JP2005350120A - 電子レンジ加熱用容器及び電子レンジ加熱用包装食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 熱可塑性樹脂発泡成形体からなる外容器2と、熱可塑性樹脂シート成形体からなり、前記外容器内に入れられる内容器3とを有し、前記内容器の底部に、底部周辺から中央に向けて漸次上方に膨出した凸部が設けられると共に、前記内容器に溝が設けられたことを特徴とする電子レンジ加熱用容器1。
【選択図】 図1
Description
特許文献1には、内容器本体の周壁の上端からこの周壁と間隔をもって垂下するスカート部を設け、このスカート部の下端外周に第1のカラー部を設け、外容器本体の周壁の上端外周に前記第1のカラー部と対応する第2のカラー部を設け、前記第1と第2のカラー部の外周を互に係合して、前記内容器本体の底壁及び周壁と、前記外容器本体の底壁及び周壁との間に所定の間隙を形成した電子レンジ用容器が開示されている。
特許文献2には、内容器と外容器とから成ると共に、該内容器と該外容器との間にスペース空間を存して成る電子レンジ用容器が開示されている。
特許文献3には、外容器と内容器による二重容器であって、外容器は熱可塑性発泡樹脂シートから成形された容器からなり、内容器は耐熱性の非発泡樹脂シートから成形された容器からなり、外容器と内容器との間には、少なくとも底面間に空気層となる空間を形成した状態で、内容器が外容器内に挿入されて組み合わされていることを特徴とする食品用合成樹脂製二重容器が開示されている。
特許文献1に開示されている容器は、内容器の底部が平底形状であり、この内容器に食品を入れて電子レンジ加熱調理する際、液体成分が加熱されても内容器内で対流し難い構造なので、加熱効率が悪く、また各部で不均一な温度分布を生じ易い問題がある。
また特許文献2に開示されている容器は、特にα化米の炊飯に適したように内容器の底部を丸底形状としているが、この内容器は丸底であるので、その底部はマイクロ波が到達し難くなり、表層は熱くなるが底部は暖まらない等、各部で不均一な温度分布を生じ易い問題がある。
特許文献3に開示されている容器は、外容器の内方に段部を形成し、この段部に載せ得る縁部を内容器の外周に形成し、この内容器を外容器内に挿入し組み合わせてなるものなので、内容器の口部が外容器上端よりも下方にあり、内容器に入ったスープなどの液体を飲むことができず、麺類、スープ、汁物等の液体物を収容する用途には不向きである。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記凸部の突出高さが4mm〜30mm、高さ4mmにおける凸部水平断面の短径が5mm〜80mmの範囲であることが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記溝が前記内容器の側壁部上部から前記凸部に向けて伸びる多数本設けられていることが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記溝が前記内容器の底面部において、スパイラル状であることが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記溝が前記凸部の頂部まで設けられていることが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記溝が前記凸部の裾部まで設けられていることが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記凸部の頂部に水平部が設けられていることが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用包装食品において、前記食品が、液体成分を食品固化剤で固め、加熱時に液体成分が溶融可能に調製されたことが好ましい。
従って、本発明によれば、種々の食品を電子レンジ加熱調理する際に、加熱効率が向上し、加熱時間の短縮化、省エネルギー化を達成できるとともに、内容物全体を均一に加熱することができる電子レンジ加熱用容器を提供できる。
また、前記凸部の突出高さを4mm〜30mm、高さ4mmにおける凸部水平断面の短径を5mm〜80mmの範囲とすることによって、内容器に液体成分の多い食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合、凸部の上部が暖められ、これが側壁部に向けて流れ、さらに下に潜り込み、液体の対流が生じ易くなる。凸部の突出高さが前記範囲より低いと、加熱効率向上や均一加熱の効果が不十分となる。また凸部の突出高さが前記範囲より高いと、容器内容積が低下し、食するときに邪魔になる。
また、前記溝が前記内容器の側壁部上部から前記凸部に向けて伸びる多数本設けられていることによって、これらの溝による凸部の補強効果が得られ、電子レンジ加熱時間の経過に従って凸部が低くなることが抑制され、凸部形成による加熱効率の向上効果を維持することができる。
