JP2005342739A - 金属板の接合方法および接合構造 - Google Patents

金属板の接合方法および接合構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2005342739A
JP2005342739A JP2004162680A JP2004162680A JP2005342739A JP 2005342739 A JP2005342739 A JP 2005342739A JP 2004162680 A JP2004162680 A JP 2004162680A JP 2004162680 A JP2004162680 A JP 2004162680A JP 2005342739 A JP2005342739 A JP 2005342739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
embossed
metal plate
rivet
portions
lower plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004162680A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Morikawa
靖 森川
Masanori Kondo
正紀 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004162680A priority Critical patent/JP2005342739A/ja
Publication of JP2005342739A publication Critical patent/JP2005342739A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Insertion Pins And Rivets (AREA)
  • Connection Of Plates (AREA)

Abstract

【課題】金属板同士のセルフピアスリベット締結部における電食現象を確実に防止する。
【解決手段】上板2に形成した上板エンボス部4と下板1に形成した下板エンボス部3のうち、その底壁面12,13同士をリベット10にて締結したリベット締結部20の周囲に接着剤層21と接着剤充填層22を連続して設ける。これらの多重シール効果によって、リベット締結部20を雨水等から保護している。
【選択図】図2

Description

本発明は、セルフピアスリベットによる圧締力をもって金属板同士を機械的に締結接合する接合方法および接合構造に関するものであり、特に、鉄系金属板と非鉄系金属板との間に粘稠なシール剤を充填しつつその金属板同士を機械的に締結接合する接合方法および接合構造に関するものである。
異なる材質の金属板同士を重ね合わせ例えばリベットにて締結接合した場合には、その金属板同士の間に雨水などの電解質が浸入した際に、それぞれの金属板が有する電位差によって電食が生じ金属腐食が発生するおそれがある。特に、金属板同士を締結接合したリベット締結部では、金属板同士の隙間が微小であるため、例えば雨水などが一旦浸入するとそのまま保有された状態となり、それによって金属腐食が発生することになる。
上記リベット締結部での電食を防止する金属板同士の接合方法として、特許文献1に記載のものが提案されている。特許文献1に記載の接合方法は、上下に重合する金属板のうち下板に凹部を形成するとともにその凹部に接着剤を充填した上で上板を重ね合わせ、その上板のうち上記凹部に対応する部位にセルフピアスリベット(締結部材)を打ち込んでいる。これによって、セルフピアスリベットを打ち込んだ際には、凹部に充填された接着剤がリベットと上板と下板との間に効率よく充填され、上板と下板との電位差によって生じる電食を防止できるとされている。
特開平7−269538号公報
しかしながら、特許文献1に記載の接合方法では、セルフピアスリベットと上板と下板の間での接着剤の充填保有量は増加するものの、部位によっては接着剤の充填量にばらつきが発生し、重合配置した金属板同士の継ぎ目である重合部の端部から雨水などが浸入した場合には、浸入した雨水などがそのままリベット締結部にまで及ぶこととなって好ましくない。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、リベット締結部の周囲を積極的にシールすることによって雨水などがリベット締結部にまで浸入するのを阻止し、そのリベット締結部にて電食による金属腐食を確実に防止できる金属板の接合方法および接合構造を提供しようとするものである。
