JP2005337726A - ガス流量計 - Google Patents

ガス流量計 Download PDF

Info

Publication number
JP2005337726A
JP2005337726A JP2004152958A JP2004152958A JP2005337726A JP 2005337726 A JP2005337726 A JP 2005337726A JP 2004152958 A JP2004152958 A JP 2004152958A JP 2004152958 A JP2004152958 A JP 2004152958A JP 2005337726 A JP2005337726 A JP 2005337726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
flow rate
gas flow
flow meter
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004152958A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Tanaka
豊 田中
Tatsuo Fujimoto
龍雄 藤本
Mamoru Suzuki
守 鈴木
Kenichiro Yuasa
健一郎 湯浅
Nozomi Nagai
望 長井
Yasuhiro Fujii
泰宏 藤井
Yukio Kimura
幸雄 木村
Toru Hiroyama
徹 廣山
Yoshihiro Tsukuda
善弘 佃
Toshihiko Kawai
利彦 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Osaka Gas Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Aichi Tokei Denki Co Ltd
Toho Gas Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Osaka Gas Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Aichi Tokei Denki Co Ltd
Toho Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Osaka Gas Co Ltd, Tokyo Gas Co Ltd, Aichi Tokei Denki Co Ltd, Toho Gas Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2004152958A priority Critical patent/JP2005337726A/ja
Publication of JP2005337726A publication Critical patent/JP2005337726A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

【課題】 調整・検査工程における作業への負担を低減させることが可能なガス流量計を提供する。
【解決手段】 本発明のガス流量計10によれば、気密試験を行う場合には、ガス流量計10に所定の圧力のガスを付与した状態にして外部から所定のトリガーをガス流量計10に付与すればよい。すると、ガス流量計10に備えた外部気密自己検査プログラム11が起動して、圧力に変化があった場合にガス漏れがあると判断し、圧力に変化がなかった場合にガス漏れがないと判断する。このように本発明によれば、ガス流量計10自体がガス漏れの有無を判別するので、作業者の負担が軽減される。しかも、ガス流量計10に備えられた圧力センサ16を利用して漏れの有無を判別するので、調整・検査工程の設備費も低減される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ガス流量計に関し、特に、圧力センサ、感震器及び遮断弁等の保安部品を備えたガス流量計に関する。
近年のガス流量計は、ガスの流量を計測するのみならず、ガス漏れや地震に対する保安機能付きのガス流量計が一般的になっている。そのために、ガス流量計には、ガス漏れによる圧力異常を検出するための圧力センサ、地震等による震動を検出するための感震器、及び、異常時にガスの供給を遮断する遮断弁が備えられている(例えば、特許文献1参照)。このため、ガス流量計の製造会社又はメンテナンス会社では、ガス流量計の組付工程後に行われる調整・検査工程において、ガスの流量を計測するためのチューニング及び気密試験のみならず、保安部品の性能検査も行っていた。
