JP2005347519A - 研磨装置、研磨方法および研磨用スラリー - Google Patents

研磨装置、研磨方法および研磨用スラリー Download PDF

Info

Publication number
JP2005347519A
JP2005347519A JP2004165479A JP2004165479A JP2005347519A JP 2005347519 A JP2005347519 A JP 2005347519A JP 2004165479 A JP2004165479 A JP 2004165479A JP 2004165479 A JP2004165479 A JP 2004165479A JP 2005347519 A JP2005347519 A JP 2005347519A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
slurry
polished
mixed
magnetic force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004165479A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4815758B2 (ja
Inventor
Takaaki Kozuki
貴晶 上月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004165479A priority Critical patent/JP4815758B2/ja
Publication of JP2005347519A publication Critical patent/JP2005347519A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4815758B2 publication Critical patent/JP4815758B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】CMP後における被研磨面の高平坦化を可能にしつつ、高い研磨レートを確保して十分な削り込み量を得られるようにする。
【解決手段】被研磨物における被研磨面に対し研磨用スラリーを用いた研磨を行って当該被研磨面を平坦化するのにあたり、前記研磨用スラリーとして、界面活性剤と強磁性または常磁性の磁性体とが混入されたものを用いる。そして、前記被研磨面に対する研磨を、前記界面活性剤は混入されているが前記磁性体が混入されていない研磨用スラリーを用いて行う研磨と、前記界面活性剤および前記磁性体の両方が混入された研磨用スラリーを用いて行う研磨との二段階に分けて行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、平坦化技術の一つであるCMP(Chemical Mechanical Polishing;化学的機械的研磨)を行う研磨装置および研磨方法に関し、さらにはCMPに用いられる研磨用スラリーに関する。
一般に、半導体装置の製造工程においては、ウエハ基板等の平坦化のために、平坦化技術の一つであるCMPを用いることが広く知られている。CMPは、通常、ウエハ基板等の被研磨物の被研磨面と研磨パッドの研磨面とが互いに対向するように配置し、その間に研磨剤としての機能を有した液状の研磨用スラリーを供給しつつ、被研磨面と研磨面とを相対的に摺擦させることによって行う。これにより、被研磨物の被研磨面が研磨によって平坦化されるのである。
ただし、近年では、半導体装置の微細化等の進展に伴い、CMPによる平坦化の度合に対する要求も高まりつつある。このことから、例えばウエハ基板上の酸化膜等を平坦化するためのCMPにおいては、研磨用スラリーに添加剤として界面活性剤を混入させることが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。界面活性剤が混入された研磨用スラリーを用いて行うCMPでは、その界面活性剤によって被研磨面への保護作用が得られ、また被研磨面上の凸部に対する集中研磨が可能となるため、研磨後の凹凸段差が少ない高平坦化を実現することができ、研磨の均一性や仕上げ面精度等の向上が図れるようになる。
特開平10−180616号公報 特開2001−15461号公報
