JP2005340526A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画像データに基づいてレーザーダイオードの発光を制御・変調する制御・変調手段21を備えた画像形成装置であって、制御・変調手段21は、無バイアス変調方式の変調回路から構成され、
ただし、
P:レーザーダイオードの発光光量[W]
η:レーザーダイオードの微分効率[W/A]
Ith:レーザーダイオードの閾値電流[A]
τs:レーザー媒質中のキャリア寿命[s]
tsc:1画素あたりの走査時間[s]
という関係式を満たす光量でレーザーダイオードを発光させて画像形成を行う。
【選択図】 図6
Description
ところで、LDは発振ディレイと呼ばれる特性を有し、図1に示すように入力電流が入力されてから実際にLD発光を起こすまでの間に遅延時間tを生じる性質を持っていることが知られている。一方、画像形成装置の高速化・高画質化の進展に伴い、LDを高速動作させる必要性が生じており、この発振ディレイの画像への影響が懸念されている。
この懸念に対し、通常MHzオーダー以上の駆動周波数でLDを駆動させる場合には、発光時以外に意図的に閾値電流以下のバイアス電流を流しておくことによって発振ディレイを抑えられることが知られており、バイアス電流によって発振ディレイを回避して動作速度を向上するという手段が考えられ、この手段を実現するためにバイアス電流に信号電流を重畳して変調するバイアス変調方式と呼ばれる従来技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。図2にバイアス変調方式の回路例を示す。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、MHzオーダー以上の駆動周波数でLDを駆動する場合に、意図的にバイアス電流を流さずとも、発振ディレイを抑えてLDの動作速度を向上し、感光体寿命を保ったまま画像品質の改善を図ることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
ただし、
P:レーザーダイオードの発光光量[W]
η:レーザーダイオードの微分効率[W/A]
Ith:レーザーダイオードの閾値電流[A]
τs:レーザー媒質中のキャリア寿命[s]
tsc:1画素あたりの走査時間[s]
という関係式を満たす光量でレーザーダイオードを発光させて画像形成を行う画像形成装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、レーザーダイオードの結像光学系に透過率80%以下の光学素子を用いる画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、レーザーダイオードの結像光学系に反射率80%以下の光学素子を用いる画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置であって、感光体上に光エネルギーを減衰させる薄膜をコーティングしている画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置であって、ポリゴン面数NをN<6としている画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項2に記載の発明の画像形成装置においては、LDビームの結像光学系に使用される光学素子として、透過率80%以下の光学素子を使用している。このため、請求項2に記載の発明によれば、請求項1の数式を満足するためのLD発光量が、感光体を露光するのに必要な光量を大きく上回ってしまう場合であっても、結像光学系で光量を減衰させることによって感光体に照射される光量を低減し、請求項1の式を満足する画像形成装置を設計することができる。その結果として、発振ディレイを抑えてLDの動作速度を向上し、オフセット発光に起因した感光体劣化を起こさずに感光体寿命を保ったまま、画像品質の改善を図ることが可能な画像形成装置を提供できる。
請求項3に記載の発明の画像形成装置においては、LDビームの結像光学系に使用される光学素子として、反射率80%以下の光学素子を使用している。このため、請求項3に記載の発明によれば、請求項1の数式を満足するためのLD発光量が、感光体を露光するのに必要な光量を大きく上回ってしまう場合であっても、結像光学系で光量を減衰させることによって感光体に照射される光量を低減し、請求項1の式を満足する画像形成装置を設計することができる。その結果として、発振ディレイを抑えてLDの動作速度を向上し、オフセット発光に起因した感光体劣化を起こさずに感光体寿命を保ったまま、画像品質の改善を図ることが可能な画像形成装置を提供できる。
