JP2005345326A - 傾き測定器 - Google Patents
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Abstract
【課題】
1つのレーザ光源を用いて水平、垂直方向の光束を発生させ、その両光束を用いて被測定物の測定面傾きを求める。
【解決手段】
1つのレーザ光源9からの光束をビームスプリッタ10に当て、その通過光束14を垂直方向の第1光路とし、他方の分離した光束16を水平方向の第2光路とする光学系を測定器本体1内に形成する。そしてこの第1と第2光路による光学系を予め垂直性、水平性の精度が保証された状態に調整する。傾きを測定するときは測定器本体1を被測定物上に設置し、前記2つの光束を被測定物で反射させ、その反射光束を前記ビームスプリッタ10を経由して本体内の受光部13に投影する。投影された光像の受光位置から、垂直、水平方向の傾きを測定する。
【選択図】 図1
Description
7510−1993にも記されているように数m程度の長さに対する傾き精度であり、数10mの長さになる場合には対処することが出来ない。ジンバル構造として知られている重りを利用したものは、重りの揺れが静まるまでの時間が必要となる。そして重要なことの1つ目は水準器に取りつけた気泡などの測定用補助材と水準器から発せられたレーザ光束との間に、両者の連結精度を関連づける確実な保証が得られないままとなっていることである。そして2つ目は気泡などの補助材を使用すると測定時に個人によって読み取り誤差が生じることである。
別の問題としてレーザ光束自身が持つ欠点が指摘されている。それはレーザ光束の直径が墨出しラインの精度を左右してしまうことである。例えば高さが50mを超えるようなビルの建設現場で鉄骨などを組み立てていくとき、屋上側に取り付けた水準器から地上側にレーザ光束を発すると、地上側のレーザ光束直径は5〜10mmを超えてしまう場合が多い。つまり直径5〜10mmの範囲内で測定誤差が発生する可能性が残る。また垂直水平両方向に複数の墨出しラインを必要とするとき、複数の水準器を使用すれば各水準器毎の誤差が発生するだけでなく、そこから発生された複数の墨出しライン同志の水平性又は垂直性の精度を判定することが出来ない。
請求項2の発明によるものは請求項1記載の傾き測定器において、蓋板と底板を第1光路光束に対し予め角θだけ傾斜を持たせて構成した反射部としたことを特徴とする。
請求項3の発明によるものは請求項1、2記載の傾き測定器において、第1光路光束が通過する部分は透明体として反射部を構成し、この反射部の後段位置に第1光路光束の結像位置を延長するオートフォーカス式対物レンズを設置したことを特徴とする。
請求項4の発明によるものは請求項1記載の傾き測定器において、レーザ光源とビームスプリッタ間に設置され、光源からの中心光軸が通過するピンホールを有するピンホール板と、このピンホールを通過しビームスプリッタを経て反射部で反射した第1光路光束の反転光束を、前記ピンホール通過後に取り出してその光量を検出する第1光量検出部と、前記ピンホールを通過しビームスプリッタで反射された第2光路光束を取り出してその光量を検出する第2光量検出部を設置し、両検出部の検出光量を比較できるようにしたことを特徴とする。
そしてさらに使用時には測定器本体内に設置した反射部を測定時の基準面として使用するようにしたから、常時水平面基準精度を維持する事ができ経時変化の影響を受けにくい測定器を得ることが出来る。またオートフォーカス式対物レンズを上記反射部の後段に設置したので結像面位置を延長することができ、50mを超えるような場合でもレーザ光束の直径に煩わされない精度の高い測定を実施することが出来る。
一方、光源9からの光束のうち前記ビームスプリッタ10反射面で分離し反射された光束は、そのまま水平方向に進んで第2コリメータレンズ15を通過し、平行光束となって治具2の垂直壁4に固着したミラー6で反射して反転する。そして第2コリメータレンズ15とビームスプリッタ10を通過して受光部13に達する。以後この光束を第2光路光束16という。これによって本体1内には第1光路光束14と第2光路光束16の光学系が形成され、本体外に設置した外部ミラー7、6でそれぞれ反射して、その反転した光束がビームスプリッタ10を経由して受光部13に向かう。受光部13はCCDやPSDなどによる光電変換部と、この光電変換部からの信号を受けて画像として表示する表示部とで構成される。従ってこの受光部13が前記2つの光路14、16からの光束を受け取ると、その2つの光束による光像を表示部上に表示する。そして表示された2つの像の集合状態から、垂直、水平方向の傾き精度を判定することになるが、その詳細については順次説明していく。尚、図において17は水平台3上での本体1位置を規定する金具である。また光源9を点灯するための電源やそのオン・オフを指令するスイッチなどは本体1に適宜取りつけられているものとして図では省略してある。