しかしながら、界面活性剤が混入された研磨用スラリーを用いて行うCMPでは、界面活性剤が混入されていない研磨用スラリーを用いて行う前世代の場合と比較すると、高平坦化が得られる一方で、界面活性剤により研磨レートが低くなってしまい、被研磨面を十分に削り込むことができないおそれがある。また、削り込み量が不足すると、被研磨面上での面内分布が悪くなることも考えられるが、そのような場合には界面活性剤を混入させてもその悪い面内分布を踏襲してしまい、その結果所望の高平坦化が得られない可能性もある。このような削り込み不足に起因する難点は、CMP後の露光工程において、例えば平坦化不十分による凹凸段差のためにフォーカスが合わない、といったことを招く。
この点については、研磨時間を長時間化することによって、十分な削り込み量を確保することも考えられる。ところが、界面活性剤が混入された研磨用スラリーを用いた場合には、研磨時間が長時間化すると、研磨終了付近では被研磨面への界面活性剤による保護作用が強まるため、被研磨面と研磨面との間に発生する摩擦力が高くなる。したがって、研磨終了付近では、凝集したスラリー等がディフェクトの要因となり、いわゆるディッシングやスクラッチ等が生じてしまうおそれがある。また、研磨時間の長時間化は、半導体装置製造の効率低下を招く要因にもなる。
このように、被研磨面の高平坦化と研磨レート確保とは互いにトレードオフの関係にあるため、従来におけるCMPでは、これらを両立させることが非常に困難である。つまり、従来におけるCMPでは、次世代半導体製造プロセスに要求される高平坦化の実現が困難であったり、また半導体装置製造の歩留まり向上や高効率化等が困難である、といった問題点がある。
そこで、本発明は、CMP後における被研磨面の高平坦化を可能にしつつ、高い研磨レートを確保して十分な削り込み量をも得ることのできる、研磨装置、研磨方法および研磨用スラリーを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出された研磨装置である。すなわち、被研磨物における被研磨面に対し研磨用スラリーを用いた研磨を行って当該被研磨面を平坦化する研磨装置であって、前記研磨用スラリーとして、界面活性剤と強磁性または常磁性の磁性体とが混入されたものを用いることを特徴とするものである。
また、本発明は、上記目的を達成するために案出された研磨方法である。すなわち、被研磨物における被研磨面に対し研磨用スラリーを用いた研磨を行って当該被研磨面を平坦化する研磨方法であって、前記研磨用スラリーとして、界面活性剤と強磁性または常磁性の磁性体とが混入されたものを用いることを特徴とする。
また、本発明は、上記目的を達成するために案出された研磨用スラリーである。すなわち、被研磨物の被研磨面に対する研磨を行って当該被研磨面を平坦化する際に用いられる研磨用スラリーであって、強磁性または常磁性の磁性体が混入されていることを特徴とするものである。
上記構成の研磨装置、上記手順の研磨方法および上記構成の研磨用スラリーによれば、研磨用スラリーに強磁性または常磁性の磁性体が混入されている。ここで、「強磁性」とは、外部磁界を印加しなくても存在する磁化(自発磁化)を持つ磁性をいう。また、「常磁性」とは、外部磁界を印加したときに磁界と平行な方向に磁化が誘起されるような弱い磁性をいう。すなわち、ここでいう「磁性体」は、外部から与えられる磁界に反応して、その磁界が与えられた方向に引き寄せられるものである。しかも、この磁性体は、研磨用スラリーに混入されることによって、研磨砥粒として機能することになる。
したがって、磁性体が混入された研磨用スラリーを用いれば、その磁性体を研磨に寄与させなかったり、あるいは寄与させるようにすることが、外部から与える磁界の有無によってコントロール可能となる。つまり、磁性体を研磨に寄与させず界面活性剤のみを寄与させることで、研磨後における凹凸段差を少なくして高平坦化を実現したり、磁性体を研磨に寄与させることで、その磁性体の研磨砥粒としての機能により高研磨レートを確保する、といったことを行い得るようになる。
本発明の研磨装置、研磨方法および研磨用スラリーによれば、磁性体が混入された研磨用スラリーを用いることで、その磁性体を研磨に寄与させるか否かを外部から与える磁界の有無によってコントロールし得るので、被研磨面の高平坦化と研磨レート確保とが互いにトレードオフの関係にあっても、その磁界のコントロール次第によって両立させることが可能となる。したがって、CMP後における被研磨面の高平坦化を可能にしつつ、高い研磨レートを確保して十分な削り込み量をも得られるので、歩留まり低下を回避して効率のよい半導体装置の製造が実現可能となり、また次世代半導体製造プロセスに要求される高平坦化の実現に対応することも容易となる。
