JP2005344094A - アルカリ土類チオアルミネート系蛍光体の製造法。 - Google Patents

アルカリ土類チオアルミネート系蛍光体の製造法。 Download PDF

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Tadayoshi Shimizu
忠義 清水
Rie Yano
理恵 矢野
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Abstract

【課題】X線回折分析において完全なアルカリ土類チオアルミネート化合物の回折パターンのみ検出され、他の物質の回折パターンが認められないアルカリ土類チオアルミネート系蛍光体化合物の新規な製造法を提供する。
【解決手段】アルカリ土類チオアルミネート化合物の製造においては、一般にはアルミニウム原料として硫化アルミニウムが使用されるが、その代わりに粒子径150ミクロン以下の金属アルミニウム粉を使用する。

Description

本発明は、各種情報や画像を表示するディスプレイ等に用いられる薄膜エレクトロルミネッセンス(EL)の発光材料である蛍光体の新しい製造法に関する。
さらに詳しくは、青色発光の無機EL用蛍光体の新しい製造法に関する。
アルカリ土類チオアルミネート系蛍光体は一般にMAl:Reで表される化合物である(ここでMはBa、Mg、Ca、Srを表し、ReはEu、Ceを表し、x、y、zは整数で表される)。この種の化合物は高輝度青色発光の無機EL用蛍光体として注目されている。
近年、希土類添加アルカリ土類チオアルミネート蛍光体MAl:Re(Mはアルカリ土類元素、ReはユーロビウムEuおよびセリウムCe)が下記の特許文献1に開示され、高輝度で色純度の優れた青色発光を有するエレクトロルミネッセンス材料として期待されている。この蛍光体は薄膜状態にて、最も高い機能を示すとされている。
特開平8−134440号公報
一般に、蛍光体膜は蒸着法、スパッタ法等の技術によりガラス等の基板に電極膜、誘電体膜と重ねて成膜することにより、ELデバイスが作製される。
蒸着法、スパッタ法に使用されるタブレット、ターゲットの組成については、均一な薄膜を形成する目的から、組織の均一性が要求される。蛍光体を合成する原料のアルカリ土類元素硫化物(例えば、BaS、MgS等)、硫化アルミニウム(Al)またはその他の化合物が、蛍光体中に残存することは膜の均一性を目指す上で好ましくない。何故ならば、これらの残存物は膜特性に悪い影響をもたらすからである。したがって、完全に硫化物蛍光体組成の化合物になっていることが要求される。
結晶の完全性を最も的確に判定する方法は結晶X線回折法であり、またこの方法は未反応物質や副生物質を確認する方法としても有力である。
アルカリ土類チオアルミネート系化合物蛍光体の製造法は、特許文献1によれば、アルミニウム原料として硫化アルミニウムが使用されている。
特開平8−81677号公報 においても合成に使われるアルミニウム原料として硫化アルミニウムが使用されている。
しかし、硫化アルミニウム(Al)は極めて加水分解性が強い物質であり、空気中に含有される水蒸気と容易に反応して硫化水素ガス(HS)と酸化アルミニウム(Al)を生成する。この硫化水素ガスは極めて強い悪臭があり、製造作業を極めて困難なものにする。したがって、硫化アルミニウムを原料として使用する場合には、その製造工程は大気と遮断された水蒸気フリーの条件を作らなければならない。この目的のために、一般にグローブボックス内で不活性ガスを満たしての作業を余儀なくされる欠点がある。
また、加水分解で生成したAlは蛍光体にとってその発光特性を阻害する有害物質である欠点がある。
また、硫化アルミニウムはその製造の困難さから(加水分解しやすいことも含まれる)、高価であり、高純度品を入手することが難しい欠点がある。
さらに、硫化アルミニウムは硫化水素ガス雰囲気下でのアルカリ土類元素化合物との反応性が悪く、1000℃以上の高温度にて、例えば1100℃で5時間以上反応させても完全に反応して目的の化合物(MAl:Re)にならず、原料化合物(BaS、MgS、CaS)や同定不能な副生物が残留し、X線回折分析で完全なMAlを検出することが困難であることがわかった。このような残留物がなくなれば、さらに薄膜特性が向上すると考えられる。
また、1100℃以上の温度での焼成は反応物と反応容器との凝着が進みやすく、また、硫黄の解離が生じるため好ましくない。
本発明は、上記の種々な欠点を克服し、作業性を改善し、結晶性の良好なアルカリ土類チオアルミネート系蛍光体の新規な製造法を提供することである。
上記課題を達成するために、本発明者等は硫化アルミニウムを使用せず、代わりに金属アルミニウムの微粉を用いることを着想し本発明を完成するに至った。
金属アルミニウムは一般に硫化水素ガスとの反応が進みにくい物質である。特に、金属アルミニウムの融点が660℃と低いことから、硫化水素ガスとの反応が進行する温度である700℃以上では金属の融着が進行して反応面積が極端に減少することからそれ以後の反応が制限される。この問題点を解決する手段を種々探索した結果、アルカリ土類元素の硫化物を金属アルミニウム微粉に混合することにより比較的容易に硫化反応が進行することを見い出し本発明を完成するに至った。