請求項1に記載の発明は、金属板同士を重合配置し、その重合部における少なくともいずれか一方の金属板を貫通するように締結部材を挿入し、その締結部材による圧締力をもって金属板同士を機械的に締結接合する方法であることを前提としている。
その上で、上記金属板各々にエンボス部を予め形成し、一方の金属板におけるエンボス部の内側底面と他方の金属板におけるエンボス部の外側底面の少なくともいずれか一方に、シール性を有する粘稠なシール剤を塗布する。
そして、上記シール剤をはさんで内側底面と外側底面を重合させることによって双方のエンボス部の周壁部同士の間に形成された空隙にシール剤を充填させ、このシール剤の充填状態をもって双方のエンボス部の底壁部同士を締結部材にて締結することを特徴としている。
上記金属板同士の締結接合が、請求項7のように異なる材質の金属板同士を締結したものであって、万が一重合部の端部から雨水などが浸入した際にリベット締結部での電食を防止する上では、上記シール剤は絶縁性を有しているものが好ましい。また、金属板同士の締結接合力を向上させる上では接着性を有しているものが好ましく、例えば絶縁性を有するシール剤として公知の構造用接着剤を用いるものとする。
さらに、上記締結部材とは、いずれか一方の金属板を貫通して金属板同士を締結するセルフピアスリベットのほか、双方の金属板を貫通して金属板同士を締結するボルト・ナットやリベットなどを想定している。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載に技術を実質的に接合構造としてとらえたものであって、金属板同士を重合配置し、その重合部におけるいずれか一方の金属板を貫通するようにセルフピアスリベットを打ち込み、そのセルフピアスリベットによる圧締力をもって金属板同士を機械的に締結接合した構造であることを前提としている。
その上で、各金属板に予め形成したエンボス部の底壁部同士を重合させ、その重合部にセルフピアスリベットを打ち込むことによりそのセルフピアスリベットによる圧締力をもってエンボス部の底壁部同士を機械的に締結接合しているリベット締結部と、上記リベット締結部のうち反打ち込み側となる金属板とセルフピアスリベットとの間、および双方のエンボス部の周壁部同士の間に、それぞれ粘稠なシール剤を介装することにより形成したシール剤層と、双方のエンボス部の周壁部同士の間に上記シール剤層に連続しつつそれよりも隙間の大きな空隙を確保して、この空隙にシール剤を充填することにより形成したシール剤充填層と、を備えていることを特徴としている。
したがって、請求項1,8に記載の発明では、エンボス部同士を重合させた際に両者の周壁部同士の間に比較的大きな空間である空隙を積極的に形成することを前提としていることから、エンボス部同士を重合させた際に両者の間に介在しているシール剤が外側に押し出されて、エンボス部の内側底面と外側底面との間に形成されるシール剤層とは別に、実質的にシール剤溜まりとして機能することになる上記空隙にシール剤が積極的に充填されて、その空隙において膜厚ひいてはシール剤保有量の大きなシール剤充填層が形成される。
その結果として、締結部材による機械的締結部の周囲には、エンボス部の内側底面と外側底面との間に形成されるシール剤層とは別に、空隙において膜厚の大きなシール剤充填層が形成されることになる。これは、締結部材による機械的締結部が、シール剤層とシール剤充填層によるいわゆる二重シール構造によって雨水等の浸入から保護されていることにほかならず、リベット締結部を含む底壁部同士の間にまで雨水などが浸入するのを確実に防止できることになる。
請求項1,8に記載の発明によれば、エンボス部の内側底面と外側底面との間に形成されるシール剤の層と、それの外周側の空隙に充填されるシール剤の層とが併存することで実質的に二重シール構造となることから、この二重シール構造をもって締結部材による機械的締結部を雨水などの浸入から確実に保護することができ、そのシール性の向上によって特にリベット締結部での電食による金属腐食を未然に防止できる効果がある。
特に請求項1に記載の発明によれば、エンボス部同士を重合させることでそれらの内側底面と外側底面との間に介在しているシール剤を押し出して空隙に充填するようにしているので、その空隙でのシール剤の充填もしくは充満が確実に且つ安定して行われ、その空隙でのシール剤によるシール性の信頼性が向上する。
図1,2は本発明に係る金属板同士の接合構造における具体的な実施の形態を示しており、図1は非貫通式リベットとしてのセルフピアスリベットにて金属板同士を締結した構造の斜視図を、図2は図1のA−A線に沿う拡大断面図をそれぞれ示している。ここで、図1,2に示した接合構造は、例えば自動車の車体パネルであるルーフパネルとボディサイドパネルとの接合部での適用を想定している。
