JP2005350063A - 車両用接地荷重制御装置 - Google Patents

車両用接地荷重制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ステアリングギヤ比可変機構のギヤ比が小さいときはオーバーステア傾向とし、ギヤ比が大きいときはアンダーステア傾向とする。
【解決手段】 車両用接地荷重制御装置は、前後左右の各車輪の接地荷重を分担する前後左右の荷重分担手段(11〜14)と、一方の組の対角輪の各接地荷重と他方の組の対角輪の各接地荷重とを互いに反対の増減方向で変更し、かつ、各対角輪内での各接地荷重を同じ増減方向で変更する作動が可能な荷重変更手段(50,60)と、車両状態検知手段からの検出信号に応じて荷重変更手段の作動を制御する制御手段(ECU)を備える。制御手段は、車両状態検知手段からの検出信号に応じて荷重変更手段の作動速度を決定する作動速度決定手段を備える。車両状態検知手段はステアリングギヤ比可変機構のギヤ比を取得するギヤ比取得手段を備えていて、同ギヤ比の増大に応じて作動速度決定手段にて決定される作動速度が減少される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、四輪自動車等の車両に採用される車両用接地荷重制御装置に関する。
この種の接地荷重制御装置は、例えば、下記特許文献1に示されている。下記特許文献1に示されている接地荷重制御装置においては、各車輪に対応して設けられているアクティブシリンダを使ってばね上質量を上下したときの反力を接地面に作用させることにより、接地荷重制御を行っている。
特開平11−91329号公報
上記した特許文献1に示されている接地荷重制御装置においては、各車輪に対応して設けられている各アクティブシリンダを個別に制御することにより、各車輪の接地荷重を変更するようにしている。このため、各車輪の接地荷重を変更する際には、車体の姿勢変化を伴うおそれがあるばかりか、上下方向の振動が発生するおそれがある。
上記した問題に対処すべく、本発明では、前後左右の各車輪の接地荷重をそれぞれ分担する前後左右の荷重分担手段と、これら各荷重分担手段が分担する接地荷重を作動によってそれぞれ変更可能な荷重変更手段と、車両状態を検知する車両状態検知手段と、この車両状態検知手段からの検出信号に応じて前記荷重変更手段の作動を制御する制御手段を備えてなる車両用接地荷重制御装置において、前記荷重変更手段として、何れか一方の組の対角輪の各接地荷重と他方の組の対角輪の各接地荷重とを互いに反対の増減方向で変更し、かつ、各対角輪内での各接地荷重を同じ増減方向で変更する作動が可能な荷重変更手段が採用されていて、前記制御手段は、前記車両状態検知手段からの検出信号に応じて前記荷重変更手段の作動速度を決定する作動速度決定手段を備え、前記車両状態検知手段はステアリングギヤ比可変機構のギヤ比を取得するギヤ比取得手段を備えていて、このギヤ比取得手段にて取得されるギヤ比の増大に応じて前記作動速度決定手段にて決定される作動速度が減少されることに特徴がある。
この発明によれば、車両状態に応じて荷重変更手段の作動を制御手段により制御することができて、例えば、旋回時に、一方の組の対角輪の各接地荷重を増加変更するとともに他方の組の対角輪の各接地荷重を減少変更し、かつ、各対角輪内での各接地荷重を同じ増減方向で変更することが可能である。このため、例えば、左旋回時に、右前車輪と左後車輪の各接地荷重を共に減少させるとともに、左前車輪と右後車輪の各接地荷重を共に増加させることで、荷重移動をリヤ側にて負担すること(換言すれば、リヤロール剛性配分を大とすること)ができて、車両の姿勢変化を抑えながらステアリング特性をオーバーステア傾向とすること、或いは、このときに、左前車輪と右後車輪の各接地荷重を共に減少させるとともに、右前車輪と左後車輪の各接地荷重を共に増加させることで、荷重移動をフロント側にて負担すること(換言すれば、フロントロール剛性配分を大とすること)ができて、車体の姿勢変化を抑えながらステアリング特性をアンダーステア傾向とすることが可能である。
また、この発明によれば、前記制御手段が、前記車両状態検知手段からの検出信号に応じて前記荷重変更手段の作動速度を決定する作動速度決定手段を備えている。このため、各車輪の接地荷重をタイミングよく変更制御することが可能であり、例えば、オーバーステア傾向に変化させる場合は、荷重変更手段の作動速度を遅くして(接地荷重を遅く変更して)挙動の乱れを抑制することが可能であり、また、アンダーステア傾向に変化させる場合は、荷重変更手段の作動速度を早くして(接地荷重を早く変更して)安定性を向上させることが可能である。
また、この発明によれば、前記車両状態検知手段がステアリングギヤ比可変機構(VGRS)のギヤ比を取得するギヤ比取得手段を備えていて、このギヤ比取得手段にて取得されるギヤ比の増大に応じて前記作動速度決定手段にて決定される作動速度が減少される。このため、VGRSのギヤ比が小さいときはオーバーステア傾向として、ステアリングの効きを良くすることが可能であり、また、VGRSのギヤ比が大きいときはアンダーステア傾向として、ステアリングの効きを低下させ、VGRSによる車両の安定性をさらに高めることが可能である。
以下に、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明による車両用接地荷重制御装置を含む車両用サスペンション装置の第1実施形態を概略的に示していて、このサスペンション装置では、図1および図2にて示したように、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14が各配管P1,P2,P3,P4を介してバウンシング抑制器20、ローリング抑制器30、ピッチング抑制器40および接地荷重変更装置50にそれぞれ接続されている。
各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14は、前後左右の各車輪(図14のFL,FR,RL,RR参照)に対応してそれぞれ装着されるものであり、単一のポート11a,12a,13a,14aを有していて、前後左右の各車輪FL,FR,RL,RRの接地荷重をそれぞれ分担するようになっている。また、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14には、図1に示したように、その内部圧力を検出する各油圧センサPS1,PS2,PS3,PS4が組付けられていて、各油圧センサPS1,PS2,PS3,PS4は電気制御装置ECUに電気的に接続されている。
バウンシング抑制器20は、車体の挙動の一つであるバウンシングが発生している状態において各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14の作動を抑制する挙動抑制手段であり、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14のポート11a,12a,13a,14aに配管P1,P2,P3,P4を介してそれぞれ接続されるバウンシング制御シリンダ21,22,23,24を備えていて、各バウンシング制御シリンダ21,22,23,24は、受圧面積を略同一としたピストン21a,22a,23a,24aを備えている。
ピストン21a,22a,23a,24aは一体化されていて、その背部には油圧室25が設けられている。この油圧室25は、ばね要素としても機能するアキュムレータ26(ガス式でもスプリング式でも実施可能)の油圧室26aに連通していて、その連通路には、ばね要素の振動を制振する減衰要素として機能する可変絞り27が介装されている。
ローリング抑制器30は、車体の挙動の一つであるローリングが発生している状態において各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14の作動を抑制する挙動抑制手段であり、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14のポート11a,12a,13a,14aに配管P1,P2,P3,P4を介してそれぞれ接続されるローリング制御シリンダ31,32,33,34を備えていて、各ローリング制御シリンダ31,32,33,34は、受圧面積を略同一としたピストン31a,32a,33a,34aを備えている。
各ローリング制御シリンダ31,34は、対角(左前と右後)に位置する両懸架用油圧シリンダ11,14に接続されていて、その各作動が逆相となる(油圧の増減に伴うピストン31a,34aの作動方向が逆となる)ように連結されており、左右対ローリング制御シリンダ30Aを構成している。左右対ローリング制御シリンダ30Aでは、両ローリング制御シリンダ31,34のピストン31a,34aが一体化されて共用されている。
一方、各ローリング制御シリンダ32,33は、対角(右前と左後)に位置する両懸架用油圧シリンダ12,13に接続されていて、その各作動が逆相となるように連結されており、左右対ローリング制御シリンダ30Bを構成している。左右対ローリング制御シリンダ30Bでは、両ローリング制御シリンダ32,33のピストン32a,33aが一体化されて共用されている。
各左右対ローリング制御シリンダ30A,30Bは、左右同相に(例えば、左側の懸架用油圧シリンダ11,13の油圧が共に高くなったときに両ピストン31a,34aと32a,33aが共に図の右側に押動されるように)配置されていて、各ピストン31a,34aと32a,33aが連結ロッド35を介して連結されている。
連結ロッド35は、シリンダ外に延出していて、その延出端部にてばね要素として機能するコイルスプリング36の一端と、ばね要素の振動を制振する減衰要素として機能するショックアブソーバ37の一端に連結されており、コイルスプリング36とショックアブソーバ37によって作動(軸方向移動)を抑制されるようになっている。なお、この実施形態においては、コイルスプリング36とショックアブソーバ37の他端が移動不能に固定されている。
ピッチング抑制器40は、車体の挙動の一つであるピッチングが発生している状態において各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14の作動を抑制する挙動抑制手段であり、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14のポート11a,12a,13a,14aに配管P1,P2,P3,P4を介してそれぞれ接続されるピッチング制御シリンダ41,42,43,44を備えていて、各ピッチング制御シリンダ41,42,43,44は、受圧面積を略同一としたピストン41a,42a,43a,44aを備えている。
