JP2005341239A - Ask受信機 - Google Patents

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Hiroshi Masumoto
博 増本
Junichi Kimura
淳一 木村
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Abstract

【課題】 受信信号電界が大きな場合においても復調信号を二値化する際、デュ−ティ比の劣化を低減することが困難であった。
【解決手段】 ASK受信機は、受信信号を対数検波する検波器11と、検波器の第1の出力信号が供給され、信号電圧を生成する第1の生成回路12,14と、前記検波器の第2の出力信号が供給され、前記第2の出力信号を平滑化し、リファレンス電圧を生成する第2の生成回路13,15と、第2の生成回路からのリファレンス電圧が第1の入力端に供給され、第1の生成回路からの信号電圧が第2の入力端に供給され、リファレンス電圧を基準として信号電圧を二値化する第1のコンパレータ16と、第1のコンパレータの第2の入力端と第1の基準電位端との間に接続され、第1のコンパレータの第1の入力端の電位に応じて前記二値化の基準レベルを相対的に変化させる制御回路17とを具備している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば狭域通信システム(以下、DSRCシステム;Dedicated Short Range Communication System と称す)に適用され、ASK復調器として対数検波器を用いたASK受信機に関する。
日本国内におけるDSRCシステムの無線装置には、ASK変復調方式が採用されており、その規格はARIB−STD−T75等に記載されている。DSRCシステムの無線装置に関する技術は、種々開発されている(例えば特許文献1を参照)。
DSRCシステムは、高速にデジタル信号を処理可能とするため、信号のアイ開口率が定められている。DSRCシステムにおけるアイ開口率は、観測波形の最大振幅をA、最小振幅をB、観測波形の振幅平均値(ゼロクロス時間幅)の最大値をC、最小値をDとし、振幅方向のアイ開口率は次式(1)で定められ、時間方向のアイ開口率は次式(2)で定められている。
2B/(A+B) …(1)
2D/(C+D) …(2)
DSRCシステムにおいて、これらアイ開口率は、それぞれ80%以上を満たさなければならない。
図5は、従来のASK受信機に適用されるデータスライサの一例を示している。
受信されたASK信号は、図示せぬ高周波回路、及びダウンコンバータを介して中間周波信号に変換される。この中間周波信号に変換された信号は、対数検波器としての例えばRSSI(Received signal Strength Indication)を用いたASK検波器(以下、RSSI検波器と称す)1により復調される。このRSSI検波器1の出力信号は、2系統に分割される。第1の出力信号は、抵抗2とコンデンサ4を介してコンパレータ6の非反転入力端に信号電圧として供給され、第2の出力信号は抵抗3とコンデンサ5を介してコンパレータ6の反転入力端にリファレンス電圧として供給される。抵抗2、コンデンサ4のCR積は、抵抗3、コンデンサ5のCR積に比べて十分小さく設定されている。このように設定することにより、コンパレータ6に入力される2系統の電圧に所要の電位差を生じさせることができる。コンパレータ6は、非反転入力端の電位が反転入力端の電位より高い場合、ハイレベルの信号を出力し、非反転入力端の電位が反転入力端の電位より低い場合、ローレベルの信号を出力する。このようにして、RSSI検波器1の出力信号が二値化される。
上記データスライサによって受信信号をデジタル信号に変換する時、時間方向のアイ開口率が劣化する。すなわち、DSRCシステムは、信号速度が1024kbpsと規定されており、信号電圧系統のCR積は、カットオフ周波数が1024kHz以下とならず、且つ1024kHzよりあまり大きくならないように調整されている。通常、カットオフ周波数fcは1024kHzの1.2〜1.3倍に設定される。例えば抵抗2の値を2kΩとし、カットオフ周波数fcを1024kHzの1.3倍とすると、カットオフ周波数fcは、
