JP2010519257A - 二相光硬化材料を用いる歯科修復物の製造方法 - Google Patents

二相光硬化材料を用いる歯科修復物の製造方法 Download PDF

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Abstract

歯科用のクラウン、ブリッジ、インレー、アンレー、ベニア、充填物及び他の修復物の製造方法を提供する。本方法は、二相光硬化(TPLC)材料の使用を包含する。好ましくは、歯科修復物の形成に使用するTPLC材料は、重合性化合物、光重合系(a)及び光重合系(b)並びに微粒子充填材(a)及び微粒子充填材(b)の配合物を含む。第1の光硬化工程では、波長が420nmを上回る硬化光を用いて系(a)を活性化する。第2の光硬化工程では、波長が420nm未満の硬化光を用いて系(b)を活性化する。二工程の光硬化方法は効率が良く、歯科医は、機械的強度が高く、審美性が良い修復物を製造することができる。

Description

本発明は概して、充填物、クラウン、ブリッジ、インレー、アンレー及びベニア等の歯科修復物を製造する方法に関する。本方法は、2つの別個の工程で光重合性組成物を硬化することを包含する。本組成物を二相光硬化(TPLC)材料と称する場合がある。
[関連出願の相互参照]
本出願は、2007年2月23日に出願された米国仮特許出願第60/903,089号明細書(この内容全体が参照により本明細書中に援用される)の利益を主張する。
歯科専門医は、患者の歯牙及び口腔衛生の状態に応じて、異なる修復物を製造及び使用する。本明細書において、「修復物」という用語は、欠損した歯質、歯牙又は口腔組織を置換又は修復する任意の物、例えば、限定するものではないが、充填物、インレー、アンレー、ベニア、クラウン、ブリッジ、スプリント及び義歯を意味する。
歯科解剖学において、歯牙の外側(可視)部分は歯冠と称され、エナメル質の被覆を有する。歯牙の上側部分では、硬いエナメル質が、より軟らかい象牙質組織を保護している。象牙質組織は、歯髄を包囲及び保護するコラーゲン繊維と共に散在した細管のマトリクスを含有する。歯髄は、結合組織、血管、細胞及び神経終末を含む。歯髄腔は、上側の髄室と、顎内深く、歯牙の根端部又は根尖部へ延在する根管とを含む。歯根の外側(不可視)部分は、歯根を周囲骨に結合させる薄い硬組織であるセメント質で覆われている。虫歯、すなわち、齲蝕は、細菌が歯牙に蓄積し、バイオフィルム(プラーク)を形成することが原因である。バイオフィルムは、歯牙を溶解し且つ弱くする酸を産生することにより、虫歯を引き起こす。
齲蝕がエナメル質部分に発見されると、歯科専門医は、齲蝕を取り除き、さらなる虫歯を予防する。歯科医は、掘削器具を備えた高速のハンドピースを用いて、歯牙に「穿孔」する。次いで、複合樹脂材料又は銀アマルガムの充填物を窩洞に「充填」する。近年は、隣接歯牙の色合いに近く適合させることができる複合充填物の方が、アマルガム充填物よりも一般的になっている。
複合充填材は典型的には、アクリレート樹脂又はメタクリレート樹脂等の光重合性樹脂、シリカ及びガラス等の強化充填剤粒子、重合開始剤、重合促進剤、並びに紫外光吸収剤、抗酸化剤及び可塑剤等の各種添加剤を含有する。複合材料を、標準的な歯科用硬化ライト(例えば、SmartLite(商標)PS LED硬化ライト、Dentsplyから入手可能)を用いて光硬化することにより、固化した歯科修復物を形成することができる。硬化ライトは通常、スペクトルが400nm〜500nmの青色可視光を放射して、重合開始剤を活性化する。モノマーは重合し、充填材は固化する。場合によっては、逐次的な2つの工程で組成物を光硬化することが望ましい。第1の光硬化工程では、組成物が部分的に硬化する。歯科開業医は、部分的に硬化した状態のまま、必要に応じて成形及び成型しながら組成物を取り扱うことができる。準備が整うと、開業医は、材料を再度光硬化することにより、材料を完全に硬化させ、固化した修復物を形成する。
例えば、Schmitt et al.の特許文献1には、2つの硬化工程で硬化可能な歯牙充填組成物が開示されている。この組成物は、モノマー及びポリマーのアクリレート及びメタクリレート等の重合性化合物、シリカ粒子等の充填材、ビスアシルホスフィンオキシド等の最大吸光波長が450nm未満の光開始剤構成成分I、並びにカンファーキノン等の最大吸光波長が450nmを上回る光開始剤構成成分IIを含む。部分硬化工程で、波長が450nmを上回る光を組成物に照射して、最大硬度の50%〜70%を有する材料を形成した後、波長が450nm未満の光を照射することにより、完全に硬化させる。
上述のように、充填物を保持するだけの十分な強度及び完全性が歯質にある場合には、充填物を歯牙に投入する。充填物は、歯牙の異なる領域、例えば、咬合部分及び/又は近心部分及び/又は遠心部分に投入することができ、これらの充填物は、歯牙の場所及び状態に応じて、クラスI修復物〜クラスVI修復物に格付けされる。しかしながら、場合によっては、歯質が相当弱っており、充填物を保持することができないこともある。これらの場合には、異なる修復物を歯牙用に製造する必要がある。例えば、歯科用クラウンを歯牙にかぶせて、天然の歯牙の解剖学的形態、機能及び審美性を修復することができる。
従来の歯科用クラウン製作手順では、患者は歯科医に複数回通う必要がある。1回目の通院では、歯科医をクラウンをかぶせる歯牙を検査及び前処理する。歯科医は、歯を中心に向かって削り取り、研磨することによって、歯牙を「前処理」する。次に、歯科医は前処理した歯牙の印象を採得する。最終的な印象は、永久クラウンを製造する歯科技工施設に送られる。1回目の通院時、歯科医は、永久クラウンが製作されている間に歯牙を被覆及び保護するための仮のクラウンを歯牙に装着する。仮のクラウンは、アクリル樹脂材料等の高分子のペースト状の材料から製造される。2回目の通院で、歯科医は、仮のクラウンを取り外す。歯科医は、任意の残存する仮のセメントを取り除いて歯牙をクリーニングする。次いで、永久クラウンの色合い、マージン、接触及び咬合のフィッティングを確認する。満足ならば、歯科医は、永久歯科用セメントを用いて、永久クラウンを歯牙に取り付ける。