このようにして構成した測定器本体1を被測定物の測定面に設置すると、その設置面に傾きがあれば傾きに応じて両光束の光像は指標19交点位置から移動する。従って光像投影位置と指標19の関係を表示部18で確認することで設置面の傾きを測定することが出来る。
受光部13の機能は上記の通りであるからCCDなどの光電変換部を廃し、すりガラスなどの表示部18だけで構成しても同等の働きを得ることが出来る。またCCDなどの光電変換部を設置したとすれば、表示部18を本体1から分離して独立させることもできる。このようにすれば本体1の設置場所と表示部18の確認作業をする場所を別にすることが出来る。尚、図に於いてMはねじ21の締め操作と連動して動作するマイクロメータ等のダイヤルで、表示部18を光像の投影位置に合わせるため移動させたとき、その移動量を数値として確認することが出来る。
受光部13に投影されて表示部18に表示された第1光路14の光像を仮に図3Bの23とする。この図3Bは図2と同様に表示部18の正面を示しているが、ここに表示された像23は指標19の交点とずれている事が確認できる。そのため図2に示した中間部材としての精密ねじ21や、図3Aの本体底部ねじ8を用いて指標19に対する光像23の位置を調整して、図3Cの様に光像23と指標19交点を一致させる。この時の表示部18の移動量を必要に応じてダイヤルMで確認することが出来る。
こうして第1光路光束14と指標19の関係を調整したら遮蔽板22aを取り外す。しかし、この時点では未だ第1光路光束14とミラー7の反射面が、どのような傾きをもっているか確認されていない。つまりミラー7面に対して第1光路光束14が垂直性を有しているかということが確認されていないから、後に述べるような調整が必要となる。
一方、反射面10aで反射分離した第2光路光束16も外部ミラー6で反射して反転し受光部13に投影される。この場合前記したように反射面10aが第1光路光束14に対して正しく45度になるよう設置されているから、第2光路光束16は第1光路光束14に対し直角になるよう関係づけられる。それによって第2光路の光像23が投影される位置は第1光路14による光像投影位置と同じ位置、若しくはその近傍位置27となる。従って受光部13上では2つの光像23を重ねた状態で、若しくは近傍位置に集合した状態で光像を確認することが出来る。尚、図では反射面10aの説明を簡易化するためビームスプリッタ10をブロック状のビームスプリッタとしてではなく、次に説明する図6の場合も含めて平面状のビームスプリッタとして表記してある。
図Bは反射面10aが第1光路光束14に対してθ1だけ傾いて設置されたと仮定したときの状態を示している。反射面10aが第1光路14に対し角θ1傾いて設置されると、反射面10aを通過して直進した垂直の第1光路光束14が外部ミラー7で反射して反転してきたとき、反射面10aではθ1の角度に応じて反射されるから、図の矢印28方向に進み受光部13上の位置27aにその光像を投影する。この投影される位置27aは図Aの正規位置27に対し、角θ1に応じて変化した位置となるから、例えば図3Bの様な状態で表示部18に表示される。一方、反射面10aで図の矢印29方向に反射した第2光路光束16は、角θ1に応じて外部ミラー6上で反射し反転するが、その光束は受光部13の大きさが限定されたものであれば受光部のエリア外となってしまい光像として確認することが出来なくなる。このような場合、受光部13では第1光路光束14による光像23だけしか確認することが出来ない。
図Cは反射面10aがθ1と逆方向にθ2だけ傾いて設置されたと仮定したときの状態を示している。反射面10aが第1光路14に対し角θ2傾いて設置されると、反射面10aを通過して直進した垂直の第1光路光束14は、外部ミラー7で反転して図の矢印28b方向に進み受光部13上の位置27bに光像を投影する。この投影される位置27bは図Aの正規位置27に対し、角θ2に応じて変化した位置となる。一方、反射面10aで図の矢印29b方向に反射した第2光路光束16は、角θ2に応じて外部ミラー6上で反射し反転するが、その光束は受光部13のサイズが限定されていれば、そのエリア外になってしまうから、その像を確認することが出来ない。そのような場合、受光部13では第1光路光束14による光像23だけしか確認することが出来ない。
以上図B、Cの例のように垂直性が維持されている第1光路光束14が光学系として設定されていると仮定した場合、反射面10aを正しく45度に設置しなければ表示部18上の正規位置27に2つの光像23を表示することが出来ない。そのためθ1とθ2の角度を徐々に修正して反射面10aの位置を調整し、2つの光像23の投影位置と指標19が一致したとき、若しくは両像の投影位置が近傍位置に集合したとき反射面10aの位置を固定し、第1光路光束14に対する反射面10aの位置が取りあえず規定されたものとする。
