JP2005338244A - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】IHFにおいて小サイズ紙へ連続印刷した場合の非通紙部昇温を防止し、かつ待機時における熱効率の良い加熱装置または画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着スリーブガイド部材のニップ部に設けられた摺動板の代わりにセラミックヒータを配置、あるいは中空加圧ローラ中心部にハロゲンヒータを配置する。セラミックヒータとハロゲンヒータの発熱体長さは、通紙可能な小サイズの幅に応じた長さとする。小サイズ紙連続印刷時には、セラミックヒータまたはハロゲンヒータをオンさせると共にIHFへの供給電力を低下させる。スタンバイ時には、セラミックヒータまたはハロゲンヒータにより温調することで、直接的に加圧ローラを温める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、誘導加熱定着方式の加熱装置、及び前記加熱装置を像加熱装置として備えた電子写真装置・静電記録装置などの画像形成装置に関する。
図9,10に、本発明が対象とする誘導加熱定着装置を使用した画像形成装置の一例である、タンデムタイプの画像形成装置の構成を示す。
これらの図をもとにレーザビームプリンタの画像形成動作ついて説明する。
タンデムタイプの画像形成装置は、黒画像(Bk),イエロー画像(Y),マゼンタ画像(M),シアン(C)画像の各色ごとに画像形成部を設けている。
それぞれの画像形成部には、感光体ドラム18、感光ドラムを一様に帯電する一次帯電器16、感光体ドラム上に潜像を形成するスキャナユニット11、潜像を現像して可視像とする現像器14、可視像を転写紙に転写する転写器19、感光体の残留トナーを除去するクリーニング装置15等がある。
パーソナルコンピュータ等の外部機器(図示しない)からの画像形成指示があると、画像形成装置内のコントローラ(図示しない)において画像情報が露光手段であるレーザビームをオンオフする画像信号(VDO信号)101に変換される。
101は画像信号(VDO信号)で、スキャナユニット11内のレーザユニット102に入力される。103は、前記レーザユニット102によりオンオフ変調されたレーザビームである。104はスキャナモータで回転多面鏡(ポリゴンミラー)105を定常回転させる。106は結像レンズでポリゴンミラーによって変更されたレーザビーム107を被走査面である感光ドラム18上に焦点を結ばせる。
したがって、画像信号101により変調されたレーザビーム13は、感光ドラム18上を水平走査(主走査方向への走査)され、感光ドラム18上に潜像を形成する。
109はビーム検出口で、スリット状の入射口よりビームを取り入れる。この入射口より入ったレーザビームは、光ファイバ110内を通って光電変換素子111に導かれる。光電変換素子111により電気信号に変換されたレーザビームは、増幅回路(図示しない)により増幅された後、水平同期信号となる。
9は転写材である転写紙であり、カセット22から給紙される。給紙された転写紙は、画像形成部とタイミングをとるために、レジストローラ21で待機する。
また、レジストローラ21の近傍には、給紙された転写紙の先端を検知するためのレジセンサ24が設けてある。画像形成部を制御する画像形成制御部はレジセンサ24の検出結果により、紙の先端がレジストローラ21に到達したタイミングを検知し、1色目(図の例ではイエロー色)の像を、像担持体である感光ドラム18上に形成するとともに、定着器23のヒータ(図示しない)温度を所定の温度になるよう制御する。
29は吸着ローラであり、このローラの軸に吸着バイアスを印可し、転写紙を搬送ベルト20上に静電的に吸着させる。
レジストローラ21で待機した転写紙は、レジセンサ24の検出結果と像形成プロセスとのタイミングをとって、各色画像形成部を貫通するように配置された転写ベルト20上を搬送されるとともに、転写器19により1色目の画像が転写紙上に転写される。
同様に、2色目(図の例ではマゼンタ)の像は、レジセンサ24の検出結果と、2色目像形成プロセスとのタイミングを取って、転写ベルト20上を搬送される転写紙上の、1色目の像の上に重畳転写される。以降同様に、3色目(図の例ではシアン)の像,4色目(図の例では黒色)の像は、各像形成プロセスとのタイミングを取って、転写紙上に順次重畳転写される。
定着器23へ搬送された転写紙上のトナーtは、転写紙が定着器23のニップ部Nを通過することにより、加圧、過熱されて転写紙に溶融定着される。定着器23を通過した転写紙は機外に排紙されフルカラーの画像形成が終了する。
次に、誘導加熱定着装置について説明する。
特許文献1には、磁束により定着ローラに電流を誘導させてジュール熱によって発熱させる誘導加熱定着装置が開示されている。これは、誘導電流の発生を利用することで直接定着ローラを発熱させることができて、ハロゲンランプを熱源として用いた熱ローラ方式の定着装置よりも高効率の定着プロセスを達成している。
定着装置(加熱手段)23
図11は本例の定着装置の断面略図、図12は定着装置の正面略図、図13は定着装置の主要部斜視図である。
本例定着装置23は電磁誘導発熱性円筒(以下定着定着スリーブ)を用いた、加圧ローラ駆動方式、電磁誘導加熱方式の装置である。磁場発生手段は磁性コア505a・505b・505c及び励磁コイル506からなる。
磁性コア505a・505b・505cは高透磁率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったトランスのコアに用いられる材料がよく、より好ましくは100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いるのがよい。
励磁コイル506には給電部506a・506bに励磁回路300(図16)を接続してある。この励磁回路300は20kHzから500kHzの高周波をスイッチング電源で発生できるようになっている。
励磁コイル506は励磁回路300から供給される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生する。
516a,516bは横断面略半円弧状樋型のスリーブガイド部材であり、開口側を互いに向かい合わせて略円柱体を構成し、外側に円筒状の電磁誘導性発熱ベルトである定着スリーブ501をルーズに外嵌させてある。
