JP2005341804A - 内分泌かく乱物質の試験法 - Google Patents

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Shigetoshi Mizutani
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善政 辻本
Yoshiki Enoki
由樹 榎
Kiyozou Asada
起代蔵 浅田
Ikunoshin Kato
郁之進 加藤
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Abstract

【課題】 内分泌かく乱作用により影響を受ける遺伝子を搭載したDNAアレイ、該アレイを用いて、被験物質の内分泌かく乱作用を解析する方法、該アレイを用いた内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質を検出する方法、及び内分泌かく乱作用により影響を受ける遺伝子を標的核酸とする定量核酸増幅方法による被験物質の内分泌かく乱作用を解析する方法を提供すること。
【解決手段】 内分泌かく乱作用により影響を受ける遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片を搭載したDNAアレイ、該アレイを用いる被験物質の内分泌かく乱作用を解析する方法、該アレイを用いる内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質を検出する方法、及び内分泌かく乱作用により影響を受ける遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片を標的核酸とする定量核酸増幅方法によって被験物質の内分泌かく乱作用を解析する方法。
【選択図】 なし



Description

本発明は、内分泌かく乱作用が疑われる物質について内分泌かく乱作用の有無を評価する方法に関する。
内分泌かく乱物質(環境ホルモンともいわれる)は、環境中に放出された化学物質のうちホルモン類似作用あるいは抗ホルモン作用が見出されたものの総称をいう。野生動物の生態系への影響としては、生殖能の変化、特に雄の雌化、生殖能の低下、孵化率の低下、胎仔の生存率の低下、生殖行動の異常等が報告されている。また、ヒトの健康への影響としては、精子数の減少、子宮内膜症、不妊、卵巣ガン、子宮ガン、前立腺ガン等が疑われているが、証明はされていない。
内分泌かく乱を引き起こすと考えられている物質としてアルキルフェノール、ビスフェノールA、ダイオキシン類、DDTおよびその代謝物、フタル酸エステル、トリブチルスズ、塩素化炭化水素類、有機金属、植物エストロゲン等が知られている。
これらの物質の一次作用としては、1)ホルモンレセプターとの直接作用(合成ホルモン剤、DDT、フタル酸エステル等)、2)他のレセプターを介する作用(ダイオキシン等)、3)代謝阻害作用(ステロイド代謝阻害剤、アロマターゼや5α―レダクターゼの阻害剤等)、4)他のシステムを介する作用(神経系や免疫系に影響を与える物質)などが知られており、作用様式は多様である(例えば、非特許文献1参照)。
一方、内分泌かく乱物質の測定法としては、インビトロとインビボの2通りの方法が知られており、前者ではエストロゲンレセプターやアンドロゲンレセプターとの結合活性を測定する方法や、ホルモン合成酵素系の阻害活性を測定する方法が知られている。後者では、出生後日齢の異なるラットの各種ホルモン産生および組織形成異常を測定する方法、カエルの変態異常を測定する方法、サカナの成熟異常を測定する方法等が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
しかし、現在のところ注目されている内分泌かく乱物質と疑われている物質が本当に内分泌かく乱を引き起こすのか、もし引き起こすのならどのようなメカニズムで影響を及ぼしているのか、さらにどのくらいの量をどれくらいの時間摂取すると危険なのかについての明解な解答は得られていない。
例えば、現在行われているホルモンレセプターとの結合試験は、一次スクリーニングという見地からすれば、必要かつ重要な方法である。しかし、この方法で得られる結果は、内分泌かく乱物質であることを保証するものではない。すなわち、エストラジオール(女性ホルモン)もDES(内分泌かく乱物質)もイソフラボン(豆に含まれるヒトには無害な成分)もビスフェノールA(内分泌かく乱物質と疑われている物質)もEC50の値に差はあるものの、すべてエストロゲンレセプターに結合するため、このアッセイ方法ではどの内分泌かく乱作用を持っているのか区別できない。これは、従来の酵母を用いたアッセイ系、培養細胞を用いる系、ネズミの子宮重量を測定する系などのいずれの方法でも同じである。
すなわち現在のホルモンレセプターへの結合活性やホルモン合成酵素系の阻害活性を、インビトロで測定する方法は、内分泌かく乱物質測定法としての必要条件は満たしているが、決して十分条件ではない。また、ラット、カエル、サカナ等の生育や形態形成に及ぼす影響をインビボで調べる方法は、感度が低い上、複雑で、多数のサンプルを調べるには長時間を必要とする。また、環境ホルモンと称されるものは、ごく少量で内分泌系に影響するといわれ、これをいわゆるバイオアッセイで評価するのは極めて困難である。
そこで最近は、DNAマイクロアレイを用いた内分泌かく乱物質の解析方法が提案されている(例えば、特許文献1又は2)。しかしながら、上記文献のいずれにおいても、内分泌かく乱物質によって影響をうける遺伝子の発現の上下を開示するばかりで、どの遺伝子が内分泌かく乱物質の内分泌かく乱作用を解析するのに有効であるかについて何ら開示はない。
以上のように、被験物質の内分泌かく乱作用を解析するための遺伝子工学的ツールならびに解析方法が求められていた。
国際公開第00/26404号パンフレット 特開2002−355079号パンフレット 化学、第53巻、第7号、第12〜15頁(1998) アナリティカル ケミストリー(Analytical Chemistry)第70巻、第15号、第528A〜532A頁(1998)
本発明の目的は、(1)内分泌かく乱作用により影響を受ける遺伝子を搭載したDNAアレイ、(2)該アレイを用いて、被験物質の内分泌かく乱作用を解析する方法、(3)該アレイを用いた内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質を検出する方法、及び(4)内分泌かく乱作用により影響を受ける遺伝子を標的核酸とする定量核酸増幅方法による被験物質の内分泌かく乱作用を解析する方法を提供することにある。
本発明者はかかる目的を達成するために鋭意検討した結果、内分泌かく乱物質の作用により影響を受ける遺伝子の組み合わせを見出し、迅速、高感度でしかも同時に多数の試料について被験物質の内分泌かく乱作用の有無を評価する方法を構築し本発明を完成した。
すなわち、本発明の第一の発明は、被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析するためのDNAアレイであって、前記DNAアレイ上の核酸は、下記遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片からなることを特徴とするDNAアレイに関する。
(1)CDC6_(cell division cycle 6, S. cerevisiae) homolog(GenBank Accession:NM_001254)
(2)procollagen-lysine,_2-oxoglutarate 5-dioxygenase (lysine hydroxylase) 2 (GenBank Accession:NM_000935)
(3)cyclin_D1 (PRAD1: parathyroid adenomatosis 1) (GenBank Accession:NM_053056)
(4)nuclear_autoantigenic sperm protein (histone-binding) (GenBank Accession:NM_002482)
(5)trophoblast_glycoprotein (GenBank Accession:NM_006670)
(6)neural_precursor cell expressed, developmentally down-regulated 4-like (GenBank Accession:AB_007899)
(7)BCL2-antagonist/killer 1 (GenBank Accession:NM_001188)
本発明の第1の発明において、さらに下記遺伝子下記遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片を組み合わせてなるDNAアレイであってもよい。
(1)prostaglandin_E_synthase (GenBank Accession:AF010316)
(2)interferon-related_developmental regulator 2 (GenBank Accession:NM_006764)
(3)v-erb-b2_avian erythroblastic leukemia viral oncogene homolog 2 (neuro/glioblastoma derived oncogene homolog) (GenBank Accession:NM_004448)
(4)cyclin-dependent_kinase 6 (GenBank Accession:NM_001259)
(5)trefoil_factor_1_(breast_cancer,_estrogen-inducible_sequence_expressed_in) (GenBank Accession:X00474)