歯科医に複数回通うことを包含する、このクラウン製作手順は、時間がかかると共に、コストがかかる可能性がある。近年、新規な技法を見出す努力がなされており、それにより、歯科医は、「チェアーサイド」でクラウンを設計及び製作することができ、1回通院するだけでクラウンを患者の歯牙に装着することができる。
例えば、Dias et al.の特許文献2には、1回通院するだけで歯科用クラウンを製造する方法が開示されている。この方法は、患者の前処理した歯質にスペーサー材料を塗布すること、及びその後の、複合クラウン形成材料を含有する透明な可塑性マトリクスを歯牙全体に載置することを包含する。マトリクスは透明であるため、マトリクスを通じて複合材料に光を照射することができる。こうして材料を重合し、クラウンを形成する。固化したクラウンは、歯牙から取り外し、仕上げ加工及び研磨した後、永久歯科用セメントを用いて、永久的に歯牙に装着する。1回の通院だけで(in a single office)歯科用クラウンを製造する、このチェアーサイド技法は、有望な開発形態(development)である。しかしながら、クラウンを形成する材料及び方法の改善が必要とされている。この特許文献2には、2つの異なる光開始剤と、2つの別異の光硬化工程で硬化することができる充填材の混合物とを含有する開示する光重合性組成物は開示されていない。
米国特許第5,472,991号明細書 米国特許出願公開第2007/0148623号明細書
歯科分野において、2つの別個の異なる光硬化工程で硬化することができる、修復組成物の改善が必要とされている。歯科開業医は、本組成物を用いて、機械的強度が高く、審美性が良い修復物を製造することが可能である。さらに、本組成物は、操作時間が良好であるため、歯科開業医はより効率良く、材料を取り扱い、投入することができる。本発明は、これらの利益及び他の有利な特性を有するかかる組成物を提供する。本組成物を用いて、チェアーサイドの歯科用クラウン及び他の修復物、例えば、チェアーサイドのインレー、アンレー、ベニア及び充填物を製造する方法も含まれる。
本発明は、二相光硬化組成物を用いて、充填物、インレー、アンレー、ベニア、クラウン、ブリッジ、スプリント及び義歯等の歯科修復物を製造する方法を提供する。光重合性組成物は、アクリレート及びメタクリレートのモノマー及びポリマー等の重合性化合物、最大吸光波長が420nmを上回る光開始剤を含有する光重合系(a)、最大吸光波長が420nm未満の光開始剤を含有する光重合系(b)、並びに構造充填剤及びナノ充填剤の混合物を含む。
第1の光硬化工程では、波長が420nmを上回る光(これにより、光重合系(a)を活性化して、組成物を部分的に硬化させる)に組成物を曝露する。第2の光硬化工程では、波長が420nm未満の光(これにより、光重合系(b)を活性化して、組成物を完全に硬化させる)に組成物を曝露する。重合系は、異なる光開始剤、促進剤及び光重合阻害剤を含有してもよい。
例えば、好ましい一製剤において、光重合系(a)は、カンファーキノン及び4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチルを含み、光重合系(b)は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを含む。別の好ましい形式において、光重合系(a)は、カンファーキノン及び4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチルを含み、光重合系(b)は、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4’−モルホリノブチロフェノンを含む。ブチル化ヒドロキシトルエンは、両方の好ましい製剤において、光重合阻害剤として使用することができる。
構造充填材及びナノ充填材の混合物は、高い機械的強度及び良好な審美性を修復物に与える。好ましい一形式において、構造充填剤は、フッ化物−バリウム−ホウ素−アルミノケイ酸(fluoride barium boron aluminosilicate)ガラス粒子を含み、ナノ充填剤は、ヒュームドシリカ粒子を含む。
波長が400nmを上回る硬化光に曝露した時の各種光開始剤配合物の硬化効率を示すグラフである。 波長が400nm未満の硬化光に曝露した時の各種光開始剤配合物の硬化効率を示すグラフである。
本発明は、二相光硬化(TPLC)材料を用いて歯科修復物を製造する方法に関する。好ましくは、TPLC材料は、重合性化合物、光重合系(a)及び光重合系(b)、並びに微粒子充填材(a)及び微粒子充填材(b)の配合物を含む。
重合性化合物
TPLC材料で使用する重合性化合物は、硬化又は固化して、ポリマーネットワークを形成することが可能である。重合性化合物は十分な強度及び加水分解安定性を有すると共に、毒性が低いため、ヒトでの使用に安全である。
好適な重合性化合物の一類型は、フリーラジカル活性官能基を有する材料を含有し、1つ又は複数のエチレン性不飽和基を有するモノマー、オリゴマー及びポリマーを含む。かかるフリーラジカル重合性化合物としては、限定するものではないが、モノ−、ジ−又はポリ−アクリレート及びメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン;2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMA);2,2−ビス[4−(アクリロイルオキシ−エトキシ)フェニル]プロパン;2,2−ビス[4−(メタクリロイルオキシ−エトキシ)フェニル]プロパン(又はエトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート)(EBPADMA);ウレタンジ(メタ)アクリレート(UDMA)、ジウレタンジメタクリレート(DUDMA);ポリウレタンジメタクリレート(PUDMA);アルコキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(pentacrythritol tetraacrylatel);ポリカーボネートジメタクリレート(PCDMA);ポリエチレングリコールのビスアクリレート及びビスメタクリレート;アクリル化モノマーの共重合性混合物;アクリル化オリゴマー;ジペンタエリスリトールペンタアクリレートリン酸エステル(PENTA)等の酸性モノマー;並びにリン酸ビス[2−(メタクリロイルオキシ(methacryloxyloxy))エチル]が挙げられる。上記重合性化合物の混合物を使用することができる。重合性化合物は典型的には、組成物の重量に対して、約10重量%〜約60重量%の範囲内、より好ましくは20重量%〜50重量%の範囲内の量でTPLC材料中に存在する。