図Bは第1光路14が正規の光軸30に対してθ3とは逆方向にθ4だけ傾いて設置されたと仮定したときの状態を示している。このような傾きθ4が生じていると反射面10aを通過した第1光路光束14は外部ミラー7で反射されるとき、その反転光束もθ4に応じて反射されるから、反射面10aで反射して受光部13に向かう光束33はθ4に応じた角度で進み、結局受光部13の正規位置27に到達することが出来ない。同じように反射面10aで反射した第2光路光束16も、角θ4に応じて外部ミラー6上で反射し反転するが、その反転光束34は受光部13のエリア外に向かってしまい受光部13の正規位置27に到達することが出来ない。従って表示部18上では第2光路光束16による光像23と第1光路光束14の光像を同一点近傍で確認することが出来ない。反射光束33と34は互いに平行な光束となる。
以上図A、Bの例のように、正規の光軸30に合わせて設置した反射面10aに対して第1光路光束14の光軸がθ3、θ4の角度を持っていれば、表示部18上で2つの光像23を同一点近傍で確認することが出来ない。そのため図1で示した光源9の位置を調整しながらθ3とθ4の角度を徐々に修正して光軸の角度を調整し、2つの光像23投影位置と指標19が一致したとき、若しくは両像の投影位置が近傍に集合したとき反射面10aに対する第1光路光束14光軸が取りあえず規定されたものとする。
第1光路光束14と第2光路光束16の調整は、上記した図5と図6の例だけでなく、各種の組み合わせが発生するであろうが、表示部18に投影される光像23の集合状況を確認しながら取りあえずの一次的な調整を実施する。
一方、ビームスプリッタ10を通過した第1光路光束14は、第1コリメータレンズ11で平行光束となり、水平台3上のミラー7で反射して反転し、第1コリメータレンズ11、ビームスプリッタ10を経てピンホール板36に向かう。このとき外部ミラー7に対する第1光路光束14の垂直性が図6で説明した調整を行った後も僅かな誤差が残っていれば、反転光束はピンホール37を通過することが出来ない。そのため前記した仮固定の光源9を再度移動したりピンホール板36を移動するなどして、外部ミラー7からの反転光束がピンホール37を通過するよう調整する。この調整はピンホール37を通過した光束がハーフミラー40によって取り出されてフォトダイオード等で構成した第1光量検出部41に向かう光量の検出値によって判断する。もし検出光量が少であれば第1光路14の光軸が外部ミラー7に対して未だ傾いているか、ピンホール37に対して第1光路14光軸位置が偏位している場合であると判断する。こうして第1光量検出部41が最大の光量を検出するまで調整をしたら、次に第1光量検出部41と第2光量検出部39の検出値を比較する。両検出値に差があれば調整を更に進め、両者が一致、若しくは近似した値になったら第1光路光束14は外部ミラー7に対して垂直性が保証された状態になったと判断する。
上記のようにして第1と第2の光量検出部41、39の検出値を比較しながら第1光路光束14の垂直性を確立し、その状態で光源9、ピンホール板36、ビームスプリッタ10など各光学部材の位置を固定する。そして図3で説明した表示部18と光像23の位置関係が図3Cの様な状態、若しくは指標19の交点位置近傍に2つの光像23が集合している状態になっていることを確認して、第二次の調整作業を終了する。尚、この作業の終了後、前記したピンホール板36は第1光路光束中から取り外しておくことが好ましい。
φ=α×f/D×λ
で表現される。αは常数で通常1.22。λは波長で赤の時0.65μm、青の時0.45μmである。波長の長い光を使用するとそれだけφは大きくなる。コリメータレンズ11、15と受光部13の関係を上記式のようにして求め、
図9で示したような光学系を形成すれば、光像の大きさφを定めることが出来る。
上記のようにこの測定器は、表示部18の指標19位置を予め基準となる位置に固定しておき、測定器を測定面に設置したときこの基準位置と表示部18に表示される光像23の位置を比較確認して、水平、垂直方向の傾きを判定する。そして実際の測定時には前記した図9の反射部45を常時使用するから、測定面に傾きがあれば第1光路光束14は垂直性が損なわれたまま水平性の維持されている液状反射材50表面に入射する。そのため反転光束は基準位置として定めた指標19位置に像を結ばせることが出来なくなって、傾きの発生していることを表示する。このように反射部45の設置は、基準面として使用した一方の外部ミラー7を測定器本体1内に常時設置しているのと同じ状態を作り出す。