前記スリーブガイド部材516aは、磁場発生手段としての磁性505a・505b・505cと励磁コイル506を内側に保持している。
510はスリーブガイド部材516aの内面平面部に当接させて配設した横長の加圧用剛性ステイである。
509は、磁性コア505a・505b・505c及び励磁コイル506と加圧用剛性ステイ510の間を絶縁するとともにコア505a・505b・505cを保持する励磁コイル保持部材である。
フランジ部材523a・523bはスリーブガイド部材516a,516bのアセンブリの左右両端部に外嵌し、前記左右位置を固定しつつ回転自在に取り付け、定着スリーブ501の回転時に前記定着スリーブ501の端部を受けて定着スリーブのベルトガイド部材長手に沿う寄り移動を規制する役目をする。
加圧部材としての加圧ローラ530は、芯金530aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材層530bとで構成されており、芯金530aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間に回転自由に軸受け保持させて配設してある。
加圧用剛性ステイ510の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材529a・529bとの間にそれぞれ加圧バネ525a・525bを縮設することで加圧用構成ステイ510に押し下げ力を作用させている。これによりスリーブガイド部材516aの下面と加圧ローラ530の上面とが定着スリーブ501を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
加圧ローラ530は駆動手段Mにより矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ530の回転駆動による前記加圧ローラ530と定着スリーブ501の外面との摩擦力で定着スリーブ501に回転力が作用し、前記定着スリーブ501がその内面が定着ニップNにおいて下記摺動部材540の下面に密着して摺動しながら矢示の時計方向に加圧ローラ530の回転周速度にほぼ対応した周速度をもってスリーブガイド部材516a,516bの外回りを回転状態になる。
スリーブガイド部材516aには、図11に示すように紙面垂直方向長手の摺動部材540がニップ部Nの加圧ローラ530との対向面側で、定着スリーブ501の内側に配設してある。
摺動部材540の基材にはは厚さ約1[mm]セラミックを用いている。定着ニップ部Nにおける摺動部材540の下面と定着スリーブ501の内面との相互摺動摩擦力を低減化させるために、摺動部材540の下面はガラス材等の潤滑部材で被覆してある。なおかつ、定着ニップ部Nの摺動部材540の下面と定着スリーブ501の内面との間に耐熱性グリスなどの潤滑剤を介在させてある。
ガラス材による被覆とグリス塗布は、摺動部材540としてセラミック材等を用いた場合のように表面滑り性が材質的によくない或いは仕上げ加工を簡素化した場合に、摺動する定着スリーブ501に傷をつけて定着スリーブ501の耐久性が悪化してしまうことを防ぐものである。
また、図13に示すように、スリーブガイド部材516aの周面に、その長手に沿い所定の間隔を置いて凸リブ部516eを形成具備させ、スリーブガイド部材516aの周面と定着スリーブ501の内面との接触摺動抵抗を低減させて定着スリーブ501の回転負荷を少なくしている。このような凸リブ部はスリーブガイド部材516bにも同様に形成具備することができる。
図14は交番磁束の発生の様子を模式的に表したものである。磁束Cは発生した交番磁束の一部を表す。
磁性コア505a・505b・505cに導かれた交番磁束(C)は、磁性コア505aと磁性コア505bとの間、そして磁性コア505aと磁性コア505cとの間において定着スリーブ501の電磁誘導発熱層1に渦電流を発生させる。この渦電流は電磁誘導発熱層1の固有抵抗によって電磁誘導発熱層1にジュール熱(渦電流損)を発生させる。ここでの発熱量Qは電磁誘導発熱層1を通る磁束の密度によって決まり図14のグラフような分布を示す。
図14のグラフは、縦軸が磁性コア505aの中心を0とした角度θで表した定着スリーブ501における円周方向の位置を示し、横軸が定着スリーブ501の電磁誘導発熱層1での発熱量Qを示す。ここで、発熱域Hは最大発熱量をQとした場合、発熱量がQ/e以上の領域と定義する。これは、定着に必要な発熱量が得られる領域である。
この定着ニップ部Nの温度は、不図示の温度検知手段を含む温調系により励磁コイル506に対する電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるように温調される。405は定着スリーブ501の温度を検知するサーミスタなどの温度センサであり、本例においてはサーミスタ405で測定した定着スリーブ501の温度情報をもとに定着ニップ部Nの温度を制御するようにしている。
而して、定着スリーブ501が回転し、励磁回路300から励磁コイル506への給電により上記のように定着スリーブ501の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像tが形成された被記録材Pが定着ニップ部Nの定着スリーブ501と加圧ローラ530との間に画像面が上向き、即ち定着スリーブ面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着スリーブ501の外面に密着して定着スリーブ501と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nを定着スリーブ501と一緒に被記録材Pが挟持搬送されていく過程において定着スリーブ501の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材P上の未定着トナー画像tが加熱定着される。被記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると回転定着スリーブ501の外面から分離して排出搬送されていく。被記録材上の加熱定着トナー画像は定着ニップ部通過後、冷却して永久固着像となる。
図12に示すように、定着スリーブ501のこの発熱域H(図16)の対向位置に暴走時の励磁コイル506への給電を遮断するため温度検知素子であるサーモスイッチ502を配設している。