以下、図面に基づき本発明に係る研磨装置、研磨方法および研磨用スラリー、具体的にはCMPを行うCMP装置およびCMP方法、並びにそのCMPに際して用いられる研磨用スラリーについて説明する。
〔CMP装置の説明〕
先ず、CMP装置の構成について説明する。図1は、本発明が適用されたCMP装置の概略構成例を示す模式図である。ここで説明するCMP装置は、上面に研磨パッド1が貼付された研磨定盤2と、その上方にて被研磨物であるウエハ基板を保持する研磨ヘッド3とを備えたものである。また、研磨定盤2の上面側には、研磨用スラリーおよび純水を供給するための各供給管4が配されている。そして、ウエハ基板に対する研磨を行う際には、研磨ヘッド3にウエハ基板を装着し、その研磨ヘッド3および研磨定盤2をそれぞれ回転させ、その状態で研磨ヘッド3を研磨定盤2に向けて下降させることで、ウエハ基板の被研磨面と研磨定盤2上の研磨パッド1とを摺擦させるように構成されている。すなわち、ウエハ基板の被研磨面と研磨パッド1とが加圧された状態で、研磨用スラリーおよび純水を介在させつつ、相対的に摺擦することにより、そのウエハ基板の被研磨面を研磨するようになっている。
このような構成は一般的なCMP装置と略同様であるが、ここで説明するCMP装置は、以下に述べるような特徴的な構成を備えている。図2は、本発明が適用されたCMP装置の要部構成例を示す模式図である。
図例のように、ここで説明するCMP装置では、研磨用スラリーを供給する供給管4に分岐点5が設けられている。そして、この分岐点5によって、供給管4は、分岐点5よりも研磨用スラリーの上流側に位置する上流側経路4aと、分岐点5よりも研磨用スラリーの下流側に位置する下流側経路4bとに分けられ、しかも一つの上流側経路4aが三つの下流側経路4bに分岐するようになっている。なお、分岐数は、必ずしも三つである必要はなく、二つ以上(複数)であれば構わない。
供給管4、すなわち上流側経路4aおよび下流側経路4bは、いずれも、銅(Cu)、ステンレス、アルミニウム(Al)、真鍮等といった非磁性体を配管材料として構成されている。このうち、上流側経路4aは、研磨用スラリーの供給源に接続しており、その供給源から研磨用スラリーを受け取るようになっている。一方、下流側経路4bは、それぞれの排出口近傍に、例えば電磁バルブからなる弁6が配設されており、その弁6によって各排出口からの研磨用スラリー排出の有無を切り換えられるようになっている。
また、供給管4における分岐点5の近傍には、磁力を発生させる磁力発生手段7が配設されている。磁力発生手段7としては、磁力を発生させて分岐点5の近傍に磁場を作り出せるものであればよく、永久磁石または電磁石を用いて構成することが考えられる。
この磁力発生手段7は、少なくとも分岐点5よりも上流側に配されているものとする。「少なくとも」とは、分岐点5よりも上流側に配されている磁力発生手段7aがあれば、その他の磁力発生手段7b、例えば分岐点5よりも下流側に配されている磁力発生手段7bがあってもよいことを意味する。すなわち、供給管4に沿ってその分岐点5近傍に複数の磁力発生手段7a,7bが配されていてもよい。この場合に、分岐点5よりも上流側に配された磁力発生手段のうち最も分岐点5に近い磁力発生手段7aが、各磁力発生手段の中で最も大きな磁力を発生させ得るものであることが望ましい。このことから、分岐点5の上流側と下流側とのそれぞれに磁力発生手段7a,7bが配されている場合であれば、上流側の磁力発生手段7aを大きな磁力の発生が可能で、かつ、その大きさを可変させ得る電磁石を用いて構成し、上流側の磁力発生手段7bについては簡素な構成で実現できる永久磁石を用いる、といったことが考えられる。
磁力発生手段7aとして電磁石を用いて構成した場合には、その磁力発生手段7aに付随して、その磁力発生手段7aが発生させる磁力の大きさを可変させる磁力調整手段8が設けられているものとする。磁力調整手段8としては、例えば磁力発生手段7aへの印加電圧の大きさを調整するボリューム回路を用いればよい。
なお、図例のように、供給管4の分岐点5にて一つの上流側経路4aが三つの下流側経路4bに分岐するように構成された場合であれば、磁力発生手段7は、その供給管4の両側サイドまたはその供給管4の周りを囲うように配するものとするが、例えば分岐数が二つである場合には、いずれか一方の側のみに磁力発生手段7があればよい。
〔研磨用スラリーの説明〕