特開平8−210893号公報(段落[0026]、[0036]、第2図)
ところで、上記した従来のガス流量計の気密試験を行う場合には、例えばガス流量計に検査用の配管を連結し、ガス流量計内に所定の圧力のガスを充填してガスの供給を停止する。この状態で、検査用の配管に設けられた圧力センサの検出結果を作業者が目視にてチェックし、その圧力が一定の状態に保持されているか否かに応じて気密試験の合否を判断していた。そして、ガス流量計に流す実際の流量を0とし、このときのガス流量計による計測結果が0になるように作業者が計測結果を目視にてチェックしながら0点調整を行い、さらに、実際の流量を予め設定された基準流量とし、このときの計測結果が基準流量と同じ値になるように作業者が計測結果を目視にてチェックしながらゲイン調整を行っていた。これらに加え、圧力センサ、感震器及び遮断弁等の保安部品に関しても、作業者が目視にて確認して調整及び検査を行っていた。このため、作業者の負担が大きく、効率よく調整・検査工程を行うことができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、調整・検査工程における作業者への負担を低減させることが可能なガス流量計の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るガス流量計は、ガスの圧力を検出する圧力センサと、前記ガスの圧力が異常である場合にガスの供給を遮断する遮断弁とを備えたガス流量計において、外部から所定のトリガーを受けたときに起動する外部気密自己検査手段を備え、前記外部気密自己検査手段は、ガスの流量及び/又は前記圧力センサの検出結果に基づいて、ガス流量計から外部への漏れを検査するところに特徴を有する。
請求項2の発明に係るガス流量計は、ガスの圧力を検出する圧力センサと、ガスの圧力が異常である場合にガスの供給を遮断する遮断弁とを備えたガス流量計において、遮断弁が閉じた状態で計測されるガスの流量及び/又は圧力センサの検出結果に基づいて、遮断弁の漏れを検査する遮断弁自己検査手段を備えたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のガス流量計において、外部から所定のトリガーを受けたときに起動する圧力センサ検査手段を備え、前記圧力センサ検査手段は、前記圧力センサの検出結果と、ガス流量計に予め設定された基準圧力値とが一致したか否かを判別するところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載のガス流量計において、前記圧力センサは、ガス流量計の出口の近傍に備えられ、外部から所定のトリガーを受けたときに起動する圧力損失検査手段を備え、前記圧力損失検査手段は、前記圧力センサの検出結果と、ガス流量計に予め設定された入口側圧力値との差圧を求め、その差圧がガス流量計に予め設定された基準圧力損失値と一致したか否かを判別するところに特徴を有する。
請求項5の発明に係るガス流量計は、パルスモータによって駆動されて開度を徐々に変更可能な遮断弁を備えたガス流量計において、外部から所定のトリガーを受けたときに起動する弁開度自己検査手段を備え、前記弁開度自己検査手段は、前記遮断弁の開度を予め設定された開度に変更し、前記各開度に対する前記ガスの流量が、予め設定された基準値と一致したか否かを判別するところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のガス流量計において、感震器を備えて、その感震器が震動を検出したときに前記遮断弁が閉じられるように構成すると共に、外部から所定のトリガーを受けたときに起動する感震器検査手段を備え、前記感震器検査手段は、所定の時間内に前記感震器が震動を検出したか否かを判別するところに特徴を有する。
請求項7の発明に係るガス流量計は、ガスが流れる方向に間隔を空けて配置された1対の超音波送受波器の間で超音波を送受波してガスの流量を計測するガス流量計において、ガスの流量を計測するための通常モードと、ガスの実際の流量が0であるときに計測された流量が0になるようにチューニングを行うゼロ点チューニングモードとに切り替え可能に構成され、ゼロ点チューニングモードに切り替わると、一方から他方の超音波送受波器への超音波の到達時間と、他方から一方の超音波送受波器への超音波の到達時間との時間差がオフセット補正値として記憶され、通常モードに切り替わると、一方から他方の超音波送受波器への超音波の到達時間からオフセット補正値を減算するように構成したところに特徴を有する。