図1,2に示すように、一方の金属板であるアルミニウム合金製(非鉄系金属材料)の下板1と他方の金属板である鋼板(鉄系金属材料)の上板2を重合部11にて重合配置した上でリベット継手の形態をもって接合するに際し、上板2には略円形状で且つ断面略台形状の下向きの上板エンボス部4を、下板1には同じく略円形状で且つ断面略台形状の下向きの下板エンボス部3を、予め重合部11の長手方向に沿ってそれぞれ三つ膨出形成してある。そして、双方のエンボス部4,3の底壁部12,13同士を互いに合致させながら重ね合わせて、上板エンボス部4の略中心部に、上板2を打ち込み側、下板1を反打ち込み側として、締結部材としてのセルフピアスリベット10(以下、単にリベットとする)を打ち込むことにより、そのリベット10の圧締力をもっていわゆるリベット継手の形態で下板1と上板2とを接合してある。
ここでは、図2に示すようなリベット締結状態において、底壁部12,13同士の重合部のうちリベット10による締結力が直接及ぶ範囲であって、且つリベット10の打ち込みによって塑性変形した下板1側の最大直径部Lを投影面積とする範囲をリベット締結部20という。
そして、このリベット締結部20においては、リベット10と底壁部13との間および底壁部12,13同士の間には、それらの隙間を埋めるように粘度が比較的高い粘稠なシール剤として例えば絶縁性を有する構造用の接着剤5がほぼ均等膜厚で介装されていて、これをもってシール剤層としての接着剤層21が形成されている。また、上板エンボス部4の周壁部6と下板エンボス部3の周壁部7との間には、接着剤層21と連続しつつこの接着剤層21よりも十二分に接着剤保有量が大きい空間が形成されていて、この空間にも上記と同様の接着剤5を充満させることによりシール剤充填層である環状の接着剤充填層22が形成されている。
なお、リベット締結部20と接着剤層21および接着剤充填層22の三者は共に平面視にて同心状に形成されていて、したがって、リベット締結部20を中心としてその周囲に接着剤層21と接着剤充填層22とが形成されていることで、リベット締結部20の周囲がいわゆる二重もしくは多重シール構造となっている。
上記リベット10は鉄系金属材料で形成されており、図3に示すように頭部15と中実円筒状の胴部16を備えている。頭部15は皿状に形成されている一方、胴部16のうちその先端部では中空円筒部17となっていて、胴部16の外周面には、その長手方向に沿って4本のスリット18が形成されている。
したがって、後述するように加圧冶具にてリベット10を上板エンボス部4の底壁部12側から打ち込んだ際には、中空円筒部17が上板エンボス部4を貫通しないまでもこれに食い込みながら潰れ変形し、同時に各スリット18の先端を起点として中空円筒部17がすり割られて拡径し、最終的にはリベット10および下板エンボス部3の底壁部13の塑性変形による圧締力をもって底壁部12,13同士がいわゆるリベット継手の形態をもって締結されている。
このように、リベット締結部20の周囲に接着剤層21と接着剤充填層22を共に環状に形成したことによって、万が一雨水などが重合部11の端部から上板2と下板1との間に浸入したとしても、リベット締結部20にまで雨水などが及ぶのを確実に阻止することができ、上記リベット締結部20での電食による金属腐食を防止できる。
図4には図1,2に示した接合構造を得るための手順につき断面図をもって詳細に示してある。
図4の(a)に示すように、下板1に略円形状で且つ断面略台形状の下向きの下板エンボス部3を、上板2にも下板エンボス部3と略同形状の上板エンボス部4を予め膨出形成しておくことは先に述べた。
下板エンボス部3および上板エンボス部4において、下板エンボス部3の突出量h1と上板エンボス部4の突出量h2は略同じ大きさに形成しているのに対して、下板エンボス部3のうち上面側となる内側底面3aの直径d1は上板エンボス部4のうち下面側となる外側底面4aの直径d2よりも大きく形成している。
そして、下板エンボス部3と上板エンボス部4とを重ね合わせる前に、例えば下板エンボス部3のうち上面側となる内側底面3aに粘稠なシール剤として、ペースト状で且つ絶縁性を有する構造用の接着剤5を均等膜厚で塗布しておく。
次に、同図(b)に示すように、下板エンボス部3と上板エンボス部4を合致させるようにして、下板1と上板2とを両者の平行状態を保ちながら重ね合わせて重合状態とする。この場合には、下板エンボス部3の内側底面3aと上板エンボス部4の外側底面4aとの平行状態を保ちながら且つ内側底面3aと外側底面4aの中心を合わせるようにして下板1と上板とを重合させることが重要であり、先に述べたように上板エンボス部3における内側底面3aの直径d1を下板エンボス部4における外側底面4aの直径d2よりも大きく形成しているので、両者を重合させた際には上板エンボス部4の周壁部6と下板エンボス部3の周壁部7との間には空隙8が確保され、同時にその内側底面3aと外側底面4aが両者の間に極小膜厚の接着剤5を挟みつつ当接して、余剰の接着剤5を空隙8側に積極的に押し出してその空隙8に充填もしくは充満させる。この状態をもって接着剤充填層22が形成されることになる。
