JP2005350120A - 電子レンジ加熱用容器及び電子レンジ加熱用包装食品 - Google Patents

電子レンジ加熱用容器及び電子レンジ加熱用包装食品 Download PDF

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Abstract

【課題】 内容器に収容した内容物が電子レンジ加熱調理時に効率よく、均一に加熱できる電子レンジ加熱用容器及び電子レンジ加熱用包装食品の提供。
【解決手段】 熱可塑性樹脂発泡成形体からなる外容器2と、熱可塑性樹脂シート成形体からなり、前記外容器内に入れられる内容器3とを有し、前記内容器の底部に、底部周辺から中央に向けて漸次上方に膨出した凸部が設けられると共に、前記内容器に溝が設けられたことを特徴とする電子レンジ加熱用容器1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱可塑性樹脂発泡成形体からなる外容器と、熱可塑性樹脂シート成形体からなる内容器とを組み合わせた二重容器である電子レンジ加熱用容器と、該内容器に食品を収容し包装した電子レンジ加熱用包装食品に関する。
従来、電子レンジによってそのまま加熱調理することができる電子レンジ用包装容器としては、例えば、特許文献1〜3に記載された技術が提案されている。
特許文献1には、内容器本体の周壁の上端からこの周壁と間隔をもって垂下するスカート部を設け、このスカート部の下端外周に第1のカラー部を設け、外容器本体の周壁の上端外周に前記第1のカラー部と対応する第2のカラー部を設け、前記第1と第2のカラー部の外周を互に係合して、前記内容器本体の底壁及び周壁と、前記外容器本体の底壁及び周壁との間に所定の間隙を形成した電子レンジ用容器が開示されている。
特許文献2には、内容器と外容器とから成ると共に、該内容器と該外容器との間にスペース空間を存して成る電子レンジ用容器が開示されている。
特許文献3には、外容器と内容器による二重容器であって、外容器は熱可塑性発泡樹脂シートから成形された容器からなり、内容器は耐熱性の非発泡樹脂シートから成形された容器からなり、外容器と内容器との間には、少なくとも底面間に空気層となる空間を形成した状態で、内容器が外容器内に挿入されて組み合わされていることを特徴とする食品用合成樹脂製二重容器が開示されている。
特開平11−56621号公報 実開平4−11307号公報 実用新案登録第3023900号公報
しかしながら、前述した従来技術には、次のような問題があった。
特許文献1に開示されている容器は、内容器の底部が平底形状であり、この内容器に食品を入れて電子レンジ加熱調理する際、液体成分が加熱されても内容器内で対流し難い構造なので、加熱効率が悪く、また各部で不均一な温度分布を生じ易い問題がある。
また特許文献2に開示されている容器は、特にα化米の炊飯に適したように内容器の底部を丸底形状としているが、この内容器は丸底であるので、その底部はマイクロ波が到達し難くなり、表層は熱くなるが底部は暖まらない等、各部で不均一な温度分布を生じ易い問題がある。
特許文献3に開示されている容器は、外容器の内方に段部を形成し、この段部に載せ得る縁部を内容器の外周に形成し、この内容器を外容器内に挿入し組み合わせてなるものなので、内容器の口部が外容器上端よりも下方にあり、内容器に入ったスープなどの液体を飲むことができず、麺類、スープ、汁物等の液体物を収容する用途には不向きである。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、内容器に収容した内容物が電子レンジ加熱調理時に効率よく、均一に加熱できる電子レンジ加熱用容器及び電子レンジ加熱用包装食品の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、熱可塑性樹脂発泡成形体からなる外容器と、熱可塑性樹脂シート成形体からなり、前記外容器内に入れられる内容器とを有し、前記内容器の底部に、底部周辺から中央に向けて漸次上方に膨出する凸部が設けられると共に、前記内容器に溝が設けられたことを特徴とする電子レンジ加熱用容器を提供する。