JP2005339343A - 画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置 - Google Patents

画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルム等の画像処理において、色濃度変更の方向性をすべての画素について一定に保った状態で、想定された色再現を行うことが可能な画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理方法において、色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてそれぞれ単位変化量が定義された色濃度の変更指示に対して、前記単位変化量に基づいて前記明度成分および色成分についてのLUTをそれぞれ作成して注目画素の色濃度を前記LUTに基づいて明度成分および色成分についてそれぞれ変更し、または、前記単位変化量に基づく計算により注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更する色濃度変更処理を行う。
【選択図】 図15

Description

本発明は、画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置に係り、特に、LUTに基づいて色濃度の変更を行う画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置に関する。
アナログカメラにより画像が記録されたカラーや白黒のネガフィルムやリバーサルフィルム等の写真感光材料(以下、フィルムという。)や、デジタルカメラにより画像が撮像された記憶媒体(以下、メディアという。)、或いは画像が記録された銀塩印画紙等のカラーや白黒の印画紙等から画像情報を読み取って画像データを作成し、その画像データに対応する原画像に対してカラーバランスや明度等の変更を行う画像処理を施して出力用の画像データとする画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
画像のカラーバランスや明度等を変更する方法としては、一般的には、以下のような方法が採られる。すなわち、まず、あらかじめ読み取りの段階で、フィルムや印画紙等にR(赤)、G(緑)、B(青)の各色の光を透過させ或いは反射させて、CCD等でRGB別に色濃度を測定し、原画像の画素ごとに画像データを作成する。そして、画像処理の際には、画像データのRGB各色の色濃度に対して、例えば、図20に示すような1次元のLUT(Look Up Table)に基づいてそれぞれ変更を行う。
具体的には、例えば、画像処理装置のモニタ等の表示装置上の原画像に対して青みを強調する処理(補正)を行いたい場合には、Bに対するLUTに基づいて各画素の画像データのBの色濃度のみをそれぞれ増加させる変更を行う(カラーバランスの変更)。また、RGBのそれぞれに対するLUTに基づいて各画素の画像データのRGB全ての色濃度をそれぞれ増加させる変更を行うことで、画像全体の明度を上げる画像処理を行うことができる(明度の変更)。
このような画像処理方法は、原画像の各画素について行われるが、画像データにおけるRGB各色の色濃度をLUT変換で簡単かつ迅速に変更することができるため、処理速度や画像処理の容易性の観点から非常に効果的な方法である。
特開平9−163163号公報
しかしながら、図20に示したようなLUTに基づいて、例えば、画像全体の明度を上げる画像処理を行った場合、暗い緑色の画素部分では、図21に示すようにB成分の変化分に対してG成分の変化分が大きくなるように色濃度が変更されるのに対して、明るい緑色の画素部分では、図22に示すようにB成分の変化分の方がG成分の変化分より大きくなるように色濃度が変更されるという現象が生じる。
すなわち、例えば、画素の色濃度変更におけるR、G、B各成分の変化分を成分とするベクトルを考えれば概略的に分かるように、それぞれの画素において変更前の色濃度から変更後の色濃度への変化の方向性がまちまちであり、しかも、色濃度の明度成分と色成分(彩度成分および色相成分)が互いに混ざり合った状態で変更される。
このような現象が生じると、オペレータにとっては、同一の色相(この場合は緑色)の画像に対して明度を上げる指示を出しただけなのに、画素の明暗によって異なる色相の画像に変換されてしまうということになる。このように、従来のLUTを用いた場合、画像処理の結果は必ずしも想定された処理結果にはならず、緻密な色調調整を行うことは必ずしも容易ではなかった。
そこで、本発明の目的は、フィルム等の画像処理において、色濃度変更の方向性をすべての画素について一定に保った状態で、想定された色再現を行うことが可能な画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置を提供することである。
前記の問題を解決するために、請求項1の画像処理方法は、
色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてそれぞれ単位変化量が定義された色濃度の変更指示に対して、前記単位変化量に基づいて前記明度成分および色成分についてのLUTをそれぞれ作成して注目画素の色濃度を前記LUTに基づいて明度成分および色成分についてそれぞれ変更し、または、前記単位変化量に基づく計算により注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更する色濃度変更処理を行うことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、色濃度の変更指示に対し、その単位変化量に基づいて、色濃度変更処理の基準となるLUTを色濃度の明度成分と色成分とに分けて作成してそれらに基づき、または、注目画素の色濃度の明度成分および色成分について計算により色濃度の明度成分と色成分とをそれぞれ別々に変更する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理方法において、前記色濃度の変更指示が複数の場合には、各変更指示に対する一定の入力値についての単位変化量の総和を明度成分および色成分についてそれぞれ算出し、算出された総和の変化量に基づいて前記注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、色濃度の変更指示が複数入力された場合には、既に入力され処理されたすべての変更指示に対する単位変化量を加算して新たにLUTを作成し、または、すべての変更指示に対する単位変化量を加算した変化量に基づく計算式によって計算を行うことで色濃度変更処理を行う。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像処理方法において、前記各変更指示に対する明度成分および色成分の一定の入力値についての単位変化量は、各変更指示ごとに設定可能であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、LUT作成または計算の基準となる単位変化量を色濃度の変更指示(すなわち処理)ごとに設定できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像処理方法において、前記明度成分および色成分の単位変化量は、それぞれ均等色空間における明度成分および色成分の単位変化量として表されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、LUT作成または計算の基準となる単位変化量を、均等色空間における明度成分および色成分についてそれぞれ独立に定め、それぞれ単位変化量を設定する。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像処理方法において、少なくとも前記注目画素の色濃度の色成分の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、前記注目画素の明度または色相の少なくとも一方に応じて規制して色濃度変更処理を行うことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、色濃度変更処理において、変更された注目画素の色濃度が定義色域内に入るように、注目画素の色濃度の色成分の変化量または明度成分と色成分との両方の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、その明度または色相の少なくとも一方に応じて規制する。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像処理方法において、前記色濃度の変更指示は、少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、前記YMCの各色について前記注目画素の色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてのそれぞれ単位変化量が定義されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、色濃度の変更指示は少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、YMCの各色について注目画素の色濃度の明度成分および色成分の単位変化量がそれぞれ定義される。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像処理方法において、前記YMCの各色についての前記色成分の一定の入力値についての単位変化量は、その総和が0になるように定義されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、YMCの各色についての色成分の単位変化量の総和が0になるように定義される。