請求項5に記載の発明の画像形成装置においては、通常広く利用されている回転多面鏡の面数である6面よりも面数の多い回転多面鏡を使用している。このため、請求項5に記載の発明によれば、請求項1の数式を満足するためのLD発光量が、感光体を露光するのに必要な光量を大きく上回ってしまう場合であっても、回転多面鏡の面数を6面よりも増加させることによって有効走査期間率を低くすることで、感光体に必要な露光量を間接的に高めることができるので、請求項1の式を満足する画像形成装置を設計することができる。その結果として、発振ディレイを抑えてLDの動作速度を向上し、オフセット発光に起因した感光体劣化を起こさずに感光体寿命を保ったまま、画像品質の改善を図ることが可能な画像形成装置を提供できる。
レーザープリンタの概略の構成例を図3に示す。尚、他の部分は省略している。レーザープリンタでは、図3に示すようにLDユニット(LDU)1内部において、LDから射出されたレーザービームがLDU内部のコリメートレンズによって平行光線となり、回転多面鏡(以下ポリゴンミラー)2によって偏向走査された後、f−θレンズ3等から構成される結像レンズ、反射ミラー4によってドラム状の感光体5の帯電した表面に画像を結像する。
この際にレーザービームは画像信号に基づいて変調されて点灯、消灯を繰り返し、ポリゴンミラー2の回転に従って図中矢印の主走査方向に反復して走査されると同時に、感光体5が回転して副走査を行うことによって感光体5上に静電潜像を形成する。
形成された静電潜像は図示しない帯電した現像剤(トナー)によって現像され、さらに現像剤とは反対の電荷を与えられた転写紙等の転写材が感光体5に密着させられることで現像剤が転写材に転写される。そして、転写材が感光体5から分離した後、加熱されることで現像剤が転写材上に融着して定着が行われる。
ここで、感光体5上の走査領域外に配置された受光素子7は同期検知ミラー6を介してレーザービームを検知し、後述する書き込み制御部は、受光素子7によって得られた検知信号を基に、画像が感光体5上に書き込まれる期間である有効走査期間を割り出している。
そして画像処理部(IPU)12は、有効走査期間外にAPC制御用に画像データ信号を送出してLDを点灯し、サンプル&ホールド信号(S/H信号)をサンプル状態にすることで、LDパッケージに内蔵されたフォトダイオード(PD)で発生するモニター電流をAPC回路内蔵のLDドライバ13にフィードバックしてAPCを行う。そして有効走査期間内においてはS/H信号をホールド状態にしてドライバの出力電流を一定値に固定している。
またこの際に、画像処理部(IPU)12はデジタル制御信号をDAコンバータ14に送信して、DAコンバータ14のアナログ電圧出力をコントロールし、この出力電圧値が分圧抵抗15で分圧され、これによって生成された電圧を光量基準電圧として、電圧に応じた光量にコントロールしているものとする。
LDドライバ13に内蔵されたAPC回路の回路ブロック図を図5に示すとともに、APC回路の動作を説明する。APC動作時にLD制御装置である画像処理部12から制御信号としてLDを連続点灯させる画像データ信号とそれに続くサンプル信号が送出される。LDを連続点灯する画像データ信号は図5のLD変調回路21に入力されてLD変調回路21を連続的にON状態とするとともに、サンプル信号はS/Hスイッチ22をONに切り替える。
すると、ホールド・コンデンサ23の電圧値に基いた電流制御信号がLD変調回路21に送信され、電流制御信号に基づいた電流がLD変調回路21からLDに流れ込んでLDが連続的に発光し、LDの光強度に比例した電流がPDに流れ込む。そして、I/V変換回路24においてPDを流れる電流値が電圧に変換される。
その変換後の電圧と光量の基準となる前記光量基準電圧がコンパレータ25によって比較された結果に基いてホールド・コンデンサ23が充電もしくは放電されて、コンデンサ23の電圧値が変化することで、LD変調回路21の出力電流がコントロールされ、LD光量が一定に制御される。
そして画像書き込み時には、S/H信号がホールド信号に変って、S/Hスイッチ22がOFFに切り替わる。その結果ホールド・コンデンサ23の値が一定値に固定されるため、電流制御信号は一定値に固定され、その結果LD変調回路21からLDに流れる電流は一定値に固定される。そして画像処理部(IPU)12から送出される画像データ信号に基いて、LDドライバ13内部のLD変調回路21を介してLD光源が変調されて、感光体5に画像の書き込みが行われる。
図2に示したバイアス変調方式との違いは、バイアス変調方式ではLD変調時にLDが点灯しない時でもLDの閾値電流以下のバイアス電流を流すために備えられたバイアス電流用のトランジスタQBがあるのに対して、本発明で使用する無バイアス変調方式ではQBが無い点である。
さてここで、このレーザープリンタにおいて、LDの光量を決定する前記光量基準電圧を前記分圧抵抗15の設定値やDAコンバータ出力電圧の設定を調整することによって、