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記凸部の突出高さが4mm〜30mm、高さ4mmにおける凸部水平断面の短径が5mm〜80mmの範囲であることが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記溝が前記内容器の側壁部上部から前記凸部に向けて伸びる多数本設けられていることが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記溝が前記内容器の底面部において、スパイラル状であることが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記溝が前記凸部の頂部まで設けられていることが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記溝が前記凸部の裾部まで設けられていることが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用容器において、前記凸部の頂部に水平部が設けられていることが好ましい。
また本発明は、前述した本発明に係る電子レンジ加熱用容器の内容器に食品を収容し、内容器に蓋を嵌着し包装してなることを特徴とする電子レンジ加熱用包装食品を提供する。
本発明の電子レンジ加熱用包装食品において、前記食品が、液体成分を食品固化剤で固め、加熱時に液体成分が溶融可能に調製されたことが好ましい。
本発明の電子レンジ加熱用容器は、熱可塑性樹脂発泡成形体からなる外容器と、熱可塑性樹脂シート成形体からなり、前記外容器内に入れられる内容器とを有し、前記内容器の底部に、底部周辺から中央に向けて漸次上方に膨出する凸部を設けるとともに、内容器に溝を設けた構成としたので、内容器に液体成分の多い食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合には、凸部の上部が暖められ、これが側壁部に向けて流れ、さらに下に潜り込み、液体が対流を生じ易くなるので、加熱効率が向上し、内容物全体を均一に加熱することができる。また内容器にご飯類やパスタ類などの比較的水分が少ない食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合には、食品から浸み出し、溝を伝って底部に溜まった水分が蒸発し、食品を加熱しながら通過して上昇し、凝縮した水分が溝を伝って底部に流下することが繰り返されるので、加熱効率が向上し、内容物全体を均一に加熱することができる。
従って、本発明によれば、種々の食品を電子レンジ加熱調理する際に、加熱効率が向上し、加熱時間の短縮化、省エネルギー化を達成できるとともに、内容物全体を均一に加熱することができる電子レンジ加熱用容器を提供できる。
また、前記凸部の突出高さを4mm〜30mm、高さ4mmにおける凸部水平断面の短径を5mm〜80mmの範囲とすることによって、内容器に液体成分の多い食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合、凸部の上部が暖められ、これが側壁部に向けて流れ、さらに下に潜り込み、液体の対流が生じ易くなる。凸部の突出高さが前記範囲より低いと、加熱効率向上や均一加熱の効果が不十分となる。また凸部の突出高さが前記範囲より高いと、容器内容積が低下し、食するときに邪魔になる。
また、前記溝が前記内容器の側壁部上部から前記凸部に向けて伸びる多数本設けられていることによって、これらの溝による凸部の補強効果が得られ、電子レンジ加熱時間の経過に従って凸部が低くなることが抑制され、凸部形成による加熱効率の向上効果を維持することができる。
また、前記内容器の底面部において、溝をスパイラル状とすることによって、比較的水分が少ない食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合に、食品から浸み出し、溝を伝って底部に溜まった水分が蒸発し、食品を加熱しながら通過して上昇し、凝縮した水分が溝を伝って底部に流下することが繰り返されるので、加熱効率が向上し、内容物全体を均一に加熱することができる。
また、前記凸部の頂部に水平部を設けたことによって、凸部が内容物の収容や摂食時の邪魔にならない。