温度検知素子であるサーモスイッチ502は+24VDC電源とリレースイッチ303と直列に接続されており、サーモスイッチ502が切れると、リレースイッチ303への給電が遮断され、リレースイッチ303が動作し、励磁回路300への給電が遮断されることにより励磁コイル506への給電を遮断する構成をとっている。リレースイッチ303はOFF動作温度を220℃に設定した。
また、リレースイッチ303は定着スリーブ501の発熱域Hに対向して定着スリーブ501の外面に非接触に配設した。リレースイッチ303と定着スリーブ501との間の距離は略2mmとした。これにより、定着スリーブ501にリレースイッチ303の接触による傷が付くことがなく、耐久による定着画像の劣化を防止することができる。
本例によれば、装置故障による定着装置暴走時、定着ニップNで発熱する構成とは違い、定着ニップNに紙が挟まった状態で定着器が停止し、励磁コイル506に給電が続けられ定着スリーブ501が発熱し続けた場合でも、紙が挟まっている定着ニップ部Nでは発熱していないために紙が直接加熱されることがない。また、発熱量が多い発熱域Hには、リレースイッチ303が配設してあるため、サーモスイッチ502が220℃を感知して、サーモスイッチが切れた時点で、リレースイッチ303により励磁コイル506への給電が遮断される。
温度検知素子としてサーモスイッチのほかに温度ヒューズを用いることもできる。
本例ではトナーtに低軟化物質を含有させたトナーを使用したため、定着装置にオフセット防止のためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を含有させていないトナーを使用した場合にはオイル塗布機構を設けてもよい。また、低軟化物質を含有させたトナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行ってもよい。
A)励磁コイル506
励磁コイル506はコイル(線輪)を構成させる導線(電線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複数回巻いて励磁コイルを形成している。本例では10ターン巻いて励磁コイル506を形成している。
絶縁被覆は定着スリーブ501の発熱による熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよい。たとえば、アミドイミドやポリイミドなどの被覆を用いるとよい。
励磁コイル506は外部から圧力を加えて密集度を向上させてもよい。
励磁コイル506の形状は、図9のように発熱層の曲面に沿うようにしている。本例では定着ベルトの発熱層と励磁コイル506との間の距離は略2mmになるように設定した。
励磁コイル保持部材509の材質としては絶縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂、LCP樹脂などを選択するとよい。
磁性コア505a・505b・505c及び励磁コイル506と、定着スリーブの発熱層の間の距離はできる限り近づけた方が磁束の吸収効率が高いのであるが、この距離が5mmを越えるとこの効率が著しく低下するため5mm以内にするのがよい。また、5mm以内であれば定着スリーブ501の発熱層と励磁コイル506の距離が一定である必要はない。
励磁コイル506の励磁コイル保持部材509からの引出線すなわち506a・506b(図11)については、励磁コイル保持部材509から外の部分について束線の外側に絶縁被覆を施している。
B)定着スリーブ501
図15は本例における定着スリーブ501の層構成模型図である。本例の定着スリーブ501は、電磁誘導発熱性の定着スリーブ501の基層となる金属ベルト等でできた発熱層1と、その外面に積層した弾性層2と、その外面に積層した離型層3の複合構造のものである。発熱層1と弾性層2との間の接着、弾性層2と離型層3との間の接着のため、各層間にプライマー層(不図示)を設けてもよい。略円筒形状である定着スリーブ501において発熱層1が内面側であり、離型層3が外面側である。前述したように、発熱層1に交番磁束が作用することで前記発熱層1に渦電流が発生して前記発熱層1が発熱する。その熱が弾性層2・離型層3を介して定着スリーブ501を加熱し、前記定着ニップNに通紙される被加熱材としての被記録材Pを加熱してトナー画像の加熱定着がなされる。
高周波インバータ装置
図16は、誘導加熱制御部の全体構成ブロック図である。
以下に回路の動作について説明を行う。301は電源ライン入力端子、302は、サーキットブレーカー、303はリレー、304は、交流入力から、両波整流を行うブリッジ整流回路と高周波フィルタを行うコンデンサで構成された整流回路、305、306はゲート制御トランス、307は主スイッチ素子、308は第2のスイッチ素子、309は共振コンデンサ、310は第2の共振コンデンサ、311は307、308でスイッチングされたスイッチング電流を検出するカレントトランスである。313は定着器ユニット部を示しており電気部品構成としては前述説明した励磁コイルと温度検出サーミスタ405と過昇温を検出するサーモスイッチ502を有している。S302は定着器の加熱オン/オフ信号であり、画像形成制御部(図示せず)から送られてくる電圧信号により本インバータ装置の出力オン、オフを制御している。316は、定着器のサーミスタ温度検出値S303に基づき、目標温度の設定信号S301と比較しながら制御量をコントロールするフィードバック制御回路、315はフィードバック制御信号を受けて、本コンバータの制御形態に相応しい制御を行うドライバ回路である。
307、308のスイッチング素子としては、パワー用電力スイッチ素子が最適であり、FETもしくはIGBT(+逆導通ダイオード)により構成している。共振電流を制御する為、定常時の損失及びスイッチ損失が小さいもので、なおかつ高耐圧、大電流タイプのものが良い。
301から交流電源入力を受け、過電流ブレーカ302及びリレー303を介して整流回路304にAC電源が印加されると、両波整流ダイオードにより、脈流化DC電圧を生成する。
