JP2005342284A - 眼屈折力測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 虹彩などにより測定光束の一部が遮ぎられた場合でも、測定エラーや測定精度が悪化することを防ぎ、検者の操作性向上と被検者の負担軽減を図る。
【解決手段】 前眼部像E’の測定領域の各検出個所P1〜P8のうち、例えば検出個所P7で検出された輝度が設定された閾値Lに比べて高くなると、検出個所P7において測定光束が虹彩により遮ぎられていると判断されるので、この検出個所P7に対応するエリアを眼底像検出を行わない範囲に設定する。
【選択図】図6
【解決手段】 前眼部像E’の測定領域の各検出個所P1〜P8のうち、例えば検出個所P7で検出された輝度が設定された閾値Lに比べて高くなると、検出個所P7において測定光束が虹彩により遮ぎられていると判断されるので、この検出個所P7に対応するエリアを眼底像検出を行わない範囲に設定する。
【選択図】図6
Description
本発明は、被検眼の眼屈折力を測定する眼屈折力測定装置に関するものである。
従来から、被検眼の屈折力を測定する眼屈折力測定装置においては、その検眼光学系と被検眼の位置合わせを行うために、被検眼の角膜に光束を投影して、その角膜反射により形成された輝点像を検眼光学系の中心に一致させる方式のものが多い。
しかし元々、人眼の角膜中心と瞳孔中心は多少のずれがある場合が多く、角膜中心で位置合わせを行った場合に、虹彩により眼屈折力測定の測定光束の一部が遮ぎられて、眼底からの正常な情報が得られなくなることがある。このような場合には、測定エラーが発生したり、異常な測定値を出力してしまうことになる。
この従来の眼屈折力計の問題点に対して、角膜中心にアライメントを行ってから、虹彩エッジの位置と測定領域を囲む矩形の座標から、測定光束が瞳孔を通過可能か否かを判定し、通過し得ないと判断された場合には、瞳孔中心に向けて検眼光学系を移動することが特許文献1に開示されている。
しかしながら上述の従来例では、測定光束が瞳孔を通過し得ないと判断された場合に、瞳孔中心に向けて検眼光学系を移動することができるが、被検眼によっては瞳孔が円形でなく歪んでいる場合や、小瞳孔や、角膜頂点と瞳孔中心が大きく偏芯している場合には、瞳孔中心に移動した場合においても、虹彩により測定光束が通過できないこともある。その場合に、測定エラーが発生したり、測定値の精度が悪くなってしまい、更には角膜中心にアライメントを行ってから、検眼光学系を移動するために、測定に時間を要するという問題もある。
測定光束が虹彩に遮ぎられた場合でも、眼底像として検出されるときには、虹彩に遮ぎられた部分は周辺の測定光束によって平均化されてしまうため、眼底像からでは眼屈折力を判断できない場合もある。
本発明の目的は、上述の課題を解決し、被検眼の前眼部像から眼屈折力測定のための眼底反射光束が瞳孔内を通過可能か否かを判断し、この判断結果から眼底像の検出範囲を設定し、虹彩エッジなどにより遮ぎられた部位の眼底像の検出を行わないことで、測定エラーや測定精度の悪化を防止し、測定精度の向上及び操作性向上と被検者の負担とを軽減する眼屈折力測定装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る眼屈折力測定装置は、被検眼の眼底に光束を投影する光束投影手段と、該光束投影手段による眼底反射光束を検出して被検眼の眼屈折力を測定する測定手段とを有する眼屈折力測定装置において、被検眼の前眼部を撮像する撮像手段と、該撮像手段で撮像した前眼部像を記憶する記憶手段と、該前眼部像を用いて前記眼底反射光束の通過領域を前記眼底反射光束が通過可能か否かを判断する判断手段と、該判断手段の結果を基に前記眼底反射光束の検出範囲を設定する検出範囲設定手段とを有し、前記測定手段は該検出範囲設定手段で設定した検出範囲で得られた前記眼底反射光束を使用して眼底屈折力を測定することを特徴とする。
本発明に係る眼屈折力測定装置によれば、虹彩などにより眼屈折力測定の測定光束の一部がけられた場合においても、測定エラーの減少及び測定精度の向上を図ることができ、更に操作性を向上させると共に被検者の負担を軽減することができる。
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は測定装置の構成図である。被検眼Eに対向してダイクロイックミラー1が配置されており、ダイクロイックミラー1の透過方向の光路O1上には、眼屈折力測定用対物レンズ2、対物レンズ2の後焦点面に配置され光路O1に対し挿脱自在の拡散板3、ビームスプリッタ4、投影レンズ5、ピンホールを有する指標板6、近赤外光を発する眼屈折力測定光源7が配列されている。拡散板3は眼屈折力測定光源7から発せられる光束を拡散させるためのものであり、この拡散板3は前方散乱強度が強く、拡散した光束の大部分が眼屈折力測定用対物レンズ2によって集光されるようになっている。
