JP2005343459A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カウンタウエイト1と、二本の支柱21を有するキャノピ2とを少なくとも有する作業車両において、前記カウンタウエイト1上にスペーサ3を取着するとともに、該スペーサ3上に前記キャノピ2の二本の支柱21を設置するようにした。
【選択図】 図1
Description
カウンタウェイト120の上端側にキャノピ220を支持するサポート部材221を設けてキャノピ220を支持するように構成しているものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
「Bobcat、Model56 Hydraulic Excavator Parts Manual」Melroe Company、1986年11月、p.A3
板金構成であるので、ROPSキャノピ210を支持する構造物として、規定の強度を確保するために、その構造が複雑になり、かつ重量が増大することにより、製造コストが大幅に上昇するという問題がある。
また、キャノピ220のサポート部材220aは、オペシートSの後方に2本、幅が狭く立設されている(特許文献1参照)ため、後方確認が多い作業者にとって、後方視界の中央部近傍域に2本のサポート部材220aが位置することになり、後方の視界が必ずしも良好なものではない。
さらに、特許文献1には、第2実施例として、太いサポート部材220aを1本、配設した場合を例示しているが、作業者の座席位置の真後ろに位置するため、作業者の後方視界の中央部にサポート部材220aが位置することになり、視界の中央部を遮ることになる。
従って、作業者の後方視界に関して、更なる改善が望まれる。
本発明は、上記の従来構造の問題点に着目してなされたものであり、構造が簡単で製造コストが低減できるROPSキャノピを備えるとともに、整備性を改善し、且つ、作業者の後方視界を良好にした作業車両を提供することを目的としている。
第4の発明によると、前記スペーサの左右の端部に、フロア取付け部を備えたので、前記スペーサを前記カウンタウェイトに取り付けている取り付け用タップ穴に螺合するボルトを取り外すことにより、フロアは、キャノピを一体に固定した状態で、フロアの前端部に設けられたチルト用ヒンジのヒンジピンを中心にチルトすることができる。これによって、エンジンルームの上方の空間が広く開かれるので、点検・整備の作業が非常に容易になる。
第5の発明によると、キャノピにおける2本の支柱が、前記オペシートの幅寸法より広い間隔寸法を有するので、横方向の荷重に対する支柱の耐荷重の強度が向上する。
第6の発明によると、エンジンがオペシートの下方に配設されるので、オペシートをより後方に配置することが可能である。よって、作業者のオペレーションスペースが拡大し、操作性が高まるとともに、車体への乗り降り性が良好である。
第7の発明によると、キャノピの下部取付け部材が車体の中心側に延在するため、キャノピを車体の中心側で取り付けることが可能であり、下部取付け部材が車体の外方に突出することなく、車体のコンパクト化に寄与する。
第9の発明によると、キャノピの下部取付け部材が、鋳物製の場合には、応力集中を軽減する滑らかな形状に成形することができる。また、キャノピの下部取付け部材が、鍛造製の場合には、鍛流線が表面に沿って流れているので、製品強度が高い。従って、キャノピの下部取付け部材が、鋳物製または鍛造製の何れの場合にも、耐荷重の強度が高まり、ROPSキャノピに要求される規定の強度を容易に得ることが可能である。
本発明に係わる作業車両の一例である小形掘削車両の外観の側面図を図1に示す。図1に示すように、フレーム(図示せず)の後端部にカウンタウェイト1が配設され、該カウンタウェイト1は、フレームの前端部に配設された作業装置9にかかる荷重に対してバランスをとる機能を果たしている。
また、カウンタウェイト1の前方であり、作業者が着座するオペシートOsの下方にエンジン36が配設されている。
そのため、オペシートOsを、車体上、より後方に配置することが可能となっており、オペシートOs手前の作業者のオペレーションスペースを広げることができ、操作性が高まるとともに、作業者の乗り降り性も向上している。