請求項8の発明に係るガス流量計は、ガスが流れる方向に間隔を空けて配置された1対の超音波送受波器の間で超音波を送受波してガスの流量を計測するガス流量計において、ガスの流量を計測するための通常モードと、ガスの実際の流量と計測したガスの流量とが一致するようにチューニングを行うチューニングモードとに切り替え可能に構成され、チューニングモードに切り替わると、その切り替わった後の所定のタイミングで計測した流量をガス流量計に予め設定された基準流量と一致させるための補正ゲインが求められ、通常モードに切り替わると、計測された流量に補正ゲインを乗じて補正を行うように構成したところに特徴を有する。
請求項9の発明に係るガス流量計は、ガスが流れる方向に間隔を空けて配置された1対の超音波送受波器の間で超音波を送受波し、一方から他方の超音波送受波器への超音波の到達時間の逆数と、他方の一方の超音波送受波器への超音波の到達時間の逆数との差に流量演算係数Kxを乗じて流量を求めるガス流量計において、ガスの流量を計測するための通常モードと、ガスの実際の流量と計測したガスの流量とが一致するようにチューニングを行うチューニングモードとに切り替え可能に構成され、チューニングモードに切り替わった後に計測した流量Qxと、その流量Qxを求める際に使用した流量演算係数Kxと、予め設定された基準流量Qsと、次式、Ks=Kx・Qs/Qx、とから新係数Ksが求められ、通常モードで使用する流量演算係数Kxを新係数Ksの値に更新するように構成したところに特徴を有する。
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れかに記載のガス流量計において、外部から所定のトリガーを受けたときに起動する合否自己検査手段を備え、前記合否自己検査手段は、ガスの流量が、3[リットル/時間]と一致したか否かを判別するところに特徴を有する。
請求項11の発明は、請求項1乃至10の何れかに記載のガス流量計において、外部から所定のトリガーを受けたときに起動する圧力損失検査手段を備え、前記圧力損失検査手段は、ガスの流量に基づいてガス流量計による圧力損失を演算し、その圧力損失がガス流量計に予め設定された基準圧力損失値と一致したか否かを判別するところに特徴を有する。
請求項12の発明は、請求項1乃至11の何れかに記載のガス流量計において、外部から所定のトリガーを受けたときに起動する器差性能検査手段を備え、前記器差性能検査手段は、所定の間隔で複数回計測されたガスの流量が、ガス流量計に予め設定された複数の基準流量と一致したか否かを判別するところに特徴を有する。
なお、本発明の請求項3,4,5,8,9,10,11,12における「一致」とは、完全一致に限定されるものでなく、所定の許容範囲で一致する場合を含むものである。
[請求項1の発明]
請求項1の構成によれば、気密試験を行う場合には、ガス流量計に所定の圧力のガスを付与した状態にして外部から所定のトリガーをガス流量計に付与すればよい。すると、ガス流量計に備えた外部気密自己検査手段が起動して、流量が0でないか或いは圧力に変化があった場合にガス漏れがあると判断し、流量が0であるか或いは圧力に変化がなかった場合にガス漏れがないと判断する。このように本発明によれば、ガス流量計自体がガス漏れの有無を判別するので、作業者の負担が軽減される。しかも、ガス流量計に備えられた流量を計測するための機能及び/又は圧力センサを利用して漏れの有無を判別するので、調整・検査工程の設備費も低減される。
[請求項2の発明]
請求項2の構成によれば、遮断弁における気密試験を行う場合には、遮断弁を閉じ、ガス流量計に所定の圧力のガスを付与した状態にすればよい。すると、ガス流量計に備えた遮断弁自己検査手段が、流量が0でないか或いは圧力に変化があった場合に遮断弁におけるガス漏れがあると判断し、流量が0であるか或いは圧力に変化がなかった場合に遮断弁におけるガス漏れがないと判断する。このように本発明によれば、ガス流量計自体が遮断弁におけるガス漏れの有無を判別するので、作業者の負担が軽減される。しかも、ガス流量計に備えられた流量を計測するための機能及び/又は圧力センサを利用して漏れの有無を判別するので、調整・検査工程の設備費も低減される。なお、遮断弁自己検査手段は、外部から所定のトリガーをガス流量計に付与した場合にのみ起動するように構成してもよい。