請求項8に記載の発明は、画像処理プログラムにおいて、
コンピュータに、
色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてそれぞれ単位変化量が定義された色濃度の変更指示に対して、前記単位変化量に基づいて前記明度成分および色成分についてのLUTをそれぞれ作成して注目画素の色濃度を前記LUTに基づいて明度成分および色成分についてそれぞれ変更し、または、前記単位変化量に基づく計算により注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更する色濃度変更処理を実行させることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、コンピュータである画像処理装置の制御部は、色濃度の変更指示に対し、その単位変化量に基づいて、色濃度変更処理の基準となるLUTを色濃度の明度成分と色成分とに分けて作成してそれらに基づき、または、注目画素の色濃度の明度成分および色成分について計算により色濃度の明度成分と色成分とをそれぞれ別々に変更する色濃度変更処理を実行する。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像処理プログラムにおいて、コンピュータに、前記色濃度の変更指示が複数の場合には、各変更指示に対する一定の入力値についての単位変化量の総和を明度成分および色成分についてそれぞれ算出し、算出された総和の変化量に基づいて前記注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更させることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、コンピュータである画像処理装置の制御部は、色濃度の変更指示が複数入力された場合には、既に入力され処理されたすべての変更指示に対する単位変化量を加算して新たにLUTを作成し、または、すべての変更指示に対する単位変化量を加算した変化量に基づく計算式によって計算を行うことで色濃度変更処理を実行する。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像処理プログラムにおいて、前記各変更指示に対する明度成分および色成分の一定の入力値についての単位変化量は、各変更指示ごとに設定可能であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、画像の色濃度変更におけるLUT作成または計算の基準となる単位変化量を色濃度の変更指示(すなわち処理)ごとに設定できる。
請求項11に記載の発明は、請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、前記明度成分および色成分の単位変化量は、それぞれ均等色空間における明度成分および色成分の単位変化量として表されることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、LUT作成または計算の基準となる単位変化量を、均等色空間における明度成分および色成分についてそれぞれ独立に定め、それぞれ単位変化量を設定する。
請求項12に記載の発明は、請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、コンピュータに、少なくとも前記注目画素の色濃度の色成分の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、前記注目画素の明度または色相の少なくとも一方に応じて規制して色濃度変更処理を実行させることを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、コンピュータである画像処理装置の制御部は、色濃度変更処理において、変更された注目画素の色濃度が定義色域内に入るように、注目画素の色濃度の色成分の変化量または明度成分と色成分との両方の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、その明度または色相の少なくとも一方に応じて規制する。
請求項13に記載の発明は、請求項8乃至請求項12のいずれか一項に記載の画像処理プログラムにおいて、前記色濃度の変更指示は、少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、前記YMCの各色について前記注目画素の色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてのそれぞれ変化量が定義されていることを特徴とする。
請求項13に記載の発明によれば、色濃度の変更指示は少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、YMCの各色について注目画素の色濃度の明度成分および色成分の単位変化量がそれぞれ定義される。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の画像処理プログラムにおいて、前記YMCの各色についての前記色成分の一定の入力値についての単位変化量は、その総和が0になるように定義されていることを特徴とする。
請求項14に記載の発明によれば、YMCの各色についての色成分の単位変化量の総和が0になるように定義される。
請求項15に記載の発明は、画像処理装置において、
画像処理を行うための制御部と、
前記制御部に色濃度の変更指示を送るための操作部とを備え、
前記制御部は、色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてそれぞれ単位変化量が定義された色濃度の変更指示に対して、前記単位変化量に基づいて前記明度成分および色成分についてのLUTをそれぞれ作成して注目画素の色濃度を前記LUTに基づいて明度成分および色成分についてそれぞれ変更し、または、前記単位変化量に基づく計算により注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更する色濃度変更処理を行うように構成されていることを特徴とする。
請求項15に記載の発明によれば、制御部と操作部とを備えた画像処理装置において、制御部は、色濃度の変更指示に対し、その単位変化量に基づいて、色濃度変更処理の基準となるLUTを色濃度の明度成分と色成分とに分けて作成してそれらに基づき、または、注目画素の色濃度の明度成分および色成分について計算により色濃度の明度成分と色成分とをそれぞれ別々に変更する色濃度変更処理を行う。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の画像処理装置において、前記制御部は、前記色濃度の変更指示が複数の場合には、各変更指示に対する一定の入力値についての単位変化量の総和を明度成分および色成分についてそれぞれ算出し、算出された総和の変化量に基づいて前記注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更するように構成されていることを特徴とする。
請求項16に記載の発明によれば、制御部は、色濃度の変更指示が複数入力された場合には、既に入力され処理されたすべての変更指示に対する単位変化量を加算して新たにLUTを作成し、または、すべての変更指示に対する単位変化量を加算した変化量に基づく計算式によって計算を行うことで色濃度変更処理を行う。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の画像処理装置において、前記各変更指示に対する明度成分および色成分の一定の入力値についての単位変化量は、各変更指示ごとに設定可能であることを特徴とする。
請求項17に記載の発明によれば、画像の色濃度変更におけるLUT作成または計算の基準となる単位変化量を色濃度の変更指示(すなわち処理)ごとに設定できる。
請求項18に記載の発明は、請求項15乃至請求項17のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記明度成分および色成分の単位変化量は、それぞれ均等色空間における明度成分および色成分の単位変化量として表されることを特徴とする。
請求項18に記載の発明によれば、LUT作成または計算の基準となる単位変化量を、均等色空間における明度成分および色成分についてそれぞれ独立に定め、それぞれ単位変化量を設定する。
請求項19に記載の発明は、請求項15乃至請求項18のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記制御部は、少なくとも前記注目画素の色濃度の色成分の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、前記注目画素の明度または色相の少なくとも一方に応じて規制して色濃度変更処理を行うように構成されていることを特徴とする。