スイッチング素子307がスイッチングを行うようにゲートトランス305をドライブする事により励磁コイル303と共振コンデンサ309で形成された共振回路に交流パルス電圧が印可される。この結果、スイッチング素子308の導通時には励磁コイル506に脈流化DC電圧が印可され、励磁コイル506のインダクタンスと抵抗により定まる電流が流れはじめる。ゲート信号に従ってスイッチング素子がターンオフすると、励磁コイルは電流を流し続けようとするため、両端に共振コンデンサと励磁コイル506により定まる共振回路の尖鋭度Qにより、フライバック電圧と呼ばれる高電圧が発生する。この電圧は電源電圧を中心に振動し、そのままオフ状態を保っておくと電源電圧に収束する。
フライバック電圧のリンギングが大きく、スイッチ素子のコイル側端子の電圧が負になる期間は逆導通ダイオードがターンオンし、電流がコイル506に流入する。この期間中コイルとスイッチ素子の接点は0Vにクランプされることになる。この様な期間にスイッチ素子をオンすれば、スイッチ素子は電圧を背負うことなくターンオン可能なことが一般に知られており、ZVS(Zero Voltage Switching)と呼ばれている。この様な駆動方法によりスイッチ素子のスイッチングに伴う損失は最小とすることができ、効率の良い、ノイズの少ないスイッチングを可能としている。
図13,17を用いて、温度検出用サーミスタユニット400について説明する。
図17はサーミスタユニットの略図である。
405はサーミスタであり、温度が低いときには高抵抗となり、温度が高いときには低抵抗となる温度可変抵抗体素子である。
サーミスタ405は直方体にカットされたスポンジ414上に耐熱ボンド(登録商標)等の接着材により固定されている。スポンジ414は、所定の角度にあらかじめ曲げられ、かつ弾性を有するステンレス鋼からなる板バネ部材413上先端に接着されている。板バネ413は、サーミスタユニットを組み付けた際、サーミスタ405が定着スリーブ501の内壁に当接する当接圧を調整する役割を持っており、定着スリーブを回転駆動したときに生じる定着スリーブ501の変位量を吸収し、サーミスタ405と定着スリーブ501内壁が、常に良好な状態で接触するようにしている。
また、板バネ部材の他端は、モールド部材により形成されたサーミスタ保持部材411に一体成形されている。
サーミスタ保持部材411には、サーミスタユニットを加圧用剛性ステイ510にネジ止めするためのネジ穴が設けられている。
また、サーミスタユニットを組み付けた際、定着スリーブ501の内壁にサーミスタ405が直接当接することを回避し、かつ摺動性を良くするために、絶縁性テープ(図示せず)を板バネ413の一部、サーミスタ405、スポンジ414を覆い隠すように貼り付けてある。
さらに、前記耐熱性グリスなどの潤滑剤が、定着スリーブ501の内面塗布されているために、定着スリーブ501の内壁と絶縁性テープとの間にグリスが介在しさらに摺動性を向上させている。
416はサーミスタ405からのリード線であり耐熱性の電線が用いられている。
サーミスタユニット400が組みつけの際には、スリーブガイド部材516内の加圧用剛性ステイ510にネジ止めされるため、スリーブガイド部材516b側に図13のような位置関係で取り付けられる。その後、スリーブガイド部材516と共に、スリーブ501内に図中のA方向に挿入され、定着器の1つのユニットを構成する。定着スリーブ501内に収納されたサーミスタ405は、図10中の発熱域H部分に定着スリーブ501に内接し、発熱域Hの温度を検出する。画像形成装置は、この発熱域H部に配置されたサーミスタで検出した温度によって、ニップ部Nの温度を定着に適正な温度となるように制御している。
また、発熱域は、画像形成装置が通紙可能な最大通紙幅にほぼ等しい領域において、ほぼ均一に発熱するように制御されている。
また、プリント開始から画像形成された紙が排出されるまでの時間を短縮するために、待機時においても所定の時間間隔で電力投入することで、定着器の温度を画像形成時よりも低い温度に温めるような制御行っており、プリント開始してから所定の定着温度に早く到達するようにしている。
このような、電磁誘導加熱方式の定着手段を有する画像形成装置においては、発熱域が、最大通紙幅に対応した長さ、または、ある紙種(たとえばA4やB4といった定型の記録紙、以下卯通サイズ紙と称する)の幅に対応した適当な長さである場合、前記発熱体の長さよりも短い普通紙の記録紙(小サイズ紙)を通紙した時には、この発熱領域かつ非通紙領域において、通紙域に比べて温度が高くなってしまう場合(以下、非通紙部昇温と称する)がある。この非通紙部昇温を検出するために、図12に示すようにサーミスタ405と同形状のサーミスタ406小サイズ紙の非通紙領域に配置してある。
そして、この非通紙領域において、温度が高くなりすぎると、定着スリーブ部材等、周囲の部材にダメージを与えてしまう場合がある。従来、この影響を緩和するために、端部の温度をサーミスタ406で検出して、あるいは転写紙の幅サイズにしたがって、転写紙の連続印字間隔をあけてスループットを小さくしていた。
実開昭51−109739号公報
しかしながら従来のような構成では、端部の温度が上昇してきた際に、転写紙のスループットを小さくするため、小サイズ紙の連続プリントスピードが低下してしまっていた。
また、待機時の温度制御時においては、極力消費電力の低減を図るべく定着スリーブおよび定着ローラの回転を停止したまま定着器へ電力投入するため、電磁誘導加熱定着方式の発熱域もニップN方向へ回転移動しない。このため、比較的比熱の大きな定着ローラが温まりにくく待機時の熱効率がやや悪かった。
以上の課題を解決するために、定着スリーブガイド部材のニップ部に設けられた摺動板の代わりにセラミック面発ヒータを配置、あるいは中空加圧ローラ中心部にハロゲンヒータを配置することで、定着器のスペースを有効活用し、非通紙部昇温を改善することができ、かつ待機時における熱効率の良い加熱装置または画像形成装置を提供することを目的とする。
この発明は下記の構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
(1)磁場発生手段の磁界の作用で発熱する電磁誘導発熱部材を利用した第一の加熱手段と、前記電磁誘導発熱部材と圧接し電磁誘導発熱部材にニップ部を形成する加圧部材と、前記加圧部材に前記電磁誘導発熱部材を介して対向して配置され前記ニップ部に所定の圧力を印加する加圧ローラと、前記加圧部材の一部として前記ニップ部に設けられた絶縁基板と、を有する誘導加熱定着装置において、装置が通紙可能な記録材の最小幅に対応して設定された所定寸法の発熱体を、前記絶縁基板と一体構造とした第二の加熱手段を有することを特徴とする加熱装置。
