JP2007203984A - パワーステアリング装置の故障に対処する車輌 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワーステアリング装置に操舵補助力が低下しまたは発生しなくなる故障を生じたとき操舵性が大きく劣化することを緩和する。
【解決手段】一対の前輪または一対の後輪がパワーステアリング装置を経て操舵されるようになっており、一対の前輪と一対の後輪の少なくとも一方について左右の車輪間に荷重を移動させる手段を有する車輌に於いて、パワーステアリング装置にその操舵補助力が低下しまたは発生しなくなる故障が生じたとき、一対の操舵輪の旋回内側の車輪より旋回外側の車輪へ荷重を移動させる。前輪操舵車では車速が所定の上限値以下のときとの条件をつけてもよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、パワーステアリング装置により操舵される車輌に於いて、パワーステアリング装置が故障したとき、それに対処してその影響を軽減することに係る。
電動式にパワーステアリング装置に於いては、電源電圧が低下する恐れがあることに対処し、電源電圧の低下により操舵補助トルクが急激に低下することを回避すべく、電源電圧が正常であるとき、車速の増大に応じて低減される増大率にて操舵トルクの増大に応じて増大する基本電流Ibと、操舵トルクの微分値の増大に応じて増大する補償電流Iiと、操舵速度の初期の増大に応じて増大する補償電流Ifと、操舵速度の後期の増大に応じて減小する補償電流Idとの和として算出される電動式パワーステアリング装置のための作動電流を、電源電圧がより大きく低下するにつれてId、If、Iiの順に順次削減していくことが下記の特許文献1に記載されている。また下記の特許文献2には、車輌の旋回制動時に、車速に応じて左右輪間荷重移動量の前輪側配分を増加させて、高速走行時には車輌の安定性を向上させ、低速走行時には車輌の回頭性を確保すべく、車体に作用する前後加速度の値が負となる制動状態にあるときに、走行速度に応じて高速時にはステア特性を強めのアンダーステア特性とし、低速時には弱めのアンダーステア特性とするように、左右輪間荷重移動量の前輪側配分を増加させることが記載されている。
特開2005-14721 特開平5-169948
必ずしも電動式とは限らないが、特に電動式パワーステアリング装置では、故障により操舵補助力が得られなくなる状態が生じるという問題がある。パワーステアリング装置の故障により操舵補助力が得られなくなったとき、操舵がきつくなるのは、特に車輌が低速走行しているとき、或いは車庫入れの如き最低速走行状態にあるときである。
本発明は、上記の事情に鑑み、パワーステアリング装置に操舵補助力が低下する(全く発生しなくなることを含む)故障を生じたとき、操舵性が大きく劣化することを緩和するよう改良された車輌を提供すること課題としている。
上記の課題を解決するものとして、本発明は、一対の前輪または一対の後輪の少なくとも一方がパワーステアリング装置を経て操舵される操舵輪となっており、前記一対の前輪と前記一対の後輪の少なくとも一方について左右の車輪間に荷重を移動させる手段を有する車輌にして、前記パワーステアリング装置にその操舵補助力が低下する故障が生じた状態で車輌が旋回するとき、前記荷重移動手段により前記一対の操舵輪の旋回内側の車輪より旋回外側の車輪へ荷重を移動させるようになっていることを特徴とする車輌を提案するものである。
この場合、前記荷重移動手段が、前記一対の操舵輪の間に作用する荷重移動手段を含んでいるときには、該荷重移動手段の荷重移動作動は、旋回内側の操舵輪より旋回外側の操舵輪へ荷重を移動させるものであってよく、また前記荷重移動手段が、前記一対の操舵輪と前後方向に反対の一対の車輪の間に作用する荷重移動手段を含んでいるときには、該荷重移動手段の荷重移動作動は、旋回外側の車輪より旋回内側の車輪へ荷重を移動させるものであってよい。
車輌が前輪操舵車であるときには、前記の荷重移動は車輌が所定の上限値以下の車速にて旋回走行しているとき行われるようになっていてよく、また車速は負の車速を含み、負の車速は正の車速以下の車速であるとされてよい。
前記荷重移動手段は能動スタビライザであっても、或は能動サスペンションであってもよい。