請求項19に記載の発明によれば、制御部は、色濃度変更処理において、変更された注目画素の色濃度が定義色域内に入るように、注目画素の色濃度の色成分の変化量または明度成分と色成分との両方の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、その明度または色相の少なくとも一方に応じて規制する。
請求項20に記載の発明は、請求項15乃至請求項19のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記色濃度の変更指示は、少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、前記YMCの各色について前記注目画素の色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてのそれぞれ単位変化量が定義されていることを特徴とする。
請求項20に記載の発明によれば、色濃度の変更指示は少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、YMCの各色について注目画素の色濃度の明度成分および色成分の単位変化量がそれぞれ定義される。
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の画像処理装置において、前記YMCの各色についての前記色成分の一定の入力値についての単位変化量は、その総和が0になるように定義されていることを特徴とする。
請求項21に記載の発明によれば、YMCの各色についての色成分の単位変化量の総和が0になるように定義される。
請求項1に記載の発明によれば、色濃度の変更指示に対し、その単位変化量に基づいて、色濃度変更処理の基準となるLUTを色濃度の明度成分と色成分とに分けて作成してそれらに基づいて色濃度の明度成分と色成分とをそれぞれ別々に変更し、または、注目画素の色濃度の明度成分および色成分について計算により色濃度の明度成分と色成分とをそれぞれ別々に変更するようにしたため、色濃度の明度成分と色成分とを独立にそれぞれ色濃度変更することができ、しかも、各画素について色成分の変化に関して同一の方向性を持つ状態で色濃度変更を行うことができる。
そのため、従来のように、例えば、明度のみを変更する画像処理に対しても、色濃度の明度成分と色成分とが互いに混ざり合い、しかも各画素の色濃度の変化の方向性がまちまちで色相等が変化してしまうという事態を確実に回避することができ、色濃度変更の方向性をすべての画素について一定に保った状態で、色相を不自然に変化させることなく、オペレータが想定した色再現を行うことが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、色濃度の変更指示が複数入力された場合には、既に入力され処理されたすべての変更指示に対する単位変化量を加算して新たにLUTを作成し、または、すべての変更指示に対する単位変化量を加算した変化量に基づく計算式によって計算を行うことで色濃度変更処理を行うため、前記請求項に記載の発明の効果に加え、ある色濃度の変更処理(例えば、「+M」処理)のあとに他の色濃度の変更処理(例えば、「+D」処理)をした後、逆の色濃度の変更処理(「−M」処理および「−D」処理)を行えば、必ずそれぞれ逆の処理が相殺されて単位変化量の総和はすべてにおいて0になり、画像を確実に初期画像に戻すことが可能となり、オペレータが違和感を覚えずに画像処理を行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、LUT作成または計算の基準となる単位変化量を色濃度の変更指示(すなわち処理)ごとに設定できるため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、画像処理をより的確に行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、LUT作成または計算の基準となる単位変化量を、均等色空間における明度成分および色成分についてそれぞれ独立に定め、それぞれ単位変化量を設定するため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、色濃度の明度成分および色成分を的確に分けて色濃度変更処理を行うことができるようになると同時に、単位変化量等が設定し易くなり、LUT作成または計算が容易になる。
請求項5に記載の発明によれば、色濃度変更処理において、変更された注目画素の色濃度が定義色域内に入るように、注目画素の色濃度の色成分の変化量または明度成分と色成分との両方の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、その明度または色相の少なくとも一方に応じて規制するため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、注目画素の色濃度が定義色域内に入り易くなり、色域圧縮処理を行う手間が省略し易くなると同時に、不要なハイライトの色付きや高彩度での色弁別性の低下を防止することができる。
請求項6に記載の発明によれば、色濃度の変更指示は少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、YMCの各色について注目画素の色濃度の明度成分および色成分の単位変化量がそれぞれ定義されるため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、オペレータが慣れているYMC系により色補正を行うことができるとともに、明度成分と色成分とを明確に区別することが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、YMCの各色についての色成分の単位変化量の総和が0になるように定義されるため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、オペレータが違和感をおぼえずに操作することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、コンピュータである画像処理装置の制御部は、色濃度の変更指示に対し、その単位変化量に基づいて、色濃度変更処理の基準となるLUTを色濃度の明度成分と色成分とに分けて作成してそれらに基づき、または、注目画素の色濃度の明度成分および色成分について計算により色濃度の明度成分と色成分とをそれぞれ別々に変更する色濃度変更処理を実行するようにしたため、色濃度の明度成分と色成分とを独立にそれぞれ色濃度変更することができ、しかも、各画素について色成分の変化に関して同一の方向性を持つ状態で色濃度変更を行うことができる。
そのため、従来のように、例えば、明度のみを変更する画像処理に対しても、色濃度の明度成分と色成分とが互いに混ざり合い、しかも各画素の色濃度の変化の方向性がまちまちで色相等が変化してしまうという事態を確実に回避することができ、色濃度変更の方向性をすべての画素について一定に保った状態で、色相を不自然に変化させることなく、オペレータが想定した色再現を行うことが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば、コンピュータである画像処理装置の制御部は、色濃度の変更指示が複数入力された場合には、既に入力され処理されたすべての変更指示に対する単位変化量を加算して新たにLUTを作成し、または、すべての変更指示に対する単位変化量を加算した変化量に基づく計算式によって計算を行うことで色濃度変更処理を実行するため、前記請求項に記載の発明の効果に加え、ある色濃度の変更処理(例えば、「+M」処理)のあとに他の色濃度の変更処理(例えば、「+D」処理)をした後、逆の色濃度の変更処理(「−M」処理および「−D」処理)を行えば、必ずそれぞれ逆の処理が相殺されて単位変化量の総和はすべてにおいて0になり、画像を確実に初期画像に戻すことが可能となり、オペレータが違和感を覚えずに画像処理を行うことができる。
請求項10に記載の発明によれば、画像の色濃度変更におけるLUT作成または計算の基準となる単位変化量を色濃度の変更指示(すなわち処理)ごとに設定できるため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、画像処理をより的確に行うことが可能となる。
請求項11に記載の発明によれば、LUT作成または計算の基準となる単位変化量を、均等色空間における明度成分および色成分についてそれぞれ独立に定め、それぞれ単位変化量を設定するため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、色濃度の明度成分および色成分を的確に分けて色濃度変更処理を行うことができるようになると同時に、単位変化量等が設定し易くなり、LUT作成または計算が容易になる。