図1は測定装置の構成図である。被検眼Eに対向してダイクロイックミラー1が配置されており、ダイクロイックミラー1の透過方向の光路O1上には、眼屈折力測定用対物レンズ2、対物レンズ2の後焦点面に配置され光路O1に対し挿脱自在の拡散板3、ビームスプリッタ4、投影レンズ5、ピンホールを有する指標板6、近赤外光を発する眼屈折力測定光源7が配列されている。拡散板3は眼屈折力測定光源7から発せられる光束を拡散させるためのものであり、この拡散板3は前方散乱強度が強く、拡散した光束の大部分が眼屈折力測定用対物レンズ2によって集光されるようになっている。
ビームスプリッタ4の反射方向の光路O2上には、光軸外に配置されたリング絞り8、円錐プリズム9、リレーレンズ10、CCDカメラなどから成る二次元撮像素子11が配列され、眼屈折力測定受光系が構成されている。
一方、ダイクロイックミラー1の反射方向の光路O3上には、前眼観察用対物レンズ12、ダイクロイックミラー13、被検眼Eの眼底Erと略共役な位置に配置されLEDなどから成る固視光源14が配列されている。また、ダイクロイックミラー13の反射方向の光路O4上にアライメント用光学系として、中心の開口部と両側の開口部に付設した偏向プリズム15a、15bとを有する絞り板16、結像レンズ17、CCDカメラなどから成る二次元撮像素子18が配列されている。本実施例では、アライメント用光学系は眼屈折力測定光学系と一部の光学系を共用しており、これにより装置が簡素化されている。
更に、被検眼Eとダイクロイックミラー1の間には、1対の前眼部照明光源19a、19bが光路O1に対して対称的に配置されている。この前眼部照明光源19a、19bの波長光は、前述の眼屈折力測定光源7の波長光よりも100nm程度短い近赤外光とされている。
なお、ダイクロイックミラー1は眼屈折力測定光源7から発せられる波長光の大部分を透過し一部を反射し、前眼部照明光源19a、19bから発した波長光及び可視光を反射する特性を有しており、ダイクロイックミラー13は可視光を透過し、近赤外光を反射する特性を有している。
偏向プリズム15a、15bは眼屈折力測定光源7からの波長光を透過し、前眼部照明光源19a、19bからの波長光を透過しない分光特性を有し、偏向プリズム15aは紙面奥の方に、偏向プリズム15bは紙面手前の方に光束を偏向するようになっており、偏向プリズム15a、15bは絞り板16と共に光路O4上に挿脱可能とされている。
これらの光学系は1個の筐体内に保持され、測定部20が構成されている。この測定部20は図示しない架台上に載置されており、架台は水平方向のX軸用モータ21、鉛直方向のY軸用モータ22、装置光軸方向のZ軸用モータ23により、電動的に3軸方向に移動可能となっている。
撮像素子11、18の出力はA/Dコンバータ24を介して画像メモリ25に接続されていると共に、装置の全ゆる制御を行う演算処理部26に接続されている。演算処理部26には、D/Aコンバータ27を介してテレビモニタ28、モータ21、22、23の駆動制御を行う駆動制御部29、操作者が操作するためのスイッチなどが配置された操作部30が接続されている。この他に、図1では省略しているが、拡散板3、絞り板16をそれぞれ光路O1、O4に対して挿脱するための図示しないモータなどが演算処理部26に接続されている。
図2は動作のフローチャート図であり、アライメントに際しては、架台に設けた顎受け台により被検者の顔を固定し、操作部30に設けられている測定開始スイッチを押すと、演算処理部26の制御により測定動作が開始され、固視光源14を点灯し被検眼Eに呈示して固視させる。同時に、前眼部照明光源19a、19bにより被検眼Eが照明され、被検眼Eの前眼部付近からの反射散乱光はダイクロイックミラー1で反射し、前眼観察用対物レンズ12により略平行光とされ、更にダイクロイックミラー13を反射し、結像レンズ17により前眼部像として撮像素子18上に結像する。
また、眼屈折力測定光源7を点灯すると、その光束は指標板6を照明し、指標板6のピンホールを透過し投影レンズ5を介して、一旦眼屈折力測定用対物レンズ2の後側焦点面で指標板6のピンホール像を形成する。拡散板3は指標板6と光学的に共役な位置に挿脱可能に設けられているので、拡散板3で指標板6のピンホールの実像を形成して光束を拡散させ、Fナンバの明るい光束により被検眼Eを照明し、広い範囲で角膜反射指標像を検出することができる。