本発明の電子レンジ加熱用包装食品は、前述した本発明に係る電子レンジ加熱用容器に食品を収容、包装したものなので、電子レンジ加熱調理する際に、加熱効率が向上し、加熱時間の短縮化、省エネルギー化を達成できるとともに、内容物全体を均一に加熱することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1〜3は、本発明の電子レンジ加熱用容器の第1実施形態を示す図であり、図1は電子レンジ加熱用容器1の断面図、図2は電子レンジ加熱用容器1の要部拡大断面図、図3は内容器3の斜視図である。これらの図中、符号1は電子レンジ加熱用容器、2は外容器、3は内容器、4は鍔部、5はフランジ部、6は口部、7は係止部、8は垂下部、9は嵌合部、10は円弧状凹部、11は蓋、12は嵌合凸部、13は蓋ツマミ片、14は把手、15は凸部、16は溝である。
本実施形態の電子レンジ加熱用容器1は、熱可塑性樹脂発泡成形体からなる外容器2と、熱可塑性樹脂シート成形体からなり、外容器2内に入れられる内容器3とを有し、内容器3の底部に、底部周辺から中央に向けて漸次上方に膨出した凸部15を設けるとともに、内容器3に溝16を設けた構成になっている。外容器2は、開口部を外側に向け屈曲させて形成された鍔部4を有している。また内容器3は、開口部を外側に向け屈曲させて形成されたフランジ部5と、該フランジ部5より先端側を上側に向けて立ち上げ、さらに断面が逆U字状又は逆V字状に折り返して形成された口部6と、該口部6の先端側を前記フランジ部5より下方まで垂下させるとともに、一部を開口部内側方向に膨出させた係止部7を持つ垂下部8とを有している。この電子レンジ加熱用容器1は、外容器2内に内容器3を入れ、内容器3に内容物を入れた状態で、内容器3のフランジ部5下面が外容器2の鍔部4上面に当接する構成になっている。
本発明において、電子レンジ加熱用容器の全体形状は特に限定されないが、鍋物、麺類、おかゆ、スープ、煮物、汁物等の食品に好適な形状として、丼や鍋の形状が好適に使用できる。容器開口部の形状は、円形、楕円形が好ましいが、矩形や多角形も使用できる。容器の開口と深さの関係で言えば、内容器3の短径aが75〜180mm程度、及びaと深さbとの比b/aが0.2〜1の範囲であることが好ましい。比b/aが0.2未満であると、浅すぎて前記の食品用の容器として好ましくない。比b/aが1を超えると、コップ状になり、やはり前記食品に適さない。
本実施形態では、容器開口部が円形であり、丼形状をなす電子レンジ加熱用容器1を例示している。また、本実施形態では、外容器2と内容器3とを組み合わせた二重容器構造の電子レンジ加熱用容器1と、その内容器3の口部6に着脱可能に内嵌合される蓋11とを組み合わせた構成になっている。
本実施形態において、外容器2は、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等の樹脂を1.5倍以上の発泡倍率で発泡させた、厚さ0.3mm以上の発泡樹脂シートを真空成形、圧空成形、或いは真空・圧空成形等で容器の形状に成形したものが好ましく使用できる。また、前記成形時又は成形後に追加の発泡をさせて発泡倍率を高めることもできる。発泡樹脂シートの厚さが0.3mm未満であると、容器として形状を保持するのに必要な強度が不足し、断熱性・保温性も不十分となる。
この外容器2の開口部に形成した鍔部4は、上面が略水平面になっており、且つ鍔部基端から突端までの長さが3mm以上であることが好ましい。鍔部4の上面を略水平面とし、前記長さを3mm以上とすれば、この鍔部4の上面に内容器3のフランジ部5を安定な状態で載せ、内容器3を安定に支持することができる。一方、前記長さが大きすぎると、取り扱い難くなり、また見栄えも悪くなることから、前記長さは3〜10mm程度とすることが好ましい。この鍔部4の突端は、内容器3の口部6と垂下部8の間に当接し、内容器3が外容器2から抜け出し難くなっている。
