JP5645311B2 - 光波距離計 - Google Patents

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本発明は、水準測量に用いられる標尺及びレベルに係り、特に、電子的に高低差を測量する一組の電子レベル及びこれに使用する電子レベル用標尺からなる水準測量装置に関する。
電子レベル及び電子レベル用標尺による水準測量は、電子レベルを扱う測量者と標尺を持つ作業者により行われ、作業者により立てられた標尺の目盛を電子レベルで読み取ることで、自動的に測定点の高さが求められる。即ち、標尺が鉛直に立てられることで測定誤差を少なくすることができるが、標尺が鉛直に立てられているか否かを測量者側で判断することは困難であった。
これに対して、特許文献1のように、標尺本体に鉛直状態を検出するセンサ及び傾斜検出部を設け、センサで検知した情報を傾斜検出部において演算し、鉛直と判定されると標尺のランプを点灯させて測量者に知らせる電子レベル及び標尺がある。
特開2000−81333号(段落番号0027、0044、図1)
しかし、特許文献1のような電子レベル及び標尺では、標尺に設けられた鉛直状態検出センサ及び傾斜検出部が正確に動作するよう整備点検する必要があり、電気的なメンテナンス作業が面倒であるという問題があった。また、太陽光による照度が大きい場合、標尺から発信される点灯が測量者側で確認しにくいという問題もあった。
本願発明は、かかる問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、従来の標尺の鉛直検知に見られる問題点を解決するとともに、煩雑なメンテナンス作業が不要で測量者が確認容易な電子レベル及び電子レベル用標尺からなる水準測量装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に係る水準測量装置においては、測定点に立てられる標尺と、前記標尺の目盛の読み取りを電子的に行って測定点間の高低差を算出する電子レベルと、からなる水準測量装置において、前記電子レベルに、変調光を送出して前記測定点に設けられた反射物からの反射光を受光して前記反射物までの直線距離を光電的に測距する光波距離計が設け、前記標尺の少なくとも上端部及び下端部に前記反射物が設け、前記光波距離計付電子レベルの演算処理部に、前記光波距離計で前記標尺を視準して求められる該光波距離計の視準高さにおける前記標尺までの実測直線距離Yと、該光波距離計で測距された前記標尺の反射物までの直線距離及び前記標尺の長さから求められる前記標尺までの計算直線距離Xと、から前記標尺の鉛直状態を判定する傾斜検出手段を設けた。
(作用) 光波距離計付電子レベル配置点を点C、測定点に立てられた標尺の上端側反射物配置点を点B、標尺の下端側反射物配置点を点Aとした3点で形成される三角形を三角形ABCとして、その三辺を、∠Aに対向する辺をLA、∠Bに対向する辺をLB、∠Cに対向する辺をLCとする。ここで、LCは標尺の長さゆえ既知であり、光波距離計付電子レベルで標尺両端部の反射物までの直線距離を測距すればLA及びLBが求まり、三角形ABCについて余弦定理を適用すれば∠A、∠B、∠Cを求めることができる。そして、光波距離計付電子レベルが標尺と正対していた場合、視準高さにおける標尺までの直線距離は点Cから辺LCに下ろした垂線の長さに相当するため、計算上直線距離Xは、幾何学的にX=LA×sinBで算出される。ここで、仮に標尺が鉛直状態であれば、前記計算による計算直線距離Xと、実測した実測直線距離Yは一致する。逆に、計算直線距離X≠実測直線距離Yであれば、標尺は鉛直状態にない。よって、これらの演算を演算処理部で行うことで標尺の傾斜の有無を判定することができる。
請求項2においては、請求項1に記載の水準測量装置において、前記演算処理部に、前記実測直線距離Yと前記計算直線距離Xとを用いて、前記標尺の前後方向傾斜角θを算出する傾度算出手段を設けた。
