JP2005344822A - クラッチユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】 過負荷となるような設定値以上の大きなトルクが入力された場合でも、その過負荷による部品の損傷を未然に防止する。
【解決手段】 静止側部材16に対して入力外輪11と出力内輪12を正逆回転自在に配置し、前記入力外輪11と出力側回転部材12との間に係合・離脱可能なローラ13を介装し、そのローラ13の係合・離脱を切り替えるクラッチユニットであって、前記出力内輪12を半径方向に分割し、その分割された二部材のうち、一方の中空状部材12aに半径方向に変形可能な弾性部材22を装着し、その他方の軸状部材12bの対向面に前記弾性部材22が係合・離脱可能な溝23を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 静止側部材16に対して入力外輪11と出力内輪12を正逆回転自在に配置し、前記入力外輪11と出力側回転部材12との間に係合・離脱可能なローラ13を介装し、そのローラ13の係合・離脱を切り替えるクラッチユニットであって、前記出力内輪12を半径方向に分割し、その分割された二部材のうち、一方の中空状部材12aに半径方向に変形可能な弾性部材22を装着し、その他方の軸状部材12bの対向面に前記弾性部材22が係合・離脱可能な溝23を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば電動スライドドア、電動バックドア、電動シート、パワーウィンドウ、電動ステアリング等に利用されるもので、入力側から一方向の回転トルクのみを出力側へ伝達する一方、出力側から正逆両方向の回転トルクを遮断して入力側へ伝達しない逆入力遮断機能を有するクラッチユニットに関する。
例えば電動スライドドア、電動バックドア、電動シート、パワーウィンドウ、電動ステアリング等に利用され、入力側から一方向の回転トルクのみを出力側へ伝達する一方、出力側から正逆両方向の回転トルクを遮断して入力側へ伝達しない逆入力遮断機能を有するクラッチユニットとしては、種々のタイプのものがある。
図9および図10は、例えば逆入力遮断機能を有するクラッチユニットの一例を示す。このクラッチユニットは、入力側回転部材としての入力外輪1と、出力側回転部材としての出力内輪2と、トルク伝達部材としてのローラ3と、そのローラ3を保持する保持器4と、その保持器4の位置決めを行う弾性部材としてのセンタリングばね5と、静止側部材としてのハウジング6と、保持器4の回転に対して保持器4に摩擦抵抗を作用させる回転抵抗付与手段としての摺動ばね7とで主要部が構成されている。
前述の入力外輪1は、ハウジング6に回転自在に支承され、その内周面には、出力内輪2の外周面との間に正逆両回転方向に対称に楔空間を形成したカム面9が円周方向等間隔に形成されている。ハウジング6に摺動自在に装着された摺動ばね7は、保持器4に形成された突起部(図示せず)と円周方向に係合可能な形状となっている。
前述の出力内輪2は、ハウジング6に軸受8を介して回転自在に支承され、入力外輪1と同軸的に配置されている。また、保持器4には、その円周方向等間隔に形成された複数のポケットにローラ3が収容配置されると共に、それらポケットの一部および入力外輪1にセンタリングばね5が嵌合されている。これら入力外輪1、出力内輪2、ローラ3、保持器4、センタリングばね5および摺動ばね7は、ハウジング6に収容されている。
このクラッチユニットにおいて、回転トルクが入力外輪1に作用していない初期状態では、入力外輪1と保持器4に嵌合されたセンタリングばね5の作用により、ローラ3は入力外輪1のカム面9の円周方向中央に位置する状態に保持されている。この時、ローラ3と入力外輪1の間には隙間を持つように設定されている。また、保持器4は、摺動ばね7によってハウジング6との間で摩擦抵抗を付与している。
この状態で出力内輪2に回転トルクが作用しても、センタリングばね5により位置決めされた保持器4によって保持されたローラ3が楔空間の円周方向中央に位置し続けることから、ローラ3と入力外輪1の間に隙間があるので、入力外輪1と出力内輪2は回転方向に係合せず、出力内輪2は正逆両方向に空転してその出力内輪2に入力された回転トルクは、入力外輪1に伝達されずに遮断される。