測定光源7による角膜反射光束の一部はダイクロイックミラー1により反射され、前眼部観察用対物レンズ12により略平行光とされ、ダイクロイックミラー13で光路O4方向に偏向され、偏向プリズム15a、15bを伴う絞り板16の3つの開口部により、3つの光束に分割され、結像レンズ17により撮像素子18上に達し、前眼部照明光源19a、19bによる前眼部像と共に3点の角膜反射指標像Pa〜Pcとして撮像される。
そして、撮像素子18の出力信号はA/Dコンバータ24によってデジタル信号に変換され、前眼部像のデータは画像メモリ25に記憶される。また、このデジタル信号は演算処理部26、D/Aコンバータ27を介して、図3に示すようにテレビモニタ28上に前眼部像E’が映し出される。更にテレビモニタ28には、眼屈折力測定光源7による3点の角膜反射指標像Pa〜Pc、合成されたアライメント指標Mも映出される。
次に、演算処理部26は画像メモリ25に記憶された画像情報から、3点の角膜反射指標像Pa〜Pcの重心位置を検出する。演算処理部26はこの重心位置が検出されると、測定部20の光軸と重心位置との光軸と垂直な面内でのずれ量を算出し、それらが一致するように、X軸用モータ21とY軸用モータ22とを駆動制御部29により駆動してアライメント制御を行う(ステップS1)。
そして、3点の角膜反射指標像Pa〜Pcの上下の重心位置からピント位置を検出し、ピント状態が許容範囲内にない場合には、Z軸用モータ23を駆動制御部29を介して所定量駆動する。1回目の角膜反射指標像Pa〜Pcの重心位置及びピント状態検出、モータ駆動が終わると、演算処理部26は再び角膜反射指標像Pa〜Pcの重心位置及びピント状態の検出を行い、X方向とY方向の測定部20の光軸とのずれ量が予め設定してある許容範囲内にあるかを判断し、ピント状態の変化を比較する。
ピント状態の変化の比較により、ピント状態が良くなっている場合には、再び前回と同じ方向に所定量だけZ軸用モータ23を駆動し、ピント状態が悪くなっている場合には、前回とは逆方向に所定量だけZ軸用モータ23を駆動し、再びピント状態の変化を比較する。演算処理部26は検出したピント状態が許容範囲内に入るまで、この動作を繰り返す(ステップS2)。
このようにして、被検眼Eと測定部20とのアライメントが終了する。このとき、眼底反射光により瞳孔内が照明されており、虹彩と瞳孔を分離し難いため、眼屈折力測定光源7を消灯した後に、前眼部照明光源19a、19bの照射により撮像素子18により前眼部像E’の撮像を行う(ステップS3)。撮像素子18の出力信号はA/Dコンバータ24によってデジタル信号に変換され、画像メモリ25に記憶される。同時に、デジタル信号は演算処理部26、D/Aコンバータ27を介して、テレビモニタ28上に映し出される。
前眼部像E’の撮像後に拡散板3を光路O1から退避し、眼屈折力測定光源7を発光させると、測定光源7から出射した光束は指標板6を通り、先と同様に被検眼Eに達し、眼底Erに指標像として結像する。そして、指標像を2次光源として反射、散乱した光は、大部分がダイクロイックミラー1を透過し、対物レンズ2を介してビームスプリッタ4により反射され、リング絞り8、円錐プリズム9、リレーレンズ10を介して撮像素子11上にリング像を形成する。この映像信号はA/Dコンバータ24でデジタル信号とされ、画像メモリ25に記憶し、測定領域の輝度を検出する(ステップS4)。
図4は画像メモリ25に記憶された前眼部像E’を示し、P1〜P8は測定領域の最外周上の輝度を検出する個所を示している。検出個所P1〜P8において、測定光束が虹彩に遮ぎられているかを判断する方法として、アライメント完了位置Qの輝度を基準として閾値Lを設定し、閾値L以上の輝度を検出した場合に、虹彩により遮ぎられていると判断する(ステップS5)。
図5はそのときの検出個所P1〜P8で検出された輝度レベルを示している。点線はアライメント完了位置Qの輝度を基準として設定された閾値Lを示している。各個所の輝度が閾値L以上に達していないため、測定光束が虹彩に遮ぎられていないと判断される(ステップS6)。
図6は画像メモリ25に記憶された測定光束の一部が虹彩により遮ぎられている前眼部像E’を示し、図7は図6で示される測定光束が虹彩に遮ぎられている各検出個所P1〜P8で検出された輝度レベルを示している。検出個所P7で検出された輝度が設定された閾値Lに比べて高いことを示しており、検出個所P7の測定光束が虹彩により遮ぎられていると判断される。
