JP2013066589A - 義歯 - Google Patents

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喜史夫 坂口
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Abstract

【課題】義歯としての審美性、機能性、耐久性を損ねることなく好適な装着性を兼ね備える義歯を提供すること。
【解決手段】歯肉のみに当接する人工歯基底と、前記人工歯基底に植設される1以上の人工歯と、前記人工歯基底に取り付けられる補強部材と、連結部と、を備える義歯であって、前記補強部材は、前記人工歯基底において前記歯肉の内側に当接する内側基底の少なく左奥部と右奥部とに取り付けられ、前記連結部は、前記補強部材の左奥部の側端部と前記補強部材の右奥部の側端部とを連結すると共に、口蓋の形状に沿って形成されることこととする。
【選択図】図1

Description

本発明は、義歯に関する。
従来より、天然歯(特に永久歯)の一部或いは全てが欠損している患者のために補綴装置の一種である義歯(入れ歯)が提供されている。義歯には下顎用義歯と上顎用義歯があり、特に上顎用義歯は、馬蹄形に形成された義歯床(上顎口蓋に密着する部分)と、当該義歯床に植設される人工歯とからなり、この上顎用義歯を上顎口蓋に固定することによって、天然歯を有する者と同様に咀嚼、発音等を行うことが可能となるように支援されている。
しかしながら近年の歯科医療においては、単なる機能的な役割(咀嚼や発音等)のみではなく、患者の要望に沿ったより使いやすい(患者に違和感を与えない)補綴装置が望まれている。従って、今後は審美性、機能性、耐久性、使用感(装着性)など多岐に渡って好適な補綴装置を開発することで様々な患者の要望に応えていくことが重要となる。そして上顎用義歯については患者より使用感(装着性)に対する要望が顕著となっている。
上述したように上顎用義歯は一般的に上顎口蓋に密着させて固定するために、義歯床を備えており、当該義歯床は上顎口蓋全体を覆うように馬蹄形に形成されている。上顎用義歯を上顎口蓋に固定するという観点からは義歯床が上顎口蓋全体を覆う形状となっていることが好ましいが、義歯床が上顎口蓋全体を覆うと、上顎口蓋の感覚が義歯床によって遮られ、発音のスムーズさ、温冷感覚、味覚、舌感を損なうことは防ぐことができず問題となっている。
一方で義歯はその使用目的から顎堤形状(人工歯の配列形状、すなわち天然歯に相当する略円弧状、蹄鉄状の配列)や構成要素(人工歯を固定するための土台として義歯床が必要)等が制限されており、その中でどのように上述したような問題を解消するかが研究・開発されている。
例えば特許文献1には、義歯床の内側に口蓋の全面を閉塞する口蓋床部を有しない無口蓋義歯が開示されている。すなわち、従来において上顎口蓋全体を覆うように形成されていた義歯床について、上顎口蓋全体を覆わないように口蓋床部を備えない構成とすることによって、上述したような使用感(装着性)の問題を解消することとしている。
実用新案登録第3132554号公報
しかしながら、単に義歯が口蓋底部を備えない構成とすると、強度が低下するため、咀嚼時における下顎側の歯との咬合力による義歯を押し広げる力による義歯の破損や、咬合力の分散効果が損なわれること(咬合力が全て歯茎に集中されること)による義歯沈下及びそれによる粘膜への圧痕などの問題を避けることができない。そこで上記特許文献1に記載されている無口蓋義歯においても、義歯自体の機能性、耐久性を確保するために、義歯床の内側床部であって左側の第2大臼歯及び/又は左側の第3大臼歯の近傍並びに右側の第2大臼歯及び/又は右側の第3大臼歯の近傍には、口蓋の一部に接触するまで延設された延設部がそれぞれ形成されている。
すなわち口蓋の一部であって、歯肉に近い位置(口蓋皺襞部)に接触する延設部を設けることで義歯の機能性や耐久性を確保することとしている。しかしながら、口蓋の一部であるとはいえ、口蓋皺襞部は感覚受容器が密集している。従って、当該口蓋皺襞部を延設部で覆うと、口蓋全体を義歯床で覆うのに比べれば幾分か感覚性(装着性)が向上するものの以下の理由から患者の要望に応えるほどの効果を挙げることはできない。