一方、正回転トルクまたは逆回転トルクが入力外輪1に作用すると、入力外輪1は回転しようとする。この時、保持器4は、センタリングばね5によって入力外輪1に連結されていることから、入力外輪1と共に回転を始める。その保持器4が回転すると、保持器4の突起部が摺動ばね7に接触し、その状態で摺動ばね7が連れ回るようになる。摺動ばね7は、ハウジング6との間で滑り摩擦抵抗を受け、この滑り摩擦抵抗が突起部を介して保持器4の回転抵抗となる。
ここで、摺動ばね7の滑り摩擦抵抗に起因する保持器4の回転抵抗がセンタリングばね5の弾性力よりも大きいため、センタリングばね5が弾性変形し、その分、保持器4に回転位相差が生じ、その回転位相差によりローラ3が入力外輪1に対して相対移動して楔空間で噛み込んだ状態となり、入力外輪1に入力された回転トルクは、出力内輪2に伝達される(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−120715号公報
ところで、前述したクラッチユニットでは、入力外輪1が回転を始めると、ハウジング6との間で摺動ばね7により滑り摩擦抵抗を受けている保持器4の回転が遅れ、その保持器4のポケットに保持されているローラ3が、入力外輪1のカム面9と出力内輪2の外径面との間の楔空間に係合することにより、回転トルクが伝達される。
ここで、このクラッチユニットを電動スライドドア等の艤装系クラッチとして使用した場合、電動スライドドアの駆動中に挟み込み等が発生してこれにより入力外輪1に大きなトルク(設定値以上)が入力されると、その設定値以上のトルクが過負荷となって、ローラクラッチ部を構成するローラ3、入力外輪1および出力内輪2などの部品が破損することに繋がる可能性があった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、過負荷となるような設定値以上の大きなトルクが入力された場合でも、その過負荷による部品の損傷を未然に防止し得るクラッチユニットを提供することにある。
前記目的を達成するための技術的手段として、本発明は、静止側部材に対して入力側回転部材と出力側回転部材を正逆回転自在に配置し、前記入力側回転部材または静止側部材と出力側回転部材との間に係合・離脱可能なトルク伝達部材を介装し、そのトルク伝達部材の係合・離脱を切り替えるクラッチユニットであって、前記入力側回転部材または出力側回転部材のいずれか一方を半径方向に分割し、その分割された二部材の一方の部材に半径方向に変形可能な弾性部材を装着し、その他方の部材の対向面に前記弾性部材が係合・離脱可能な溝を形成したことを特徴とする。
この構成からなる本発明は、前記出力側回転部材からの逆入力に対してトルク伝達部材を入力側回転部材と出力側回転部材との間で離脱した状態に保持する逆入力遮断手段を具備したフリー型と称されるタイプ、あるいは、前記出力側回転部材からの逆入力に対してトルク伝達部材を静止側部材と出力側回転部材との間で係合した状態に保持する逆入力遮断手段を具備したロック型と称されるタイプの何れのクラッチユニットにも適用可能である。
本発明のクラッチユニットを電動スライドドア等の艤装系部品のクラッチとして使用した場合、電動スライドドアの駆動中に挟み込み等で過大トルクが作用しても、入力側回転部材または出力側回転部材のいずれか一方を半径方向に分割し、その分割された二部材の一方の部材に半径方向に変形可能な弾性部材を装着し、その他方の部材の対向面に前記弾性部材が係合・離脱可能な溝を形成したことにより、過大トルクの作用時、弾性部材が縮径しながら溝から離脱するため、入力側回転部材と出力側回転部材が相対回転するので、前述の過大トルクが、ローラクラッチ部を構成するローラ、入力外輪および出力内輪などの部品に作用することを回避できる。