各ピッチング制御シリンダ41,44は、対角(左前と右後)に位置する両懸架用油圧シリンダ11,14に接続されていて、その各作動が逆相となるように連結されており、前後対ピッチング制御シリンダ40Aを構成している。前後対ピッチング制御シリンダ40Aでは、両ピッチング制御シリンダ41,44のピストン41a,44aが一体化されて共用されている。
一方、各ピッチング制御シリンダ42,43は、対角(右前と左後)に位置する両懸架用油圧シリンダ12,13に接続されていて、その各作動が逆相となるように連結されており、前後対ピッチング制御シリンダ40Bを構成している。前後対ピッチング制御シリンダ40Bでは、両ピッチング制御シリンダ42,43のピストン42a,43aが一体化されて共用されている。
各前後対ピッチング制御シリンダ40A,40Bは、前後同相に(例えば、前方の懸架用油圧シリンダ11,12の油圧が共に高くなったときに両ピストン41a,44aと42a,43aが共に図の右側に押動されるように)配置されていて、各ピストン41a,44aと42a,43aが連結ロッド45を介して連結されている。
連結ロッド45は、シリンダ外に延出していて、その延出端部にてばね要素として機能するコイルスプリング46の一端と、ばね要素の振動を制振する減衰要素として機能するショックアブソーバ47の一端に連結されており、コイルスプリング46とショックアブソーバ47によって作動(軸方向移動)を抑制されるようになっている。なお、この実施形態においては、コイルスプリング46とショックアブソーバ47の他端が移動不能に固定されている。
接地荷重変更装置50は、電気制御装置ECUによって作動を制御されて各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14が分担する接地荷重を変更するものであり、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14のポート11a,12a,13a,14aに配管P1,P2,P3,P4を介してそれぞれ接続される接地荷重制御シリンダ51,52,53,54を備えていて、各接地荷重制御シリンダ51,52,53,54は、受圧面積を略同一としたピストン51a,52a,53a,54aを備えている。
各接地荷重制御シリンダ52,54は、右側(右前と右後)に位置する両懸架用油圧シリンダ12,14に接続されていて、その各作動が逆相となるように連結されており、右側対接地荷重制御シリンダ50Aを構成している。右側対接地荷重制御シリンダ50Aでは、両接地荷重制御シリンダ52,54のピストン52a,54aが一体化されて共用されている。
一方、各接地荷重制御シリンダ51,53は、左側(左前と左後)に位置する両懸架用油圧シリンダ11,13に接続されていて、その各作動が逆相となるように連結されており、左側対接地荷重制御シリンダ50Bを構成している。左側対接地荷重制御シリンダ50Bでは、両接地荷重制御シリンダ51,53のピストン51a,53aが一体化されて共用されている。
右側対接地荷重制御シリンダ50Aと左側対接地荷重制御シリンダ50Bは、対角同相に(例えば、右前の懸架用油圧シリンダ12と左後の懸架用油圧シリンダ13の油圧が共に高くなったときに両ピストン51a,53aと52a,54aが共に図の右側に押動されるように)配置されていて、各ピストン51a,53aと52a,54aが連結ロッド55を介して連結されている。
連結ロッド55は、シリンダ外に延出していて、その延出端部にてばね要素として機能するコイルスプリング56の一端と、ばね要素の振動を制振する減衰要素として機能するショックアブソーバ57の一端に連結されており、コイルスプリング56とショックアブソーバ57によって作動(軸方向移動)を抑制されるとともに、コイルスプリング56とショックアブソーバ57の他端に連結されたアクチュエータ58によって作動(軸方向移動)を抑制されるようになっている。
アクチュエータ58は、コイルスプリング56とショックアブソーバ57を介して各接地荷重制御シリンダ51〜54に作動力を付与するものであり、その作動は、油圧制御装置60によって制御されるようになっている。このアクチュエータ58は、油圧制御装置60によって作動油の給排を制御されるシリンダ58aと、このシリンダ58a内に往復動可能に組付けられたピストン58bと、シリンダ58aを貫通してピストン58bと一体的に移動しコイルスプリング56とショックアブソーバ57の他端に作動力を付与するロッド58cによって構成されていて、シリンダ58a内にピストン58bによって一対の油室R1,R2が形成されている。また、シリンダ58aには、各油室R1,R2の圧力を検出する各油圧センサPS5,PS6が組付けられていて、各油圧センサPS5,PS6は電気制御装置ECUに電気的に接続されている。
油圧制御装置60は、アクチュエータ58の各油室R1,R2に作動油を供給可能な正逆回転可能なポンプ61と、このポンプ61を駆動する正逆回転可能な電動モータ62と、各油室R1,R2とポンプ61間の接続通路に介装されて両者間を連通・遮断する4ポート2位置切換弁63と、ポンプ61の両ポートを接続するバイパス通路に介装されて同バイパス通路を開閉する2ポート2位置開閉弁64を備えている。この油圧制御装置60においては、電動モータ62、4ポート2位置切換弁63、2ポート2位置開閉弁64等の作動が電気制御装置ECUにより駆動回路70を介して制御されるようになっている。
電気制御装置ECUは、各油圧センサPS1〜PS6と駆動回路70に電気的に接続されるとともに、モータ電流センサS1、ステアリング角度センサS2、車速センサS3、各輪タイヤ空気圧センサS4、各輪ブレーキ油圧センサS5、各車輪速センサS6、ヨーレイトセンサS7、横加速度センサS8等に電気的に接続されている。
また、電気制御装置ECUは、CPU、ROM、RAM、インターフェース等を有するマイクロコンピュータを備えていて、イグニッションスイッチ(図示省略)がONとされている状態のときに、電気制御装置ECUのCPUが図3〜図13のフローチャートに対応した制御プログラムを所定の演算周期(例えば、8msec)毎に繰り返し実行して、油圧制御装置60における電動モータ62、4ポート2位置切換弁63、2ポート2位置開閉弁64等の作動を制御する。
また、この電気制御装置ECUは、車両の旋回時にアンダーステアとオーバーステアを抑制する公知のVSC装置(ビークルスタビリティコントロール装置)のVSC制御中にVSC制御信号を出力するようになっている。また、この電気制御装置ECUは、車速に応じてステアリングギヤ比を可変とする公知のステアリングギヤ比可変機構(VGRS)の作動を制御可能に構成されている。
上記のように構成したこの第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、イグニッションスイッチがONとされている状態のとき、各センサからの信号に基づいて電気制御装置ECUのCPUが油圧制御装置60の電動モータ62、4ポート2位置切換弁63、2ポート2位置開閉弁64の作動を制御して、前後左右の各車輪FL,FR,RL,RRの接地荷重を制御する。
この接地荷重の制御は、電気制御装置ECUのCPUが図3に示したメインルーチンを所定の演算周期(例えば、8msec)毎に繰り返し実行することにより行われ、電気制御装置ECUのCPUは、図3のステップ101にて処理を開始し、ステップ200にて制御有無判定・初期化処理を実行し、ステップ300にてタイヤ空気圧対応制御処理を実行し、ステップ400にてVSC協調制御処理を実行し、ステップ500にてまたぎ路制動制御処理を実行し、ステップ600にて車速感応・VGRS協調・制御速度制限処理を実行し、ステップ700にてヨーレイト制御処理を実行し、ステップ800にてアクチュエータ目標差圧演算処理を実行し、ステップ900にてモータ制御処理を実行し、ステップ102にて処理を一旦終了する。
電気制御装置ECUのCPUが図3のステップ200にて制御有無判定・初期化処理を実行するときには、図4に示したサブルーチンを実行する。具体的には、電気制御装置ECUのCPUがステップ201にて処理を開始し、ステップ202にてフラグFを「0」に設定し、ステップ203にて電動モータ62の電気抵抗値Rを測定し記憶する。この電気抵抗値Rは、電動モータ62に微電流を流すことでモータ電流センサS1の検出信号から測定され、電動モータ62が断線していて通電不能のときには、設定値Roより大きな値となる。
このため、電動モータ62が断線しているとき(失陥時)には、電気制御装置ECUのCPUが、ステップ204にて「Yes」と判定し、ステップ205にて4ポート2位置切換弁63を閉鎖状態とする閉鎖信号を駆動回路70に出力した後、図3のステップ102に戻って、ステップ102にて処理を一旦終了する。したがって、電動モータ62が断線していて、アクチュエータ58の作動が油圧制御装置60によって制御され得ないときには、アクチュエータ58が4ポート2位置切換弁63によって油圧的にロックされて作動を不能とされる。
一方、電動モータ62が断線していないときには、電気制御装置ECUのCPUが、ステップ204にて「No」と判定し、ステップ206にてステアリング角度センサS2の検出信号からステアリング角度を検出して記憶する。このとき、ステアリング角度が閾値1(例えば、3度程度)より大きいと、ステップ207にて「Yes」と判定し、ステップ208にて車速センサS3の検出信号から車速を検出し記憶する。このとき、車速が閾値2(例えば、6Km/h程度)より大きいと、ステップ209にて「Yes」と判定し、ステップ210,211,212を実行した後、ステップ213を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、上記したステップ207の実行時にステアリング角度が閾値1以下である(実質的に直進走行状態である)と、電気制御装置ECUのCPUが、ステップ207にて「No」と判定し、ステップ214,215を実行した後、図3のステップ102に戻って、ステップ102にて処理を一旦終了する。また、上記したステップ209の実行時に車速が閾値2以下である(接地荷重の変化による効果が有効に得られる車速以下である)と、電気制御装置ECUのCPUが、ステップ209にて「No」と判定し、ステップ214,215を実行した後、図3のステップ102に戻って、ステップ102にて処理を一旦終了する。