(6)solute_carrier family 7 (cationic amino acid transporter, y+ system), member 5 (GenBank Accession:AF104032)
(7)early_growth response 3 (GenBank Accession:NM_004430)
(8)amphiregulin_(schwannoma-derived growth factor) (GenBank Accession:NM_001657)
(9)GTP-binding_protein overexpressed in skeletal muscle (GenBank Accession:NM_005261)
(10)progesterone_receptor (GenBank Accession:X51730)
(11)transforming_growth_factor,_beta_3 (GenBank Accession:X14885)
(12)CBF1_interacting_corepressor (GenBank Accession:U03644)
(13)alpha-2-glycoprotein_1, zinc (GenBank Accession:NM_001185)
(14)thioredoxin_reductase 1 (GenBank Accession:NM_003330)
(15)retinoblastoma-binding_protein_1 (GenBank Accession:S66427)
(16)connective_tissue growth factor (GenBank Accession:NM_001901)
(17)ribosomal_protein S15a (GenBank Accession:AK023088)
(18)B-cell_translocation gene 1, anti-proliferative (GenBank Accession:NM_001731)
(19)ribosomal_protein S6 kinase, 70kD, polypeptide 1 (GenBank Accession:NM_003161)
(20)RAB31,_member RAS oncogene family (GenBank Accession:AF183421)
(21)serine_(or cysteine) proteinase inhibitor, clade I (neuroserpin), member 1 (GenBank Accession:NM_005025)
(22)translocated_promoter region (to activated MET oncogene) (GenBank Accession:NM_003292)
(23)stearoyl-CoA_desaturase (delta-9-desaturase) (GenBank Accession:AB032261)
(24)interleukin_1 receptor, type I (GenBank Accession:NM_000877)
(25)nuclear_receptor_co-repressor_1 (GenBank Accession:AF044209)
(26)bone_morphogenetic protein 7 (osteogenic protein 1) (GenBank Accession:NM_001719)
(27)v-myc_avian_myelocytomatosis_viral_oncogene_homolog ;J00120;c-myc_proto-oncogene (GenBank Accession:K02276)
(28)PTK7_protein_tyrosine_kinase_7 (GenBank Accession:U33635)
(29)histone_deacetylase 3 (GenBank Accession:AF130111)
あるいは、本発明の第1の発明においては、さらに下記遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片を組み合わせてなるDNAアレイであってもよい。
(1)solute_carrier family 29 (nucleoside transporters), member 1(NM_004955)
(2)proliferating_cell nuclear antigen(NM_002592)
(3)methylenetetrahydrofolate_dehydrogenase (NADP+ dependent), methenyltetrahydrofolate cyclohydrolase, formyltetrahydrofolate synthetase(NM_005956)
(4)CTP_synthase(NM_001905)
(5)cathepsin_D (lysosomal aspartyl protease)( NM_001909)
(6)breast cancer 1, early onset(NM_007295)
(7)replication_factor C (activator 1) 4 (37kD)( NM_002916)
(8)keratin_13(NM_002274)
(9)nucleolar_and coiled-body phosphprotein 1(D21262)
(10)membrane-associated_tyrosine- and threonine-specific cdc2-inhibitory kinase(NM_004203)
(11)nucleoside_phosphorylase(NM_000270)
(12)chromosome_segregation 1 (yeast homolog)-like(NM_001316)
(13)RAN_binding protein 1(NM_002882)
(14)H2B_histone family, member Q(NM_003528)
(15)HMG-box_containing protein 1(NM_012257)
(16)phosphoinositide-3-kinase,_regulatory subunit, polypeptide 3 (p55, gamma)( NM_003629)
(17)peripheral_myelin protein 22(NM_000304)
(18)nuclear_receptor coactivator 3(NM_006534)
(19)GS3955_protein(NM_021643)
本発明の第2の発明は、被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析する方法であって、下記工程を包含することを特徴とし、
(a)細胞と被験物質を接触させる工程、
(b)工程(a)で得られた細胞ならびに被験物質と接触していない細胞よりそれぞれRNAを単離する工程、および
(c)工程(b)で得られたRNAもしくは該RNAを鋳型として調製した核酸とDNAアレイとのハイブリダイゼーションを行い、対照と比較して被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析する工程、ここで前記DNAアレイ上の核酸は、下記遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片からなることを特徴とする方法に関する。
(1)CDC6_(cell division cycle 6, S. cerevisiae) homolog(GenBank Accession:NM_001254)
(2)procollagen-lysine,_2-oxoglutarate 5-dioxygenase (lysine hydroxylase) 2 (GenBank Accession:NM_000935)
(3)cyclin_D1 (PRAD1: parathyroid adenomatosis 1) (GenBank Accession:NM_053056)
(4)nuclear_autoantigenic sperm protein (histone-binding) (GenBank Accession:NM_002482)
(5)trophoblast_glycoprotein (GenBank Accession:NM_006670)
(6)neural_precursor cell expressed, developmentally down-regulated 4-like (GenBank Accession:AB_007899)
(7)BCL2-antagonist/killer 1 (GenBank Accession:NM_001188)
本発明の第3の発明は、内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質を検出する方法であって、
(a)細胞に被験物質を接触させる工程、
(b)工程(a)で得られた細胞よりRNAを単離する工程
(c)工程(b)で得られたRNAもしくは該RNAを鋳型として調製した核酸とDNAアレイとのハイブリダイゼーションを行い、被験物質で処理した細胞における遺伝子の発現パターンを解析する工程、ここで前記DNAアレイ上の核酸は、下記遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片からなり、
(1)CDC6_(cell division cycle 6, S. cerevisiae) homolog(GenBank Accession:NM_001254)
(2)procollagen-lysine,_2-oxoglutarate 5-dioxygenase (lysine hydroxylase) 2 (GenBank Accession:NM_000935)
