JP2005345971A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トナー濃度センサやトナー補給機構を必要としない小型で低コストの現像装置において、トナーへの帯電付与が十分に行われ、良好な画質を得ることができ、しかもこれを長期にわたって維持できる画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 内部に磁界発生手段を具備し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、現像剤収容部と、前記現像剤収容部と連通し且つトナーを収容するトナー収容部とを有し、現像剤担持体上の二成分現像剤量を規制部材で規制し、現像剤担持体上における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御する機構とを具備した現像装置を使用する画像形成方法であって、前記被覆樹脂層が、主鎖にポリビニルアセタールの構造を有し、側鎖にシロキサン化合物の残基を有するグラフトポリマーにより形成されたことを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等により形成される静電潜像を現像する際に用いる画像形成方法に関するものである。
電子写真プロセスなど静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真プロセスにおいては、光導電性物質を利用した静電潜像保持体上に種々の手段により電気的に潜像を形成し、この潜像を、トナーを用いて現像し、静電潜像保持体上のトナー潜像を、中間転写体を介して又は介さずに紙等の被転写体にトナー画像を転写した後、この転写画像を加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着する、という複数の工程を経て、定着画像が形成される。静電潜像保持体上に残ったトナーは必要により種々の方法でクリーニングされ、前記複数の工程が繰り返される。電子写真プロセスを用いたプリンターや複写機は広く普及しており、年々その性能・画質に対する要求は厳しくなっている。
電子写真プロセスにおける現像方式は、現像剤として着色剤粒子であるトナーのみを用いる一成分現像方式と、現像剤として磁性体と着色粒子であるトナーとを混合撹拌したものを用いる二成分現像方式とに大別される。
二成分現像方式の現像装置としては、画質、コスト面や安定性など優れた点が多いことから、トナーを磁性キャリアに混合した現像剤を磁場によって搬送して現像する磁気ブラシ現像方法が広く用いられている。この磁気ブラシ現像方法では、トナーと磁性キャリアとの摩擦で発生した静電気力により、トナーが磁性キャリアの表面に担持されるが、このトナーは静電潜像担持体上の静電潜像に接近すると、この静電潜像にて形成される電界によって静電潜像上へ飛翔し、静電潜像を可視像化する。また、現像剤は、現像によって消費されたトナーを補充しながら反復使用される。しかし、前記磁気ブラシ現像方法においては、トナー濃度(トナーと磁性キャリアの混合比)を一定範囲に保つ制御を行わないと、トナー濃度が上昇した場合には、トナー飛散やカブリが発生し、一方、トナー濃度が低下した場合には、濃度低下や濃度斑、画像抜けなどが発生してしまう。したがって、安定した画像を得るためにはトナー濃度を一定に保つ必要がある。
そこで、従来の磁気ブラシ現像方法では、安定した画像を得るためにトナー濃度センサを用いてトナー濃度を検知したり、現像パッチを作成してトナー現像量を検知し、その信号によってトナー補給部材を作動させることによりトナー濃度を一定にする制御を行っている。例えば、トナー濃度センサによりトナー濃度を検知し、この検知情報に基いてトナー濃度が低下したと判断した後、トナー補給部材によりトナー補給が行なわれる。しかし、この種の磁気ブラシ現像方法にあっては、トナー濃度センサや独立してON/OFF駆動できるトナー補給部材が必要不可欠であり、現像装置の大型化、高コスト化が避けられない。また、検知対象の濃度パッチを作成する等、トナー濃度の検知システムが面倒であるという不具合がある。
このような不具合を解決する先行技術として、トナー濃度センサやトナー補給部材を用いずに、トナー濃度を一定に保つ現像装置が既に提案されている。この現像装置は、二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部と連通し且つトナーを収容するトナー収容部とを有し、現像剤担持体上の二成分現像剤量を規制部材で規制し、現像剤担持体上における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御することで、トナー濃度を調整するものである。
この自律的制御の方法は、現像剤担持体に担持搬送される現像剤移動層と、現像剤収容部内で現像剤が循環する現像剤循環層とを発生させ、現像剤収容部と連通しているトナー収容部からのトナーを取り込むというものである。つまり、現像工程において、トナーが消費されると、現像剤収容部内に収容された現像剤の嵩が減少し、減少した嵩分のトナーがトナー収容部から現像剤収容部に補給されることで、現像剤収容部内の現像剤は、トナー濃度を保つということである。
前記現像装置の例として、特許文献1では、現像スリーブ上に磁性粒子層を形成し、容器内のトナー供給部においてこの磁性粒子層に接触するようにトナーを収容し、現像スリーブの回転に伴う磁性粒子層の磁性粒子の移動によって、上記トナー供給部で磁性粒子層内にその外側のトナー層からトナーを取り込み、トナーと磁性粒子とが混合された現像剤を規制部材で層厚規制して現像部に搬送することにより、トナーの過剰供給による帯電不足の防止を図っている。
また、特許文献2では、内部磁極を有する現像スリーブ回転型磁気ブラシ現像装置において、現像スリーブ表面に絶縁性層を設けるとともに、現像スリーブ近くにトナー供給ロールを配設し、トナー供給ロールと現像スリーブ間に交番電圧を印加することで、トナー濃度、トナー帯電の安定化を図っている。
更に、特許文献3では、現像剤を構成するトナーとして磁性トナーを用いることで、トナー帯電の安定化、トナー飛散の防止を図っている。また、特許文献4では、現像剤担持体の搬送速度が最速のときにおいて、キャリア1個の表面に対してトナーが完全に覆った状態となる限界トナー濃度以下となるようにトナー濃度を構成することで、地汚れやトナー飛散の防止を図っている。
更に、特許文献5では、現像剤収容部において、現像剤担持体に担持搬送される現像剤量を規制する第一の規制部材よりも現像剤担持体の現像剤搬送方向上流側に第二の規制部材を設けることにより、トナー濃度調整の安定化を図っている。
更に、特許文献6では、トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、この現像剤担持体により搬送される現像剤の一部を、現像剤のトナー濃度に応じて経路が異なるように跳ね返す跳ね返し手段と、この跳ね返し手段により跳ね返された低トナー濃度の現像剤にトナーを補給するトナー補給手段とを有することにより、トナー濃度を自律的に制御している。
前記のような現像方法は、トナー濃度変化に対した現像剤の体積変化と現像剤の動きによってトナー濃度を制御しているため、現像剤の体積変化と現像剤の動きを顕著にしなければならず、このため、通常のトナー濃度センサ等を備えた二成分現像方式と比較して、現像剤仕込量を少なくする必要がある。現像剤仕込量を少なくすると、ひとつのキャリア粒子にかかるストレス、具体的にはキャリア同士あるいはキャリアとトナー間の衝撃力や摩擦力が大きくなる。また、前記のようなトナー濃度を自律的に制御する現像方法は、特許文献1のように層厚規制部材で現像剤に規制を加えてトナーを帯電させるケースが多く、トナーに十分な帯電を付与するには規制を強くする必要があり、ここでもキャリア粒子にかかるストレスが大きくなる。このようにキャリア粒子にかかるストレスが大きくなると、キャリア被覆樹脂表面へのトナー成分の汚染や、被覆樹脂の摩耗・剥れが顕著になる。被覆樹脂の摩耗・剥れは、キャリア同士あるいはキャリアとトナー間の衝撃力や摩擦力により被覆樹脂層が引張られて、破断したり芯材から剥離したりする現象である。またトナー成分の汚染は、キャリアとトナー間の衝撃力や摩擦力によりトナーに添加されている外添剤がキャリア表面へ移行して被覆樹脂層中に埋没したり、トナー自身がキャリア表面に摩擦熱により融着したりする現象である。キャリア被覆樹脂表面へのトナー成分の汚染や、被覆樹脂の摩耗・剥れにより、キャリアの帯電付与能力は使用時間とともに劣化し、その結果トナー飛散や地汚れが目立つようになる。