一対の前輪または一対の後輪の少なくとも一方がパワーステアリング装置を経て操舵される操舵輪となっており、前記一対の前輪と前記一対の後輪の少なくとも一方について左右の車輪間に荷重を移動させる手段を有する車輌に於いて、前記パワーステアリング装置にその操舵補助力が低下する故障が生じた状態で車輌が旋回するとき、前記荷重移動手段により前記一対の操舵輪の旋回内側の車輪より旋回外側の車輪へ荷重を移動させるようになっていれば、一対の前輪と一対の後輪とを有する4輪車等の車輌に於いては、一対の前輪または一対の後輪が旋回方向に操舵されるとき、旋回内側の操舵輪より旋回外側の操舵輪の操舵角の方が小さくされるので、一対の操舵輪間にて荷重が旋回内側の車輪より旋回外側の車輪へ移動されたことに対応して操舵に要する力は低減され、パワーステアリング装置に操舵補助力が低下する故障が生じたときにも、その分ステアリングホイールの回動に要する力を低減ことができる。
前記荷重移動手段が、一対の操舵輪の間に作用する荷重移動手段を含んでいるとき、該荷重移動手段の荷重移動作動が、旋回内側の操舵輪より旋回外側の操舵輪へ荷重を移動させるものであれば、荷重移動手段を一対のは操舵輪に対し直接作用させて旋回内側の操舵輪より旋回外側の操舵輪へ荷重を移動させることができる。
また前記荷重移動手段が、一対の操舵輪と前後方向に反対の一対の車輪の間に作用する荷重移動手段を含んでいるとき、該荷重移動手段の荷重移動作動が、旋回外側の車輪より旋回内側の車輪へ荷重を移動させるものであれば、一対の前輪にて操舵されている車輌の旋回内側の前輪と旋回外側の後輪とを支点として旋回内側の後輪を押し上げるか、または一対の後輪にて操舵されている車輌の旋回内側の後輪と旋回外側の前輪とを支点として旋回内側の前輪を押し上げることにより、一対の操舵輪間にて旋回内側より旋回外側へ荷重を移動させることができる。
そして、そのように一対の操舵輪間にて荷重を旋回内側の車輪より旋回外側の車輪へ移動させることを、特に車輌が前輪操舵車であるときには、車輌がある適当に設定された上限値以下の車速域にて走行しているとき行うようにすれば、車輌がある程度以上の速度にて旋回し、車体にある程度以上に増大した遠心力が作用する状態では、旋回外側の操舵輪に懸かる荷重が旋内側の操舵輪に懸かる荷重より増大してくると同時に、前輪操舵では前輪操舵により遠心力に抗して車輌を所望の旋回度に旋回させるために要する操舵角が増大するので、旋回内側の操舵輪より操舵角が小さい旋回外側の操舵輪に荷重を移す利点が相殺されてくるが、そのような状態にならない範囲で、ステアリングホイールに要する操舵力を低減させることができる。
その場合、車速は負の車速を含み、負の車速は正の車速以下の車速であるとされれば、前輪操舵車に於いて、パワーステアリング装置に操舵補助力を発生しない故障を生じたとき、車輌の後進時にも車速が所定の上限値以下であるとの条件で本発明が実行される。
後輪操舵車は、通常フォークリフト等の特殊な作業車であって、然程高速にて前進走行することはないと考えられ、また旋回時に車体に遠心力が作用すれば、車輌の後輪部が旋回の外側へ付勢されるので、旋回外側に於ける操舵輪の荷重は増大しても、所望の旋回度に旋回させるために要する操舵角は走行速度の増大に応じてむしろ小さくて済むので、前輪操舵車の場合の如く荷重を旋回内側の操舵輪より旋回外側の操舵輪へ移動させることによる利益が走行速度の増大により相殺されることはないと考えられる。従って、後輪操舵車の場合には、特に車速に上限を設けることはないと考えられる。
前記荷重移動手段として能動スタビライザまたは能動サスペンションが使用されれば、車輌の走行安定性向上のために設けられている能動スタビライザや能動サスペンションを利用して、パワーステアリング装置の故障に対処する本発明を実行することができる。
図1は、本発明を前輪操舵式の4輪自動車に於いて実施する要領を示す概略図である。但し、本発明はパワーステアリング装置に操舵補助力が低下する(全く発生しなくなることを含む)故障が生じたとき、左右の車輪間に荷重を移動させる格別の制御を施す制御上のソフトウエア的事項であり、図1に示されている構成自体は、全て公知のものである。