図3はカウンタウェイト1と、カウンタウェイト1に載置されたキャノピ2の構成を示す斜視図である。カウンタウェイト1は鋳造製で外面を略円弧状に成形され、下部には、略円弧状に左方に延びる延長部11および右方に延びる延長部12を形成し、延長部11の先端部、および延長部12の先端部、および中央部の下部13に、左側の下部取り付け座11a、および右側の下部取り付け座12a、および中央の下部取り付け座13aをそれぞれ形成している。そして、カウンタウェイト1は、それぞれ略円弧状に離れた位置に設けられた下部取り付け座11aおよび下部取り付け座12aおよび下部取り付け座13aにおいて、ボルト14およびボルト15およびボルト16によってフレーム5(二点鎖線で示す)に取着されているので、フレーム5に強固に固定することができる。これにより、車両の転倒時に、カウンタウェイト1、およびカウンタウェイト1の上面に取着されるROPSキャノピ2にかかる力を十分に受け止めることができる。
また、キャノピ2は、図4に示すカウンタウェイト1の上面16に穿設された複数のボルト穴17と、図3に示すキャノピ2の下部取り付けブラケット23のボルト穴23Aとに複数のボルト28を挿通し、ナット(図示せず)により締付けてカウンタウェイト1の上面に取り付けられている。そして、下部取り付けブラケット23は鋳造製であるので、屋根22を支持する左側の支柱21aおよび右側の支柱21bの、それぞれの取り付け部24aおよび取り付け部24bを、応力集中を軽減する滑らかな形状に成形して強度を向上することができ、かつ支柱21aおよび支柱21bは真直ぐな太いパイプを使用しているので、キャノピ2はROPSキャノピに要求される規定の強度を十分に確保することができる。
下部取り付けブラケット23は、図7に示すように、車体の中心側に延在するように構成されており、支柱21a、支柱21bの下部を嵌入して取着され、2本の支柱21a、支柱21bは、下部取り付けブラケット23を介して互いに連結されている。
キャノピをカウンタウェイト1に取り付けるための下部取り付けブラケット23が、中心側に延在するように構成されることにより、キャノピ2が車体の中心側において取り付けられ、キャノピ2の取り付けスペースが外方に突出することがなくコンパクトな車体となっている。
また、キャノピ2における2本の支柱21a、21bが下部取り付けブラケット23を介して下部で互いに連結されるため、キャノピ2は矩形様の堅牢な構造体を形成し、2本の支柱21a、21bが下部で分離した構造に比較して、キャノピ2側方から印加される横方向の荷重に対し、高い強度を有している。
なお、本実施例では、キャノピ2における2本の支柱21a、21bの下部を、下部取り付けブラケット23を介して連結する構成としたが、連結せず分離する構成としてもよい。
さらに、下部取り付けブラケット23が鋳造製の場合を例示したが、鍛造製とすることも可能であり、この場合、鍛流線が表面に沿って流れているので鋳造製に比べ製品強度が高いという作用効果を奏する。
上述した如く、キャノピ2の屋根22は、2本の支柱21a、21bで支持されており、図2に示すように、2本の支柱21a、21b間の間隔寸法21lは、オペシートOsの幅寸法bより広く設定されている。
このように、支柱21a、21b間の間隔寸法21lが、オペシートOsの幅寸法bより広いため、キャノピ2の側部に横方向の荷重が印加された場合にも、荷重点の反対側に位置する支柱(支柱21a、21bのうちの何れかの支柱)までの距離が長いので、該支柱に加わる荷重によるモーメントのウデの長さが長くなり、横方向の荷重が印加された場合の支柱に加わるモーメントによる荷重が低下する。
従って、支柱21a、21b間の間隔寸法21lを、オペシートOsの幅寸法bより広く設定することで、横方向の荷重に対するキャノピ2のふんばり力が増加し、キャノピ2の耐荷重強度が増加する。
また、キャノピ2の支柱21a、21bは、図1、図2に示すように、オペシートOsの側方であって後方領域に配置している。
なお、支柱21a、21bは、オペシートOsの側方であって真横領域に配置してもよい。
この場合も、同様に作業者の真後の視界は広く解放され、作業者の後方視界を遮るものはなく後方視界性が良好である。
ここで、キャノピ2の支柱21a、21bの最適な位置を決定するためには、車体が後方小旋回可能であり、すなわち作業装置9の旋回時に車体後部が履体rから外方に突出せず、且つ、作業者のオペレーションスペースを広げるためにオペシートOsをより後方に配置すること等が条件となっている。
加えて、より良い製品であるためには、キャノピ2の強度向上、および作業者の視界性が良好であることが要求されている。
上述した支柱21a、21bの配置は、このような条件を満足する最適な2本の支柱の位置を提供するものである。
また、図3に示すように、カウンタウェイト1の中央部に、点検穴18を設けている。これにより、カウンタウェイト1の前部のエンジンルームに配設されているエンジン36のオイルレベルの点検や、フィルタの交換などの作業が容易になる。