なお、当然のことながら、図4の(a)の状態において下板1側予め塗布される接着剤5の塗布量は、空隙8に充満することになる接着剤5の量を考慮して予め決定される。また、下板エンボス部3の突出量h1と上板エンボス部4の突出量h2が略同じ高さであることから、同図(b)のような重合状態では下板1および上板2のうち下板エンボス部3および上板エンボス部4以外の一般部27,28同士が密着することによって実質的に密閉状態の空隙8が形成される。そして、その空隙8が形成されるのとほぼ同時に、下板エンボス部3の内側底面3aと上板エンボス部4の外側底面4aとの当接により押し出された接着剤5が充満して接着剤充填層22が形成されることになる。
そして、同図(b)ような重合状態において、上板1側からリベット10を打ち込んで、上板エンボス部4と下板エンボス部3の底壁部12,13同士を締結し、上板2と下板1をリベット継手の形態をもって機械的に締結接合する。
より詳しくは、図4の(c)に示すように、リベッティング装置における下側の受け台51と上側のパッド52とで下板エンボス部3と上板エンボス部4を重合状態のままで且つリベット打ち込み位置の直近位置を加圧拘束した上で、パッド52に内挿される打ち込み冶具50にてリベット10を上板エンボス部4の底壁部12の中心に打ち込む。
受け台51とパッド52とで重合状態にある下板エンボス部3と上板エンボス部4を加圧拘束した際に、下板エンボス部3の内側底面3aと上板エンボス部4の外側底面4aの間に残されている接着剤5がさらに薄膜状に引き延ばされつつ押し出されて、最終的はその押し出された接着剤5も空隙8に充填される。
そして、先に述べたように底壁部12を打ち込み側、底壁部13を反打ち込み側として、リベッティング装置の打ち込み治具50にてリベット10をいわゆるセルフピアス方式にて打ち込むと、リベット10はその胴部16の軸長を短縮するような形態で潰れ変形しながら拡径する一方、底壁部13がリベット打ち込み力を受けて塑性変形するのと並行して胴部16の先端の中空円筒部17がスカート状に拡径しつつ底壁部13側に食い込んでアンカー効果を発揮し、最終的には図4の(c)のほか図2に示すように、リベット10の頭部15と拡径した中空円筒部17とをもって底壁部12,13同士の重合状態において両者を圧締もしくは締結することで下板1と上板2が強固にリベット接合される。
なお、この実施の形態では、接着剤5を予め下板エンボス部3の内側底面3a側に塗布する場合について例示しているが、接着剤5は上板エンボス部4の外側底面4aに予め塗布することも可能であることは言うまでもない。
図5,6は本発明の第2の実施の形態を示し、図5は図2における下板1および上板2のうちエンボス部3,4以外の一般部27,28同士の間に積極的に隙間を確保した接合構造を、図6は上記の下板1および上板2に予め形成されるエンボス部3,4の詳細をそれぞれ示している。なお、図5,6では先に図2で示した部位と共通する部位には同一符号を付している。
図5に示すように、第1の実施の形態における接着剤層21と接着剤充填層22に加えて、下板1および上板2のうち、下板エンボス部3と上板エンボス部4以外の一般部27,28同士の間に接着剤充填層22(空隙8)に連続する一般部隙間29を設けている。
詳しくは、図6に示すように、上板エンボス部4と下板エンボス部3において、上板エンボス部4の突出量H2が下板エンボス部3の突出量H1より大きくなり、且つ下板エンボス部3の内側底面3aの直径D1が上板エンボス部4の外側底面4aの直径D2よりも大きくなるようにそれぞれのエンボス部3,4予め膨出形成している。
上記突出量H2を突出量H1よりも予め大きく形成しているので、下板エンボス部3の内側底面3aと上板エンボス部4の外側底面4aとによって、その内側底面3aに予め塗布した接着剤5を挟み込んだ際には、図5に示すように上板エンボス部4の突出量が大きい分すなわちH2寸法とH1寸法との高さの差分に相当する一般部隙間29が一般部27,28同士の間に確保されることになる。
なお、第1の実施の形態と同様に、下板エンボス部3における内側底面3aの直径D1は上板エンボス部4における外側底面4aの直径D2よりも大きく形成してあるので、上板エンボス部4の周壁部6と下板エンボス部3の周壁部7との間には接着剤充填層22が形成される。