(3)cyclin_D1 (PRAD1: parathyroid adenomatosis 1) (GenBank Accession:NM_053056)
(4)nuclear_autoantigenic sperm protein (histone-binding) (GenBank Accession:NM_002482)
(5)trophoblast_glycoprotein (GenBank Accession:NM_006670)
(6)neural_precursor cell expressed, developmentally down-regulated 4-like (GenBank Accession:AB_007899)
(7)BCL2-antagonist/killer 1 (GenBank Accession:NM_001188)
、および
(d)工程(c)で得られた結果と既知の内分泌かく乱物質で処理した場合の遺伝子の発現パターンとを比較することにより、内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質を検出する方法に関する。
本発明の第4の発明は、被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析する方法であって、下記工程を包含することを特徴とし、
(a)細胞と被験物質を接触させる工程、
(b)工程(a)で得られた細胞ならびに被験物質と接触していない細胞よりそれぞれRNAを単離する工程、および
(c)工程(b)で得られたRNAもしくは該RNAを鋳型として調製した核酸のいずれかを鋳型として核酸増幅反応を行い、標的核酸の量を定量する工程、ここで前記標的核酸は、下記遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片であることを特徴とする方法に関する。
(1)CDC6_(cell division cycle 6, S. cerevisiae) homolog(GenBank Accession:NM_001254)
(2)procollagen-lysine,_2-oxoglutarate 5-dioxygenase (lysine hydroxylase) 2 (GenBank Accession:NM_000935)
(3)cyclin_D1 (PRAD1: parathyroid adenomatosis 1) (GenBank Accession:NM_053056)
(4)nuclear_autoantigenic sperm protein (histone-binding) (GenBank Accession:NM_002482)
(5)trophoblast_glycoprotein (GenBank Accession:NM_006670)
(6)neural_precursor cell expressed, developmentally down-regulated 4-like (GenBank Accession:AB_007899)
(7)BCL2-antagonist/killer 1 (GenBank Accession:NM_001188)
以上のように、本発明により被験物質の有する内分泌かく乱作用にの解析のためのDNAマイクロアレイが提供される。本発明のDNAアレイを用いることにより、既知の内分泌かく乱物質と同等の内分泌かく乱作用を有する未知物質を同定することができる。
本明細書において内分泌かく乱物質とは、外因性内分泌かく乱物質もしくは環境ホルモンとも称されるが、動物の生体内に取り込まれた場合に、本来その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質を意味し、正常なホルモン作用を維持するもの、促進するものも含まれる。また、正常なホルモン作用に影響を与える可能性のある物質も含まれる。該物質については特に限定されるものではないが、例えばヒトの膣癌を引き起こすことが知られているジエチルスチルベストロール(DES)や骨粗鬆症治療に有効であり、かつ乳癌のリスクを低減させることが知られている植物エストロゲンのイソフラボン等が挙げられる。
本明細書において内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質とは、本来その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える可能性のある物質を意味し、その作用が確認されたものおよびいまだ確認されていないものも含まれる。
本明細書記載の内分泌かく乱物質の影響を受ける遺伝子とは、上記の内分泌かく乱物質によってその発現が対照と比較して促進または抑制される遺伝子を意味する。該遺伝子は、1種類でも複数の種類であってもよい。さらに、内分泌かく乱物質が直接的に影響を与えるもの及び間接的にその発現に影響を与える遺伝子も含まれる。該遺伝子としては特に限定されるものではないが、例えば、上記ジエチルスチルベストロールやイソフラボンが結合することが知られているエストロゲンレセプター遺伝子およびそのシグナル伝達経路に関与する遺伝子等が挙げられる。
以下、本発明を具体的に説明する。
(1)被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析するためのDNAアレイ
本発明のDNAアレイは、支持体上に遺伝子またはその断片等の核酸が固定されているものを示し、例えばDNAチップと呼称されているものが挙げられる。当該DNAアレイに用いる支持体は、ハイブリダイゼーションに使用可能なものであれば特に限定はなく、通常、スライドグラス、シリコンチップ、ニトロセルロースやナイロンの膜等が使用される。また、支持体上に固定される遺伝子またはその断片としては、特に限定されるものではないが、例えばゲノムDNAライブラリーあるいはcDNAライブラリーを鋳型としたPCR等によって増幅されたDNAを使用できる。また、固定化される核酸は、センス鎖、アンチセンス鎖のいずれかあるいは両方であってもよい。上記の遺伝子またはその断片を公知の方法、例えばアミノ基を導入した支持体上に固定することにより該DNAアレイを作製することができる。このようなDNAアレイを使用することにより、核酸試料中に含まれる多種類の核酸分子の量を同時に測定することができる。また、少量の核酸試料でも測定できるという利点がある。
本発明で使用されるDNAアレイには、ホルモンの作用発現に関連した機能を有するタンパクをコードする遺伝子またはその断片が固定される。このような遺伝子としては、特に限定されるものではないが、例えばホルモンレセプター遺伝子、レセプターのコファクターをコードする遺伝子、レセプターからのシグナル伝達に関与するタンパクをコードする遺伝子、ホルモンの生合成もしくは代謝に関与するタンパクをコードする遺伝子、またはオンコジーン等が挙げられる。
特に限定はされないが例えば、以下の遺伝子の塩基配列を有する核酸あるいはその断片からなるDNAマイクロアレイが好適である。
(1)CDC6_(cell division cycle 6, S. cerevisiae) homolog(GenBank Accession:NM_001254)
(2)procollagen-lysine,_2-oxoglutarate 5-dioxygenase (lysine hydroxylase) 2 (GenBank Accession:NM_000935)
(3)cyclin_D1 (PRAD1: parathyroid adenomatosis 1) (GenBank Accession:NM_053056)
(4)nuclear_autoantigenic sperm protein (histone-binding) (GenBank Accession:NM_002482)
(5)trophoblast_glycoprotein (GenBank Accession:NM_006670)
(6)neural_precursor cell expressed, developmentally down-regulated 4-like (GenBank Accession:AB_007899)
(7)BCL2-antagonist/killer 1 (GenBank Accession:NM_001188)
(上記遺伝子名については、UniGene NameとGenBank Nameが異なるときは、UniGene Nameを記載している。)
本発明のDNAアレイにおいては、必要に応じて上記7遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片にさらに別の遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片を加えて、実施例3の表32〜表33に記載の36遺伝子、実施例5の表74に記載の26遺伝子を使用してもよい。さらに、実施例4の表54〜表73に記載の遺伝子群から選択された遺伝子の塩基配列を有する核酸またはその断片を組み合わせて使用してもよい。
上記遺伝子の断片は、上記遺伝子のGenBank Accession No.から得られた塩基配列をもとに市販のプライマー構築ソフトを用いて選択したプライマーを用いたPCR法等により調製する事ができる。特に限定はされないが、例えば配列表の配列番号1〜72記載の塩基配列を有するプライマーを用いることができる。さらに、配列番号3〜6、15、16、21、22、53、54、61、62、65、66記載の塩基配列を有するプライマーを用いることができる。前記プライマーの組み合わせについては、実施例3の表32〜表33に記載した組み合わせが好適である。また、上記核酸増幅方法は目的の増幅断片を得られるものであれば特に限定はなく、例えばPCR法、RT−PCR法、ICAN法、LAMP法あるいはSDA法のいずれもが好適に使用できる。