ただし、ここで
P:LDの発光光量[W]
η:LDの微分効率[W/A]
Ith:LDの閾値電流[A]
τs:レーザー媒質中のキャリア寿命[s]
tsc:1画素あたりの走査時間[s]
という関係式(請求項1に記載の式)を満たす光量でLDを発光させて画像形成を行うようにLD光量の制御を行うものとする。光量を上式に設定することによる効果について、後ほど詳述する。
また本発明では、LDユニット1内部に多層膜コーティングを施して透過率60%としたレンズを使用するものとする。さらにポリゴンミラー2にも多層膜コーティングを施して反射率を70%とし、ポリゴン面数を4面としたものを使用するものとする。また、感光体上にも薄膜をコーティングしているものとする。これら一連の効果についても後ほど詳述する。
光量を上式に設定することによる効果について述べるに先立ち、まず発振ディレイが画像に与える影響について考察する。
まず、1画素だけ孤立した画像を形成することを考えた場合、1画素当たりの走査時間に対する発振ディレイの比率が大きくなれば、その分光パルス幅は狭まることになる。仮に発振ディレイが1画素当たりの走査時間と等しくなれば、LDが発光できなくなってしまう。この関係を図7に示す。つまり、発振ディレイが1画素当たりの走査時間と等しくなった場合には、上述のようにLDが全く発光できないことから、全く画像形成することはできないことが分かる。
次に、発振ディレイよりも1画素当たりの走査時間の方が大きい場合に、発振ディレイが画像に与える影響について考察する。
このためには、まず任意の光パルス波形が与えられた時にどのような画像が形成されるのかについて考察する必要がある。図8に示したように、LDから任意の矩形波状の光パルス波形が与えられたとしても、トナーで形成される画像は、矩形波状の分布とはならない。
この原因として、まず光学系の特性が考えられる。主走査方向に大きさゼロの光ビームが感光体5上を走査されると仮定して、この光ビームを時間変調することを考えた場合、矩形波状の光パルス波形を与えれば、感光体5上に与えられる光エネルギー照射量は矩形波状の分布に成りうる。
さらに感光体5の特性が考えられる。感光体5上においては、光エネルギー照射量に比例して、正負それぞれの電界を持ったチャージキャリアが生成されるが、生成されるチャージキャリアが再結合を起こすことも知られており、さらに光量が多い程生成されるチャージキャリアが多いことから最終的に感光体5上に生成される電荷密度分布は照射される光エネルギー量に単純に比例する訳ではない。したがって光エネルギー照射量の分布に応じて生成される電荷密度分布は矩形波よりもさらに鈍った分布を持つことになる。
ここでさらに電荷密度分布によって、トナーを引き付けるクーロン力の原因となる電界強度分布が生成されるが、電界強度分布はよく知られているようにPoisson方程式によって電荷密度分布から決定されるものであるので、矩形波とはさらに異なった分布になる。
この後さらに、先述したようなトナーによる現像、用紙への転写、加熱による融着といった一連の過程を経て形成される最終的なプリント画像は、矩形波とは大きく異なったものになると考えられる。画像形成装置は、以上のような性質を持っていることから、LDから射出する変調された光波形がそのまま単純に画像形成される訳ではない。
まず図中右側のように、主走査方向に垂直な直線が1dotおきに並んで構成されたパターンを考える。この場合、LDは図中矢印の主走査に向かって画像が形成されていくため、LDは1dotおきに点滅を繰り返すことになる。その結果LDが点灯する毎に、発振ディレイによって発光タイミングに遅れが生じ、発振ディレイが大きい場合には感光体に照射される光エネルギーが減じられ、結果として狙いよりも少し細い線が形成されてしまう。
一方、図中左側のように、主走査方向に平行直線が1dotおきに並んで構成されたパターンを考える。この場合、LDは図中矢印の主走査に向かって画像が形成されていくため、LDは連続点灯することになる。LDが連続点灯する結果発振ディレイは発生せず、狙い通りの光エネルギーが感光体に照射され、狙い通りの太さの線が形成される。形成された2つの画像を少し離して観察した場合、図中右側のパターンは、若干線が細いため、全体として左側よりも濃度が薄く見えてしまう。
しかしながら、ここで経験的に、発振ディレイが1画素当たりの走査時間の1/2よりも小さい場合、先述したような光学系の特性、感光体特性により、視認できないことが分かっている。以上の理由により、以下で発振ディレイを1画素当たりの走査時間の1/2以内に抑える方法を以下で考察することとする。
縦単一モードのLDの状態は、一般的に以下のレート方程式
・・・式1
・・・式2
で表現されることが知られている。
ただしここで、
S:光子密度