この外容器2には、表面硬度の低い発泡体からなる外容器2表面を傷付き難くするため、外容器2外面に意匠や着色を施して商品価値を高めるため、或いは内容物・製造業者その他を表示する等の目的で、外容器2の外面および/または内面に、透明、着色或いは印刷した熱可塑性フィルムを貼り付けてもよい。熱可塑性フィルムの材質は、特に限定されないが、外容器の材質に合わせて選択することが望ましい。例えば、外容器2が発泡ポリスチレンの場合は、印刷性、基材との接着性等からポリスチレン系樹脂が好ましい。熱可塑性フィルムの貼付方法は、限定されないが、容器成形前のシートに熱や接着剤等で貼付し、その後容器に成形する等、包装用容器において一般に行われている方法を適用することができる。
本実施形態において、内容器3は、高密度ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、或いはポリスチレンにポリフェニレンエーテルを混合した樹脂、或いはこれらの樹脂にタルクなどの充填剤を配合した組成物からなる厚さ0.2〜1mmのシートを真空成形、圧空成形、或いは真空・圧空成形等で容器の形状に成形したものが好ましく使用できる。また、ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ポリエステル樹脂からなり、未結晶状態のシートを前記と同様の方法で容器に成形後、熱処理により結晶化させて耐熱性を付与した材料も使用できる。このシート厚さが0.2mm未満であると、容器として形状を保持するのに必要な強度が不足する上、電子レンジ加熱後の容器の垂下が大きくなり過ぎる。一方、シート厚さが1mmを超えると、容器が硬くなり過ぎて外容器や蓋との嵌合作業がやり難くなる上、重さやコストが過大になる。
内容器3のフランジ部5は、食品の収容時に外容器2の鍔部4に当接して内容器3を支えるとともに、蓋11を垂直方向に支える部分でもある。フランジ部5の幅は特に限定されないが、1mm〜8mm程度とするのが好ましい。このフランジ部5は略水平面に形成しても良いが、口部6側を上り勾配5〜30度程度の角度で傾斜させておくことにより、加熱食品の飲食時にフランジ部5に液体が溜まらないので、好ましい。
内容器3の口部6は、内容器3内の食品を飲食する際に口を付け易いように内容器3が上方に突出した部分である。その逆U字状または逆V字状断面の寸法は、幅(太さ)が1〜10mm、好ましくは2〜7mmで、高さが5〜30mmの範囲が好適である。
口部6に口を付けて液体を飲む時に、幅が1mm未満では薄すぎて紙を噛んでいるような感触となり、また幅が10mmを超えると、厚すぎて違和感を生じると共に、口の端から液体が漏れ易い。また、幅が1mm以下で高さが5mm以上の逆U字状口部は成形が困難である。逆U字状又は逆V字状の頂部は、断面が鋭角でないことが好ましく、半円形、楕円形、或いはRのついた多角形が好適である。
口部6内面の上部には、蓋11を案内するために、容器内側方向に傾斜させたテーパー状の嵌合部9が形成されている。この嵌合部9を形成したことにより、内容器3の口部6に蓋11をスムーズに案内し、この蓋11を内嵌合してしっかり固定できるので、誤って容器を傾けても内容物がこぼれることを防止できる。
また口部6内面の下部を容器外側方向に傾斜させたテーパー部とし、蓋11が内嵌合できるようにしてもよい。
口部6内面上部には、周方向に沿って円弧状凹部10が連続して形成されている。この円弧状凹部10の幅及び凹み深さは特に限定されず、例えば幅は5mm〜30mm程度、凹み深さは0.3mm〜2mm程度とすることができる。この円弧状凹部10を形成したことにより、内容器3の口部6から直接液体を飲む際に、口の端から液体が漏れることが少なくなる。
口部6に連続して設けられた垂下部8は、外容器2の鍔部4を覆い、その下部に容器内側方向に膨出する係止部7が設けられた構造になっている。本例示において、この係止部7は、垂下部8の周方向に沿って複数の島状に設けられている。この係止部7は、外容器2の鍔部4下側に位置しており、外容器2の鍔部4突端に係止するようになっている。
この垂下部8には、容器を手で持つための一対の把手14が、内容器3の外側に向けて形成されている。この把手14の部分または円周方向の他の任意の位置において、外容器2の鍔部4を下方に窪ませるか、又は内容器3のフランジ部5を上方に窪ませるなどの変形を与えて、電子レンジ加熱により加熱膨張した内外容器間の空気の連通部を設けておくことが好ましい。