[請求項3の発明]
請求項3の構成によれば、ガス流量計に付与するガスの圧力を予め設定された基準圧力値とし、外部から所定のトリガーをガス流量計に付与する。すると、圧力センサ検査手段が起動して圧力センサの検出結果と基準圧力値とが一致したか否かを判別し、これにより、圧力センサが正常に作動するか否かがわかる。このように本発明によれば、ガス流量計自体が圧力センサの異常を検査するので、作業者の負担が軽減される。
[請求項4の発明]
請求項4の構成によれば、ガス流量計による圧力損失を求める場合には、ガス流量計に付与するガスの圧力を、予め設定された入口側圧力値とし、外部から所定のトリガーをガス流量計に付与する。すると、圧力損失検査手段が起動して圧力センサの検出結果と入口側圧力値との差圧から圧力損失を求め、その差圧がガス流量計に予め設定された基準圧力損失値と一致したか否かを判別する。このように本発明によれば、ガス流量計自体がガス流量計の圧力損失を計測するので、作業者の負担が軽減される。
[請求項5の発明]
請求項5の構成によれば、外部から所定のトリガーをガス流量計に付与すると遮断弁自己検査手段が起動し、パルスモータにより遮断弁を駆動することで遮断弁の開度を変更しつつガスの流量を計測する。そして、各開度に対するガスの各流量が、予め設定された基準値と一致したか否かを判別する。このように本発明によれば、ガス流量計自体が遮断弁の開度に対する流量が基準値通りか否かをチェックするので、作業者の負担が軽減される。
[請求項6の発明]
請求項6の構成によれば、外部から所定のトリガーをガス流量計に付与してから所定の時間内にガス流量計に振動を付与する。すると、トリガーによって起動した感震器検査手段により、感震器が震動を検出したか否かが判別される。このように本発明によれば、ガス流量計自体が感震器の異常を検出するので、作業者の負担が軽減される。
[請求項7の発明]
請求項7の構成によれば、ガス流量計を通常モードにすると、一方から他方の超音波送受波器への超音波の到達時間と、他方から一方の超音波送受波器への超音波の到達時間とに基づいてガスの流量が計測される。ここで、ガス流量計に付与する実際の流量を0にして、ガス流量計をゼロ点チューニングモードに切り替えると、一方から他方の超音波送受波器への超音波の到達時間と、他方から一方の超音波送受波器への超音波の到達時間との時間差がオフセット補正値として記憶される。そして、通常モードに切り替えたときに、一方から他方の超音波送受波器への超音波の到達時間からオフセット補正値が減算される。これにより、ガスの実際の流量が0であるときの計測結果も0になる。このように本発明によれば、ガス流量計自体が0点調整を行うので、作業者の負担が軽減される。
[請求項8の発明]
請求項8の構成によれば、ガス流量計を通常モードにすると、一方から他方の超音波送受波器への超音波の到達時間と、他方から一方の超音波送受波器への超音波の到達時間とに基づいてガスの流量が計測される。ここで、ガス流量計に予め設定された基準流量を流し、かつガス流量計をチューニングモードに切り替えると、チューニングモードに切り替わった後の所定のタイミングで計測した流量を基準流量に一致させるための補正ゲインが求められる。そして、通常モードに切り替えたときに、計測結果に補正ゲインを乗じる補正が行われ、これにより、ガスの実際の流量と計測結果とが一致するようになる。このように本発明によれば、ガス流量計自体が自動的にチューニングを行うので作業者の負担が軽減される。
[請求項9の発明]
請求項9の構成によれば、ガス流量計を通常モードにすると、一方から他方の超音波送受波器への超音波の到達時間の逆数と、他方から一方の超音波送受波器への超音波の到達時間の逆数との差に流量演算係数Kxを乗じて流量を求める。そして、実際に流す流量を予め設定された基準流量Qsにして、ガス流量計をチューニングモードとに切り替えると、その切り替わった後に計測された流量Qxと、その流量Qxを求める際い使用した流量演算係数Kxと、予め設定された基準流量Qsと、次式、Ks=Kx・Qs/Qx、とから新係数Ksが求められ、通常モードで使用する流量演算係数Kxがその新係数Ksの値に更新される。これにより、ガスの実際の流量と計測結果とが一致するようになる。このように本発明によれば、ガス流量計自体が自動的にチューニングを行うので、作業者の負担が軽減される。
[請求項10の発明]