第1の理由は味覚性である。食べ物の味を感じる器官である味蕾は一般的に舌や軟口蓋(口蓋の咽頭側(すなわち口蓋の奥部)に密集しており、特許文献1のように口蓋奥部において口蓋床を削除することで、ある程度味覚性に関しては改善されるとも考えられる。しかしながら、食べ物を口に入れた際には、まず食べ物と舌が接触し、軟口蓋と食べ物が接触するのは嚥下時である。つまり軟口蓋の味蕾は後味を感じる器官であり、食べ物を口に入れた際に最初に味を感じるのは舌である。一方で舌はそれ単体で食べ物の味を感じるものではなく、咀嚼する際に食べ物を舌尖、舌背で、感覚受容器が密集している口蓋皺襞部に押し当てることで、舌が備える味蕾が感じる味と、口蓋皺襞部が備える感覚受容器が感じる触感や圧感との相乗効果で味覚を感じるものである。従って、口蓋皺襞部に接触する延設部を設けることは、味覚性を損なうことが避けられない。
第2の理由は発音性である。人が言葉を発する場合には、口内の様々な器官を使用して音を発する。その器官の中で最も重要と考えられるのが舌であり、舌と上顎口蓋との空隙は母音の音色の決定に大きな影響を与え、また、舌先の速い運動によって子音の音源を作ることが知られている。従って、舌の動きを妨げるような義歯形態は発音性を著しく損ねることになる。特にサ行やタ行音の発音は舌(舌尖、舌背)と上顎との空隙によって引き起こされるものであり、口蓋皺襞部が延設部によって覆われることによって、サ行、タ行音の発音を含め様々な発音に影響を与えることは避けられない。
第3の理由は嚥下運動である。嚥下運動でも特に唾を飲む行為は反射性(無意識化)の運動の側面を備えており、舌運動、咀嚼筋、顔面筋の調和によって行われる。嚥下運動は一般的にその分類として、口腔相(咽頭への移送)、咽頭相(食道への移送)、食道相(食道通過)の三相に分類される。そして、義歯患者に影響を与えるのは口腔相と咽頭相である。口腔相は舌の運動により食塊を口腔内の前方から咽頭へと移送する時期であるが、その際舌尖は口蓋皺襞部に押し付けられ、舌背は口蓋の側縁部に挙上されることによって舌全体をスプーン形状としてそのくぼみに食塊を入れ、内舌筋の働きによって食塊を咽頭に向けて移送する。咽頭相は舌の運動により食塊を咽頭から食道へと移送する時期であるが、その際舌尖から舌根にかけて強く上顎に押し付けて(すなわち舌尖は口蓋皺襞部に強く押し付けられている)舌と上顎との隙間を遮断して食塊の逆流を防いだ後に、舌全体を上顎を滑らせるようにして咽頭側に引くことで食塊を食道に移送する。従って、嚥下運動において特に口腔相及び咽頭相では舌尖と口蓋皺襞部を接触させて食塊を移送するので、口蓋皺襞部が延設部によって覆われることによって、嚥下運動を妨げることは避けられない。
第4の理由は装着性である。装着性、すなわち違和感や不快感は口腔粘膜によって感じられる感覚的なものである。そして口蓋皺襞部は感覚受容器の密集している部分であり、当該箇所が延設部によって覆われていると口蓋皺襞部で感覚を受容することができなくなる、或いは延設部に関する感覚のみを常時受容することとなり患者に不快感を与えることになる。また、舌尖にも感覚受容器が密集しており、上述したように発音時、嚥下運動時のみならず、口を閉じている時にも舌と口蓋皺襞部は接触する関係にある。このことからすればほぼ常時舌尖が口蓋皺襞部を覆う延設部に接触していることとなって、延設部に関する感覚のみを常時受容することとなり患者に不快感を与えることになる。従って、口蓋皺襞部が延設部によって覆われることによって、患者に違和感や不快感を与えることは避けられない。
本発明は、上述した問題点に鑑み、義歯としての審美性、機能性、耐久性を損ねることなく好適な装着性を兼ね備える義歯を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の義歯は、歯肉のみに当接する人工歯基底と、前記人工歯基底に植設される1以上の人工歯と、前記人工歯基底の左奥部の側端部と前記人工歯基底の右奥部の側端部とを連結すると共に、口蓋の形状に沿って形成される連結部とを備えることを特徴としている。
上記目的を達成するために本発明の義歯は、歯肉のみに当接する人工歯基底と、前記人工歯基底に植設される1以上の人工歯と、前記人工歯基底に取り付けられる補強部材と、連結部と、を備える義歯であって、前記補強部材は、前記人工歯基底において前記歯肉の内側に当接する内側基底の少なく左奥部と右奥部とに取り付けられ、前記連結部は、前記補強部材の左奥部の側端部と前記補強部材の右奥部の側端部とを連結すると共に、口蓋の形状に沿って形成されることを特徴としている。
