JP2005350421A - 歯科用修復材料及びそれを用いた義歯 - Google Patents

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Abstract

【課題】
歯科修復用の繊維強化樹脂材料として充分な強度を有しており、かつ、修復時の作業性がよい歯科用修復材料及び該材料を用いた義歯を提供する。
【解決手段】
歯科用の修復材料として用いられ、ガラス繊維を、光及び/又は熱により硬化する樹脂で含浸してなる繊維強化樹脂材料であって、前記ガラス繊維のフィラメント径が18〜50μmである。前記歯科用修復材料における前記ガラス繊維の体積含有率が50〜65%であることが好ましい。この歯科用修復材料は、ブリッジ、支台築造、クラウン、部分床義歯の維持装置及び連結装置、並びに歯牙固定の材料として好ましく用いられる。例えば歯科用修復材料20で形成された補強材が、レジン床11に埋設又は付設された義歯10を提供できる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ガラス繊維と光及び/又は熱により硬化する樹脂とを利用した歯科用修復材料、及び該歯科用修復材料を用いた義歯に関する。
ブリッジ、支台築造、クラウン、部分床義歯の維持装置及び連結装置、並びに歯牙固定などの歯科用の修復材料として、従来から金属が多く使用されている。しかし、金属は自然な歯とは色調が異なるため、その外観、審美性の点から、樹脂などの非金属による代替が検討されている。また、歯科用修復材料として金属を用いた場合には、金属アレルギーが発生する場合もあることからも、メタルフリーの歯科用修復材料が検討されている。
ガラス繊維を硬化性樹脂で含浸した繊維強化樹脂材料(FRC)は、上記のメタルフリーの歯科用修復材料として近年注目されており、高強度であり、歯に近い審美性も得られることから、ブリッジ、支台築造、クラウン、部分床義歯の維持装置及び連結装置、並びに歯牙固定等への適用が検討されている。
例えば、下記の特許文献1には、歯根部に挿入されて歯科用接着剤によって歯牙に固定され得る歯科用支台であって、該歯科用支台が、歯根部に挿入される支持軸と該支持軸の先端に形成された先端部とからなり、該歯科用支台の該先端部と支持軸とを連通する芯材を有し、該芯材が、アクリル系有機マトリックスが含浸されている無機繊維、アクリル系有機マトリックスが含浸されている有機繊維、金属線 および 支持軸と少なくとも該支持軸を可動軸として上下に移動可能に嵌挿された支持軸固定部材よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の芯材とからなることを特徴とする歯科用支台が開示されている。
また、下記の特許文献2には、歯科用デバイスとしても用いられ、繊維およびポリマーマトリックスを含む成形可能なプレプレグにおいて、ポリマーマトリックスは、モノマーもしくはデンドリマーからなる第一のマトリックス成分、および、高分子量有機分子からなり、前記第一のマトリックス成分と結合する相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)を有するプレプレグの付着性膜を形成している第二のマトリックス成分、を含む多相マトリックスであることを特徴とする成形可能なプレプレグが開示されている。
一方、義歯は、顎堤部分に接する床と呼ばれる部分と、この床上に固定排列された人工歯とで構成されている。そして、床は、樹脂で形成されたレジン床と、金属で形成された金属床とがある。レジン床の場合には、補強のために、金属製の補強線が埋設又は付設されている。
国際公開パンフレットWO99/45859号 特表2002−506086号
上記従来技術のうち、特許文献1の歯科用修復材料においては、強化繊維となる有機繊維あるいは無機繊維の直径が、通常は1〜30μm、好ましくは3〜15μmの範囲内である。また、歯科支台築造用補強芯材における繊維含量は、体積%で5〜95%、好ましくは20〜80%である。ここで、歯科用修復材料として用いる繊維強化樹脂材料は、患部の大きさに合わせて5〜10mmに小さく切断して用いられることから装着時の作業性が重要であるが、上記の繊維径が1〜30μmである繊維強化樹脂材料では、繊維径が細過ぎてハンドリング性が悪く、患部である歯の修復部分へ装着する際の作業性が悪いという問題点があった。
また、繊維径が1〜30μmと細い場合には、繊維強化樹脂材料における繊維含量を50体積%以上に維持することが事実上困難である。したがって、繊維含量が不足して歯科用修復材料としての曲げ強度が不足しやすいという問題があった。
また、特許文献2のプレプリグにおいても、好ましい強化繊維の繊維径や繊維含量については開示されていない。