(2)前記(1)記載の第二の加熱手段は、基板材質がAlあるいはAlNであることを特徴とする前記(1)記載の加熱装置。
(3)磁場発生手段の磁界の作用で発熱する電磁誘導発熱部材を利用した第一の加熱手段と、前記電磁誘導発熱部材と圧接し電磁誘導発熱部材にニップ部を形成する加圧部材と、前記加圧部材に前記電磁誘導発熱部材を介して対向して配置され前記ニップ部に所定の圧力を印加する中空の加圧ローラと、を有する誘導加熱定着装置において、装置が通紙可能な記録材の最小幅に対応して設定された所定の発熱分布を有する第三の加熱手段を、加圧ローラ内部に配置したことを特徴とする加熱装置。
(4)前記(3)記載の第三の加熱手段とは、装置が通紙可能な記録材の最小幅に対応して設定された、所定の発熱体の長さを有するハロゲンヒータであることを特徴とする前記(3)記載の加熱装置。
(5)前記(3)記載の第三の加熱手段とは、装置が通紙可能な記録材の最小幅に対応して、配光分布を長手方向に異ならしめたハロゲンヒータであることを特徴とする前記(3)記載の加熱装置。
(6)静電記録方式を用いて像担持体上にトナー像を形成する画像形成手段と、前記像担持体上のトナー像を写し取る記録媒体と、前記記録媒体上のトナー像を溶融定着させる定着手段とを有する画像形成装置において、前記定着手段として、加熱装置を備えたことを特徴とする前記(1)から(5)のいずれか1項に記載の画像形成装置。
(7)前記(6)記載の画像形成装置の画像形成制御手段は、記録材の通紙幅に応じて、第一の加熱手段および第二の加熱手段への通電を、あるいは第一の加熱手段および第三の加熱手段への通電を制御することで、加熱装置の端部の温度上昇を軽減することを特徴とする前記(6)記載の画像形成装置。
(8)前記(6)記載の画像形成装置の画像形成制御手段は、装置の待機時において、前記第二の加熱手段あるいは第三の加熱手段への通電を制御することで、待機時における加熱装置の温度を、画像形成動作時よりも低い所定の温度範囲内に制御することを特徴とする前記(6)記載の画像形成装置。
定着スリーブガイド部材のニップ部に設けられた摺動板の代わりにセラミック面発ヒータを配置、あるいは中空加圧ローラ中心部にハロゲンヒータを配置することで定着器のスペースを有効活用し、非通紙部昇温を改善することで小サイズ紙の連続プリント時におけるスピード低下を回避するができる。
また、待機時には前記セラミック面発ヒータあるいは前記ハロゲンヒータを利用して加圧ローラを直接的に過熱することで、待機時の熱効率を改善するとともに、誘導加熱定着装置から商用電源ラインへ伝達される高周波ノイズを、待機時においてさらに低減させることができる加熱装置または画像形成装置を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
図1,2,3,4,5をもとに本発明第一の実施例について説明する。
図1は第一の実施例の定着装置の断面略図、図2はセラミック面発ヒータの駆動および制御回路ブロック図、図3はセラミック面発ヒータの構成図、図4はセラミック面発ヒータのみの場合のニップ温度分布、図5は小サイズ氏印刷時のニップ温度分布である。
画像形成装置の画像形成動作および定着器の構造は従来例と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、従来例と同じ部品に関しては、従来例で説明に使用した符号を使用して説明する。
本実施例の特徴は、定着スリーブガイド部材のニップ部に設けられた摺動板の代わりにセラミック面発ヒータを配置するものである。
図2に、本発明におけるセラミック面発ヒータの駆動および制御回路を示す。621は本画像形成装置を接続する交流電源で、本画像形成装置は商用電源をACフィルタ(図示せず)を介してセラミック面発ヒータ640の発熱体601へ供給することによりセラミック面発ヒータの発熱体601を発熱させる。
この発熱体601への電力供給は、トライアック610によって通電・遮断が制御される。抵抗611,612はトライアック610のためのバイアス抵抗であり、フォトトライアックカプラ613は一次、二次間を隔離するためのデバイスである。フォトトライアックカプラ613の発光ダイオードに通電することにより、トライアック610をオンする。抵抗614はフォトトライアックの電流を制限するための抵抗であり、トランジスタ615によりオン/オフする。トランジスタ615は抵抗616を介してエンジンコントローラ619からのON信号にしたがって動作する。
また、ACフィルタ(図示せず)を介して、交流電源は、ゼロクロス検出回路618に入力される。ゼロクロス検出回路618では、商用電源があるしきい値以下の電圧になっていることをエンジンコントローラ619に対してパルス信号として報知する。以下エンジンコントローラ619に送信されるこの信号をZEROX信号と呼ぶ。
エンジンコントローラ619はZEROX信号のパルスのエッジを検知し、位相制御または波数制御によりトライアック610をオンオフする。
また、605は発熱体601が形成されているセラミック面発ヒータ温度を検知するための温度検出素子、例えば、サーミスタ感温素子であり、セラミック面発ヒータ604上に発熱体601に対して絶縁距離を確保できるように絶縁耐圧を有する絶縁物を介して配置されている。この温度検出素子605によって検出される温度は、抵抗617と温度検出素子605との分圧として検出され、エンジンコントローラ619にTH信号としてA/D入力される。セラミック面発ヒータ640の温度は、TH信号としてエンジンコントローラ619において監視され、エンジンコントローラ619の内部で設定されているセラミック面発ヒータの設定温度と比較することによって、セラミック面発ヒータを構成する発熱体601に供給するべき電力を算出し、その供給する電力に対応した位相角(位相制御)または波数(波数制御)に換算し、その制御条件によりエンジンコントローラ619がトランジスタ616にON信号を送信する。
発熱体に電力を供給し、制御する手段が故障して発熱体が熱暴走に至った場合、過昇温を防止する手段として、過昇温防止手段602がセラミック面発ヒータ上に配されている。過昇温防止手段602は、例えば温度ヒューズやサーモスイッチである。電力制御手段619の故障により、発熱体が熱暴走に至り過昇温防止手段602が所定の温度以上になると、過昇温防止手段602がオープンとなり、発熱体601への通電が断たれる。