また上記構成の義歯において、前記左奥部は左側の第二大臼歯に対応する部分であり、前記右奥部は右側の第二大臼歯に対応する部分であることが望ましい。
また上記構成の義歯において、前記連結部は、発声時及び嚥下時において舌と前記口蓋とによって形成される空隙を通ることが望ましい。
また上記構成の義歯において、前記歯肉に歯根が残っていないときは、前記歯肉にインプラントと共に埋設される第1のアタッチメント器具と、前記人工歯基底及び/又は人工歯の内部に取り付けられる第2のアタッチメント器具とによって前記義歯が前記歯肉に固定されることが望ましい。
また上記構成の義歯において、前記歯肉に歯根が残っているときは、前記歯根に取り付けられる第1のアタッチメント器具と、前記人工歯基底及び/又は前記人工歯の内部に取り付けられる第2のアタッチメント器具とによって前記義歯が前記歯肉に固定されることが望ましい。
本発明によれば、義歯としての審美性、機能性、耐久性を損ねることなく好適な装着性を兼ね備える義歯を提供することができる。
は、本発明の第1実施形態における義歯の上面模式図である。 は、本発明の第1実施形態における義歯の底面模式図である。 は、本発明の第1実施形態における義歯の背面模式図である。 は、本発明の第1実施形態における義歯が取り付けられる口蓋の斜視模式図である。 は、本発明の第2実施形態における義歯の上面模式図である。 は、本発明の第2実施形態における義歯の底面模式図である。 は、本発明の第2実施形態における義歯の背面模式図である。 は、本発明の第2実施形態における義歯が取り付けられる口蓋の斜視模式図である。 は、口(口腔)内の各部名称及び該当箇所を示す模式図である。 は、本発明の他の実施形態の部分義歯を示す底面模式図である。
[第1実施形態]
以下に本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の義歯を具体化するために本発明の義歯の一例を示すものであって、本発明をこの義歯に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の義歯にも等しく適応し得るものである。なお、本発明の義歯は後述するように連結部により補強することから上顎用義歯に対して好適に適用されるものであるため、以下の説明において義歯は上顎用義歯として説明をする。
なお、図9は本発明の義歯を説明するため使用する口(口腔)内の各部名称及び該当箇所を示す模式図である。従って以下の説明において、各部名称は図9に示す模式図に従って使用するものとする。
また、以下の説明において、「左右」は義歯を上顎口蓋に取り付けた者(患者)に正対する観察者から見て観察者の左手側を「左」、観察者の右手側を「右」とする。また、「上下」は義歯を上顎口蓋に取り付けた者(患者)に正対する観察者から見て上(患者の頭側)を「上」(上面)、下(患者の足側)を「下」(底面)とする。また、「前後」は義歯を上顎口蓋に取り付けた者(患者)に正対する観察者から見て観察者側を「前」(手前)、患者側を「後」(奥)とする。
図1は本実施形態における義歯の上面模式図及び写真図である。また、図2は本実施形態における義歯の底面模式図及び写真図である。また、図3は本実施形態における義歯の背面模式図及び写真図である。また、図4は本実施形態の義歯が取り付けられる口蓋(歯肉を含む)の斜視模式図である。義歯を歯肉部に取り付ける際には、図1に示す義歯の上面側と図4に示す口蓋とを重なり合わせるようにして取り付ける。
本実施形態の義歯20は図1〜図3に示すように、歯肉に当接する人工歯基底1と、人工歯基底1に植設される人工歯2と、人工歯基底1に固定される(取り付けられる)補強部材3と、補強部材3の端部同士を連結する連結部4と、を備えている。
人工歯基底1は歯肉の形状に沿って略円弧状(蹄鉄状)に形成されている。また、人工歯基底1は歯肉の上部を被覆すると共に人工歯2が植設される上部基底11と、歯肉の外側を被覆する外側基底12と、歯肉の内側を被覆する内側基底13とからなり、断面略半楕円状又は凹状に形成されている。従って、人工歯基底1は歯肉のみに当接して口蓋(以下の説明において「上顎口蓋」を単に「口蓋」と記載して説明することがある。)に固定される(取り付けられる)。人工歯基底1の素材は特に限られるものではなく、従来より使用されている金属製の人工歯基底、アクリルレジン製の人工歯基底など人工歯基底として使用することができる素材であれば任意の素材とすればよい。
