JP2005344801A - 制動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 流体軸受を用いた回転軸や直動スライド等の移動部材において、低コストで、スペースが少なくてすむ制動装置を提供する。
【解決手段】 流体軸受により支持される回転軸(移動部材)1を、軸受部材2で流体軸受する。回転軸1に設けられたディスク1aの周端部を囲むようにして、上下のスラスト軸受面と周面のラジアル軸受面を形成する。各軸受面には流体通路3a〜3cよりノズル部4を介して加圧された流体を供給し、流体軸受面を形成する。回転軸1を回転させるときには、全ての通路3a〜3bに加圧流体を供給し、図1(a)のように回転軸1、ディスク1aと軸受部材2を非接触状態とする。制動するときは、図1(b)に示すように、通路3bへの流体の供給を遮断する。通路3a側の軸受面の圧力により回転軸1は下降し、制動部材1bが静止部5と接触して制動される。特別なブレーキ装置を必要としない。
【選択図】 図1
【解決手段】 流体軸受により支持される回転軸(移動部材)1を、軸受部材2で流体軸受する。回転軸1に設けられたディスク1aの周端部を囲むようにして、上下のスラスト軸受面と周面のラジアル軸受面を形成する。各軸受面には流体通路3a〜3cよりノズル部4を介して加圧された流体を供給し、流体軸受面を形成する。回転軸1を回転させるときには、全ての通路3a〜3bに加圧流体を供給し、図1(a)のように回転軸1、ディスク1aと軸受部材2を非接触状態とする。制動するときは、図1(b)に示すように、通路3bへの流体の供給を遮断する。通路3a側の軸受面の圧力により回転軸1は下降し、制動部材1bが静止部5と接触して制動される。特別なブレーキ装置を必要としない。
【選択図】 図1
Description
本発明は、流体軸受で軸受されている移動部材の制動装置に関する。
回転軸、回転テーブル、直動スライド等の回転体や直動体に動作を停止させるためには、通常ブレーキ装置が用いられる。このブレーキ装置は回転体や直動体と一体となった回転、移動するブレーキドラムやブレーキディスク等の部材にブレーキシューやブレーキバンド、ブレーキパッドを押し付けることによって回転体や直動体の移動動作を停止させている。この回転体や直動体の軸受に、圧力をかけた流体によって非接触で可動部を支持する流体軸受を用いたものにおいても、これらの回転体や直動体を制動するために上述したブレーキ装置を設けている。
回転軸や直動スライドの移動部材に対してブレーキ装置を設けることは、その分コスト面、スペース効率の面で不利である。
そこで、本発明の目的は、流体軸受を用いた回転軸や直動スライドにおいて、低コストで、スペースが少なくてすむ制動装置を提供することにある。
そこで、本発明の目的は、流体軸受を用いた回転軸や直動スライドにおいて、低コストで、スペースが少なくてすむ制動装置を提供することにある。
本願請求項1にかかわる発明は、流体軸受により支持される回転軸において、流体軸受の対向するスラスト軸受面に供給される流体のうち、片面に供給する流体を遮断し、流体を遮断していないスラスト軸受面の流体の圧力によって、流体が遮断されたスラスト軸受面に向かって回転軸が押し付けられて回転軸に設けられた制動面を静止部に接触させて、回転軸を制動するようにしたものである。
又、請求項2にかかわる発明は、流体軸受により支持される直動スライドにおいて、流体軸受の対向する軸受面に供給される流体のうち、片面に供給する流体を遮断し、流体を遮断していない軸受面の流体の圧力によって、流体が遮断された軸受面に向かって直動スライドが押し付けられて直動スライド部に設けられた制動面を静止部に接触させ、直動スライドを制動するようにしたものである。そして、請求項3にかかわる発明は、前記静止部は流体を遮断した軸受面で構成するようにしたものである。
又、請求項2にかかわる発明は、流体軸受により支持される直動スライドにおいて、流体軸受の対向する軸受面に供給される流体のうち、片面に供給する流体を遮断し、流体を遮断していない軸受面の流体の圧力によって、流体が遮断された軸受面に向かって直動スライドが押し付けられて直動スライド部に設けられた制動面を静止部に接触させ、直動スライドを制動するようにしたものである。そして、請求項3にかかわる発明は、前記静止部は流体を遮断した軸受面で構成するようにしたものである。
特別なブレーキ装置を必要とせず、選択した軸受面への加圧された流体の供給を遮断するだけでよいものであり、簡単、低コストで制動装置を構成することができる。
以下、本発明の実施形態について図面と共に説明する。
図1は、本発明を流体軸受で軸受された回転軸に適用した第1の実施形態の制動装置の概要図である。この第1の実施形態では、制動装置として流体軸受の下部に静止部5、及び制動部材1bを設けた点が、従来の流体軸受回転軸の回転軸と相違するものである。図1(a)はブレーキ装置による制動をかけていない状態を表し、図1(b)は制動をかけている状態を表している。