このように使用例2では、在来のレーザ水準器52と本発明の測定器1を併用するようにして、水準器52から発するレーザ光束57の水平性を測定できるようした。それによってあたかも在来レーザ水準器52は気泡54感度を上げたかのように作用する。
次に基準ライン64を使用して行う測定について説明する。測定器1の近域にポリゴンミラーを備えたスキャナ65を設置する。そしてこのポリゴンミラーを回転し、その反射光束66をオートコリメータ60側に向かわせる。ポリゴンミラーの第1面で反射した光束66が基準ライン64上を走査していけば、この第1面は面倒れなどのない正確な反射面となる。基準ライン64上を走査しているかという確認は、各オートコリメータ60からの各光束63とスキャナ65からの光束66が正しく交差しているかを監視すれば把握出来る。次にポリゴンミラーの第2面からの反射光束66が基準ライン64と一致するかを確認する。もし基準ライン64に対して傾きや曲がりなどのズレが生じていれば、そのずれ量が第2面の持つ不具合量となる。以後同じようにしてポリゴンミラーの各面について基準ライン64と比較していけば、このポリゴンミラーが持つ精度の実態を知ることが出来る。
このように本測定器1を用いて基準ライン64を設定し、このラインと比較することで被測定物、例えばポリゴンミラーの精度を確認することが出来る。それによってこれまでスキャナのような光発生機からの光束が持つ水平性を測定する有効な手段が見られなかったが、本測定器1を使用することで解決することが出来る。
このようにアダプタ鏡筒67を本体1に装着自在として取りつけることで、傾き測定器1としての本体を墨出しライン発生機としても利用することが出来る。
次に支柱75に設定された第2測定位置での垂直性を計測するため、入力部74から長さL4を入力する。すると前記の時と同様に対物レンズ71が移動して焦点板80c上に像84を投影する。この場合も焦点板80cの指標81交点位置に像84aが投影されたとすれば、第1測定位置80aから第2測定位置80cまでの支柱75には、傾きや曲がりなどの不具合がない状態にあると確認する。
上記確認が終了したら支柱76の第2測定位置を測定するため、入力部74からL5を入力する。すると対物レンズ71が移動して第2測定位置L5に像を投影するが、この図の例では焦点板80dは右側に大きくずれた位置に配置された状態となっている。そのため焦点板80d上で像を確認することが出来ない。従って支柱76の第2測定位置L5近辺では大きな不具合があることを確認する。
次に入力部74からL6を入力して支柱75の第3測定位置について測定する。そして第1測定位置の焦点板80a、第2測定位置の焦点板80cと同様に、焦点板80eに投影された像と指標81交点位置との関係を確認する。その結果、図16Bのように指標81交点と像84aとが一致していれば、支柱75の第3測定位置近辺には傾きや曲がりのないことが確認される。
最後に支柱76の第3測定位置について測定するため、入力部74からL7を入力して対物レンズ71を指定された位置に移動し、焦点板80fに光像を投影する。すると図の例では焦点板80f位置が左方にずれた状態となっているので、焦点板80f上で像を確認することが出来ない。但し、図16Cでは便宜的に指標81交点位置から離れた位置に像84cを示してある。この仮に示した像84c位置から、支柱76の第3測定位置L7近辺では傾きや曲がりが発生していることが確認できる。
入力部74、制御部72、表示部18を1つのパソコンで代行する事も出来る。この時パソコンと測定器本体1はケーブルで接続されることになるが、1人の測定員がL2からL7の測定位置を順次移動しながら焦点板80を目視して測定していくことも出来る。従って例えば支柱75、76が50mを超えるような建物であるとし、L2からL7の測定位置を6階から1階までの各フロア相当部としたとき、その各階毎の支柱垂直度を1人の測定員が各階を移動しながら測定していくことができる。勿論、移動せずに停止したままで表示部18の像を確認することもできる。また支柱75、76の設置後に、測定時に用いた測定器1をそのまま基材82にボルトなどで固定しておけば、支柱の垂直方向精度の経時変化を測定時と同じ条件で測定することが出来る。これは地震後の精度確認時などにも利用することが出来る。