前述の構成において、弾性部材は、入力側回転部材または出力側回転部材の軸方向に沿う円筒形状を有するばね鋼製であり、その円周方向に切り離された端部を有する構造が望ましい。ばね鋼製の弾性部材の場合、例えば、切り離された両端部間にスリットを形成した有端円筒形状とすることにより、過大トルクが作用した時に縮径することが容易となる。また、弾性部材のスリットは、その軸方向に沿って凹凸状をなすことが望ましい。このようにすれば、弾性部材が装着された一方の部材のエッジ部にスリットが位置する時、切り離された端部がそのエッジ部に引っ掛からず、弾性部材が滑らかに縮径することが可能となる。
一方、この弾性部材は、樹脂製のものを使用することも可能であり、その場合、前述のばね鋼製の弾性部材と異なり、スリット等の切り離された端部を形成しなくても、過大トルクが作用した時に縮径させることが可能である。
前述した構成において、弾性部材が係合・離脱可能な溝の数は、弾性部材の個数の整数倍であることが望ましい。例えば、弾性部材の数が少ない場合、過大トルクにより弾性部材が縮径して溝から離脱し、次の溝に回転できない場合に途中で停止することになり、次にトルクが作用した時に一瞬作動不良を起こすことになる可能性がある。そこで、できるだけ早く次の溝に弾性部材を係合させるためには、溝の数を弾性部材の個数の整数倍とすることが好ましい。
本発明におけるクラッチユニットを電動スライドドア等の艤装系部品のクラッチとして使用した場合、電動スライドドアの駆動中に挟み込み等で過大トルクが作用しても、入力側回転部材または出力側回転部材のいずれか一方を半径方向に分割し、その分割された二部材の一方の部材に半径方向に変形可能な弾性部材を装着し、その他方の部材の対向面に前記弾性部材が係合・離脱可能な溝を形成したことにより、過大トルクの作用でもってローラクラッチ部を構成するローラ、入力外輪および出力内輪などの部品が破損することを未然に抑止することができる。また、前述の構造がトルクリミッタ機能を発揮することから、クラッチ部を強度的に小型化でき、外部モータや支持部品の小型化も可能となる。
図1および図2に示す第一の実施形態のクラッチユニットは、入力側回転部材としての入力外輪11と、出力側回転部材としての出力内輪12と、トルク伝達部材としてのローラ13と、そのローラ13を保持する保持器14と、その保持器14の位置決めを行う弾性部材としてのセンタリングばね15と、静止側部材としてのハウジング16と、保持器14の回転に対して保持器14に摩擦抵抗を作用させる回転抵抗付与手段としての摺動ばね17とで主要部が構成されている。
前述の入力外輪11は、ハウジング16に回転自在に支承され、その内周面には、出力内輪12の外周面との間に正逆両回転方向に対称に楔空間を形成したカム面19が円周方向等間隔に形成されている。この入力外輪11は、例えば電動モータと減速機構とで構成される駆動源の出力軸(図示せず)が連結される。ハウジング16に摺動自在に装着された摺動ばね17は、保持器14に形成された突起部(図示せず)と円周方向に係合可能な形状となっている。
保持器14には、その円周方向等間隔に形成された複数のポケットにローラ13が収容配置されると共に、それらポケットの一部および入力外輪11にセンタリングばね15が嵌合されている。これら入力外輪11、出力内輪12、ローラ13、保持器14、センタリングばね15および摺動ばね17は、ハウジング16に収容されている。
前述の出力内輪12は、入力外輪11のカム面19と対向して楔空間を形成する外径面を持つ中空状部材12aと、その中空状部材12aに内挿され、ハウジング16に軸受18を介して回転自在に支承された軸状部材12bとで構成されている。つまり、この出力内輪12は、半径方向に分割された中空状部材12aと軸状部材12bの二部材で構成されている。
この軸状部材12bの外径面に複数(図では九個)の円形溝21を円周方向等間隔に設け、その円形溝21に弾性部材22を嵌入させている。この弾性部材22は、軸状部材12bの軸方向に沿う円筒形状を有し、その一部にスリット22aを軸方向に沿って形成したばね鋼製で、軽圧入により軸状部材12bの円形溝21に装着されている。弾性部材22は、その外周面の一部が円形溝21から露呈した状態で装着され、半径方向に変形可能、つまり縮径可能となっている。