fc=1/2πCR
であるため、この式より、コンデンサ4の値は約60pFとなる。
一方、リファレンス電圧系統のカットオフ周波数fcは十分に小さいことが必要であり、信号電圧系統の1/10以下、すなわち、抵抗3の値を2kΩとすると、コンデンサ5の容量はコンデンサ4の容量の10倍以上に設定され、通常は1000pF程度に設定される。
さて、抵抗3とコンデンサ5によって生成されるリファレンス電圧は、RSSI検波器1の出力電圧の平均値となる。このため、RSSI検波器1の出力信号のデュ−ティ比は50%に近いことが望ましい。つまり、デュ−ティ比が50%であればその波形の平均値はほぼ振幅の中心となるため、データスライサは理想的な動作を行うことができる。
しかし、DSRCシステムにおいて、例えば移動局のビット誤り率(BER)は、空中線ボアサイト方向にて、−60.5dBm e.i.r.p.以上、−39.6dBm e.i.r.p.以下の入射電力で1×10−5以下であることが規定されている。つまり、20.9dB以上のダイナミックレンジが規格上要求されている。しかし、無線機としては上下5dB程度のマージンを見込んで30dB以上のダイナミックレンジを持っていることが必要である。この場合、受信機としてはAGC(Auto Gain Control)アンプなどを用いて、受信信号強度に応じて受信側の利得を制御することにより、ダイナミックレンジを確保する方法がある。しかし、AGCアンプは、DSRCシステムにおける応答速度の要求を満足することが困難である。すなわち、DSRCシステムにおいては、通信フォーマットに含まれる16ビットのプレアンブルの範囲内で、なるべく最初の数ビット以内に受信機がデータを取得できることが望ましい。
すなわち、プレアンブル信号は“1010…”というデータ列であり、16ビットのうち、8ビットでスタンバイし、後続のデータ信号を処理する必要がある。DSRCシステムにおいて、受信信号はASK信号であり、1ビットはほぼ1μsであり、16ビットのプレアンブル信号はほぼ16μsの期間を有している。このため、DSRCシステムでは、ほぼ8μsの間にスタンバイする必要がある。したがって、AGCアンプは、8μsの間にゲインを制御する必要がある。しかし、“1010…”というデータ列のASK信号は512kHzの信号である。このため、8μsの期間には、パルス信号が4周期しかない。しかし、電界強度を正確に検出してゲインを制御するにはパルス信号の周期をより多く確保する必要があるが、そのようにすると8μsの期間に受信機をスタンバイできなくなる問題がある。このため、受信機としては最初の数ビット内にデータを復調することが困難になる。
そこで、従来のASK受信機においては、プレアンブルを受信してからデータを復調するまでの時間を短くするために、図5に示すように、元々ダイナミックレンジの広いRSSI検波器が用いられることが多い。RSSIは一般に、受信信号強度を直流成分に変換しているが、受信信号がASK信号の場合、ASK信号の包絡線がRSSIの出力として得られるので、広いダイナミックレンジを持つASK復調器として活用できる。
しかし、図6にその特性を示すように、RSSI検波器は、受信信号強度の対数に対して出力信号が線形になるという問題がある。つまり、受信機に対して線形に入力される信号に対し、RSSIによるASK復調器を通過すると、その出力は対数圧縮されてしまう。
DSRCシステムにおける占有帯域幅は、5.8GHzのキャリア周波数に対して4.4MHzとなっており、4.4MHz帯域内に99%以上の信号電力を有するよう、発射する電波の帯域制限しなければならない。これは、受信するASK信号の包絡線は鈍っており、例えば“0101…”と規則的に繰り返される包絡線は正弦波に近いということを意味する。
例えばRSSI入力波形、つまり電波の包絡線を正弦波で表し、A+Bsin(X)とすると、RSSIの出力電圧は、次式(3)で表される。
αlog(A+Bsin(X)) …(3)
ここで、sin(X)=−1の時、すなわちlog(A−B)は実際の無線機においては0.1V程度であり、RSSIの出力電圧はこれ以下になることはない。つまり、A−B=δとすると式(3)は、次式(4)のように表される。