(作用) 標尺が鉛直方向から前後方向に角度θ(但し0°<θ<90°)傾斜している場合、幾何学的にθ=cos−1(X/Y)が成り立つことから、実測直線距離Yを測距し、計算直線距離Xを計算することで、標尺の前後方向傾斜角θを求めることができる。
請求項3においては、請求項1又は2に記載の水準測量装置において、前記反射物の固定位置と前記光波距離計付電子レベルに求められる仕様最小距離Lminおよび仕様最大距離Lmaxで規定される測量範囲Rに対して、前記反射物は、前記標尺の長さLCと前記仕様最小距離Lminから得られる∠δ=tan −1 (Lmin/LC)を用いて、標尺軸と直交する標尺水平方向から∠φ=(90−∠δ)/2だけ内に傾けて配置した。
(作用) 水準測量に望まれる仕様最小距離をLminとする。Lminは前記三角形ABCで表すところの辺LBに当たり、また、標尺軸と、標尺上端部と光波距離計付電子レベル配置地点とを結ぶ線と、が成す∠δは、前記三角形ABCで表すところの∠Bに当たるので、三角形ABCにおいて幾何学的に∠δ=tan−1(Lmin/LC)が成り立ち、また、∠φ=(90−∠δ)/2が成り立つ。LC(標尺長さ)は既知であることから、Lminの仕様によって、望ましい角度φを求めることができる。
請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載の水準測量装置において、前記光波距離付き電子レベルは、前記電子レベル又は前記光波距離計のいずれか一方に他方の電子部品を組み込んだ構成とした。
(作用) それぞれの測量用途に応じて電子レベルと光波距離計に独立別個に設けられていた演算処理部やその測量値等を表示する表示器等を一に統合することができる。
請求項1の水準測量装置によれば、電子レベルに光波距離計を備え、標尺両端部に反射物を設けることで、標尺にセンサ等の電子的機構を設けなくとも、電子レベル側で演算処理するだけで傾きを検出することができるので、標尺にセンサ等を備え付ける必要がなく、煩雑な電気的メンテナンス作業も不要となる。また、電子レベルで傾斜検出するので、この結果を電子レベルの表示部に表示する等すれば、電子レベル側の測量者が容易に鉛直状態を確認することができる。
請求項2の水準測量装置によれば、標尺の前後方向傾斜角θを具体的に知ることができるので、これを補正することでより正確な水準測量が可能となる。
請求項3の水準測量装置によれば、仮に標尺両端部に設けられる反射物を傾けずに、その反射面が標尺水平方向と直交する配置(∠φ=0)にすると、光波距離計から送出された光を反射面に入射させるために、光波距離計を標尺から所定距離離す必要があるため、その分測距可能な直線距離が遠くなり、仕様最小距離を満足することができなくなる。そこで、仕様最小距離に合わせて反射物を所定角度傾けて配置することで、水準測量に求められる仕様最小距離を満たすことができる。
請求項4の水準測量装置によれば、電子レベル又は光波距離計のいずれか一方に他方の電子部品を組み込み電子レベルと光波距離計を一体とすることで、その分部品点数が削減され、構成も簡潔となる。
本願発明の第1の実施例に係る水準測量装置の作業風景を示す図。 同水準測量装置における光波距離計付電子レベルの構成ブロック図。 同レベルの配置位置と標尺に設けられた反射プリズムの配置の関係を説明する図。 同レベルと標尺が正対した時の関係を示す図。 標尺が傾いている時の関係を示す図。 水準測量プログラムを説明するフローチャート。 標尺が1度後方に傾斜していた場合の実測直線距離と計算直線距離の差を示すグラフ。 標尺が3度後方に傾斜していた場合の実測直線距離と計算直線距離の差を示すグラフ。 本願発明の他の実施例に係る水準測量装置における電子レベルの構成ブロック図。 本願発明の他の実施例に係る水準測量装置における標尺と光波距離計付電子レベルの光送出部の位置関係を説明する図。