一方、中空状部材12aの内径には、弾性部材22が嵌合する溝23が円周方向等間隔に弾性部材22と同数設けられている。この溝23と弾性部材22とは、軽圧入により嵌め合わされた状態となっている。
この実施形態におけるクラッチユニットにおいて、回転トルクが入力外輪11に作用していない初期状態では、入力外輪11と保持器14に嵌合されたセンタリングばね15の作用により、ローラ13は入力外輪11のカム面19の円周方向中央に位置する状態に保持されている。この時、ローラ13と入力外輪11の間には隙間を持つように設定されている。また、保持器14は、摺動ばね17によってハウジング16との間で摩擦抵抗を付与している。
この状態で出力内輪12に回転トルクが作用しても、センタリングばね15により位置決めされた保持器14によって保持されたローラ13が楔空間の円周方向中央に位置し続けることから、ローラ13と入力外輪11の間に隙間があるので、入力外輪11と出力内輪12は回転方向に係合せず、出力内輪12は正逆両方向に空転してその出力内輪12に入力された回転トルクは、入力外輪11に伝達されずに遮断される。
一方、正回転トルクまたは逆回転トルクが入力外輪11に作用すると、入力外輪11は回転しようとする。この時、保持器14は、センタリングばね15によって入力外輪11に連結されていることから、入力外輪11と共に回転を始める。その保持器14が回転すると、保持器14の突起部が摺動ばね17に接触し、その状態で摺動ばね17が連れ回るようになる。摺動ばね17は、ハウジング16との間で滑り摩擦抵抗を受け、この滑り摩擦抵抗が突起部を介して保持器14の回転抵抗となる。
ここで、摺動ばね17の滑り摩擦抵抗に起因する保持器14の回転抵抗がセンタリングばね15の弾性力よりも大きいため、センタリングばね15が弾性変形し、その分、保持器14に回転位相差が生じ、その回転位相差によりローラ13が入力外輪11に対して相対移動して楔空間で噛み込んだ状態となり、さらに、中空状部材12aと軸状部材12bとの間では、弾性部材22が溝23に嵌合した状態であるため、入力外輪11に入力された回転トルクは、出力内輪12に伝達される。
このクラッチユニットを電動スライドドア等の艤装系部品のクラッチとして使用した場合、電動スライドドアの駆動中に挟み込み等で過大トルクが作用しても、その過大トルクの作用時、中空状部材12aの溝23から弾性部材22が縮径しながら離脱することにより、入力側回転部材である入力外輪11と出力側回転部材である出力内輪12の軸状部材12bとが相対回転するので、過大トルクの作用でもってローラクラッチ部を構成するローラ13、入力外輪11および出力内輪12などの部品が破損することを未然に抑止することができる。
このように弾性部材22は、トルクリミッタ機能を発揮するが、そのリミッタトルクの設定は、弾性部材22の設置数、肉厚、軸方向長さや材質などにより任意に設定することが可能である。例えば、図3(a)は九個の弾性部材22を配設した例であり、同図(b)は弾性部材22の設置数を減少させて六個の弾性部材22を配設した例である。また、同図(c)は肉厚を薄くした三個の弾性部材22’を配設した例であり、同図(d)は中空状部材12aに形成した溝23の数を弾性部材22’の数の整数倍とした例である。
前述したように、弾性部材22は、円筒形状を有するばね鋼製で、その一部にスリット22aを軸方向に沿って形成した構造を有する。ばね鋼製の弾性部材22の場合、スリット22aを形成することにより、過大トルクが作用した時に縮径することが容易となる。また、弾性部材22のスリット22aは、その軸方向に沿って凹凸状、例えば図1に示す波状をなす。このようにすれば、スリット22aが軸状部材12bの円形溝21のエッジ部に位置する時、切り離された端部がそのエッジ部に引っ掛からず、弾性部材22が滑らかに縮径することが可能となる。なお、弾性部材22は、過大トルクの作用時に容易に縮径し、スムーズに溝23から離脱することができるように、スリット22aを円形溝21内に配置するように装着されている。