図1に於いて、10fl,10fr,10rl,10rrはそれぞれ一つの4輪自動車の左前輪、右前輪、左後輪、右後輪であり、それぞれ少なくともサスペンションスプリングを含む車輪懸架装置12fl,12fr,12rl,12rrにより図には示されていない車体に懸架されている。左前輪10flと右前輪10frが操舵輪であり、ステアリングホイール(ハンドル)14の回動操作に応じて、ステアリングカラム16、電動式パワーステアリング装置(EPS)18f、タイロッド20f、左右のナックルアーム22fl,22frを経て車輪懸架装置12fl,12fr内に組み込まれたキングピンの周りに回動されるようになっている。そして左前輪10flおよび右前輪10frは、図にて二点鎖線により左旋回の場合について例示されている如く、車輌を一方へ旋回させるよう操舵されたときには、旋回内側となる車輪10flの方が旋回外側となる車輪10frより大きい角度にて偏向されるようになっている。これは車輌の旋回走行の中心対し旋回内側の車輪がなす旋回円の接線方向と旋回外側の車輪がなす旋回円の接線方向とが異なることによるものである。このように旋回走行にあたって一対の操舵輪の旋回内側にある車輪は旋回外側にある車輪より大きく操舵される。
24fは一対の前輪10flと10frの間に作用する能動スタビライザであるり、中央の捩じりアクチュエータ26fと、その両側に延在する一対のトーションバー半体28fl,28frと、その外端部に連結された一対のアーム30fl,30frとを有しており、アーム30flおよび30frの外端にて車輪懸架装置12flおよび12frに連結され、常時は左右の前輪10flと10frの間の相対的バウンドとリバウンドに対し弾力的な復元力を作用させ、その際、捩じりアクチュエータ26fによりトーションバー半体28flと28frの相対的回動位置が変更されることにより、左右の前輪10flと10frの間の相対的バウンドとリバウンドに対し及ぼす弾力的な復元力がバウンド側とリバウンド側とで異なるように調整され、主として前輪部に於いて車体のロール制御を行うようになっている。
図示の例では、同様の能動スタビライザ24rが一対の後輪10rlと10rrの間にも作用するよう設けられている。即ち、能動スタビライザ24rは、中央の捩じりアクチュエータ26rと、その両側に延在する一対のトーションバー半体28rl,28rrと、その外端部に連結された一対のアーム30rl,30rrとを有しており、アーム30rlおよび30rrの外端にて車輪懸架装置12rlおよび12rrに連結され、常時は左右の後輪10rlと10rrの間の相対的バウンドとリバウンドに対し弾力的な復元力を作用させ、その際、捩じりアクチュエータ26rによりトーションバー半体28rlと28rrの相対的回動位置が変更されることにより、左右の後輪10rlと10rrの間の相対的バウンドとリバウンドに対しおよぼす弾力的な復元力がバウンド側とリバウンド側とで異なるように調整され、主として後輪部に於いて車体のロール制御を行うようになっている。
前輪側および後輪側の能動スタビライザ24fおよび24rはいずれもマイクロコンピュータを備えた電子制御装置(ECU)32によりその作動が制御されるようになっている。電子制御装置には、図には示されていない車速センサより車速を示す信号が供給されるほか、車輌の運行状態に関する種々のパラメータを示す信号が供給されており、電子制御装置はそれらの信号より得られる情報に基づいて予め装填された制御プログラムに従って種々の制御を行い、その一環として能動スタビライザ24fおよび24rをその本来のロール制御のために作動させると共に、以下に説明する要領にて本発明に従って制御する。
尚、電動式パワーステアリング装置18fは、車輌の運転状態に応じてその作動特性を変えるよう、図示の例の如く、その作動が電子制御装置32により制御されるようになっていてよいが、基本的には電子制御装置32により制御されなくても、ステアリングカラム16を経て入力される操舵角に応じて所定の要領にて操舵補助トルクを発生させるようになっていればよい。
本発明による制御のために、電子制御装置32には、ステアリングカラム16に設けられたトルクセンサ34より、ステアリングカラムに作用する操舵トルクが所定のしきい値を越えて増大したとき、そのことを示す信号が供給されるようになっており、これによって電動式パワーステアリング装置18fに操舵補助トルクが低下しあるいは全く発生されなくなる故障が生じたとき、そのことが電子制御装置32に知らされるようになっている。