請求項12に記載の発明によれば、コンピュータである画像処理装置の制御部は、色濃度変更処理において、変更された注目画素の色濃度が定義色域内に入るように、注目画素の色濃度の色成分の変化量または明度成分と色成分との両方の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、その明度または色相の少なくとも一方に応じて規制するため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、注目画素の色濃度が定義色域内に入り易くなり、色域圧縮処理を行う手間が省略し易くなると同時に、不要なハイライトの色付きや高彩度での色弁別性の低下を防止することができる。
請求項13に記載の発明によれば、色濃度の変更指示は少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、YMCの各色について注目画素の色濃度の明度成分および色成分の単位変化量がそれぞれ定義されるため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、オペレータが慣れているYMC系により色補正を行うことができるとともに、明度成分と色成分とを明確に区別することが可能となる。
請求項14に記載の発明によれば、YMCの各色についての色成分の単位変化量の総和が0になるように定義されるため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、オペレータが違和感をおぼえずに操作することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
請求項15に記載の発明によれば、制御部と操作部とを備えた画像処理装置において、制御部は、色濃度の変更指示に対し、その単位変化量に基づいて、色濃度変更処理の基準となるLUTを色濃度の明度成分と色成分とに分けて作成してそれらに基づき、または、注目画素の色濃度の明度成分および色成分について計算により色濃度の明度成分と色成分とをそれぞれ別々に変更する色濃度変更処理を行うため、色濃度の明度成分と色成分とを独立にそれぞれ色濃度変更することができ、しかも、各画素について色成分の変化に関して同一の方向性を持つ状態で色濃度変更を行うことができる。
そのため、従来のように、例えば、明度のみを変更する画像処理に対しても、色濃度の明度成分と色成分とが互いに混ざり合い、しかも各画素の色濃度の変化の方向性がまちまちで色相等が変化してしまうという事態を確実に回避することができ、色濃度変更の方向性をすべての画素について一定に保った状態で、色相を不自然に変化させることなく、オペレータが想定した色再現を行うことが可能となる。
請求項16に記載の発明によれば、制御部は、色濃度の変更指示が複数入力された場合には、既に入力され処理されたすべての変更指示に対する単位変化量を加算して新たにLUTを作成し、または、すべての変更指示に対する単位変化量を加算した変化量に基づく計算式によって計算を行うことで色濃度変更処理を行うため、前記請求項に記載の発明の効果に加え、ある色濃度の変更処理(例えば、「+M」処理)のあとに他の色濃度の変更処理(例えば、「+D」処理)をした後、逆の色濃度の変更処理(「−M」処理および「−D」処理)を行えば、必ずそれぞれ逆の処理が相殺されて単位変化量の総和はすべてにおいて0になり、画像を確実に初期画像に戻すことが可能となり、オペレータが違和感を覚えずに画像処理を行うことができる。
請求項17に記載の発明によれば、画像の色濃度変更におけるLUT作成または計算の基準となる単位変化量を色濃度の変更指示(すなわち処理)ごとに設定できるため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、画像処理をより的確に行うことが可能となる。
請求項18に記載の発明によれば、LUT作成または計算の基準となる単位変化量を、均等色空間における明度成分および色成分についてそれぞれ独立に定め、それぞれ単位変化量を設定するため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、色濃度の明度成分および色成分を的確に分けて色濃度変更処理を行うことができるようになると同時に、単位変化量等が設定し易くなり、LUT作成または計算が容易になる。
請求項19に記載の発明によれば、制御部は、色濃度変更処理において、変更された注目画素の色濃度が定義色域内に入るように、注目画素の色濃度の色成分の変化量または明度成分と色成分との両方の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、その明度または色相の少なくとも一方に応じて規制するため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、注目画素の色濃度が定義色域内に入り易くなり、色域圧縮処理を行う手間が省略し易くなると同時に、不要なハイライトの色付きや高彩度での色弁別性の低下を防止することができる。
請求項20に記載の発明によれば、色濃度の変更指示は少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、YMCの各色について注目画素の色濃度の明度成分および色成分の単位変化量がそれぞれ定義されるため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、オペレータが慣れているYMC系により色補正を行うことができるとともに、明度成分と色成分とを明確に区別することが可能となる。
請求項21に記載の発明によれば、YMCの各色についての色成分の単位変化量の総和が0になるように定義されるため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、オペレータが違和感をおぼえずに操作することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
以下、本発明に係る画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る画像処理装置の実施形態を示す斜視図である。画像処理装置1の本体2の上部には、透過原稿入力装置3および反射原稿入力装置4が配置されている。透過原稿入力装置3は、フィルムスキャナでカラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、白黒ネガフィルム、白黒リバーサルフィルム等のフィルムから画像情報を読み取り、また、反射原稿入力装置4は、フラットベットスキャナでカラーや白黒の印画紙等から画像情報を読み取ってそれぞれデジタル情報に変換し、画像データを作成するように構成されている。
また、画像処理装置1の本体正面には、画像読込部5が設けられている。本実施形態では、画像読込部5には、デジタルカメラで撮像して複数の駒画像情報が記憶されたフロッピー(登録商標)ディスク(以下、FDという。)6を差し込み可能なFD用アダプタ7および同様の駒画像情報が記憶されたメモリを有するPCカード8を差し込み可能なPCカード用アダプタ9が配置されている。各アダプタ7、9の図示しない読み取り部は、それぞれのメディアから画像情報を読み取ってデジタル情報に変換し、画像データを作成するように構成されている。
図示を省略するが、画像処理装置1には、この他にも、デジタルカメラ等の撮像装置により画像情報が記憶されたコンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック、スマートメディア、マルチメディアカード、光磁気記憶媒体(MO)、CD−R、或いはDVD等の可搬式のメディアから画像情報を読み取る手段や、ネットワークなどの通信手段を介してデジタル画像情報を取得する手段等が設けられている。
また、画像処理装置1の本体上部には、画像データに対応する画像を画面に表示する表示手段としてのCRT10が配置されており、CRT10の手前側には、CRT10の画面を見ながら画像処理を行うためのキーボードや専用ボタンを備えたパネル等よりなる操作部11が設けられている。CRT10と操作部11の機能を一体化したタッチパネルモニタ等の構成とすることも可能である。
本実施形態では、操作部11には、画像処理装置1の制御部を介して画像処理装置1を構成する各装置等に対して画像処理指示を発するための各種機能ボタンが設けられている。さらに、操作部11には、色濃度の変更指示を行うために、少なくとも図2に示すような「+Y」等の色補正処理ボタンが設けられている。ここで、Y、M、Cはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアンの各色を表し、「+」はその色の色濃度を増加させ、「−」はその色の色濃度を減少させる(弱める)補正処理を行うことを意味している。具体的には、例えば、「+Y」ボタンは、CRT10の画面上に表示された画像全体に黄色みを帯びさせ、また、「−Y」ボタンは、画像全体が青みを呈するように色濃度を変更させるための操作ボタンになっている。
なお、操作部11の操作による色補正処理を、本実施形態のようにYMCを用いて行う代わりに、例えば、RGBを用いて行うように構成することも可能である。
また、操作部11には、その他の画像処理を行うための各種ボタンも設けられており、図2に示されている例では、Dは画像全体の濃度補正処理を表し、Tはコントラスト調整処理を表している。具体的には、例えば、「+D」ボタンは、画像全体の明度を下げ(すなわち、暗くし)、「+T」ボタンは、画像全体のコントラストを増加させる(すなわち、硬調にする)ための操作ボタンである。画像処理としては、前記の色補正処理や濃度補正処理、コントラスト調整処理のほか、色強調処理やシャープネス処理、ノイズ抑制処理、ソフトフォーカス処理、逆光補正処理、部分階調調整処理等を行うように構成することも可能であり、それらの場合も本発明の画像処理方法に則って処理される。