被覆樹脂の摩耗・剥れはキャリアの劣化だけではなく、摩耗したり剥れたりした被覆樹脂の一部がトナー中に混入し、定着のさいに摩耗したり剥れたりした被覆樹脂が定着ロール表面に付着して定着ロールが汚染され、画像ぬけ等の画像欠陥が発生することがある。特に最近は機械が高速化していくのにともなって定着温度も高温化していき、摩耗したり剥れたりした被覆樹脂による定着ロールの汚染及びそれによる画像欠陥が発生しやすくなっているのが現状である。
トナー成分の汚染に対しては、フッ素樹脂や硬化型のストレートシリコーン樹脂などの低表面エネルギー樹脂を用いることが盛んに検討されているが、これら低表面エネルギー樹脂は芯材との密着性に問題がある。さらに、フッ素樹脂は硬度と耐摩耗性に問題があり、硬化型ストレートシリコーン樹脂も硬度は優れているが脆いという問題がある。また、近年、負帯電型有機感光体の普及が著しく、さらに反転現像法が多用されるのにともない、負帯電トナーが主流となっている。ところが、フッ素樹脂やシリコーン樹脂はトナーに対して負帯電しやすい、また、正帯電しても帯電量が小さいなどの問題がある。
特公平5−67233号公報(第1−3頁、第1図) 特開平5−119625号公報(第1−5頁、図1) 特開平9−22178号公報(第3−7頁、図1) 特開2000−352877号公報(第3−6頁、図1) 特開平9−197833号公報(第6−10頁、図1) 特開2004−101756号公報(第5−10頁、図1−8)
本発明は、前記の問題点に鑑み、トナー濃度センサやトナー補給機構を必要としない小型で低コストの現像装置において、トナーへの帯電付与が十分に行われ、トナー飛散や地汚れ、画像ぬけなどのない良好な画質を得ることができ、しかもこれを長期にわたって維持できる画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来技術における上記のような欠点を改善すべく鋭意研究した結果、以下に列記する(1)〜(3)の手段により、上記課題を解決した。
(1)内部に磁界発生手段を具備し、且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、現像剤収容部と、前記現像剤収容部と連通し且つトナーを収容するトナー収容部とを有し、現像剤担持体上の二成分現像剤量を規制部材で規制し、現像剤担持体上における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御する機構とを具備した現像装置を使用する画像形成方法において、前記トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性体を含有する磁性トナーであり、前記磁性キャリアは、芯材上に被覆樹脂層を有する静電潜像現像剤用キャリアであり、前記被覆樹脂層が、主鎖にポリビニルアセタールの構造を有し、側鎖にシロキサン化合物の残基を有するグラフトポリマーにより形成されたことを特徴とする画像形成方法。
(2)前記静電潜像現像剤用キャリアの被覆樹脂層が、下記式(1)及び/又は(2)のシロキサン化合物の残基を側鎖に有し、ポリビニルアセタール構造を主鎖に有するシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
Figure 2005345971
(式(1)及び(2)中のRは炭素数1〜5のアルキル基を表し、R’は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、kは1〜250の整数を表し、lは0〜5の整数を表し、mは0〜50の整数を表し、式(1)におけるnは0〜3の整数を表し、式(2)におけるnは1〜3の整数を表す。)
(3)静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像担持体上に現像剤によりトナー像を形成する工程と、中間転写体を介して又は介さずに転写体上に前記トナー像を転写する工程と、転写体上のトナー像を加熱定着する定着工程を含むことを特徴とする(1)乃至(2)に記載の画像形成方法。
トナー濃度センサやトナー補給部材を使用しない現像装置であるにもかかわらず、本発明は、上記構成を採用することにより、画像濃度の低下や地汚れ、画像欠陥等のない優れた画質を長期にわたって維持できる信頼性の高い現像装置、及びこの現像装置を用いた画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<静電潜像現像剤用キャリア>
本発明において、ポリビニルアセタールとは、ポリビニルアルコールとアルデヒドの反応により得られる可溶性のポリマーを意味する。ポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルの部分加水分解物を含む。ポリビニルアセタールは、一般的に下記式(3)で表される繰り返し単位を持つ。
Figure 2005345971
(式(3)中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、p、q及びrはそれぞれ独立に1以上の整数を表す。)
シロキサン化合物とは、分子内に下記式(4)で表されるシロキサン結合を繰り返し単位として持つ化合物を意味する。
Figure 2005345971
(式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表し、Xは水素原子又は1価の有機基を表し、pは1〜250の整数を表す。)
シロキサン化合物の残基とは、上記シロキサン化合物のXから水素原子を1つ又は2つ除いた部分構造を意味する。
シロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂は、下記式(1)及び/又は(2)のシロキサン化合物とポリビニルアセタールとを縮合することによって得られる。式(1)及び/又は(2)のシロキサン化合物とポリビニルアセタールとの縮合反応は、シロキサン化合物の水酸基とポリビニルアセタールの水酸基との間で縮合反応を起こさせることで得られる。この反応は、ポリビニルアセタール中の水酸基の一部が未反応のまま残るように両者を適当な比率で混合し、好ましくは窒素気流下で適当な触媒を使用し、60〜200℃の温度で数時間乃至十数時間反応させることによって行われる。
Figure 2005345971
(式(1)及び(2)中、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表し、R’は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、kは1〜250の整数を表し、lは0〜5の整数を表し、mは0〜50の整数を表し、式(1)におけるnは0〜3の整数を表し、式(2)におけるnは1〜3の整数を表す。)
式(1)及び(2)中のRで表される炭素数1〜5のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、又は環状アルキル基のいずれもが好ましく使用でき、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基等が例示できる。これらの中でも直鎖状アルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(1)及び(2)中のR’としては、炭素数1〜5の直鎖状、分岐状、又は環状アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基が例示できる。これらの中でも直鎖状アルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(1)又は式(2)のkは30〜200が好ましく、50〜100がより好ましい。
ポリビニルアセタールとしては、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルホルマールが好ましく、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールがより好ましく、ポリビニルブチラールが特に好ましい。