また、DNAアレイの作製方法については、米国特許第6261776号、第5700637号公報等に記載の固相合成方法、米国特許第5807522号公報等に記載のスポッティング法、米国特許第6079283号、第6083762号公報等に記載のインクジェット法のいずれもが好適に使用できる。
(2)本発明の被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析する方法
本発明の被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析する方法は、下記工程
(a)細胞と被験物質を接触させる工程、
(b)工程(a)で得られた細胞ならびに被験物質と接触していない細胞よりそれぞれRNAを単離する工程、および
(c)工程(b)で得られたRNAもしくは該RNAを鋳型として調製した核酸とDNAアレイとのハイブリダイゼーションを行い、対照と比較して被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析する工程、ここで前記DNAアレイは、上記(1)に記載の遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片からなることを特徴とする。
本発明の方法に供する、内分泌かく乱物質の内分泌かく乱作用によってその発現が変化している遺伝子を含む核酸試料としては、例えば内分泌かく乱物質に感受性を示す細胞や組織(臓器)に任意の内分泌かく乱物質を接触させた後、経時的あるいは経日的に細胞や組織より調製されるmRNA、もしくは該mRNAを鋳型とした逆転写反応により得られるcDNAを使用することができる。あるいは、該cDNAから調製したamplified RNA(aRNA)であってもよい。
被験物質あるいは内分泌かく乱物質の可能性のある物質含んだ試料と接触させる細胞は、生物体から採取したものでも培養細胞でもよい。また、組織は、内分泌かく乱物質によって影響が出ていると思われる部位であれば特に限定はない。さらに使用する細胞、組織もしくは生物体は、特にヒトに限定されるわけではない。
本発明においては、MCF−7細胞およびT−47D細胞が好適に使用でき、当該細胞はともに転移性乳癌患者の胸水浸出細胞から樹立された細胞である。性質としては、上皮様で多角形の細胞で、分化した乳腺上皮細胞の特徴であるドーム形成をおこなう。この細胞はエストロゲン投与によって細胞増殖を促進されるなど、エストロゲン応答性を示す。また、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体を有する。特にエストロゲン受容体レベルが高く、エストロゲンによる遺伝子発現や細胞増殖の調節を研究する上で有用な細胞株である。
一方、対照とする細胞、組織または生物体よりmRNAもしくはそのcDNAを含む核酸試料についても上記と同様に調製し、ハイブリダイゼーションさせる。核酸試料がDNAアレイ上のDNAとハイブリダイゼーションしているか否かの結果を容易に確認できるように下記のように適当な標識をしておくことが好ましい。該標識方法としては特に限定されるものではないが、例えば放射性同位元素、蛍光物質、化学発光物質、適当な抗体により認識される抗原等の物質を使用することができる。また、核酸試料を認識することなくハイブリダイゼーションを行い、その後に蛍光、化学発光を発するインターカレーター物質を使用してもよい。特に限定はされないが、例えばCy5標識(アマシャム バイオサイエンス社製)あるいはCy3標識(アマシャム バイオサイエンス社製)が好適に使用できる。
こうして得られた核酸試料と上記DNAアレイ上のDNAとのハイブリダイゼーションは、公知の方法で実施することができる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄工程は、DNAアレイ上のDNAの鎖長等に応じて最適な条件で行なうことは当然であるが、例えばモレキュラー クローニング、ア ラボラトリーマニュアル(Molecular cloning, A laboratory manual)、第2版、第9.52〜9.55頁(1989)に記載の条件で行なうことができる。
被験物質あるいは内分泌かく乱物質を含んだ試料と接触させた細胞、組織または生物体由来の核酸試料と対照の核酸試料とのハイブリダイゼーションの結果を比較することにより、両者でシグナルの強度に有意な差のある遺伝子を検出することができる。具体的には、上記の方法で標識された遺伝子がハイブリダイズしたアレイについて放射能、蛍光、発光等のシグナル強度を専用測定器、例えばクロマトスキャナーもしくはイメージアナライザー等を用いて検出することによって、そのシグナル強度の差から当該内分泌かく乱物質の影響により、その発現量が有意に変化する遺伝子を検出することができる。
また、複数の標識、例えば2種類の蛍光を検出することができる多波長検出蛍光アナライザーを用いれば、被験物質、内分泌かく乱物質あるいは対照(コントロール)と接触させた細胞、組織または生物体由来の核酸試料と対照の核酸試料との遺伝子発現の差を同じDNAアレイ上で比較することができる。例えば、内分泌かく乱物質と接触させた細胞由来の核酸試料はCy3―dUTPで蛍光標識し、対照の核酸試料はCy5−dUTPで蛍光標識する。両者を等量混合して本発明のDNAアレイとハイブリダイゼーションを行なうことで両者の遺伝子発現の差を色の違いとして検出することができ、その結果から被験物質の有する内分泌かく乱作用をDNAアレイに搭載した核酸に対応する遺伝子の発現量の有意な変化として数値化することができる。
さらに上記の方法で得られた発現パターンを、既知の内分泌かく乱物質のそれと比較することにより被験物質の内分泌かく乱作用を数値化し、解析することができる。
本発明の方法によって、被験物質の有する内分泌かく乱作用を遺伝子の発現パターンとして、さらに遺伝子的なシグナル伝達経路のパターン変化として認識することができる。また、本発明の方法においては、従来知られていない新しいシグナル伝達経路のパターン変化を検出することもできる。
(3)本発明の内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質を検出する方法
本発明の方法は、
(a)細胞に被験物質を接触させる工程、
(b)工程(a)で得られた細胞よりRNAを単離する工程、
(c)工程(b)で得られたRNAもしくは該RNAを鋳型として調製した核酸とDNAアレイとのハイブリダイゼーションを行い、被験物質で処理した細胞における遺伝子の核酸の発現パターンを解析する工程、ここで前記DNAは、上記(1)記載のDNAアレイであって、
(d)工程(c)で得られた結果と既知の内分泌かく乱物質で処理した場合の遺伝子の発現パターンとを比較することにより、内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質を検出することを特徴とする。
本発明の方法においては、あらかじめ既知の内分泌かく乱物質の内分泌かく乱作用を本発明のDNAアレイで解析した結果と内分泌かく乱を引き起こす物質が含有されている可能性のある試料を用いて得たDNAアレイ解析結果を比較解析することにより、内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質を検出することができる。あるいは、未知試料中の内分泌かく乱作用を有する物質の存在を解析することができる。
(4)本発明の核酸増幅方法を利用した内分泌かく乱作用を解析する方法
本発明の方法は、被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析する方法であって、下記工程を包含することを特徴とし、
(a)細胞と被験物質を接触させる工程、
(b)工程(a)で得られた細胞ならびに被験物質と接触していない細胞よりそれぞれRNAを単離する工程、および
(c)工程(b)で得られたRNAもしくは該RNAを鋳型として調製した核酸を鋳型として核酸増幅反応を行い、標的核酸の量を定量する工程、ここで前記標的核酸は、下記遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片であることを特徴とする。
(1)CDC6_(cell division cycle 6, S. cerevisiae) homolog(GenBank Accession:NM_001254)
(2)procollagen-lysine,_2-oxoglutarate 5-dioxygenase (lysine hydroxylase) 2 (GenBank Accession:NM_000935)
(3)cyclin_D1 (PRAD1: parathyroid adenomatosis 1) (GenBank Accession:NM_053056)
(4)nuclear_autoantigenic sperm protein (histone-binding) (GenBank Accession:NM_002482)
(5)trophoblast_glycoprotein (GenBank Accession:NM_006670)
(6)neural_precursor cell expressed, developmentally down-regulated 4-like (GenBank Accession:AB_007899)
(7)BCL2-antagonist/killer 1 (GenBank Accession:NM_001188)
(上記遺伝子名については、UniGene NameとGenBank Nameが異なるときは、UniGene Nameを記載している。)
本発明の方法において標的核酸は、上記7遺伝子にさらに別の遺伝子を加えて、実施例3の表32〜表33に記載の36遺伝子、実施例5の表74に記載の26遺伝子を使用してもよい。さらに、実施例4の表54〜表73に記載の遺伝子群から選択された遺伝子の塩基配列を有する核酸またはその断片を組み合わせて使用してもよい。
