JP2005345865A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 互いに異なるサブフレームのコーディングを2つ持ち、これらを画素及びフレーム毎に切り替える従来の表示装置では、映像のピーク輝度を確保できないという課題がある。
【解決手段】 画像信号の1フレーム期間を複数のサブフレームで構成し、そのサブフレームを適宜選択することで多階調表示を行う表示装置は、入力階調に対する出力階調の特性が互いに異なる複数のコーディングを、入力画像信号の1フレーム期間及び画素のうち、いずれか一方又は両方を単位として順次巡回的に切り替え使用して入力画像信号に対して画像処理することにより、動画擬似輪郭を低減する。また、サブフレーム対応付け回路14は、複数のコーディングの互いの間の特性を、入力画像信号の1フレーム期間のレベルの積分値に対応した制御値に応じて適応的に変更することで、ピーク輝度を確保する。
【選択図】 図1


Description

本発明は表示装置に係り、特に画像信号の1フレーム期間を複数のサブフレームで構成し、そのサブフレームを適宜選択することで多階調表示を行うプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)等の表示装置に関する。
表示装置の一例としてのPDPでは、動作状態を点灯か非点灯の2値表示として使用するが、中間調を出すために、画像信号の1フレーム期間(約16.7ms)を点灯時間の異なる複数のサブフレームに分割し、画像信号の階調に応じてこのサブフレームを適宜選択表示し、視覚積分効果を利用して多階調表示を行う。このようなフレーム内時分割駆動表示方法により表示を行う表示装置が従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
図10は従来の表示装置の一例のブロック図を示す。同図において、表示されるべき画像信号は画像処理回路1に入力され、ここで誤差拡散処理、ディザ生成、逆ガンマ補正等の画像処理が行われる。画像処理回路1により画像処理された画像信号は、サブフレーム対応付け回路2に入力され、ここで対応するR(赤)、G(緑)及びB(青)の三原色の各画素が発光すべきサブフレームに変換される。
一方、表示されるべき画像信号は、電力制御回路11にも入力される。ここでは1フレーム画像信号をPDPに表示させた場合の消費電力を画像信号から計算し予測する。予測した結果は、電力制御値としてサブフレーム対応付け回路2に入力される。電力制御回路11による電力制御は、表示装置で消費される電力がプラズマディスプレイ10及び駆動回路の限界値を越えないようにしたり、消費される電力または画面内輝度を一定に保つ効果がある。
サブフレーム対応付け回路2では、画像信号のサブフレームへの変換の際に、外部の記憶装置に記憶されたコーディングテーブル4、13を対応表として用いると共に、電力制御回路11から送られてきた電力制御値を基に、このコーディングテーブル4、13に対応した各サブフレームの輝度を表す点灯回数を、外部の記憶装置に記憶された重み付けテーブル3、12を用いて決定する。同図ではコーディングテーブル4と重み付けテーブル3が対応して1対の組み合わせを形成し、コーディングテーブル13と重み付けテーブル12が対応してもう1対の組み合わせを形成する。サブフレーム対応付け回路2は、これらのコーティングテーブルと重み付けテーブルの組み合わせに基づくコーディングを画素毎、又はフレーム毎に交互に切り替える機能を有している。
サブフレーム対応付け回路2で対応付けされた出力信号は、サブフレーム処理回路5に渡される。サブフレーム処理回路5は、入力信号を一時記憶した後、各サブフレームの表示時間毎に読み出して、駆動パルス発生回路6に制御信号を送ると共にアドレス電極駆動回路7に画素データを送る。駆動パルス発生回路6は、アドレス電極駆動回路7で選択された各画素の表示を行うため、X電極駆動回路8とY電極駆動回路9に駆動パルスを供給して維持放電を開始させ、選択された画素をプラズマディスプレイパネル(PDP)10に表示させる。これをサブフレーム毎に連続的に行う。
図11はサブフレーム法を用いた従来の表示装置において、多階調表示をする場合に使用するサブフレーム構成の一例を示す。同図において、縦軸Y1〜Ynは表示ラインを、横軸は時間軸を表している。同図では、256階調(8ビット)を得るために、1フレームを輝度の重み付けが異なる11個のサブフレーム(SF1〜SF11)に分割し、画像データの各階調を表示するのに必要な輝度の重み付けをしたサブフレームを構成している。この例の多階調表示は、1フレームをM個のサブフレームに分割して、画像データの階調に基づいたサブフレームを選択し(コーディング)、視覚的な積分効果を利用して、階調をPDP10に画像表現する方法を採っている。