ところで、ステップ210では、電気制御装置ECUのCPUが、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14に設けた各油圧センサPS1,PS2,PS3,PS4の検出信号から各懸架シリンダ油圧をそれぞれ検出して記憶し、ステップ211では、各懸架シリンダ油圧から各車輪の接地荷重値をそれぞれ算出して記憶し、ステップ212では、各車輪の接地荷重値の内の右後輪接地荷重値と左後輪接地荷重値から後両輪接地荷重値を算出して記憶する。なお、ステップ211での各車輪の接地荷重値は、各懸架シリンダ油圧と各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14の受圧面積を積算することにより算出される。また、ステップ212での後両輪接地荷重値は、右後輪接地荷重値と左後輪接地荷重値を加算することにより算出される。
また、ステップ214では、電気制御装置ECUのCPUが、2ポート2位置開閉弁64を開放状態とする開放信号を駆動回路70に出力し、ステップ215では、アクチュエータ58のシリンダ58aに設けた両油圧センサPS5,PS6をリセットして初期化する。このため、このときには、ポンプ61の両ポートを接続するバイパス通路が開放されて、アクチュエータ58におけるピストン58bおよびロッド58cの自由な作動が許容される。したがって、このときには、各接地荷重制御シリンダ51〜54の自由な作動を許容することで、路面からの振動入力の伝達を遮断して、乗り心地を向上させることが可能である。
また、ステップ215の実行にて、両油圧センサPS5,PS6がリセットされて初期化されるため、両油圧センサPS5,PS6の中立のずれを防止することが可能である。また、ステップ208と209の実行にて、車速が閾値2以下のとき(接地荷重の変化による効果が有効に得られないとき)には、図3のステップ300〜900が実行されなくて、無用な作動を無くしてエネルギー消費を抑えることが可能であるとともに、当該装置の耐久性向上を図ることが可能である。
また、電気制御装置ECUのCPUが図3のステップ300にてタイヤ空気圧対応制御処理を実行するときには、図5に示したサブルーチンを実行する。具体的には、電気制御装置ECUのCPUがステップ301にて処理を開始し、ステップ302にて各輪タイヤ空気圧センサS4の検出信号から各車輪のタイヤ空気圧をそれぞれ検出して記憶する。このとき、各車輪のタイヤ空気圧が閾値3(例えば、150kPa程度の正常下限値)以上であると、電気制御装置ECUのCPUは、各ステップ303,304,305,306にてそれぞれ「No」と判定した後、ステップ307を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、左後輪のタイヤ空気圧以外の各車輪のタイヤ空気圧が閾値3以上であると、電気制御装置ECUのCPUは、各ステップ303,304,305にてそれぞれ「No」と判定し、ステップ306にて「Yes」と判定し、ステップ308にて左後輪の目標接地荷重値をゼロに設定し、ステップ309にてフラグFを「1」に設定した後、ステップ307を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、左右前輪のタイヤ空気圧が閾値3以上であり、左右後輪のタイヤ空気圧が閾値3未満であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ303,304にてそれぞれ「No」と判定し、ステップ305,310にてそれぞれ「Yes」と判定した後、ステップ307を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、右後輪のタイヤ空気圧以外の各車輪のタイヤ空気圧が閾値3以上であると、電気制御装置ECUのCPUは、各ステップ303,304にてそれぞれ「No」と判定し、ステップ305にて「Yes」と判定し、ステップ310にて「No」と判定し、ステップ311にて左後輪の目標接地荷重値を後両輪接地荷重値(図4のステップ212にて算出した接地荷重値)に設定し、ステップ312にてフラグFを「1」に設定した後、ステップ307を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、右前輪と左後輪のタイヤ空気圧が閾値3以上であり、左前輪のタイヤ空気圧が閾値3未満であると、電気制御装置ECUのCPUは、各ステップ303にて「No」と判定し、ステップ304にて「Yes」と判定し、ステップ313にて「No」と判定し、ステップ311にて左後輪の目標接地荷重値を上記した後両輪接地荷重値に設定し、ステップ312にてフラグFを「1」に設定した後、ステップ307を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、右前輪のタイヤ空気圧が閾値3以上であり、左前輪と左後輪のタイヤ空気圧が閾値3未満であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ303にて「No」と判定し、ステップ304,313にてそれぞれ「Yes」と判定した後、ステップ307を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、左右前輪のタイヤ空気圧が閾値3未満であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ303,314にてそれぞれ「Yes」と判定した後、ステップ307を実行し、図3のメインルーチンに戻る。また、このとき、右前輪のタイヤ空気圧が閾値3未満であり、左前輪のタイヤ空気圧が閾値3以上であり、右後輪のタイヤ空気圧が閾値3未満であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ303にて「Yes」と判定し、ステップ314にて「No」と判定し、ステップ315にて「Yes」と判定した後、ステップ307を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、右前輪のタイヤ空気圧が閾値3未満であり、左前輪と右後輪のタイヤ空気圧が閾値3以上であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ303にて「Yes」と判定し、ステップ314,315にてそれぞれ「No」と判定し、ステップ316にて左後輪の目標接地荷重値をゼロに設定し、ステップ317にてフラグFを「1」に設定した後、ステップ307を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、電気制御装置ECUのCPUが図3のステップ400にてVSC協調制御処理を実行するときには、図6に示したサブルーチンを実行する。具体的には、電気制御装置ECUのCPUがステップ401にて処理を開始し、ステップ402にてVSC制御信号(VSC制御中に電気制御装置ECU自体が出力する信号)を検出して記憶する。このとき、VSC制御が実行されていないと、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ403にて「No」と判定した後、ステップ404を実行し、図3のメインルーチンに戻る。また、VSC制御が実行されていると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ403にて「Yes」と判定した後、ステップ405にて各輪ブレーキ油圧センサS5の検出信号から各車輪のブレーキ油圧をそれぞれ検出して記憶する。
このとき、左右前輪のブレーキ油圧が閾値4(例えば、1MPa程度)以下であると、電気制御装置ECUのCPUは、各ステップ406,407にてそれぞれ「No」と判定した後、ステップ404を実行し、図3のメインルーチンに戻る。また、このとき、右前輪のブレーキ油圧が閾値4以下であり、左前輪のブレーキ油圧が閾値4より大きいと、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ406にて「No」と判定し、ステップ407にて「Yes」と判定し、ステップ408にて左後輪の目標接地荷重値をゼロに設定し、ステップ409にてフラグFを「1」に設定した後、ステップ404を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、右前輪のブレーキ油圧が閾値4より大きく、左後輪のブレーキ油圧が閾値5(例えば、0.5MPa程度)より大きく、右後輪のブレーキ油圧が閾値5以下であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ406にて「Yes」と判定し、ステップ410にて「Yes」と判定し、ステップ411にて「No」と判定し、ステップ408にて左後輪の目標接地荷重値をゼロに設定し、ステップ409にてフラグFを「1」に設定した後、ステップ404を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、右前輪のブレーキ油圧が閾値4より大きく、左右後輪のブレーキ油圧がそれぞれ閾値5より大きいと、電気制御装置ECUのCPUは、各ステップ406,411,412にてそれぞれ「Yes」と判定した後、ステップ404を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、右前輪のブレーキ油圧が閾値4より大きく、左後輪のブレーキ油圧が閾値5以下であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ406にて「Yes」と判定し、ステップ410にて「No」と判定し、ステップ412にて左後輪の目標接地荷重値を上記した後両輪接地荷重値に設定し、ステップ413にてフラグFを「1」に設定した後、ステップ404を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、電気制御装置ECUのCPUが図3のステップ500にてまたぎ路制動制御処理を実行するときには、図7に示したサブルーチンを実行する。具体的には、電気制御装置ECUのCPUがステップ501にて処理を開始し、ステップ502にて各輪ブレーキ油圧センサS5(図1参照)の検出信号から各車輪のブレーキ油圧をそれぞれ検出して記憶する。このとき、全てのブレーキ油圧がゼロであると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ503にて「Yes」と判定した後、ステップ504を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、少なくとも一つのブレーキ油圧がゼロでないと、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ503にて「No」と判定した後、ステップ505にて各車輪のスリップ率(各輪スリップ率)をそれぞれ算出して記憶し、ステップ506にて各車輪の接地荷重値(各輪接地荷重値)をそれぞれ算出して記憶し、ステップ507にて各車輪が接地している各路面の摩擦係数(各輪路面μ)をそれぞれ算出して記憶する。