αlog(A+(A−δ)sin(X)) …(4)
実際の無線機においては、補正定数をkとするとαlogkδ=0.1であり、この時のδは40dBμV=0.0001V程度の値である。式(4)を無線機の実情に合わせるため、α=1とし、Aのダイナミックレンジを40dBとすると、次式(5)が得られる。
logk(A+(A−0.0001)sin(X))…(5)
ここで、k=12589.25、 0.0001<A<0.01
図7は、式(5)において、Aの値を変化した場合におけるRSSI検波器の出力電圧を示している。図7から明らかなように、正弦波の包絡線を持つ信号をRSSI検波器に供給すると、その出力信号は、入力電界が大きいほど波形が歪むこととなる。よって、波形全体の歪は入力電界が大きい時において顕著となり、ASK復調波形のデュ−ティ比が著しく損なわれることになる。
このように著しくデュ−ティ比が劣化した復調波形をコンパレータ6に入力すると、コンパレータ6から出力されるデジタル信号に変換された信号のデュ−ティ比は劣化する。
上式(2)により定義される時間方向のアイ開口率2D/(C+D)が80%以上を満足するためには、Dは40%以上50%以下、且つCは50%以上60%以下、つまりデュ−ティ比が40%から60%を満足していることが必要となる。
図7において、A=0.0005Vのように、入力電界が小さい条件において、デュ−ティ比が42.5%を確保できているのに対し、A=0.001Vのように、入力電界が大きい条件では、デュ−ティ比が40%となり、規格をかろうじて満足する。さらに、A=0.01Vのように、入力電界がさらに大きい条件では、デュ−ティ比が32.5%となり、規格を満足することが困難となる。
このように、従来のASK受信機は、受信時において、ダイナミックレンジを確保し、且つ高速な動作を可能とするためにRSSI検波器が用いられること多いが、この検波出力信号を二値化し、デジタル信号に変換する際、入力電界が大きいほど出力信号のデュ−ティ比が劣化する。デジタル信号に変換された信号のデュ−ティ比が劣化すると、受信データを処理する際、誤りの原因となる。このため、これを避けるための対策にコストがかかるという問題がある。
特開平11−353586号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、受信信号電界が大きな場合においても復調信号を二値化する際、デュ−ティ比の劣化を低減可能なASK受信機を提供しようとするものである。
本発明のASK受信機の態様は、受信信号を対数検波し、2系統に分割された第1、第2の出力信号を出力する検波器と、前記第1の出力信号が供給され、第1の電圧を生成する第1の電圧生成回路と、前記第2の出力信号が供給され、第2の電圧を生成する第2の電圧生成回路と、前記第2の電圧生成回路からの前記第2の電圧が第1の入力端に供給され、前記第1の電圧生成回路からの前記第1の電圧が第2の入力端に供給され、前記第2の電圧を基準として前記第1の電圧を二値化する第1のコンパレータと、前記第1のコンパレータの第2の入力端と第1の基準電位端との間に接続され、前記第1のコンパレータの第1の入力端の電位に応じて前記二値化の基準レベルを相対的に変化させる制御回路とを具備している。
本発明によれば、受信信号電界が大きな場合においても復調信号を二値化する際、デュ−ティ比の劣化を低減可能なASK受信機を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るASK受信機のデータスライサを示している。受信されたASK信号は、図示せぬ高周波回路、及びダウンコンバータを介して中間周波信号に変換される。この中間周波信号に変換された信号は、対数検波器としての例えばRSSI検波器11により復調される。このRSSI検波器11の出力信号は、2系統の信号に分割される。RSSI検波器11の第1の出力信号は、抵抗12とコンデンサ14とからなる第1のフィルタ回路を介してコンパレータ16の非反転入力端に信号電圧として供給され、RSSI検波器11の第2の出力信号は、抵抗13とコンデンサ15とからなる第2のフィルタ回路を介してコンパレータ16の反転入力端にリファレンス電圧として供給される。