N:キャリア密度
J:注入電流密度
τp:光子寿命
τs:キャリア寿命
gt:利得係数
βsp:自然放出光係数
Γ:光閉じ込め率
q:電子の電荷
d:LDの活性層の厚さ
とする。
ここでのレート方程式は、LDの活性層の微小領域について考えているため、単位体積あたりについての微視的表現形式になっている。
さて、式1・式2において、発振前にはS=0と考えることができる。したがって閾値電流をJthとして、t=0での初期条件J=0の基に、t=0において注入電流Jを0からJop(ただしJop≦Jth)まで増加することを考えれば、キャリア密度Nの時間変化は式2から、
・・・式3
となることが分かる。
ここで、式3において、t→∞とおけば、
で定常状態になることが分かる。
さらに閾値電流Jthを注入することを考えれば、しきいキャリア密度nthとの間に
・・・式4
の関係が成り立つことが分かる。
・・・式5
と導出できる。
先述したようにレート方程式(式1・式2)が単位体積あたりについての微視的表現形式になっていることから、やはり式5も同様に微視的表現形式となっているが、プリンタ等で使用される電子部品としてのLDについての記述である巨視的な表現形式に書き直すことを考える。
活性領域内での光子密度、キャリア密度はほぼ一定と考えられるので、
Iop:動作電流
P:LDの発光光量
Ith:LDの閾値電流
を用いて巨視的な表現形式に直せば、式5は、
・・・式6
となる。
一方、意図的にバイアス電流を流さずとも、発振ディレイを1画素当たりの走査時間の1/2に抑えられることが分かっている。
これを数式で表現すれば、
・・・式7
を満足していればよいことが分かる。
ただしここで、
td:発振ディレイもしくは発振遅延時間
tsc:1画素あたりの走査時間
とする。
・・・式8
を満足する必要があることが分かる。
さらにτsが0でないことから式8の両辺をτsで除算して、その結果について両辺expをとれば、大小関係はそのまま保たれるので、
・・・式9
を満足する必要があることが分かり、これはさらに
・・・式10
と変形できる。
図11のように一般的にLDの電流―光出力特性は、閾値電流Ithと微分効率(スロープ効率)ηで特徴づけられている。微分効率(スロープ効率)ηは発振状態での電流―光出力特性(I―Lカーブ)の傾きであり
η=ΔP/ΔI ・・・式11
で表現できる。
ただしここで、ΔI:電流増分ΔP:対応する光出力増分である。
図11から分かるように微分効率ηは、
・・・式12
と表現することも可能である。
ただしここで、
η:微分効率
P:LDの発光光量
Ith:LDの閾値電流
Iop:LDの駆動電流
とする。
ここで式12の両辺に(Iop-Ith)を乗じ、さらにηが0でないことから両辺をηで除算すると、
・・・式13
となる。
またここで式13からIopについての式を導くと、
・・・式14
となる。
・・・式15
と変形できる。
さらに、式14を式15に代入すれば、
・・・式16
であり、変形して、
・・・式17
となる。ここでtsc>0、τs>0であるので、常に
が成り立ち、式17の両辺を
で除算することができるので、
・・・式18
となる。
以上により、
・・・式18
とすれば、MHzオーダー以上の駆動周波数でLDを駆動する場合であっても、意図的にバイアス電流を流さずとも、発振ディレイを1画素当たりの走査時間の1/2に抑えることができ、画像品質を維持することができることを示すことができた。
まず、
η:LDの微分効率[W/A]
Ith:LDの閾値電流[A]
についてはLDのカタログスペックとして記載されていることが多く、図11に示したLDの電流―光出力特性さえ分かれば、容易に計算できるので、測定方法を述べることは省略する。
次に、
τs:レーザー媒質中のキャリア寿命[s]
について、その測定方法について簡単に説明する。
発振ディレイもしくは発振遅延時間tdは、
・・・式6
で表現できることを先述した。
式6の右辺を変形した上で、底を変換して、自然対数を常用対数に改めると
・・・式17
とできるので、ここで相対電流密度を
として定義すれば、式17より発振遅れ時間が相対電流密度の常用対数に比例していることが分かる、順次、動作電流Iopを変えたときの発振ディレイ量tdを測定して、その結果を図12のように片対数グラフにプロットして直線で近似すれば、その直線の傾きからτsを算出できる。
上述により発振ディレイを抑えて画像品質を維持することができることを示したので、続いて、先述したように本発明で図6に示す無バイアス変調方式を採用することの効果について、図2に示したバイアス変調方式との比較を行いながら、以下で説明する。