つぎに、セラミック面発ヒータと温度検出素子605と過昇温防止手段602の位置関係の概略について図3に示す。図3(a)はセラミック面発ヒータの断面図であり、図3(b)は発熱体601が形成されている面を示している。
セラミック面発ヒータはSiC、AlN、Al等のセラミックス系の絶縁基板607と絶縁基板面上にペースト印刷等で形成されている発熱体601と、発熱体保護しているガラス等の保護層606から構成されている。保護層上にセラミック面発ヒータの温度を検出する温度検出素子605が配置されている。
発熱体601は、電力が供給されると発熱する部分と、前記発熱部分に接続した導電部603と、コネクタを介して電力が供給される電極部604とから構成されている。
2つの電極のうち1つへは、交流電源のHOT側端子が過昇温防止手段602を介して接続されている。電極部は発熱体を制御するトライアック610に接続され、交流電源のNEUTRAL端子に接続される。
セラミック面発ヒータは、スリーブガイド部材516よって支持されている。501は、定着スリーブであり、セラミック面発ヒータを下面側に支持させたスリーブガイド部材516に外接させてある。そして、スリーブガイド部材516の下面のセラミック面発ヒータ640と、加圧部材としての弾性加圧ローラ530とを定着スリーブ501を挟ませて弾性加圧ローラ530に抗して所定の定着ニップ部Nを形成させてある。ここで、セラミック面発ヒータは、発熱体がニップ部と反対側であっても、発熱体がニップ部側であっても構わない。
図3において、長さLFは通紙可能な最大の記録紙幅と対応しており、発熱体の発熱部601の長さLminは、幅の狭い小サイズの記録用紙に対応している。記録紙幅が発熱体の長さLminよりも大きい記録紙が通紙された場合には、電磁誘導加熱定着による加熱のみによりサーミスタ605の温度が所定温度になるように定着温度の制御を行う。
一方、記録紙幅が発熱部の長さLminと同じか小さい記録紙が通紙された場合には、電磁誘導加熱方式による加熱量を所定量制限すると共に、エンジンコントローラから送信されるON信号によりトライアック610を制御して、発熱体601への通電を制御する。
このような制御により、小サイズ紙が通紙された場合に生じる非通紙域の昇温を抑制することができる。
ここで、非通紙域の昇温について、説明する。
図5のT3曲線は、電磁誘導加熱定着方式のみを使用して、小サイズ記録紙を連続印刷した場合の温度分布を示している。封筒などの小サイズ紙を連続印策すると、紙幅に相当する領域Lminの熱が集中的に紙に奪われることになる。このため、ニップN部における中央部の温度が端部よりも下がることになる。一般に定着器の温度は、中央部に設けられた温度検出素子からの検出温度をもとに制御するため、中央部の温度を定着温度に保とうとすべく、ヒータへの電力を増加させると、結果として端部の温度が上昇(図中約300℃)してしまう。
また、図4のT1曲線はセラミック面発ヒータ640を約60℃に温度制御した時の端部までの温度測定結果を示したものである。ヒータ601がある部分は、ほぼ60℃に加熱されており、端部に向かうほど温度は下がっていることがわかる。
図5中T2曲線は、前記セラミック面発ヒータの発熱体601へ通電すると共に、電磁誘導加熱定着方式からの発熱を所定量減少させた制御方式で、小サイズ記録紙を連続印刷した場合の温度分布を示している。図のように、端部の温度上昇は約220℃まで軽減することができる。
以上説明した構成とすれば、電磁誘導加熱定着方式よりも安価なセラミック面発ヒータおよび駆動回路を使用することで、定着器のスペースを有効活用し、非通紙部昇温を改善することで、小サイズ紙の連続プリント時におけるスピード低下を回避するができる。
図6,7,8をもとに本発明第一の実施例について説明する。
図6は第二の実施例の定着装置の断面略図、図7はハロゲンヒータの駆動および制御回路ブロック図、図3はハロゲンヒータの構成図である。
画像形成装置の画像形成動作およびサーミスタユニット以外の定着器の構造は従来例と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、従来例と同じ部品に関しては、従来例で説明に使用した符号を使用して説明する。
本実施例と第一の実施例との違いは、セラミック面発ヒータの代わりにハロゲンヒータを加圧ローラ内に設けている点である。
図7に、本発明におけるハロゲンヒータの駆動および制御回路を示す。621は本画像形成装置を接続する交流電源で、本画像形成装置は商用電源をACフィルタ(図示せず)を介してハロゲンヒータ710の発熱体702へ供給することによりハロゲンヒータ710の発熱体702を発熱させる。
この発熱体702への電力供給は、トライアック610によって通電・遮断が制御される。抵抗611,612はトライアック610のためのバイアス抵抗であり、フォトトライアックカプラ613は一次、二次間を隔離するためのデバイスである。フォトトライアックカプラ613の発光ダイオードに通電することにより、トライアック610をオンする。抵抗614はフォトトライアックの電流を制限するための抵抗であり、トランジスタ615によりオン/オフする。トランジスタ615は抵抗616を介してエンジンコントローラ619からのON信号にしたがって動作する。
また、705はハロゲンヒータ701が内部に配置された加圧ローラ530の表面温度を検知するための温度検出素子、例えば、サーミスタ感温素子であり、加圧ローラ530の表面上に熱時定数の小さな絶縁耐圧を有する絶縁物を介して配置されている。この温度検出素子705によって検出される温度は、抵抗717と温度検出素子705との分圧として検出され、エンジンコントローラ619にTH信号としてA/D入力される。加圧ローラ530の表面上の温度は、TH信号としてエンジンコントローラ619において監視され、エンジンコントローラ619の内部で設定されているハロゲンヒータ701の設定温度と比較することによって、ハロゲンヒータ701の発熱体702に供給するべき電力を算出し、その制御条件によりエンジンコントローラ619がトランジスタ616にON信号を送信する。
発熱体に電力を供給し、制御する手段が故障して発熱体が熱暴走に至った場合、過昇温を防止する手段として、過昇温防止手段722が加圧ローラ530の表面近傍に配されている。過昇温防止手段722は、例えば温度ヒューズやサーモスイッチである。電力制御手段619の故障により、発熱体が熱暴走に至り過昇温防止手段722が所定の温度以上になると、過昇温防止手段722がオープンとなり、発熱体702への通電が断たれる。