請求項10の構成によれば、ガス流量計に3[リットル/時間]の流量を流した状態にして、外部から所定のトリガーをガス流量計に付与すると、合否自己検査手段が起動し、ガス流量計が計測したガスの流量が、3[リットル/時間]と一致したか否かを判別する。このように本発明によれば、ガス流量計自体が3[リットル/時間]を規定の範囲で正確に計測可能か否かを判別するので作業者の負担が軽減される。
[請求項11の発明]
請求項11の構成によれば、外部から所定のトリガーをガス流量計に付与すると、圧力損失検査手段が起動し、起動後に計測したガスの流量に基づいてガス流量計による圧力損失を求め、その圧力損失が、予め設定された基準圧力損失値と一致したか否かを判別する。このように本発明によれば、ガス流量計自体がガス流量計の圧力損失を計測するので、作業者の負担が軽減される。
[請求項12の発明]
請求項12のガス流量計では、外部からガス流量計に所定のトリガーを付与し、所定の間隔で流量を、予め設定された複数種類の基準流量に順次変更する。すると、ガス流量計の器差性能判別手段が所定の間隔でガスの流量を複数回計測し、それら計測したガスの流量と、予め設定された複数種類の基準流量と一致したか否かを判別する。これにより、ガス流量計自体で、ガス流量計の器差性能が規定の範囲であるか否かを判別することができ、作業者の負担が軽減される。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図25に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態のガス流量計10に備えたメーターケース11には、ガスが通過可能な計測路12が形成され、その計測路12の両端に備えたガス流入口13及びガス流出口14にガス管が連結される。
計測路12の中間部分には、ガスの流れ方向に沿って1対の超音波送受波器20,21が備えられている。計測路12のうち超音波送受波器20,21よりガス流出口14側には圧力センサ16が備えられ、超音波送受波器20,21よりガス流入口13側には遮断弁15が備えられている。この遮断弁15は、パルスモータと、そのパルスモータの出力回転を直動運動に変換する変換機構部と、その変換機構部の直動部分に設けられた弁体とからなり、その弁体がパルスモータによって弁口に接離される。そして、弁体が弁口の縁部に密着すると、計測路12の途中部分が遮断されてガスが通過不能になり、弁体を弁口から離間して開度を徐々に大きくすると、その開度に応じた流量のガスが計測路12を通過する。
メーターケース11には、計測路12と区画して回路基板収容室17が設けられ、そこに電子回路基板50が収容されている。電子回路基板50には、震動を検出するための感震器53、流量の計測結果等を表示するためのLCD52(液晶表示装置)、ガス流量計10全体を制御するCPU51、超音波送受波器20,21を制御する送受波信号制御回路56等が実装されている。
送受波信号制御回路56には、図2に示すように、超音波送受波器20,21に超音波を出力させるための送波器駆動回路22と、超音波送受波器20,21が超音波を受信したときに出力する受波信号を増幅する増幅回路26とが備えられている。そして、送波器駆動回路22は、送波器切替スイッチ24によって両超音波送受波器20,21の何れか一方に接続され、増幅回路26は受波器切替スイッチ25によって両超音波送受波器20,21の他方に接続される。これにより、両超音波送受波器20,21の一方から送波された超音波が他方で受波され、送波器切替スイッチ24及び受波器切替スイッチ25が作動すると、両超音波送受波器20,21の他方から送波された超音波が一方で受波される。
送波器切替スイッチ24及び受波器切替スイッチ25は、CPU51から切替信号を受けて作動し、送波器駆動回路22は、CPU51からスタート指令を受けて起動する。このスタート指令は、計数回路23にも同時に付与されており、CPU51が起動すると同時に計数回路23が図示しないクロックパルスから受けるクロック数のカウントを開始する。また、増幅回路26には、ゼロクロス検知回路27が接続されており、ゼロクロス検知回路27は、増幅回路26を通して超音波送受波器20,21の受波信号を受けて受波タイミングを検出し、計数回路23にストップ指令を付与する。これにより、計数回路23がクロック数のカウントを停止する。