前記式(1)と(2)のシロキサン化合物は水酸基が分子の片側に存在するために、ポリビニルアセタール中の水酸基と反応する際に、シロキサン化合物の残基はポリビニルアセタールと架橋反応を起こさずに側鎖を形成する。一方のポリビニルアセタールはシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂の中で主鎖を形成する。さらに、低表面エネルギーのシロキサン化合物の残基は被覆樹脂層の表面側(空気側)に配向し、より表面エネルギーが高いポリビニルアセタール主鎖は被覆樹脂層の内側に存在することになる。したがって、被覆樹脂層の表面はシロキサン化合物の残基に由来して低表面エネルギーであり、さらに被覆樹脂層全体としてはポリビニルアセタール主鎖に由来して靭性や耐磨耗性に優れたものとなる。一方、分子の両末端に水酸基を有する通常のシロキサン化合物を使用した場合は、ポリビニルアセタールと架橋反応を起こすため、シロキサン化合物の残基の表面配向性は本発明のものより劣ったものとなる。さらに、被覆樹脂層は通常の硬化型(架橋型)ストレートシリコーン樹脂と同様に硬いが、その反面脆いものとなる。
前記シロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂は未反応の水酸基を有しており、種々の架橋剤(硬化剤)により架橋(硬化)させることが好ましい。すなわち、シロキサン変性ポリビニルアセタールを、好ましくはポリイソシアネート化合物の架橋剤により架橋させ、ウレタン結合を形成させることが好ましい。この架橋反応はポリビニルアセタール主鎖中にある未反応の水酸基を利用するため、シロキサン化合物の残基はそのままの形で残り、被覆樹脂層の表面エネルギーは維持されながら被覆樹脂層の膜強度はより強固なものとなる。この架橋反応はNCO/OH=1となるように両者を適当な比率で混合して行うことが好ましい。
ポリイソシアネートとしては従来公知のいずれのものも使用できるが、例えば、好ましい化合物として、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添MDI、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、5−ナフタリンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等があり、あるいはこれらのポリイソシアネートと低分子量のポリオールやポリアミンとを末端イソシアネートとなるように反応させて得られるウレタンプレポリマー等も使用できる。
上記のポリイソシアネートで架橋したシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂中に占めるシロキサン変性ポリビニルアセタールの割合は50〜90重量%が好ましく、さらに好ましいのは70〜90重量%である。さらに、上記のポリイソシアネートで架橋したシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂中に占める式(1)及び/又は(2)のシロキサン化合物の残基の割合は5〜40重量%、ポリビニルアセタール主鎖の割合は50〜85重量%が好ましい。式(1)及び/又は(2)のシロキサン化合物の残基のさらに好ましい割合は5〜30重量%、ポリビニルアセタール主鎖の割合は60〜85重量%である。式(1)及び/又は(2)のシロキサン化合物の残基の割合が上記範囲内であると、十分な低表面エネルギー性が発現し、また耐磨耗性が十分となり、さらに正の帯電性も十分となり好ましい。また、ポリビニルアセタール主鎖の割合が上記範囲内であると、十分な靭性が発揮されるため好ましい。また、ポリビニルアセタールの中でも特に靭性が優れているポリビニルブチラールが好ましい。
本発明の静電潜像現像剤用キャリアに用いるシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量は、被覆樹脂膜の強度や被覆時の樹脂の扱いやすさの観点から2万〜50万が好ましく、特に好ましいのは2万〜25万である。
上記の必要に応じてウレタン結合で架橋したシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂は適当な有機溶剤中に溶解させて使用することが好ましい。このような有機溶剤として好ましいものは、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等である。また、アセトン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド等も使用できる。
本発明の静電潜像現像剤用キャリアに用いる被覆樹脂層には帯電量の調整を目的に、樹脂微粒子を分散させることができる。樹脂微粒子の具体例としては、フェノール樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂;架橋シリコーン樹脂;フッ素樹脂等を挙げることができる。樹脂微粒子の平均粒径は、0.1〜2μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜1μmである。上記範囲内にあると、被覆樹脂層内での分散が十分であり、被覆樹脂層からの脱落が生じにくい。樹脂微粒子の添加量は、被覆樹脂層に1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲がよい。
また、本発明では、上記被覆樹脂層に導電粉を分散させることにより、キャリアの導電性を上げることができる。一般に樹脂被覆を施すとキャリアは絶縁化され、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。そこで、導電粉を被覆樹脂層に分散させることによりそれらを改善することが可能である。
導電粉自身の電気抵抗は1×108Ωcm以下が好ましく、1×105Ωcm以下がより好ましい。導電粉の具体例としては、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛のような導電性の金属酸化物単体系;酸化チタン、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ等の微粒子の表面を導電性の金属酸化物で被覆した複合系などが挙げられる。製造安定性、コスト、電気抵抗の低さという観点からカーボンブラックが特に好ましい。カーボンブラックの種類は特に限定されないが、製造安定性の良いDBP(ジブチルフタレート)吸油量が50〜300ml/100gの範囲のものが好適である。導電粉の平均粒径は0.1μm以下が好ましく、分散のためには一次粒径が50nm以下のものが好ましい。導電粉の添加量は導電粉の種類により異なるが、被覆樹脂層に1〜50重量%、好ましくは3〜30重量%の範囲がよい。
本発明で使用される静電潜像現像剤用キャリアに用いるキャリア芯材は特に限定されるものではなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライトやマグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズなどが挙げられるが、現像に前記磁気ブラシ法を用いるという観点から磁性を有することが好ましい。
キャリア芯材上への被覆樹脂のコート量は、キャリア重量に対して0.3〜5重量%の範囲が適当である。
被覆樹脂層をキャリア芯材上に形成する方法としては、被覆樹脂層形成用溶液中にキャリア芯材を浸漬する浸漬法、被覆樹脂層形成用溶液をキャリア芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆樹脂層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被覆樹脂層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法等があげられる。
被覆樹脂層形成用溶液に使用する溶剤は、被覆樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではない。また、樹脂微粒子や導電粉の分散方法としては、サンドミル、ダイノミル、ホモミキサー等がある。
本発明で使用されるキャリアは、適当な粒状トナーと混合して静電潜像現像剤として使用される。
<トナー>
本発明で使用されるトナーは、従来の公知の方法で製造されたものを使用できる。具体的には、(1)結着樹脂、磁性体、必要に応じて着色剤、離型剤、帯電制御剤等を溶融混練し、粉砕し、分級する混練粉砕法、(2)結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させた樹脂微粒子分散液と、磁性体、必要に応じて着色剤、離型剤、帯電制御剤等を分散させた分散液とを混合し、凝集し、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法等を採用することができる。
トナーの結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス類をあげることができる。