続いて、以上のように構成された供給管4を通じて供給される研磨用スラリーについて詳しく説明する。
供給管4を通じて供給される研磨用スラリーは、ウエハ基板の被研磨面を研磨する際の研磨剤としての機能を有した液状のものであり、その具体例としては例えば酸化セリウム(セリア;CeO2)系のものが知られている。ただし、研磨用スラリーは、必ずしもセリア系に限定されるものではなく、シリカ、アルミナ、硝酸鉄系であってもよい。
また、研磨用スラリーには、被研磨面の高平坦化を実現すべく、添加剤としての界面活性剤が混入されている。界面活性剤としては、例えばポリアクリル酸アンモニウム塩、またはポリカルボン酸アンモニウム塩を用いる。なお、界面活性剤の混入は、供給管4における上流側経路4aにて行ってもよいし、あるいは予め界面活性剤が混入された一液タイプの研磨用スラリーを当該研磨用スラリーの供給源に注入することで行うようにしてもよい。
このような研磨用スラリーは一般的なCMP装置で用いられるものと略同様であるが、ここで説明する研磨用スラリーは、以下に述べるような特徴的な構成を備えている。すなわち、ここで説明する研磨用スラリーは、界面活性剤に加えて、強磁性または常磁性の磁性体が混入されている。ここで、「強磁性」とは、外部磁界を印加しなくても存在する磁化(自発磁化)を持つ磁性をいう。また、「常磁性」とは、外部磁界を印加したときに磁界と平行な方向に磁化が誘起されるような弱い磁性をいう。すなわち、ここでいう「磁性体」は、外部から与えられる磁界に反応して、その磁界が与えられた方向に引き寄せられるものである。
例えば、磁性体としては、強磁性体であるフェロ磁性の鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)またはこれらの化合物のいずれかを用いることが考えられる。化合物としては、MxMy(M=Fe,Co,NIから選ばれる少なくとも一種類の元素、N=ホウ素(B),炭素(C),窒素(N),酸素(O),アルミニウム(Al),ケイ素(Si),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd),銀(Ag),ハフニウム(Hf),タンタル(Ta),タングステン(W),白金(Pt),金(Au)から選ばれる少なくとも一種類の元素)が挙げられる。また、その他にも、例えば強磁性体であるフェリ磁性を持つペロブスカイト酸化物(BiFeO3とPLZT)を用いることが考えられる。このペロブスカイト酸化は、強磁性と強誘電ヒステリシス特性を同時に持つ。ただし、磁性体は、必ずしもこれらに限定されるものではない。
図3は、本発明に係る研磨用スラリーの成分の一具体例を示す説明図である。セリア系の研磨用スラリーであれば、図例のような成分比にて界面活性剤および磁性体を混入させることが考えられる。
以上のような磁性体が混入された研磨用スラリーでは、磁性体がスラリーの分散剤の働きをし、界面活性剤をうまく分散させることになる。しかも、磁性体は、研磨用スラリーに混入されることによって、研磨砥粒として機能することになる。したがって、磁性体の混入によって、研磨用スラリーは、界面活性剤による凹凸段差緩和性能を持たせたまま、磁性体によって研磨レートが高くなるのである。
〔CMP方法の説明〕
次に、磁性体が混入された研磨用スラリーを用いて本実施形態のCMP装置が行うCMPの処理動作例、すなわち本発明が適用されたCMP方法について説明する。
CMPを行うのにあたっては、CMP装置の研磨ヘッド3にウエハ基板を装着し、その研磨ヘッド3および研磨定盤2をそれぞれ回転させ、その状態で研磨ヘッド3を研磨定盤2に向けて下降させる。そして、ウエハ基板の被研磨面と研磨パッド1とが互いに加圧された状態で、その間に研磨用スラリーおよび純水を介在させつつ、被研磨面と研磨パッド1とを相対的に摺擦することにより、そのウエハ基板の被研磨面を研磨する。このとき、研磨用スラリーは、その供給源から供給管4を通じて研磨ヘッド3上に供給される。