一方、従来の義歯においては、特にレジン床を用いた場合、金属製の補強線が用いられるため、作製時に自由に曲げることが困難で、個々の患者に合わせた形状に作りにくいという問題があった。また、部分床義歯の維持装置が外部に露出する場合には、金属線が見えるため、入れ歯であることが目立ってしまうという問題があった。
したがって、本発明の目的は、歯科修復用の繊維強化樹脂材料として充分な強度を有しており、かつ、修復時の作業性がよい歯科用修復材料及び該材料を用いた義歯を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の歯科用修復材料は、歯科用の修復材料として用いられ、ガラス繊維を、光及び/又は熱により硬化する樹脂で含浸してなる繊維強化樹脂材料であって、前記ガラス繊維のフィラメント径が18〜50μmであることを特徴とする。
本発明の歯科用修復材料によれば、繊維強化樹脂材料におけるガラス繊維のフィラメント径を18〜50μmと従来より太くすることで、高い繊維含有量を得ることができるとともに、得られる繊維強化樹脂材料の曲げ強度が高くなり、歯科用修復材料として充分な強度を得ることができる。加えて、従来よりフィラメント径が太いので、患部への装着の際の作業性も良好になる。また、繊維強化樹脂材料は、メタルフリーであり、外観的にも象牙質に近いものが得られ、審美性にも優れる。
本発明の歯科用修復材料においては、前記歯科用修復材料における前記ガラス繊維の体積含有率が50〜65%であることが好ましい。
この態様によれば、ガラス繊維のフィラメント径を18〜50μmとすることにより、充填時のガラス繊維の体積含有率が50〜65%と従来より高くすることができ、得られるFRCの曲げ強度を更に向上させることができる。
また、本発明の歯科用修復材料においては、前記光及び/又は熱により硬化する樹脂が、アクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂であることが好ましい。
この態様によれば、アクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂は代表的な光及び/又は熱により硬化する樹脂であり、取り扱いが容易であり、硬化後には充分な強度、安全性を有しているので本発明に好適に用いることができる。
更に、本発明の歯科用修復材料においては、所定長さのガラス繊維束に前記光及び/又は熱により硬化する樹脂が含浸されてロッド形状をなすことが好ましい。
この態様によれば、例えばブリッジ、支台築造、クラウン、部分床義歯の維持装置及び連結装置、並びに歯牙固定の材料として、より使い易い材料を提供することができる。
更に、本発明の歯科用修復材料においては、ブリッジ、支台築造、クラウン、部分床義歯の維持装置及び連結装置、並びに歯牙固定の材料として用いられることが好ましい。
本発明の歯科用修復材料は、光及び/又は熱による硬化前は、比較的自由に変形させることができるので、適応箇所に応じた形状に変形しやすく、その状態で光及び/又は熱を照射することにより容易に硬化できるので、ブリッジ、支台築造、クラウン、部分床義歯の維持装置及び連結装置を作製するときの材料、及び歯牙固定を行うときの材料として好適である。
更に、本発明の歯科用修復材料においては、義歯の床に埋設又は付設される補強線として用いられることが好ましい。
従来の義歯の補強線は、前述したように金属線が用いられていたが、本発明の歯科用修復材料を該補強線として用いることにより、適応箇所に応じた形状に変形しやすく、その状態で光及び/又は熱を照射することにより容易に硬化でき、しかも軽量であるという利点が得られる。
一方、本発明の義歯は、レジン床と、このレジン床に排列固定された人工歯とを備えた義歯において、前記歯科用修復材料で形成された補強材が、前記レジン床に埋設又は付設されていることを特徴とする。
本発明の義歯によれば、前記歯科用修復材料で形成された補強材を用いることにより、前述したように、作製時において適応箇所に応じた形状に変形しやすく、その状態で光及び/又は熱を照射することにより容易に硬化できるので作製時の作業性がよく、しかも軽量であるという利点が得られる。
本発明の義歯においては、前記補強材は、前記レジン床の裏側歯茎に相当する部分又はその近傍に線状をなして埋設又は付設されていることが好ましい。
この態様によれば、補強線が外部から見えにくく、人工歯の根元付近にあるため、補強効果を高めることができる。
本発明の歯科用修復材料は、強度、審美性に優れ、しかも修復部分への装着性にも優れるので、ブリッジ、支台築造、クラウン、部分床義歯の維持装置及び連結装置、並びに歯牙固定等の歯科用修復材料として特に好適に使用することができる。
また、本発明の義歯は、前記歯科用修復材料で形成された補強材を用いることにより、作製時の作業性がよく、しかも軽量であるという利点が得られる。
本発明の歯科用修復材料は、ガラス繊維を、光及び/又は熱により硬化する樹脂で含浸してなる繊維強化樹脂材料である。