ここで、図5に示すように、上板2と下板1の一般部27,28同士を離間させて両者の間に積極的に一般部隙間29を確保しているのは、後工程においてリベット接合後の上板2および下板1に防錆電着塗装が施されることを前提としているからにほかならない。すなわち、自動車の車体を構成することになる車体パネルの接合構造では、上板2と下板1をリベット10にて締結接合した後に塗装工程の初期工程にて下塗りとしていわゆる防錆電着塗装を施すこととなる。
締結接合後の上板2と下板1に防錆電着塗装を施すことによって、接着剤層21および接着剤充填層22以外の各表層部に防錆電着塗膜30が形成される。その際に、特に一般部27,28同士の間に積極的に一般部隙間29を確保してあることによって、その一般部隙間29にまで防錆塗料が入り込み、その一般部隙間29を形成している上板2の下側表面32および下板1の上側表面33に防錆電着塗膜30が形成されることによって、接着剤充填層22の外周側に位置することになる一般部隙間29相当部での防錆性能を向上させることができる。
そして、防錆電着塗装後、図1に示すように三つのリベット締結部20を含む重合部11の全周において下板1および上板2の端部に粘稠なシール剤を塗布して封止するべく、いわゆる閉ループ状のシールビード34を形成する。こうすることにより、一般部隙間29相当部での防錆性能とシール性を飛躍的に向上させることができる。すなわち、リベット締結部を取り囲んでいる接着剤層21と接着剤充填層22のほかに、さらにそれらを取り囲むように一般部隙間29における防錆電着塗膜30とシールビード34とが併存していることによりその多重シール効果がより大きくなり、リベット締結部20を、雨水等の浸入を原因とする電食から確実に保護することができる。
図7,8は、本発明に係る第3の実施の形態を示しており、図7は図5における接着剤充填層22を断面略逆U字状に、図8は図5における接着剤充填層22を断面略U字状に形成した場合の例をそれぞれ示している。なお、図7,8では、先に図5で示した部位と共通する部位には同一符号を付している。
上板2と下板1のリベット10による接合構造として、図7に示すように、リベット締結部20の周囲には接着剤層21のほかに、図5に比べてその容積が数倍大きな断面略逆U字状の接着剤充填層40が形成されている。
具体的には、上板2に形成した上板エンボス部4のうちその周壁部6を共有するようにして断面略逆U字状(または断面略逆V字状)の上板逆エンボス部43を上板エンボス部4と逆向きに膨出形成している一方、下板1に形成した下板エンボス部3のうちその周壁部7を共有するようにして断面略逆U字状(または断面略逆V字状)の下板逆エンボス部44を下板エンボス部3と逆向きに膨出形成している。上板逆エンボス部43および下板逆エンボス部44は、リベット締結部20を中心としてそれぞれのエンボス部4,3と同心状に形成したものであって、平面視ではエンボス部4,3の外周側にそれとは突出方向が異なる逆エンボス部43,44がそれぞれ環状に形成されていることになる。
そして、上板エンボス部4の底壁部12と下板エンボス部3の底壁部13を重合することによって接着剤充填層40(空隙)が断面略逆U字状の溝状空間として形成されていて、この接着剤充填層40は実質的に図5における一般部隙間29の大部分までも含んでいることになる。
このように接着剤充填層40を断面略逆U字状に形成して先に述べた一般部隙間29までも含むような形状のものとしたことによって、その容積と保有接着剤量ひいては接着剤5の沿面塗布面積が格段に大きくなり、図5で説明したいわゆる多重シール効果が一段と顕著となる。
図8は図7の変形例であって、上板逆エンボス部46および下板逆エンボス部47をそれぞれ断面略U字状(断面略V字状)に形成することによって接着剤充填層45を断面略U字状の溝状空間として形成したものであって、実質的には図7における接着剤充填層40の突出方向を逆にしたものであり、この場合にも図7のものと全く同様な効果を得ることができる。
先に述べたような第1〜3の実施の形態では、鉄製の金属板を上板2(打ち込み側の金属板)とし、アルミニウム合金製の金属板を下板1(反打ち込み側の金属板)としたが、例えばリベット10の打ち込み方向を逆にしたり、あるいは上板2と下板1との相対位置関係を逆にしてもリベット継手による接合構造として成立することは言うまでもない。
ここで、発明の効果の欄に記載した以外の各実施の形態における主要な効果を、その発生原因とともに記載すれば下記の通りである。
図4の(a)に示すように、下板1に下板エンボス部3を形成することによって、接着剤5を塗布する範囲を下板エンボス部3の内側底面3aに限定することができるようになるため、接着剤5のはみ出しあるいは無用な付着がなく、下板1に接着剤5を塗布する際の作業性が向上する。