以下、図面を参照して本願発明の一実施例に係る水準測量装置を説明する。本願発明において、水準測量装置とは、後述する光波距離計付電子レベル1及びこれに使用する電子レベル用標尺3から構成される。図1は、本願発明の一実施例に係る水準測量装置を用いた作業風景を示す図である。図1左には、標高が既知である基準点上に、電子的に高低差を測量する電子レベル機構に位相差方式の光波距離計機構の電子部品が組み込まれ、電子レベルと光波距離計の両機構が一の箱体内に収容された、光波距離計付電子レベル1が設置されている。図1右には、基準点に基づいて標高を測量しようとしている測定点上に、所定の目盛が付された電子レベル用標尺3が設置されている。標尺3は、図示しない作業者によって支えられた状態で起立している。係る水準測量では、作業者により立てられた標尺3の目盛を、光波距離計付電子レベル1を扱う測量者の操作によって電子レベルで読み取ることで、自動的に測定点の高さを求める。また、光波距離計付電子レベル1は、内蔵した光波距離計機構により、変調光を送出して測定点に設けられた反射物からの反射光を受光して反射物までの直線距離を光電的に測距する。
次に、図2を用いて光波距離計付電子レベル1の構成を説明する。図2は、光波距離計付電子レベルの構成ブロック図である。光波距離計付電子レベル1の内部には、水準測量機構に係る、集光レンズ等の光学系21及び傾斜自動補償機構(コンペンセータ)22が設けられており、受光された標尺3の画像はビームスプリッタ23によってラインセンサ24に分岐される。ビームスプリッタ23を通過するものが視準光学系、ラインセンサ24へと分岐されたものが映像光学系となる。視準光学系は上記光学系21と傾斜自動補償機構22とビームスプリッタ23と焦点板20aと接眼レンズ20bとで構成されている。映像光学系は光学系21と傾斜自動補償機構22とビームスプリッタ23とラインセンサ24とで構成されている。該ラインセンサ24は受光された標尺3の画像を電気信号に変換しアンプ25に出力する。アンプ25で増幅された信号はクロック信号に同期してサンプルホールドされ、ホールドされた信号はA/Dコンバータ26でデジタル信号に変換される。デジタル化された信号はメモリ27に記憶される。CPU(演算処理部)28は該メモリ27に記憶されている信号を基に標尺3の目盛幅寸法を求める。そして、目盛幅寸法とメモリ27内に予め格納されたテーブル値とから視準位置の高さを求める。尚、駆動回路29はラインセンサ24の作動を制御する回路である。また、上記視準光学系の光軸と映像光学系の光軸とは互いに一致させている。
また、上記電子レベル機構には、光波距離計機構の部品が組み込まれている。詳しくは、駆動回路41により駆動され、図示しない発振器から発生した基準信号を重畳化した信号の振幅で強度変調した光を送出させる送光部42から送出された光は、図示しないビームスプリッタ等で測定点に配置された反射物へ向かう測距光と装置内部を通過する参照光に分けられる。測定点に配置した反射物によって反射された測距光は、水準測量機構と共通する光学系21で集光され、受光部45によって受光される。一方、参照光も既知の測距光路を経て受光部45で受光される。受光部45でアナログ信号となった測距信号及び参照信号は、A/Dコンバータ46でデジタル信号に変換され、デジタル化された信号はメモリ47に記憶される。水準測量系と共通するCPU28はメモリ47に記憶されている測距信号と参照信号それぞれの信号振幅と位相情報を解析し、測距光と参照光の位相差により内部で発生する誤差を補正した形で、光波距離計付電子レベル1から反射物までの直線距離(測距値)を算出する。CPU28で算出された各測量結果は、水準測量機構及び光波距離計機構の両者で共通する表示器30に表示される。また、CPU28には、後述する標尺3の鉛直状態を判定する傾斜検出手段と標尺3の前後方向傾斜角θを算出する傾度算出手段が設けられている。
即ち、光波距離計付電子レベル1では、電子レベルの電子部品に光波距離計の電子部品が組み込まれ、水準測量と測距というそれぞれの測量用途に応じて別個独立に設けられていた集光レンズ等の光学系やCPU及び表示器が一に統合されているので、その分部品点数が削減され、構成も簡潔となっている。