本発明において標的核酸は、上記遺伝子あるいはその一部の断片のいずれであってもよい。上記標的核酸を増幅するためのプライマーは、上記遺伝子のGenBank Accession No.から得られた塩基配列をもとに市販のプライマー構築ソフトを用いて選択したプライマーが好適に使用できる。特に限定はされないが、例えば配列表の配列番号1〜72記載の塩基配列を有するプライマーを用いることができる。前記プライマーの組み合わせについては、実施例3の表32〜表33に記載した組み合わせが好適である。また、上記核酸増幅方法には、特に限定はなく、PCR法、RT−PCR法、ICAN法、LAMP法、SDA法、TMA法、NASBA法等のいずれもが好適に使用できる。
本発明の方法の一態様としては、内分泌かく乱物質の影響を受けていることが確認できた遺伝子のmRNAの競合RT−PCRあるいはリアルタイムPCRにより実施することができる。その場合、上記プライマーの組み合わせを用いることができ、その増幅結果から影響を受けている遺伝子の発現の度合いを定量的に測定することができる。
上記リアルタイム検出においては、インターカレーターによる検出、TaqManプローブによる検出、DNA−RNA−DNAキメラプローブの開裂反応による検出等の方法が使用できる。
以上のように本発明の内分泌かく乱物質の影響を受ける遺伝子の組み合わせは、その発現パターンの解析により被験物質の内分泌かく乱作用の有無の評価を容易にすることができる。
また、本発明の遺伝子の組み合わせは、バイオマーカーとして有用であり、該遺伝子あるいはその断片を搭載したDNAアレイ解析方法あるいは、該遺伝子又はその一部を標的核酸とした定量核酸増幅方法として使用でき、これらの方法から、新規の内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質を検出・同定する事ができる。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1 エストロゲン増殖アッセイによる被験物質の作用濃度の検討
(1)細胞の調製
被験物質と接触させるための細胞の調製は以下のようにして行った。まず、MCF7細胞(American Type Culture Collection社製)とT−47D細胞(American Type Culture Collection社製)を、フェノールレッドを含むDulbecco’s modification of Eagle’s medium(DMEM)培地に10%牛胎仔血清fetal calf serum(FCS)およびpenicillin−streptomycin mixture(BioWhittaker社製)を添加した培地(血清培地)を用いて行い、37℃、飽和湿度、5%二酸化炭素/95%空気の条件で培養した。また、被験化合物を添加し遺伝子発現への影響を調べる実験に用いた培地は、フェノールレッドを含まないDMEM培地に5%のDC−FCS、2mMのグルタミンおよびpenicillin−streptomycin mixtureを添加した培地(無血清培地)を用いた。ここで用いたDC−FCSとは、Charcoal−dextran処理血清のことであり、血清中に含まれるステロイドホルモン類を除去したFCSのことである。調製は、500mlの血清に対して、25gのCharcoal−activatedと2.5gのDextranを使用して調製した。すなわち、25gのCharcoal−activatedを蒸留水で洗浄し、ブフナーロートでろ過する操作を2回繰り返し、次に500mlの血清の入ったボトルに、洗浄したCharcoal−activatedと2.5gのDextranを入れ、途中で何回か振り混ぜながら、一晩静置した。その後、2000rpmで20分間遠心を行い、上清を回収した。これをフィルター滅菌した後、−20℃で凍結保存した。
(2)被験物質の作用濃度の設定
DNAチップの実験に用いるRNAを調製するための被験物質の濃度を決めるために、Environ Health Perspect 1995; 103 Suppl7: 113-122 記載のSotoらの試験方法を参考にMCF7とT−47D細胞を用いて行った。
すなわち、上記(1)で血清培地で一定期間培養したMCF7細胞またはT−47D細胞をPBSで洗浄してからトリプシン処理し遠心分離機で細胞を回収後(1000rpm、3分間)、無血清培地で細胞の洗浄を行った。その後、無血清培地でパスツールピペットを用いて単細胞になるまで懸濁し、4×10cell/wellとなるように96ウェルプレートに細胞を添加し24時間前培養を行った。これらの培地を除去後、各々定められた濃度となるようにDMSOに溶解した被験12物質および5種類の対照化合物を無血清培地にDMSO濃度が0.1%の持込となるように添加し、さらに6日間の培養を行った。被験12物質および5種類の対照化合物の細胞に添加する濃度は、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、オクタクロロスチレン(OCS)は、溶解性の問題からそれぞれ50μM、25μMを上限とし、希釈して用いた。また、作用の強さからEとDESは5nMに、EEは1nMを上限として用いた。その他の化合物は、終濃度100μMの溶液が上限となるように希釈して用いた。
細胞の増殖は、tetrazolium(MTT)の細胞への取り込みをDMSOで溶解後、比色計で測定した。なお、細胞の増殖率は被験物質を加えず(無処理)に6日間培養したときの細胞数を100%とした。
濃度設定の基準は、細胞の増殖作用が認められるものについてはその作用が明らかに確認できる濃度とし、それ以外の物質については被験物質添加24時間後の所見で細胞毒性が認められなかった濃度で一番高い濃度に設定した。そのヒト乳癌由来細胞であるMCF7を用いた細胞増殖試験の結果を図1、図2に示す。また、T−47Dを用いた細胞増殖試験の結果を図3、図4に示す。
図1〜図4のグラフにおいて、縦軸は細胞増殖能(%)を示し、横軸は被験物質の濃度(M)を示す。上記グラフに示したように、エストロゲン増殖アッセイ終了時点で、陽性対照化合物であるE、EE、DES以外に、ベンゾフェノン(BP)において、両方の細胞で用量依存的に細胞増殖が認められた。MCF7ではオクチルフェノール(OP)、4−ノニルフェノール(NP)、フタル酸ジ−n−ブチル(DBP)、DCHPおよびフタル酸ブチルベンジル(BBP)において弱いながら細胞増殖する傾向が認められた。特にフタル酸類は10μM以上の濃度でこの作用が認められた。また、T−47DではOP、NPおよびBBPにおいてMCF7と比較して強く反応する傾向がみられた。一方、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、トリブチルスズ(TBT)、トリフェニルスズ(TPT)およびOCSにはまったく細胞増殖が認められなかった。他にフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ジエチル(DEP)およびプロピオン酸テストステロン(TP)についても試験を行った。
上記結果を踏まえ、MCF7およびT−47Dにおいて設定したそれぞれの被験物質の作用濃度を表1および表2に示す。濃度設定の基準は、細胞の増殖作用が認められるものについては、その作用が明らかに確認できる濃度とし、それ以外の物質については被験物質添加24時間後の所見で細胞毒性が認められなかった濃度で一番高い濃度とした。
Figure 2005341804
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実施例2 ヒト乳癌細胞MCF7およびT−47Dを用いた遺伝子の解析
以下の方法によりMCF7細胞およびT−47D細胞から標識核酸プローブを調製した。
(1)活性炭処理した牛胎仔血清の調製
活性炭処理した牛胎仔血清の調製は、セル、第10巻、35−44頁(1977)記載のStanleyらの方法に従って行った。すなわち、非動化牛仔児血清(56℃,30分間処理したもの)500mlに活性化した活性炭(活性炭25gを蒸留水中で撹拌後、濾紙でろ過したもの)を5(w/v)%の濃度及びDextranを0.5(w/v)%となるように添加した。この溶液を数回撹拌後4℃で終夜放置する。その後、遠心分離(200rpm,20分間)で上清を回収し濾紙でろ過した。そして、これをフィルター(0.22μm)滅菌し、−20度で保存した。
(2)細胞の培養
細胞の培養は、phenol redを含まないDulbecco’s modification of Eagle’s medium (DMEM)培地に2mMのL−グルタミンおよびpenicillin−streptomycin(500U/ml,500μg/500ml)を添加した培地(無血清培地)を用いて行い、37℃、飽和湿度、5%の二酸化炭素/95%空気の条件で培養した。MCF−7細胞の場合は5日間、T−47D細胞の場合は4日間プレインキュベートし3つの陽性対照物質(E、EE、DES)及び被験物質、さらにTPと陰性対照物質としてカナマイシン(KM、20μM)を添加した。また、3つの陽性対照物質及び被験物質の処理時間は、直接エストロゲンレセプターを介して変動する遺伝子を検出すること、および培養細胞株(MCF−7細胞)において6−8時間処理で多くの変動遺伝子が観測されたことから、6時間と設定した。
DNAチップを用いて実験を行うためのMCF−7細胞の大量培養は、血清培地で一定期間培養したMCF−7細胞をトリプシン処理し遠心分離で細胞を回収後(1000rpm、1min)、無血清培地で細胞の洗浄を行った。その後、無血清培地でパスツールピペットを用いて単細胞になるまで懸濁し、1×10個/プレートとなるように10cmの培養プレートに調製し3日後に培地を交換後、さらに2日間培養を行った。そして培地を回収後、各々の濃度となるようにジメチルスルホキシドに溶解した試験試薬を無血清培地に0.1%の持ち込みとなるように添加し6時間培養を行った。そして、これらの細胞をPBSで洗浄後トリプシン処理し遠心分離(1000rpm、3min)で細胞の回収を行った。