また、前記内容器の底面部において、溝をスパイラル状とすることによって、比較的水分が少ない食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合に、食品から浸み出し、溝を伝って底部に溜まった水分が蒸発し、食品を加熱しながら通過して上昇し、凝縮した水分が溝を伝って底部に流下することが繰り返されるので、加熱効率が向上し、内容物全体を均一に加熱することができる。
また、前記凸部の頂部に水平部を設けたことによって、凸部が内容物の収容や摂食時の邪魔にならない。
本発明の電子レンジ加熱用包装食品は、前述した本発明に係る電子レンジ加熱用容器に食品を収容、包装したものなので、電子レンジ加熱調理する際に、加熱効率が向上し、加熱時間の短縮化、省エネルギー化を達成できるとともに、内容物全体を均一に加熱することができる。
図1〜3は、本発明の電子レンジ加熱用容器の第1実施形態を示す図であり、図1は電子レンジ加熱用容器1の断面図、図2は電子レンジ加熱用容器1の要部拡大断面図、図3は内容器3の斜視図である。これらの図中、符号1は電子レンジ加熱用容器、2は外容器、3は内容器、4は鍔部、5はフランジ部、6は口部、7は係止部、8は垂下部、9は嵌合部、10は円弧状凹部、11は蓋、12は嵌合凸部、13は蓋ツマミ片、14は把手、15は凸部、16は溝である。
本実施形態では、容器開口部が円形であり、丼形状をなす電子レンジ加熱用容器1を例示している。また、本実施形態では、外容器2と内容器3とを組み合わせた二重容器構造の電子レンジ加熱用容器1と、その内容器3の口部6に着脱可能に内嵌合される蓋11とを組み合わせた構成になっている。
口部6に口を付けて液体を飲む時に、幅が1mm未満では薄すぎて紙を噛んでいるような感触となり、また幅が10mmを超えると、厚すぎて違和感を生じると共に、口の端から液体が漏れ易い。また、幅が1mm以下で高さが5mm以上の逆U字状口部は成形が困難である。逆U字状又は逆V字状の頂部は、断面が鋭角でないことが好ましく、半円形、楕円形、或いはRのついた多角形が好適である。
また口部6内面の下部を容器外側方向に傾斜させたテーパー部とし、蓋11が内嵌合できるようにしてもよい。
本実施形態において、凸部15の突出高さyは4mm〜30mmの範囲とし、また高さ4mmにおける凸部水平断面の短径(本例示では水平面の直径x)は5mm〜80mmの範囲とすることが好ましい。凸部15の寸法を前記範囲とすることによって、内容器3に液体成分の多い食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合、凸部15の上部が暖められ、これが側壁部に向けて流れ、さらに下に潜り込み、液体の対流が生じ易くなる。
前記凸部15の突出高さは、8〜30mmで高さ8mmにおける凸部水平断面の短径が1〜60mmの範囲であることが好ましく、突出高さは10〜20mmで、高さ10mmにおける凸部水平断面の短径が1〜50mmであることが更に好ましい。この凸部15は小さ過ぎると効果がなくなり、大き過ぎる(特に面積が)と、単に底上げしたと同じことになり、やはり効果がない。
このように内容器3の側壁部全周に亘り多数本の溝16を設けることによって、これらの溝16による凸部15の補強効果が高められ、電子レンジ加熱時間の経過に従って凸部15が低くなることが抑制され、凸部形成による加熱効率の向上効果を維持することができる。
この溝16の形状は限定されない。溝16の断面は波形、円弧状などの滑らかな形状が好ましい。鋭角に折れ曲がる断面形状は、内容物が挟まったり、液状物が停滞して均一加熱を阻害したり、箸などが引っ掛かり、食するのに支障をきたす恐れがあるので好ましくない。
溝16の断面寸法は、溝深さ0.5mm〜5mm、幅1mm〜10mmが好ましい。この溝深さが小さいと、補強効果が不足し、加熱時に凸部高さが低くなるのを防止できない。一方、溝が深すぎると、外容器2と接触し断熱性の低下・外容器2の温度上昇による変形などの恐れがあり、また、内容物が挟まる、液状物が停滞して均一加熱を阻害する、箸などが引っ掛かり、食するのに支障をきたす恐れがあるので、好ましくない。前記溝幅が小さすぎると、補強効果を得るために溝深さを深くする必要があって、前記と同様の問題を生じる。溝幅が広すぎると、容器形状が不自然なものになる上、補強効果が出難くなる。
図3の例示において、溝16は、内容器3の底面部においてスパイラル状に形成されている。このような溝16を内容器3に設けることにより、比較的水分が少ない食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合には、食品から浸み出し、溝16を伝って底部に溜まった水分が蒸発し、食品を加熱しながら通過して上昇し、凝縮した水分が溝16を伝って底部に流下することが繰り返されるので、加熱効率が向上し、内容物全体を均一に加熱することができる。
溝16は、前記スパイラル状に限定されるものではなく、曲線状や直線状或いはそれらの組み合わせであっても良い。