以上の重合性化合物の他、材料は、組成物の粘度を低下させ、口腔内での適用により好適なものとするために、希釈剤、重合性モノマー、例えば、ヒドロキシアルキルメタクリレート、エチレングリコールメタクリレート及びジオールメタクリレート、例えば、トリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(TEGDMA)を含有してもよい。
光重合系(a)
TPLC材料は、波長が約400nm〜約550nmの範囲内の可視光で活性化することが可能な光重合系(a)をさらに含む。
光重合系(a)は、光開始剤、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイン及びそれらの誘導体又はα−ジケトン及びその誘導体を含む。特に好ましい光開始剤は、カンファーキノン(CQ)化合物である。好ましくは、光重合系(a)は、好ましくは波長が約420nm〜約530nmの範囲の青色可視光を組成物に照射することによって活性化される。CQ化合物は、吸光範囲が約420nm〜約500nmであり、波長がこの範囲の光を照射すると、重合に用いられるフリーラジカルを発生する。CQ化合物の最大吸光(absorbency)範囲は、約460nm〜約475nmである。
光重合系(a)は好ましくは、重合性化合物の重量に対して、約0.005重量%〜約0.5重量%の範囲、より好ましくは約0.01重量%〜約0.025重量%の範囲でTPLC組成物中に存在する。光重合系(a)の光開始剤(例えば、CQ化合物)は好ましくは、重合性化合物の重量に対して、約0.005重量%〜約0.035重量%の範囲でTPLC組成物中に存在する。光重合系(a)は、好ましくは三級アミンである重合促進剤をさらに含む。好適な三級アミンの一例は、4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチル(EDAB)である。他の三級アミン、例えば、トリエタノールアミン、N,N,3,5−テトラメチルアニリン、4−(ジメチルアミノ)フェネチルアルコール、ジメチルアミノ安息香酸エステル、ジメチル−p−トルイジン、ジヒドロキシエチル−p−トルイジン及びヒドロキシエチル−p−トルイジン等を使用してもよい。重合促進剤は好ましくは、重合性化合物の重量に対して、約0.05重量%〜約0.5重量%の範囲、より好ましくは約0.1重量%〜約0.3重量%の範囲で組成物中に存在する。
光重合系(a)は、第1の光硬化工程で活性化され、光重合系(b)は、第2の光硬化工程で活性化される。以下でさらに説明するように、各種光源を用いて、組成物を硬化光に効率良く曝露し、光重合系(a)及び光重合系(b)を活性化することができる。この第1の光硬化工程では、フィルタ系を備える標準的な発光ダイオード(LED)硬化ライト又はハロゲン硬化ライトを用いて、光重合系(a)を活性化することができる。好適なLED歯科用硬化ライトとしては、例えば、商品名:SmartLite(商標)PS及びiQ2(Dentsply);Elipar(商標)(3M Espe);L.E.Demetron II(商標)(Kerr);並びにBluphase(商標)(Ivoclar Vivadent)で販売されているものが挙げられる。SmartLite(商標)iQ2硬化ライトのスペクトル放射は約420nm〜約530nmである。ハロゲン硬化ライトを使用する場合、フィルタリング系を備えて、望ましくない波長の光の伝達を防止する。例えば、フィルタリング系により、所望の青色波長(例えば、420nm超)の光のみを通過させて、光硬化性組成物に当てることができる。感光性(CQ)化合物はこの波長で励起し、フリーラジカルを発生して、重合を開始する。すなわち、光重合系(a)が完全に活性化される。一方、望ましくない光波長(例えば、420nm未満)は、フィルタによって偏向し、硬化ライトのハウジング(筺体:housing)へ戻される。その結果、以下でさらに説明する光重合系(b)は活性化されない。
本発明で使用するTPLC組成物の一利点は、CQ化合物の含有量が比較的少ないことである。このようにCQ化合物の使用量が少ないことは、フリーラジカルがあまり発生せず、第1の光硬化工程時に、材料の部分的な重合しか起こらないことを意味する。TPLC組成物は、この相では、部分的にしか固化しないため、開業医は、必要に応じて、歯牙の材料の取り扱い及び成形を継続することができる。このようにCQ化合物の使用量が少ないことの別の利点は、比較的少量の、上述のEDAB等の還元剤(重合促進剤)と組み合わせることができることである。本発明によるCQ/EDAB光重合系を使用すると、第1の硬化工程時に完全硬化するのではなく、部分的に硬化する。したがって、開業医にとって、材料を成型及び彫刻(carve:カービング)するため操作時間が延長する。TPLC組成物は、第2の光硬化工程で光重合系(b)が完全に活性化されるまでは、完全には固化しない。
光重合系(b)
TPLC材料は、波長が約360nm〜約450nmの範囲内の可視光によって活性化することが可能な光重合系(b)をさらに含む。
光重合系(b)としては、限定するものではないが、光開始剤として作用する、アシルホスフィンオキシド、例えば、モノアシルホスフィンオキシド誘導体、ビスアシルホスフィンオキシド誘導体、トリアシルホスフィンオキシド誘導体、α−アミノケトン、ベンジルジメチルケタール及びそれらの誘導体が挙げられる。光重合系(b)は好ましくは、重合性化合物の重量に対して、約0.01重量%〜約0.5重量%の範囲、より好ましくは約0.05重量%〜約0.025重量%の範囲でTPLC組成物中に存在する。光重合系(b)の光開始剤(例えば、アシルホスフィンオキシド)は好ましくは、重合性化合物の重量に対して約0.05重量%〜約0.10重量%の範囲で、TPLC組成物中に存在する。好ましい実施形態では、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(LTPO)を光重合系(b)における開始剤として使用する。LTPO化合物の最大吸光波長は約360nm〜約410nmであり、波長がこの範囲の光を照射すると、重合に用いられるフリーラジカルが発生する。TPLC材料にこのスペクトルの光を照射すると、組成物は完全に硬化及び固化して完成修復物が形成される。