図1は、本発明を流体軸受で軸受された回転軸に適用した第1の実施形態の制動装置の概要図である。この第1の実施形態では、制動装置として流体軸受の下部に静止部5、及び制動部材1bを設けた点が、従来の流体軸受回転軸の回転軸と相違するものである。図1(a)はブレーキ装置による制動をかけていない状態を表し、図1(b)は制動をかけている状態を表している。
回転軸1にはフランジ状のディスク1aが一体的に形成されている。該ディスク1aの外周面及び上下の端面を囲むように軸受部材2が取り付けられている。該軸受部材2には、圧力のかかった空気等の流体を通す通路3a〜3cが設けられている。通路3cは、ディスク1aの周面に対してノズル部4より流体を噴射させて、この部位でラジアル軸受を構成している。すなわち、ディスク1aの周面と対向する軸受部材2の面が流体軸受のラジアル軸受面を構成している。また、通路3aからは、その先端部に設けられたノズル部4よりディスク1aの上側端面に、通路3bからは、その先端部に設けられたノズル部4よりディスク1aの下側端面には流体がそれぞれ噴射され、この各部位でスラスト軸受部を構成する。すなわち、ディスク1aの端面に対向する軸受部材2の面がスラスト軸受面を構成している。
通常、図1(a)に示すように、各通路3a〜3cには圧力をかけられた空気等の流体が供給され、各通路3a〜3cの先端に設けられたノズル部4からこの流体が噴射され、軸受部材2とディスク1aとの間隙に圧力のかかった流体を満たし、回転軸1、ディスク1aと軸受部材2とを非接触状態に保持して流体軸受を構成する。
一方、回転している回転軸1にブレーキをかけて制動するときには、ディスク1aの下面側であるスラスト軸受面に設けられた通路3bへの流体の供給を遮断する。このときの状態を図1(b)に示す。ディスク1aの下面側のスラスト軸受面への流体の供給が遮断されることにより、回転軸1及びディスク1aは、ディスク1aの上面側のスラスト軸受面側に供給されている圧力がかかった流体により(さらには自重により)、下方に押し付けられて、回転軸1に設けられた制動面が静止部5と接触し制動させられることになる。
以上のように、この第1の実施形態では、回転軸1の制動部材1bに対向する静止部5を設け、又、通路3bへの流体供給を遮断する弁(図示せず)を設けるだけで制動装置が構成されるものであり、簡単で低コストにかつコンパクトでスペースを格別必要としない制動装置が得られるものである。
なお、上述した第1の実施形態では、この回転軸1の回転を制動させるときに、通路3bからの流体の供給を停止し、ディスク1aの下面側のスラスト軸受面での流体の供給を停止する例を述べたが、逆に、通路3aからの流体の供給を遮断し、ディスク1aの上面側のスラスト軸受面での流体の供給を停止し、通路3bからの供給される流体の圧力によって回転軸1及びディスク1aを上方に押圧移動させて、上方に設けた静止部5と回転軸1の設けた制動部材1bを接触させて制動をかけるようにしてもよいものである。
又、通路3bへの流体供給の遮断、又は通路3aへの流体供給の遮断により、回転軸1が下方、上方に上述したように移動することになるので、回転軸1が上方に移動したとき接触する静止部5、下方に移動したとき接触する静止部5を設け、各静止部5に対向する制動部材1bを回転軸1に設けておき、必要に応じて、通路3b又は通路3aへの流体供給を遮断して、回転軸1を下方又は上方に移動させて制動をかけるようにしてもよいものである。
又、図1に示した例では、回転軸1の軸方向を垂直方向としたが、水平方向でも又他の方向でもよいものであり、ディスク1aに対して形成されるスラスト軸受面の、対向する一方の面における流体の供給を遮断し、他方の面に供給される流体の圧力で回転軸1及びディスク1aを押圧移動させて静止部5と回転軸1に設けられた制動部材1bとを接触させて制動させるようにすればよいものである。
図2は本発明の第2の実施形態の概要図である。この第2の実施形態は、直動スライド機構に本発明を適用したものである。
該直動スライド機構のベース12の両側には、直動スライド部11が直動する方向に矩形の凹部溝12aが設けられている。図2の例では紙面垂直方向に、一対の凹部溝12aが設けられている。又、直動スライド部11には、各凹部溝12aに挿入される凸部11aが設けられている。そして、凹部溝12aの上下の内面は凸部11aの上下の外面が対向し、凹部溝12aの垂直壁面は凸部11aの先端垂直面が対向し、それぞれ軸受面を形成している。