上記した各輪スリップ率は、各車輪速センサS6(図1参照)の検出信号から得られる各車輪速と車速センサS1(図1参照)の検出信号から得られる車速からスリップ率=(車速−車輪速)/車速の関係式で算出される。また、上記した各輪ブレーキ力は、各輪ブレーキ油圧センサS5(図1参照)の検出信号から得られる各車輪のブレーキ油圧と各車輪に装着したブレーキ装置の諸元(ピストン面積、パッドμ、有効ブレーキ半径、タイヤ有効半径)からブレーキ力=ブレーキ油圧×ピストン面積×パッドμ×有効ブレーキ半径÷タイヤ有効半径の関係式で算出される。また、上記した各輪接地荷重値は、各懸架用油圧シリンダ11〜14に設けた各油圧センサPS1〜PS4(図1参照)の検出信号から得られる圧力と各懸架用油圧シリンダ11〜14の受圧面積を積算することにより算出される。また、上記した各輪路面μは、各輪スリップ率と各輪接地荷重値から図8のマップを参照して算出される。
ところで、各輪路面μを推定して記憶したとき、右前輪が接地している路面の摩擦係数(μ右前)と左前輪が接地している路面の摩擦係数(μ左前)との差が閾値6(例えば、0.1程度)以下であり、左前輪が接地している路面の摩擦係数(μ左前)と右前輪が接地している路面の摩擦係数(μ右前)との差が閾値6以下であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ508にて「No」と判定し、ステップ509にて「No」と判定した後、ステップ504を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、右前輪が接地している路面の摩擦係数(μ右前)と左前輪が接地している路面の摩擦係数(μ左前)との差が閾値6以下であり、左前輪が接地している路面の摩擦係数(μ左前)と右前輪が接地している路面の摩擦係数(μ右前)との差が閾値6より大きく、左前輪が接地している路面の摩擦係数(μ左前)と左後輪が接地している路面の摩擦係数(μ左後)との差が閾値7(例えば、0.1程度)以上であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ508にて「No」と判定し、ステップ509にて「Yes」と判定し、ステップ510にて「No」と判定し、ステップ511にて左後輪の目標接地荷重値を上記した後両輪接地荷重値に設定し、ステップ512にてフラグFを「1」に設定した後、ステップ504を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、右前輪が接地している路面の摩擦係数(μ右前)と左前輪が接地している路面の摩擦係数(μ左前)との差が閾値6以下であり、左前輪が接地している路面の摩擦係数(μ左前)と右前輪が接地している路面の摩擦係数(μ右前)との差が閾値6より大きく、左前輪が接地している路面の摩擦係数(μ左前)と左後輪が接地している路面の摩擦係数(μ左後)との差が閾値7より小さいと、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ508にて「No」と判定し、ステップ509にて「Yes」と判定し、ステップ510にて「Yes」と判定し、ステップ513にて左後輪の目標接地荷重値を上記した後両輪接地荷重値×μ右後/(μ右後+μ左後)に設定し、ステップ512にてフラグFを「1」に設定した後、ステップ504を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、右前輪が接地している路面の摩擦係数(μ右前)と左前輪が接地している路面の摩擦係数(μ左前)との差が閾値6より大きく、右前輪が接地している路面の摩擦係数(μ右前)と右後輪が接地している路面の摩擦係数(μ右後)との差が閾値7より小さいと、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ508にて「Yes」と判定し、ステップ514にて「Yes」と判定し、ステップ513にて左後輪の目標接地荷重値を後両輪接地荷重値×μ右後/(μ右後+μ左後)に設定し、ステップ512にてフラグFを「1」に設定した後、ステップ504を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、右前輪が接地している路面の摩擦係数(μ右前)と左前輪が接地している路面の摩擦係数(μ左前)との差が閾値6より大きく、右前輪が接地している路面の摩擦係数(μ右前)と右後輪が接地している路面の摩擦係数(μ右後)との差が閾値7以上であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ508にて「Yes」と判定し、ステップ514にて「No」と判定し、ステップ515にて左後輪の目標接地荷重値をゼロに設定し、ステップ512にてフラグFを「1」に設定した後、ステップ504を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、電気制御装置ECUのCPUが図3のステップ600にて車速感応・VGRS協調・制御速度制限処理を実行するときには、図9に示したサブルーチンを実行する。具体的には、電気制御装置ECUのCPUが、ステップ601にて処理を開始し、ステップ602にて車速センサS3(図1参照)の検出信号から車速を検出して記憶し、ステップ603にて車速からVGRSのギヤ比を取得して記憶し、ステップ604にて図10のマップを参照して上記した車速とVGRSのギヤ比に応じて目標ロール剛性前輪配分値を決定して記憶する。
このとき、車速が閾値9(例えば、60Km/h程度)より大きいと、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ605にて「Yes」と判定し、ステップ606にて目標ロール剛性前輪配分値を補正演算して記憶した後、ステップ607を実行し、図3のメインルーチンに戻る。上記したステップ606での目標ロール剛性前輪配分値の補正演算は、上記したステップ604の実行により得られた今回の目標ロール剛性前輪配分値と前回のステップ604の実行により得られた前回の目標ロール剛性前輪配分値を加算して1/2とする(平均値化する)ことにより行われる。
また、このとき、車速が閾値9以下であり、上記したステップ604の実行により得られた今回の目標ロール剛性前輪配分値が前回のステップ604の実行により得られた前回の目標ロール剛性前輪配分値以上であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ605にて「No」と判定し、ステップ608にて「No」と判定した後、ステップ607を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、このとき、車速が閾値9以下であり、上記したステップ604の実行により得られた今回の目標ロール剛性前輪配分値が前回のステップ604の実行により得られた前回の目標ロール剛性前輪配分値より小さいと、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ605にて「No」と判定し、ステップ608にて「Yes」と判定し、ステップ606にて今回の目標ロール剛性前輪配分値を補正演算して記憶した後、ステップ607を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、電気制御装置ECUのCPUが図3のステップ700にてヨーレイト制御処理を実行するときには、図11に示したサブルーチンを実行する。具体的には、電気制御装置ECUのCPUが、ステップ701にて処理を開始し、ステップ702にて車速センサS3(図1参照)の検出信号から車速を検出して記憶し、ステップ703にてステアリング角度センサS2(図1参照)の検出信号からステアリング角度を検出して記憶し、ステップ704にて目標ヨーレイトを演算する。この目標ヨーレイトは、上記した車速とステアリング角度から目標ヨーレイト=車速×ステアリング角度×定数の関係式で演算される。
また、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ705にてヨーレイトセンサS7(図1参照)の検出信号から実際のヨーレイト(実ヨーレイト)を検出して記憶し、ステップ706にてヨーレイトの偏差、すなわち、目標ヨーレイトと実ヨーレイトの差を演算して記憶する。このとき、偏差の絶対値が閾値8(例えば、0.1deg/s程度)より大きいと、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ707にて「Yes」と判定し、ステップ708にて図12のマップを参照してヨーレイトの偏差に応じて目標ロール剛性前輪配分値を補正した後、ステップ709を実行し、図3のメインルーチンに戻る。また、このとき、偏差の絶対値が閾値8以下であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ707にて「No」と判定した後、ステップ709を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
また、電気制御装置ECUのCPUが図3のステップ800にてアクチュエータ目標差圧演算処理を実行するときには、図13に示したサブルーチンを実行する。具体的には、電気制御装置ECUのCPUがステップ801にて処理を開始し、ステップ802にてフラグFが「1」か否かを判定する。このとき、フラグFが「1」であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ802にて「Yes」と判定し、ステップ803,804,805を実行した後、ステップ806を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
上記したステップ803では、電気制御装置ECUのCPUが、図5〜図7に示したサブルーチンの実行により得られた左後輪の目標接地荷重値とこの時点での左後輪の実際の接地荷重値(左後輪の懸架用油圧シリンダ13に設けた油圧センサPS3(図1参照)の検出信号から得られる圧力と懸架用油圧シリンダ13の受圧面積を積算することにより算出される実接地荷重値)の偏差を算出して記憶する。
また、上記したステップ804では、電気制御装置ECUのCPUが、上記したステップ803にて算出した偏差を解消するに必要な目標アクチュエータ推力(アクチュエータ58のロッド58cに与える軸方向の力)を目標アクチュエータ推力=偏差×定数の関係式で算出して記憶し、ステップ805では、目標アクチュエータ推力から目標アクチュエータ差圧(アクチュエータ58における両油室R1,R2間の差圧)を算出して記憶する。