この弾性部材22は、スリット22aを形成した上でその両端部22bを半径方向に重ね合わせるような形状とすることも可能である(図4参照)。一方、この弾性部材22は、樹脂製のものを使用することも可能であり、その場合、前述のばね鋼製の弾性部材22と異なり、スリット22aを形成しなくても、過大トルクが作用した時に縮径させることが可能である。さらに、弾性部材22は、捩りコイルばねのように連続した形状を有するばねも使用可能である。
以上で説明した第一の実施形態は、出力内輪12からの逆入力に対してローラ13を入力外輪11と出力内輪12との間で離脱した状態に保持する逆入力遮断手段を具備したフリー型の逆入力遮断クラッチに適用した場合であるが、以下で説明するように出力内輪からの逆入力に対してローラを静止側部材と出力内輪との間で係合した状態に保持する逆入力遮断手段を具備したロック型の逆入力遮断クラッチにも適用可能である。
図5および図6は第二の実施形態におけるクラッチユニットを示す。このクラッチユニットは、入力側回転部材としての保持器34と、出力側回転部材としての出力内輪32と、トルク伝達部材としてのローラ33と、静止側部材としての外輪31とで主要部が構成されている。
前述の出力内輪32は、静止系である外輪31に軸受38を介して回転自在に支承され、その外径面には、外輪31の内周面との間に正逆両回転方向に対称な楔空間を形成した多角形のカム面39が円周方向等間隔に形成されている。この出力内輪32と外輪31との間に配置された保持器34には、その円周方向等間隔に形成された複数のポケットに一対のローラ33が収容配置されると共にそのローラ同士に離反力を付勢するばね40がローラ33間に介挿されている。
この出力内輪32は、端部を拡径させて中空状の大径部32a2を有する第一の軸状部材32a1と、その大径部32a2に内挿された第二の軸状部材32bとで構成されている。つまり、出力内輪32は、半径方向に分割された第一の軸状部材32a1と第二の軸状部材32bの二部材で構成されている。
この第二の軸状部材32bの外径面に複数の円形溝41を円周方向等間隔に設け、その円形溝41に弾性部材22を嵌入させている。この弾性部材22は、第二の軸状部材32bの軸方向に沿う円筒形状を有し、その一部にスリット22aを軸方向に沿って形成したばね鋼製で、軽圧入により第二の軸状部材32bの円形溝41に装着されている。弾性部材22は、その外周面の一部が円形溝41から露呈した状態で装着され、半径方向に変形可能、つまり縮径可能となっている。また、第一の軸状部材32a1の大径部32a2の内径には、弾性部材22が嵌合する溝43が円周方向等間隔に弾性部材22と同数設けられている。この溝43と弾性部材22とは、軽圧入により嵌め合わされた状態となっている。
一方、入力側回転部材である保持器34には、図7(a)に示すように例えば電動モータ等の駆動源からの出力軸51が挿入され、また、その出力軸51は、同図(b)に示すように出力内輪32の第二の軸状部材32bにも挿入される。この時、出力軸51と保持器34との間に形成されるすきまmは、その出力軸51と第二の軸状部材32bとの間に形成されるすきまMよりも小さく設定されている。
この実施形態におけるクラッチユニットにおいて、回転トルクが保持器34に作用していない状態で、出力内輪32から回転トルクが逆入力されると、その第一の軸状部材32a1の大径部32a2と外輪31との間に介在したローラ33が、そのローラ33同士に離反力を付勢するばね40により大径部32a2と外輪31との間でロックされることによって、前述の逆入力の回転トルクは、入力側回転部材である保持器34に伝達されずに遮断される。
一方、電動モータ等の出力軸51から回転トルクが保持器34に入力されると、保持器34は回転しようとする。この時、出力内輪32の第二の軸状部材32bも、出力軸51で連結されていることから、保持器34と共に回転を始める。この時、出力軸51は、保持器34とのすきまmが第二の軸状部材32bとのすきまMよりも小さく設定されていることから、まず、保持器34が回転し始めた後に第二の軸状部材32bが回転し始める。その結果、前述したローラ33による第一の軸状部材32a1と外輪31との間でのロック状態が解除される。第二の軸状部材32bと第一の軸状部材32a1との間では、弾性部材22が溝43に嵌合した状態であるため、その第二の軸状部材32bからの回転トルクは、弾性部材22を介して第一の軸状部材32a1に伝達される。