本実施形態の画像記録装置1(図1参照)は、画像処理された画像データを感光材料に露光して現像し、プリントを作成するプリント出力機能をも有している。画像記録装置1の本体2の一方の側面には、感光材料が装填されたマガジン装填部12が取り付けられており、マガジン装填部12は、本体2の内部に各種サイズの感光材料を装填するように構成されている。本体2には、感光材料に露光する露光処理部13と、露光された感光材料を現像処理して乾燥し、プリントを作成するプリント作成部14が備えられており、プリント作成部14で作成されたプリントが本体2の他方の側面に設けられたトレー15に排出されるようになっている。
また、画像記録装置1の本体正面には、画像処理された画像データをメディアに保存するための画像書込部16が設けられており、画像書込部16には、FD6を差し込み可能なFD用アダプタ17、MO18を差し込み可能なMO用アダプタ19および光ディスク20を差し込み可能な光ディスク用アダプタ21が備えられており、それぞれのメディアに画像処理された画像データを保存可能とされている。図示を省略するが、その他の可搬式のメディアに画像データを書き込む手段や、ネットワークなどの通信手段を介して画像処理されたデジタルの画像データを送信する手段等も設けられている。
画像読込部5や画像書込部16の後方の本体内部には、前記各装置等を制御するための制御部が備えられている。制御部には、CPUやRAM、ROM、入出力インターフェース等がBUSにより接続されて構成されたコンピュータが用いられている。
図3は、本実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。制御部22は、操作部11からの指示に基づいて、透過原稿入力装置3にアナログカメラC1等で撮像されたフィルムFからの画像情報の読み取りを行わせ、或いは反射原稿入力装置4に印画紙Pからの画像情報の読み取りを行わせてデジタル情報に変換させるように構成されている。また、制御部22は、操作部11からの指示に基づいて、画像読取部5にデジタルカメラC2等で撮像されたFD6やPCカード8等のメディアからデジタル画像情報の読み取りを行わせ、或いは図示しない通信手段にネットワークからデジタル画像情報を取得させるように構成されている。
制御部22には、ハードディスク等の記憶媒体よりなるデータ蓄積手段23が接続されており、制御部22は、透過原稿入力装置3等が画像情報をデジタル化すると、そのデジタル化された画像データをデータ蓄積手段23に送信させ、順次記憶させるようになっている。
制御部22は、操作部11からの指示に基づいて、以下に述べる画像処理により処理された画像データをデータ蓄積手段23から読み出して画像書込部16に送信し、画像書込部16に画像データをFD6やMO18、光ディスク20等のメディアに書き込ませるようになっている。また、制御部22は、操作部11からの指示に基づいて、処理された画像データを露光処理部13およびプリント作成部14に送信し、サービスサイズやハイビジョンサイズ、パノラマサイズ、A4サイズ、名刺サイズ等の各種サイズのプリントを作成させるように構成されている。
次に、本実施形態の画像処理装置1の制御部22に画像処理をさせるための画像処理プログラムについて説明する。
本実施形態では、制御部22は、操作部11からの指示に基づいて制御部22のROMに記憶されている画像処理プログラムをRAM上に展開し、それに基づいて画像処理を行うように構成されている。本実施形態では、画像処理プログラムは、コンピュータである画像処理装置1の制御部22に、色濃度変更処理と、判定処理と、必要に応じて色域圧縮処理とを実行させるように構成されている。
以下の説明においては、オペレータがCRT10に表示された画像を見ながら画像処理を行う場合が想定されているが、本発明の画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置は、例えば、制御部22が、画像をCRT10に表示することなくRAM上で画像データを処理して画像の色補正や濃度補正等を自動補正するような場合にも適用可能であることは言うまでもない。また、以下、均等色空間としてのCIE1976L***色空間(以下、L***色空間という。)において色濃度変更処理等の各処理を行う場合について述べるが、均等色空間であれば特にL***色空間に限定する必要はなく、例えば、マンセル色空間やCIE1976L***色空間等でも同様に各処理を行うことも可能である。
まず、色濃度変更処理について説明する。色濃度変更処理において、制御部22は、CRT10に表示された画像から色濃度変更を行うべき画素(以下、注目画素という。)を選択して、この注目画素の画像データをRAMから読み出す。注目画素の色濃度は、CRT10の画面上ではsRGB色空間に対応した数値とされているが、本実施形態では、前述したように、制御部22は均等色空間としてL***色空間を使用して画像処理を行うように構成されており、sRGB色空間の色濃度をL***色空間の色濃度に変換して、注目画素の色濃度に対応する点S(Ls,as,bs)をL***色空間に定める(図4参照)。sRGB色空間における色濃度とL***色空間における色濃度との変換は、所定の変換式或いは実験的に定めた変換式に基づいて適宜行われるようになっている。
色濃度変更処理は、注目画素の色濃度に対応する点SをL***色空間内で変位させて注目画素の色濃度を変更する処理であり、制御部22は、操作部11から送信される色濃度の変更指示に応じて、色濃度変換処理を実行する。本実施形態では、注目画素の色濃度に対応する点SのL***色空間内での変位は、LUTに基づいて行われるが、このLUTによる処理と同じ処理を計算によって行うことも可能である。
本実施形態では、例えば、図5に示す「+M」処理の場合のように、各色濃度の変更指示ごとに色濃度の明度成分(すなわちL*成分。図5(A)参照)および色成分(すなわちa*成分およびb*成分。図5(B)および図5(C)参照)についてそれぞれLUTに基づいて色濃度変更処理が行われるようになっている。さらに、本実施形態では、各色濃度の変更指示について既存のLUTを用いるのではなく、各色濃度の変更指示はそれぞれ色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてそれぞれ単位変化量が定義されており、その定義された単位変化量に基づいてLUTを作成するようになっている。
すなわち、「+Y」、「−Y」、「+M」、「−M」、「+C」および「−C」の各色濃度の変更指示において、L*成分については入力値の最小値0、最大値100および中間値50における単位変化量が定義されており、またa*成分およびb*成分については最小値−100、最大値100および中間値0における単位変化量が定義されており、図5に例示した「+M」処理の場合のように、L*、a*、b*の各成分ごとにその3点を通る指数関数を求めてLUTを定めるようになっている。
なお、本実施形態では、a*成分およびb*成分についてのLUTは、図中に1点鎖線で示した45°の直線を平行移動した直線(すなわち、1次関数)として作成するようになっており、a*成分およびb*成分についての単位変化量はその平行移動の距離を表す数値が1つずつそれぞれ定義されている。また、前記L*、a*、b*の各成分の単位変化量は、各色濃度の変更指示ごと設定し或いは変更することが可能とされている。
制御部22は、図5に例示した「+M」処理の場合には、このLUTに基づいて、図6に示すように、注目画素の色濃度に対応する点S(Ls,as,bs)を点T(Lt,at,bt)に変位させて注目画素の色濃度を変更させる。その際、本実施形態では、LUTが、a*成分およびb*成分の変位についてはその変化量がそれぞれ入力値から一定値だけ増減するように構成されているため(図5(B)および図5(C)参照)、図6において点Sから点Tに向かうベクトルをベクトルMとすると、ベクトルMのa*成分およびb*成分はそれぞれ一定値となる。そのため、色濃度変更処理においては、各画素の色濃度は、少なくともa*成分およびb*成分では、すなわち、色成分に関してはその変化の方向性が一定方向に保たれる。
また、本実施形態では、「+Y」処理および「+C」処理においても同様に単位変化量を示すベクトルYおよびベクトルCが定義できるが、本実施形態では、「+Y」処理および「+C」処理は、図7に示すように、このベクトルYおよびベクトルCと前記ベクトルMとの総和が、a*成分およびb*成分における単位変化量の総和がそれぞれ0、すなわち、ベクトルの和がL*軸方向を向くベクトルになるような処理として定められる。また、「−Y」、「−M」および「−C」の各処理の単位変化量を示すベクトルは、それぞれ「+Y」、「+M」および「+C」の各処理の単位変化量を示すベクトルY、ベクトルMおよびベクトルCに対して逆向きで同一長さのベクトルとして表され、それぞれ図7に示したものと同様の関係を有する。なお、ここで言うベクトルY、ベクトルMおよびベクトルCは、前記のようにL***色空間で定義されるベクトルであり、インクジェット記録装置等で使用される色空間としてのYMC色空間における基本ベクトルとは異なる。