人工歯2は人工歯基底1(人工歯基底1の上部基底11)の少なくとも一部に植設されるものである。図1〜図3に示す義歯20においては患者の歯肉に天然歯が存在しないものとして全て(但し、第三大臼歯を除く)の人工歯を植設している。歯は正中線(2本の中切歯の間を通る線)に近いものから順に数え、最も近いものが上顎1番であり、最も遠いものが上顎7番であり、それぞれ左右に一対ずつ植設されている。なお、1番から7番の歯の名称について補足すると、1番から順に、中切歯、側切歯、犬歯(糸切り歯)、第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯である。人工歯2の素材は特に限られるものではなく、従来より使用されている陶製の人工歯、アクリルレジン製の人工歯、金属製の人工歯など人工歯として使用することができる素材であれば任意の素材とすればよい。
補強部材3は、図1〜図3に示すように人工歯基底1に固定されて(取り付けられて)いる。本実施形態において補強部材3は、人工歯基底1の内側基底13の内部を通って上部基底11の内部に差し込まれる形で固定されており、人工歯基底1からの取り外しを困難とすると共に、義歯20を口蓋(歯肉)に取り付けた状態で舌が内側基底13に接触したときに舌が補強部材3に接触しないようにしている。これにより、補強部材3の素材の如何によって患者に不快感を与えることを防ぐことができる。
なお、補強部材3の素材は貴金属或いは非金属の任意の素材とすればよい。金属製の補強部材3とする場合には腐食しにくく金属アレルギーの原因になりにくいゴールド、薄くて軽量であって且つ汚れが付着しにくいチタンなどを使用することができるが、耐久性に優れチタンより安価で薄くて軽量であるコバルトクロムを使用することがより望ましい。また、本実施形態では人工歯基底1の上部基底11及び内側基底13の全域にわたって補強部材3を固定することとしてしるが、上部基底11及び内側基底13の両端部(左右両奥部)を含んで一部のみに固定することとしてもよい。
連結部4は人工歯基底1の上部基底11及び内側基底13に固定されている補強部材3の一端部(左奥部)の側端部と他端部(右奥部)の側端部とを連結する部材である。さらに詳説すると連結部4は補強部材3において、第二大臼歯に対応する部分の側端部同士を連結する部材であり、口蓋の形状に沿って湾曲して形成されている。このように第二大臼歯に対応する部分の側端部同士を口蓋の形状に沿って連結することにより、連結部4が、発声時及び嚥下時において舌(舌背及び舌根)と口蓋(軟口蓋)とによって形成される空隙を通る(発声時及び嚥下時において舌と接触することがない位置を通る)ので、装着性を向上させることができる。なお、連結部4は補強部材3と一体に形成することとしてもよいし、補強部材3に溶接することによって各補強部材3を連結することとしてもよい(すなわち別部材としてもよい)。
本実施形態によれば人工歯基底が歯肉のみに当接するので、患者の使用感を損ねることがない。また、義歯全体を補強するために補強部材及び連結部を備えているが、当該補強部及び連結部は発声や嚥下を邪魔することがない位置(舌背と口蓋とによって形成される空隙)を通るので、患者の使用感に影響を与えない。従って、審美性、機能性、耐久性、装着性を兼ね備える義歯とすることができる。
なお、以下に本実施形態の義歯20の口蓋(歯肉)への取り付け方法について説明する。図4に示すように口蓋30の歯肉31には正中線を挟んで4つの金属突起32(以下、「金属突起」を「第1のアタッチメント器具」ともいう。)がインプラント(図示していないが、金属突起32の基台となるもの)と共に埋設されている。一方、図1に示すように、義歯20において、歯肉31にインプラントと共に埋設された金属突起32の位置に対応する位置の人口基底1及び/又は人工歯2(本実施形態では左右の第一小臼歯と第二大臼歯)の内部には、各金属突起32が挿入嵌合される嵌合部5(環状のゴムリング、O−リング、以下、「嵌合部」を「第2のアタッチメント器具」ともいう。)が取り付けられている。そして、当該嵌合部5に各金属突起32を挿入嵌合することで義歯20が口蓋30(歯肉31)に取り付けられる。金属突起32及び嵌合部5の個数は特に限定されるものではなく、それそれ一つずつとしてもよいが、固定の安定性のため正中線を挟んで1対(合計2本)以上備えることが望ましい。