CPU51は、図3に示した通常モード用信号処理プログラムPG100を実行して流量を求める。なお、この通常モード用信号処理プログラムPG100が実行されているときが、本発明に係る「通常モード」に相当する。通常モード用信号処理プログラムPG100が実行されると、計測路12における上流側の超音波送受波器20から下流側の超音波送受波器21に向けて(この方向を以下「順方向」という)、複数回、超音波を送波し、その都度、計数回路23がカウントしたクロック数に基づいて順方向の超音波の到達時間(T11,T12,T13,・・・T1n)を求める(S1)。そして、複数回の到達時間の平均値T1av’を求め(S2)、その平均値T1av’からオフセット補正値H1を減算して順方向の到達時間の平均値T1av(T1av=T1av’−H1)を求める(S3)。ここで、オフセット補正値は、デフォルト状態では、「0」に設定されており、後述するゼロ点チューニングプログラムPG21を実行することによって更新される。
次いで、CPU51は、計測路12における下流側の超音波送受波器21から上流側の超音波送受波器20(この方向を以下「逆方向」という)に向けて超音波を複数回、送波し、その都度、計数回路23がカウントしたクロック数に基づいて逆方向の超音波の到達時間(T21,T22,T23,・・・T2n)を求め(S4)、それらの平均値を逆方向の到達時間T2avとして求める(S5)。
次いで、順方向の到達時間T1avから順方向の周波数f1(=1/T1av)を求めかつ、逆方向の到達時間T2avから逆方向の周波数f2(=1/T2av)を求める(S6)。次いで、それら順方向と逆方向との周波数差Δf(=|f1−f2|)を求め(S7)、その周波数差Δfに流量演算係数Kxを乗じて流量Qxを求める(S8)。
Qx=Kx・Δf ・・・(1)
ここで、超音波送受波器20,21の間の計測路12の断面積をA、超音波送受波器20,21間の距離をL、補正ゲインをkとすると、流量演算係数Kxは、デフォルト状態では、次式(2),(3)で示した値に設定され、後述するチューニングプログラムPG23を実行することによって更新される。
Kx=A・L/2・k ・・・・・(2)
k=1 ・・・・・(3)
CPU51は、この通常モード用信号処理プログラムPG100を終了後に所定の出力用プログラム(図示せず)を実行して、LCD52に流量を表示する。
CPU51は、流量の計測以外に、異常時に遮断弁15を遮断する処理を行っている。具体的には、CPU51は、所定周期で圧力センサ16の検出結果を取り込んでおり、計測路12内の圧力が所定の基準値以下に低下したことをもってガス漏れが発生したと判断し、遮断弁15を閉じる。また、CPU51の割り込み端子には感震器53が接続されており、感震器53が所定の震度以上の震動を検出すると、CPU51が割り込み処理にて遮断弁15を閉じる。また、電子回路基板50に備えた復帰スイッチ54を操作すると、遮断弁15が開いた状態に復帰する。
CPU51には、ガス流量計10の外部機器との間で信号を送受信するための複数のラインA,B,Cが設けられている。そして、ラインAには、図4に示した検査制御装置40が接続され、ガス流量計10の調整・検査工程の作業を従来より容易に行うことができる。以下、その調整・検査工程におけるガス流量計10の動作と併せて、ガス流量計10のCPU51が実行する各プログラムについて説明する。
図4に示すように、調整・検査工程では、ガス流量計10に調整・検査用の配管41,42を接続する。ガス流量計10のガス流出口14に接続された配管42の途中には、下流側電磁弁44が設けられ、ガス流入口13に接続された配管41の途中には、上流側電磁弁43が設けられている。また、ガス流入口13に接続された配管41の端部には、ガス供給装置45が接続され、そのガス供給装置45の制御回路(図示せず)には、検査制御装置40からの制御信号が取り込まれる。そして、検査制御装置40からの指令に従って、所定の流量又は圧力のガス(例えば圧縮空気でもよい)がガス流量計10に供給される。また、上流側電磁弁43及び下流側電磁弁44は、検査制御装置40によって開閉駆動される。
検査制御装置40には、図示しないCPUが備えられ、作業者の起動操作によりそのCPUが図5に示した調整・検査プログラムPG300を実行する。すると、まず外部気密検査補助ルーチンS10が実行され、検査制御装置40は、図6に示すように下流側電磁弁44を閉じ、かつ上流側電磁弁43を開き(S100)、ガス流量計10内が所定の圧力になるまでガス供給装置45にてガス流量計10にガスを供給する(S101)。そして、上流側電磁弁43を閉じ(S102)、ガス流量計10のCPU51に外部気密自己検査プログラムPG11(本発明に係る「外部気密自己検査手段」に相当する)の実行命令を付与してプログラムPG11を実行させる(S103)。