本発明で使用されるトナーは、磁性体を含有する磁性トナーである。トナーが磁性を有することにより、地汚れの発生を防止することができる。これは、磁気バイアスにより現像剤担持体にトナーが捉えられているため、十分に帯電したトナーのみが現像され、帯電が不十分なトナーが現像されないことにより、地汚れの発生を抑制することができるためと考えられる。
本発明で使用される磁性体としては、公知の磁性体、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属及びこれらの合金、Fe34、γ−Fe23、コバルト添加酸化鉄等の金属酸化物、MnZnフェライト、NiZnフェライト等の各種フェライト、マグネタイト、ヘマタイト等が使用できる。更にこれら磁性粉の表面をシランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の表面処理剤で処理したもの、珪素系化合物やアルミニウム系化合物など無機系材料でコーティングしたもの、あるいはポリマーコーテイングしたもの等でも良い。
磁性粉末の含有量はトナー粒子全体に対して5〜50重量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10〜40重量%の範囲内である。上記範囲内にあると、磁気バイアスによるトナーの捕捉力が十分であるため、地汚れ防止効果が得られ、また、現像性がよく、十分な画像濃度を得られる。
これらの磁性粉の平均粒径は0.05〜0.35μm程度のものが結着樹脂中への分散性の観点で好ましく用いられる。
本発明では着色力調整のために磁性粉以外の着色剤を併用しても良い。黒色の着色剤としては、黒色水酸化鉄、黒色酸化チタン、カーボンブラック等を併用してもよい。
また、色調を調整するために黒色以外の着色剤を含有させても良い。使用できる着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤を挙げることができ、目的に応じて適宜選択することができる。着色剤としては、例えば、デュポンオイルレッド、オリエントオイルレッド、ローズベンガル、C.I.ピグメントレッドの5、112、123、139、144、149、166、177、178、222、48:1、48:2、48:3、53:1、57:1、81:1や、C.I.ピグメントオレンジの31、43や、キノリンイエロー、クロームイエロー、C.I.ピグメントイエローの12、14、17、93、94、97、138、174、180、188や、ウルトラマリンブルー、アニリンブルー、カルコイルブルー、メチレンブルークロライド、銅フタロシアニン、C.I.ピグメントブルーの15、60、15:1、15:2、15:3や、C.I.ピグメントグリーンの7や、マラカイトグリーンオキサレートなどが挙げられ、これらを単独又は複数組み合わせて用いることも可能である。
本発明で使用されるトナーはオフセット発生防止のため、離型剤を含有していることが好ましい。
本発明に使用する離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのごとき動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用できる。
本発明で使用されるトナーは帯電制御を目的として、種々の物質を内添剤として添加しても良い。例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸系錯体、鉄錯体のような鉄系染料、クロム錯体のようなクロム系染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体のごとき高分子酸、4級アンモニウム塩、ニグロシンなどのアジン系染料などを0.1〜10.0重量%の範囲で添加しても良い。
本発明で使用されるトナーは耐久性や粉体流動性などを向上させる目的で、種々の無機系あるいは有機系の微粒子を外添することが好ましい。
外添剤として用いることができる無機微粒子としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属酸化物やセラミック粒子などを用いることができる。
また、これらの無機微粒子は、疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理された無機微粒子を用いた場合、高湿度下でのトナーの帯電量を向上させる事ができ、結果としてトナーの帯電性の環境安定性を向上させる事ができる。
なお、疎水化処理に用いることができる疎水化剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等のカップリング剤、シリコーンオイルやポリマーコーティング処理などが挙げられる。これらの疎水化剤を単独又は組み合わせて用いることができる。
また、無機微粒子に加えて、有機微粒子をトナーに外添することもできる。有機微粒子としては、例えば、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、エチレン系重合体などのビニル系重合体や、エステル系、メラミン系、アミド系、アリルフタレート系などの各種重合体、フッ化ビニリデンなどのフッ素系重合体、ユニリンなどの高級アルコールからなる微粒子などを挙げる事ができ、一次粒径で0.05〜7.0μmのものが好ましく用いられる。有機微粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で添加される。
外添剤を混合するには、たとえばV型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。
<自律的トナー濃度制御機構を備えた現像装置>
本発明に用いられる現像装置は、内部に磁界発生手段を具備し、磁性二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、現像剤収容部と連通し且つトナーを収容するトナー収容部とを有し、現像剤担持体上の二成分現像剤量を規制部材で規制することによって、自律的にトナー濃度を制御するものである。このとき、現像剤収容部、トナー収容部は、内部で適宜仕切られていても良く、その形は限定されない。
自律的トナー濃度制御機構を具備した現像装置の一例を図1〜4に示し、別の一例を図5に示す。
図1は、画像形成装置の一例を示す概略図である。
画像形成装置1は、例えば有機感光体からなる静電潜像担持体2を有し、この静電潜像担持体2の周囲に、帯電装置3、露光装置4、現像装置5、転写装置6及びクリーニング装置7が配置されている。帯電装置3は、例えばスコロトロンから構成され、静電潜像担持体2を一様に帯電する。露光装置4は、ポリゴンミラーを有するレーザ書込み装置やLEDアレイが用いられ、一様帯電された静電潜像担持体2に対して画像データに応じて光を照射し、静電潜像を書き込む。現像装置5は、後述するように二成分現像方式のもので、静電潜像担持体2に形成された静電潜像に対してトナーを付着し、可視化する。転写装置6は、例えば転写ロールから構成され、静電潜像担持体2との間に電界を形成し、上記転写装置6と静電潜像担持体2との間を通過する用紙にトナー像を転写する。クリーニング装置7は、例えばドクターブレード式のもので、静電潜像担持体2に残ったトナーを掻き落とし、静電潜像担持体2からトナーを除去する。
前述したように静電潜像担持体2からトナー像が転写された用紙は、用紙搬送通路の後流側に配置された定着装置8に送られ、この定着装置8によりトナー像が用紙に定着される。定着装置8は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール8aと加圧ロール8bとを有し、この加熱ロール8aと加圧ロール8bとの間に用紙を通すことによりトナー像を用紙に定着するようにしてある。
図2は、上記画像形成装置に用いた現像装置5の第1の実施形態を示す断面図である。
現像装置5で使用される現像剤は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤である。トナーは非磁性でも磁性でも構わない。この現像装置5は、現像装置本体9を有し、この現像装置本体9内に現像剤担持体10が配置されている。この現像剤担持体10は、回転スリーブ11と現像剤搬送用磁界発生手段12から構成されている。この回転スリーブ11は、この現像剤搬送用磁界発生手段12を内包している。現像剤搬送用磁界発生手段12は、図中右側で水平からほぼ30°位置に配置された搬送磁極13と現像領域に配置された現像磁極14とを含む例えば3つのN極磁石と2つのS極磁石が交互に周方向に配置されて構成されている。回転スリーブ11は、例えば図2の反時計方向に回転すると共に、図中左側の現像部において前述した静電潜像担持体に対向している。