図8は図6で示される測定光束が虹彩に遮ぎられているときに、撮像素子18で撮像されたリング像Rを示し、測定領域の個所P7の測定光束が虹彩に遮ぎられたため、その部分に対応したエリアのリング像Rの一部が欠けていることが分かる。
前眼部像E’を基に測定領域最外周上の8つの検出個所P1〜P8で検出を行っているため、リング像Rもそれに対応して8つのエリアA1〜A8に分割されている。そこで、欠落が認められた検出個所P7に対応するエリアA7を、眼底像検出を行わない範囲に設定する(ステップS7)。
エリアA7を除いた範囲のリング像Rを基に、例えば出願人による特許文献2で示される既知の方法によって、走査線上のデータを検出して重心位置の算出を行い、その結果から楕円を近似し、楕円の長径・短径・軸角度から眼屈折力値であるSPH・CYL・AXの算出を行う(ステップS8)。
更に算出結果から、光路O3上に設けた図示しない固視標投影系を制御し、被検眼Eに雲霧を促す。この雲霧を数回行うことにより、調節のない雲霧状態で被検眼Eの眼屈折力を測定する。このように、虹彩に影響された測定領域部分の眼底像から求められる精度の不確かな重心データを、眼屈折力値算出に用いないことにより、精度の高い測定値を求めることができる。
上述のように、前眼部像から虹彩などにより測定光束が遮ぎられている場合に、測定領域の最外周上の輝度を検出することにより、測定光束が虹彩に遮ぎられているかを判断し、その判断結果から眼底像の検出範囲を設定し、眼屈折力値の算出を行うことにより、測定エラーや測定精度の悪化を防止することが可能となる。
上記実施例の測定光束が虹彩に遮ぎられているかの判断方法として、アライメント完了位置の輝度を基準として閾値を設定し、各個所の輝度が高いかで判断したが、各個所の輝度が最も低い個所の輝度を基準として閾値の設定を行い、測定光束が虹彩に遮ぎられているかを判断してもよい。
2 眼屈折力測定用対物レンズ
7 眼屈折力測定光源
11、18 撮像素子
12 前眼観察用対物レンズ
14 固視光源
19a、19b 前眼部照明光源
20 測定部
25 画像メモリ
26 演算処理部
28 テレビモニタ
29 駆動制御部
30 操作部
7 眼屈折力測定光源
11、18 撮像素子
12 前眼観察用対物レンズ
14 固視光源
19a、19b 前眼部照明光源
20 測定部
25 画像メモリ
26 演算処理部
28 テレビモニタ
29 駆動制御部
30 操作部
Claims (5)
- 被検眼の眼底に光束を投影する光束投影手段と、該光束投影手段による眼底反射光束を検出して被検眼の眼屈折力を測定する測定手段とを有する眼屈折力測定装置において、被検眼の前眼部を撮像する撮像手段と、該撮像手段で撮像した前眼部像を記憶する記憶手段と、該前眼部像を用いて前記眼底反射光束の通過領域を前記眼底反射光束が通過可能か否かを判断する判断手段と、該判断手段の結果を基に前記眼底反射光束の検出範囲を設定する検出範囲設定手段とを有し、前記測定手段は該検出範囲設定手段で設定した検出範囲で得られた前記眼底反射光束を使用して眼底屈折力を測定することを特徴とする眼屈折力測定装置。
- 前記光束投影手段は前記測定手段の略光軸上から被検眼瞳孔に光束を投影することを特徴とする請求項1に記載の眼屈折力測定装置。
- 前記眼底反射光束として、瞳孔と共役位置にありその略光軸を中心とするリング状絞りを経たリング状光束を用いることを特徴とする請求項1に記載の眼屈折力測定装置。
- 前記判断手段は前記前眼部像を用いて前記眼底反射光束が通過する最外周上の複数個所の輝度を検出し、該輝度情報を基に前記眼底反射光束が通過可能か否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の眼屈折力測定装置。
- 前記検出範囲設定手段は前記輝度情報を基に得られた通過不能領域に従って、前記通過不能領域を除く領域を検出範囲に設定することを特徴とする請求項4に記載の眼屈折力測定装置。
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JP2004166673A JP2005342284A (ja) | 2004-06-04 | 2004-06-04 | 眼屈折力測定装置 |
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2004
- 2004-06-04 JP JP2004166673A patent/JP2005342284A/ja active Pending
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