次に、標尺3の構成を図1及び図3を用いて説明する。図3は光波距離計付電子レベルの配置位置と標尺に設けられた反射プリズムの配置の関係を説明する図である。標尺3は図1に示すように棒状に上下方向に伸延した矩形板が図示しない標尺台上に載せられ、作業者に支えられている。標尺3の少なくとも一方の面には、所定のバーコードパターンからなる目盛が描かれており、係るバーコード目盛幅寸法を光波距離計付電子レベル1が読み取る。また、標尺3の上端部3b及び下端部3aには反射物である反射プリズム44b,44aが配置されている。さらに詳細には、図3に示すように、標尺3の軸と、標尺上端部3bと光波距離計付電子レベル1配置地点とを結ぶ線と、が成す角度を∠δとすると、反射プリズム44bは標尺水平方向から∠φ=(90−∠δ)/2だけ下方に(内に)傾けて配置され、反射プリズム44aは標尺水平方向から∠φ=(90−∠δ)/2だけ上方に(内に)傾けて配置されている。反射プリズム44b、44aは標尺3に周知の固定手段によって傾動可能に支承されている。
図3に基づいて、反射プリズム44b,44aを角度φ傾けて配置する理由を説明する。光波距離計付電子レベル1に求められる仕様最小距離をLmin、仕様最大距離をLmaxとする。光波距離計付電子レベル1を用いて水準測量する場合、角度δが最も大きくなるのは、光波距離計付電子レベル1が、Lmaxかつ標尺上端部3bの延長上となる地点Gか、Lminかつ標尺下端部3aの延長上となる地点Eに設置されたときである。仮に標尺両端部3b,3aに設けられる反射プリズム44b,44aを傾けずに(∠φ=0)、反射プリズム44b,44aの反射面が標尺3の水平方向と直交する配置にすると、光波距離計機構から送出された光を反射プリズム44b,44aの反射面に入射させるために、光波距離計付電子レベル1を標尺3から所定距離離す必要があるため、その分仕様最小距離Lminが大きくなる。そこで、地点Gから地点Eの範囲において、確実に測距が可能となるようにするには、標尺3の長さをLCとすると、幾何学的に
∠δ=tan−1(Lmin/LC)・・・(1)
が成り立ち、また、2∠φ=90−∠δの関係から
∠φ=(90−∠δ)/2・・・(2)
が成り立つ。標尺3の長さLCは既知であることから、Lminの仕様によって、式(1)及び(2)から望ましい∠φを求めることができる。
例えば、LC=4[m]で、光波距離計付電子レベル1に求められるLmin=1.5[m]で、光波距離計付電子レベル1は地点Eにあったとすると、式(1)からδ=21.8°が得られ、これを式(2)に代入して、φ=34.1°と求められる。よって、反射プリズム44a、44bを角度φだけ内に傾けることで、光波距離計付電子レベル1に求められる仕様最小距離を必ず満たすことができる。
そして、測定点に標尺3を設置し、光波距離計付電子レベル1を動作させ、(i)標尺3を視準して求められる光波距離計付電子レベル1の視準高さにおける標尺3までの実測直線距離、(ii)標尺上端部3bの反射プリズム44bまでの直線距離、(iii)標尺下端部3aの反射プリズム44aまでの直線距離、を測距する。ここで、図4は光波距離計付電子レベルと標尺が正対した時の関係を示す図である。図4に示すように、光波距離計付電子レベル1の配置点を点C、反射プリズム44bの配置点を点B、反射プリズム44aの配置点を点Aとした3点で形成される三角形を三角形ABCとして、その三辺を、∠Aに対向する辺をLA、∠Bに対向する辺をLB、∠Cに対向する辺をLCとする。ここで、LCは標尺3の長さゆえ既知であり、(ii)及び(iii)の測距によりLA、LBが求まる。三角形ABCについて余弦定理を適用すれば、
∠A=cos-1{(LB+LC−LA)/(2LB×LC)}・・・(3)
∠B=cos-1{(LA+LC−LB)/(2LA×LC)}・・・(4)
∠C=cos-1{(LA+LB−LC)/(2LA×LB)}・・・(5)