跳ね返し手段15は、この実施形態においては、前述した搬送磁極13と、跳ね返し部16とから構成されている。跳ね返し部16は、現像装置本体9内に形成され、回転スリーブ11の回転方向で現像部より上流側において、図中右側ほぼ45°の方向で現像剤担持体10の回転スリーブ11に対向するように配置されている。この跳ね返し部16と回転スリーブ11との間隙は、数十mm〜数mm程度に設定されている。この跳ね返し部16の上流側近傍に搬送磁極13が配置されている。この実施形態においては、跳ね返し部16は、現像剤担持体10により搬送される現像剤の層厚を規制する層厚規制機能を兼ねているが、跳ね返し機能とは別にするため、層厚規制部材17を跳ね返し部16の下流側に設けてもよい。
このように構成された跳ね返し手段15は、現像剤担持体10により搬送される現像剤の一部を現像剤のトナー濃度に応じて経路が異なるように跳ね返すようになっている。すなわち、現像剤のトナー濃度が低い場合は、図2の実線で示すように、跳ね返し部16の内壁近傍で跳ね返えされ、現像剤のトナー濃度が高い場合は、現像剤担持体回転方向に対して跳ね返し部16の上流側で、跳ね返し部16に達することなく、さらに上流側で跳ね返される。
この跳ね返し手段15の作用をさらに詳しく説明する。
図3は、跳ね返し部付近での低トナー濃度の現像剤挙動を模式的に示す断面図である。
搬送される現像剤のトナー濃度が低い場合は、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が少ないことから、比較的磁性キャリアの表面が多く露出している。つまり、外部磁界から受ける磁気吸引力は大きくなるため、跳ね返し部16近傍で対向し、且つ跳ね返し部16よりも現像剤担持体10の現像剤搬送方向に対して上流側の位置に配置された搬送磁極13により穂立ちが形成される際には、磁性キャリア間の結合力が強固な穂立ちが形成される。したがって、図3に示すように、現像剤は跳ね返し部16の位置まで確実に搬送され、跳ね返し部16により、現像剤から構成される穂立ちが穂切りされ、跳ね返し部16から受ける反発力により跳ね返し部16の内壁近傍で跳ね返され、重力方向下方に落下する経路を辿る。
一方、図4は、跳ね返し部付近での高トナー濃度の現像剤挙動を模式的に示す断面図である。
搬送される現像剤のトナー濃度が高い場合は、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が多いことから、比較的磁性キャリアの表面の露出が少ない。つまり、外部磁界から受ける磁気吸引力は小さくなることから、搬送磁極13により穂立ちが形成される際には、磁性キャリア間の結合力が弱い穂立ちが形成される。したがって、図4に示すように、現像剤により構成される穂立ちの結合力が弱いがために、上記現像剤により構成された穂立ちは、跳ね返し部16に到達することなく、跳ね返し部16近傍の現像剤担持体10による現像剤搬送方向上流側において停滞する現像剤によって穂切りされ、上記の停滞する現像剤からの反発力により該停滞する現像剤が存在する位置から現像剤担持体10の現像剤搬送方向上流側に跳ね返され、重力方向下方に落下する。つまり、高いトナー濃度の現像剤が現像剤担持体10の現像剤搬送方向上流側に跳ね返される位置は、低いトナー濃度の現像剤が現像剤担持体10の現像剤搬送方向上流側に跳ね返され位置よりも、現像剤担持体10の現像剤搬送方向に対して上流側の位置となり、現像剤のトナー濃度に応じた経路を辿ることになる。
トナー補給手段18は、跳ね返し部16の図中右側で現像装置本体9内上部に形成されたトナー収容部19を有し、このトナー収容部19にトナーが収容されている。このトナー収容部19の下端には、トナー補給口20が形成されており、このトナー補給口20は、低トナー濃度の現像剤の経路に沿っている。このトナー補給口20の開口部分には、トナー保持手段としてのメッシュ21が設けられている。このメッシュ21は、トナー補給口20でトナー収容部19のトナーを保持し、トナー単独では落下しないようになっている。このメッシュ21に沿って低トナー濃度の現像剤が接触すると、キャリアにトナーが付着し、トナー収容部19のトナーがメッシュ21を越えてトナー補給口20から補給されるようになっている。トナー収容部19内でトナー補給口20の上方には、トナー撹拌部材22が設けられており、このトナー撹拌部材22が回転することによりトナー収容部19内のトナーが撹拌され、トナーが大きな塊となるのを防止し、トナー溜りの流動性を向上させるようにしてある。
現像剤撹拌室23は、トナー補給口20よりも現像剤担持体10の現像剤搬送方向に対して上流側で重力方向下方に配置されるよう現像装置本体9の下部に形成されている。この現像剤撹拌室23には、回転する現像剤撹拌部材24が設けられている。この現像剤撹拌部材24は、例えばスパイラル状のオーガからなるが、磁性あるいは非磁性のロールでもよく複数存在しても構わない。特に、この現像剤撹拌部材24として通常の二成分方式で用いられるスパイラル状のもの等を使用し、現像剤撹拌室23内で現像剤担持体10の軸方向にそって現像剤を撹拌、搬送せしめる構成とした場合は、トナー補給口20及びトナー撹拌部材22は、現像剤担持体10の回転軸方向全面に具備される必要はなく、現像剤担持体10の回転軸方向の一部に具備されればよい。勿論、この場合においても上記トナー補給口20及びトナー撹拌部材22を現像剤担持体10の回転軸方向全面に具備すれば現像剤に対するトナー補給効率はより良好になる。この現像剤撹拌部材24により撹拌された現像剤は、現像剤担持体10のピックアップ磁極N1付近で現像剤担持体10に供給され、現像剤担持体10の回転スリーブ11の回転により搬送されるものである。
次に上述した現像装置5の作用について説明する。
現像剤撹拌室23から現像剤撹拌部材24によりトナーと磁性キャリアが良く混合されている現像剤が現像剤担持体10のピックアップ磁極近傍に供給され、このように供給された現像剤は、現像剤担持体10の現像剤搬送用磁界発生手段12による磁気吸引力と現像剤担持体表面との摩擦力により、現像剤担持体10の回転方向に搬送される。搬送される現像剤が跳ね返し部16近傍付近に到達すると、前述した搬送磁極13により穂立ちが形成された後に、跳ね返し部16により搬送された現像剤がその層厚を規制されることにより現像剤担持体10上に現像剤層が形成され、現像領域に搬送される。そして現像領域に到達した現像剤は、現像磁極14の磁気吸引力により磁気ブラシを形成し、潜像担持体と現像剤担持体間に形成される現像電界によって磁性キャリア表面からトナーが飛翔し、潜像担持体上の潜像を可視化する。
跳ね返し部16付近においては、前述したように、搬送される現像剤のトナー濃度が低い場合は、跳ね返し部16からの反発力により現像剤担持体10の現像剤搬送方向上流側に跳ね返され、重力方向下方に落下する。そして、落下経路の途中に存在するトナー補給口20において露出しているトナー溜りをかすめてトナーを補給し、現像剤撹拌室23へ突入する。
一方、搬送される現像剤のトナー濃度が高い場合は、停滞する現像剤の反発力により上記の停滞する現像剤が存在する位置から現像剤担持体10の現像剤搬送方向上流側に跳ね返され、重力方向下方に落下する。この場合、トナー補給口20を現像剤担持体10の現像剤搬送方向に対して、低いトナー濃度の現像剤が跳ね返される位置よりも上流側で高いトナー濃度の現像剤が落下する位置よりも下流側に設置してやることにより、高いトナー濃度の現像剤が落下する際にはトナー補給口20をかすめることなく現像剤撹拌室23に直接突入することになる。
すなわち、この実施形態における現像装置5は、トナー濃度が低い現像剤に対してはトナー補給が行われ、トナー濃度が高い現像剤に対してはトナー補給が行なわれない構成になっている。
このようなトナー補給メカニズムはトナー濃度に応じた磁気吸引力の変化を利用したものであり、複雑なトナー補給機構やトナー濃度センサを必要とせず、現像剤自身で自律的に実現するものである。したがって、トナー補給機構やトナーセンサを必要としない、前述した従来技術と同様にボックスコストは安い。そして、前述した従来技術のようにトナー濃度に応じた現像剤の嵩変化と対流を利用したものではないので現像剤の穂立ちの間に