図Bはそれを説明する図で、図9の反射セル49が光束14に対して直角ではなく、仮にθ6の角度をもってに取りつけられたとする。すると第1光路光束14は、反射セル49の蓋板49a表面でθ6に応じて反射する光束14hと通過する光束14aとになる。通過した光束14aは、液状反射材50の水平面で反射する光束14jと通過する光束となる。反射した光束14jは角θ6にかかわらず、既に説明したように反転光束として受光部13に向かうが、この光束14jを図では通過光束14aと区別して別々の光路として示してある。液状反射材50を通過した光束14aは反射セル49の底板49c表面でθ6に応じた角度で反射する光束14kと通過する光束14mになる。通過した光束14mは図15の対物レンズ71方向に進む。89は参考用として示した反射セル49の中心軸である。このようにして反射セル49が角θ6傾いて本体1に取りつけられたとすれば、3つの反射光束14h、14j、14kが生じる。この光束のうち、第1光路光束14の反転光束となる光束14j以外は不用な反射光束となるが、この不用な光束14h、14kも受光部13に向かってしまう。
図17Dは、図17Aに示した反射セル49bの説明図である。反射セル49bを取りつけ部70に取りつけ第1光路光束14中に設置したとき、どのように角度、傾きになっているかは前記のように予測することが出来ない。もし図17Aのように反射セル49bの中心軸と第1光路光束14とが一致する状態で設置されたと仮定すれば、蓋板87は水平面に対して角θ6の傾きを持つことになる。従って図16Bと同じ状態となり、3つの反射光束14h、14j、14kが反射セル49bで発生することになる。そのため図17Cのように表示部18に表示されるから、像23a、23h、23kの関係を見ながらθ6の傾きを調整していく。
この調整は図17Aの精密ねじ86を使用して行うが、この調整によって図17Dのように蓋板87と第1光路光束14が丁度90度になったとする。すると傾き角θ6は無くなって蓋板87、底板88での反射光束14h、14kは往路と同じ光路を通り、図17Eのように表示部18の指標19交点位置に像23aが表示される。この表示部18に表示された像23aを見て、反射セル49bが第1光路光束14に対して正しく設置されたと判断する。このように予めθ6の角度を持った蓋板87、底板88を取りつけて反射セル49bを構成し、それを第1光路14中に設置して反射光束14h、14kが発生するようにしたから、図17Cの様な状態を表示部18上に作り出し、光束14に対して蓋板87がθ6の角度を持って設置されていることを確認しながら、θ6の調整を行っていく。このことは図15のように対物レンズ71を設置して第1光路14を延長したとき、反射光14h、14kとして逸散する光量を少なくし効率よい光学系とすることが出来る。また反射セル49bの形状を円錐形としたので、内部に封入した液状反射材50が振動などによって揺れるのを低減することが出来る。
Claims (4)
- 1つの半導体レーザ光源と、このレーザ光源からの光束を垂直方向の第1光路光束とする第1コリメータレンズと、前記レーザ光源と第1コリメータレンズ間に設置される45度の反射面を持ったビームスプリッタと、このビームスプリッタ通過後の第1光路光束中に設置され、内部に液状反射材を封入し蓋板を透明体とした反射部と、前記ビームスプリッタで反射される前記レーザ光源からの光束を水平方向の第2光路光束とする第2コリメータレンズと、前記ビームスプリッタを通過し前記反射部で反射した第1光路の反転光束による光像とビームスプリッタで反射し外部反射材で反射した第2光路の反転光束による光像が前記ビームスプリッタ経由で投影される1つの受光部と、前記第1、第2コリメータレンズ、ビームスプリッタ、受光部の各本体取りつけ位置を調整し、前記2つの反転光束によって得られる受光部上の光像投影位置が同一点近傍になったとき、両光束の垂直性と水平性を保証する取りつけ位置として前記各光学部材を固定し、以後その状態を持続する中間部材、とで本体を構成し、前記本体を被測定物上に設置したとき、前記液状反射材で反射した第1光路光束の光像が予め定めた受光部上の光像投影位置内に投影されたとき、第2光路光束の水平性が得られるようにしたことを特徴とする傾き測定器。
- 蓋板と底板を第1光路光束に対し予め角θだけ傾斜を持たせて構成した反射部としたことを特徴とする前記請求項1記載の傾き測定器。
- 第1光路光束が通過する部分は透明体として反射部を構成し、この反射部の後段位置に第1光路光束の結像位置を延長するオートフォーカス式対物レンズを設置したことを特徴とする前記請求項1、2記載の傾き測定器。
- レーザ光源とビームスプリッタ間に設置され、光源からの中心光軸が通過するピンホールを有するピンホール板と、このピンホールを通過しビームスプリッタを経て反射部で反射した第1光路光束の反転光束を、前記ピンホール通過後に取り出してその光量を検出する第1光量検出部と、前記ピンホールを通過しビームスプリッタで反射された第2光路光束を取り出してその光量を検出する第2光量検出部を設置し、両検出部の検出光量を比較できるようにしたことを特徴とする前記請求項1記載の傾き測定器。
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