このクラッチユニットを電動スライドドア等の艤装系部品のクラッチとして使用した場合、電動スライドドアの駆動中に挟み込み等で過大トルクが作用しても、その過大トルクの作用時、第一の軸状部材32a1の溝43から弾性部材22が縮径しながら離脱することにより、入力側回転部材である保持器34に連結された第二の軸状部材32bと出力内輪32の第一の軸状部材32a1とが相対回転するので、過大トルクの作用でもってローラクラッチ部を構成するローラ33、保持器34および出力内輪32などの部品が破損することを未然に抑止することができる。
このようにしてトルクリミッタ機能を発揮する弾性部材22は、前述した第一の実施形態と同様、設置数、肉厚、軸方向長さや材質などによりそのリミッタトルクを任意に設定することが可能である。例えば、図8(a)は九個の弾性部材22を配設した例であり、同図(b)は弾性部材22の設置数を減少させて六個の弾性部材22を配設した例である。また、同図(c)は肉厚を薄くした三個の弾性部材22’を配設した例であり、同図(d)は第二の軸状部材32a1の大径部32a2に形成した溝43の数を弾性部材22の数の整数倍とした例である。また、この弾性部材22について、他の構造など種々のタイプのものが使用可能であることは、第一の実施形態と同様である。
11 入力側回転部材(入力外輪)
12 出力側回転部材(出力内輪)
12a 部材(中空状部材)
12b 部材(軸状部材)
13 トルク伝達部材(ローラ)
14 保持器
16 静止側部材(ハウジング)
22 弾性部材
22a スリット
23 溝
12 出力側回転部材(出力内輪)
12a 部材(中空状部材)
12b 部材(軸状部材)
13 トルク伝達部材(ローラ)
14 保持器
16 静止側部材(ハウジング)
22 弾性部材
22a スリット
23 溝
Claims (8)
- 静止側部材に対して入力側回転部材と出力側回転部材を正逆回転自在に配置し、前記入力側回転部材または静止側部材と出力側回転部材との間に係合・離脱可能なトルク伝達部材を介装し、そのトルク伝達部材の係合・離脱を切り替えるクラッチユニットであって、前記入力側回転部材または出力側回転部材のいずれか一方を半径方向に分割し、その分割された二部材の一方の部材に半径方向に変形可能な弾性部材を装着し、その他方の部材の対向面に前記弾性部材が係合・離脱可能な溝を形成したことを特徴とするクラッチユニット。
- 前記出力側回転部材からの逆入力に対してトルク伝達部材を入力側回転部材と出力側回転部材との間で離脱した状態に保持する逆入力遮断手段を具備した請求項1に記載のクラッチユニット。
- 前記出力側回転部材からの逆入力に対してトルク伝達部材を静止側部材と出力側回転部材との間で係合した状態に保持する逆入力遮断手段を具備した請求項1に記載のクラッチユニット。
- 前記弾性部材は、入力側回転部材または出力側回転部材の軸方向に沿う円筒形状を有するばね鋼製であり、その円周方向に切り離された端部を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
- 前記弾性部材は、切り離された両端部間にスリットを形成した請求項4に記載のクラッチユニット。
- 前記弾性部材のスリットは、その軸方向に沿って凹凸状をなす請求項5に記載のクラッチユニット。
- 前記弾性部材は、入力側回転部材または出力側回転部材の軸方向に沿う円筒形状を有する樹脂製である請求項1〜3のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
- 前記溝の数は、弾性部材の個数の整数倍である請求項1〜7のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
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2004
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