マトリックスとなる樹脂は、光及び/又は熱により硬化する樹脂であれば特に限定されないが、アクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂であることが好ましい。ここで、アクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂とは、アクリル樹脂又はメタクリル樹脂のみならず、ウレタン変性等の変性体も含む意味である。
このような光及び/又は熱により硬化する樹脂を構成するモノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル(MMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ヒドロキシエチレンメタクリレート(HEMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、ウレタンテトラメタクリレート(UTMA)、2,2’−bis[4−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン(bis−GMA)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、光及び/又は熱により硬化するために、重合開始剤を含んでいてもよい。このような重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、有機過酸化物、無機過酸化物、ホウ素含有重合開始剤、α−ジケトン化合物、有機アミン化合物、有機スルフイン酸、有機スルフィン酸塩、無機硫黄化合物、有機燐化合物等を挙げることができ、これらは1種または2種以上を用いることができる。
なかでも、光単独、又は、光と熱の併用によって硬化するタイプの重合開始剤が好ましい。これらは、具体的には、紫外線又は可視光線を照射することによって光重合することができる、光増感作用を備える重合開始剤である。このような光重合開始剤としては、例えば、ベンジル、4,4'-ジクロロベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、9,10-アントラキノン、ジアセチル、カンファーキノン(CQ:ジメチルエチルメタクリレート)、トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが挙げられる。
また、上記の重合開始剤に有機還元性化合物を併用してもよく、このような有機還元性化合物としては、例えばN,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン(DMPT)、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジエタノール-p-トルイジン(DEPT)、N,N-ジメチル-p-tert-ブチルアニリン、N,N-ジメチルアニシジン、N,N-ジメチル-p-クロルアニリン、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート(DEAM)、N,N-ジメチルアミノ安息香酸およびそのアルキルエステル、N,N−ジエチルアミノ安息香酸(DEABA)およびそのアルキルエステル、N,N−ジメチルアミノベンツアルデヒド(DMABAd)などの芳香族アミン類;N-フェニルグリシン(NPG)、N-トリルグリシン(NTG)、N,N-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニルグリシン(NPG−GMA)などを併用することができる。
上記の重合開始剤は、アクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂100質量部に対して0.1〜1.5質量部使用することが好ましい。
本発明に用いるガラス繊維としては特に限定されず、従来公知のEガラス、Sガラス、ECRガラス等が使用できる。ガラス繊維は、従来公知の溶融紡糸法、火焔法、吹き飛ばし法、遠心法(ロータリー法)など各種の方法を用いて繊維化することができる。
そして、本発明においては、このガラス繊維のフィラメント径が18〜50μmであることを特徴としている。ガラス繊維のフィラメント径は好ましくは20〜50μm、より好ましくは20〜45μmである。
フィラメント径が18μm未満であると、繊維強化樹脂材料とした際の修復箇所への装着作業性が低下し、また、後述する歯科用修復材料における前記ガラス繊維の体積含有率が50%未満となるので好ましくない。一方、50μmを超えると、マトリックス樹脂との含浸が不充分となったり、強化樹脂材料を作製時の作業性が困難となる場合があるので好ましくない。
上記のガラス繊維フィラメントは樹脂との接着性を向上させるために表面処理されていてもよい。表面処理剤としては特に限定されないが、従来公知のシラン系処理剤等が使用でき、具体的には、アクリルシラン、アミノシラン、エポキシシラン等が挙げられる。