挿んでトナーを過剰に取り込んでしまうことがなく、特に非磁性トナーを用いた場合においてもトナークラウドやカブリの発生を少なくできる。また、現像剤中の磁性キャリア量が減少する等により現像剤の仕込み量が変化しても、低いトナー濃度の現像剤に対して選択的にトナー補給が行なわれるため現像剤全体に亘って安定した均一なトナー濃度の現像剤を得ることが出来る。さらに、前述した従来技術のように、現像装置内の現像剤密度を高める必要もなく、且つ現像剤の仕込み量も増やすことが可能であるため現像剤に対するストレスが軽減され長寿命化が図れる。
図5は、自律的トナー濃度制御機構を具備した現像装置の他の一例を示す断面図である。
上記現像装置は、現像剤担持体10、現像剤収容部26(第一現像剤収容部26a及び第二現像剤収容部26b)、トナー収容部19及びトナー濃度自律的制御機構を具備している。
現像剤量を規制する前記規制部材は、せき止め部30が該当する。
現像剤担持体10は、回転スリーブ11とその内部に固定された現像剤搬送用磁界発生手段12とを具備し、トナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤25を回転搬送担持する機能を有する。
現像剤搬送用磁界発生手段12は、搬送磁極13と現像磁極14とを含む、例えば、3つのN極磁石と2つのS極磁石とから交互に周方向に配置されて構成されている。
第一現像剤収容部26aは、現像剤担持体10に隣接して二成分現像剤25を収容する部位であり、第二現像剤収容部26bは、第一現像剤収容部26aを介して現像剤担持体10と連通して設けられ且つトナーあるいは高いトナー濃度の現像剤を受け入れ、第一現像剤収容部26aヘ供給する部位である。
トナー収容部19は、第一現像剤収容部26a、第二現像剤収容部26bを介して現像剤担持体10と連通して設けられ且つ第二現像剤収容部26bにトナーを供給可能に収容するようになっている。
現像剤退避部28は、現像剤担持体10に隣接して第一現像剤収容部26aに対し現像剤担持体10の現像剤搬送方向下流側に設けられると共に、第二現像剤収容部26bと連通している。
現像剤分離手段29は、前述した搬送磁極13、せき止め部30及び仕切り部31で構成される。せき止め部30は、搬送磁極13よりも現像剤担持体10の現像剤搬送方向下流側において、現像剤担持体10の回転スリーブ11に対向するように配置されている。仕切り部31は、この仕切り部の先端が搬送磁極13の直上、あるいは搬送磁極13よりも現像剤担持体10の現像剤搬送方向下流側に現像剤担持体10の表面と間隔を保って保持されている。この仕切り部31の他端は、第二現像剤収容部26b及び現像剤供給口27に臨んでいる。
前記現像剤分離手段29は、第一現像剤収容部26aに対して現像剤担持体10の現像剤搬送方向下流側に設けられ、現像剤担持体10により担持搬送される二成分現像剤25の一部を余剰現像剤としてせき止め部30によりせき止め、トナー濃度に応じて第一現像剤収容部26a又は現像剤退避部28に前記余剰現像剤を分離する機能を有する。
上記現像装置では、上記現像剤退避部28へ分離された二成分現像剤25は、上記第二現像剤収容部26bへ流出する。
次に、せき止め部30付近における二成分現像剤25の挙動について説明する。
まず、現像剤担持体10により担持搬送される二成分現像剤25のトナー濃度が低い場合を想定する。この二成分現像剤は、現像剤中のトナー量が少ないことから、比較的単位体積当たりの磁性キャリア密度が大きくなっている。つまり、外部磁界から二成分現像剤が受ける磁気吸引力は大きくなるため、トナー濃度の低い二成分現像剤は、せき止め部30近傍まで確実に搬送される。このせき止め部30まで確実に搬送された二成分現像剤は、せき止め部30のせき止め力と磁気拘束力によって、せき止め部30近傍に滞留している滞留現像剤を押し出し、この押し出された滞留現像剤は、落下現像剤となって仕切り部31上に落下し、現像剤退避部28を経て、その後、第二現像剤収容部26bへ流れ込む。
このとき、上記のようにトナー濃度の低い二成分現像剤が現像剤退避部28に導かれた場合、第一現像剤収容部26a内にはその分だけスペースが作られることになる。その結果、現像剤供給口27から第一現像剤収容部26aに至るまでの現像剤供給路にあった二成分現像剤は、現像剤担持体10の回転方向とは逆の時計回りに回転する現像剤撹拌部材24の搬送力と二成分現像剤の自重により、上記スペースに速やかに引き込まれ現像剤供給口27付近の二成分現像剤が流動する。これにより、第二現像剤収容部26bは、現像剤供給口27からの高いトナー濃度の二成分現像剤を受け入れ、この高いトナー濃度の二成分現像剤は、第一現像剤収容部26aへと速やかに供給される。さらに、高いトナー濃度の現像剤を供給した分、トナー収容部19からトナーを受け入れるスペースが形成されて、現像剤供給口27から第二現像剤収容部26bに至るまでのトナー供給路にあったトナーは、現像剤撹拌部材24の引き込みとトナーの自重及びトナー撹拌部材22の掃き出しにより、第二現像剤収容部26bへと速やかに供給される。
一方、現像剤担持体10により担持搬送される二成分現像剤25のトナー濃度が高い場合を想定すると、この二成分現像剤は、磁性キャリアの表面を覆うトナー量が多いことから、比較的単位体積当たりの磁性キャリア密度が小さい。つまり、外部磁界から二成分現像剤が受ける磁気吸引力は小さいため、トナー濃度の高い二成分現像剤の多くは、現像剤担持体10の回転方向に対して仕切り部31の先端よりも上流側の位置で落下してしまう。この結果、この二成分現像剤は、せき止め部30近傍に滞留している滞留現像剤まで到達することなく、仕切り部31上に落下しない。このため、この二成分現像剤は、仕切り部31上に落下することなく、現像剤担持体10の回転方向に対して仕切り部31の先端部より上流側の位置で落下し、直接第二現像剤収容部26bへ戻る。このとき、前記トナー濃度が低い場合と異なり、第一現像剤収容部26a内にスペースが作られず、現像剤供給口27付近の二成分現像剤は流動しないので、二成分現像剤によりふさがれている状態となり、第二現像剤収容部26bから高いトナー濃度の二成分現像剤を供給されない。同様に、第二現像剤収容部26bにおいてもトナー収容部19からのトナーを受け入れるスペースが形成されないため、トナーは供給されない。
このように、トナー濃度に応じた二成分現像剤25の流動性変化、及び嵩の変化を利用したものであり、トナー濃度が低い二成分現像剤に対してはトナー補給が行われ、トナー濃度が高い二成分現像剤に対してはトナー補給が行われない、自律的トナー濃度制御機構になっている。
以下、本発明を、実施例、比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
トナーの製造例を以下に示す。
(トナーaの製造)
ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物・テレフタル酸を主体とする架橋ポリエステル、酸価=10.0、Tg=59.1℃) 100重量部
マグネタイト(商品名:MTH009F、戸田工業製) 44重量部
ポリプロピレンワックス(商品名:P200、三井化学社製) 6重量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度150℃のエクストルーダーにより熱混練した。冷却後、粗粉砕、微粉砕した後、分級して、D50=7.5μm、5μm以下:22%の分級品を得た。得られたトナー分級品100重量部に対して、疎水性酸化チタンを0.1重量部とシリコーンオイル処理シリカ1.2重量部をヘンシェルミキサーで外添混合した後、凝集物を取り除いて、トナーaを得た。酸化チタンは、イルメナイト鉱石を用い、これを硫酸に溶解させて鉄粉を分離し、得られたTiOSO4を100部に対してSiCl4を5部添加し、加水分解させた後、水洗し、Si成分を含有したTiO(OH)2を得、それを焼成せずにTiO(OH)2 100部に対してデシルトリメトキシシラン8部を湿式にて処理、乾燥し、ジェットミルにより粉砕して得られた平均粒径0.05μmの疎水性酸化チタンであり、シリカは、一次粒子粒径0.012μmのシリコーンオイル処理シリカ(商品名:RY200、日本アエロジル製)である。
(トナーbの製造)
ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物・テレフタル酸を主体とする架橋ポリエステル、酸価=10.0、Tg=59.1℃) 100重量部
マグネタイト(商品名:MTH009F、戸田工業製) 36重量部
ポリプロピレンワックス(商品名:P200、三井化学社製) 6重量部