なお、本実施形態では金属突起をインプラントと共にを左右対称の位置(第一小臼歯と第二大臼歯)に埋設したが、埋設する位置はこれに限られず、また、左右対称に埋設しないこととしてもよい。また、奇数本の金属突起をインプラントと共に埋設することとしてもよい。
また、本実施形態では義歯20側にメス型のアタッチメント器具(第2のアタッチメント器具)を取り付け、歯肉31側にオス型のアタッチメント器具(第1のアタッチメント器具)を取り付ける(埋設する)こととしているが、これに限られるものではなく、義歯20側にオス型のアタッチメント器具を取り付け、歯肉31側にメス型のアタッチメント器具を取り付ける(埋設する)こととしてもよい。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。第1実施形態は患者の歯肉に天然歯が存在していない場合の義歯に関するものであり、本実施形態は患者の歯肉に残歯又は残根(天然歯の一部である歯根)が存在している場合の義歯に関するものである。図5は本実施形態における義歯の上面模式図である。また、図6は本実施形態における義歯の底面模式図である。また、図7は本実施形態における義歯の背面模式図である。また、図8は本実施形態の義歯が取り付けられる口蓋(歯肉を含む)の斜視模式図である。義歯を歯肉部に取り付ける際には、図5に示す義歯の上面側と図8に示す口蓋とを重なり合わせるようにして取り付ける。なお、第1実施形態の義歯と同一の部分については同一の符号を付し、説明を省略するものとする。
本実施形態の義歯40は図5〜図7に示すように、歯肉に当接する人工歯基底1と、人工歯基底1に植設される人工歯2と、人工歯基底1に固定される(取り付けられる)補強部材3と、補強部材3の端部同士を連結する連結部4と、を備えている。
本実施形態の義歯40は上面視において第1実施形態の義歯20と同一であるが、歯肉に残歯又は残根が存在しているため義歯の口蓋(歯肉)への取り付け方法が異なる。以下に本実施形態の義歯40の口蓋(歯肉)への取り付け方法について説明する。本実施形態では図8に示すように歯肉50には右の第一小臼歯と左の第二大臼歯の歯根が残っている場合を例に説明するが、歯根の種類や本数は特に限定されるものではなく、現に残っている歯根を利用して以下に説明するように義歯40を口蓋50(歯肉51)に取り付けることができる。
図8に示すように歯根52,53は、歯肉51に沿って平らに削られた後に、凸状の金属突起(第1のアタッチメント器具)62,63が取り付けられている。一方、図5に示すように、義歯40において歯根52,53に対応する位置の人工歯基底1及び/又は人工歯2(右の第一小臼歯と左の第二大臼歯)の内部には、金属突起62,63がそれぞれ挿入嵌合される嵌合部(第2のアタッチメント器具)71,72(環状のゴムリング、O−リング)が取り付けられている。そして、当該嵌合部71,72に金属突起62,63を挿入嵌合することで義歯40が口蓋50(歯肉51)に取り付けられる。
なお、上述したように歯根52,53は歯肉51に沿って平らに削られた後に、金属突起62,63が取り付けられるので、金属突起62,63が取り付けられた状態では外部から視認することはできない。従って図8においては説明のため歯根52,53を点線で示すことにより、歯根52,53が歯肉51内に存在していることを示している。
[その他]
上記第1実施形態及び第2実施形態において義歯は、総義歯として説明したが総義歯に限られるものではなく、図10に示すように部分義歯80としてもよい。但し部分義歯とする場合であっても、左右の補強部材と左右の補強部材を連結する連結部とを備える必要があるため、義歯は、少なくとも左右の第二大臼歯の位置に相当する歯肉の領域に当接する人工歯基底を備える必要がある。