ただし、供給される研磨用スラリーには磁性体が混入されているとともに、その研磨用スラリーが通る供給管4には、その分岐点5の近傍に磁力発生手段7が配設されている。そのため、磁性と誘電性の間に相互作用(電気−磁気効果)が働くことを利用して、磁力発生手段7が発生させる磁力をコントロールすることで、例えば研磨用スラリーがセリア系のものであれば、その研磨用スラリーを、供給管4内にて、(1)セリア+界面活性剤+磁性体からなるスラリーと、(2)セリア+界面活性剤からなるスラリーとに分離することができる。つまり、磁力発生手段7が発生させる磁力によって磁性体が供給管4内の外周付近に引き寄せられるので、供給管4内の外周付近には(1)のスラリーが集まる一方、供給管4内の中央付近には(2)のスラリーが集まる。その結果、分岐点5を通過した後は、三つの下流側経路4bのうち、磁力発生手段7に近い側に(1)のスラリーが流れ(図2中A,C参照)、磁力発生手段7から遠い中央側に(2)のスラリーが流れ(図2中B参照)、これにより研磨用スラリーが(1)と(2)とに分離されるのである。
このことから、研磨ヘッド3上への研磨用スラリーの供給は、以下のような手順で行う。すなわち、CMPを行う際には、先ず、磁力発生手段7に磁力を発生させて、研磨用スラリーを(1)と(2)のスラリーに分離させるとともに、中央側の下流側経路4bにおける弁6のみを開状態とし、他の下流側経路4bにおける弁6については閉状態とすることで、その下流側経路4bから(2)のスラリーのみを研磨ヘッド3上へ供給する。その結果、CMPの開始当初には、(2)のスラリーを流して研磨することで、界面活性剤の保護作用が働き、被研磨面における凹凸段差の緩和が図れるようになる。つまり、研磨後の凹凸段差が少ない高平坦化の実現が可能となる。
この(2)のスラリーによる研磨は、所望の平坦度が得られるまで行う。具体的には、例えば研磨定盤2のトルク変化から界面活性剤の保護作用が終了したか否かを判断し得るので、そのトルク変化の検出結果に基づいて研磨終了の判定を行えばよい。
(2)のスラリーによる研磨の終了後は、次いで、中央側の下流側経路4bにおける弁6を閉状態とし、他の下流側経路4bにおける弁6を開状態とするように切り替えることで、その下流側経路4bから(1)のスラリーのみを研磨ヘッド3上へ供給する。このとき、下流側経路4bが図2に示したように二つある場合には、(1)のスラリーの供給をいずれか一方のみから行っても、あるいは両方から行ってもよい。下流側経路4bが二つ以上の場合も同様である。
(1)のスラリーの供給すると、被研磨面に対しては、界面活性剤の保護作用効果を保ったまま、スラリー中に含まれる磁性体により研磨レートが向上することになる。これは、磁性体が研磨砥粒として機能するとともに、その磁性体がセリアやシリカ等よりも大きく、より研磨を促進させるためである。したがって、(2)のスラリーによる研磨の終了後は、(1)のスラリーを流して研磨することで、磁性体の研磨砥粒としての機能が働き、被研磨面に対する高研磨レートを確保し得るようになる。つまり、研磨時間の長時間化を要することなく、十分な削り込み量を確保することが可能となる。
図4は、CMP前後における被研磨面の状態の一具体例を示す説明図である。ここでは、図4(a)に示すような層間絶縁膜に対するCMP、詳しくは高さ150nmのゲート電極11を酸化膜(NSG膜)12で埋め込んだものに対してCMPを行う場合を例に挙げる。CMP前のグローバル段差は、約150nmである。このような層間絶縁膜に対しては、従来におけるCMPでは、研磨レートを十分に確保できず、図4(b)に示すように、残膜厚330nmをさらに30nm程度削り込む必要があったが、上述したように(1)と(2)のスラリーによる二段階の研磨を行えば、界面活性剤による被研磨面凸部集中が促進されて段差緩和効果が加速し、また磁性体の効果により研磨レートも向上(界面活性剤による被研磨面保護作用効果を和らげるため)するので、図4(c)に示すように、所望の平坦度(グローバル段差20nm程度)を得つつ、十分な削り込み量を確保できる。
以上のよう、本実施形態で説明したCMP装置およびCMP方法、並びにそのCMPに際して用いられる研磨用スラリーによれば、研磨用スラリーに磁性体が混入されているので、その磁性体を研磨に寄与させなかったり、あるいは寄与させるようにすることが、外部から与える磁界の有無によってコントロール可能となる。つまり、磁性体を研磨に寄与させず界面活性剤のみを寄与させることで、研磨後における凹凸段差を少なくして高平坦化を実現したり、磁性体を研磨に寄与させることで、その磁性体の研磨砥粒としての機能により高研磨レートを確保する、といったことを行い得るようになる。