ガス流量計10のCPU51は、外部気密自己検査プログラムPG11を実行すると、図7に示すように、圧力センサ16が検出した圧力P1を記憶する(S110)。次いで、所定時間経過後に圧力センサ16が検出した圧力P2を記憶する(S111)。そして、圧力P1と圧力P2との差(=|P1−P2|)が所定の許容範囲ΔP12に収まっているか否かを判別する(S112)。ここで許容範囲ΔP12に収まっていた場合(S112でYES、即ち、所定時間経過しても内圧が変化しなかった場合)には、ガス漏れはなく、外部気密検査は合格(即ち、外部へのガス漏れはなし)と判断する(S113)。一方、許容範囲ΔP12に収まっていなかった場合には(S112でNO)、外部気密検査は不合格(即ち、外部へのガス漏れがある)と判断する(S114)。そして、それら何れかの判断結果を検査制御装置40に出力して、この外部気密自己検査プログラムPG11を抜ける。
このように本実施形態では、ガス流量計10自体が外部へのガス漏れの有無を判別するので、作業者の負担が軽減される。しかも、ガス流量計10に備えられた圧力センサ16を利用して漏れの有無を判別するので、調整・検査工程の設備費も低減させることができる。
検査制御装置40は、外部気密検査の判断結果を得ると、その判断結果を図示しない検査結果テーブルに記憶し、次いで、図8に示した遮断弁検査補助ルーチン(S12)を実行する。このルーチン(S12)を実行すると、検査制御装置40は、下流側電磁弁44を閉じかつ上流側電磁弁43を開く(S120)。そして、ガス流量計10内が予め設定された所定の圧力になるまでガス供給装置45からガス流量計10にガスを供給する(S121)。そして、ガス流量計10のCPU51に遮断弁自己検査プログラムPG13(本発明に係る「遮断弁自己検査手段」に相当する)を実行させる(S122)。
ガス流量計10のCPU51は、遮断弁自己検査プログラムPG13を実行すると、図9に示すように遮断弁15を閉じ(S130)、圧力センサ16が検出した圧力P3を記憶する(S131)。次いで、所定時間経過後に圧力センサ16が検出した圧力P4を記憶し(S132)、圧力P3と圧力P4との差(=|P3−P4|)が所定の許容範囲ΔP34に収まっているか否かを判別する(S133)。ここで、圧力P3と圧力P4との差が所定の許容範囲ΔP34に収まっていた場合には(S133でYES)、弁気密検査は合格(即ち、遮断弁15におけるガス漏れはなし)と判断する一方(S134)、許容範囲ΔP34に収まっていなかった場合には(S133でNO)、弁気密検査は不合格(即ち、遮断弁15におけるガス漏れがあり)と判断し(S135)、例えば、それら何れかの判断結果を検査制御装置40に出力して、この遮断弁自己検査プログラムPG13を抜ける。
このように本実施形態では、ガス流量計10自体が、遮断弁15におけるガス漏れの有無を判別するので作業者の負担が軽減される。しかも、ガス流量計10に備えた圧力センサ16を利用してガス漏れの有無を判別するので、調整・検査工程の設備費も低減させることができる。
検査制御装置40は、弁気密検査の判断結果を得ると、その判断結果を図示しない検査結果テーブルに記憶し、次いで、図10に示した圧力センサ検査補助ルーチン(S14)を実行する。このルーチン(S14)を実行すると、検査制御装置40は、下流側電磁弁44が閉じかつ上流側電磁弁43を開く(S140)。次いで、ガス流量計10内の圧力が、予め設定された第1基準値P10になるまでガス供給装置45からガス流量計10にガスを供給し(S141)、ガス流量計10のCPU51に圧力センサ検査プログラムPG15(本発明に係る「圧力センサ検査手段」に相当する)を実行させる(S142)。そして、所定時間経過後に、今度は、ガス流量計10内の圧力が、予め設定された第2基準値P11になるまでガス供給装置45からガス流量計10にガスを供給する(S143)。