また、本実施形態では、前述したように、操作部11の「+D」ボタンまたは「−D」ボタンを押して「+D」処理(または「−D」処理)を行うことにより、CRT10の画面上の画像の明度を全体的に暗くする(または明るくする)ことができる。これらの処理では、それぞれL*成分についてのみ入力値の最小値0、最大値100および中間値50における単位変化量が定義されており、a*成分およびb*成分についての単位変化量は0である。なお、画像全体のコントラストを強めまたは弱める「+T」処理および「−T」処理も、一定の明度を基準としてL*成分のみをその一定の明度からの距離に比例してL*軸方向に増減させる処理であり、同様にL*成分についてのみ入力値の最小値0、最大値100および中間値50における単位変化量が定義されている。
一方、本実施形態では、色濃度の変更指示が複数入力された場合には、制御部22は、入力された各変更指示に対するL*、a*、b*の各成分ごと単位変化量をそれぞれ全て加算し、この変化量の総和に基づいてL*、a*、b*の各成分ごとLUTをそれぞれ作成するように構成されている。例えば、「+Y」処理を行った後、「+M」処理を行った場合、「+M」処理を行うときには「+Y」処理で作成したLUTに「+M」処理のLUTを加算するのではなく、「+Y」処理に対応するL*、a*、b*の各成分ごと単位変化量(L*成分については入力値0、50、100の場合の3個、a*成分およびb*成分については平行移動の単位変化量1個ずつ)に「+M」処理のそれぞれの単位変化量を加算した後、L*成分のLUTについてはそれぞれ入力値0、50、100における単位変化量の総和を通る指数関数を求めてLUTを定め、a*成分およびb*成分については、単位変化量の総和の分だけ、例えば、図5(B)および図5(C)に1点鎖線で示した45°の直線を平行移動してLUTを作成する。
本実施形態では、色濃度変更処理において、注目画素の色濃度の色成分、すなわち、この場合はa*成分およびb*成分の変化量について、明度に応じてa*成分およびb*成分の変化量をそれぞれ同じ割合(以下、規制値αという。図8参照)で縮小する規制処理を行う。具体的には、制御部22は、ROMから図8に示したような規制処理についての表を読み出してRAM上に展開しておき、それに基づいて規制を行うように構成されている。a*成分およびb*成分の変化量を同じ規制値αで縮小されるため、前述した色濃度変更処理における各画素の色濃度の変化の方向性は一定に保たれる。なお、本実施形態では、規制は、明度Lに応じて行うように構成されているが、後述する色相Hに応じて行うように構成したりその両方に応じて行うように構成することも可能である。
ここで、次の判定処理と必要に応じて行われる色域圧縮処理の前提となる均等色空間の定義色域について、L***色空間を例にとって簡単に説明する。
まず、L***色空間における画素の明度L、彩度Cおよび色相Hについて述べる。CRT10の画面に表示された画像中の1つの画素の色濃度に対応するL***色空間内の点の座標を一般的に(L*,a*,b*)と表すと、その画素の明度L、彩度Cおよび色相Hはそれぞれ以下のように表される。
Figure 2005339343
(3)式に示されるように、L***色空間では、色相Hは、画素に対応する点Sをa**平面上に投影した場合のa*軸からの角度H(図9(A)および図9(B)参照)に相当する。別の言い方をすれば、L***色空間は、a**平面上に投影した場合のa*軸からの角度Hが一定になる点の集合、すなわち、図9(A)に示されるようなLC平面上の点がすべて同じ色相Hを持つように形成されている。なお、この場合、色相Hは0°以上360°未満の値を取り得る。
しかし、CRT10は、L***色空間内の全ての点をその明度L、彩度Cおよび色相Hにおいて表現できるわけではなく、L***色空間内のある領域内の点しか表現できない。本願出願では、このCRT10の画面上で色表示可能なL***色空間内の画素の色濃度領域のことを定義色域といい、この定義色域は、前述したLC平面上では図10に斜線で示されるような領域Rとして表される。
なお、色相H(角度H)が変わりLC平面が変わると、定義色域Rの形状は、例えば、図11や図12に示されるように変化するが、定義色域RのL軸方向の最大値(この場合は100)および最小値(この場合は0)は変わらない。また、前記図10乃至図12のように定義色域Rの形状が変化しても、定義色域R上で最大彩度となる点N1(Cn1,Ln1)(以下、最大彩度点という。)は1点に定まる(すなわち、最大彩度点N1が複数生じることはない)が、最大彩度点N1の位置は色相Hが変わると上下左右に変化する。
本実施形態の制御部22には、一定の色相H(すなわち、それに対応する一定のLC平面)において各明度Lに対応する彩度Cが取り得る最大値のテーブルがすべての色相Hについて定義され、記憶されている。具体的には、この定義色域を示すテーブルは、1つのLC平面の0〜100の101個の明度Lについて彩度Cの最大値(すなわち、定義領域Rの境界値)がそれぞれ割り振られ、それが0°〜359°の360個の各角度H(すなわち、色相H)について定義されている。
次に、判定処理について説明する。判定処理は、注目画素が定義色域内にあるか否かを判定する処理である。
制御部22は、判定処理において、色濃度変更処理後の注目画素の色濃度に相当する点Tの色相Htについての前記定義色域を示すテーブルをROMから読み出し、彩度Ctとテーブルに記載されている明度Ltにおける彩度の最大値C´との比較を行い(図13参照)、彩度Ctが最大値C´以下であれば色濃度変更処理後の注目画素が定義色域内にあり、彩度Ctが最大値C´より大きければ注目画素が定義色域外にあると判定する。
制御部22は、この判定処理で色濃度変更処理後の注目画素が定義色域内にあると判定すると、その色濃度変更処理後の注目画素の色濃度のデータをRAMに保存する。
次に、色域圧縮処理について説明する。色域圧縮処理は、定義色域外にある注目画素をその色相が一定に維持された状態で、すなわち、同一LC平面上で定義色域内に変位させる処理である。本実施形態では、LC平面上の定義色域外の領域を3分割し、各領域ごとに定められた色域圧縮の規則に則って色域圧縮処理を行うようになっている。
まず、定義色域外領域の分割方法としては、本実施形態では、図14に示すように、定義色域R上で最大彩度となる最大彩度点N1(Cn1,Ln1)と明度Ln1が同一で低彩度側に一定値だけ移動した点N2(Cn2,Ln2)(以下、収束点という。)を定義色域R上にとり、最大彩度点N1と収束点N2とを結ぶ線分に対して、収束点N2を起点として高明度側に角度θ1の角をなす直線を直線1(第1直線)とし、収束点N2を起点として低明度側に角度θ2の角をなす直線を直線2(第2直線)として、定義色域外領域をこの直線1および直線2で分割することにより、定義色域外領域を3分割する方法が採用されている。
なお、図14に示したように、直線1より高明度側の定義色域外領域を第1領域(第1定義色域外領域)、直線1より低明度側でかつ直線2より高明度側の定義色域外領域を第2領域(第2定義色域外領域)、および直線2より低明度側の定義色域外領域を第3領域(第3定義色域外領域)という。
また、最大彩度点N1と収束点N2との距離や角度θ1、角度θ2の値は適宜設定可能であり、さらに、収束点N2は、最大彩度点N1と明度が同じであるである必要はなく、定義色域内で任意に設定可能である。また、各色相Hごと(すなわち、図7における角度Hごと)に収束点N2、θ1の値およびθ2の値を設定することも可能である。
制御部22は、色域圧縮処理において、注目画素が属する定義色域外領域がどの領域であるかを判別し、各定義色域外領域で定められている圧縮の規則に従って色域圧縮を行う。
本実施形態では、各定義色域外領域における色域圧縮の規則は、前記色濃度変更処理後の注目画素の色濃度に対応する点が第1領域にある場合にはその点を直線1に平行な方向に(すなわち、角度θ1で)変位させ、第2領域にある場合には収束点N2に向かって変位させ、第3領域にある場合には直線2に平行な方向に(すなわち、角度θ2で)変位させて、それぞれ定義色域境界上の点に圧縮するものである(図14参照)。圧縮される定義色域境界上の点は、制御部22が、前記テーブルに基づいて算出して求めるように構成されている。
制御部22は、以上の色域圧縮処理を完了すると、その処理後の注目画素の色濃度のデータをRAMに保存する。
次に、この画像処理プログラムを用いた画像処理方法について説明する。図15は、画像処理方法の手順を示すフローチャートである。
画像処理装置1の制御部22は、オペレータが操作部11から画像処理を行うべき画像を指定すると、操作部11からの指定情報に応じて指定された画像の画像データがデータ蓄積手段23から読み出されて画像がCRT10に表示される。
操作部11のボタン操作で実行されるべき画像処理(以下、例えば、「+M」処理の場合)が選択されると、制御部22は、既に実行された色濃度の変更指示があれば、既に加算されている各処理のL*成分、a*成分およびb*成分の単位変化量の和をRAMから読み出して「+M」処理についてのL*成分、a*成分およびb*成分の単位変化量をそれぞれ加算して単位変化量の総和を求め(ステップS1)、その単位変化量の総和に基づいてL*、a*、b*の各成分についてのLUTを作成する(ステップS2)。その際、新たに加算されたL*、a*、b*の各成分の単位変化量の総和はそれぞれRAMに保存される。