特に、本実施形態で説明したように、被研磨面に対する研磨を、(2)のスラリーによる研磨と、(1)のスラリーによる研磨との二段階に分けて行うようにすれば、被研磨面の高平坦化と研磨レート確保とが互いにトレードオフの関係にあっても、これらを両立させることが可能となる。すなわち、二段階の研磨によって、CMP後における被研磨面の高平坦化を可能にしつつ、高い研磨レートを確保して十分な削り込み量をも得られるようになる。したがって、CMP後の露光工程において平坦化不十分による凹凸段差のためにフォーカスが合わないといったこともなく、また研磨終了付近で凝集したスラリー等がディフェクトの要因となりディッシングやスクラッチ等が生じてしまうといったこともなく、その結果歩留まり低下を回避して効率のよい半導体装置の製造が実現可能となり、また次世代半導体製造プロセスに要求される高平坦化の実現に対応することも容易となる。
なお、本実施形態では、研磨を二段階に分けて行うのにあたり、先ず(2)のスラリーによる研磨を行い、その後に(1)のスラリーによる研磨を行う場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されることはなく、その逆であってもよいことは勿論である。
また、本実施形態で説明したCMP装置およびCMP方法によれば、供給管4に分岐点5を設け、その分岐点5の近傍に磁力発生手段7を配設している。すなわち、磁性体が混入された研磨用スラリーを、分岐点5の近傍で発生させる磁力を用いて、(1)と(2)のスラリーに分離させるようになっている。したがって、供給源から一種類の研磨用スラリーを供給するだけで被研磨面の高平坦化と研磨レート確保と両立が可能となる。しかも、その一種類の研磨用スラリーから(1)と(2)のスラリーへの分離を、複雑な構成を要することなく容易に行うことができる。これらのことは、CMPを行う装置や工程等を簡略化しコスト低減等を図る上で非常に有用である。
特に、分岐点5の近傍で磁力を発生させるのにあたり、本実施形態で説明したように、少なくとも分岐点5よりも上流側にてその磁力を発生させれば、(1)と(2)のスラリーを確実に分離できるようになる。そして、それぞれを別々の下流側経路4bに流せるようになる。このことからも、供給管4に沿って複数の磁力発生手段7a,7bが配されている場合には、分岐点5よりも上流側のものが大きな磁力を発生させ得るものであることが望ましい。
また、本実施形態で説明したように、磁力発生手段7aが発生させる磁力の大きさを磁力調整手段8による調整可能にすれば、供給管4の大きさ、その供給管4内における研磨用スラリーの流量(流速)、その研磨用スラリーにおける磁性体の混入量、その磁性体の種類等に応じて、(1)と(2)のスラリーを分離する上で適切な磁力を磁力発生手段7aに発生させ得るようになる。したがって、研磨用スラリーを研磨条件に応じて調整して流す場合であっても、その条件変化等にも柔軟に対応し得るといったように、研磨条件等に対する汎用性を十分に確保することができる。
本発明に係る研磨装置の概略構成例を示す模式図である。 本発明に係る研磨装置の要部構成例を示す模式図である。 本発明に係る研磨用スラリーの成分の一具体例を示す説明図である。 研磨前後における被研磨面の状態の一具体例を示す説明図である。
符号の説明
1…研磨パッド、2…研磨定盤、3…研磨ヘッド、4…供給管、4a…上流側経路、4b…下流側経路、5…分岐点、6…弁、7,7a,7b…磁力発生手段、8…磁力調整手段

Claims (13)

  1. 被研磨物における被研磨面に対し研磨用スラリーを用いた研磨を行って当該被研磨面を平坦化する研磨装置であって、
    前記研磨用スラリーとして、界面活性剤と強磁性または常磁性の磁性体とが混入されたものを用いる
    ことを特徴とする研磨装置。
  2. 前記被研磨面に対する研磨を、前記界面活性剤は混入されているが前記磁性体が混入されていない研磨用スラリーを用いて行う研磨と、前記界面活性剤および前記磁性体の両方が混入された研磨用スラリーを用いて行う研磨との二段階に分けて行うことを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
  3. 前記研磨用スラリーを供給する供給管に当該供給管の経路が複数に分かれる分岐点が設けられているとともに、前記分岐点の近傍に磁力を発生させる磁力発生手段が配設されていることを特徴とする請求項2記載の研磨装置。
  4. 前記磁力発生手段は、少なくとも前記分岐点よりも前記供給管の上流側に配されていることを特徴とする請求項3記載の研磨装置。
  5. 前記磁力発生手段が発生させる磁力の大きさを可変させる磁力調整手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載の研磨装置。