また、図5に示すように、スペーサ3を介してキャノピ2をカウンタウェイト1の上に載置しても良い。即ち、図6の部分断面図に示すように、スペーサ3にはキャノピ取り付け用のタップ穴31と、カウンタウェイトへの取付け用タップ穴32とを設けており、スペーサ3を複数のボルト33によってキャノピ2の下部取り付けブラケット23に取り付け、そのスペーサ3を複数のボルト34により、カウンタウェイト1に取り付けている。このため、カウンタウェイト1上面のキャノピ取り付け座16の幅を大きく形成せずに、スペーサ3の幅を大きくとることによってキャノピ2の下部取付けブラケット23との当接部の幅を大きくできるので、取り付け強度を十分に確保することが可能であるとともに、カウンタウェイト上面のキャノピ取り付け座16の幅を大きく形成する必要がないので、エンジンルームのスペース35を狭めることがない。
また、図5に示すように、スペーサ3の左右の端部には、後述するフロア4の左側の取付け部3aおよび右側の取り付け部3bを設けてある。
そして、図8に示すように、オペシートOs等を具えるフロア4を、このスペーサ3の取付け部3a、3bにボルトbfによって取り付ける構成である。
本構成により、図6においてスペーサ3をカウンタウェイト1に取り付けている取り付け用タップ穴32に螺合するボルト34を取り外すことにより、フロア4がチルトした状態を示す図8のごとく、フロア4は、前端部に設けられたチルト用ヒンジのヒンジピン41を中心に、キャノピ2と一体に固定されたままチルトすることができる。これによって、エンジン36の上方の空間が広く開かれるので、点検・整備の作業が非常に容易になる。
また、スペーサ3を介して、カウンタウェイト1とキャノピ2とを連結する構成なので、キャノピ2に代替してキャビン(図示せず)を取り付ける場合には、スペーサ3を外してキャビンをフロア4に取り付けることができ、構成上、柔軟な対応が可能であり、構成上の自由度が高い。
2...キャノピ、
3...スペーサ、
4...フロア、
5...フレーム、
11a,12a,13a...下部取り付け座、
18...点検穴、
21a,21b...支柱、
21l...支柱の間隔寸法、
22...屋根(屋根部)、
23...下部取り付けブラケット(下部取付け部材)、
36...エンジン、
b...オペシートの幅寸法、
Os...オペシート。
Claims (10)
- カウンタウエイトと、二本の支柱を有するキャノピとを少なくとも有する作業車両において、
前記カウンタウエイト上にスペーサを取着するとともに、該スペーサ上に前記キャノピの二本の支柱を設置するようにしたことを特徴とする作業車両。 - 前記カウンタウェイトの中央部に、点検穴を設けた請求項1記載の作業車両
- 前記スペーサには、前記キャノピ取付け用タップ穴と、前記カウンタウェイトへの取付け用タップ穴とが穿設されていることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
- 前記スペーサの左右の端部に、フロア取付け部を備えたことを特徴とする請求項3記載の作業車両。
- 前記作業車両は作業者が着座するオペシートを備え、前記キャノピにおける2本の支柱は、前記オペシートの幅寸法より広い間隔寸法を有し、且つ、前記オペシートの側方であって真横領域または後方領域に位置することを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
- 前記オペシートの下方に、エンジンを配設することを特徴とする請求項5に記載の作業車両。
- 前記キャノピは、前記2本の支柱の下部に車体の中心側に延在し、前記スペーサに前記キャノピを取着するための下部取付け部材を具えることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
- 前記キャノピは、前記2本の支柱を下部で互いに連結し、前記キャノピを前記スペーサに取着するための下部取付け部材を具えることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
- 前記キャノピにおける下部取付け部材は、鋳物製または鍛造製であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の作業車両。
- カウンタウェイトと、屋根部が左右2本の支柱で支持され、該2本の支柱の下部に下部取付け部材を具えるキャノピと、前記カウンタウェイトと前記キャノピの下部取付け部材との間に配設されるスペーサとを備え、
前記スペーサと前記キャノピの下部取付け部材とをボルトにより締結するとともに、前記スペーサと前記カウンタウェイトとをボルトにより締結したことを特徴とする作業車両。
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