抵抗12、コンデンサ14のCR積は、抵抗13、コンデンサ15のCR積に比べて十分小さく設定されている。このように設定することにより、コンパレータ16に入力される2系統の信号に所要の電位差を生じさせることができる。コンパレータ16は、非反転入力端の電位が反転入力端の電位より高い場合、ハイレベルの信号を出力し、非反転入力端の電位が反転入力端の電位より低い場合、ローレベルの信号を出力する。さらに、信号電圧が供給されるコンパレータ16の非反転入力端と第1の基準電位としての例えば接地電位との間には、電圧制御形の可変電流源17が接続されている。この可変電流源17の制御信号入力端は、リファレンス電圧が入力されるコンパレータ16の反転入力端に接続されている。
上記構成における動作について説明する。RSSI検波器11の出力電圧は、第1、第2の出力信号に分割される。抵抗13、コンデンサ15のCR積は、RSSI検波器11の出力電圧の平均値を得られるような値に設定されている。すなわち、抵抗13及びコンデンサ15により生成されるリファレンス電圧は、RSSI検波器11の出力電圧のほぼ平均値となる。可変電流源17は、リファレンス電圧に応じて電流量が制御され、この可変電流源17に流れる電流に応じて抵抗12に流れる電流が変化する。受信信号強度が小さい場合、RSSI検波器11から出力される信号は、正弦波であり、抵抗12、コンデンサ14を介して出力される信号電圧も正弦波を維持している。また、リファレンス電圧は正弦波のほぼ平均値とされている。このため、このリファレンス電圧と信号電圧が供給されるコンパレータ16は、リファレンス電圧に応じて信号電圧を二値化するため、コンパレータ16から出力されるデジタル信号のデューティ比はほぼ50%となる。
一方、図2(a)乃至(e)は、受信信号強度が大きい場合における図1の各部の信号波形を概略的に示している。図2を参照して図1の動作について説明する。
前述したように、受信信号強度が大きい場合、RSSI検波器11の出力電圧波形は、図2(a)に示すように歪んでいる。また、2系統に分割された信号のうち、信号電圧は、図2(b)に示すように歪んでおり、リファレンス電圧は、図2(c)に示すように、RSSI検波器11から出力される電圧波形のほぼ平均値となる。このように、受信信号強度が大きい場合、コンパレータ16に供給される信号電圧、及びリファレンス電圧は高くなる。このリファレンス電圧に応じて可変電流源17に流れる電流も大きくなる。これに伴い抵抗12を流れる電流が大きくなり、結果として抵抗12による電圧降下が大きくなる。このため、コンパレータ16の非反転入力端に供給される信号電圧は、図2(d)に示すように、信号波形を保持した状態で電圧が降下する。この時、リファレンス電圧は低下しないため、コンパレータ16におけるハイレベル、ローレベルの判定基準が相対的に変化する。すなわち、受信信号強度が大きいほどリファレンス電圧が上昇するが、コンパレータ16の非反転入力端に供給される信号電圧の電圧は低下する。このため、リファレンス電圧が信号電圧に対して相対的に上昇する。
このようにリファレンス電圧に対して信号電圧を相対的に変化させることにより、RSSI検波器11の出力信号が歪んでいても、図2(e)に示すように、コンパレータ16から出力される二値化されたパルス信号、すなわち、デジタル信号のデュ−ティ比をほぼ50%にすることができる。
上記第1の実施形態によれば、RSSI検波器11を用いたASK受信機において、RSSI検波器11の出力信号を二値化するコンパレータ16の非反転入力端に可変電流源17を接続し、この可変電流源17をコンパレータ16の反転入力端に供給されるリファレンス電圧に応じて制御している。このため、受信信号強度が大きい場合においても、コンパレータ16から出力されるデジタル信号のデュ−ティ比を改善することが可能である。
また、コンパレータ16から出力されるデジタル信号のデュ−ティ比が改善されるため、アイ開口率も規定値内とすることができ、受信データの誤りを低減できる。したがって、受信データを処理するための回路を簡単化でき、コストの上昇を回避できる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態を示している。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付す。