  6. 被研磨物における被研磨面に対し研磨用スラリーを用いた研磨を行って当該被研磨面を平坦化する研磨方法であって、
    前記研磨用スラリーとして、界面活性剤と強磁性または常磁性の磁性体とが混入されたものを用いる
    ことを特徴とする研磨方法。
  7. 前記被研磨面に対する研磨を、前記界面活性剤は混入されているが前記磁性体が混入されていない研磨用スラリーを用いて行う研磨と、前記界面活性剤および前記磁性体の両方が混入された研磨用スラリーを用いて行う研磨との二段階に分けて行うことを特徴とする請求項6記載の研磨方法。
  8. 前記磁性体が混入された研磨用スラリーを、当該研磨用スラリーの供給管の分岐点近傍で発生させる磁力を用いて、前記界面活性剤は混入されているが前記磁性体が混入されていない研磨用スラリーと、前記界面活性剤および前記磁性体の両方が混入された研磨用スラリーとに分離させることを特徴とする請求項7記載の研磨方法。
  9. 前記磁力を少なくとも前記分岐点よりも前記供給管の上流側にて発生させることを特徴とする請求項8記載の研磨方法。
  10. 前記磁力の大きさを調整可能とすることを特徴とする請求項8記載の研磨方法。
  11. 被研磨物の被研磨面に対する研磨を行って当該被研磨面を平坦化する際に用いられる研磨用スラリーであって、
    強磁性または常磁性の磁性体が混入されている
    ことを特徴とする研磨用スラリー。
  12. 前記磁性体は、強磁性体であるフェロ磁性の鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらの化合物のいずれかであることを特徴とする請求項11記載の研磨用スラリー。
  13. 前記磁性体は、強磁性体であるフェリ磁性を持つペロブスカイト酸化物であることを特徴とする請求項11記載の研磨用スラリー。
JP2004165479A 2004-06-03 2004-06-03 研磨装置、研磨方法 Expired - Fee Related JP4815758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004165479A JP4815758B2 (ja) 2004-06-03 2004-06-03 研磨装置、研磨方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004165479A JP4815758B2 (ja) 2004-06-03 2004-06-03 研磨装置、研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005347519A true JP2005347519A (ja) 2005-12-15
JP4815758B2 JP4815758B2 (ja) 2011-11-16

Family

ID=35499610

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004165479A Expired - Fee Related JP4815758B2 (ja) 2004-06-03 2004-06-03 研磨装置、研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4815758B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000034469A (ja) * 1998-05-11 2000-02-02 Nissan Chem Ind Ltd 研磨用組成物
JP2000119638A (ja) * 1998-10-19 2000-04-25 Mitsui Chemicals Inc タングステン含有部材研磨用スラリー及び研磨方法
JP2002170791A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Akita Prefecture 粒子分散型混合機能性流体及びそれを用いた加工法
JP2002544318A (ja) * 1999-05-06 2002-12-24 エム・ピィ・エム・リミテッド 磁性研磨流体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000034469A (ja) * 1998-05-11 2000-02-02 Nissan Chem Ind Ltd 研磨用組成物