該直動スライド機構のベース12の両側には、直動スライド部11が直動する方向に矩形の凹部溝12aが設けられている。図2の例では紙面垂直方向に、一対の凹部溝12aが設けられている。又、直動スライド部11には、各凹部溝12aに挿入される凸部11aが設けられている。そして、凹部溝12aの上下の内面は凸部11aの上下の外面が対向し、凹部溝12aの垂直壁面は凸部11aの先端垂直面が対向し、それぞれ軸受面を形成している。
又、この第2の実施形態では直動スライド部の凸部11aの上下面及び先端垂直面には圧力がかけられた流体が供給される通路13a〜13cが形成され、該通路13a〜13cには、流体軸受面に流体を噴射するノズル部14が形成されている。図2で示す例では、通路13aに供給される流体は、ノズル部14を介してベース12の凹部溝12aの上側内面に向けて噴射される。又、通路13bに供給される流体は、ノズル部14を介して凹部溝12aの下側内面に向けて噴射される。さらに、通路13cに供給される流体は、ノズル部14を介して凹部溝12aの垂直面に向けて噴射される。
その結果、図2(a)に示すように、各流体通路13a〜13cに圧力がかけられた流体が供給され、各ノズル部14より該流体が噴射され、ベース12の凹部溝12aと直動スライド部11の凸部11aとの間のギャップに圧力流体が満たされて直動スライド部11はベース12と非接触状態に保持される流体軸受が形成される。
又、直動スライド部11の下部には、制動部材11bが設けられ、該制動部材11bに対向する位置に静止部15がベース12に固定されている。
そこで、各流体通路13a〜13cに圧力がかけられた流体を供給し、直動スライド部11をベース12に対して図2(a)に示すように、非接触状態とし、直動スライド部11を紙面垂直方向に駆動すれば、該直動スライド部11は、ベース12の凹部溝12aで流体軸受されると共に、該凹部溝12aで該直動スライド部11の凸部11aがガイドされて紙面垂直方向に移動する。
そして、該移動している直動スライド部11にブレーキをかけて停止させるには、通路13bへの流体の供給を遮断し、少なくとも、通路13aへの流体の供給は継続させる。すなわち、ベース12の凹部溝12aにおける下側内面の流体軸受面への流体の供給を遮断し、ベース12の凹部溝12aにおける上側流体軸受面への流体の供給は継続する。その結果、直動スライド部11は、その凸部11a上側面に作用する圧力流体により下方に押圧されると共に、自重により下降し、図2(b)に示すように、直動スライド部11の下面に設けられた制動部材11bとベース12に固定されている静止部15とか接触し、直動スライド部11は制動されてその移動が停止することになる。
なお、この第2の実施形態においても、制動部材11bを直動スライド部11の上面等に設け該制動部材11bに対向して、静止部15を設けておき、制動するときには、通路13bへの流体の供給は継続させると共に、通路13aへの流体の供給を遮断することにより、ベース12の凹部溝12aの上側内面の流体軸受面の流体の供給を遮断し、直動スライド部11をその凸部11aの下側面に作用する圧力流体により上方に押圧し、直動スライド部11の上面等に設けられた制動部材11bと静止部15とを接触させて直動スライド部11に制動をかけて、その移動を停止させるようにしてもよいものである。
又、静止部15を直動スライド部11の側方に設け、該静止部15と対向して直動スライド部11に設けられる制動部材11bを直動スライド部11の側部に設けて、左右の凹部溝12aの垂直面部に流体を供給する通路13cの、図2における左右いずれか一方への流体供給を遮断して、供給される側の流体の圧力によって、直動スライド部11を押圧して、静止部15に制動部材11bを押圧して直動スライド部11の移動を制動するようにしてもよいものである。
そして、この第2の実施形態において、上述したように、直動スライド部11を流体軸受部に流体を供給する通路13a〜13cを選択的に遮断によって、直動スライド部11を上方向、下方向、左方向、右方向と移動させて、制動がかけられるものである。よって、静止部15を上下又は/及び左右に設け、かつこの静止部15と対向させて制動部材1bを直動スライド部11に設けることにより、必要に応じて、軸受面に流体を供給する通路13a〜13cを選択して遮断することにより、直動スライド部11を上方向、下方向、左方向、右方向のいずれかに移動させて制動をかけることができるものである。
さらに上述した第2の実施形態では、流体軸受を形成するための流体を流体軸受面に供給する通路13a〜13c及びノズル部4を直動スライド部11側に設けたが、ベース12側に設けてもよいものである。
図3は、本発明の第3の実施形態の概要図である。この第3の実施形態は、流体軸受により支持された回転軸1に対する制動装置の実施形態であり、静止部5、該静止部5に対向する制動部材1bが特別に設けられておらず、軸受面を制動面としている点で、第1の実施形態と相違するものである。他は第1の実施形態と同一であり、共通部分は同一符号を付している。