また、各サブフレームは、リセット期間、アドレス期間、維持放電期間でそれぞれ構成される。アドレス期間では線順次書き込みが行われる。また、図11において模様を付した維持放電期間の長さがサブフレーム毎に異なっているのは、輝度の重み付けに相当した維持パルス(サスティンパルス)数を印加しているためである。この場合に印加される維持パルス数は、LSB側より、1,2,3,5,8,13,18,26,39,57,83であり、発光輝度を高くするために更にそのN倍(Nは自然数)のパルス数を印加している。
サブフレームの数は表示デバイスによって異なるが、PDPではフレーム時間内のリセット期間、アドレス期間、維持放電期間のデバイス特性により、10〜12のサブフレームが用いられることが多い。このようなサブフレーム法を用いて多階調表示を行う表示装置においては、動画表示中に疑似輪郭が現れることがよく知られている。
そこで、この対処法として、互いに入力階調に対する出力階調の特性が異なる2組のテーブル(最上位サブフレームの桁上がり位置が、両者のコーディングテーブル間で異なる)を持ち、入力画像信号のフレームと画素の組み合わせを単位として、2組のテーブルを交互に切り替え使用する方法がある。
図12は、このときの表示装置内の画素構成を示している。ここで各画素をAとBの2つの発光パターンを持つグループに分け、グループAの上下左右にはグループBの画素を配置し、グループBの上下左右にはグループAの画素を配置する。
図13は、各画素グループにおいてフレーム毎にコーディングを選択する方法を示している。画素グループAでは、最初のフレームで図10のコーディングテーブル4と重み付けテーブル3からなる一組目の一対のテーブルに基づくコーディングaを選択した場合、次のフレームでは、図10のコーディングテーブル13と重み付けテーブル12からなる二組目の一対のテーブルに基づくコーディングbを選択する。これをフレーム毎に交互に繰り返す。
同様に、画素グループBでは、最初のフレームで上記コーディングbを選択した場合、次のフレームでは、上記コーディングaを選択する。これをフレーム毎に交互に繰り返す。このようにして、画素とフレーム毎に動画疑似輪郭の発生し易い場所を移動し分散することで、動画疑似輪郭を軽減する効果を得ている。
図14は、コーディングaとコーディングbの総出力階調数と電力制御値との関係を示す。同図において、横軸は図10の電力制御回路11から出力される電力制御値を表し、縦軸は出力階調の特性の異なる2つのコーディングa及びbの入力画像信号に対応する総出力階調数を示している。この例では両者の総出力階調数の関係は電力制御値によらず常に一定であり、コーディングaの出力階調数が256であるとすると、コーディングbの出力階調数は、常に230である。
特開平7−271325号公報
しかるに、上記の従来の表示装置では、一方のコーディングaに対して他方のコーディングbが1フレーム期間で発光可能な総維持パルス数が少ない。また、1フレーム期間で発光可能な総維持パルス数の最大値は、表示装置の特性によって制限を受ける。このため、従来の表示装置では、表示装置で発光可能な最大輝度を表示したい場合、一方のコーディングによる発光パターンに対して、他方のコーディングによる発光パターンの最大輝度が少なくなり、結果としてパネルで表示可能な最大輝度を発揮できない。すなわち、動画疑似輪郭の問題は改善したが、映像のピーク輝度を大きくとれないという欠点がある。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、サブフレーム駆動法におけるピーク輝度を改善する表示装置を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、入力画像信号の1フレーム期間を複数のサブフレームに分割し、入力画像信号の入力階調に応じて、複数のサブフレームの中から必要な一又は二以上のサブフレームを選択するコーディングにより多階調表示を行う表示装置において、入力画像信号の1フレーム期間毎のレベルの積分値に対応した制御値を発生する制御値発生手段と、制御値に応じて入力画像信号の出力階調特性が適応的に変更される複数のコーディングを発生するコーディング発生手段と、入力画像信号の1フレーム期間及び1フレーム期間の入力画像信号を表示するための画素のうち、いずれか一方又は両方を単位として、複数のコーディングを順次巡回的に切り替え使用して入力画像信号に対して画像処理した画像信号を出力する画像処理手段とを有する構成としたものである。