第1の実施形態において、コンパレータ16の入力端には可変電流源17を接続した。これに対して、第2の実施形態は、コンパレータ16の入力端に定電流源を接続する。
すなわち、RSSI検波器11の出力信号のうち、信号電圧が供給されるコンパレータ16の非反転入力端と接地間には、スイッチ21と電流源20が直列接続される。RSSI検波器11の出力信号のうち、リファレンス電圧が供給されるコンパレータ16の反転入力端には、コンパレータ22の非反転入力端が接続されている。このコンパレータ22の反転入力端には、一定の基準電圧V1が供給されている。このコンパレータ22の出力端は、スイッチ21に接続され、このスイッチ21は、コンパレータ22の出力信号により制御される。
上記構成において、コンパレータ16のリファレンス電圧が基準電圧V1より低い時、すなわち、受信信号強度があまり大きくない場合、コンパレータ22の出力電圧はローレベルとなり、スイッチ21はオフ状態とされる。このため、電流源20は信号電圧系に接続されない。
一方、受信信号強度が大きくなり、コンパレータ16のリファレンス電圧が基準電圧V1より大きくなった場合、コンパレータ22の出力電圧はハイレベルとなる。このため、スイッチ21がオン状態となり、電流源20が信号電圧系に接続される。電流源20が信号電圧系に接続されることにより、抵抗12に流れる電流が増加し、抵抗12の電圧降下が大きくなる。この結果、コンパレータ16に供給される信号電圧の波形は保持されたまま、電圧だけが降下する。この時、コンパレータ16のリファレンス電圧は降下しないため、コンパレータ16のハイレベル、ローレベルの判定基準が相対的に変化する。すなわち、受信信号強度が大きいほど信号電圧及びリファレンス電圧が上昇するが、リファレンス電圧が基準電圧V1より大きくなったとき、定電流源20の作用により、コンパレータ16に供給される信号電圧の電圧は降下する。このため、リファレンス電圧が信号電圧に対して相対的に上昇する。したがって、RSSI検波器11の出力信号が歪んでいる場合においても、コンパレータ16から出力されるデジタル信号のデュ−ティ比を改善することができる。
図4は、図3に示す構成を具体的に示す回路図であり、図4において、図3と同一部分には同一符号を付す。
コンパレータ22及びスイッチ回路21は、例えばNPNトランジスタ22a、22b、抵抗22c、22dにより構成されている。トランジスタ22aのコレクタは電源Vccが供給される端子に接続され、ベースには前記基準電圧V1が供給されている。また、トランジスタ22bのコレクタは、コンパレータ16の非反転入力端に接続され、ベースはコンパレータ16の反転入力端に接続されている。これらトランジスタ22a、22bのエミッタはそれぞれ、抵抗22c、22dを介して電流源20に接続されている。
上記構成において、コンパレータ16の反転入力端に供給されるリファレンス電圧が基準電圧V1より低い場合、抵抗22c、22dの接続ノードの電位がトランジスタ22bのベース・エミッタ間電圧より高くなる。このため、トランジスタ22bのコレクタには電流が流れない。したがって、コンパレータ16は、反転入力端に供給されるリファレンス電圧に基づいて、非反転入力端に供給される信号電圧を二値化する。
一方、コンパレータ16の反転入力端に供給されるリファレンス電圧が基準電圧V1より高くなると、トランジスタ22bのベース・エミッタ間電圧が抵抗22c、22dの接続ノードの電位より高くなり、トランジスタ22bのコレクタに電流源20を介して電流が流れる。このため、コンパレータ28の非反転入力端から電流源20に電流が引き込まれ、コンパレータ28の非反転入力端の電圧が降下する。このため、上述したように、コンパレータ16のハイレベル、ローレベルの判定基準が相対的に変化し、コンパレータ16から出力されるデジタル信号のデューティ比が改善される。
