JP2005350728A - 無電解ニッケルめっき浴および磁気ディスク用基板ならびに磁気ディスク - Google Patents
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Abstract
【課題】 鉛化合物を用いず、さらに高温に加熱しても磁化することのないニッケルめっき皮膜を得ることが可能な無電解ニッケルめっき浴、およびその無電解ニッケルめっき浴を用いて形成してなるニッケル合金皮膜を形成してなる磁気ディスク用基板、ならびにその磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスクを供給する。
【解決手段】 ニッケルイオンと、ニッケルイオンの錯化剤と、還元剤と、さらにインジウムイオンを含有させて無電解ニッケルめっき液とし、この無電解ニッケルめっき液中に基板を浸漬して基板上にニッケル−リン−インジウム合金皮膜を形成させて磁気ディスク基板とし、この磁気ディスク用基板をポリッシュした後、磁性層と炭素質皮膜をスパッタリングにより形成させて磁気ディスクとする。
【選択図】 なし
【解決手段】 ニッケルイオンと、ニッケルイオンの錯化剤と、還元剤と、さらにインジウムイオンを含有させて無電解ニッケルめっき液とし、この無電解ニッケルめっき液中に基板を浸漬して基板上にニッケル−リン−インジウム合金皮膜を形成させて磁気ディスク基板とし、この磁気ディスク用基板をポリッシュした後、磁性層と炭素質皮膜をスパッタリングにより形成させて磁気ディスクとする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、磁気ディスク用基板のニッケル合金めっき皮膜の形成に用いる無電解ニッケルめっき浴、および基板上にその無電解ニッケルめっき浴を用いてニッケル合金皮膜を形成してなる磁気ディスク用基板、ならびにその磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスクに関する。
コンピュータのメモリとして用いられるハードディスクは、アルミニウム合金の基板上に無電解ニッケルめっき法を用いて非磁性のニッケル−リン合金皮膜を形成させ、当該皮膜表面を鏡面に研磨した後、その上に、スパッタリング法を用いてコバルト合金からなる磁性層を形成させ、次いでその上に炭素質の皮膜を形成させたものが用いられている。ニッケル−リン合金皮膜の形成に用いられる無電解めっき浴は、特許文献1に示すように、硫酸ニッケルなどのニッケルイオン供給物質、EDTAや有機酸などの錯化剤、次亜リン酸塩などの還元剤、および浴の安定剤として鉛化合物を添加したものが用いられている。しかし、昨今は生産現場における環境保全の見地から有害物質の排除が求められており、鉛化合物を用いない無電解ニッケルめっき浴が求められている。さらに、近年は基板の記憶容量の一層の増加が求められ、基板をより高温に加熱してスパッタリングして高記録密度の磁性層を形成する必要がある。しかし、磁性層の下地となるニッケル−リン合金は高温に加熱されると磁化してしまう欠点を有している。
本発明に関する先行技術文献として以下のものがある。
本発明は、鉛化合物を用いず、さらに高温に加熱しても磁化することのないニッケルめっき皮膜を得ることが可能な無電解ニッケルめっき浴、およびその無電解ニッケルめっき浴を用いて形成してなるニッケル合金皮膜を形成してなる磁気ディスク用基板、ならびにその磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスクを供給することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の無電解ニッケルめっき浴は、ニッケルイオンと、ニッケルイオンの錯化剤と、還元剤と、インジウムイオンを含有することを特徴とする(請求項1)である。
また、本発明の磁気ディスク用基板は、基板上に、上記(請求項1)の無電解ニッケルめっき浴を用いて形成してなるニッケル合金皮膜を形成してなる磁気ディスク用基板であり、
上記(請求項2)の磁気ディスク用基板において、前記ニッケル合金皮膜が、ニッケル−リン−インジウム合金であること(請求項3)、であり
上記(請求項2または3)の磁気ディスク用基板において、350℃以下の温度で加熱した際に、飽和磁束密度が5ガウスに達するまでに5分以上の時間を要すること(請求項4)を特徴とする。
上記(請求項2)の磁気ディスク用基板において、前記ニッケル合金皮膜が、ニッケル−リン−インジウム合金であること(請求項3)、であり
上記(請求項2または3)の磁気ディスク用基板において、350℃以下の温度で加熱した際に、飽和磁束密度が5ガウスに達するまでに5分以上の時間を要すること(請求項4)を特徴とする。
そして本発明の磁気ディスクは、上記(請求項2〜4)のいずれかの磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスク(請求項5)である。