また、上記したステップ802の実行時にフラグFが「0」であると、電気制御装置ECUのCPUは、ステップ802にて「No」と判定し、ステップ807,808,809を実行した後、上記したステップ805,806を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
上記したステップ807では、電気制御装置ECUのCPUが、横加速度センサS8(図1参照)の検出信号から実際の横加速度を検出して記憶し、ステップ808では実際の横加速度と車両の諸元(車両ばね上質量、重心高、トレッド)から左右の荷重移動量を荷重移動量=車両ばね上質量×横加速度×重心高÷トレッドの関係式で推定する。また上記したステップ809では、電気制御装置ECUのCPUが、図9または図11に示したサブルーチンの実行により得られた目標ロール剛性前輪配分値と上記ステップ808にて得られる左右の荷重移動量と懸架用油圧シリンダ11〜14のピストンロッド受圧面積と接地荷重変更装置50のピストン51a〜54aの受圧面積から目標アクチュエータ推力を目標アクチュエータ推力=(目標ロール剛性前輪配分値×2−1)×(左右の荷重移動量)×(接地荷重変更装置50のピストン面積)÷(懸架用油圧シリンダのピストンロッド受圧面積)の関係式で算出して記憶する。
また、電気制御装置ECUのCPUが図3のステップ900にてモータ制御処理を実行するときには、図14に示したサブルーチンを実行する。具体的には、電気制御装置ECUのCPUがステップ901にて処理を開始し、ステップ902〜906を実行した後、ステップ907を実行し、図3のメインルーチンに戻る。
上記したステップ902では、電気制御装置ECUのCPUが、各油圧センサPS5,PS6(図1参照)の検出信号からアクチュエータ58における各油室R1,R2の実際の油圧を検出して記憶し、上記したステップ903では各油室R1,R2の実際の油圧の差(実差圧)を演算して記憶する。また、上記したステップ904では、電気制御装置ECUのCPUが、図12のステップ805にて得られた目標差圧と上記ステップ903にて得られた実差圧との偏差を演算して記憶し、上記したステップ905では目標差圧と実差圧との偏差に応じて電動モータ62のモータ電流(駆動方向と駆動力)をモータ電流=偏差×定数の関係式で演算して記憶する。また、上記したステップ906では、電気制御装置ECUのCPUが、電動モータ62の駆動回路70に上記ステップ905にて得られたモータ電流での駆動信号を出力する。
以上の説明から明らかなように、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、例えば、全ての車輪のタイヤ空気圧が正常値(閾値3以上である値)である状態から左後輪RLのタイヤ空気圧が閾値3より小さくなったときには、図5のサブルーチンにてステップ302,303,304,305,306,308,309が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、図15の(a),(b)にて示したように、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図15の(a)の状態から(b)の状態に向けて押圧されて、左右前輪では右前輪FRから左前輪FLに接地荷重を移動することができるとともに、左右後輪では左後輪RLから右後輪RRに接地荷重を移動することができる。したがって、タイヤ空気圧が閾値3より小さくなった左後輪RLの接地荷重を低くして、左後輪RLに装着されているタイヤのダメージを低減することが可能である。なお、図15では各車輪FL,FR,RL,RRに合わせて各接地荷重の大きさを円の大きさで表示した。
なお、右前輪FRのタイヤ空気圧が閾値3より小さくなったときには、図5のサブルーチンにてステップ302,303,314,315,316,317が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、上記した作動と同様の作動を得ることが可能であり、タイヤ空気圧が閾値3より小さくなった右前輪FRの接地荷重を低くして、右前輪FRに装着されているタイヤのダメージを低減することが可能である。
一方、右後輪RRのタイヤ空気圧が閾値3より小さくなったときには、図5のサブルーチンにてステップ302,303,304,305,310,311,312が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、図15の(a),(c)にて示したように、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図15の(a)の状態から(c)の状態に向けて押圧されて、左右前輪では左前輪FLから右前輪FRに接地荷重を移動することができるとともに、左右後輪では右後輪RRから左後輪RLに接地荷重を移動することができる。したがって、タイヤ空気圧が閾値3より小さくなった右後輪RRの接地荷重を低くして、右後輪RRに装着されているタイヤのダメージを低減することが可能である。
なお、左前輪FLのタイヤ空気圧が閾値3より小さくなったときには、図5のサブルーチンにてステップ302,303,304,313,311,312が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、上記した作動と同様の作動を得ることが可能であり、タイヤ空気圧が閾値3より小さくなった左前輪FLの接地荷重を低くして、左前輪FLに装着されているタイヤのダメージを低減することが可能である。
また、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、例えば、右旋回時のVSC制御中にて後輪横滑りが発生し、右前輪FRのブレーキ油圧が閾値4以下で左前輪FLのブレーキ油圧が閾値4より大きくなったときには、図6のサブルーチンにてステップ402,403,405,406,407,408,409が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図16の(b)の状態に向けて押圧されて、左前輪FLと右後輪RRに接地荷重を移動することができる。したがって、左前輪FLのブレーキ力が増加し、後輪の横滑り量を低減することが可能である。なお、図16では各車輪FL,FR,RL,RRに合わせて各接地荷重の大きさを円の大きさで表示した。
また、左旋回時のVSC制御中にて前輪横滑りが発生し、右前輪FRのブレーキ油圧が閾値4より大きく、左後輪RLのブレーキ油圧が閾値5より大きく、右後輪RRのブレーキ油圧が閾値5以下となったときには、図6のサブルーチンにてステップ402,403,405,406,410,411,408,409が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図17の(b)の状態に向けて押圧されて、左前輪FLと右後輪RRに接地荷重を移動することができる。したがって、ロール剛性配分が後よりとなって、オーバーステア傾向となるため、前輪の横滑り量を低減することが可能である。なお、図17では各車輪FL,FR,RL,RRに合わせて各接地荷重の大きさを円の大きさで表示した。
また、左旋回時のVSC制御中にて後輪横滑りが発生し、右前輪FRのブレーキ油圧が閾値4より大きく、左後輪RLのブレーキ油圧が閾値5以下となったときには、図6のサブルーチンにてステップ402,403,405,406,410,412,413が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図17の(c)の状態に向けて押圧されて、右前輪FRと左後輪RLに接地荷重を移動することができる。したがって、右前輪FRのブレーキ力が増加し、後輪の横滑り量を低減することが可能である。
また、右旋回時のVSC制御中にて前輪横滑りが発生し、右前輪FRのブレーキ油圧が閾値4より大きく、左後輪RLのブレーキ油圧が閾値5以下となったときには、図6のサブルーチンにてステップ402,403,405,406,410,412,413が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図16の(c)の状態に向けて押圧されて、右前輪FRと左後輪RRに接地荷重を移動することができる。したがって、ロール剛性配分が後よりとなって、オーバーステア傾向となるため、前輪の横滑り量を低減することが可能である。
また、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、例えば、またぎ路での制動制御中において、左前輪FLのみ高μ路面上にあるときには、図7のサブルーチンにてステップ502,503,505,506,507,508,509,510,511,512が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図15の(a)の状態から(c)の状態に向けて押圧されて、右前輪FRと左後輪RLに接地荷重を移動することができて、左前輪FLの接地荷重を低減することができる。したがって、左前輪FLのブレーキ力を低減して、ヨーモーメントアンバランスによるスピンを回避することが可能である。
また、またぎ路での制動制御中において、前後の左輪が高μ、前後の右輪が低μ路面上にあるときには、図7のサブルーチンにてステップ502,503,505,506,507,508,509,510,513,512が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図15の(b)の状態に向けて押圧されて、左前輪FLと右後輪RRに接地荷重を移動することができて、右後輪RRの接地荷重を高めることができる。したがって、後輪での路面μと接地荷重の積を左右で等しくすることができて、後輪での制動力を最大化することが可能である。
また、またぎ路での制動制御中において、前後の右輪が高μ、前後の左輪が低μ路面上にあるときには、図7のサブルーチンにてステップ502,503,505,506,507,508,514,513,512が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図15の(c)の状態に向けて押圧されて、右前輪FRと左後輪RLに接地荷重を移動することができて、左後輪RLの接地荷重を高めることができる。したがって、後輪での路面μと接地荷重の積を左右で等しくすることができて、後輪での制動力を最大化することが可能である。
また、またぎ路での制動制御中において、右前輪FRのみ高μ路面上にあるときには、図7のサブルーチンにてステップ502,503,505,506,507,508,514,515,512が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,803,804,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図15の(b)の状態に向けて押圧されて、左前輪FLと右後輪RRに接地荷重を移動することができて、右前輪FRの接地荷重を低減することができる。したがって、右前輪FRのブレーキ力を低減して、ヨーモーメントアンバランスによるスピンを回避することが可能である。
また、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、例えば、右旋回で車速が閾値9より大きくなったときには、図9のサブルーチンにてステップ602,603,604,605,606が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,807,808,809,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図16の(b)の状態に向けて押圧されて、左前輪FL(旋回外側前輪)と右後輪RR(旋回内側後輪)に接地荷重を移動することができる。したがって、このときには、ロール剛性配分が前よりとなって、アンダーステア傾向となるため、車両の安定性を高めることが可能である。また、このときには、ステップ606の実行により制御速度を遅くして挙動の変化を小さくすることが可能である。
また、車速が閾値9以下での右旋回中にて、VGRSのギヤ比が小さくなる、または、車速が低下するときには、図9のサブルーチンにてステップ602,603,604,605,608,606が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,807,808,809,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図16の(c)の状態に向けて押圧されて、右前輪FR(旋回内側前輪)と左後輪RL(旋回外側後輪)に接地荷重を移動することができる。したがって、このときには、ロール剛性配分が後よりとなって、オーバーステア傾向となるため、操縦性を高めることが可能である。また、このときには、ステップ606の実行により制御速度を遅くして挙動の変化を小さくすることが可能である。
また、車速が閾値9以下での右旋回中にて、VGRSのギヤ比が大きくなる、または、車速が上昇するときには、図9のサブルーチンにてステップ602,603,604,605,608が実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,807,808,809,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図16の(b)の状態に向けて押圧されて、左前輪FL(旋回外側前輪)と右後輪RR(旋回内側後輪)に接地荷重を移動することができる。したがって、このときには、ロール剛性配分が前よりとなって、アンダーステア傾向となるため、車両の安定性を高めることが可能である。また、このときには、ステップ606が実行されないため、制御速度を速くして制御の効果を高めることが可能である。
また、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、例えば、右旋回時において目標ヨーレイトと実ヨーレイトの偏差の絶対値が閾値8より大きくなったときには、図11のサブルーチンにて全てのステップが実行され、図13のサブルーチンにてステップ802,807,808,809,805が実行され、図14のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、電動モータ62が図14のステップ905にて得られたモータ電流(駆動方向と駆動力)で駆動される。
このため、このときに実ヨーレイトが目標ヨーレイトより大きいときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図16の(b)の状態に向けて押圧されて、左前輪FL(旋回外側前輪)と右後輪RR(旋回内側後輪)に接地荷重を移動することができる。したがって、このときには、前輪のロール剛性配分が大きくなって、アンダーステア傾向となることで、実ヨーレイトを目標ヨーレイトに近づけることが可能である。
また、このときに実ヨーレイトが目標ヨーレイトより小さいときには、接地荷重変更装置50の連結ロッド55がアクチュエータ58により図16の(c)の状態に向けて押圧されて、右前輪FR(旋回内側前輪)と左後輪RL(旋回外側後輪)に接地荷重を移動することができる。したがって、このときには、後輪のロール剛性配分が大きくなって、オーバーステア傾向となることで、実ヨーレイトを目標ヨーレイトに近づけることが可能である。
また、この第1実施形態においては、接地荷重変更装置50とアクチュエータ58間に、減衰手段としてのショックアブソーバ57と、弾性手段としてのコイルスプリング56が介装してある。このため、接地荷重制御シリンダ51〜54の作動をコイルスプリング56とショックアブソーバ57により常に許容して制御することが可能であり、路面からの振動入力をコイルスプリング56とショックアブソーバ57にて吸収して、乗り心地を向上させることが可能である。なお、接地荷重変更装置50とアクチュエータ58間に、減衰手段としてのショックアブソーバ57と、弾性手段としてのコイルスプリング56を介装しないで実施することも可能である。
また、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、車体のバウンシング時に、バウンシング抑制器20が作動して、車体のバウンシングが制御される。このときには、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14が略同じ作動(圧縮作動)をするため、各ポート11a,12a,13a,14aから配管P1,P2,P3,P4を介して各制御シリンダ21〜24、31〜34および41〜44に略同じ油圧(高油圧)が供給される。
ところで、このときには、ローリング抑制器30とピッチング抑制器40の各制御シリンダ31,34、32,33と41,44、42,43にて油圧がバランスしていて、各ピストン31a,34a、32a,33aと41a,44a、42a,43aは作動しない。一方、バウンシング抑制器20では、ピストン21a,22a,23a,24aがアキュムレータ25と可変絞り26の作用下にて作動し、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14の作動、すなわち車体のバウンシングを抑制するとともに路面からの衝撃を緩衝する。
また、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、車体のローリング時に、ローリング抑制器30が作動して、車体のローリングが制御される。このとき(例えば、車両の左旋回時)には、右側の両懸架用油圧シリンダ12,14が略同じ作動(圧縮作動)をするとともに、左側の両懸架用油圧シリンダ11,13が略同じ作動(伸張作動)をするため、右側の両懸架用油圧シリンダ12,14の各ポート12a,14aから配管P2,P4を介して各制御シリンダ22,24、32,34および42,44に略同じ油圧(高油圧)が供給されるとともに、各制御シリンダ21,23、31,33および41,43から配管P1,P3を介して左側の両懸架用油圧シリンダ11,13の各ポート11a,13aに略同じ油圧(低油圧)が供給される。
ところで、このときには、バウンシング抑制器20とピッチング抑制器40の各制御シリンダ21,24、22,23と41,44、42,43にて油圧がバランスして各ピストン21a,24a、22a,23aと41a,44a、42a,43aは作動しない。一方、ローリング抑制器30では、連結ロッド35にて連結されているピストン31a,34aと32a,33aがコイルスプリング36とショックアブソーバ37の作用下にて作動し、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14の作動、すなわち車体のローリングを抑制する。
また、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、車体のピッチング時に、ピッチング抑制器40が作動して、車体のピッチングが制御される。このとき(例えば、車両のダイブ時)には、前側の両懸架用油圧シリンダ11,12が略同じ作動(圧縮作動)をするとともに、後側の両懸架用油圧シリンダ13,14が略同じ作動(伸張作動)をするため、前側の両懸架用油圧シリンダ11,12の各ポート11a,12aから配管P1,P2を介して各制御シリンダ21,22、31,32および41,42に略同じ油圧(高油圧)が供給されるとともに、各制御シリンダ23,24、33,34および43,44から配管P3,P4を介して後側の両懸架用油圧シリンダ13,14の各ポート13a,14aに略同じ油圧(低油圧)が供給される。
ところで、このときには、バウンシング抑制器20とローリング抑制器30の各制御シリンダ21,24、22,23と31,34、32,33にて油圧がバランスして各ピストン21a,24a、22a,23aと31a,34a、32a,33aは作動しない。一方、ピッチング抑制器40では、連結ロッド45にて連結されているピストン41a,44aと42a,43aがコイルスプリング46とショックアブソーバ47の作用下にて作動し、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14の作動、すなわち車体のピッチングを抑制する。
また、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、不整地での車両の捩れ入力時、右前と左後の両懸架用油圧シリンダ12,13が略同じ作動(圧縮作動)をするとともに、左前と右後の両懸架用油圧シリンダ11,14が略同じ作動(伸張作動)をするため、両懸架用油圧シリンダ12,13の各ポート12a,13aから配管P2,P3を介して各制御シリンダ22,23、32,33および42,43に略同じ油圧(図1に示したときと同じ中立油圧)が供給されるとともに、各制御シリンダ21,24、31,34および41,44から配管P1,P4を介して両懸架用油圧シリンダ11,14の各ポート11a,14aに略同じ油圧(中立油圧)が供給される。
ところで、この状態では、ローリング抑制器30とピッチング抑制器40の各制御シリンダ31,34、32,33と41,44、42,43にて油圧がバランスしていて、各ピストン31a,34a、32a,33aと41a,44a、42a,43aは作動しない。一方、バウンシング抑制器20では、各制御シリンダ22,23に作動油が供給されるとともに、各制御シリンダ21,24から作動油が排出されて、各ピストン21a,24aと22a,23aが同方向に作動するものの、作動量が略等しいため、バウンシング抑制器20は実質的に機能しない(各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14の作動を抑制しない)。
以上の説明から明らかなように、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14の作動を、アキュムレータ25(ばね要素)と可変絞り26(減衰要素)を備えるバウンシング抑制器20と、コイルスプリング36(ばね要素)とショックアブソーバ37(減衰要素)を備えるローリング抑制器30と、コイルスプリング46(ばね要素)とショックアブソーバ47(減衰要素)を備えるピッチング抑制器40が独立して抑制する構成であり、各抑制器20,30,40の抑制機能を特定する各ばね要素と各減衰要素の特性は別個に独立して設定することが可能である。したがって、車体の各挙動(バウンシング、ローリング、ピッチング)に適した特性を独立に設定することができて、各挙動をそれぞれ最適に抑制することが可能である。
また、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、前後左右の各車輪に対応して装着された各懸架用油圧シリンダ11〜14の単一ポート11a〜14aを配管P1〜P4で接続することにより油圧回路を構成することが可能であり、油圧回路をシンプルかつ安価に構成することが可能である。
また、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、バウンシング抑制器20に加えて、ローリング抑制器30とピッチング抑制器40が設けてあるため、車体のヒーブ方向の挙動(バウンシング)を効果的に抑制することができるとともに、車体のロール方向の挙動(ローリング)およびピッチ方向の挙動(ピッチング)をも効果的に抑制することができる。
また、この第1実施形態の車両用サスペンション装置においては、バウンシング抑制器20における油圧室25の油圧を増減制御可能なアクチュエータを設ける、またはローリング抑制器30におけるコイルスプリング36のばね力を増減制御可能なアクチュエータ(図2の仮想線参照)を設ける、或いはピッチング抑制器40におけるコイルスプリング46のばね力を増減制御可能なアクチュエータ(図2の仮想線参照)を設けることで、車体の姿勢をアクティブに制御することが可能である。
上記した第1実施形態においては、本発明による車両用接地荷重制御装置が、図1および図2に示したように、接地荷重変更装置50を備えるとともに、この接地荷重変更装置50におけるアクチュエータ58の作動を電気制御装置ECUの制御下にて制御する油圧制御装置60を備える構成として実施したが、図18および図19に示した第2実施形態のように、本発明による車両用接地荷重制御装置が、左右前輪の各懸架用油圧シリンダ11,12からの油圧を受けて差圧によって動作する一方の接地荷重制御用油圧シリンダ81と、左右後輪の各懸架用油圧シリンダ13,14からの油圧を受けて差圧によって動作する他方の接地荷重制御用油圧シリンダ82と、これらの接地荷重制御用油圧シリンダ81,82の各ピストンロッド81b,82bに作用する軸力の比率をこれら両ピストンロッド81b,82bに連結されるアーム83の支点位置を変更することにより変更可能な軸力比率可変機構84と、アーム83の支点位置を電気制御装置ECUの制御下にて変更可能なアクチュエータ85からなる接地荷重変更装置80を備える構成として実施することも可能である。
一方の接地荷重制御用油圧シリンダ81は、軸方向へ摺動可能なピストン81aによって内部を二つの油室に区画されていて、これら各油室は各懸架用油圧シリンダ11,12のポート11a,12aに配管P1,P2を介してそれぞれ接続されている。また、ピストン81aと一体のピストンロッド81bは、シリンダ外に延出していて、アーム83の一端にて一方の長孔83aに沿って摺動可能に連結されている。
他方の接地荷重制御用油圧シリンダ82は、軸方向へ摺動可能なピストン82aによって内部を二つの油室に区画されていて、これら各油室は各懸架用油圧シリンダ13,14のポート13a,14aに配管P3,P4を介してそれぞれ接続されている。また、ピストン82aと一体のピストンロッド82bは、シリンダ外に延出していて、その一端をアーム83の他端に回動可能に連結されている。なお、ピストンロッド82bの他端は、ロックシリンダ86のロッド86aに連結されている。
軸力比率可変機構84は、アーム83の長手方向に沿って移動可能な移動台84aと、この移動台84aの中間部位に組付けた連結軸84bと、この連結軸84bに設けたナット部(図示省略)に螺合連結したネジ軸84cを備えている。移動台84aは、固定部に設けたガイド孔84dに移動可能に組付けられていて、アーム83の他方の長孔83bに沿って摺動可能に連結されている。
アクチュエータ85は、軸力比率可変機構84のネジ軸84cを回転駆動して移動台84aをガイド孔84dに沿って移動させることにより、アーム83の支点位置を変更する電動モータであって、その作動(回転方向・回転数)は図18に示した電気制御装置ECU2によって制御されるようになっており、電気制御装置ECU2からの駆動信号は駆動回路71を介して与えられるようになっている。
ロックシリンダ86は、ピストンロッド82bの軸方向移動を規制・許容するためのものであり、そのピストン86bによって区画された油室が2ポート2位置開閉弁87を通して連通・遮断されるようになっている。2ポート2位置開閉弁87は、電気制御装置ECU2によって駆動回路71を介して開閉作動を制御されるようになっており、開状態ではピストンロッド82bの軸方向移動を許容し、閉状態ではピストンロッド82bの軸方向移動を規制するようになっている。
電気制御装置ECU2は、各油圧センサPS1〜PS4と駆動回路71に電気的に接続されるとともに、モータ電流センサS1、ステアリング角度センサS2、車速センサS3、各輪ブレーキ油圧センサS5、各車輪速センサS6、ヨーレイトセンサS7、横加速度センサS8等に電気的に接続されている。
また、電気制御装置ECU2は、CPU、ROM、RAM、インターフェース等を有するマイクロコンピュータを備えていて、イグニッションスイッチ(図示省略)がONとされている状態のときに、電気制御装置ECU2のCPUが図20のフローチャートに対応した制御プログラムを所定の演算周期(例えば、8msec)毎に繰り返し実行して、アクチュエータ85と2ポート2位置開閉弁87の作動を制御する。
また、この電気制御装置ECU2は、車両の旋回時にアンダーステアとオーバーステアを抑制する公知のVSC装置(ビークルスタビリティコントロール装置)のVSC制御中にVSC制御信号を出力するようになっている。また、この電気制御装置ECU2は、車速に応じてステアリングギヤ比を可変とする公知のステアリングギヤ比可変機構(VGRS)の作動を制御可能に構成されている。
上記のように構成したこの第2実施形態の車両用サスペンション装置においては、イグニッションスイッチがONとされている状態のとき、各センサからの信号に基づいて電気制御装置ECU2のCPUがアクチュエータ85の作動を制御して、前後左右の各車輪FL,FR,RL,RRの接地荷重を制御する。
この接地荷重の制御は、電気制御装置ECU2のCPUが図20に示したメインルーチンを所定の演算周期(例えば、8msec)毎に繰り返し実行することにより行われ、電気制御装置ECU2のCPUは、図20のステップ101Aにて処理を開始し、ステップ200Aにて制御有無判定・初期化処理を実行し、ステップ400AにてVSC協調制御処理を実行し、ステップ600Aにて車速感応・VGRS協調・制御速度制限処理を実行し、ステップ700Aにてヨーレイト制御処理を実行し、ステップ800Aにて目標支点位置演算処理を実行し、ステップ900Aにてモータ制御処理を実行し、ステップ102Aにて処理を一旦終了する。
電気制御装置ECU2のCPUが図20のステップ200Aにて制御有無判定・初期化処理を実行するときには、図21に示したサブルーチンを実行する。具体的には、電気制御装置ECU2のCPUがステップ251にて処理を開始し、ステップ252にてフラグFを「0」に設定し、ステップ253にてアクチュエータ85(電動モータ)の電気抵抗値Rを測定し記憶する。この電気抵抗値Rは、アクチュエータ85に微電流を流すことでモータ電流センサS1の検出信号から測定され、アクチュエータ85が断線していて通電不能のときには、設定値Roより大きな値となる。
このため、アクチュエータ85が断線しているとき(失陥時)には、電気制御装置ECU2のCPUが、ステップ254にて「Yes」と判定し、ステップ255にて2ポート2位置開閉弁87を閉鎖状態とする閉鎖信号を駆動回路71に出力した後、図20のステップ102Aに戻って、ステップ102Aにて処理を一旦終了する。したがって、アクチュエータ85が断線していて、アクチュエータ85の作動が制御され得ないときには、ロックシリンダ86が2ポート2位置開閉弁87によって油圧的にロックされて、接地荷重変更装置80の作動が不能とされる。一方、アクチュエータ85が断線していないときには、電気制御装置ECU2のCPUが、ステップ254にて「No」と判定した後、ステップ256を実行し、図20のメインルーチンに戻る。
また、電気制御装置ECU2のCPUが図20のステップ800Aにて目標支点位置演算処理を実行するときには、図22に示したサブルーチンを実行する。具体的には、電気制御装置ECU2のCPUがステップ851にて処理を開始し、ステップ852にてフラグFを確認して、フラグFが「0」のときには、ステップ853を実行した後、ステップ854を実行し、図20のメインルーチンに戻る。なお、ステップ853では、移動台84aの後輪用シリンダ側端部位置(図24(b)の位置)をゼロ点とし前輪用シリンダ側端部位置(図24(c)の位置)を100として、その間の長さ(全ストローク)と目標ロール剛性前輪配分量から演算式に基づいて目標支点位置が算出されて設定される。
また、フラグFが「1」で横加速度が左向きで左後輪の目標接地荷重がゼロであるときには、ステップ855,856,857,858を実行した後、ステップ854を実行し、図20のメインルーチンに戻る。また、フラグFが「1」で横加速度が左向きで左後輪の目標接地荷重がゼロでないときには、ステップ855,856,857,859を実行した後、ステップ854を実行し、図20のメインルーチンに戻る。