この発明では、入力階調に対する出力階調の特性が互いに異なる複数のコーディングを、入力画像信号の1フレーム期間及び画素のうち、いずれか一方又は両方を単位として順次巡回的に切り替え使用して入力画像信号に対して画像処理することにより、動画擬似輪郭を低減し、かつ、上記の複数のコーディングの互いの間の特性を、入力画像信号の1フレーム期間のレベルの積分値に対応した制御値に応じて適応的に変更することができる。
本発明によれば、複数のコーディングの互いの間の特性を、入力画像信号の1フレーム期間のレベルの積分値に対応した制御値に応じて適応的に変更するようにしたため、動画擬似輪郭を低減させる効果を保ちつつ、表示装置から出力される画像信号のピーク輝度を従来よりも上げることができる。
次に、本発明になる表示装置を実施するための最良の形態について、図面と共に説明する。図1は本発明になる表示装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図中、図10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。サブフレーム対応付け回路14は、図10のサブフレーム対応付け回路2と若干動作が異なる。また、本実施の形態では、図10の重み付けテーブル12とコーディングテーブル13が省かれ、重み付けテーブル3とコーディングテーブル4に共用化されている。図1のこの他の回路構成は、図10の従来の表示装置と同じである。
本実施の形態では、上記問題の解決のため、画像信号の表示レベルに基づいて、画素及びフレーム毎に表示装置への出力階調数を変化させる。本実施の形態におけるサブフレームの構成と機能は図11の従来例のサブフレーム構成と同様である。
本実施の形態における表示パネル内の画素構成は、図12に示した従来例と同様であり、画素をそれぞれAとBの2つのグループに分け、千鳥格子状に配列する。ここでは画素Aの上下左右には画素Bが配置され画素Bの上下左右には画素Aが配置される。
フレーム毎の時間経過も従来例の図13と同様であり、画素グループAと画素グループBは、同じフレームでは、一方の画素グループがコーディングaに基づく階調表示を行い、他方の画素グループがコーディングbに基づく階調表示を行い、また、フレーム毎にコーディングaとコーディングbを交互に切り替える。
ここでのコーディングaは図1のコーディングテーブル4と重み付けテーブル3との組み合わせによるコーディングと対応している。コーディングbは、図1の電力制御回路11から入力される電力制御値に基づいて、画像処理回路1から入力される画像信号を同図のサブフレーム対応付け回路14において計算式で階調変換し、計算結果に基づいて同図のコーディングテーブル4及び重み付けテーブル3から対応する出力階調のコーディングを選択することで、コーディングテーブルbを得ている。これによって、テーブルを2組持つことと同様の効果を得ている。
図2は図1の電力制御回路11での電力制御値の算出方法を図示したものである。図2の横軸は、電力制御回路11に入力された1フレーム期間の画像信号の入力レベルの積分値を表し、縦軸はそれに対応する電力制御値の算出結果を示す。電力制御回路11では、入力された1フレーム期間の画像信号レベルを積分して表示装置で消費される電力を計算し、結果を電力制御値としてサブフレーム対応付け回路14に送る。画像信号の電力が少ない場合には、電力制御値は小さい値を示す。一方、画像信号の電力が大きい場合には、電力制御値は大きい値を示す。
画像信号の入力レベルの積分値と電力制御値の関係は、図2にIで示すように線形であってもよいし、IIで示すような非線形の特性の関係でもよい。通常は、画像信号の微妙な変化によって、電力制御値が小刻みに変化し映像が揺らいで見えるなどの弊害を防ぐために、電力制御値の変化の仕方にヒステリシスなどの効果を持たせている。
図3は本発明の一実施の形態における電力制御値と総維持パルス数の関係を示す。図3の横軸は図1の電力制御回路11から出力される電力制御値を示し、縦軸は電力制御値に対応する1フレーム期間中の全サブフレームの重み付けを合計した総維持パルス数(又は総階調数)を示す。電力制御値が小さい場合は、1フレーム期間中の画像信号のレベルが低く表示装置で消費される電力が少ないため、1フレーム期間中の総維持パルス数を最大限に確保できる。