本発明の無電解ニッケルめっき浴は、めっき浴の安定剤として鉛化合物に替えてインジウム化合物を用いているので、生産現場において鉛の毒性が排除され環境を良好に保全することができる。また、本発明の無電解ニッケルめっき浴を用いて基板上にニッケルめっき皮膜で被覆した本発明の磁気ディスク用基板は、高温で加熱してもニッケルめっき皮膜が磁化することがなく、ニッケルめっき皮膜上に高温で磁性層や炭素質皮膜をスパッタリングすることが可能となる。そのため、この磁気ディスク用基板上に高温で磁性層および炭素質皮膜を形成させることにより、高記録密度の磁気ディスクが得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の無電解ニッケルめっき浴においては、ニッケルイオンの供給源として水溶性のニッケル塩を用いる。この水溶性ニッケル塩としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル、スルファミン酸ニッケルなどを用いることができる。これらのニッケル塩は一種類を用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。めっき浴中における濃度としては金属ニッケルとして1〜30g/Lであることが好ましい。
錯化剤としては、ジカルボン酸またはそのアルカリ塩、たとえば酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、マロン酸、グリコール酸、グルコン酸、シュウ酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸またはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩を2種類以上用い、かつそのうちの少なくとも1種類はオキシジカルボン酸であることが好ましい。錯化剤の濃度としては、0.01〜2.0モル/Lであることが好ましい。
還元剤としては次亜リン酸、または次亜リン酸ナトリウムや次亜リン酸カリウムなどの次亜リン酸塩を用いることが好ましい。還元剤の濃度としては5〜80g/Lであることが好ましい。
本発明においては、安定剤としてめっき浴に鉛化合物に替えてインジウムイオンを含有させる。そのため、めっき浴の作成や後処理に際して有毒の鉛化合物の使用が排除され、作業環境が良好になる。インジウムイオンは酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩などの形でめっき浴中に含有させることができるが、溶解させやすい硝酸インジウムの形で用いることが好ましい。めっき浴中のインジウムの濃度は硝酸インジウムで5〜20ppmであることが好ましい。5ppm未満ではめっき浴を安定化させる効果が十分ではなく、めっき液が分解しやすい。20ppmを超えて含有させるとめっきが付着しない部分が生じるようになる。
また、インジウムイオンを含有させることにより、生成するニッケル−リン−インジウム合金皮膜は、高温に加熱した際の磁化が抑制される。すなわち、本発明のインジウムイオンを含有した無電解ニッケルめっき浴を用いて基板上にニッケルめっき皮膜で被覆した本発明の磁気ディスク用基板上に磁性層および炭素質皮膜をスパッタリングして形成させる場合、高記録密度の磁性層を形成させるために必要な350℃前後の高温に加熱しても、所定厚さの磁性層および炭素質皮膜を生成させるために必要な3〜7分間の加熱ではニッケル合金めっき皮膜が磁化することがなく、めっき浴の安定効果に加えて磁化抑制効果も得られる。
さらに、酸、アルカリ、塩などのpH調整剤、めっきを平滑化させるための光沢剤や、貯蔵中にめっき浴のカビ発生を防止するための防黴剤、ピンホール発生を防止するための界面活性剤などを含有させることが好ましい。
本発明の無電解ニッケルめっき浴は上記のように構成される。この無電解ニッケルめっき浴中にめっき基板を浸漬してニッケルめっき皮膜を形成させ、磁気ディスク用基板とする。めっき基板としてはアルミニウム合金板、チタン合金板、ガラス板、耐熱性合成樹脂板などを用いることができ、また用途も磁気ディスク用基板に限定するものではない。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明する。
ニッケルイオン供給源として硫酸ニッケル27g/L、錯化剤として乳酸30g/L、リンゴ酸30g/L、コハク酸6g/L、還元剤として次亜リン酸ナトリウム30g/L、pH調整剤として水酸化ナトリウム20.5 g/Lとを含有するめっき浴に、安定剤として硝酸インジウムを5ppm、10ppm、15ppm、20ppm、40ppm含有させた無電解ニッケルめっき浴を作成した。また、比較用に、硝酸インジウムを含有させないめっき浴、硝酸インジウムの替わりに酢酸鉛を0.6ppm含有させた無電解ニッケルめっき浴を作成した。
ニッケルめっき皮膜を形成させるめっき基板として、アルミニウム合金板(JIS A−5052)にアルカリエッチング処理および亜鉛置換処理を施したものを用い、85℃に加熱した上記の無電解ニッケルめっき浴中に2時間浸漬して10〜20μmの厚さのニッケルめっき皮膜を形成させ、めっき板を得た。次いで、研磨装置を用いてめっき板の上下面を鏡面ポリッシュし、供試板とした。
これらの供試板を280℃、290℃、300℃、310℃、320℃、330℃、340℃、350℃の温度雰囲気に設定した電気オーブン中で様々な時間放置して加熱した後、VSM(振動試料型磁力計、理研電子(株)製)を用いて飽和磁束密度を測定し、飽和磁束密度が5ガウスに達するまでの加熱時間を磁化時間とし、その値を求めた。めっき浴の安定性(分解の有無)と併せて結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明のインジウムイオンを含有させてなる無電解ニッケルめっき浴はめっき浴の分解が生じることなく安定しており、生成したニッケル−リン−インジウム合金皮膜を被覆した供試板は、350℃の高温まで加熱しても飽和磁束密度が5ガウスに達するまでに長い加熱時間(磁化時間)を要することがわかる。
本発明の無電解ニッケルめっき浴は、安定剤としてインジウム化合物を用いているので、生産現場においてめっき浴の建浴や後処理の作業で鉛の毒性が排除され環境を良好に保全することができる。従来の鉛化合物を含有させた場合と同等のめっき浴の安定性が得られる。さらに、この無電解ニッケルめっき浴を用いて基板上にニッケル−リン−インジウム合金皮膜で被覆した本発明の磁気ディスク用基板は、350℃までの温度で加熱してもニッケルめっき皮膜が磁化することがなく、ニッケルめっき皮膜上に高温で磁性層や炭素質皮膜をスパッタリングすることが可能となる。そのため、高記録密度の磁気ディスクが得られる。
Claims (5)
- ニッケルイオンと、ニッケルイオンの錯化剤と、還元剤と、インジウムイオンを含有することを特徴とする無電解ニッケルめっき浴。
- 基板上に、請求項1に記載の無電解ニッケルめっき浴を用いて形成してなるニッケル合金皮膜を有することを特徴とする磁気ディスク用基板。
- 前記ニッケル合金皮膜が、ニッケル−リン−インジウム合金であることを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスク用基板。
- 350℃以下の温度で加熱した際に、飽和磁束密度が5ガウスに達するまでに5分以上の時間を要することを特徴とする請求項2または3に記載の磁気ディスク用基板。
- 請求項2〜4のいずれかに記載の磁気ディスク用基板を用いたことを特徴とする磁気ディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004172595A JP2005350728A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 無電解ニッケルめっき浴および磁気ディスク用基板ならびに磁気ディスク |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004172595A JP2005350728A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 無電解ニッケルめっき浴および磁気ディスク用基板ならびに磁気ディスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005350728A true JP2005350728A (ja) | 2005-12-22 |
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JP2004172595A Withdrawn JP2005350728A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 無電解ニッケルめっき浴および磁気ディスク用基板ならびに磁気ディスク |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103952687A (zh) * | 2014-05-05 | 2014-07-30 | 广东东硕科技有限公司 | 印制线路板化学镀镍的防止渗镀方法 |
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2004
- 2004-06-10 JP JP2004172595A patent/JP2005350728A/ja not_active Withdrawn
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