このため、たとえ画像信号が途絶えても、LDに常時バイアス電流が流れることで微弱なオフセット発光が発生する。そしてこのままでは、感光体5がオフセット発光を感知してしまい、地汚れの原因となってしまうので、オフセット発光の感光体5への影響を打ち消すために、感光体5に印加する電圧を高める必要がある。しかしながら、感光体5に電圧を印加することで、感光体寿命が短くなることが知られている。
一方、本発明では図6に示す無バイアス変調方式を採用しているため、図14に示した無バイアス変調方式の動作メカニズムから分かるように、単純に信号電流がON、OFFするのみであり、APCは信号電流を適正に制御することで光量が一定になっている。
このため画像信号が途絶えれば、LDに電流はほとんど流れなくなり、バイアス電流に起因する微弱なオフセット発光も発生しない。このため、地汚れを無くすために感光体に印加する電圧を高める必要はなく、感光体寿命が短くなることはない。
したがって本発明によれば、MHzオーダー以上の駆動周波数でLDを駆動する場合であっても、オフセット発光に起因した感光体劣化を起こさずに感光体寿命を保ったまま、発振ディレイを抑えてLDの動作速度を向上し、画像品質の改善を図ることが可能になる。
また、本発明では、先述したように、LDユニット1内部に多層膜コーティングを施して透過率60%としたレンズを使用し、ポリゴンミラーにも多層膜コーティングを施して反射率を70%とし、ポリゴン面数を4面としたものを使用している、また、感光体上5にも薄膜をコーティングしている。
しかしながら本発明では、請求項1の式を満たす光量でLDを発光させることによって、発振ディレイを抑制することを目指しているため、LDの発光量が感光体を露光するのに必要な光量を大きく上回ってしまう。
そこで感光体5を露光するのに必要な光量を大きく上回ってしまう場合であっても、上記のように結像光学系に使用されるレンズ、ミラー等の光学部品の反射率、透過率を落とすことによってLDから放射されたビーム光量を減衰させて感光体5に照射される光量を低減し、請求項1の式を満足する画像形成装置を設計することが可能になる。
また、感光体5上にも光エネルギーを減衰させる薄膜をコーティングすることによっても、同様にして感光体上の光半導体に照射される光量を低減し、請求項1の式を満足する画像形成装置を設計することが可能になる。
さらにポリゴンミラー面数を4面と小さくしている効果について説明する。まず、ポリゴンミラー面数の説明に先立ち有効走査期間率について説明する。有効走査期間率とは、光ビームが1主走査期間内にポリゴンミラー2によって偏向された内、どの程度の期間、感光体5の画像形成領域に照射されるかを表現したものであり、ポリゴンミラー面数を減らすほど有効走査期間率が小さくなることが知られている。
たいていの画像形成装置で使用されるポリゴンミラー2は、この有効走査期間率を高めるために、ポリゴンミラー面数を大きくしているのが通例であり、たいていの画像形成装置では、ポリゴンミラー面数が6面以上の部品を使用している。
本発明では、ポリゴンミラー面数を通常の6面よりも減らすことで、有効走査期間率を意図的に小さくして、その分光ビームの走査速度を高めることによって単位時間当たりに必要となる光量を高め、感光体そのものが必要とする光量が小さくとも、請求項1の式を満足するLD光量でも画像形成装置を設計することが可能になる。
上記のように、ADF201にある原稿トレイ202に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、操作部上のプリントキーが押下されると、一番上の原稿からコンタクトガラス206上の所定の位置に給送される。給送された原稿は、読み取りユニット250によってコンタクトガラス206上の原稿の画像データを読み取り後、給送ベルト204および反転駆動コロによって排出口A(原稿反転排出時の排出口)に排出される。さらに、原稿トレイ202に次の原稿が有ることを検知した場合、前原稿と同様にコンタクトガラス206上に給送される。
Claims (5)
- 請求項1に記載の画像形成装置であって、レーザーダイオードの結像光学系に透過率80%以下の光学素子を用いることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1に記載の画像形成装置であって、レーザーダイオードの結像光学系に反射率80%以下の光学素子を用いることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1または2に記載の画像形成装置であって、感光体上に光エネルギーを減衰させる薄膜をコーティングしていることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1または2に記載の画像形成装置であって、ポリゴン面数NをN<6としていることを特徴とする画像形成装置。
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