サブフレーム数が11の時は、総維持パルスの最大値は約1000、サブフレーム数が10の時は、総維持パルスの最大値は約1200であり、表示装置のパネル特性、駆動方法、サブフレーム数などによって総維持パルスの最大値が決定される。電力制御値が小さい画像信号は、一般に画像信号全体が暗い場合が多く、ピーク輝度を確保するために総維持パルス数が多いほうがよい。一方、全体的に明るい映像では、画像信号の表示レベルが高くそのままでは表示装置で消費される電力が大きくなるため、総維持パルス数を少なくして消費電力が少なくなるようにしている。これによって画像信号の映像レベルが変化した場合でも、消費電力が常に一定となる効果を得ている。
図4は図1の重み付けテーブル3に対応し、図11の各サブフレームの輝度重み付けである維持パルス数を示している。図4中の左端の一列は、図1の電力制御回路11から出力される電力制御値を示す。SF1〜SF11の下の各列の数値はサブフレーム数が11の場合の各サブフレームの輝度重み付けである維持パルス数を示している。更に、図4の右端の一列は、同じ行のSF1〜SF11の各サブフレームの維持パルスを足した合計(すなわち、総維持パルス数)を表し、電力制御値と総維持パルス数の関係は図3と同様である。
例えば、電力制御値が「167」の場合、各サブフレームの輝度重み付けはサブフレームSF1からサブフレームSF11に向かって順番に、1、2、3、5、8、13、18、26、39、57、83であり、総維持パルスの合計は「255」となる。また、電力制御値が最小の「0」の場合、各サブフレームの輝度重み付けはサブフレームSF1からサブフレームSF11に向かって順番に、4、7、11、18、29、48、67、98、150、227、350であり、総維持パルスの合計は最大値「1009」となる。また、電力制御値が最大の「255」の場合、各サブフレームの輝度重み付けはサブフレームSF1からサブフレームSF11に向かって順番に、1、1、2、3、4、7、9、14、20、30、44であり、総維持パルスの合計は最小値「135」となる。
図5、図6及び図7は、図1のコーディングテーブル4の一例の内容を示す。ここでは、図11に示した全部で11あるサブフレームSF1〜SF11の各サブフレームにおける維持放電期間での発光/非発光の選択を表すコーディングテーブルを示す。図5〜図7において、各々2つずつ図示されている表の左端の一列の「階調」は、サブフレーム対応付け回路14に入力され計算処理された画像信号の階調数を示す。
また、各表において、サブフレームSF1〜SF11の各列における○印は、そのサブフレームがアドレス期間に選択され維持放電期間に維持パルスによって発光することを示している。○印の無いサブフレームは、維持放電期間で発光しないことを示している。各階調間におけるサブフレームの発光/非発光の選択方法は、第一になるべく無発光サブフレームが連続しないこと、第2に隣接階調間で選択されるサブフレームの場所が大きく変わらないこと、第3に隣接階調間で選択されるサブフレームの数が大きく変わらないことを基準としている。
例えば、1フレーム映像のある画素において階調が「30」である信号がサブフレーム対応付け回路14に入力され、コーディングaを生成する場合、階調「30」は図5のコーディングテーブル4によりサブフレームSF1、SF3、SF5、SF7が選択される。一方、この1フレーム画像信号の電力制御値が「167」を示した場合、図4の重み付けテーブル3より、上記の選択サブフレームSF1、SF3、SF5、SF7の重み付けは、それぞれ1、3、8、18であり、これらの維持パルス数の合計は「30」となる。
一方、上記の1フレーム画像信号の電力制御値が「0」を示した場合は、上記の選択サブフレームSF1、SF3、SF5、SF7の重み付けは、図4から4、11、29、67であるため、維持パルス数の合計は「111」となる。また、上記の1フレーム画像信号の電力制御値が「255」を示した場合は、上記の選択サブフレームSF1、SF3、SF5、SF7の重み付けは、図4から1、2、4、9であるため、維持パルス数の合計は「16」となる。
図8は図1の本実施の形態におけるサブフレーム対応付け回路14で計算される2つのコーディング間の電力制御値に対する総出力階調の関係を示す。図8において、横軸は電力制御回路11から出力される電力制御値を示し、縦軸は各コーディングの総出力階調数を示す。従来の表示装置では、図14に示したように電力制御値が変わっても、2つのコーディング間の総出力階調数は変化しない。これに対し、図8の本実施の形態では、電力制御値によって2つのコーディング間の総出力階調数が適応的に変化するところが従来と異なる。