T−47D細胞の培養は、血清培地で一定期間培養したT−47D細胞をトリプシン処理し遠心分離で細胞を回収後(1000rpm、3min)、無血清培地で細胞の洗浄を行った。その後、無血清培地でパスツールピペットを用いて単細胞になるまで懸濁し、1×10個/プレートとなるように10cmの培養プレートに調製し4日間培養を行った。そして培地を回収後、各々の濃度となるようにジメチルスルホキシドに溶解した試験試薬を無血清培地に0.01%の持ち込みとなるように添加し6時間培養を行った。そして、これらの細胞をPBSで洗浄後トリプシン処理し遠心分離(1000rpm、3min)で細胞の回収を行った。
(3)細胞からのRNA抽出、T7−based RNA増幅によるaRNAの取得とプローブの調製
上記細胞からのトータルRNAの回収は、StrataPrep(ストラタジーン社製)を用いて行った。ここで得られたトータルRNAの濃度は、OD260280で調べた。10cmの培養プレートからtotal RNAの回収を行った結果、培養プレート1枚あたりからMCF−7細胞では11〜15μgおよびT−47D細胞からは20〜29μgのトータルRNAが回収された。
各被験物質と接触させた細胞から回収したトータルRNA1μgにT7プロモータ配列を付加したOligo(dT)プライマー(タカラバイオ社製)を添加し、70℃で5分熱処理した後に氷上で急冷を行った。その後、5×M−MLV buffer、dNTP混合物、Ribonuclease inhibitor、逆転写酵素M−MLV(いずれもタカラバイオ社製)を加えて20μlとした後、42℃で60分インキュベートを行い1st strand cDNA溶液とした。
上記1st strand cDNA溶液に5×2nd reaction buffer、dNTP混合物、DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ、RNaseH(いずれもタカラバイオ社製)を加えて150μlとした後、16℃で120分インキュベートを行った。その後、この溶液に50μlの10M 酢酸アンモニウムを加えた後、等量のクロロホルム:イソアミルアルコール(=24:1)を加え、撹拌後、遠心分離を行い、水層を回収した。この水層に2.5倍量のエタノールを加えエタノール沈殿を行った後、DEPC処理水に溶解し2nd strand cDNA溶液とした。
2nd strand cDNA溶液に10×reaction buffer、NTP混合物、T7 RNAポリメラーゼ、Ribonuclease inhibitor(いずれもタカラバイオ社製)を加えて20μlとした後、37℃で4時間インキュベートを行った。その後、この溶液に800μlのISOGEN(ニッポンジーン社製)、200μlのクロロホルムを加え、撹拌後、遠心分離を行い、水層を回収した。この水層に等量のイソプロパノールを添加しイソプロパノール沈殿を行った後、DEPC処理水に溶解しaRNA溶液とした。得られたaRNAの濃度は、一部をとりOD260とOD280を測定することにより、また純度はOD260/280の比より算出した。
MCF7細胞またはT−47D細胞から調製した比較する2種のaRNA2μgとランダム(6mer)プライマーを70℃で5分熱変性した後に氷上で急冷を行った。次に、M−MLV buffer、dNTP混合物、Ribonucrease inhibitor、逆転写酵素M−MLVを加えて全量を20μlとした後、42℃で60分間インキュベートを行った。ここで、コントロール群はCy3標識、テスト群はCy5標識した。これらの標識プローブを、70℃で10分間熱処理した後にCentriSep(ミリポア社製)を用いて精製を行った。そして、Cy3標識したプローブとCy5標識したプローブを混合後、DEPC処理水で100μlとし等量のクロロホルム:イソアミルアルコール(=24:1)を加え、ボルテックスで撹拌後、遠心分離を行い、水層を回収した。この水層に5×Competitor I(Human、タカラバイオ社製)を添加しエタノール沈殿を行い10μlのハイブリダイゼーション溶液に溶解し、これをプローブ溶液とした。
(4)DNAチップを用いた遺伝子の解析
上記プローブ溶液を95℃で2分間処理し熱変性を行った後、室温で数分間インキュベートした。この溶液を遠心分離(14500rpm、10min、20℃)し沈殿物の除去を行った。次に、DNAチップ用カバーガラス(タカラバイオ社製)を載せたDNAチップ(IntelliGene Human DNA chip、タカラバイオ社製)に、この溶液を流し込みハイブリダイゼーションチャンバーで65℃にて、終夜ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション終了後、DNAチップに被せているDNAチップ用カバーガラスを2×SSC溶液中で静かにはがし、2×SSC/0.2%SDS溶液中で55℃、5分間の洗浄を2回、続いて2×SSC/0.2%SDS溶液中で65℃、5分間の洗浄を行った。そして、0.05×SSC溶液中でリンスを行い、遠心(1000rpm、3min)し、DNAチップを乾燥させた。このDNAチップをAffymetrix 428 Array Scanner(Affymetrix社製)を用いて各スポットのCy3、Cy5それぞれの蛍光強度を測定した。
Affymetrix 428 Array Scannerを用いて比較する2種(コントロール:Cy3画像、テスト:Cy5画像)のスキャンした画像をImaGene 4.2(Biodiscovery社製)に取り込ませ、これらの画像を重ね合わせた(False Cover Overlay)。そして、各スポットの位置を指定し(グリッディング)、スポットシグナルを数値化した。これらのデータを用いて遺伝子発現レベルの比較を行うためにすべての遺伝子のシグナルを用いて標準化(Global Normalization)を行った後、コントロールと比較したとき遺伝子の発現(または抑制)比が2倍以上(または1/2以下)見られた遺伝子、さらに1.5倍以上(または1/1.5以下)みられた遺伝子について表3〜表31に示す。実験は、N1、N2の2回実施し、その平均値を示した。ここで、シグナルの有効値は、(Signal mean)−(Background mean)>2×(Background SD)を採用した。
すなわち、乳癌細胞株であるMCF7およびT−47D細胞において、エストロゲン作用陽性化合物である17β−エストラジオール(E)、エチニルエストラジオール(EE)、ジエチルスチルベストロール(DES)のいずれかの作用で遺伝子発現に変動がみられたものであり、MCF7で発現が促進された遺伝子を表3〜表9に、MCF7で発現が抑制された遺伝子を表10〜表14に、T−47Dで発現が促進された遺伝子を表15〜表18に、T−47Dで発現が抑制された遺伝子を表19〜表31に示す。
Figure 2005341804
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実施例3 リアルタイムPCRによる遺伝子発現の確認
実施例2で得られた内分泌かく乱作用を受ける遺伝子について、別法によっても同様の結果が得られるかどうかについて検討した。別法としては、リアルタイムPCR法を用いた。対象となる遺伝子は、DNAチップの結果より、エストロゲン陽性対照化合物であるE、DESおよびEEにおいて特異的に発現すると考えられた36の遺伝子を選別した。選別の基準については、MCF7とT−47D細胞を用いたDNAチップ解析は、これまでにEを作用させた試験を5回、EEでは3回、DESでは2回おこなった。これらの結果より再現性よく遺伝子の発現変動がみられたと判断されたもので、DNAチップ解析のシグナル強度が平均値の10%以上であったものを選別した(表32、表33)。表32、表33において、実施例2で発現が認められた遺伝子について、MCF7、T−47Dの欄に○印で示した。また、Gene nameは、Uni Geneデータベース由来の遺伝子についてはUni Geneデータベースに表示の遺伝子名を、(Uni Gene)として表示し、それ以外の遺伝子については、GenBankデータベースに表示の遺伝子名を示した。
Figure 2005341804
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リアルタイムPCRに用いるプライマーの設計は次のように行った。まず、DNAチップ解析の結果、発現に変動が認められた遺伝子についてGeneBankのAccession numberより塩基配列を検索した。次にPCRによる増幅領域が150〜200bp程度になるように、塩基配列より増幅しやすい領域を選択し、その5’末端と3’末端に20塩基程度のプライマーを設定して、合成DNA機を用いてプライマーを合成した。調製したプライマーを配列表の配列番号1〜72に示す。リアルタイムPCRを行うためのテンプレートとなるトータルRNAは、実施例2記載の方法で調製したものを用いた。
トータルRNAをテンプレートに用いたリアルタイムPCRは、Real Time One Step RNA PCR Kit(タカラバイオ社製)を用いて行った。まず、スマートサイクラー反応チューブ(タカラバイオ社製)を予め冷やしておき、10×Real Time RNA PCR Buffer、25mM MgCl、10mM dNTP混合物、RNase Inhibitor(40U/μl)、Forward Primer(20μM)、Reverse Primer(20μM)、SYBR Green I、逆転写酵素(AMV;5U/μl)、TaKaRa Ex Taq R−PCR(5U/μl)および適量のdHOを加えて一定量とする。最後に上記のように調製したテンプレートを加えて、混合した後、スマートサイクラーに入れて反応をスタートした。反応条件は、50℃ 10minで逆転写反応を行った後、95℃ 30secで逆転写酵素を失活させる。続けて94℃ 10secと65℃ 20secおよび72℃ 30secを1サイクルとする30サイクル反応を行った。