本発明に係る第1の実施の形態として、セルフピアスリベットにて金属板同士を接合した接合構造を示す斜視図である。 図1のA−A線に沿う拡大断面図である。 図2におけるセルフピアスリベットの形状を示す斜視図である。 図1,2に示す接合構造を得るための接合手順を断面図をもって示した工程説明図である。 本発明に係る第2の実施の形態として、金属板同士の接合構造を示す断面図である。 図5におけるそれぞれのエンボス部の詳細を示す断面図である。 本発明に係る第3の実施の形態として、金属板同士の接合構造を示す断面図である。 図3の変形例として金属板同士の接合構造を示す断面図である。
符号の説明
1…下板(一方の金属板,反打ち込み側の金属板)
2…上板(他方の金属板,打ち込み側の金属板)
3…下板エンボス部
3a…内側底面
4…上板エンボス部
4a…外側底面
5…接着剤(シール剤)
6…周壁部
7…周壁部
8…空隙
10…セルフピアスリベット(締結部材)
12…底壁部
13…底壁部
20…リベット締結部
21…接着剤層(シール剤層)
22…接着剤充填層(シール剤充填層)
27…一般部
28…一般部
29…一般部隙間
34…シールビード(シール剤)
40…接着剤充填層(シール剤充填層)
41…周壁部
42…周壁部
43…上板逆エンボス部(逆エンボス部)
44…下板逆エンボス部(逆エンボス部)
45…接着剤充填層(シール剤充填層)
46…上板逆エンボス部(逆エンボス部)
47…下板逆エンボス部(逆エンボス部)

Claims (8)

  1. 金属板同士を重合配置し、その重合部における少なくともいずれか一方の金属板を貫通するように締結部材を挿入し、その締結部材による圧締力をもって金属板同士を機械的に締結接合する方法であって、
    上記金属板各々にエンボス部を予め形成し、
    一方の金属板におけるエンボス部の内側底面と他方の金属板におけるエンボス部の外側底面の少なくともいずれか一方に粘稠なシール剤を塗布し、
    上記シール剤をはさんで内側底面と外側底面を重合させることによって双方のエンボス部の周壁部同士の間に形成された空隙にシール剤を充填させ、
    このシール剤の充填状態をもって双方のエンボス部の底壁部同士を締結部材にて締結することを特徴とする金属板の接合方法。
  2. 双方のエンボス部の突出量を予めそれぞれ異なる大きさに設定することによって上記金属板のうちエンボス部以外となる一般部同士の間に隙間を形成し、
    双方のエンボス部の底壁部同士を締結部材にて締結した後、上記隙間を形成している金属板に防錆電着塗装を施すことを特徴とする請求項1に記載の金属板の接合方法。
  3. 上記金属板は自動車の車体を構成することになる車体パネルであることを特徴とする請求項2に記載の金属板の接合方法。
  4. 上記防錆電着塗装後、上記重合部の端部を粘稠なシール剤により封止することを特徴とする請求項2または3に記載の金属板の接合方法。
  5. 双方のエンボス部の周壁部同士の間に形成された空隙が断面略U字状もしくは断面略逆U字状の溝状空間になるように、双方のエンボス部の外周に、それら双方のエンボス部の周壁部を共有することになる断面略U字状もしくは断面略逆U字状の逆エンボス部を個別に膨出形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属板の接合方法。
  6. 上記締結部材はセルフピアスリベットであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属板の接合方法。
  7. 上記金属板のうちいずれか一方が鉄系金属材料であり、他方が非鉄系金属材料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属板の接合方法。
  8. 金属板同士を重合配置し、その重合部におけるいずれか一方の金属板を貫通するようにセルフピアスリベットを打ち込み、そのセルフピアスリベットによる圧締力をもって金属板同士を機械的に締結接合した構造であって、
    各金属板に予め形成したエンボス部の底壁部同士を重合させ、その重合部にセルフピアスリベットを打ち込むことによりそのセルフピアスリベットによる圧締力をもってエンボス部の底壁部同士を機械的に締結接合しているリベット締結部と、
    上記リベット締結部のうち反打ち込み側となる金属板とセルフピアスリベットとの間、および双方のエンボス部の周壁部同士の間に、それぞれ粘稠なシール剤を介装することにより形成したシール剤層と、
    双方のエンボス部の周壁部同士の間に上記シール剤層に連続しつつそれよりも隙間の大きな空隙を確保して、この空隙にシール剤を充填することにより形成したシール剤充填層と、