図2は、電動式パワーステアリング装置18fに操舵補助トルクが低下しあるいは全く発生されなくなる故障が生じたとき、トルクセンサ34からの信号に基づいて本発明に従って電子制御装置32により行われる制御の一例を示すフローチャートである。かかるフローチャートに沿った制御は、イグニッションスイッチの如き車輌の運転を開始させるスイッチ等が閉じられたとき開始され、車輌の運行中数10〜数100ミリセカンドの周期にて繰り返されてよい。
制御が開始されると、ステップ10にて、電動式パワーステアリング装置(EPS)18fに操舵補助力が低下しあるいは全く発生されない故障(フェイル)が生じたか否かが判断される。答がノー(N)であれば、制御はステップ20へ進み、能動スタビライザ24fおよび24rの通常の制御が行われ、このときには通常の制御に従って能動スタビライザは後述のステップ50にて通常通り作動される。
しかし、ステップ10の答がイエス(Y)となったときには、制御はステップ30へ進む。ステップ30に於いては、車速Vが或る適当な上限値Vc以上であるか否かが判断される。この上限値Vcは、車速がそれ以上なら電動式パワーステアリング装置18fに操舵補助力が低下しあるいは全く発生されない故障が生じたとしても、本発明による以下の如き制御は行わないのが適当と判断される車速の限界値である。答がイエスであれば、制御はステップ20へ進む。但し、前輪操舵車であっても、ステップ30は省略されてもよい。
ステップ30の答がノーであるときには、制御はステップ40へ進み、能動スタビライザを本発明に従って臨時に制御することが行われる。これは、図1に例示する如く一対の前輪にて操舵される4輪自動車に於いて、一対の前輪および一対の後輪の両方に能動スタビライザ24fおよび24rが設けられている場合には、前輪側の能動スタビライザ24fを前輪荷重が旋回内側の前輪により旋回外側の前輪へ移動されるよう能動作動させ、また後輪側のスタビライザ24rを後輪荷重が旋回外側の後輪より旋回内側の後輪へ移動されるように能動作動させるものである。前輪側能動スタビライザ24fまた後輪側能動スタビライザ24rの何れか一方のみが設けられている場合には、それが上記と同じ要領にて作動されればよい。
かかる能動スタビライザの作動により、操舵輪である一対の前輪に於いて旋回内側の車輪より旋回外側の車輪へ荷重が移動されると、同じ操舵に対しても、操舵による偏向角がより小さい旋回外側の車輪の方により大きい荷重が懸けられた状態で同じ前輪部の荷重が支持されるので、それだけステアリングホイールにかかる操舵抵抗は小さくなる。ただ、この場合、旋回時の車速がある上限値を越えて大きくなると、遠心力により旋回外側の前輪にかかる荷重が大きく増大するだけでなく、遠心力に抗して車輌を所望の旋回度に旋回させるために要する操舵角が増大するので、上記の利点は相殺されてくる。従って、そのような相殺が起こらない範囲の車速にあるとき本発明による上記の如き荷重の移転が行われるのが好ましい。また実際、車速がある程度以上に大きいと、パワーステアリング装置に操舵補助力が低下し或いは全く発生されない故障が生じても、ステアリングホイールにかかる操舵力はさほど大きくはならない。
以上の要領にて制御がステップ20へ進んだときにも、或いは制御がステップ40へ進んだときにも、次いで制御はステップ50へ進み、何れかの制御要領により制御された態様に従って能動スタビライザが作動される。
図3は、本発明を後輪操舵式の4輪自動車に於いて実施する要領を示す概略図である。但し、この場合にも、本発明はパワーステアリング装置に操舵補助力が低下しあるいは全く発生しなくなる故障を生じたとき、能動スタビライザに格別の制御を施す制御上のソフトウエア的事項であり、図3に示されている構成自体は、全て公知のものである。
図3に於いても、10fl,10fr,10rl,10rrはそれぞれ一つの4輪自動車の左前輪、右前輪、左後輪、右後輪であり、それぞれ少なくともサスペンションスプリングを含む車輪懸架装置12fl,12fr,12rl,12rrにより図には示されていない車体に懸架されている。そして左後輪10rlと右後輪10rrが操舵輪であり、ステアリングホイール(ハンドル)14の回動操作に応じて、ステアリングカラム16、ステアリングギヤ36、ステアリングシャフト38、電動式パワーステアリング装置18r、タイロッド20r、左右のナックルアーム22rl,22rrを経て車輪懸架装置12rl,12rr内に組み込まれたキングピンの周りに回動されるようになっている。