この第3の実施形態は、図3(a)に示すように、各通路3a〜3cに圧力がかけられた流体を供給し、回転軸1及びディスク1aと軸受部材2を非接触状態で支持し、流体軸受を構成する。そして、ディスク1aの一方の端面側における流体の供給を遮断し、他方の端面側の流体圧力によって、図3(b)に示すようにディスク1a及び回転軸1を押圧し、流体が供給されないスラスト軸受面にディスク1aの端面を押圧させることによって、回転する回転軸1を制動し停止させるものである。この図3に示す例では、通路3bへの流体の供給を遮断し、通路3aから供給される流体の圧力でディスク1aを図面中下方に押圧することによって、ディスク1aの下側面を軸受部材2の凹部溝12a下側のスラスト軸受面に押し付けて回転軸1を制動する例を示している。
この第3の実施形態においても、通路3aへの流体の供給を遮断して、通路3bに供給される流体の圧力によりディスク1a、回転軸1を図3中上方に押圧して、軸受部材2の凹部上側のスラスト軸受面にディスク1aの上面を押し付けて回転軸1を制動するようにしてもよいものである。
なお、この第3の実施形態においても、対向する2つのスラスト軸受面を選択的に制動面とすることができる。例えば、2つのスラスト軸受面を交互に制動面とすることができる。
図4は、本発明の第4の実施形態の概要図である。この第4の実施形態は、流体軸受で支持された直動スライド部11の制動装置の例であり、図2に示した第2の実施形態から静止部15、該静止部15に対向する制動部材11bを取り除き、軸受面を制動面としたものである。他は第2の実施形態と同一であり、共通部分は同一符号を付している。
第2の実施形態と同様に通路13a〜13cに加圧された流体を供給すれば、図4(a)に示すように、流体軸受形成されて直動スライド部11はベース12と非接触状態で支持され、紙面垂直方向に移動可能となる。そして、直動スライド部11が移動中、通路13bへの流体供給を遮断すれば、図4(b)に示すように、通路13aから供給される流体の圧力により直動スライド部11は下方に移動して、直動スライド部11のベース12の凹部溝12aに形成された下側の軸受面に接触し、直動スライド部11の移動に対して制動がかけられることになる。
この第4の実施形態におても、第2の実施形態で説明したように、通路13bへの流体の供給は継続させると共に、通路13aへの流体の供給を遮断することにより、直動スライド部11を上方に押圧し、ベース12の凹部溝12aにおける上側の軸受面に直動スライド部11の凸部11aの上面を接触させて制動をかけることもでき、又、左右の凹部溝12aの垂直面部に流体を供給する通路13cの、図4における左右いずれか一方への流体供給を遮断して、供給される側の流体の圧力によって、直動スライド部11を押圧して、左又は右に移動させて凹部溝12aの垂直面と凸部11aの垂直面を接触させて直動スライド部11の移動を制動するようにすることができる。
又、この第4の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、直動スライド部11を上方向、下方向、左方向、右方向と移動させて、制動をかけることができるものであり、制動面を選択することができるものである。
1 回転軸
1a ディスク
1b 制動部材
2 軸受部材
3a〜3c 流体の通路
4 ノズル部
5 静止部
11 直動スライド部
11a 凸部
11b 制動部材
12 ベース
12a 凹部溝
13a〜13c 流体の通路
14 ノズル部
1a ディスク
1b 制動部材
2 軸受部材
3a〜3c 流体の通路
4 ノズル部
5 静止部
11 直動スライド部
11a 凸部
11b 制動部材
12 ベース
12a 凹部溝
13a〜13c 流体の通路
14 ノズル部
Claims (3)
- 流体軸受により支持される回転軸において、流体軸受の対向するスラスト軸受面に供給される流体のうち、片面に供給する流体を遮断し、流体を遮断していないスラスト軸受面の流体の圧力によって、流体が遮断されたスラスト軸受面に向かって回転軸が押し付けられて回転軸に設けられた制動面を静止部に接触させて、回転軸を制動するようにしたことを特徴とする制動装置。
- 流体軸受により支持される直動スライドにおいて、流体軸受の対向する軸受面に供給される流体のうち、片面に供給する流体を遮断し、流体を遮断していない軸受面の流体の圧力によって、流体が遮断された軸受面に向かって直動スライドが押し付けられて直動スライド部に設けられた制動面を静止部に接触させ、直動スライドを制動するようにしたことを特徴とする制動装置。
- 前記静止部は流体を遮断した軸受面である前記請求項1又は請求項2に記載の制動装置。
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