ここで、図8のVは、コーディングaの総出力階調に対応している。コーディングaは、すべての電力制御値に対して総出力階調が一定である。すなわち、コーディングaは全ての電力制御値について、図5から図7にあるコーディングテーブルの全ての階調を使用する。これはコーディングaが電力制御値に対応する総維持パルス数の最大値まで使用できることを示している。
一方、図8のVI、VIIは、コーディングbの総出力階調数と電力制御値の関係を示す。コーディングbの電力制御値と総出力階調数の関係は、図8にVIで示す線形特性とVIIで示す非線形特性のどちらでもよく、電力制御値に応じてコーディングテーブルと重み付けテーブルの組み合わせ毎に動画疑似輪郭の発生し易い場所を回避する総出力階調数の関係となるように適切に選択する。ここではコーディングbとして線形特性VIを選択した場合について説明する。
コーディングbでは電力制御値が「0」の時、コーディングaと同様に、サブフレーム対応付け回路14からの総出力階調数は「256」となる。電力制御値が「167」の時は、出力階調数は「230」となるようにサブフレーム対応付け回路14は入力信号を計算し、電力制御値が「255」の時は、総出力階調数が「216」となるように出力階調数を計算する。
ここで、電力制御値が「0」又はそれに近い小さな値では、入力される1フレーム画像信号の階調レベルは全体的に低く、動画疑似輪郭が発生し難い。なぜなら、低階調側のサブフレームは、輝度の重み付けである維持パルス数(発光時間)が少なく、動画の移動に伴って視線が隣接画素のサブフレームに移動することは殆ど無いからである。一方、映像の階調レベルが低い時には、ピーク輝度を確保したいという要求がある。そこで、本実施の形態では、電力制御値が小さな値の時には、2つのコーディング間の総出力階調数をなるべく同じにし、電力制御値に対応する総維持パルス数を最大限に利用できるようにしている。
これに対し、電力制御値が大きい値のときは、入力される1フレーム画像信号の階調レベルは全体に高く、動画疑似輪郭が発生し易い。なぜなら、高階調側のサブフレームは、輝度の重み付けである維持パルスの数が多く、1フレーム期間に占める各サブフレームの発光期間が長いため、動画の移動に伴って視線が隣接画素のサブフレームに移動し易いからである。すなわち、動画の移動に伴って視線が隣接画素のサブフレームに移動し目で積分することにより、動画疑似輪郭が発生し易い。そこで、本実施の形態では、電力制御値が大きい値のときは、2つのコーディングの総出力階調数を異ならせ、動画疑似輪郭の発生を抑制している。
電力制御値「167」においては、図8にVで示すようにコーディングaの総出力階調数は「256」であり、同図にVIで示すように、コーディングbの総出力階調数は「230」である。この時の入力画像信号のレベル(入力階調)に対する出力階調の関係を図9に示す。図9では、横軸が入力画像信号の階調、縦軸がサブフレーム対応付け回路14で計算された出力階調を示す。図9に示すように、コーディングaは入力階調に対して1対1で出力階調が計算される。また、コーディングaとコーディングbの関係は線形変換の関係がある。すなわち、コーディングbは入力階調を230/256倍して出力階調を得ている。
ここで、画像信号の1フレーム期間のある画素が入力階調「30」を示していたとする。サブフレーム対応付け回路14で、コーディングaは図8のように階調変換されることなく、図9に示すように、出力階調はそのままの「30」となる。この時、発光するサブフレームは図5に示したコーディングテーブル4に基づき、サブフレームSF1、SF3、SF5、SF7が選択される。また、選択されたサブフレームSF1、SF3、SF5、SF7の重み付けは図4に示した重み付けテーブル3に基づき、それぞれ1、3、8、18であるため、維持パルス数は合計「30」となる。
一方、コーディングbでは、入力階調「30」はサブフレーム対応付け回路14で図9に示したように230/256倍に線形変換されることにより、出力階調として「約27」が得られる。従って、このときの出力階調を「27」とすると、発光するサブフレームは図5に示したコーディングテーブル4に基づき、サブフレームSF1、SF4、SF5、SF6が選択される。
また、選択されたサブフレームSF1、SF4、SF5、SF6の重み付けは図4に示した重み付けテーブル3に基づき、それぞれ1、5、8、13であるため、維持パルス数は合計「27」となる。ここでは、コーディングaとコーディングbで選択される最上位サブフレームが、SF7からSF6に変化しており、動画疑似輪郭を低減する効果が確認できる。