    を備えていることを特徴とする金属板の接合構造。
JP2004162680A 2004-06-01 2004-06-01 金属板の接合方法および接合構造 Pending JP2005342739A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004162680A JP2005342739A (ja) 2004-06-01 2004-06-01 金属板の接合方法および接合構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004162680A JP2005342739A (ja) 2004-06-01 2004-06-01 金属板の接合方法および接合構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005342739A true JP2005342739A (ja) 2005-12-15

Family

ID=35495582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004162680A Pending JP2005342739A (ja) 2004-06-01 2004-06-01 金属板の接合方法および接合構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005342739A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009504408A (ja) * 2005-08-10 2009-02-05 バイエリッシェ モートーレン ウエルケ アクチエンゲゼルシャフト 打ち抜きリベットのセット方法
JP2009538738A (ja) * 2006-05-31 2009-11-12 カースト シーアールシー リミテッド 予熱を伴って自己穿孔型リベットを使用して金属を接合するための方法および装置
JP2012225358A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Nippon Steel Corp 金属部材の継手及びその製造方法
JP2013130238A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 異種金属の接合継手及びその製造方法
JP2015174099A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 スズキ株式会社 金属接合方法
CN105531163A (zh) * 2013-09-16 2016-04-27 汉高股份有限及两合公司 连接方法
CN108453207A (zh) * 2017-02-17 2018-08-28 福特全球技术公司 在一接合部内用机械固定件和粘合剂时改善粘合剂覆盖率的齿形接合部
US11260447B2 (en) 2016-02-03 2022-03-01 Utica Enterprises, Inc. Apparatus and method for mechanically joining advanced high strength steel
WO2022219990A1 (ja) * 2021-04-15 2022-10-20 株式会社キーレックス・ワイテック・インターナショナル 車両用フレーム構造及び車両用フレームの製造方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009504408A (ja) * 2005-08-10 2009-02-05 バイエリッシェ モートーレン ウエルケ アクチエンゲゼルシャフト 打ち抜きリベットのセット方法
JP2009538738A (ja) * 2006-05-31 2009-11-12 カースト シーアールシー リミテッド 予熱を伴って自己穿孔型リベットを使用して金属を接合するための方法および装置
US8234770B2 (en) 2006-05-31 2012-08-07 Cast Crc Limited Method and apparatus for joining metals using self-piercing rivets with preheating
JP2012225358A (ja) * 2011-04-15 2012-11-15 Nippon Steel Corp 金属部材の継手及びその製造方法
JP2013130238A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 異種金属の接合継手及びその製造方法