また上記第1実施形態及び第2実施形態において歯根が残っているか否かに応じて義歯を口蓋(歯肉)に取り付ける方法を説明したが、両者を組み合わせて取り付けることを排除するものではない。すなわち、歯根が残っている場合において、歯根の上に金属突起62を取り付けると共に、歯根が残っていない歯肉に金属突起32をインプラントと共に埋設し、それぞれに対応する嵌合部5,71を人工歯基底1及び/又は人工歯2の内部に取り付けることも当然に本発明の範囲内である。
また上記第1実施形態及び第2実施形態において、義歯のアタッチメント方式(義歯を口蓋(歯肉)に取り付ける方式)として、O−リングアタッチメント方式を採用しているが、これに限られるものではなくその他アタッチメント方式を使用することとしてもよく、例えば磁性アタッチメント(磁石など磁性を有する物を用いるアタッチメント方式)、コーヌスクローネ(残歯又は残根の形を整えて内冠を被せ、人工歯の内面に備えられた外冠に噛みあわせるアタッチメント方式)等を利用することとしてもよい。すなわち歯根に取り付けられた第1のアタッチメント器具と、当該第1のアタッチメント器具に対応する位置に植設されている人工歯基底及び/又は人工歯の内部に取り付けられた第2のアタッチメント器具とで義歯を口蓋(歯肉)に取り付けることができるものであればよい。
また上記第1実施形態及び第2実施形態において、人工歯基底1の強度を補強するために補強部材3を人工歯基底1に取り付けているが、人工歯基底1の素材を選択することにより補強部材3を取り付けなくても十分な強度を得ることができる場合には、補強部材3を取り付けず、人工歯基底1の左奥部の側端部と人工歯基底1の右奥部の側端部とを連結部4で連結することとしてもよい。その際、人工歯基底1と連結部4は別部材としてもよいし、同一部材としてもよい。同一部材とする場合には人工歯基底1と連結部4とを一体成型することで強度を高め、また、コストを削減することができる。
本発明は、義歯に利用できる。
1 人工歯基底
2 人工歯
3 補強部材
4 連結部
5 嵌合部
11 上部基底
12 外側基底
13 内側基底
20 義歯
30 (上顎)口蓋
31 歯肉
32 金属突起
40 義歯
50 (上顎)口蓋
51 歯肉
61,62 金属突起
71,72 嵌合部

Claims (6)

  1. 歯肉のみに当接する人工歯基底と、
    前記人工歯基底に植設される1以上の人工歯と、
    前記人工歯基底の左奥部の側端部と前記人工歯基底の右奥部の側端部とを連結すると共に、口蓋の形状に沿って形成される連結部と
    を備えることを特徴とする義歯。
  2. 歯肉のみに当接する人工歯基底と、
    前記人工歯基底に植設される1以上の人工歯と、
    前記人工歯基底に取り付けられる補強部材と、
    連結部と、
    を備える義歯であって、
    前記補強部材は、前記人工歯基底において前記歯肉の内側に当接する内側基底の少なく左奥部と右奥部とに取り付けられ、前記連結部は、前記補強部材の左奥部の側端部と前記補強部材の右奥部の側端部とを連結すると共に、口蓋の形状に沿って形成されることを特徴とする義歯。
  3. 前記左奥部は左側の第二大臼歯に対応する部分であり、前記右奥部は右側の第二大臼歯に対応する部分であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の義歯。
  4. 前記連結部は、発声時及び嚥下時において舌と前記口蓋とによって形成される空隙を通ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の義歯。
  5. 前記歯肉に歯根が残っていないときは、前記歯肉にインプラントと共に埋設される第1のアタッチメント器具と、前記人工歯基底及び/又は人工歯の内部に取り付けられる第2のアタッチメント器具とによって前記義歯が前記歯肉に固定されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の義歯。
  6. 前記歯肉に歯根が残っているときは、前記歯根に取り付けられる第1のアタッチメント器具と、前記人工歯基底及び/又は前記人工歯の内部に取り付けられる第2のアタッチメント器具とによって前記義歯が前記歯肉に固定されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の義歯。
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