そして、各LUTに基づいて注目画素の色濃度の変化量が求められるが、その際、本実施形態では、注目画素のa*成分およびb*成分の変化量について、RAMに記憶された図8に示した明度Lに応じた規制値αを参照して規制が行われる(ステップS3)。そして、このようにして求められたL*、a*およびb*の各成分の変化量に基づいて色濃度変更処理を実行する(ステップS4)。
次に、制御部22は、色濃度変更処理後の注目画素の色濃度に相当する点Tの色相Htについての定義色域を示すテーブルをROMから読み出し、判定処理を実行する(ステップS5)。制御部22は、この判定処理で色濃度変更処理後の注目画素が定義色域内にあると判定すると、その色濃度変更処理後の注目画素の色濃度のデータをRAMに保存してその注目画素についての画像処理を終了し、CRT10の画面上の画像から次の1画素を選択して、前記処理手順を繰り返す。
一方、制御部22は、前記判定処理において、色濃度変更処理後の注目画素が定義色域外にあると判定すると、前述したようにLC平面上の定義色域外の領域を3分割したどの領域に注目画素が属するかを判別し(ステップS6)、それぞれの領域に定められた色域圧縮の規則に則って色域圧縮処理を行う(ステップS7〜S9)。
注目画素についての色域圧縮処理が終了すると、制御部22は、その色域圧縮処理後の注目画素の色濃度のデータをRAMに保存してその注目画素についての画像処理を終了し、CRT10の画面上の画像から次の1画素を選択して、前記処理手順を繰り返す。
制御部22は、CRT10の画面上の画像のすべての画素について、以上の色濃度変更処理、判定処理および色域圧縮処理を終了すると、次の画像処理を受け付ける状態となり、操作部11からの画像処理の指示を待つ。操作部11から次の画像処理の指示が入力されると、前記手順に従って処理を行う。また、操作部11からデータの保存の指示が入力されると、RAMに保存された画像のすべての画素についてのデータをその画像の画像データとしてデータ蓄積手段23に保存する。その際、元の画像データとは別のデータとして保存してもよいし、或いは元の画像データに上書き保存するように構成されていてもよい。また、操作部11からプリント出力の指示が入力されると、制御部22は、RAMに保存された画像データをデータ保存手段23に保存すると同時に、露光処理部13に画像データを送信する。
なお、以上の作用を、オペレータが画像をCRT10に表示させつつ行わせるのではなく、例えば、制御部22が、画像をCRT10に表示することなくRAM上で画像データを処理して画像の色補正や濃度補正等を自動補正するような場合にも同様に行われることは、前述したとおりである。
以上のように、本実施形態の画像処理方法、画像処理プログラムおよび画像処理装置によれば、色濃度の変更指示(例えば「+M」処理)に対し、その単位変化量に基づいて、色濃度変更処理の基準となるLUTを色濃度の明度成分と色成分(a*成分およびb*成分)とに分けて作成し、それらに基づいて色濃度の明度成分と色成分とをそれぞれ別々に変更するようにしたため、色濃度の明度成分と色成分とを独立にそれぞれ色濃度変更することができ、しかも、各画素について色成分の変化に関して同一の方向性を持つ状態で色濃度変更を行うことができる。
そのため、従来のように、例えば、明度のみを変更する画像処理を行っても、色濃度の明度成分と色成分とが互いに混ざり合い、しかも各画素の色濃度の変化の方向性がまちまちで色相等が変化してしまうという事態を確実に回避することができ、色濃度変更の方向性をすべての画素について維持した状態で、色相を不自然に変化させることなく、オペレータが想定した色再現を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、色濃度変更処理をLUTに基づいて行う場合について説明したが、前述したように、例えば、本実施形態でL*成分についてのLUTを作成するために用いた指数関数、およびa*成分とb*成分についてのLUTをそれぞれ作成するために用いた1次関数等を使って、LUT作成を介さずに、注目画素の色濃度の変化量を計算により直接求めることも可能であり、その方が計算精度が向上する。また、3次元LUTの格子点についてのみ計算またはLUTに基づく変更を行い、格子点周囲の点はその格子点に付随する状態で色濃度変更処理等を行うように構成することで、この3次元LUTを用いて本発明を画像処理に適用することも可能である。この場合、大きな画像に対して処理速度が速くなるという効果がある。
さらに、色濃度の変更指示が複数入力された場合には、既に入力され処理されたすべての変更指示に対するL*、a*、b*の各成分についての単位変化量を加算して新たにLUTを作成し、または計算を行うようになっている。そのため、ある色濃度の変更処理(例えば、「+M」処理)のあとに他の色濃度の変更処理(例えば、「+D」処理)をした後、逆の色濃度の変更処理(「−M」処理および「−D」処理)を行えば、必ずそれぞれ逆の処理が相殺されて単位変化量の総和はすべてにおいて0になり、画像を初期画像に戻すことができる。
また、色濃度変更処理において、前記規制処理を行うことで、注目画素の色濃度が定義色域内に入り易くなり、色域圧縮処理を行う手間が省略し易くなると同時に、不要なハイライトの色付きや高彩度での色弁別性の低下を防止することができる。さらに、この規制処理においては、前述したように、色濃度変更処理における注目画素の色濃度の変化の方向性を保った状態で規制するため、色相を不自然に変化させることなくオペレータが想定した色再現を行うことを可能とする効果が維持される。
また、前記規制処理を行うことにより定義色域外に出る色濃度に対応するL***色空間内の点は少なくなるが、さらに定義色域外に出てしまう点に対して色域圧縮処理を行うことにより、CRT10の画面上に処理後の画素を表示することが可能となる。しかも、色域圧縮処理は、それぞれ色相Hが一定のLC平面上で行われるため、これらの処理によって画素の色相は変化せず、このことによってもオペレータが想定した色再現を行うことが保証される。
色域圧縮処理においては、例えば、図16(A)および図16(B)に示すように、収束点N2を明度軸上に設定し、画像全体の明度を上げる色濃度変更処理(A)または画像全体の明度を下げる色濃度変更処理(B)によって定義色域外に出た点を単に収束点N2に向かって色域圧縮するように構成したとする。すると、明度を上げる画像処理(A)では、点S1、S2はそれぞれ点T1、T2を経て点U1、U2に色域圧縮され、明度を下げる画像処理(B)では、点S3、S4はそれぞれ点T3、T4を経て点U3、U4に色域圧縮される。この場合、明度を上げる画像処理(A)では、より白色側の点S2が点U2に色域圧縮されるがほとんど白色度(明度)が増さず、また、明度を下げる画像処理(B)においても、より黒色側の点S4は点U4に変換されるがほとんど黒色度は増さない(明度が下がらない)。すなわち、このような色域圧縮処理方法では、ハイライトの抜けが悪く(図16(A)参照)、黒の締まりが悪くなる(図16(B)参照)。
しかし、本実施形態の画像処理方法等では、図17(A)および図17(B)に示すように、色濃度変更処理によって定義色域外に出た点T1、点T2は角度θ1で変位させ、点T3、T4は角度θ2で変位させるから、特により白色側の点T2およびより黒色側の点T4はこの場合は明度の最大値である点U2´および最小値である点U4´にそれぞれ色域圧縮される。このように、本実施形態の画像処理方法等によれば、ハイライト抜けや黒の締まりが的確に良化される。
なお、図2に示した操作部11では、「+Y」等のボタンを押す回数分だけそれぞれの色濃度の変更指示に応じた単位変化量を加算するように構成されているが、その他にも、例えば、図18に示すように、CRT11の画面上にウィザード形式でスライドバー方式の操作部11を表示して、スライドバーをスライドさせることにより、YMCおよびDのそれぞれの処理について図2の操作部11でボタンを押す回数に相当する数値を入力するように構成することも可能である。また、図19に示すように、画像を読み取ったフィルムやメディア等の種類に応じてさらに細かく数値を入力するように構成することも可能である。
その際、図18のスライドバー方式の操作部11や直接数値を入力する図19の操作部11において、例えば、整数値のみならず小数値を入力可能とすることで、より緻密な画像処理を行うように構成することもできる。
また、以上の本実施形態では、画像の全画素について画像処理を行う場合について述べたが、画像の一部または複数部分を特定して行う画像処理について本発明の画像処理方法等を適用することも当然可能である。
本発明に係る画像処理装置の実施形態を示す斜視図である。 本実施形態の画像処理装置の操作部を示す概略図である。 本実施形態の画像形成装置の制御部を中心とする概略構成を示すブロック図である。 ***色空間における注目画素の色濃度に対応する点Sを示す図である。 「+M」処理の場合のLUTを示す図であり、(A)はL*成分、(B)はa*成分、(C)はb*成分の変位についてのLUTを表す。 図5のLUTに基づいて注目画素の色濃度をL***色空間内で変更する状態を示す図である。 ベクトルY、ベクトルMおよびベクトルCの関係を説明する図である。 規制処理において用いられる規制値を表す表である。 (A)はL***色空間における画素の明度、彩度および色相を説明する図であり、(B)はa**平面における画素の彩度および色相を説明する図である。 LC平面における定義色域を説明する図である。 LC平面における定義色域を説明する図である。 他の形状を有する定義色域を説明する図である。 注目画素が定義色域内にあるか否かの判定処理を説明する図である。 定義色域外領域を3分割する方法について説明する図である。 画像処理プログラムを用いた画像処理方法の手順を示すフローチャートである。 本実施形態とは異なる色域圧縮方法による点の変位を説明する図である。 本実施形態の色域圧縮方法による点の変位を説明する図である。 操作部の第1変形例を示す図である。 操作部の第2変形例を示す図である。 従来の画像処理で用いられるLUTを示す図である。 従来のLUTを用いた場合の暗い緑色の色濃度の変更を示す図である。 従来のLUTを用いた場合の明るい緑色の色濃度の変更を示す図である。