カーボンブラック(R330 キャボット社製) 8重量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度150℃のエクストルーダーにより熱混練した。冷却後、粗粉砕、微粉砕した後、分級して、D50=7.5μm、5μm以下:22%の分級品を得た。得られたトナー分級品100重量部に対して、疎水性酸化チタンを0.1重量部とシリコーンオイル処理シリカ1.2重量部をヘンシェルミキサーで外添混合した後、凝集物を取り除いて、トナーbを得た。酸化チタンとシリカはトナーaと同様のものを使用した。
キャリアの製造例を以下に示す。
本発明の実施例において用いるシロキサン化合物は以下のとうりである。
Figure 2005345971
化合物S1〜S7において、kは分子量が5,200になる値である。
本発明の実施例において、キャリアの製造に用いる材料は以下の通りである。
Mn−Mg系フェライト粒子:真比重5.0g/cm3、平均粒径35μm、飽和磁化65emu/g(65A・m2/kg)
カーボンブラック:キャボット社製R330R、平均粒径25nm、DBP値71ml/100g、抵抗10Ωcm以下
架橋メラミン樹脂粒子:平均粒径0.3μm
(樹脂溶液A−Iの製造)
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び還流冷却器を備えた反応器に、シロキサン化合物S1(分子量5,200)50重量部、ポリビニルブチラール(積水化学社製、BL−1、分子量19,000)200重量部、テトラブチルチタネート(触媒)0.02重量部、メチルエチルケトン250重量部を仕込み、窒素気流下80℃の温度で10時間反応させてシロキサン変性ポリビニルブチラール樹脂溶液を得た。このシロキサン変性ポリビニルブチラール樹脂溶液100重量部に対して、トリメチロールプロパン1モルとトリレンジイソシアネート3モルの付加体(D103、三井武田ケミカル製、固形物濃度75%)を19重量部加えてNCO/OH=1とし、さらにメチルエチルケトンを308重量部加えて固形物濃度15%のウレタン架橋されたシロキサン変性ポリビニルブチラール樹脂溶液A−Iを得た。上記樹脂中に占めるシロキサン化合物S1の残基の割合は17%、ポリビニルブチラールの残基の割合は63%であった。
(樹脂溶液A−IIの製造)
樹脂溶液A−Iの製造例と同様にして、シロキサン化合物S3(分子量5,200)30重量部、ポリビニルアセタール(積水化学社製、KS−1、分子量27,000)220重量部、テトラブチルチタネート(触媒)0.02重量部、メチルエチルケトン250重量部を仕込み、窒素気流下80℃の温度で10時間反応させてシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。このシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液100重量部に対して、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(D204EA、三井武田ケミカル製、固形物濃度50%)を20重量部加えてNCO/OH=1とし、さらにメチルエチルケトンを280重量部加えて固形物濃度15%のウレタン架橋されたシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液A−IIを得た。上記樹脂中に占めるシロキサン化合物S3の残基の割合は10%、ポリビニルアセタールの割合は73%であった。
(樹脂溶液A−IIIの製造)
樹脂溶液A−Iの製造例と同様にして、シロキサン化合物S2(分子量5,200)70重量部、ポリビニルアセタール(積水化学社製、BX−L、分子量20,000)230重量部、テトラブチルチタネート(触媒)0.02重量部、メチルエチルケトン200重量部を仕込み、窒素気流下80℃の温度で10時間反応させてシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。このシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液100重量部に対して、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(D204EA、三井武田ケミカル製、固形物濃度50%)を20重量部加えてNCO/OH=1とし、さらにメチルエチルケトンを347重量部加えて固形物濃度15%のウレタン架橋されたシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液A−IIIを得た。上記樹脂中に占めるシロキサン化合物S2の残基の割合は20%、ポリビニルアセタールの割合は66%であった。
(樹脂溶液A−IVの製造)
樹脂溶液A−Iの製造例と同様にして、シロキサン化合物S5(分子量5,200)50重量部、ポリビニルアセタール(積水化学社製、KS−10、分子量17,000)200重量部、テトラブチルチタネート(触媒)0.02重量部、メチルエチルケトン250重量部を仕込み、窒素気流下80℃の温度で10時間反応させてシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。このシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液100重量部に対して、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(D170、三井武田ケミカル製、固形物濃度100%)を14重量部加えてNCO/OH=1とし、さらにメチルエチルケトンを313重量部加えて固形物濃度15%のウレタン架橋されたシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液A−IVを得た。上記樹脂中に占めるシロキサン化合物S5の残基の割合は16%、ポリビニルアセタールの割合は63%であった。
(樹脂溶液A−Vの製造)
樹脂溶液A−Iの製造例と同様にして、シロキサン化合物S4(分子量5,200)50重量部、ポリビニルアセタール(積水化学社製、KS−10、分子量17,000)200重量部、テトラブチルチタネート(触媒)0.02重量部、メチルエチルケトン250重量部を仕込み、窒素気流下80℃の温度で10時間反応させてシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液を得た。このシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液100重量部に対して、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(D170、三井武田ケミカル製、固形物濃度100%)を14重量部加えてNCO/OH=1とし、さらにメチルエチルケトンを313重量部加えて固形物濃度15%のウレタン架橋されたシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂溶液A−Vを得た。上記樹脂中に占めるシロキサン化合物S4の残基の割合は16%、ポリビニルアセタールの割合は63%であった。
(樹脂溶液A−VIの製造)
樹脂溶液A−Iの製造例におけるシロキサン化合物S1にかえて、分子両末端に水酸基を有するシロキサン化合物S6を同量使用し、他は同様にしてウレタン架橋されたシロキサン変性ポリビニルブチラール樹脂溶液A−VIを得た。
(樹脂溶液A−VIIの製造)
樹脂溶液A−Iの製造例におけるシロキサン化合物S1にかえて、シロキサン化合物
S7を同量使用し、他は同様にしてウレタン架橋されたシロキサン変性ポリビニルブチラール樹脂溶液A−VIIを得た。
(樹脂溶液A−VIIIの製造)
信越化学工業(株)製ストレートシリコーン樹脂(KS−841)100重量部と触媒(PL−7)1重量部とをトルエン572重量部に溶解し、固形物濃度15%のシリコーン樹脂溶液A−VIIIを得た。
(キャリアA−Iの製造)
Mn−Mg系フェライト粒子 100重量部
樹脂溶液A−I 18重量部
カーボンブラック 0.3重量部
フェライト粒子を除く上記成分とガラスビーズ(粒径1mm、溶剤と同量)を関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌して被覆樹脂層形成用溶液を調製した。次に、この被覆樹脂層形成用溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃を保って10分間撹拌した後、減圧して溶剤を留去することにより被覆樹脂層を形成してキャリアA−Iを得た。被覆樹脂層の厚みは1μmであった。
103.8V/cmの電界下でのキャリア抵抗は5×1010Ωcmであった。
(キャリアA−IIの製造)
Mn−Mg系フェライト粒子 100重量部
樹脂溶液A−II 17.3重量部
カーボンブラック 0.1重量部