まず、通常のRT−PCRを行い、それぞれのトータルRNAをテンプレートに用いて増幅を行って、RT−PCRの条件を検討した。RT−PCRに用いるプライマーの組み合わせと対象遺伝子の関係について表32、表33に示す。次に、それぞれの化合物を反応させた乳癌細胞より得られたトータルRNAをテンプレートに用いてリアルタイムPCRを行った結果を表34〜表39(MCF7細胞)と表40〜表45(T−47D細胞)に示す。
Figure 2005341804
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表34〜表45に示したように、2回のDNAチップの結果N1とN2と、トータルRNAをテンプレートに用いたリアルタイムPCRの結果が、よく相関していた。特に、T−47D細胞を用いた場合には、発現比率が0.666以下や1.5以上の遺伝子についても非常に高い相関性がみられた。
また、一部の遺伝子についてaRNAをテンプレートに用いたリアルタイムPCRを行った。aRNAをテンプレートに用いた場合にもDNAチップの結果と高い相関性がみられた。さらに、トータルRNAをテンプレートに用いた場合には、ほとんど変動が認められなかったものが、aRNAをテンプレートに用いた場合に発現変動が確認され、DNAチップの結果と一致したものが幾つか存在した。これはトータルRNAを用いた場合にはターゲットとなる遺伝子が、わずかにしか存在せず検出できなかったものが、aRNAを用いたことにより増幅されて検出が可能になったと考えられた。
実施例4 リアルタイムPCRで確認できた遺伝子における他の被験物質の挙動の評価
リアルタイムPCRで信頼性を確認できた遺伝子について、陽性対照化合物であるE、DESおよびEEと、OPおよびNPに着目し、これら5化合物のうち、3つ以上の化合物の作用で発現が変動した遺伝子を選択した。MCF7で発現が促進された遺伝子を表46、表47に、MCF7で発現が抑制された遺伝子を表48、表49に、T−47Dで発現が促進された遺伝子を表50、表51に、T−47Dで発現が抑制された遺伝子を表52、表53に示す。
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上記遺伝子について、他の被験物質の作用による挙動を実施例2記載の方法で比較した。その結果、MCF7およびT−47Dの両細胞でBBP、BPおよびDBPにおいてエストロゲン様作用の陽性対照化合物とよく似た挙動を示すことが明らかとなった。一方、TPにはこのような作用は認められなかった。また、DNAチップ解析の結果、遺伝子の発現比率が2.0以上または0.5以下のものについて同様に、E、DESおよびEEと、OPおよびNPに着目し、これら5化合物のうち、3つ以上の化合物の作用で発現が変動した遺伝子についても以下に示す。すなわち、MCF7で発現が促進された遺伝子を表54〜表57に、MCF7で発現が抑制された遺伝子を表58〜表65に、T−47Dで発現が促進された遺伝子を表66〜表67に、T−47Dで発現が抑制された遺伝子を表68〜表73に示す。
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上記遺伝子についてもMCF7及びT−47Dの両細胞でBBP、BPおよびDBPにおいてエストロゲン様作用の陽性対照化合物とよく似た挙動を示すことが確認できた。また、TPにはこのような作用は認められなかった。
実施例5
(1)被験物質Eによる処理時間の検討
実施例1−(1)で調製したMCF7と被験物質のE、EE、DES、BBP、BP、OPを使用した。被験物質は、高純度のジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解したstock solutionとして調製し、使用時に培地で希釈することによりDMSOの最終濃度が0.1%となるようにした。細胞に添加する被験物質Eの濃度は、1pM、10pM、0.1nM、1nM、及び5nMになるように調製した。
まず始めに、MCF7細胞へのエストロゲン陽性対象物質17β−エストラジオール(E)の曝露時間を検討した。すなわち、各濃度のEを使用し、曝露時間は、1、2、6、12、24時間の処理時間とした。一方、DNAチップ解析のためのコントロールは、同時間同濃度(終濃度0.1%)のDMSOで処理された細胞を使用した。また、細胞への処理からDNAチップ解析までの一連の実験を2回繰り返して行なった。その結果、E曝露による発現変動遺伝子数は、時間経過とともに増加を示した。
この発現変動遺伝子のうち、約100種類の遺伝子を抽出し、各遺伝子の時間経過にともなう発現変動のパターンをマイクロアレイデータ解析ソフトウエア ジーンスプリングまたは、GeneSightを用いて解析した結果、階層型クリスタリングにより大きく8種類のグループに分かれた。そのうち3グループは発現抑制を起こす遺伝子群であり、曝露初期の段階から抑制されるグループ(グループB)、後期段階から抑制されるグループがあった(グループA)。また、発現が誘導されるグループは、5グループの遺伝子群に分かれた。初期段階から誘導されるグループ(グループC)や後半において誘導されるグループ等(グループH)に分かれた。これらのグループのなかで、特に、ある時間において発現変動が大きく変わる遺伝子は存在せず、時間経過とともに変動が大きくなる傾向が見られた。さらに、これらのグループに属している遺伝子群の機能を検討するため、各遺伝子をGene Ontology Consortium(http://www.geneontology.org)による分類区分にしたがって分類した。特徴的な機能を含むグループとして、グループA、F、Hが見出された。前記グループHは転写因子である「transcription regulator」を多く含み、グループAは「ligand binding or carrier」と「signal transducer」に関係する遺伝子が多いことが確認できた。また、曝露時間も12時間以上が好適であることが確認できた。上記12時間の曝露処理した細胞について実施例2−(2)〜(4)記載の方法で発現変動遺伝子を解析した。
(2)E以外の被験物質による曝露処理
上記(1)の結果をもとにして、E以外の被験物質について検討した。使用した化合物は、エチニルエストラジオール(EE)、ジエチルスチルベストロール(DES)、ビスフェノールA(BPA)、フタル酸ベンジル−n−ブチル(BBP)、ベンゾフェノン (BP)、4−オクチルフェノール(OP)である。曝露時間は12時間とした。また使用濃度は、EEは10pMと1pM、DESは100pMと10pM、BPAは10μMと1μM、BBPは10μMと1μM、BPは10μMと1μM、OPは1μMと0.1μMについて検討した。これらの被験物質について、上記(1)の場合と同様の方法で発現変動遺伝子の解析を行った。解析方法は、実施例2記載の方法と同様にした。E、EE、DES、BPA、BBP、BP、OPのいずれかで発現変動する特徴的な遺伝子の解析結果について表74に示す。
Figure 2005341804
(2)発現変動遺伝子の解析
実施例3の表32〜33に記載の36遺伝子、ならびに上記(1)の表74記載の26遺伝子についてさらに比較検討した。その結果、表75に示す7遺伝子が重複していることが確認された。すなわち、例えば当該7遺伝子を固定化したDNAアレイあるいは当該7遺伝子を増幅するためのプライマー対でRT−PCRを行うことにより、内分泌かく乱作用を精度よく解析できる。
Figure 2005341804
表75に示した7遺伝子を含む遺伝子群を内分泌かく乱物質の検出に利用することが好適であることが示唆された。
以上のように、本発明により被験物質の有する内分泌かく乱作用にの解析のためのDNAマイクロアレイが提供される。本発明のDNAアレイを用いることにより、既知の内分泌かく乱物質と同等の内分泌かく乱作用を有する未知物質を同定することができる。
本発明における、MCF7を用いた細胞増殖試験の結果である。 本発明における、MCF7を用いた細胞増殖試験の結果である。 本発明における、T−47Dを用いた細胞増殖試験の結果である。 本発明における、T−47Dを用いた細胞増殖試験の結果である。
SEQ ID NO:1; Designed oligonucleotide primer to amplify a GenBank accession AF010316 gene
SEQ ID NO:2; Designed oligonucleotide primer to amplify a GenBank accession AF010316 gene
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SEQ ID NO:8; Designed oligonucleotide primer to amplify a GenBank accession NM_006764 gene
SEQ ID NO:9; Designed oligonucleotide primer to amplify a GenBank accession NM_004448 gene
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SEQ ID NO:14; Designed oligonucleotide primer to amplify a GenBank accession X00474 gene