符号の説明
1 画像処理装置
11 操作部
22 制御部
C 彩度
H 色相
L 明度

Claims (21)

  1. 色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてそれぞれ単位変化量が定義された色濃度の変更指示に対して、前記単位変化量に基づいて前記明度成分および色成分についてのLUTをそれぞれ作成して注目画素の色濃度を前記LUTに基づいて明度成分および色成分についてそれぞれ変更し、または、前記単位変化量に基づく計算により注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更する色濃度変更処理を行うことを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記色濃度の変更指示が複数の場合には、各変更指示に対する一定の入力値についての単位変化量の総和を明度成分および色成分についてそれぞれ算出し、算出された総和の変化量に基づいて前記注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記各変更指示に対する明度成分および色成分の一定の入力値についての単位変化量は、各変更指示ごとに設定可能であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
  4. 前記明度成分および色成分の単位変化量は、それぞれ均等色空間における明度成分および色成分の単位変化量として表されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  5. 少なくとも前記注目画素の色濃度の色成分の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、前記注目画素の明度または色相の少なくとも一方に応じて規制して色濃度変更処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  6. 前記色濃度の変更指示は、少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、前記YMCの各色について前記注目画素の色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてのそれぞれ単位変化量が定義されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  7. 前記YMCの各色についての前記色成分の一定の入力値についての単位変化量は、その総和が0になるように定義されていることを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
  8. コンピュータに、
    色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてそれぞれ単位変化量が定義された色濃度の変更指示に対して、前記単位変化量に基づいて前記明度成分および色成分についてのLUTをそれぞれ作成して注目画素の色濃度を前記LUTに基づいて明度成分および色成分についてそれぞれ変更し、または、前記単位変化量に基づく計算により注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更する色濃度変更処理を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
  9. コンピュータに、前記色濃度の変更指示が複数の場合には、各変更指示に対する一定の入力値についての単位変化量の総和を明度成分および色成分についてそれぞれ算出し、算出された総和の変化量に基づいて前記注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更させることを特徴とする請求項8に記載の画像処理プログラム。
  10. 前記各変更指示に対する明度成分および色成分の一定の入力値についての単位変化量は、各変更指示ごとに設定可能であることを特徴とする請求項9に記載の画像処理プログラム。
  11. 前記明度成分および色成分の単位変化量は、それぞれ均等色空間における明度成分および色成分の単位変化量として表されることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の画像処理プログラム。
  12. コンピュータに、少なくとも前記注目画素の色濃度の色成分の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、前記注目画素の明度または色相の少なくとも一方に応じて規制して色濃度変更処理を実行させることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載の画像処理プログラム。
  13. 前記色濃度の変更指示は、少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、前記YMCの各色について前記注目画素の色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてのそれぞれ変化量が定義されていることを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか一項に記載の画像処理プログラム。
  14. 前記YMCの各色についての前記色成分の一定の入力値についての単位変化量は、その総和が0になるように定義されていることを特徴とする請求項13に記載の画像処理プログラム。
  15. 画像処理を行うための制御部と、
    前記制御部に色濃度の変更指示を送るための操作部とを備え、
    前記制御部は、色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてそれぞれ単位変化量が定義された色濃度の変更指示に対して、前記単位変化量に基づいて前記明度成分および色成分についてのLUTをそれぞれ作成して注目画素の色濃度を前記LUTに基づいて明度成分および色成分についてそれぞれ変更し、または、前記単位変化量に基づく計算により注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更する色濃度変更処理を行うように構成されていることを特徴とする画像処理装置。
  16. 前記制御部は、前記色濃度の変更指示が複数の場合には、各変更指示に対する一定の入力値についての単位変化量の総和を明度成分および色成分についてそれぞれ算出し、算出された総和の変化量に基づいて前記注目画素の色濃度を明度成分および色成分についてそれぞれ変更するように構成されていることを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
  17. 前記各変更指示に対する明度成分および色成分の一定の入力値についての単位変化量は、各変更指示ごとに設定可能であることを特徴とする請求項16に記載の画像処理装置。
  18. 前記明度成分および色成分の単位変化量は、それぞれ均等色空間における明度成分および色成分の単位変化量として表されることを特徴とする請求項15乃至請求項17のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  19. 前記制御部は、少なくとも前記注目画素の色濃度の色成分の変化量を、その変化の方向性を保った状態で、前記注目画素の明度または色相の少なくとも一方に応じて規制して色濃度変更処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項15乃至請求項18のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  20. 前記色濃度の変更指示は、少なくともYMCの各色について色濃度を変更させるものであり、前記YMCの各色について前記注目画素の色濃度の明度成分および色成分の一定の入力値についてのそれぞれ単位変化量が定義されていることを特徴とする請求項15乃至請求項19のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  21. 前記YMCの各色についての前記色成分の一定の入力値についての単位変化量は、その総和が0になるように定義されていることを特徴とする請求項20に記載の画像処理装置。
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