本発明は、アルカリ土類チオアルミネート系硫化物(MAl:Reで表され、MはBa、Mg、Ca、Srから選ばれた一つまたは複数の元素からなり、ReはEu、Ceの何れか一つからなり、x、y、zは整数である)を合成する製法に関し、アルカリ土類元素化合物、アルミニウム原料、希土類元素化合物を用い、700℃以上の温度にて硫化水素などの含硫黄ガス雰囲気中で前記アルカリ土類チオアルミネート系化合物蛍光体を合成するプロセスにおいて、アルミニウム原料として金属アルミニウム粉を使用することを特徴とするアルカリ土類チオアルミネート系蛍光体の製造法である。
本発明は、アルミニウム原料としての金属アルミニウム粉の粒子径が150ミクロン以下であることを特徴とする上記記載のアルカリ土類チオアルミネート系蛍光体の製造法である。
本発明によれば、アルカリ土類チオアルミネート系蛍光体の製造作業性を著しく改善することができる。
また、該蛍光体中に原料化合物や副生物等の残留物がなくなることから、結晶性の良好なアルカリ土類チオアルミネート系蛍光体薄膜を得ることができる。
使用する金属アルミニウム微粉の粒子サイズは極めて重要であり、ある粒子径を越えると反応を完結することが困難になることが明らかになった。これが、平均粒子径150ミクロンであり、この粒子サイズ以下の金属アルミニウム粉を使用することにより目的とする化合物を合成できる。しかし、150ミクロンを越えると金属アルニウムが溶融して凝縮し、金属アルミニウムの粗大粒子が生成するため、それ以上の反応が抑制されて反応が完結しなくなると考えられる。望ましい反応速度を得るためには粒子サイズを75ミクロン以下にすることが好ましい。
反応原料のアルカリ土類元素化合物はBaS、MgS、CaS、SrS等の硫化物を使用するのが最も普通であるが、アルカリ土類元素の炭酸塩および酸化物を用いてもほぼ同様な結果を得られることが確認された。
含硫黄ガス雰囲気は、硫化水素の代わりに二硫化炭素ガス、単体硫黄の蒸気を用いても同じ目的を達成することができる。しかし、反応の操作性、製品の再現性の点から硫化水素ガスを使用するのが最も好ましい。
Alで示される化合物として、MAl、MAl、MAl、MAl(ここでMはBa、Ca、Mg、Srを示す)などが考えられる。また、蛍光体としての機能を発揮するために賦活剤として微量の希土類元素を添加するが、最も高い輝度を出現するのはEuおよびCeである。
これらの化合物を製造する方法は基本的には同じ製造プロセスで可能であり、出発の原料組成比を目的とする化合物と同じ比率にすることにより製造が可能となる。
金属アルミニウム微粉75ミクロンアンダー品(高純度化学研究所製、4Nup、75micrometer pass)2.70gと硫化バリウム粉末(BaS、高純度化学研究所製、3Nup)8.47gと硫化ユーロビウム粉末(EuS、高純度化学研究所製、3N)0.38gとをメノウ製の乳鉢にて十分に混合したものを50×100mmのアルミナ板にほぼ均一に拡げ、横型管状電気炉中の透明石英管(内径75mm)内に挿入した。Arガスにて完全に空気を置換後、昇温開始し、300℃にて硫化水素ガスを流し始める(HSガス0.5リットル/分、Arガス0.5リットル/分の混合ガス雰囲気)。その後、昇温速度700℃/2時間にて昇温して1000℃に到達後そのまま1時間保持した。その後電源を切り硫化水素ガスを止めて放冷した。十分に冷却後、反応物を取り出して軽く焼結した反応物をほぐしX線回折分析用サンプルとした。結晶X線回折分析を行い反応焼成物の化合物同定を行った。その結果、BaAlの回折ピークのみが検出され、原料化合物や他の物質の回折ピークは全く認められなかった。
粒子サイズの異なる金属アルミニウム粉A(45ミクロンアンダー)、B(150ミクロンアンダー)、C(180ミクロンアンダー)、D(180〜425ミクロン)各2.70gと硫化バリウム粉各8.47gと硫化ユーロビウム粉各0.38gをメノウの乳鉢にて十分に混合した。それぞれの混合物を実施例1と同一条件で反応させた。反応生成物の結晶X線回折分析を行った結果、金属アルミニウム粉A、B(粒子径150ミクロン以下)を使用した場合は目的の化合物BaAl(結晶型:立方晶)の回折パターンのみが認められ、他の回折パターンは認められなかった。
一方、金属アルミニウム粉Cを使用した場合は目的の化合物BaAlと小さな金属アルミニウムおよび同定不能な回折ピークが認められた。さらに、金属アルミニウム粉Dを使用した場合は目的の化合物以外に明瞭に金属アルミニウムと同定不能な回折ピークが認められた。
以上の結果から、金属アルミニウム粉の粒子径が150ミクロン以下の場合は目的の化合物のみが生成するが、150ミクロンを越えると未反応の金属アルミニウムが残留し、同定不能な副生物が生成することが分かった。
前記金属アルミニウム粉75ミクロンアンダー品と硫化バリウム粉(BaS)を比率5.40g:8.47g(モル比にて4:1に相当)とし、また硫化ユーロビウム(EuS)0.38gを混合して実施例1と同様な反応条件で反応させた反応物を結晶X線回折分析で解析した結果、BaAlの回折パターンが得られた。金属アルミニウムや同定不能な回折パターンは認められなかった。
その他、BaAlやBaAlについても、原料配合をそれらの化合物の元素比に適合させることによって製造できることを確認した。
比較例1
硫化アルミニウム粉(高純度化学研究所製、3N、100メッシュアンダー)7.51g、前記硫化バリウム粉8.47g、前記硫化ユーロビウム粉0.38gを混合して実施例1と同様な反応条件で反応させた反応生成物を結晶X線回折分析にかけた結果、BaAlの回折パターンは認められたが、そのほかに多くの同定不能な回折ピークが検出された。
本発明の青色発光の無機EL用蛍光体の製造法によれば、高輝度で色純度の優れた蛍光体薄膜が得られるので、画像表示のディスプレイに利用価値が大きい。