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SEQ ID NO:57; Designed oligonucleotide primer to amplify a GenBank accession NM_000877 gene
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SEQ ID NO:59; Designed oligonucleotide primer to amplify a GenBank accession AF044209 gene
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SEQ ID NO:69; Designed oligonucleotide primer to amplify a GenBank accession U33635 gene
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SEQ ID NO:71; Designed oligonucleotide primer to amplify a GenBank accession AF130111 gene
SEQ ID NO:72; Designed oligonucleotide primer to amplify a GenBank accession AF130111 gene

Claims (4)

  1. 被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析するためのDNAアレイであって、前記DNAアレイ上の核酸は、下記遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片からなることを特徴とするDNAアレイ。
    (1)CDC6_(cell division cycle 6, S. cerevisiae) homolog(GenBank Accession:NM_001254)
    (2)procollagen-lysine,_2-oxoglutarate 5-dioxygenase (lysine hydroxylase) 2 (GenBank Accession:NM_000935)
    (3)cyclin_D1 (PRAD1: parathyroid adenomatosis 1) (GenBank Accession:NM_053056)
    (4)nuclear_autoantigenic sperm protein (histone-binding) (GenBank Accession:NM_002482)
    (5)trophoblast_glycoprotein (GenBank Accession:NM_006670)
    (6)neural_precursor cell expressed, developmentally down-regulated 4-like (GenBank Accession:AB_007899)
    (7)BCL2-antagonist/killer 1 (GenBank Accession:NM_001188)
  2. 被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析する方法であって、下記工程を包含することを特徴とし、
    (a)細胞と被験物質を接触させる工程、
    (b)工程(a)で得られた細胞ならびに被験物質と接触していない細胞よりそれぞれRNAを単離する工程、および
    (c)工程(b)で得られたRNAもしくは該RNAを鋳型として調製した核酸とDNAアレイとのハイブリダイゼーションを行い、対照と比較して被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析する工程、ここで前記DNAアレイ上の核酸は、下記遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片からなることを特徴とする方法。
    (1)CDC6_(cell division cycle 6, S. cerevisiae) homolog(GenBank Accession:NM_001254)
    (2)procollagen-lysine,_2-oxoglutarate 5-dioxygenase (lysine hydroxylase) 2 (GenBank Accession:NM_000935)
    (3)cyclin_D1 (PRAD1: parathyroid adenomatosis 1) (GenBank Accession:NM_053056)
    (4)nuclear_autoantigenic sperm protein (histone-binding) (GenBank Accession:NM_002482)
    (5)trophoblast_glycoprotein (GenBank Accession:NM_006670)
    (6)neural_precursor cell expressed, developmentally down-regulated 4-like (GenBank Accession:AB_007899)
    (7)BCL2-antagonist/killer 1 (GenBank Accession:NM_001188)
  3. 内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質を検出する方法であって、下記工程を包含することを特徴とし、
    (a)細胞に被験物質を接触させる工程、
    (b)工程(a)で得られた細胞よりRNAを単離する工程、
    (c)工程(b)で得られたRNAもしくは該RNAを鋳型として調製した核酸とDNAアレイとのハイブリダイゼーションを行い、被験物質で処理した細胞における遺伝子の発現パターンを解析する工程、ここで前記DNAアレイ上の核酸は、下記遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片からなり、
    (1)CDC6_(cell division cycle 6, S. cerevisiae) homolog(GenBank Accession:NM_001254)
    (2)procollagen-lysine,_2-oxoglutarate 5-dioxygenase (lysine hydroxylase) 2 (GenBank Accession:NM_000935)
    (3)cyclin_D1 (PRAD1: parathyroid adenomatosis 1) (GenBank Accession:NM_053056)
    (4)nuclear_autoantigenic sperm protein (histone-binding) (GenBank Accession:NM_002482)
    (5)trophoblast_glycoprotein (GenBank Accession:NM_006670)
    (6)neural_precursor cell expressed, developmentally down-regulated 4-like (GenBank Accession:AB_007899)
    (7)BCL2-antagonist/killer 1 (GenBank Accession:NM_001188)
    、および
    (d)工程(c)で得られた結果と既知の内分泌かく乱物質で処理した場合の遺伝子の発現パターンとを比較することにより、内分泌かく乱を引き起こす可能性のある物質を検出する方法。
  4. 被験物質の有する内分泌かく乱作用を解析する方法であって、下記工程を包含することを特徴とし、
    (a)細胞と被験物質を接触させる工程、
    (b)工程(a)で得られた細胞ならびに被験物質と接触していない細胞よりそれぞれRNAを単離する工程、および
    (c)工程(b)で得られたRNAもしくは該RNAを鋳型として調製した核酸のいずれかを鋳型として核酸増幅反応を行い、標的核酸の量を定量する工程、ここで前記標的核酸は、下記遺伝子の塩基配列を有する核酸又はその断片であることを特徴とする方法。
    (1)CDC6_(cell division cycle 6, S. cerevisiae) homolog(GenBank Accession:NM_001254)
    (2)procollagen-lysine,_2-oxoglutarate 5-dioxygenase (lysine hydroxylase) 2 (GenBank Accession:NM_000935)
    (3)cyclin_D1 (PRAD1: parathyroid adenomatosis 1) (GenBank Accession:NM_053056)
    (4)nuclear_autoantigenic sperm protein (histone-binding) (GenBank Accession:NM_002482)
    (5)trophoblast_glycoprotein (GenBank Accession:NM_006670)
    (6)neural_precursor cell expressed, developmentally down-regulated 4-like (GenBank Accession:AB_007899)
    (7)BCL2-antagonist/killer 1 (GenBank Accession:NM_001188)
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