つぎに、ハロゲンヒータ701の構造について図8に示す。
図8において、長さLFは通紙可能な最大の記録紙幅と対応しており、発熱体の発熱部701の長さLminは、幅の狭い小サイズの記録用紙に対応している。記録紙幅が発熱体の長さLminよりも大きい記録紙が通紙された場合には、電磁誘導加熱定着による加熱のみによりサーミスタ605の温度が所定温度になるように定着温度の制御を行う。
701aはハロゲンヒータの例のうちの1つであり、長さがLminにほぼ等しい長さにコイル形状に形成された発熱部分702aと、それを覆うように設けられた中空のガラス体703aから成っており、発熱部分702aに接続した耐熱ケーブル等の導電部704aと、電力が供給されるコネクタ部705aとから構成されている。
2つのコネクタ部705a電極のうち1つへは、交流電源のHOT側端子が過昇温防止手段722を介して接続されている。電極部は発熱体を制御するトライアック610に接続され、交流電源のNEUTRAL端子に接続される。
また、701bはハロゲンヒータの例のうち他の1つであり、長さがLFにほぼ等しい発熱部分702bについて、発熱部分のコイル形状の密度を中央部Lminの範囲において密巻きとして、ヒータの配光分布を中央のLmin範囲に集中させたことを特徴としている。ハロゲンヒータ701bは701aと同様、発熱部分を覆うように設けられた中空のガラス体703bから成っており、発熱部分702bに接続した耐熱ケーブル等の導電部704bと、電力が供給される2電極有するコネクタ部705bとから構成されている。
コネクタ部705aおよび705bがそれぞれ有する2のコネクタ電極のうち1つへは、交流電源のHOT側端子が過昇温防止手段722を介して接続されている。電極部は発熱体を制御するトライアック610に接続され、交流電源のNEUTRAL端子に接続される。
501は、定着スリーブであり、摺動板540を下面側に支持させたスリーブガイド部材516に外接させてある。そして、スリーブガイド部材516の下面の摺動板540と、加圧部材としての弾性加圧ローラ530とを定着スリーブ501を挟ませて弾性加圧ローラ530に抗して所定の定着ニップ部Nを形成させてある。
ハロゲンヒータは、加圧部材としての中空弾性加圧ローラ530内に配置されており、ヒータの配光分布に応じて、ヒータ周囲の加圧ローラ自体とヒータ周囲の温度を上昇させる。
記録紙幅が発熱体の長さLminよりも大きい記録紙が通紙された場合には、電磁誘導加熱定着による加熱のみによりサーミスタ605の温度が所定温度になるように定着温度の制御を行う。
一方、記録紙幅が発熱部の長さLminと同じか小さい記録紙が通紙された場合には、電磁誘導加熱方式による加熱量を所定量制限すると共に、前記温度検出素子705等からの温度検出結果をもとにエンジンコントローラから送信されるON信号によりトライアック610を制御して、発熱体702への通電を制御する。
このような制御により、第一の実施例と同様に、小サイズ紙が通紙された場合に生じる非通紙域の昇温を抑制することができる。
なお、本実施例で紹介したハロゲンヒータは、ヒータからの熱が前記ニップ部Nへ到達するまでに、ヒータ周囲の空気層とローラの芯金や弾性層等の比較的比熱の大きな物質が存在するため、この系そのものの持つ熱時定数が大きくなっている。すなわち、第一の実施例で説明した、セラミック面発ヒータに比較して、ヒータをオンしてからニップ部Nに熱が伝達される時間が長くかかってしまうという欠点もある。
しかしながら、非通紙部のニップ温度は連続印刷枚数に伴って、徐々に昇温するものであるため、小サイズ紙の連続印刷時間とハロゲンヒータからの熱の伝達時間とを加味した、温度調整テーブルをあらかじめ設けておき、電磁誘導加熱定着の投入電力を所定値にコントロールすれば問題はない。
以上説明した構成とすれば、電磁誘導加熱定着方式よりも安価なハロゲンヒータおよび駆動回路を使用することで、定着器のスペースを有効活用し、非通紙部昇温を改善し、小サイズ紙の連続プリント時におけるスピード低下を回避するができる。
図6,7,8をもとに本発明第一の実施例について説明する。
図6は第二の実施例の定着装置の断面略図、図7はハロゲンヒータの駆動および制御回路ブロック図、図3はハロゲンヒータの構成図である。
画像形成装置の画像形成動作およびサーミスタユニット以外の定着器の構造は従来例と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、従来例と同じ部品に関しては、従来例で説明に使用した符号を使用して説明する。
本実施例の特徴は、第一で説明したセラミック面発ヒータあるいは、第二で説明したハロゲンヒータを用いて、プリンタの待機状態における温度調整を行うことにある。
一般に画像形成装置においては、プリント開始から画像形成された紙が排出されるまでの時間(ファーストプリントアウトタイム)を短縮するために、待機時においても所定の時間間隔あるいはプリント時よりも低い所定の調節温度となるように電力投入することが行われている。これは、特に熱時定数の比較的大きな定着器や、ファーストプリントアウトタイム短縮を重視した仕様の画像形成装置で採用される方法であり、待機時においてもプリント時よりも低い温度に温度調整しておくことにより、定着可能な温度への立ち上がり時間を極力短縮しようとするものである。
実施例2の定着装置において、定着可能な温度への立ち上がり時間に大きく依存しているものの1つは、加圧ローラの比熱である。加圧ローラは、芯金と比較的比熱の大きな弾性層を備えているため、一度冷え切ってしまうと、再度温めるのに時間がかかってしまう。例えば、従来のように電磁誘導加熱により待機時の温度調節すると仮定する。電磁誘導加熱定着方式の発熱域504は加圧ローラと接するニップN部から離れた紙搬送の上流位置にあるため、モータの回転を停止したまま定着器へ電力を投入すると、スリーブの発熱域はニップN部には移動して来ない。このため、ニップ部の上流部分を中心に温めることになり、比較的比熱の大きな加圧ローラが温まりにくく待機時の熱効率がやや悪かった。
また、モータを回転させて発熱域で発熱した熱がニップ部に移動するようにすると、待機時における消費電力がモータ駆動の分増加してしまう。
