き込む工程は、紙幅方向で相隣り合う前記非接触型ICタグを異なる紙層内に漉き込む工程であることを特徴とする請求項6、7、8又は9記載の非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法。
  11. 前記紙料は、原料パルプ繊維としてECF漂白化学パルプを用いた中性抄紙紙料であることを特徴とする請求項6、7、8、9又は10記載の非接触型ICタグが漉き込まれた用紙の製造方法。
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