上述のように、第1の硬化相では、スペクトル放射が420nm〜530nmの標準的なLED硬化ライトを使用することができる。代替的には、フィルタリング系を備えるハロゲン硬化ライトを使用してもよい。第1の光硬化相では、光重合系(a)のみが完全に活性化される。第2の硬化相では、フィルタリング系を含有しないハロゲン硬化ライト、又は歯科用硬化オーブンを使用することができる。
LED硬化ライトを第1の硬化相で使用する場合には、フィルタリング系を含有しない標準的なハロゲン硬化ライト、例えば、Spectrum(商標)800ハロゲンライト(Dentsply)を第2の硬化相で使用することができる。Spectrum(商標)800硬化ライトのスペクトル放射範囲は約350nm〜約530nmである。一方、フィルタリング系(例えば、波長が420nm未満の光の伝達を妨害するもの)を含有するハロゲン硬化ライトを第1の硬化相で使用する場合には、フィルタリング系を最初に取り外してから、第2の硬化相(phase curing)に用いるライトを準備する必要がある。フィルタリング系を取り外した後、ハロゲン硬化ライトの電源を投入し、組成物に再度光照射する。フィルタリング系を除去しているため、発光スペクトル全体の波長(すなわち、420nm未満及び420nm超)の光が放射され、組成物に当たる。その結果、光重合系(b)が完全に活性化される。さらに、組成物をこの広スペクトル光に曝露すると、任意の残存量の活性化していない光開始剤(a)が活性化される。第2の硬化相で、歯科用硬化ライトを使用することの代替手段としては、標準的な歯科用硬化オーブンを使用して組成物に照射し、光重合系(b)を活性化することができると考えられる。好適な歯科用硬化オーブンとしては、例えば、商品名:Triad(登録商標)2000(商標)可視光硬化ユニット(Dentsply)及びEnterra(商標)VLC硬化ユニット(Dentsply)で販売されているものが挙げられる。
また、フィルタリング系を使用しないLED硬化ライトも、本発明の方法で使用することができると考えられる。例えば、Plank et al.の米国特許第6,866,506号明細書には、複数のLEDチップを有する硬化ライトが開示されている。LEDチップは、共働する複数の群にまとめられる。各群は、他の群に対する制御デバイスとは独立して作動する専用の制御デバイスによって制御される。第1の群のLEDチップの最大放射波長は470nmであり、第2の群のLEDチップの最大放射波長は420nmである。広い発光スペクトルを有し、或る特定のLEDを活性化及び不活化する制御系を備える、このLED硬化ライトは、本発明のTPLC組成物の光硬化に好適であり得る。
さらに、TPLC組成物は、重合阻害剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、クロラニル、フェノール、ブチルヒドロキシアニソール(hydroxyanaline)(BHA)、t−ブチルヒドロキノン(TBHQ)及びトコフェロール(ビタミンE)等を含み得る。好ましくは、BHTを重合阻害剤として使用する。重合阻害剤は、得られる組成物中のフリーラジカルを捕捉し、且つ組成物の操作時間及び凝結時間を延長するスカベンジャーとして作用する。重合阻害剤は組成物の硬化が速くなり過ぎることを防止する。重合阻害剤は典型的には、重合性化合物の重量に対して約0.01重量%〜約2重量%の範囲で組成物中に存在する。組成物は1つ又は複数の重合阻害剤を含んでもよい。
微粒子充填剤
TPLC材料は、微粒子充填剤(a)及び微粒子充填剤(b)の混合物をさらに含む。強化微粒子充填剤(a)は、平均粒径が100nm(0.1μm)超且つ1000nm(1.0μm)未満である。すなわち、微粒子充填剤(a)はサブミクロンサイズであるが、ナノメートルサイズとはみなさないものとする。粉末微粒子(a)は、実質的に凝集又は集合しない、分離した個々の粒子を含む。この粒子は、比較的粒径が小さく、表面積が大きいことを特徴とする。微粒子充填剤(a)は構造充填剤とみなすことができる。本明細書において、「構造充填剤」という用語は、平均粒径が100nm(0.1μm)超且つ1000nm(1.0μm)未満の微粒子充填剤を意味する。好ましい一形式において、構造充填剤の平均粒径は、約0.35μm〜約0.95μmの範囲である。組成物中の構造充填剤の濃度は概して、組成物の重量に対して約30重量%〜約90重量%の範囲である。
一方、微粒子充填剤(b)は、平均粒径が100nm(0.1μm)未満であり、好ましくは粒径が1nm〜50nm(0.001μm〜0.05μm)の範囲である。すなわち、微粒子充填剤(b)を含む粒子はナノメートルサイズである(ナノ粒子又はナノ充填剤と称する場合がある)。本明細書において、「ナノ充填剤」という用語は、平均粒径が1nm(0.001μm)超且つ100nm(0.1μm)未満の微粒子充填剤を意味する。好ましい一形式において、ナノ充填剤の平均粒径は、約20nm(0.02μm)〜約40nm(0.04μm)の範囲内である。
各種不飽和(メタ)アクリレート樹脂中に希釈した有機修飾シリカ又は有機修飾ケイ酸塩ナノ粒子、例えば、Ormosil II(Dentsplyから入手可能)、及び各種不飽和(メタ)アクリレート結合剤中に分散したコロイドシリカゾル、例えば、Nanocryl(登録商標)(Hanse Chemie AGから入手可能)が特に好ましい。これらの材料は概して、コロイドシリカ粒子がメタクリレート樹脂又はアクリレート樹脂中に分散した充填剤系と称することができる。一般に、TPLC組成物中のナノ充填剤の濃度は通常、組成物の重量に対して約1重量%〜約30重量%の範囲である。