内容器3の底部に設けられた凸部15は、内容器3の底部周辺から中央に向けて漸次上方に膨出したものであればよく、その形状は特に限定されず、内容器3の形状に応じて、球面状、円柱形、円錐形、円錐台形、四角柱形、四角錐形、四角錐台形などとすることができる。本実施形態では、頂部に水平面が設けられている円錐台形の凸部15を形成している。
本実施形態において、凸部15の突出高さyは4mm〜30mmの範囲とし、また高さ4mmにおける凸部水平断面の短径(本例示では水平面の直径x)は5mm〜80mmの範囲とすることが好ましい。凸部15の寸法を前記範囲とすることによって、内容器3に液体成分の多い食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合、凸部15の上部が暖められ、これが側壁部に向けて流れ、さらに下に潜り込み、液体の対流が生じ易くなる。
前記凸部15の突出高さは、8〜30mmで高さ8mmにおける凸部水平断面の短径が1〜60mmの範囲であることが好ましく、突出高さは10〜20mmで、高さ10mmにおける凸部水平断面の短径が1〜50mmであることが更に好ましい。この凸部15は小さ過ぎると効果がなくなり、大き過ぎる(特に面積が)と、単に底上げしたと同じことになり、やはり効果がない。
内容器3に設けられた溝16は、内容器3の側壁部上部から凸部15に向けて伸び、内容器3の側壁部全周に亘り多数本が並設されている。この溝16は、凸部15の裾野まであっても、頂部まであっても、或いは裾野と頂部の間のいずれかまでであってもよい。
このように内容器3の側壁部全周に亘り多数本の溝16を設けることによって、これらの溝16による凸部15の補強効果が高められ、電子レンジ加熱時間の経過に従って凸部15が低くなることが抑制され、凸部形成による加熱効率の向上効果を維持することができる。
この溝16の形状は限定されない。溝16の断面は波形、円弧状などの滑らかな形状が好ましい。鋭角に折れ曲がる断面形状は、内容物が挟まったり、液状物が停滞して均一加熱を阻害したり、箸などが引っ掛かり、食するのに支障をきたす恐れがあるので好ましくない。
溝16の断面寸法は、溝深さ0.5mm〜5mm、幅1mm〜10mmが好ましい。この溝深さが小さいと、補強効果が不足し、加熱時に凸部高さが低くなるのを防止できない。一方、溝が深すぎると、外容器2と接触し断熱性の低下・外容器2の温度上昇による変形などの恐れがあり、また、内容物が挟まる、液状物が停滞して均一加熱を阻害する、箸などが引っ掛かり、食するのに支障をきたす恐れがあるので、好ましくない。前記溝幅が小さすぎると、補強効果を得るために溝深さを深くする必要があって、前記と同様の問題を生じる。溝幅が広すぎると、容器形状が不自然なものになる上、補強効果が出難くなる。
図3の例示において、溝16は、内容器3の底面部においてスパイラル状に形成されている。このような溝16を内容器3に設けることにより、比較的水分が少ない食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合には、食品から浸み出し、溝16を伝って底部に溜まった水分が蒸発し、食品を加熱しながら通過して上昇し、凝縮した水分が溝16を伝って底部に流下することが繰り返されるので、加熱効率が向上し、内容物全体を均一に加熱することができる。
溝16は、前記スパイラル状に限定されるものではなく、曲線状や直線状或いはそれらの組み合わせであっても良い。
内容器3と外容器2の間には、側壁部及び底部に空間が設けられている。この空間は、内外容器の側壁部及び底部の全面に設けることが好ましいが、一部であってもよい。内容器3外面および/または外容器2内面に、突起、リブなどを形成して内容器3を支え、内容器3と外容器2の間隔を安定に保持する構造としても良い。内容器3と外容器2の間の空気は、フランジ部5で遮断されて口部6に至らない構造とすることが好ましい。
蓋11の材質は、ポリスチレン系樹脂、アモルファスポリエステル等の透明性が高く成形の容易な樹脂シートからなるものが好ましいが、耐熱性のよいポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、結晶性ポリエステル系樹脂などであってもよく、特に制限されない。