Claims (2)

  1. アルカリ土類チオアルミネート系硫化物(MAl:Reで表され、MはBa、Mg、Ca、Srから選ばれた一つまたは複数の元素からなり、ReはEu、Ceの何れか一つからなり、x、y、zは整数である)を合成する製法に関し、アルカリ土類元素化合物、アルミニウム原料、希土類元素化合物を用い、700℃以上の温度にて硫化水素などの含硫黄ガス雰囲気中で前記アルカリ土類チオアルミネート系化合物蛍光体を合成するプロセスにおいて、アルミニウム原料として金属アルミニウム粉を使用することを特徴とするアルカリ土類チオアルミネート系蛍光体の製造法。
  2. アルミニウム原料としての金属アルミニウム粉の粒子径が150ミクロン以下であることを特徴とする請求項1記載のアルカリ土類チオアルミネート系蛍光体の製造法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069252A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 無機el用蛍光体の製造方法
JP2008266499A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 無機el用蛍光体の製造方法
JP2009509009A (ja) * 2005-09-23 2009-03-05 ダリアン ルーミングライト サイエンス アンド テクノロジー カンパニー リミテッド 長残光性発光材料及びこの製造方法
JP2010215873A (ja) * 2009-03-19 2010-09-30 Nec Lighting Ltd 蛍光体及び蛍光体の製造方法、並びに発光装置
JP2013189570A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Sumitomo Metal Mining Co Ltd Eu賦活アルカリ土類金属チオアルミネート蛍光体及びその製造方法

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