微粒子充填材(a)及び微粒子充填材(b)は、均質且つ均一に樹脂マトリクス全体に分散される。分散した粒子は互いに接触し得るが、概して凝集塊又はクラスターを形成しない。上記Schmitt et al.の特許文献1に記載されているもののような、2つの光開始剤を含有する幾つかの光硬化性組成物とは異なり、本発明の組成物では、構造充填剤及びナノ充填剤の配合物を使用することが重要である。特許文献1に記載の組成物は好ましくは、平均粒径が0.02μm〜0.05μmのシリカ粒子、及び平均粒径が1μm〜15μmの微粉化無機粒子、例えば、粒径が約6μmの着色石英を含有する。着色石英又は他の微粉化無機粒子はサブミクロンサイズではない。
本発明において、サブミクロンサイズの構造充填剤及びナノメートルサイズのナノ充填剤の混合物は、審美性を維持しながら組成物をより強固にするのに役立つ。組成物を用いて、機械的強度が高く、審美性の良好な修復物を製造することができる。完成した修復物は、表面が滑らかで、外観に光沢がある。さらに、完成した修復物の表面の滑らかさ及び光沢には耐久性がある。修復物は、その表面粗度が劇的に増加することなく、歯ブラシの磨耗力に耐えることができる。患者は、完成した修復物を噛む(chew and bite)ため、修復物の機械的強度が良好であることが重要である。審美性が良好である以外にも、本発明の組成物を用いて製造した修復物は、耐破壊性及び圧縮強度が高い。完成した修復物は、咀嚼力がかかっても容易には磨滅しない。
微粒子充填材(a)及び微粒子充填材(b)は、天然品又は合成品であり得る無機充填剤を含み得る。かかる材料としては、限定するものではないが、シリカ、二酸化チタン、酸化鉄、窒化ケイ素、ガラス、例えば、カルシウム系ガラス、鉛系ガラス、リチウム系ガラス、セリウム系ガラス、スズ系ガラス、ジルコニウム系ガラス、ストロンチウム系ガラス、バリウム系ガラス及びアルミニウム系ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ストロンチウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸リチウム、アルミナケイ酸リチウム、カオリン、石英、タルク及びそれらの混合物が挙げられる。ガラスは、フッ化物放出特性を有してもよく、又は有しなくてもよい。フッ化物放出ガラスを使用する利益はよく知られている。かかる材料は、長期にわたって口腔内でフッ化物を放出することが可能である。フッ化物は概して、虫歯の原因となる場合がある酸の攻撃に対してさらなる保護を与える。上記充填材の混合物はまた、所望により、組成物で使用することもできる。ポリカーボネート及びポリエポキシド等の有機粒子も充填材として使用することができる。
好ましい一組成物では、平均粒径が約0.94μmのフッ化物−バリウム−ホウ素−アルミノケイ酸ガラス(FBAG)粒子(例えば、Ferro Corpから入手可能なEG 9726ガラス粒子)からなる構造微粒子(a)と、平均粒径が約0.02μmのヒュームドシリカ粒子(例えば、DeGussa AGから入手可能なAerosil 9200)からなるナノ充填剤微粒子(b)とを混合する。この組成物において、FBAG粒子の濃度は、組成物の全重量に対して約30重量%〜約90重量%の範囲である。また、ナノ充填剤の濃度は、約1重量%〜約20重量%の範囲である。
第2の好ましい形式において、平均粒径が約0.94μmのFBAGガラス粒子からなる構造微粒子(a)と、平均粒径が約0.04μmのヒュームドシリカ粒子(例えば、DeGussa AGから入手可能なOX−50)からなるナノ充填剤微粒子(b)及び平均粒径が0.02μmの非晶質シリカのTEGDMA樹脂コロイド分散液(50重量%)(例えば、Hanse Chemie AGから入手可能なNanocryl D301)とを混合する。この組成物において、FBAG粒子の濃度は、組成物の全重量に対して約30重量%〜約90重量%の範囲内である。また、ナノ充填剤の濃度は、約1重量%〜約20重量%の範囲内である。
第3の好ましい形式において、(i)平均粒径が約0.94μmのFBAG粒子及び(ii)平均粒径が約0.4μmのストロンチウムガラス(STG)粒子(例えば、Schott Electronic Packaging, Inc.から入手可能なG018−093ガラス粒子)の配合物からなる構造微粒子(a)に、平均粒径が約0.04μmのヒュームドシリカ粒子(例えば、OX−50)及び(メタ)アクリレート樹脂中に分散した平均粒径が0.002μm〜0.003μmの有機修飾シリカナノ粒子(例えば、Dentsplyから入手可能なOrmosil II)からなるナノ充填剤微粒子(b)を配合する。この組成物において、平均粒径が約0.94μmのFBAG粒子の濃度は、約30重量%〜約70重量%の範囲であり、且つ平均粒径が約0.4μmのSTG粒子の濃度は、組成物の全重量に対して約10重量%〜約30重量%の範囲である。ナノ充填剤の濃度は、組成物の全重量に対して約1重量%〜約20重量%の範囲である。上記第2及び第3の好ましい形式で記載したように、Nanocryl D30又はOrmosil充填剤系を使用すると、取り扱い性及び機械的強度特性が改善されると共に、重合収縮が低減した組成物が得られる。
微粒子充填材(a)及び微粒子充填材(b)の両方の粒子は、樹脂マトリクス中により均一に分散することができるように、シラン化合物又は他のカップリング剤で表面処理することができる。好適なシラン化合物としては、限定するものではないが、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びそれらの組合せが挙げられる。
添加剤
TPLC材料は、特に望ましい特性を与える添加剤も含むことができる。例えば、フッ化物放出剤、着香剤、色素、蛍光剤、乳白剤、紫外線安定剤、抗酸化剤及び粘度調整剤等をTPLC製剤に添加することができる。
方法
上記TPLC材料を用いて、異なる歯科修復物を製造することができる。一方法では、歯科医は、TPLC材料を用いて、1回だけの通院でチェアーサイドで歯科用クラウンを製造することができる。