架橋メラミン樹脂粒子 0.3重量部
キャリアA−Iの製造例における材料に代え、上記の材料を用い、他は同様にしてキャリアA−IIを得た。被覆樹脂層の厚みは1μmであった。
103.8V/cmの電界下でのキャリア抵抗は4×1012Ωcmであった。
(キャリアA−IIIの製造)
Mn−Mg系フェライト粒子 100重量部
樹脂溶液A−III 17.3重量部
カーボンブラック 0.4重量部
キャリアA−Iの製造例における材料に代え、上記の材料を用い、他は同様にしてキャリアA−IIIを得た。被覆樹脂層の厚みは1μmであった。
103.8V/cmの電界下でのキャリア抵抗は5×109Ωcmであった。
(キャリアA−IVの製造)
Mn−Mg系フェライト粒子 100重量部
樹脂溶液A−IV 15.3重量部
カーボンブラック 0.4重量部
架橋メラミン樹脂粒子 0.3重量部
キャリアA−Iの製造例における材料に代え、上記の材料を用い、他は同様にしてキャリアA−IVを得た。被覆樹脂層の厚みは1μmであった。
103.8V/cmの電界下でのキャリア抵抗は4×109Ωcmであった。
(キャリアA−Vの製造)
Mn−Mg系フェライト粒子 100重量部
樹脂溶液A−V 16重量部
カーボンブラック 0.3重量部
架橋メラミン樹脂粒子 0.3重量部
キャリアA−Iの製造例における材料に代え、上記の材料を用い、他は同様にしてキャリアA−Vを得た。被覆樹脂層の厚みは1μmであった。
103.8V/cmの電界下でのキャリア抵抗は3×1010Ωcmであった。
(キャリアA−VIの製造)
Mn−Mg系フェライト粒子 100重量部
樹脂溶液A−VI 16重量部
カーボンブラック 0.3重量部
架橋メラミン樹脂粒子 0.3重量部
キャリアA−Iの製造例における材料に代え、上記の材料を用い、他は同様にしてキャリアA−VIを得た。被覆樹脂層の厚みは1μmであった。
103.8V/cmの電界下でのキャリア抵抗は2×1010Ωcmであった。
(キャリアA−VIIの製造)
Mn−Mg系フェライト粒子 100重量部
樹脂溶液A−VII 16重量部
カーボンブラック 0.3重量部
架橋メラミン樹脂粒子 0.3重量部
キャリアA−Iの製造例における材料に代え、上記の材料を用い、他は同様にしてキャリアA−VIIを得た。被覆樹脂層の厚みは1μmであった。
103.8V/cmの電界下でのキャリア抵抗は5×1010Ωcmであった。
(キャリアA−VIIIの製造)
Mn−Mg系フェライト粒子 100重量部
樹脂溶液A−VIII 16重量部
カーボンブラック 0.3重量部
架橋メラミン樹脂粒子 0.3重量部
キャリアA−Iの製造例における材料に代え、上記の材料を用い、他は同様にしてキャリアA−VIIIを得た。被覆樹脂層の厚みは1μmであった。
103.8V/cmの電界下でのキャリア抵抗は7×1010Ωcmであった。
(現像剤の調整)
表1にあるような組み合わせでキャリア100重量部に対し、トナーを20重量部加えてボールミルで5分間撹拌・混合し、二成分現像剤を得た。
Figure 2005345971
本実施例に用いる現像装置に関しては、図5に示した現像装置を用いた。現像剤収容部26に二成分現像剤60gを収容し、トナー収容部に磁性トナーを収容した。さらに、この現像装置を収容できるよう富士ゼロックス製レーザープリンターDocuPrint255を改造して、以下に示す(1)〜(3)の評価を実施した。評価は高温高湿(28℃、85%RH)の環境にて実施した。
(1)画像濃度
100%黒ベタ画像を30万枚出力し、反射濃度計X−Rite404により画像濃度を測定し、10枚目の画像濃度と30万枚目の画像濃度の差ΔSADを求めた。
<評価基準>
○:ΔSAD 0.05未満
△:ΔSAD 0.05〜0.10
×:ΔSAD 0.10以上
(2)地汚れの評価
白紙画像を30万枚出力し、10枚目と30万枚目の白紙の地汚れを下記の評価基準で評価した。
<評価基準>
○:プリント前の白紙と比較して、目視では地汚れが検出できないレベルである。
△:プリント前の白紙と比較して、目視では僅かに検出できるものの、実用上問題無い
レベルである。
×:プリント前の白紙と比較して、目視で明らかに地汚れの発生が検出でき、実用上問
題となるレベルである。
(3)画像欠陥
100%黒ベタ画像を30万枚出力し、10枚目と30万枚目における定着画像の画像上の欠陥を目視で確認し、下記の評価基準で評価した。
<評価基準>
○:画像上に欠損が発生しないレベルである。
△:画像上に欠損が僅かに発生しているが、実用上問題無いレベルである。
×:画像上に欠損が認められ、実用上問題となるレベルである。
評価結果を表2に示す。
Figure 2005345971
表2によれば、自律的にトナー濃度を制御する現像装置において、本発明の現像剤を用いることにより、長期にわたって画像濃度の低下や地汚れ、画像欠陥等のない優れた画質を得ることができる。一方、比較例1と2では初期画質は良好であるが、30万枚後に被覆樹脂層の摩耗がかなりみられ、このため定着器の汚染と帯電量低下が発生し、定着器の汚染による画像ぬけと帯電量低下による地汚れが発生した。また比較例3では初期から帯電量が低いため地汚れが発生し、30万枚後では定着器汚染による画像ぬけも発生した。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置において、跳ね返し部付近での低トナー濃度の現像剤挙動を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置において、跳ね返し部付近での高トナー濃度の現像剤挙動を示す断面図である。 本発明の別の一実施形態に係る現像装置を示す断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 静電潜像担持体
3 帯電装置
4 露光装置
5 現像装置
6 転写装置
7 クリーニング装置
8 定着装置
8a 加熱ロール
8b 加圧ロール
9 現像装置本体
10 現像剤担持体
11 回転スリーブ
12 現像剤搬送用磁界発生手段
13 搬送磁極
14 現像磁極
15 跳ね返し手段
16 跳ね返し部
17 層厚規制部材
18 トナー補給手段
19 トナー収容部
20 トナー補給口
21 メッシュ
22 トナー撹拌部材
23 現像剤撹拌室
24 現像剤撹拌部材
25 二成分現像剤
26 現像剤収容部
26a 第一現像剤収容部
26b 第二現像剤収容部
27 現像剤供給口
28 現像剤退避部
29 現像剤分離手段
30 せき止め部
31 仕切り部
T トナー

Claims (2)

  1. 内部に磁界発生手段を具備し且つトナーと磁性キャリアとが含まれる二成分現像剤を搬送担持する現像剤担持体と、現像剤収容部と、前記現像剤収容部と連通し且つトナーを収容するトナー収容部とを有し、現像剤担持体上の二成分現像剤量を規制部材で規制し、現像剤担持体上における二成分現像剤のトナー濃度変化によって、二成分現像剤のトナーの取り込みを自律的に制御する機構とを具備した現像装置を使用する画像形成方法であって、
    前記トナーは、少なくとも結着樹脂と磁性体を含有する磁性トナーであり、
    前記磁性キャリアは、芯材上に被覆樹脂層を有する静電潜像現像剤用キャリアであり、
    前記被覆樹脂層が、主鎖にポリビニルアセタールの構造を有し、側鎖にシロキサン化合物の残基を有するグラフトポリマーにより形成されたことを特徴とする
    画像形成方法。
  2. 前記静電潜像現像剤用キャリアの被覆樹脂層が、下記式(1)及び/又は(2)のシロキサン化合物の残基を側鎖に有し、ポリビニルアセタール構造を主鎖に有するシロキサン変性ポリビニルアセタール樹脂により形成された請求項1に記載の画像形成方法。
    Figure 2005345971
    (式(1)及び(2)中のRは炭素数1〜5のアルキル基を表し、R’は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、kは1〜250の整数を表し、lは0〜5の整数を表し、mは0〜50の整数を表し、式(1)におけるnは0〜3の整数を表し、式(2)におけるnは1〜3の整数を表す。)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7396109B2 (ja) 2020-02-20 2023-12-12 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 現像剤用キャリア、現像剤、画像形成装置、及び画像形成方法

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