蓋11を内容器3に装着する方法は限定されないが、蓋に凝縮した水分などが外に漏れないようにするために、内容器3に内嵌合する方法が好ましい。この場合、蓋11の外周部に内容器3の口部6に内嵌合される凹字状或いは逆U字状の凹部を形成することが好ましい。図1の例示では、平面状の中央天板部を有し、その周縁に下方に向けて伸びる断面U字状の嵌合凸部12が形成され、該嵌合凸部12の外周には一対の蓋ツマミ片13が形成されている。この嵌合凸部12は、内容器3の口部6に内嵌合され、嵌合された蓋11は蓋ツマミ片13を摘んで引き上げることで口部6から外せるようになっている。蓋11の装着方法はこれ以外にも、例えば、単に内容器3のフランジ部5に載せるだけ、或いは、天板に凝縮した水分が容器内に落ちるように誘導する下向きの凹条部を設けた上で内容器3の口部6外面或いは垂下部8等に外嵌合する方法であっても良い。
蓋11の中央に、V字状やU字状などの任意のスリットを設けておくと、電子レンジ加熱により膨張した空気や発生した蒸気を逃がすことができるので好ましい。
従って、本実施形態の電子レンジ加熱用容器1によれば、種々の食品を電子レンジ加熱調理する際に、加熱効率が向上し、加熱時間の短縮化、省エネルギー化を達成できるとともに、内容物全体を均一に加熱することができる。
また、ご飯やパスタ、麺類等の主食材は、ゼラチンゼリーなどで被覆し、電子レンジで加熱調理又は解凍する際に水分が蒸散してパサパサにならないようにすることができる。
<容器>
容器全体の形状は、開口部が円形の丼型とした。
外容器は、厚さ3mmの発泡ポリスチレン製とした。
内容器は、厚さ0.4mmのポリプロピレン製とした。
口部の口径が160mm、深さ(口部から最深部まで)が50mm、底部に高さ10mmで頂部が平坦な円形の凸部を設け、壁部最上部において幅7mmで底部においてその幅が狭まりながら凸部の頂部に達するスパイラル状の溝を設けてある。この溝は、容器外側に向けて円弧状に膨出し内容器内面に溝を形成しており、壁部全周に亘り最上部で1mm間隔で設けられている。(図3を参照)
前記容器に28℃の水を300g入れて、電子レンジ(サンヨー社製、出力800W)に入れて、水が沸騰するまでの時間を測定した。水の沸騰は目視によって観測した。
本実施例の容器では、水が沸騰するのに平均(試験3回)で2分30秒を要した。
<容器>
内容器の溝がない他は実施例の容器と同じとした。
試験方法は、実施例と同じとした。
この比較例1の容器では、水が沸騰するのに平均(試験3回)で2分50秒を要した。
この比較例1の容器では、溝によるリブ効果がないので、加熱時間が経過するに従い凸部が低くなり、マイクロ波の到達し難い部分が内容器内に発生した結果、沸騰までの時間が長くなったと考えられる。
<容器>
内容器の溝と凸部がない他は実施例の容器と同じとした。
この比較例2の容器では、水が沸騰するのに平均(試験3回)で3分00秒を要した。
マイクロ波の到達し難い底中央部の水は対流によって加熱されるが、この比較例2の容器では底に凸部がないために底中央部の水が温まり難く、全体として沸騰までの時間が更に長くなった。
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂発泡成形体からなる外容器と、熱可塑性樹脂シート成形体からなり、前記外容器内に入れられる内容器とを有し、前記内容器の底部に、底部周辺から中央に向けて漸次上方に膨出する凸部が設けられると共に、前記内容器に溝が設けられたことを特徴とする電子レンジ加熱用容器。
- 前記凸部の突出高さが4mm〜30mm、高さ4mmにおける凸部水平断面の短径が5mm〜80mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ加熱用容器。
- 前記溝が前記内容器の側壁部上部から前記凸部に向けて伸びる多数本設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子レンジ加熱用容器。
- 前記溝が前記内容器の底面部において、スパイラル状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子レンジ加熱用容器。
- 前記溝が前記凸部の頂部まで設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子レンジ加熱用容器。
- 前記溝が前記凸部の裾部まで設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子レンジ加熱用容器。
- 前記凸部の頂部に水平部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子レンジ加熱用容器。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の電子レンジ加熱用容器の内容器に食品を収容し、内容器に蓋を嵌着し包装してなることを特徴とする電子レンジ加熱用包装食品。
- 前記食品が、液体成分を食品固化剤で固め、加熱時に液体成分が溶融可能に調製されたことを特徴とする請求項8に記載の電子レンジ加熱用包装食品。
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