そして左後輪10rlおよび右後輪10rrは、図にて二点鎖線により左旋回の場合について例示されている如く、車輌を一方へ旋回させるよう操舵されたときには、旋回内側となる車輪10rlの方が旋回外側となる車輪10rrより大きい角度にて偏向されるようになっている。これも車輌の旋回走行の中心対し旋回内側の車輪がなす旋回円の接線方向と旋回外側の車輪がなす旋回円の接線方向とが異なることによるものである。このように旋回走行にあたって一対の操舵輪の旋回内側にある車輪は旋回外側にある車輪より大きく操舵される。尚、後輪操舵車の前進時の操舵輪の偏向要領は、前輪操舵車が後進するときの操舵輪の偏向要領に略同じである。
図3の後輪操舵車に於いても、図1の前輪操舵車に於けると同様に、一対の前輪10flと10frの間に作用する能動スタビライザ24fと一対の後輪10rlと10rrの間に作用する能動スタビライザ24rとが設けられており、これらの能動スタビライザの作動はマイクロコンピュータを備えた電子制御装置32により制御されるようになっている。そして電子制御装置32は種々の車輌運転に関するパラメータを示す信号を供給されるとともに、同じくステアリングカラム16に設けられたトルクセンサ34よりステアリングカラムに作用する操舵トルクが所定のしきい値を越えて増大したとき、そのことを示す信号が供給され、これによって電動式パワーステアリング装置18rに操舵補助トルクが低下しあるいは全く発生されなくなる故障が生じたとき、そのことが電子制御装置32に知らされるようになっている。
図4は、図3に示す後輪操舵車に於いて、電動式パワーステアリング装置18rに操舵補助トルクが低下しあるいは全く発生されなくなる故障が生じたとき、トルクセンサ34からの信号に基づいて本発明に従って電子制御装置32により行われる制御の一例を示すフローチャートであり、一部を除き図2に示されている前輪操舵車についてのフローチャートと同じ制御ステップを含むものである。図4に於いて、図2のフローチャートに於けるステップと同じ制御を行うステップには同じステップ番号を付し、それらのステップについての同様の説明は明細書の冗長化を避けるため省略する。
図4のフローチャートが図2のフローチャートと異なるのは、ステップ30が省略されていることと、ステップ40に代わってステップ45が設けられていることのみである。この場合、ステップ45に於いては、本発明による能動スタビライザの臨時制御は、後輪側の能動スタビライザ24rを後輪荷重が旋回内側の後輪により旋回外側の後輪へ移動されるよう能動作動させ、また前輪側の能動スタビライザ24fを前輪荷重が旋回外側の前輪より旋回内側の前輪へ移動されるように能動作動させるものである。
この場合にも、かかる能動スタビライザの作動により、操舵輪である一対の後輪に於いて旋回内側の車輪より旋回外側の車輪へ荷重が移動されると、同じ操舵に対しても、操舵による偏向角がより小さい旋回外側の車輪の方により大きい荷重が懸けられた状態で同じ後輪部の荷重が支持されるので、それだけステアリングホイールに掛かる操舵抵抗は小さくなる。後輪操舵車では、然程車速が大きくなることはないと考えられるが、喩え旋回時の車速が増大し、遠心力によって車輌が旋回の外側へ付勢されても、所望の旋回度に旋回させるために要する操舵角は走行速度の増大に応じてむしろ小さくて済むので、前輪操舵車の場合の如く荷重を旋回内側の操舵輪より旋回外側の操舵輪へ移動させる利益が走行速度の増大により相殺されることはなく、後輪操舵車の場合には、車速に上限を設けるには及ばないと考えられる。
図5は、一対の前輪および一対の後輪のそれぞれの懸架装置が能動サスペンションとして構成されている前輪操舵車に於いて本発明を実施した場合の要部の構成を示す概略図である。この場合、図には詳細には示されていないが、懸架装置12fl,12fr,12rl,12rrには公知の能動ショックアブソーバが組み込まれており、それらが電子制御装置32により能動的に制御されることにより、図1および図2について説明したのと同じ要領により、一対の左右の前輪間および一対の左右の後輪間にて荷重を左右に移動させることができるようになっている。図5に於いて、その他の図1に示す構成と同じ構成の部分には、図1に於けると同じ符号を付し、更なる重複的説明は明細書の冗長化を避けるため省略する。