蓋11の形状は特に限定されない。蓋11の中央天板部は、平面、ドーム状その他用途に合わせて任意の形状とすることができる。
蓋11を内容器3に装着する方法は限定されないが、蓋に凝縮した水分などが外に漏れないようにするために、内容器3に内嵌合する方法が好ましい。この場合、蓋11の外周部に内容器3の口部6に内嵌合される凹字状或いは逆U字状の凹部を形成することが好ましい。図1の例示では、平面状の中央天板部を有し、その周縁に下方に向けて伸びる断面U字状の嵌合凸部12が形成され、該嵌合凸部12の外周には一対の蓋ツマミ片13が形成されている。この嵌合凸部12は、内容器3の口部6に内嵌合され、嵌合された蓋11は蓋ツマミ片13を摘んで引き上げることで口部6から外せるようになっている。蓋11の装着方法はこれ以外にも、例えば、単に内容器3のフランジ部5に載せるだけ、或いは、天板に凝縮した水分が容器内に落ちるように誘導する下向きの凹条部を設けた上で内容器3の口部6外面或いは垂下部8等に外嵌合する方法であっても良い。
蓋11の中央に、V字状やU字状などの任意のスリットを設けておくと、電子レンジ加熱により膨張した空気や発生した蒸気を逃がすことができるので好ましい。
本実施形態の電子レンジ加熱用容器1は、内容器3の底部に、底部周辺から中央に向けて漸次上方に膨出した凸部15を設けるとともに、内容器3に溝16を設けた構成としたので、内容器3に液体成分の多い食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合には、凸部15の上部が暖められ、これが側壁部に向けて流れ、さらに下に潜り込み、液体が対流を生じ易くなるので、加熱効率が向上し、内容物全体を均一に加熱することができる。また内容器3にご飯類やパスタ類などの比較的水分が少ない食品を収容して電子レンジ加熱調理する場合には、食品から浸み出し、溝16を伝って底部に溜まった水分が蒸発し、食品を加熱しながら通過して上昇し、凝縮した水分が溝16を伝って底部に流下することが繰り返されるので、加熱効率が向上し、内容物全体を均一に加熱することができる。
従って、本実施形態の電子レンジ加熱用容器1によれば、種々の食品を電子レンジ加熱調理する際に、加熱効率が向上し、加熱時間の短縮化、省エネルギー化を達成できるとともに、内容物全体を均一に加熱することができる。
この電子レンジ加熱用容器1は、外容器2に内容器3を入れ、外容器2の鍔部4を垂下部8の内側に挿入し、鍔部4の上面をフランジ部5と接触又は近接させると共に、鍔部4の突端を口部6と垂下部8の間に当接させた状態とし、内容器3内に種々の食品を収容した後、蓋11を内嵌合し、或いは予め食品を収容し、蓋11を内嵌合した内容器3を外容器2にセットし、必要に応じてフィルム等で包み、電子レンジ加熱用包装食品として利用される。
電子レンジ加熱用容器1に収容される食品は、運搬・保管が容易で、電子レンジで加熱調理又は解凍するだけで簡単に食べることができる調理食品である。この食品に使用されるソース、スープ、つゆなどの液体成分は、ゼラチン、寒天、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム等の食品固化剤又はそれらの混合物等で固化したものが使用できる。食品固化剤の中でも、ゼラチンで液体成分を固化した食品が好適に使用できる。ゼラチン等の食品固化剤で固化した液体成分は、電子レンジ加熱調理時に液状化し、麺などの主食品と混ぜることができる。
また、ご飯やパスタ、麺類等の主食材は、ゼラチンゼリーなどで被覆し、電子レンジで加熱調理又は解凍する際に水分が蒸散してパサパサにならないようにすることができる。
本発明の電子レンジ加熱用包装食品は、前述した本発明に係る電子レンジ加熱用容器1に食品を収容、包装したものなので、電子レンジ加熱調理する際に、加熱効率が向上し、加熱時間の短縮化、省エネルギー化を達成できるとともに、内容物全体を均一に加熱することができる。
[実施例]
<容器>
容器全体の形状は、開口部が円形の丼型とした。
外容器は、厚さ3mmの発泡ポリスチレン製とした。
内容器は、厚さ0.4mmのポリプロピレン製とした。