を求めることができる。そして、光波距離計付電子レベル1が標尺3と正対していた場合、視準高さにおける標尺3までの直線距離は点Cから辺LCに下ろした垂線の長さに相当するため、計算上、直線距離Xは幾何学的に、
X=LA×sinB・・・(6)
で算出することができる。ここで、仮に標尺3が鉛直状態であれば、式(6)による計算直線距離Xと、(i)の実測直線距離Yは一致する。一方、図5は標尺が傾いている時の関係を示す図である。図5に示すように、標尺3が鉛直状態から後方に傾いている時、計算直線距離Xと実測直線距離Yは一致しない。この関係を利用して、CPU28では、(ii)、(iii)の測距値から、上記計算直線距離Xを算出し、これと(i)の実測した実測直線距離Yを比較することで、求めた計算直線距離Xが実測直線距離Yと一致しなければ、標尺は鉛直状態にないとして、標尺の傾斜の有無を判定する(傾斜検出手段)。
さらに、図5に示すように、実測直線距離Y及び計算直線距離Xが分かれば、
Y=X/cosθ ・・・(7)
の関係から幾何学的に、標尺3の鉛直方向から後方への傾きθは、
θ=cos-1(X/Y) ・・・(8) 但し、0°<θ<90°
が成り立つため、式(8)より具体的な傾斜角θを求めることができる。この関係を利用して、CPU28では、YとXが一致しなければ、実測直線距離Yと求めた計算直線距離Xから標尺3の前後方向傾斜角θを算出する(傾度算出手段)。
次に、水準測量プログラムを説明するフローチャートを示す図6に基づいて、光波距離計付電子レベル1を用いた水準測量を説明する。測定点に標尺3を立て、前記プログラムを開始すると、ステップ1で、反射プリズム44bまでの直線距離LB、反射プリズム44aまでの直線距離LA、実測直線距離Yが測距される。次にステップ2に進み、LA及びLBから計算直線距離Xが算出される。次にステップ3に進み、傾斜検出手段によって実測直線距離Yと計算直線距離Xが一致するかが判定される。ステップ3でY≠Xと判定されると、ステップ4に進み、傾度算出手段によって具体的な傾斜角θが算出され、ステップ5で表示器30に表示される。これを確認した測量者は、表示された具体的な傾斜角θを標尺3を支える作業者に伝達する。ステップ6で、作業者により傾きが補正されると、ステップ1に戻る。ステップ3でY=Xと判定されると、ステップ7に進み、標尺3が鉛直状態である旨が表示器30に表示され、これを確認した測量者がステップ8で水準測量を実行し、プログラムを終了する。
本実施例によれば、電子レベルに光波距離計を内蔵した光波距離計付電子レベル1を用いて、標尺両端部3b、3aに反射プリズム44b、44aを設けたことで、標尺3にセンサ等の電子的機構を設けなくとも、光波距離計付電子レベル1側で演算処理するだけで傾きを検出することができるので、標尺3にセンサ等を備え付ける必要がなく、煩雑な電気的メンテナンス作業も不要となる。また、この結果が表示器30に表示されるので、光波距離計付電子レベル1側の測量者が容易に鉛直状態を確認することができる。
また、測量者は標尺3の前後方向傾斜角θを具体的に知ることができるので、これを作業者に無線機等の公知の手段を用いて伝達し、これを受けた作業者が傾きを補正することで、より正確な水準測量が可能となる。
具体的に、図3において、標尺3の長さLC=4[m]、光波距離計付電子レベル1に求められる仕様最小距離Lmin=1.5[m]、仕様最大距離Lmax=100[m]としたときの、標尺が1度後方に傾斜していた場合の計算直線距離と実測直線距離の差を示すグラフを図7に、標尺が3度後方に傾斜していた場合の計算直線距離と実測直線距離の差を示すグラフを図8に示す。
図7、図8において、縦軸は∠δの角度[度]、横軸は、標尺3の軸と、標尺上端部3aと光波距離計付電子レベル1の配置地点とを結ぶ線と、が成す∠σの角度[度]を表しており、式(1)から、∠δの範囲は21.8≦δ[度]≦90であり、同様に21.8≦σ[度]≦90であり、δ=90°かつσ=90°はLmax>100となるので領域外である。よって、図7、図8において扇状に囲まれた領域Rが測量に使用される範囲であり、領域Rは図3における地点E、F、G、Hで囲まれる領域に対応する。図7、図8では、光波距離計付電子レベル1が∠δ及び∠σの値で決定される領域Rのいずれかの地点に配置されていることを表し、その配置位置で得られるY−X[mm]の値を色分けして示している。標尺が1度後方に傾斜している図7の範囲内において、いずれの位置においても