図6は、一対の前輪および一対の後輪のそれぞれの懸架装置が能動サスペンションとして構成されている後輪操舵車に於いて本発明を実施した場合の要部の構成を示す概略図である。この場合にも、図には詳細には示されていないが、懸架装置12fl,12fr,12rl,12rrには公知の能動ショックアブソーバが組み込まれており、それらが電子制御装置32により能動的に制御されることにより、図3および図4について説明したのと同じ要領により、一対の左右の前輪間および一対の左右の後輪間にて荷重を左右に移動させることができるようになっている。図6に於いても、その他の図3に示す構成と同じ構成の部分には、図3に於けると同じ符号を付し、更なる重複的説明は明細書の冗長化を避けるため省略する。
以上に於いては本発明をいくつかの実施の形態について詳細に説明したが、これらの実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明を前輪操舵式の4輪自動車に於いて実施する要領を示す概略図。 図1に示す車輌に於いて本発明により行われる制御の一例を示すフローチャート。 本発明を後輪操舵式の4輪自動車に於いて実施する要領を示す概略図。 図3に示す車輌に於いて本発明により行われる制御の一例を示すフローチャート。 能動スタビライザに代えて能動サスペンションを用いた前輪操舵車に於いて本発明を実施する場合の要部の構成を示す概略図。 能動スタビライザに代えて能動サスペンションを用いた後輪操舵車に於いて本発明を実施する場合の要部の構成を示す概略図。
符号の説明
10fl,10fr,10rl,10rr…左前輪、右前輪、左後輪、右後輪、12fl,12fr,12rl,12rr…車輪懸架装置、14…ステアリングホイール(ハンドル)、16…ステアリングカラム、18f,18r…電動式パワーステアリング装置、20f,20r…タイロッド、22fl,22fr,22rl,22rr…ナックルアーム、24f,24r…能動スタビライザ、26f,26r…捩りアクチュエータ、28fl,28fr,28rl,28rr…トーションバー半体、30fl,30fr,30rl,30rr…アーム、32…電子制御装置(ECU)、34…トルクセンサ、36…ステアリングギヤ、38…ステアリングシャフト

Claims (7)

  1. 一対の前輪または一対の後輪の少なくとも一方がパワーステアリング装置を経て操舵される操舵輪となっており、前記一対の前輪と前記一対の後輪の少なくとも一方について左右の車輪間に荷重を移動させる手段を有する車輌にして、前記パワーステアリング装置にその操舵補助力が低下する故障が生じた状態で車輌が旋回するとき、前記荷重移動手段により前記一対の操舵輪の旋回内側の車輪より旋回外側の車輪へ荷重を移動させるようになっていることを特徴とする車輌。
  2. 前記荷重移動手段は前記一対の操舵輪の間に作用する荷重移動手段を含んでおり、該荷重移動手段の荷重移動作動は、旋回内側の操舵輪より旋回外側の操舵輪へ荷重を移動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  3. 前記荷重移動手段は前記一対の操舵輪と前後方向に反対の一対の車輪の間に作用する荷重移動手段を含んでおり、該荷重移動手段の荷重移動作動は、旋回外側の車輪より旋回内側の車輪へ荷重を移動させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の車輌。
  4. 車輌は前輪操舵車であり、前記の荷重移動は車輌が所定の上限値以下の車速にて旋回走行しているとき行われるようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車輌。
  5. 車速は負の車速を含み、負の車速は正の車速以下の車速であるとされることを特徴とする請求項4に記載の車輌。
  6. 前記荷重移動手段は能動スタビライザであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車輌。
  7. 前記荷重移動手段は能動サスペンションであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車輌。
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