このチェアーサイド方法を用いて、歯科医はまず、クラウンをかぶせる歯を含む、患者の歯牙の術前の印象又はマトリクスを採得する。歯科医は好ましくは、ポリビニルシロキサン(PVS)印象材又は他の好適な印象材を充填した透明な可塑性トレーを使用する。硬化光が、以下でさらに詳細に説明する、プロセスの次工程でトレーを通じて伝達されるため、トレーは透明であることが重要である。歯科医は、シリコーン材料を含有する可塑性トレーを歯牙の表面に押し当てて、印象を形成する。シリコーン材料で印象を形成した後、歯科医は、トレーを口腔から取り除く。得られた印象は、歯牙の解剖学的形態の精密なネガ模型(likeness)である。
歯科医は次に、従来のクラウン前処理技法を用いて、クラウンをかぶせる歯牙を前処理する。次いで、歯科医は、エナメル質層を始めとして、クラウンをかぶせる歯牙の印象(又はマトリクス)に、TPLC材料の層を投入する。次に、象牙質層を印象に注入する。歯科医は、正確な量のTPLC材料を印象内に投入するよう留意する。十分量のTPLC材料が導入されない場合には、得られるクラウンにギャップが形成され、咬合の問題が生じる。一方、TPLC材料を多く導入し過ぎた場合にも、咬合の問題が生じる場合もある。例えば、クラウンの位置が高くなりすぎる場合がある。歯科医は注意深くTPLC材料の色合いをカスタマイズすることにより、患者の歯牙の色合いに適合させる。
歯科医が固化した印象にTPLCクラウン形成材料を充填した後、患者の口腔内に挿入する。TPLC材料を前処理した歯牙に対して成型して、歯牙用のクラウンを形成する。次いで、成形したTPLC材料は、第1の光硬化工程で部分的に硬化及び固化させる。本明細書において、「部分的に硬化」という用語は、クラウンを口腔から容易に取り除くことができても、可塑性変形を防止するだけの強度はあるように、組成物を硬化させることを意味する。
波長が420nmを上回る光のみを通過させるフィルタを備える、標準的な発光ダイオード(LED)硬化ライト又はハロゲン硬化ライトを用いて、上記のTPLC材料を部分的に硬化させることができる。TPLC材料を含有する可塑性トレーは透明であるため、硬化光が通過し、材料を部分的に硬化させることが可能である。この第1の光硬化相において、例えばCQ化合物及びEDAB化合物を含有する光重合系(a)が活性化される。CQ化合物は、吸光範囲が約420nm〜約500nmであり、波長がこの範囲の光を照射すると、重合に用いられるフリーラジカルを発生する。こうして、組成物は硬化及びクラウン構造体の形成を開始する。
次に、歯科医は、部分的に硬化したクラウンを歯牙から取り外す。歯科医は、エクスプローラ、プローブ、クラウンリムーバー又は他の好適な器材を使用して、クラウンを取り外すことができる。通常ならば、歯科医が歯牙からクラウンを取り外すことは難しい。しかしながら、この材料は、この時点では部分的にしか硬化しないため、歯科医はクラウンを容易に取り外すことが可能である。部分的に硬化したTPLC材料は、硬度が完全ではなく、歯牙の表面に強力には接着していない。それでもなお、TPLC材料は十分な硬度及び安定性を有するため、クラウンの形状及び完全性が維持される。部分的に硬化したクラウンの可塑性変形は全くない。
クラウンを取り外した後、歯科医は、余分な溢れた(flush)材料を削り取ってから、上述の第2の光硬化工程でクラウンを完全に硬化させる。ハロゲン歯科用硬化ライト又は光硬化オーブンを使用して、TPLC材料を完全に硬化させることができる。硬化ライト又はオーブンは、光重合系(b)を活性化するため、波長420nm未満の光を放射可能である必要がある。ハロゲン光源は、広範な波長スペクトルにわたって光を放射することができる。CQ/EDAB光開始剤は、概してトリガーとなる波長約420nm〜約500nmの光が必要である。広スペクトルの光出力を有するハロゲンライト又は光硬化オーブンは、CQ/EDAB化合物以外の光開始剤を起動させることができる。この第2の硬化相では、例えば、LTPO化合物を含有する光重合系(b)が活性化される。LTPO化合物は、最大吸光波長が約360nm〜約410nmであり、波長がこの範囲の光を照射すると、重合に用いられるフリーラジカルが発生する。
この第2の光硬化工程の終了後、クラウンは、いつでも永続的に歯牙に取り付けることができる。クラウンは、歯科医が必要と思う場合は、慣用されているクラウン仕上げ加工方法を用いて、掘削器具による仕上げ加工及び研磨を行うことができる。耐汚染性を与え、光沢のある表面仕上げにするシーラントをクラウンに塗布してもよい。その後、永久セメントを用いて、完成したクラウンを永久的に歯牙に取り付ける。歯科業界で既知の従来の永久セメントをこの工程で使用してもよい。これらの技法に従って、クラウン又は他の歯科修復物を「チェアーサイド」で製造することができる。クラウンの審美性及び機械的強度は良好である。
当然のことながら、上記方法は、例示のみを目的とした歯科用クラウンの製造に関する。本方法を用いて、他の歯科修復物、例えば、ブリッジ、インレー、アンレー、ベニア及び充填物を製造することができる。
上述のように、本発明で使用するTPLC組成物の重要な利点の1つは、開業医が修復物を製造する際の操作時間が延長することである。TPLC組成物は、第1の光硬化相では部分的にしか固化しない。硬化時間を制御することによって、部分的に硬化した材料は、軟らかく、ワックス様の稠度を有し得るため、微細に彫刻及び成形することができる。開業医は、コンデンサ、充填器及びカーバー等の標準的な歯科用器材を用いて、部分的に固化した材料を成形及び再成形することができる。(任意の硬化工程前の)材料の流動性により、材料は直接修復材に特に好適なものとなる。材料の部分硬化により、材料を高度に成型可能な条件に置くことできるため、緻密に彫刻及び成形して、マージン、接触及び咬合のフィッティングが良好な修復物を得ることができる。第2の硬化工程前に、この成形及び再成形を行うことにより、修復物は完全に固化するようになる。
以下の実施例によって本発明をさらに説明するが、これらの実施例は本発明の範囲の限定とは解釈されないものとする。
以下は、実施例に記載の組成物の製造に使用する化合物の一覧である。
化合物の略語:
Bis−GMA ビスフェノールAジメタクリレート
EBPADMA エトキシ化(2)ビスフェノールAジメタクリレート
UDMA ウレタンジメタクリレート
P&PII 光重合性樹脂
Ormosil II EBPADMAで希釈した有機修飾シリカナノ粒子
Nanocryl D301 非晶質シリカのTEGDMAコロイド分散液(50重量% )