Y−X は(直線距離誤差は)0.2mm以上であることが分かる。標尺3が3度後方に傾斜している図8の範囲内において、いずれの位置においてもY−Xは2mm以上であることが分かる。標尺3の傾きが更に大きくなる場合は、
Y−X=X(1/cosθ − 1)・・・(9)
であり、式(9)から、標尺3の傾きθが大きくなると、Y−X値は単調増加で+∞に発散することから、傾斜検出手段においてY=Xと判定する基準をY−X<2[mm]、さらに好ましくはY−X<0.2[mm]とすることで、標尺3の傾きは確実に検出される。
なお、前記実施例では電子レベルに光波距離計の電子部品を組み込んだが、光波距離計に電子レベルの電子部品を組み込む構成にしても良い。また、図9の本願発明の他の実施例に係る水準測量装置における電子レベルの構成ブロック図に示すように、電子レベルと光波距離計のそれぞれの電子部品を独立別個に設けて、電子レベルのCPU28と光波距離計のCPU47にてお互いのデータを送受信する構成としても良い。
また、標尺3は、図10に示すように標尺3の中心からdだけ離れた位置に反射プリズム44b,44aを置く構成にしても良い。光波距離計付電子レベル1の光送出位置をレベル対物レンズ中心線からdだけ離しておくことで、水準測量も測距も干渉せずに測定することができる。
また、標尺3の反射プリズム44b,44aは、反射シートを用いてもよい。
1 光波距離計を備えた電子レベル
3 標尺
3a 標尺下端部
3b 標尺上端部
28 演算処理部
44a、44b 反射プリズム(反射物)

Claims (4)

  1. 測定点に立てられる標尺と、前記標尺の目盛の読み取りを電子的に行って測定点間の高低差を算出する電子レベルと、からなる水準測量装置において、
    前記電子レベルには、変調光を送出して前記測定点に設けられた反射物からの反射光を受光して前記反射物までの直線距離を光電的に測距する光波距離計が設けられ、
    前記標尺の少なくとも上端部及び下端部には前記反射物が設けられ、
    前記光波距離計付電子レベルの演算処理部には、前記光波距離計で前記標尺を視準して求められる該光波距離計の視準高さにおける前記標尺までの実測直線距離Yと、該光波距離計で測距された前記標尺の反射物までの直線距離及び前記標尺の長さから求められる前記標尺までの計算直線距離Xと、から前記標尺の鉛直状態を判定する傾斜検出手段が設けられたことを特徴とする水準測量装置。
  2. 前記演算処理部に、前記実測直線距離Yと前記計算直線距離Xとを用いて、前記標尺の前後方向傾斜角θを算出する傾度算出手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の水準測量装置。
  3. 前記反射物の固定位置と前記光波距離計付電子レベルに求められる仕様最小距離Lminおよび仕様最大距離Lmaxで規定される測量範囲Rに対して、前記反射物は、前記標尺の長さLCと前記仕様最小距離Lminから得られる∠δ=tan −1 (Lmin/LC)を用いて、標尺軸と直交する標尺水平方向から∠φ=(90−∠δ)/2だけ内に傾けて配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の水準測量装置。
  4. 前記光波距離付き電子レベルは、前記電子レベル又は前記光波距離計のいずれか一方に他方の電子部品が組み込まれたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水準測量装置。
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