上記第2の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。しかも、第2の実施形態の場合、コンパレータ22により、リファレンス電圧と基準電圧V1とを比較し、この比較結果に応じて電流源20を制御している。このため、受信信号強度が基準電圧V1により設定された電圧より大きいときにのみ信号電圧を二値化する閾値電圧が変化され、受信信号強度が基準電圧V1により設定された電圧より小さい場合は、二値化する閾値電圧を変化させていないため、受信信号強度が大きい場合、小さい場合のいずれにおいても、コンパレータ16から出力されるデジタル信号のデューティ比を改善することができる。
なお、第1の実施形態の可変電流源17の電流量、及び第2の実施形態の電流源20の電流量は、ASK受信機の内部において、リファレンス電圧に応じて可変した。しかし、これに限定されるものではなく、可変電流源17、及び電流源20の電流量を外部から調整できるように構成してもよい。このような構成とした場合、デュ−ティ比の改善の度合いを外部から調整できるようになり、無線装置の特性がばらついてもデジタル信号のデュ−ティ比を改善することができる。
その他、本発明の要旨を変えない範囲において種々変形実施可能なことは勿論である。
本発明の第1の実施形態を示す構成図。 第1の実施形態の動作を示す波形図。 本発明の第2の実施形態を示す構成図。 図3に示す構成を具体的に示す回路図。 従来のASK受信機に適用されるデータスライサの一例を示す構成図。 RSSI検波器の特性を示す図。 RSSI検波器の出力電圧を示す図。
符号の説明
11…RSSI検波器、16、22…コンパレータ、17…可変電流源、20…電流源、V1…基準電圧。

Claims (5)

  1. 受信信号を対数検波し、2系統に分割された第1、第2の出力信号を出力する検波器と、
    前記第1の出力信号が供給され、第1の電圧を生成する第1の電圧生成回路と、
    前記第2の出力信号が供給され、第2の電圧を生成する第2の電圧生成回路と、
    前記第2の電圧生成回路からの前記第2の電圧が第1の入力端に供給され、前記第1の電圧生成回路からの前記第1の電圧が第2の入力端に供給され、前記第2の電圧を基準として前記第1の電圧を二値化する第1のコンパレータと、
    前記第1のコンパレータの第2の入力端と第1の基準電位端との間に接続され、前記第1のコンパレータの第1の入力端の電位に応じて前記二値化の基準レベルを相対的に変化させる制御回路と
    を具備することを特徴とするASK受信機。
  2. 前記制御回路は、前記第1のコンパレータの第2の入力端と前記第1の基準電位端との間に接続され、前記第1のコンパレータの第1の入力端の電位に応じて前記第1のコンパレータの第2の入力端に流れる電流を可変する可変電流源であることを特徴とする請求項1記載のASK受信機。
  3. 前記可変電流源の電流量は、前記受信信号の強度が大きいほど多くなることを特徴とする請求項2記載のASK受信機。
  4. 前記制御回路は、前記第1のコンパレータの第2の入力端と前記第1の基準電位端との間に接続された電流源と、
    第1の入力端が前記第1のコンパレータの第1の入力端に接続され、第2の入力端が基準電源に接続され、前記第1のコンパレータの第1の入力端の電位と前記基準電源とに応じて前記電流源の動作を制御する第2のコンパレータと
    を具備することを特徴とする請求項1記載のASK受信機。
  5. 前記第2のコンパレータは、電流通路の一端が前記第1のコンパレータの第2の入力端に接続され、前記電流通路の他端が前記電流源に接続され、制御信号入力端が前記第1のコンパレータの第1の入力端に接続された第1のトランジスタと、
    電流通路の一端が第2の基準電位端に接続され、前記電流通路の他端が前記電流源に接続され、制御信号入力端が前記基準電源に接続された第2のトランジスタと
    を具備することを特徴とする請求項4記載のASK受信機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022190906A1 (ja) * 2021-03-11 2022-09-15 オムロン株式会社 受信機、送信機、無線通信システム、無線通信方法、及びプログラム

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