このように、本実施の形態によれば、一対のコーディングテーブルから2つのコーディングa及びbを生成し、これら2つのコーディングa及びbを1フレーム及び画素の両方を単位として順次巡回的に切り替えることにより、動画疑似輪郭を減少させる効果を保ちつつ、電力制御値に対応する総維持パルス数を制御することにより、表示装置に出力される画像信号のピーク輝度を上げる効果が得られる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、図1のコーディングテーブル4と重み付けテーブル3を基に他方のコーディングの出力階調を計算式で算出するのではなく、外部メモリにテーブルとして装備していてもよい。また、2つのコーディングを、1フレーム及び画素のうち、いずれか一方を単位として順次巡回的に切り替えるようにしてもよい。
更に、2種類の画素グループは3種類以上のコーディングを切り替えて構成することも可能である。例えば、3種類のコーディングをa,b,cとしたとき、第1のグループAはコーディングa、コーディングb、コーディングcの順で、第2のグループBはコーディングb、コーディングc、コーディングaの順で、1フレーム及び画素のうち、少なくともいずれか一方を単位として順次巡回的に切り替えることも可能である。また、サブフレーム数は11に限定されるものではない。
また、以上の実施の形態では図9に示したコーディングaを基にそれを線形変換したコーディングbを使用したが、動画疑似輪郭の出現し易い最上位サブフレームの桁上がり位置が各コーディング間で異なっているものであれば、これに限定されるものではない。更に、上記の実施の形態ではPDPによる表示装置について説明したが、本発明は、液晶あるいは有機エレクトロルミネセンス(EL)を駆動する表示装置に適用することも可能である。
本発明の一実施の形態のブロック図である。 本発明の一実施の形態で用いる画像信号の入力レベルの積分値と電力制御値の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態で用いる電力制御値と総維持パルスの関係を示す図である。 本発明の一実施の形態で用いる電力制御値に対する各サブフレームの重み付けを示す図である。 本発明の一実施の形態で用いるコーディングテーブルの一例を示す図(その1)である。 本発明の一実施の形態で用いるコーディングテーブルの一例を示す図(その2)である。 本発明の一実施の形態で用いるコーディングテーブルの一例を示す図(その3)である。 本発明の一実施の形態における電力制御値と総出力階調数の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態において、入力階調と出力階調の関係の一例を示す図である。 従来の表示装置の一例のブロック図である。 表示装置のサブフレーム構成の一例を示す図である。 表示装置の表示パネル上の画素配列の一例を示す図である。 表示装置の各画素のフレーム構成の一例を示す図である。 従来の表示装置の各コーディング間の出力階調の特徴を示す図である。
符号の説明
1 画像処理回路
3、12 重み付けテーブル
4、13 コーディングテーブル
5 サブフレーム処理回路
6 駆動パルス発生回路
7 アドレス電極駆動回路
8 X電極駆動回路
9 Y電極駆動回路
10 プラズマディスプレイパネル(PDP)
11 電力制御回路
14 サブフレーム対応付け回路

Claims (1)

  1. 入力画像信号の1フレーム期間を複数のサブフレームに分割し、前記入力画像信号の入力階調に応じて、前記複数のサブフレームの中から必要な一又は二以上のサブフレームを選択するコーディングにより多階調表示を行う表示装置において、
    前記入力画像信号の1フレーム期間毎のレベルの積分値に対応した制御値を発生する制御値発生手段と、
    前記制御値に応じて前記入力画像信号の出力階調特性が適応的に変更される複数の前記コーディングを発生するコーディング発生手段と、
    前記入力画像信号の1フレーム期間及び1フレーム期間の前記入力画像信号を表示するための画素のうち、いずれか一方又は両方を単位として、前記複数のコーディングを順次巡回的に切り替え使用して前記入力画像信号に対して画像処理した画像信号を出力する画像処理手段と
    を有することを特徴とする表示装置。

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