実施例2の定着装置において、印刷動作が終了すると、定着スリーブ501および定着ローラ530を回転駆動する駆動モータMは停止し、電磁誘導過熱定着駆動回路のドライバ回路315からの駆動信号も停止する。このため、電磁誘導加熱の発熱域504は発熱せず熱供給は断たれた状態となる。
一方、中空弾性加圧ローラ530内に配置された、ハロゲンヒータ701は所定温度例えば加圧ローラ表面温度が60℃となるように、温度検出素子705の検出結果をもとに、制御回路619によりトライアック610によりオンオフ制御されている。
ここでの所定温度は、画像形成装置の狙うスペックに応じて適宜設定する必要がある。すなわち、温度を上げると待機時にヒータで消費するエネルギーが増加するとともに、加圧ローラ等の熱による劣化も進みやすくなる。また、温度を下げると、印刷開始時における定着可能な温度への立ち上がり時間が長くなるため、ファーストプリントアウトタイムが長くなってしまう。
以上のように、ハロゲンヒータを用いて待機時における温度調整を行えは、比較的比熱の大きな加圧ローラを直接的に温めることができ熱効率が改善される。
また、待機時に電磁誘導加熱の駆動回路のスイッチング動作が停止しているため、駆動回路からの高周波スイッチングノイズがなくなる。このため、装置から商用電源ラインへ伝達される高周波ノイズを待機時においてさらに低減させることができるとともに、誘導加熱定着駆動回路の寿命をさらに伸ばすことができる。
なお、本実施例は、ハロゲンヒータにより待機時の温度調整を行う例を説明した。しかしながら、実施例1で説明した、セラミック面発ヒータをハロゲンヒータの代用として利用すれば、加圧ローラを直接的に過熱することができるため、本実施例と同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、実施例1〜3で説明した定着装置は、従来例同様カラー画像形成装置に用いられるものとして説明してきた。しかしながら、同様な誘導加熱定着方式を使用する画像形成装置であれは、モノクロ画像形成装置等の他の画像形成装置においても、本発明の効果が得られることは言うまでもない。
第一の実施例の定着装置の断面略図 セラミック面発ヒータの全体構成ブロック図 セラミック面発ヒータ構成図 セラミック面発ヒータのみのニップ部の温度分布を示す図 印字時におけるニップ部の温度分布を示す図 第二の実施例の定着装置の断面略図 ハロゲンヒータ制御部の全体構成ブロック図 ハロゲンヒータ構成図 タンデムタイプのカラー画像形成装置の構成略図 スキャナユニット説明図 従来の定着装置の断面略図 従来の定着装置の正面略図 従来の定着装置の主要部斜視図 交番磁束の発生模式図 定着スリーブの層構成模型図 従来の誘導加熱制御部の全体構成ブロック図 従来のサーミスタユニットの略図
符号の説明
11 スキャナユニット
13 レーザ
14 現像器
16 帯電ローラ
18 感光体ドラム
19 転写器
23 定着器
20 搬送ベルト
23 カセット
405,406,603,705 温度検出素子
501 定着スリーブ
502,602,722 過昇温防止手段(サーモスイッチ)
505 コア
506 コイル
530 加圧ローラ
540 摺動板
640 セラミックヒータ
701 ハロゲンヒータ

Claims (8)

  1. 磁場発生手段の磁界の作用で発熱する電磁誘導発熱部材を利用した第一の加熱手段と、
    前記電磁誘導発熱部材と圧接し電磁誘導発熱部材にニップ部を形成する加圧部材と、
    前記加圧部材に前記電磁誘導発熱部材を介して対向して配置され前記ニップ部に所定の圧力を印加する加圧ローラと、
    前記加圧部材の一部として前記ニップ部に設けられた絶縁基板と、
    を有する誘導加熱定着装置において、
    装置が通紙可能な記録材の最小幅に対応して設定された所定寸法の発熱体を、前記絶縁基板と一体構造とした第二の加熱手段を有することを特徴とする加熱装置。
  2. 請求項1記載の第二の加熱手段は、基板材質がAlあるいはAlNであることを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
  3. 磁場発生手段の磁界の作用で発熱する電磁誘導発熱部材を利用した第一の加熱手段と、
    前記電磁誘導発熱部材と圧接し電磁誘導発熱部材にニップ部を形成する加圧部材と、
    前記加圧部材に前記電磁誘導発熱部材を介して対向して配置され前記ニップ部に所定の圧力を印加する中空の加圧ローラと、
    を有する誘導加熱定着装置において、
    装置が通紙可能な記録材の最小幅に対応して設定された所定の発熱分布を有する第三の加熱手段を、加圧ローラ内部に配置したことを特徴とする加熱装置。
  4. 請求項3記載の第三の加熱手段とは、装置が通紙可能な記録材の最小幅に対応して設定された、所定の発熱体の長さを有するハロゲンヒータであることを特徴とする請求項3記載の加熱装置。
  5. 請求項3記載の第三の加熱手段とは、装置が通紙可能な記録材の最小幅に対応して、配光分布を長手方向に異ならしめたハロゲンヒータであることを特徴とする請求項3記載の加熱装置。
  6. 静電記録方式を用いて像担持体上にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記像担持体上のトナー像を写し取る記録媒体と、
    前記記録媒体上のトナー像を溶融定着させる定着手段とを有する画像形成装置において、
    前記定着手段として、加熱装置を備えたことを特徴とする前記請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 請求項6記載の画像形成装置の画像形成制御手段は、記録材の通紙幅に応じて、第一の加熱手段および第二の加熱手段への通電を、あるいは第一の加熱手段および第三の加熱手段への通電を制御することで、加熱装置の端部の温度上昇を軽減することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 請求項6記載の画像形成装置の画像形成制御手段は、装置の待機時において、前記第二の加熱手段あるいは第三の加熱手段への通電を制御することで、待機時における加熱装置の温度を、画像形成動作時よりも低い所定の温度範囲内に制御することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
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