また、フラグFが「1」で横加速度が右向きで左後輪の目標接地荷重がゼロであるときには、ステップ855,856,860,859を実行した後、ステップ854を実行し、図20のメインルーチンに戻る。また、フラグFが「1」で横加速度が右向きで左後輪の目標接地荷重がゼロでないときには、ステップ855,856,860,861を実行した後、ステップ854を実行し、図20のメインルーチンに戻る。
また、電気制御装置ECU2のCPUが図20のステップ900Aにてモータ制御処理を実行するときには、図23に示したサブルーチンを実行する。具体的には、電気制御装置ECU2のCPUがステップ951にて処理を開始し、ステップ952,953,954,955を実行した後、ステップ956を実行し、図20のメインルーチンに戻る。
なお、電気制御装置ECU2のCPUが図20のステップ400AにてVSC協調制御処理を実行するときには、上記第1実施形態の図6に示したサブルーチンと実質的に同じサブルーチンを実行する。また、電気制御装置ECU2のCPUが図20のステップ600Aにて処理を実行するときには、上記第1実施形態の図9に示したサブルーチンと実質的に同じサブルーチンを実行する。また、電気制御装置ECU2のCPUが図20のステップ700Aにてヨーレイト制御処理を実行するときには、上記第1実施形態の図11に示したサブルーチンと実質的に同じサブルーチンを実行する。このため、図20の各ステップ400A,600A,700Aにて実行されるサブルーチンの説明は省略する。
以上の説明から明らかなように、この第2実施形態の車両用サスペンション装置においては、例えば、左旋回時のVSC制御中にて前輪横滑りが発生し、右前輪FRのブレーキ油圧が閾値4より大きく、左後輪RLのブレーキ油圧が閾値5より大きく、右後輪RRのブレーキ油圧が閾値5以下となったときには、図6のサブルーチンと同様のサブルーチンにて図6の各ステップ402,403,405,406,410,411,408,409と同様の各ステップが実行され、図22のサブルーチンにてステップ852,855,856,857,858が実行され、図23のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、アクチュエータ(電動モータ)85がステップ954の演算によって得られた駆動パルスパターンに従って通電されて駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置80の移動台84aがアクチュエータ85により図24の(b)の状態に向けて押圧されて、左前輪FLと右後輪RRに接地荷重を移動することができる。したがって、ロール剛性配分が後よりとなって、オーバーステア傾向となるため、前輪の横滑り量を低減することが可能である。なお、図24では各車輪FL,FR,RL,RRに合わせて各接地荷重の大きさを円の大きさで表示した。
また、左旋回時のVSC制御中にて後輪横滑りが発生し、右前輪FRのブレーキ油圧が閾値4より大きく、左後輪RLのブレーキ油圧が閾値5以下となったときには、図6のサブルーチンと同様のサブルーチンにて図6のステップ402,403,405,406,410,412,413が実行され、図22のサブルーチンにてステップ852,855,856,857,859が実行され、図23のサブルーチンにて全てのステップが実行されて、アクチュエータ(電動モータ)85がステップ954の演算によって得られた駆動パルスパターンに従って通電されて駆動される。
このため、このときには、接地荷重変更装置80の移動台84aがアクチュエータ85により図24の(c)の状態に向けて押圧されて、右前輪FRと左後輪RLに接地荷重を移動することができる。したがって、右前輪FRのブレーキ力が増加し、後輪の横滑り量を低減することが可能である。
なお、この第2実施形態によって得られるその他の具体的な作動およびその効果は、上記した第1実施形態の具体的な作動および効果と上記した第2実施形態の具体的な作動および効果の記載内容から容易に理解されると思われるため、その説明は省略する。
上記各実施形態においては、バウンシング抑制器20、ローリング抑制器30およびピッチング抑制器40を備える構成として本発明を実施したが、図25に示したように、バウンシング抑制器20、ローリング抑制器30およびピッチング抑制器40を備えない構成とし、かつ各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14にアキュムレータ90と減衰弁91をそれぞれ設けて実施することも可能である。
また、上記各実施形態においては、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14が前後左右の各車輪FL,FR,RL,RRの接地荷重の全部をそれぞれ分担するようになっている実施形態に本発明を実施したが、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14に対して補助スプリングがそれぞれ並列的に設けられていて、各懸架用油圧シリンダ11,12,13,14と各補助スプリングにて前後左右の各車輪FL,FR,RL,RRの接地荷重をそれぞれ分担するようになっている実施形態(各補助スプリングが各車輪FL,FR,RL,RRの接地荷重の一部をそれぞれ分担する実施形態)にも本発明を実施することが可能である。
また、本発明の実施に際して、路面からの振動入力が過大であるときに接地荷重制御用油圧シリンダの作動を不能とするように制御プログラムを設定すれば、アクチュエータの要求出力を減少させて、アクチュエータの体格とアクチュエータでの消費エネルギーを低減することが可能である。
本発明による車両用接地荷重制御装置を含む車両用サスペンション装置の第1実施形態を概略的に示した構成図である。 図1に示した機械系構成の拡大図である。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行するメインルーチンを示すフローチャートである。 図3のステップ200にて実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。 図3のステップ300にて実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。 図3のステップ400にて実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。 図3のステップ500にて実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。 スリップ率と接地荷重と路面μとの関係を示すマップである。 図3のステップ600にて実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。 車速、ギヤ比とロール剛性配分(前輪)との関係を示すマップである。 図3のステップ700にて実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。 ヨーレイトの偏差とロール剛性配分(前輪)との関係を示すマップである。 図3のステップ800にて実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。 図3のステップ900にて実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。 第1実施形態において車両の直進状態にて接地荷重が制御されるときの作動説明図である。 第1実施形態において車両の右旋回状態にて接地荷重が制御されるときの作動説明図である。 第1実施形態において車両の左旋回状態にて接地荷重が制御されるときの作動説明図である。 本発明による車両用接地荷重制御装置を含む車両用サスペンション装置の第2実施形態を概略的に示した構成図である。 図18に示した機械系構成の拡大図である。 図18に示した電気制御装置のCPUが実行するメインルーチンを示すフローチャートである。 図20のステップ200Aにて実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。 図20のステップ800Aにて実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。 図20のステップ900Aにて実行されるサブルーチンを示すフローチャートである。 第2実施形態において車両の左旋回状態にて接地荷重が制御されるときの作動説明図である。 本発明による車両用接地荷重制御装置における機械系構成の変形実施形態を概略的に示した構成図である。
符号の説明
11,12,13,14…懸架用油圧シリンダ、11a,12a,13a,14a…ポート、20…バウンシング抑制器、26…アキュムレータ、27…可変絞り(減衰弁)、30…ローリング抑制器、40…ピッチング抑制器、50…接地荷重変更装置、50A,50B…接地荷重制御シリンダ、58…アクチュエータ、60…油圧制御装置、61…ポンプ、62…電動モータ、63…4ポート2位置切換弁、64…2ポート2位置開閉弁、P1,P2,P3,P4…配管、S1…モータ電流センサ、S2…ステアリング角度センサ、S3…車速センサ、S4…各輪タイヤ空気圧センサ、S5…各輪ブレーキ油圧センサ、S6…各車輪速センサ、S7…ヨーレイトセンサ、S8…横加速度センサ、PS1〜PS6…油圧センサ、ECU…電気制御装置。

Claims (1)

  1. 前後左右の各車輪の接地荷重をそれぞれ分担する前後左右の荷重分担手段と、これら各荷重分担手段が分担する接地荷重を作動によってそれぞれ変更可能な荷重変更手段と、車両状態を検知する車両状態検知手段と、この車両状態検知手段からの検出信号に応じて前記荷重変更手段の作動を制御する制御手段を備えてなる車両用接地荷重制御装置において、前記荷重変更手段として、何れか一方の組の対角輪の各接地荷重と他方の組の対角輪の各接地荷重とを互いに反対の増減方向で変更し、かつ、各対角輪内での各接地荷重を同じ増減方向で変更する作動が可能な荷重変更手段が採用されていて、前記制御手段は、前記車両状態検知手段からの検出信号に応じて前記荷重変更手段の作動速度を決定する作動速度決定手段を備え、前記車両状態検知手段はステアリングギヤ比可変機構のギヤ比を取得するギヤ比取得手段を備えていて、このギヤ比取得手段にて取得されるギヤ比の増大に応じて前記作動速度決定手段にて決定される作動速度が減少されることを特徴とする車両用接地荷重制御装置。
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