TEGDMA トリエチレングリコールジメタクリレート
SR454 エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレー ト
SR444 ペンタエリスリトールトリアクリレート
Uvinul M40 オキシベンゾン
BHT ブチル化ヒドロキシトルエン
CQ カンファーキノン
EDAB 4−エチルジメチルアミノ安息香酸エステル(bemzoate)
LTPO Lucirin TPO
MBF ベンゾイルギ酸メチル
MMTMPP 2−メチル−4'−(メチルチオ)−2−モルホリノプロ ピオフェノン
BDMBP 2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4'−モルホリ ノブチロフェノン
EG9726 フッ化物−バリウム−ホウ素−アルミノケイ酸ガラス充填 剤
G018−093 ストロンチウムガラス充填剤
Aerosil 9200 シラン化ヒュームドシリカ充填剤
Ox−50 ヒュームドシリカ充填剤
FS 曲げ強度
FM 曲げ弾性率
CS 圧縮強度
DTS ダイアメトラル引張強度
実施例1
均質な溶液が得られるまで、50℃で1時間機械的に撹拌しながら、P&PII 69.97重量部、EBPADMA 10重量部、TEGDMA 15重量部及びSR454 5重量部及びBHT 0.03重量部を含む樹脂配合物中に、或る特定量の光開始剤を溶解させることによって、幾つかの光重合性樹脂配合物を調製した。樹脂配合物で使用する光開始剤の異なる組成を表1に示す。
Figure 2010519257
光DSC(TA Instruments DSC 2920)を用いて、光重合性樹脂配合物の硬化活性を調べた。各試料の約20mg〜30mgをAlパンに入れ、それぞれ400nm未満及び400nm超のカットオフフィルタを用いて、市販の長波長及び短波長の硬化ライトで5分間硬化させた。その光強度は約200mwである。二波長での露光により活性化した樹脂配合物の硬化効率を下記の図1及び図2に示す。
樹脂配合物RB−2、樹脂配合物RB−3及び樹脂配合物RB−6は、いずれの波長の光の硬化光に曝露しても良好な硬化効率を示した。
実施例2
RB−2樹脂配合物25重量部に対し、シラン化EG9726 73重量部及びAerosil 9200 2重量部を添加して、樹脂複合材料を調製した(このペーストは、SpeedMixerを用いて室温で2分間混合した後、Ross Mini Mixer内で50℃で混合しながら20分間真空吸引することによって調製した)。
樹脂複合材料を、或る特定の時間、SmartLite(商標)iQ2 LED硬化ライト(Dentsply)を用いて硬化し、部分的に硬化した材料の硬度を、硬化直後及び硬化後15秒毎に測定した。硬度の測定に使用される幾つかの標準的な方法があるが、最も一般的な方法はバーコル硬度である。本方法では、特定の荷重力をかけてカーバイドスチール検針を材料に進入させる。バーコル硬度は、検針の進入深さの関数として特定される。結果を下記表2に示す。
Figure 2010519257
比較として、市販のTPH(登録商標)3マイクロマトリクス修復材複合材料(Dentsply)のバーコル硬度は、同一の条件下、LEDライトによる硬化の5秒後には90に達した。
実施例2の樹脂複合材料を、Viadeタイポドントを用いてチェアーサイドでのクラウン製作に関して試験した。ペーストを固化した透明な印象マトリクスに充填した後、ペーストを充填したマトリクスを、前処理した歯牙に対して成型し、歯科用クラウンを形成した。透明なマトリクスを通じてiQ2 LED硬化ライトで20秒硬化させた後、クラウンは、取り外し及び削り取りが容易であった(第1相)。最終的なクラウンは、Triad(登録商標)2000(商標)硬化オーブンで2分間、又はSpectrum(登録商標)800ハロゲン硬化ライト(Dentsply)を用いて、各側に対して20秒間で完全に硬化させた後に、前処理した歯牙へのフィッティングが優れていた(第2相)。クラウンはまた、2回目の硬化をSpectrum(登録商標)800ハロゲンライトを用いてクラウンを前処理した歯牙に載せた各側で、20秒間行った際、前処理した歯牙から容易に取り外された。
実施例3
また、実施例2と同様に、Bis−GMA 10.99部、EBPADMA 2.75部、UDMA 2.96部、Nanocryl D301 5.92部、SR444 1.97部、Uvinul M40 0.25部、CQ 0.005部、EDAB 0.025部、LTPO 0.125部及びBHT 0.0075部からなる樹脂配合物25部に対し、シラン化EG9726 69部及びシラン化Ox−50 6部を添加して、別の樹脂複合材料を調製した。
実施例4
実施例2と同様に、Bis−GMA 6.66部、Ormosil II 7.89部、UDMA 4.87部、TEGDMA 3.70部、SR454 1.48部、Uvinul M40 0.25部、CQ 0.005部、EDAB 0.025部、LTPO 0.125部及びBHT 0.0075部からなる樹脂配合物25部に対し、シラン化EG9726 48部、シラン化(silanated of)G018−093 24部及びシラン化Ox−50 3部を添加して、樹脂複合材料を調製した。
実施例3及び実施例4の樹脂複合材料を、チェアーサイドでのクラウン製作に関して試験したところ、両材料は優れた取り扱い性能を示した。
硬化した複合材料の機械的特性を、インストロン試験機を用いて試験した。硬化したペーストから調製した試料は、適切な大きさに研磨する前に、37℃の脱イオン水に少なくとも一晩浸漬させた。圧縮モード用の円筒状試料の寸法が4mm×6mmであるのに対し、ダイアメトラル試験用試料の寸法は6mm×3mmである。材料の2mm×2mm×25mmの矩形試料を、ISO 4049試験法に概略されている3点曲げに付して、曲げ強度及び曲げ弾性率の両方を求めた。表3では、実施例2、実施例3及び実施例4の樹脂複合材料の機械的特性を、市販のTPH(登録商標)3歯科用複合材料と比較する。
Figure 2010519257
この結果から示される通り、本発明のTPLC樹脂複合材料は、TPH(登録商標)3修復材と同等の機械的特性を有する一方で、樹脂配合物におけるNanocryl D301充填樹脂の使用により、得られた材料の曲げ強度及び曲げ弾性率が改善された。