上記のガラス繊維は、長繊維フィラメントの200〜6000本を束ねたガラス繊維束として用いることが好ましい。この場合、従来公知の集束剤を用いて集束することが好ましい。
繊維強化樹脂材料全体におけるガラス繊維の含有率は、体積含有率で50〜65%であることが好ましい。体積含有率が50%未満であると、繊維強化樹脂材料としての曲げ強度が不足するので好ましくない。本発明においては、フィラメント径が18〜50μmであるガラス繊維を用いることにより、ガラス繊維の含有率を向上させて上記の体積含有率50〜65%を達成することができる。また、体積含有率が65%を超えると、フィラメント間の樹脂部分が少なくなり、繊維強化樹脂材料としての強度が不足するので好ましくない。
上記のガラス繊維束は、引き抜き成形、注型(キャスティング)、圧縮成形等の従来公知の方法によって、上記の光及び/又は熱により硬化する樹脂に含浸させることができる。
そして、このとき、ガラス繊維としてフィラメント径が18〜50μmのものを用いることで、含浸後の繊維強化樹脂材料における前記ガラス繊維の体積含有率を50〜65%となるように含浸させることができる。また、ガラス繊維のフィラメント径が18〜50μmと太いので、繊維強化樹脂材料の修復箇所への装着作業性にも優れるものとなる。
このようにして得られた歯科用修復材料は、ロッド状、シート状等の所望の形状にすることができる。ロッド状の場合、太さ0.5〜5.0mm、長さ5〜200mmとすることが好ましい。この歯科用修復材料は、そのまま又は適当な大きさに切断されて、歯の修復材料として使用される。
この段階では未硬化であり、更にガラス繊維としてフィラメント径が18〜50μmと従来より太いものを用いているので患部への装着性が良好である。そして、その後に光及び/又は熱によって硬化が行われる。光照射条件や加熱条件は、使用する樹脂の特性に合わせて適宜選択可能であり限定されない。
以上の本発明の歯科用修復材料は、具体的には、例えばブリッジ、支台築造、クラウン、部分床義歯の維持装置及び連結装置、並びに歯牙固定等に好適に用いられる。以下、義歯への適用の具体例について、図1〜3を用いて更に詳細に説明する。
図1〜3に示した実施形態は、破折した義歯10を修理する例を示している。この実施形態の場合、義歯10は、下顎の形状に沿って成形されたレジン床11と、このレジン床11の上面に排列固定された複数の人工歯12とを有しており、そのほぼ真中部分で破折している。この義歯10の修理に際し、患者の下顎をかたどった作業模型13を使用する。
図2に示すように、作業模型13の顎堤部分14にレジン床11を適合させて、左右に分かれた義歯10の破折片を整合させる。そして、義歯10のレジン床11の裏側歯茎に相当する部分11aに、歯列に沿って溝15を形成する。
そして、この溝15に、本発明によるロッド状の歯科用修復材料20を湾曲させて挿入する。この場合、歯科用修復材料20は、樹脂がまだ硬化されていないため、比較的自由な形状に湾曲させることができ、溝15の形状に容易にフィットさせることができる。
更に、溝15の上から光により歯科用修復材料20を硬化させ、溝15内に埋設させると共に、義歯10の接合部分にも修理用常温重合樹脂組成物を盛り付けて、破折前の形状に修復する。
こうして修理された義歯10は、図3に示すように、破折して左右に分かれた部分が硬化した歯科用修復材料20からなる補強線によって連結強化され、その上から塗り付けられた樹脂によって、元の形状となる。
なお、上記実施形態は、破折した義歯10を修理する例を示しているが、予め上記歯科用修復材料20からなる補強線が埋設又は付設された義歯を作ることもできる。また、上記実施形態は、下顎に装着される義歯を示しているが、上顎に装着される義歯においても同様に作製することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
光硬化樹脂モノマーとして、ウレタンジメタクリレート(UDMA)20質量部、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)20質量部、光重合開始剤として、カンファーキノン(CQ)0.1質量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DEAM)0.2質量部の混合溶液を得た。
Eガラスをフィラメント径20μmで紡糸し、これをアクリルシランカップリング剤を含む表面処理剤で処理し、2000本集束してストランドを得た。
このストランドを25mmに切断し、上記の混合溶液に浸漬してプリプレグを得た。このプリプレグを凹字形の型枠にストランドが長辺方向に配向するように充填した後、光を照射して光重合硬化させ、2mm×2mm×25mmの長方形の試験片を得た。このときの光重合には、光重合器ユニックスII(ヘレウス・クルツァー・ジャパン製)を用いて、100V、270Wで波長320〜520nmのキセノンランプを使用し、照射時間は3分間として行った。