JP2000119638A (ja) * 1998-10-19 2000-04-25 Mitsui Chemicals Inc タングステン含有部材研磨用スラリー及び研磨方法
JP2002544318A (ja) * 1999-05-06 2002-12-24 エム・ピィ・エム・リミテッド 磁性研磨流体
JP2002170791A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Akita Prefecture 粒子分散型混合機能性流体及びそれを用いた加工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4815758B2 (ja) 2011-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4982742B2 (ja) 磁性微粒子を用いた触媒化学加工方法及び装置
US8247328B2 (en) Polishing silicon carbide
US6589099B2 (en) Method for chemical mechanical polishing (CMP) with altering the concentration of oxidizing agent in slurry
KR102154250B1 (ko) 연마용 조성물
WO2016208445A1 (ja) 研磨方法及び不純物除去用組成物並びに基板及びその製造方法
JP2003031529A (ja) Cmp用スラリー、およびこれを用いた半導体装置の製造方法
TWI250202B (en) Process and slurry for chemical mechanical polishing
JP4815758B2 (ja) 研磨装置、研磨方法
JP2000228391A (ja) 半導体基板の精密研磨方法および装置
KR101184488B1 (ko) 가용성 퍼옥소메탈레이트 착물을 함유하는 cmp 조성물 및 이들의 사용 방법
JP2006000962A (ja) 研磨装置および研磨方法
US20230078573A1 (en) Chemical mechanical polishing method
JP6188152B2 (ja) Si基板の平坦化加工方法及びその装置
TW201221601A (en) Chemical mechanical polishing slurry
JP2005153106A (ja) 研磨具、研磨具製造方法、研磨方法及び研磨装置
KR101733163B1 (ko) 슬러리 및 이를 이용한 기판 연마 방법
US10035929B2 (en) pH-adjuster free chemical mechanical planarization slurry
CN110948377A (zh) 化学机械研磨混合液及研磨方法
JP3665523B2 (ja) ドレッシング方法
JP2001160543A (ja) 半導体基板の平坦化方法および装置
JP3986181B2 (ja) タングステン含有部材研磨用スラリー及び研磨方法
WO2019067009A1 (en) MULTI-ABRASIVE SUSPENSION AND METHOD FOR MECHANICAL CHEMICAL POLISHING
JP2013121649A (ja) 研磨材
JP5803601B2 (ja) 研磨スラリーの供給方法及び供給装置、並びに研磨装置
JP5204376B2 (ja) 金属膜研磨用組成物および金属膜研磨用組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070326

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20091007

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100413

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110815

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140909

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140909

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees