JPH1160425A - 繊維補強合成樹脂床義歯 - Google Patents

繊維補強合成樹脂床義歯

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JPH1160425A
JPH1160425A JP22137797A JP22137797A JPH1160425A JP H1160425 A JPH1160425 A JP H1160425A JP 22137797 A JP22137797 A JP 22137797A JP 22137797 A JP22137797 A JP 22137797A JP H1160425 A JPH1160425 A JP H1160425A
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JP
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fiber
resin
denture
floor
synthetic resin
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JP22137797A
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Inventor
Yoichi Kumazawa
洋一 熊沢
Koki Wada
弘毅 和田
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Wada Seimitsu Shiken KK
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Wada Seimitsu Shiken KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯科医療の分野で使用される繊維含有樹脂に
より強化された床義歯に関して、樹脂中配合の繊維が人
体に対する為害性のない形態で、床部外面の繊維による
着色悪化を防止して樹脂製の人工歯床部を有効に強化し
た繊維補強樹脂床義歯を提供する。 【解決手段】 多数の人工歯牙を固定配列するための合
成樹脂の床部には、歯牙列に沿って上記人工歯牙下部の
床部内部に補強繊維を埋設一体とし、特に、補強繊維に
不織布のプリプレグ帯体を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科補綴の分野で
使用される床義歯にあって、樹脂床部を繊維含有樹脂に
より強化された床義歯に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂製の床義歯は、多数の人工歯牙
と、該人工歯牙を所要のU字形ないし馬蹄形に植設配列
するための合成樹脂の床部と、から構成されており、上
顎用と下顎用とで1組の床義歯とされている。床義歯
は、口腔内の歯牙欠損部に装着されて、上下の人工歯牙
をもって咬合咀嚼に使用されるが、長期使用の過程で床
部には咬合による大きな応力が繰り返し作用するので、
床部には材質上又は構造上強度的な配慮が必要である。
【0003】従来の技術においては、床義歯の床部を強
化するために種々の強化手段が採用されてきた。例え
ば、従来は、Co−Cr合金等の金属板又はワイヤーを
床部内部の樹脂中に埋設して一体化した床義歯があり、
また、短い単繊維を樹脂中に均一に配合して床部を一体
形成した床義歯も知られていた。これら従来の床義歯
は、使用中に互いに噛み合った上下の歯牙の間の咬合力
によって床部の受ける大きな応力に対して、床部を形成
する樹脂を繊維や金属ワイヤー等で強化し、その変形な
いし破損を防止しようとするものである。
【0004】さらに、光重合性又は加熱重合性樹脂を織
布に含浸させて硬化させた繊維強化プラスチックを床部
下面側に利用することが提案されており(例えば、特開
平2−85205号)、これは、上顎用床義歯について
口蓋部を含む床部粘膜面側を樹脂含浸織布で形成して、
この織布プラスチック上に床部を盛り上げて歯牙部を形
成するものである。この技術は、床義歯の床部の強化と
ともに、床部を樹脂注型により成形し硬化させる過程で
生じる床部の変形を防止して、特に、粘膜面の適合性を
改良するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記した
金属ワイヤーを床部樹脂中に埋設して強化した従来の床
義歯は、ワイヤーと樹脂との間の接合面が接着不良にな
り易く、その樹脂接合面が使用中に割れの起点となるの
で、床部の疲労破壊に対しては必ずしも有効ではなかっ
た。
【0006】また、床部に単繊維を樹脂中に均一に分散
配合して形成したものは、例えば強靱なガラス繊維を配
合すると、成形過程での単繊維と樹脂との熱膨張の差に
起因して樹脂に割れが生じ易いという問題があり、ま
た、単繊維を多量に添加すると、繊維により透明樹脂が
着色されて黒みを帯びた色調になり、外観上所要の歯肉
色が得られない。そこで、結局は、単繊維は、体積%で
10%程度の充填率が限度であり、強化にはあまり役立
っていなかった。
【0007】さらに、上記の織布による繊維強化プラス
チックの床義歯は、繊維末端が粘膜面や特に床縁部に露
出し易く、繊維末端が分離して、体内に移行したり、剛
直な繊維を利用すると、これにより人の口腔粘膜に痛み
や損傷を与えたりする危険性があった。この点で、繊維
には、不織布は適さず、繊維末端が露出し難い軟質の織
布にする必要があるが、義歯成形後に、粘膜面の適合性
を調製するために床部粘膜面を切削する操作が必要とな
ることがあり、この場合には、織布の切断により所要の
強度が得られなかったり、切断した繊維の毛羽立ちによ
る粘膜刺激や体内への流入による臓器刺激を生じるの
で、これを防止するために切削面に新たに樹脂の塗布盛
りつけし、さらに粘膜面の適合性を調製する必要がある
などの問題があった。
【0008】本発明は、床義歯の繊維強化に伴う上記の
問題を解決するために、床部樹脂中に配合の繊維が人体
に為害性を及ぼさず、繊維による床部の着色悪化を防止
して、しかも、樹脂製の床部を有効に強化した床義歯を
提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、多数の人工歯
牙を固定配列するための合成樹脂の床部を有する合成樹
脂製の床義歯について、歯牙列に沿って上記人工歯牙下
部などの床肉厚部の樹脂内部に補強繊維を埋設一体とし
て、強化するものである。
【0010】本発明は、より具体的には、補強繊維を、
合成樹脂の床部の内部で人工歯牙の基底部と床部粘膜面
との間の基底部側に近接する位置に、配設するものであ
る。補強繊維のこの配設は、補強繊維が床部の樹脂中に
埋設されて床部の粘膜面や縁端部に露出することがない
ので、粘膜を傷めることがなく、合成樹脂の表層に相当
厚みを確保できるので着色を阻害せず、従って剛直強靱
な繊維を利用してその繊維密度を高めることができ、こ
れにより、狭幅の補強繊維で床部を強化する。
【0011】補強繊維が配設される範囲は、特に、少な
くとも前歯部を含み、これにより前歯部における床部の
強度を高めて、床義歯が正中線付近で左右に割れるのを
有効に防止する。また、この補強繊維の配設の範囲は、
少なくとも左右の臼歯部を含むものが良く、これによ
り、臼歯部の曲げや捩り応力による折損を防止すること
ができる。
【0012】さらに、本発明は、このような合成樹脂の
床部の内部で且つ歯牙列に沿って人工歯牙下部に埋設し
て、床部を繊維強化するための樹脂床義歯用の繊維含有
プリプレグを含む。即ち、補強繊維を繊維含有のプリプ
レグの硬化体とすることにより、補強繊維の配置とその
硬化処理を正確にし、且つ迅速且つ簡便に行うことがで
きる。プリプレグは、好ましくは、繊維の織布、不織布
若しくは紐に予め液状合成樹脂を含浸して所要の形状に
成形されて成るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の床義歯を具体的に以下に
示す。本発明の床義歯は、総義歯、局部義歯、上顎用床
義歯及び下顎用床義歯のいずれも適用されるが、図1に
は、下顎用床義歯2への適用例を示しており、床義歯2
は、多数の人工歯牙3とこの人工歯牙を支持固定する床
部2とからなり、床部は、その上部に所要の人工歯牙を
言わばU字形に植設し、その下部には外縁部21と内縁
部22とを設けて、内縁部22と外縁部21との間の溝
部20内面、即ち粘膜面をもって無歯顎歯肉部に装着さ
れる。
【0014】本発明においては、床部2が合成樹脂によ
り一体に形成され、補強繊維1は、歯牙列に沿って上記
人工歯牙3下部の床部2内部に埋設され、床部樹脂と一
体化されている。補強繊維1は、人工歯牙3の基底部3
0に近接して、配設され、特に、溝部20の粘膜面側に
は、露出しない位置に固定される。
【0015】床部内部に補強繊維を埋設する範囲は、多
数配列の歯牙の全部又は一部に亘り一連の補強繊維を配
置して、歯間方向の強度を高めるようにする。この範囲
は、応力集中部を含むものが好ましく、この場合、少な
くとも前歯部を含ませるのが義歯の正中線付近での割れ
を防止して局部的に補強するのによい。また、補強繊維
の埋設は、左右何れかの又は両方の臼歯部を含む範囲と
してもよく、臼歯部における床部を補強するのに良い。
好ましくは、補強繊維は、前歯部及び左右臼歯部の全範
囲に埋設される。
【0016】本発明において使用される補強繊維の形態
は、繊維質の織布、不織布、又は、撚糸状ないしロープ
状の紐であってもよく、特に限定されない。補強繊維の
形状は、その断面形状が、上記の歯牙基底部と溝部粘膜
面との間の床部内部に埋設可能な大きさであればよい
が、特に、断面偏平な細帯状、断面多角状ないし円形状
の紐状のものが使用できる。
【0017】特に、図3(A)に示すような不織布の帯
体11が、図1(A、B)及び図2(B)に示すよう
に、床部2の歯牙基底部30と溝部20の粘膜面との間
への配置が容易である。さらに、補記用繊維は、織布に
比べて、不織布が、可撓性に優れるので、後述のよう
に、配列した歯牙基底部に近接させるために、適当に曲
げ折りして配置するのに便利である。
【0018】補強繊維の材料は、カーボン繊維、ガラス
繊維、有機繊維などが広く使用できるが、床部を成形す
る床部材料の樹脂よりも機械的強度が大きく且つ樹脂と
の接着強度の大きいものから選ばれる。
【0019】カーボン繊維には、例えば、黒化繊維、炭
素繊維、黒鉛繊維やカーボンウイスカーなどが使用さ
れ、特に限定されない。ガラス繊維には、例えば、アル
カリガラス繊維、化学用ガラス繊維、高強度ガラス繊
維、その他、高弾性ガラス繊維など使用でき、特に、限
定されない。有機繊維には、床部樹脂材料よりも強靱な
繊維の中から選ばれるが、例えば、ポリエステル系繊
維、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリイミド系
繊維などが利用可能である。本発明は、補強繊維とし
て、金属繊維を除外するものでなく、例えば、金属繊維
には、極細の金属素線の素線ないし撚線からの網体や撚
糸状ないしロープ状の紐として利用可能である。このよ
うな金属繊維としては、チタン、コバルトクロム合金、
金パラジウム合金などの歯科用金属が広く使用可能であ
る。
【0020】補強繊維は、これらの素線が0.01〜5
00μm程度の線径が好ましく、特に細くて強度の大き
いものが好ましい。織布又は不織布は、このような繊維
から緻密に形成されたものがよく、繊維密度が50〜9
9容積%のものが床部の強度の確保の点で好ましい。
【0021】本発明においては、上記補強繊維は、床部
を構成する樹脂を含浸した状態で床部内部の所要の位置
に埋設することができる。この樹脂には、熱硬化性のア
クリル系樹脂や熱可塑性のポリスルフォン樹脂又はポリ
カーボネート樹脂等の従来と同様の歯科用樹脂を使用す
ることができる。
【0022】然しながら、本発明においては、上記の補
強繊維が、織布、不織布若しくは紐に予め液状合成樹脂
を含浸して成るプリプレグの硬化体とされるのが好まし
い。即ち、補強繊維は、予め合成樹脂を含浸したプリプ
レグとしておき、義歯床の成形には、これを床部内部の
所要の位置に配置して硬化させる。上記補強繊維のプリ
プレグを形成するには、予め、補強繊維中に合成樹脂液
を含浸させて、樹脂が未硬化のままで可撓性のある状態
で所要の形状にされる。プリプレグとすることにより、
補強繊維を高密度に形成でき、床部内部の所要の位置へ
の配置とその硬化処理を簡便・迅速に且つ正確にするこ
とができる。
【0023】具体的なプリプレグの成形例として、所要
の厚みの不織布繊維に、重合可能なモノマーないしはオ
リゴマーなどを液状樹脂を含浸させて、脱泡するととも
に、所望厚みのシート状に押圧してプリプレグとし、こ
のプリプリグは、床部内部で基底部直下の配置に適した
形状に切断して切片とする。切片の例として、プリプレ
グの細帯体11が挙げられるが、その外形を、図3
(A)に示すように前歯部と両側の臼歯部に沿ったU字
状の細幅形状とするものがある。また、図3(B)に示
すように、前歯用のプリプレグの細帯体12として、前
歯部歯頂線に沿って湾曲した湾曲状プリプレグも使用可
能である。その他のプリプレグの形状には、図3(C)
のように、断面三角形状のプリプレグ13や、図3
(D)に示す断面円形状のプリプレグ14、さらに、図
3(E)に示すように中央部の厚み方向にくびれを有す
るような断面「瓢箪」型のプリプレグ15も利用可能で
ある。これらのプリプレグは、紐状の繊維束或いは不織
布に上記樹脂を含浸して、断面を三角形や円形、その他
構造力学的に有利な断面形状に調製ししておき、使用時
に歯牙列に合わせて曲げて配置して使用される。
【0024】この場合の含浸樹脂には、ラジカル重合性
のビニル系樹脂、例えば、アクリル系樹脂が好ましく利
用でき、これらの樹脂は、熱硬化型、光硬化型、あるい
は反応硬化型として所要の重合開始剤を含むモノマー若
しくはオリゴマーを主成分とするものが良い。繊維含浸
用の樹脂は、特に、光硬化型のアクリル系樹脂が好まし
い。これは、後述のように、所定位置に配列された歯牙
列の基底部に所要のプリプレグを配置して、プリプレグ
に直接光照射することにより、簡単に硬化させることが
できる利点がある。
【0025】これら繊維含浸樹脂は、床部を形成する樹
脂と異なることになっても構わない。床部を形成する樹
脂には、加熱硬化型ないしマイクロウエーブ硬化型の透
明樹脂、例えばアクリル系樹脂、特にメチルメタクリレ
ート樹脂が好ましく利用できる。また、床部を形成する
樹脂には、熱可塑性樹脂の使用も可能であり、例えば、
ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエ
ーテルスルフォン系樹脂等が使用できる。
【0026】
【実施例】実施例として、図1(B)と(C)には、下
顎用の床義歯2について、前歯部及び左右臼歯部の全範
囲の床部内部に補強繊維1として不織布で形成した細帯
体11を埋設した例を示している。この細帯体11は、
図3(A)に示すようなU字状をなして、前歯部及び左
右臼歯部の下に配置されている。図1(B)において、
一連の帯体11の補強繊維は、前歯部31の歯牙3直下
では、歯牙基底部30と溝部20粘膜面との間の床部内
部に、配置され、さらに臼歯部32では、図1(C)の
床義歯の臼歯部断面図において、補強繊維の上記の不織
布細帯体11が、臼歯の歯牙基底部30と溝部20粘膜
面との間の床部2内部に、帯体がこの例ではほぼ水平に
なるように、配置されている。図1(B)には、また、
臼歯部32における歯頂線縦断面で示すように、帯体の
補強繊維は、帯長手方向が全臼歯部にわたって臼歯直下
に配置されている様子を示している。
【0027】図2は、上顎用床義歯2の例で、この図で
は、前歯部31における補強繊維1の帯体11の配置だ
けを示しているが、同様に、前歯部及び左右臼歯部の全
範囲の床部内部に補強繊維の不織布で形成した帯体が埋
設されている。
【0028】図1及び図2では、補強繊維の細い帯体を
歯牙基底部直下の比較的狭い範囲に配置した例を示した
が、広い帯体を歯牙基底部直下を含み外縁部21と内縁
部22とに埋設するものでもよく、また、基底部直下を
外して外縁部21のみや内縁部22のみに埋設してもよ
い。帯体の厚みを幅方向に相対的に大小を設けてもよ
い。さらに、図3(E)のような断面瓢箪型の補強繊維
も、外縁部21から内縁部22に至る特に厚肉部を配置
して、床部を強化するのに有効である。図3(C)及び
(D)のような断面円形ないし三角形の補強繊維も1本
と限らず、2本以上を外縁部21から内縁部22に至る
範囲に並列して配設してもよい。
【0029】本発明の床義歯を形成する方法は、一例と
して、次のように行うことができる。先ず、患者の全無
歯顎から印象採得して再現した上下顎の石膏顎模型に
は、それぞれの歯頂部にワックスを盛りつけてワックス
床を成形し、次いで、所要の配列で多数の人工歯牙を床
に植設して後ワックス床の外形を成形する。成形したワ
ックス床を人工歯牙歯冠部と石膏顎模型を含めて石膏型
に没入して、脱蝋したあと、石膏型を分割する。
【0030】次いで、石膏型内に固定配列された人工歯
牙の基底部側に、上記の樹脂含浸繊維のプリプレグ帯体
を配置してプリプレグを硬化させ、同時に人工歯牙の基
底部に接合させる。プリプレグと人工歯牙の基底部との
間には、床部用の樹脂を予め塗布ないし充填して、プリ
プレグを位置決めしプリプレグと同時に硬化させてもよ
い。
【0031】プリプレグを硬化するには、繊維含浸樹脂
が光硬化型樹脂の場合は、光照射を行う。繊維含浸樹脂
が加熱硬化型樹脂である場合は、プリプレグを含む石膏
型全体を所要温度に加温する。繊維含浸樹脂には、光硬
化と加熱硬化とを併用する樹脂も採用でき、この場合に
は、光硬化による迅速な硬化処理が可能で、且つ、光照
射だけでは重合し切れなかった未硬化部を加熱硬化させ
て、完全なプリプレグ硬化体を得ることができる。
【0032】次ぎに、プリプレグと人工歯牙の基底部を
含む上記の石膏型に石膏顎模型を戻して仮止めし、人工
歯牙の基底部及びプリプレグと石膏顎模型との間の空所
に床部材料の合成樹脂を注入充填し、硬化させて床部を
形成する。床部の樹脂の硬化により、床部は、人工歯牙
と補強繊維とが一体に固定され、石膏顎模型及び石膏型
を外せば、本発明の床義歯が得られる。
【0033】
【発明の効果】本発明の床義歯は、歯牙列に沿って人工
歯牙下部の床部内部に補強繊維を埋設一体としたので、
補強繊維のこの配設は、補強繊維が床部の樹脂中に埋設
されて床部の粘膜面や縁端部に露出することがないの
で、剛直強靱な繊維を使用することができ、これによっ
ても粘膜を傷めることがなく、さらに、床部の合成樹脂
表層に相当厚みを確保できるので床部外面の着色を阻害
することがなく、従って繊維密度を高めることができ、
狭幅の補強繊維によって床部を有効に強化する。
【0034】補強繊維が配設される範囲は、前歯部から
臼歯部まで自由に選択することが可能となり、これによ
り前歯部から臼歯部に至る範囲における床部の強度を高
めて、床義歯が正中線付近で左右に割れや臼歯部での曲
げや捩り応力による折損を有効に防止することができ
る。
【0035】補強繊維には、織布、不織布若しくは紐に
予め液状合成樹脂を含浸して成るプリプレグの硬化体と
するものが利用でき、この場合には、床義歯製造工程に
おいて、人工歯牙の基底部への配置とその硬化が容易で
あり、高い密度の補強繊維の埋設が容易となり、作業の
能率化に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る下顎用床義歯について、
床義歯の歯牙側外観図(A)、部分縦断面図(B)、及
び横断面図(C)を示す。
【図2】本発明の実施例に係る上顎用床義歯について、
床義歯の歯牙側外観図(A)、部分縦断面図(B)とを
示す。
【図3】本発明の実施例に係る補強繊維の外観を示し、
不織布の細帯片(A、B)と、断面三角形状の繊維
(C)、断面円形状の繊維(D)及び断面瓢箪形状の繊
維(E)を示す。
【符号の説明】
1 補強繊維 2 人工歯床部 3 人工歯牙 30 基底部 31 前歯部 32 臼歯部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の人工歯牙と、該人工歯牙を固定配
    列するための合成樹脂の床部と、から成る床義歯におい
    て、 歯牙列に沿って上記人工歯牙下部の床部内部に補強繊維
    を埋設一体としたことを特徴とする繊維補強樹脂床義歯
  2. 【請求項2】 上記の補強繊維が不織布の帯体である請
    求項1記載の床義歯。
  3. 【請求項3】 上記の不織布が少なくとも前歯部に配設
    されている請求項2に記載の床義歯。
  4. 【請求項4】 上記の不織布が少なくとも臼歯部に配設
    されている請求項2に記載の床義歯。
  5. 【請求項5】 上記の補強繊維が、織布、不織布若しく
    は紐に予め液状合成樹脂を含浸して成るプリプレグの硬
    化体とされている請求項1記載の床義歯。
  6. 【請求項6】 床義歯を構成する合成樹脂の床部の内部
    で且つ歯牙列に沿って人工歯牙下部に埋設して床部を繊
    維強化するための樹脂床義歯用の繊維含有プリプレグ。
  7. 【請求項7】 上記プリプレグが、織布、不織布若しく
    は紐に予め液状合成樹脂を含浸して成形されて成ること
    を特徴とする請求項6記載のプリプレグ。
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