実施例2
Eガラスのフィラメント径を25μmとした以外は、実施例1と同じ条件で試験片を得た。
実施例3
Eガラスのフィラメント径を30μmとした以外は、実施例1と同じ条件で試験片を得た。
実施例4
Eガラスのフィラメント径を45μmとした以外は、実施例1と同じ条件で試験片を得た。
比較例1
Eガラスのフィラメント径を7μmとした以外は、実施例1と同じ条件で試験片を得た。
比較例2
Eガラスのフィラメント径を10μmとした以外は、実施例1と同じ条件で試験片を得た。
比較例3
Eガラスのフィラメント径を13μmとした以外は、実施例1と同じ条件でプ試験片を得た。
比較例4
Eガラスのフィラメント径を16μmとした以外は、実施例1と同じ条件で試験片を得た。
試験例1(最大曲げ強度、ガラス含有率の測定)
実施例1〜4、比較例1〜4の試験片について、最大曲げ強度(ISO−10477)、及び、Ashing Methodによるガラス含有率(質量%、体積%)を測定した。その結果を表1に示す。また、フィラメント径と最大曲げ強度、フィラメント径とガラス含有率(体積%)との関係をそれぞれ図4、5に示す。なお、最大曲げ強度の測定値はn=10の平均値である。
表1、図4、5の結果より、ガラス繊維のフィラメント径が20〜45μmの実施例1〜4においては、曲げ強度がいずれも600MPa以上であり、充分な強度が得られていることがわかる。また、ガラス含有率も50%以上である。
一方、ガラス繊維のフィラメント径が20μm未満の比較例1〜4においては、曲げ強度がいずれも600MPa以下であり、充分な強度が得られていないことがわかる。また、ガラス含有率も比較例1〜3は50%以下と低くなっている。
試験例2(最大曲げ強度測定:光重合)
実施例1〜3、比較例1〜4のプレプリグについて、光照射3分の条件で可視光を照射して光硬化させ、2×2×25mmの棒状の試験片を得た。
この試験片について、最大曲げ強度(ISO−10477)を測定した。その結果を図6に示す。なお、測定値はn=10の平均値である。
図6の結果より、ガラス繊維のフィラメント径が20〜30μmの実施例1〜3においては、曲げ強度がいずれも600MPa以上であり、充分な強度が得られていることがわかる。
一方、ガラス繊維のフィラメント径が20μm未満の比較例1〜4においては、曲げ強度がいずれも600MPa以下であり、充分な強度が得られていないことがわかる。
本発明により得られる歯科用修復材料は、歯科用修復材料としての審美性、強度に優れ、加えて修復部分への作製時の作業性も良好であるので、例えば、ブリッジ、支台築造、クラウン、部分床義歯の維持装置及び連結装置、並びに歯牙固定などとして好適に用いることができる。
本発明の歯科用修復材料を義歯の修理に用いる例であって、折れた義歯を装着する状態を示す説明図である。 同義歯の修理に用いる例であって、折れた義歯を整合させて、溝を形成して歯科用修復材料を挿入する状態を示す説明図である。 同工程によって修理された義歯を示す説明図である。 実施例におけるフィラメント径と曲げ強度との関係を示す図表である。 実施例におけるフィラメント径とガラス含有率との関係を示す図表である。 実施例における光重合後の曲げ強度を示す図表である。
符号の説明
10:義歯
11:レジン床
12:人工歯
13:作業模型
14:顎堤部分
20:歯科用修復材料

Claims (8)

  1. 歯科用の修復材料として用いられ、ガラス繊維を、光及び/又は熱により硬化する樹脂で含浸してなる繊維強化樹脂材料であって、
    前記ガラス繊維のフィラメント径が18〜50μmであることを特徴とする歯科用修復材料。
  2. 前記歯科用修復材料における前記ガラス繊維の体積含有率が50〜65%である請求項1に記載の歯科用修復材料。
  3. 前記光及び/又は熱により硬化する樹脂が、アクリル系樹脂又はメタクリル系樹脂である請求項1又は2に記載の歯科用修復材料。
  4. 所定長さのガラス繊維束に前記光及び/又は熱により硬化する樹脂が含浸されてロッド形状をなす請求項1〜3のいずれか1つに記載の歯科修復材料。
  5. ブリッジ、支台築造、クラウン、部分床義歯の維持装置及び連結装置、並びに歯牙固定の材料として用いられる請求項1〜4のいずれか1つに記載の歯科用修復材料。
  6. 義歯の床に埋設又は付設される補強材として用いられる請求項1〜4のいずれか1つに記載の歯科用修復材料。
  7. レジン床と、このレジン床に排列固定された人工歯とを備えた義歯において、請求項1〜6のいずれかに記載の歯科用修復材料で形成された補強材が、前記レジン床に埋設又は付設されていることを特徴とする義歯。
  8. 前記補強材は、前記レジン床の裏側歯茎に相当する部分又はその近傍に線状をなして埋設又は付設されている請求項7記載の義歯。
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