口部の口径が160mm、深さ(口部から最深部まで)が50mm、底部に高さ10mmで頂部が平坦な円形の凸部を設け、壁部最上部において幅7mmで底部においてその幅が狭まりながら凸部の頂部に達するスパイラル状の溝を設けてある。この溝は、容器外側に向けて円弧状に膨出し内容器内面に溝を形成しており、壁部全周に亘り最上部で1mm間隔で設けられている。(図3を参照)
<電子レンジ加熱試験>
前記容器に28℃の水を300g入れて、電子レンジ(サンヨー社製、出力800W)に入れて、水が沸騰するまでの時間を測定した。水の沸騰は目視によって観測した。
本実施例の容器では、水が沸騰するのに平均(試験3回)で2分30秒を要した。
[比較例1]
<容器>
内容器の溝がない他は実施例の容器と同じとした。
<電子レンジ加熱試験>
試験方法は、実施例と同じとした。
この比較例1の容器では、水が沸騰するのに平均(試験3回)で2分50秒を要した。
この比較例1の容器では、溝によるリブ効果がないので、加熱時間が経過するに従い凸部が低くなり、マイクロ波の到達し難い部分が内容器内に発生した結果、沸騰までの時間が長くなったと考えられる。
[比較例2]
<容器>
内容器の溝と凸部がない他は実施例の容器と同じとした。
<電子レンジ加熱試験>
この比較例2の容器では、水が沸騰するのに平均(試験3回)で3分00秒を要した。
マイクロ波の到達し難い底中央部の水は対流によって加熱されるが、この比較例2の容器では底に凸部がないために底中央部の水が温まり難く、全体として沸騰までの時間が更に長くなった。
本発明の電子レンジ加熱用容器の一実施形態を示す断面図である。 図1の電子レンジ加熱用容器の要部拡大断面図である。 図1の電子レンジ加熱用容器の内容器を示す斜視図である。
符号の説明
1…電子レンジ加熱用容器、2…外容器、3…内容器、4…鍔部、5…フランジ部、6…口部、7…係止部、8…垂下部、9…嵌合部、10…円弧状凹部、11…蓋、12…嵌合凸部、13…蓋ツマミ片、14…把手、15…凸部、16…溝。

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂発泡成形体からなる外容器と、熱可塑性樹脂シート成形体からなり、前記外容器内に入れられる内容器とを有し、前記内容器の底部に、底部周辺から中央に向けて漸次上方に膨出する凸部が設けられると共に、前記内容器に溝が設けられたことを特徴とする電子レンジ加熱用容器。
  2. 前記凸部の突出高さが4mm〜30mm、高さ4mmにおける凸部水平断面の短径が5mm〜80mmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ加熱用容器。
  3. 前記溝が前記内容器の側壁部上部から前記凸部に向けて伸びる多数本設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子レンジ加熱用容器。
  4. 前記溝が前記内容器の底面部において、スパイラル状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子レンジ加熱用容器。
  5. 前記溝が前記凸部の頂部まで設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子レンジ加熱用容器。
  6. 前記溝が前記凸部の裾部まで設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子レンジ加熱用容器。
  7. 前記凸部の頂部に水平部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子レンジ加熱用容器。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の電子レンジ加熱用容器の内容器に食品を収容し、内容器に蓋を嵌着し包装してなることを特徴とする電子レンジ加熱用包装食品。
  9. 前記食品が、液体成分を食品固化剤で固め、加熱時に液体成分が溶融可能に調製されたことを特徴とする請求項8に記載の電子レンジ加熱用包装食品。
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