Claims (18)

  1. 歯科修復物の製造方法であって、
    a)二相光硬化組成物の準備工程であって、該組成物が、
    (i)約10重量%〜約60重量%の重合性化合物、
    (ii)約0.005重量%〜約0.5重量%の、最大吸光波長が420nmを上回る光開始剤を含有する光重合系(a)、
    (iii)約0.05重量%〜約0.5重量%の、最大吸光波長が420nm未満の光開始剤を含有する光重合系(b)、及び
    (iv)約30重量%〜約90重量%の構造充填剤及び約1重量%〜約30重量%のナノ充填剤を含む工程、
    b)前記組成物に、波長が420nmを上回る光を照射する工程であって、前記光重合系(a)を活性化させて該組成物を部分的に硬化させる工程、並びに
    c)前記組成物に、波長が420nm未満の光を照射する工程であって、前記光重合系(b)を活性化させて該組成物を完全に硬化させる工程を含む製造方法。
  2. 前記重合性化合物が、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物からなる群より選択されるものである請求項1に記載の方法。
  3. 前記組成物が、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリ(エチレングリコール)ジメタクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレート並びにそれらの混合物からなる群より選択される重合性化合物を含む請求項1に記載の方法。
  4. 前記光重合系(a)が、カンファーキノン、4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチル及びブチル化ヒドロキシトルエンを含み、且つ前記光重合系(b)が、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを含む請求項1に記載の方法。
  5. 前記光重合系(a)が、カンファーキノン、4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチル及びブチル化ヒドロキシトルエンを含み、且つ前記光重合系(b)が、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4'−モルホリノブチロフェノンを含む請求項1に記載の方法。
  6. 前記構造充填剤が、フッ化物−バリウム−ホウ素−アルミノケイ酸ガラス粒子であり、且つ前記ナノ充填剤がヒュームドシリカ粒子である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記構造充填剤が、フッ化物−バリウム−ホウ素−アルミノケイ酸ガラス粒子及びストロンチウムガラス粒子の配合物であり、且つ前記ナノ充填剤がヒュームドシリカ粒子である請求項1に記載の方法。
  8. 前記構造充填剤の平均粒径が、約0.35μm〜約0.95μmの範囲内である請求項1に記載の方法。
  9. 前記ナノ充填剤の平均粒径が、約0.02μm〜約0.04μmの範囲内である請求項1に記載の方法。
  10. 前記構造充填剤及びナノ充填剤をシラン化合物で表面処理する請求項1に記載の方法。
  11. 前記ナノ充填剤が、コロイドシリカ粒子をメタクリレート樹脂又はアクリレート樹脂中に分散させた充填剤系である請求項1に記載の方法。
  12. 前記歯科修復物が、クラウン、ブリッジ、インレー、アンレー、ベニア及び充填物からなる群より選択されたものである請求項1に記載の方法。
  13. 歯科修復物の製造方法であって、
    請求項1に記載の二相光硬化組成物を、実質的に透明な可塑性マトリクス中に分配する工程、
    前記可塑性マトリクスを患者の口腔内に設置する工程であって、前記組成物を歯牙の表面で成型する工程、
    前記可塑性マトリクス中の複合材料に光を照射する工程であって、該材料を部分的に硬化させて修復物を形成する工程、
    硬化した修復物を前記歯牙の表面から除去する工程、
    所望により前記修復物を仕上げ加工し、研磨する工程、及び
    歯科用永久セメントを用いて前記修復物を前記歯牙に永続的に付着させる工程を含む製造方法。
  14. 前記二相光硬化組成物の前記重合性化合物が、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物からなる群より選択されたものである請求項13に記載の方法。
  15. 前記二相光硬化組成物が、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリ(エチレングリコール)ジメタクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレート並びにそれらの混合物からなる群より選択される重合性化合物を含む請求項13に記載の方法。
  16. 前記二相光硬化組成物が、カンファーキノン、4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチル及びブチル化ヒドロキシトルエンを含む光重合系(a)と、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを含む光重合系(b)とを含む請求項13に記載の方法。
  17. 前記二相光硬化組成物が、カンファーキノン、4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチル及びブチル化ヒドロキシトルエンを含む光重合系(a)と、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4'−モルホリノブチロフェノンを含む光重合系(b)とを含む請求項13に記載の方法。
  18. 前記歯科修復物が、クラウン、ブリッジ、インレー、アンレー及びベニアからなる群より選択される請求項13に記載の方法。
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