CN105531163A (zh) * 2013-09-16 2016-04-27 汉高股份有限及两合公司 连接方法
JP2016536212A (ja) * 2013-09-16 2016-11-24 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンHenkel AG & Co. KGaA 接合方法
KR101803217B1 (ko) * 2013-09-16 2017-11-29 헨켈 아게 운트 코. 카게아아 결합 방법
CN105531163B (zh) * 2013-09-16 2018-07-10 汉高股份有限及两合公司 连接方法
JP2015174099A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 スズキ株式会社 金属接合方法
US11260447B2 (en) 2016-02-03 2022-03-01 Utica Enterprises, Inc. Apparatus and method for mechanically joining advanced high strength steel
CN108453207A (zh) * 2017-02-17 2018-08-28 福特全球技术公司 在一接合部内用机械固定件和粘合剂时改善粘合剂覆盖率的齿形接合部
WO2022219990A1 (ja) * 2021-04-15 2022-10-20 株式会社キーレックス・ワイテック・インターナショナル 車両用フレーム構造及び車両用フレームの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2481046B1 (en) Multi-layer assembly with retention feature
CN101096976B (zh) 具有整体密封剂的凸焊紧固件
WO2015012058A1 (ja) 異材接合用リベット、異材接合用部材、異材接合体の製造方法及び異材接合体
CN106163721B (zh) 电阻焊接紧固件、装置和方法
US8024848B2 (en) Double-action clinching method
US20200147671A1 (en) Method for manufacturing different material joined member
JP2005342739A (ja) 金属板の接合方法および接合構造
US20150219140A1 (en) Method for manufacturing an assembly unit and fastening unit for carrying out the method
US20070158312A1 (en) Method for projection bonding of telescoped tubes
WO2016103375A1 (ja) 異材接合構造及び異材接合方法
JP6108656B2 (ja) 異種金属の接合継手の製造方法
US20150063902A1 (en) Mounting unit and method for its production
US6108893A (en) Fastener, die button and method of installing a fastener into a panel
US8987631B2 (en) Method and apparatus for welding to laminated metal
JP2013174332A (ja) 発泡樹脂芯材複合板の締結構造
JP2016161078A (ja) 異材接合用リベット及び異材接合方法
US20200001405A1 (en) Laminate including weldable regions
JP2015078722A (ja) 異種金属板の接合方法および同方法による自動車用部品
JP5724568B2 (ja) 金属部材の継手及びその製造方法
JP7332966B2 (ja) 継手の製造方法、継手、及び自動車部品
US12012986B2 (en) Press-in nut and method for producing a press-in nut and press-in connection
CA2291127A1 (en) Fastener, die button and method of installing a fastener into a panel
JP7405717B2 (ja) 異材接合方法、及び接合体
JP6426043B2 (ja) 異材接合用リベット、異材接合体、及び異材接合方法
JP2009082977A (ja) 摩擦点接合方法