ガス流量計10のCPU51は、圧力センサ検査プログラムPG15を実行すると、図11に示すように、圧力センサ16が検出した圧力P5を記憶する(S150)。次いで、所定時間経過後に圧力センサ16が検出した圧力P6を記憶する(S151)。そして、圧力P5と前記した第1基準値P10との差が所定の許容範囲ΔP10に収まっているか否かを判別すると共に(S152)、前記した第2基準値P11との差が所定の許容範囲ΔP11に収まっているか否かを判別する(S153)。ここで、圧力P5と第1基準値P10との差が所定の許容範囲ΔP10に収まっていないか(S152でNO)、或いは、圧力P6と第2基準値P11との差が所定の許容範囲ΔP11に収まっていない場合には(S153でNO)、圧力センサ16に異常があると判断する(S155)。また、圧力P5と第1基準値P10との差が所定の許容範囲ΔP10に収まり(S152でYES)かつ、圧力P6と第2基準値P11との差が所定の許容範囲ΔP11に収まっていた場合には(S153でYES)、圧力センサ16は正常であると判断する(S154)。そして、それら何れかの判断結果を検査制御装置40に出力して、この圧力センサ検査プログラムPG15を抜ける。このように本実施形態によれば、ガス流量計10自体が、圧力センサ16の正常・異常を判別するので、作業者の負担が軽減される。
検査制御装置40は、圧力センサ16の検査の判断結果を得ると、その判断結果を図示しない検査結果テーブルに記憶し、次いで、図12に示した圧力損失検査補助ルーチン(S16)を実行する。このルーチン(S16)を実行すると、検査制御装置40は、ガス供給装置45からガス流量計10に予め設定された圧力損失検査用の基準圧力P12でガスを供給する(S160)。そして、ガス流量計10のCPU51に圧力損失検査プログラムPG17(本発明の「圧力損失検査手段」に相当する)を実行させる(S161)。
ガス流量計10のCPU51は、圧力損失検査プログラムPG17を実行すると、図13に示すように、圧力センサ16が検出した圧力P7を記憶する(S170)。次いで、その圧力P7を前記した基準圧力P12から引き、その差を圧力損失P8として求める(S171)。そして、その圧力損失P8が所定の許容値ΔP8の範囲内であるか否かを判別する(S172)。ここで、圧力損失P8が許容値ΔP8の範囲以内であれば(S172でYES)、圧力損失は正常値であると判断し(S173)、圧力損失P8が許容値ΔP8の範囲外であれば(S172でNO)、圧力損失は異常値であると判断する(S174)。そして、それら何れかの判断結果を検査制御装置40に出力して、この圧力損失検査プログラムPG17を抜ける。このように本実施形態では、ガス流量計10自体がガス流量計10自体の圧力損失の異常を検出するので、作業者の負担が軽減される。
検査制御装置40は、圧力損失に関する判断結果を得ると、その判断結果を図示しない検査結果テーブルに記憶し、次いで、図14に示した感震器検査補助ルーチン(S18)を実行する。このルーチン(S18)を実行すると検査制御装置40は、ガス流量計10のCPU51に感震器検査プログラムPG19(本発明に係る「感震器検査手段」に相当する)を実行させる(S180)。そして、その後、所定時間内にガス流量計10に震動を付与する(S181)。なお、検査制御装置40は、図示しない打撃装置を駆動してガス流量計10を打撃することでガス流量計10に震動を付与する。
ガス流量計10のCPU51は、感震器検査プログラムPG19を実行すると、図15に示すように、所定時間内に感震器53からCPU51に検出信号が付与されるか否かをチェックする(S190)。そして、所定時間内に感震器53からCPU51に検出信号が付与された場合には(S190でYES)、感震器53は正常であると判断し(S191)、そうでなかった場合には(S190でNO)、感震器53は異常であると判断する(S192)。そして、それら何れかの判断結果を検査制御装置40に出力して、この感震器検査プログラムPG19を抜ける。このように本実施形態によれば、ガス流量計10自体が、感震器53が正常に作動するか否かをチェックするので、作業者の負担が軽減される。
検査制御装置40は、感震器53に関する検査の判断結果を得ると、その判断結果を図示しない検査結果テーブルに記憶し、次いで、図16に示したゼロ点チューニング補助ルーチン(S20)を実行する。このルーチン(S20)を実行すると、検査制御装置40は、上流側電磁弁43及び下流側電磁弁44を閉じて(S200)、ガス流量計10内のガスの流量を0にする。そして、ガス流量計10のCPU51にゼロ点チューニングプログラムPG21を実行させる。
ガス流量計10のCPU51は、ゼロ点チューニングプログラムPG21を実行すると、図17に示すように、前記した通常モード用信号処理プログラムPG100のステップS1,S2,S4,S5と同様に、複数回に亘って順方向の超音波の到達時間(T11,T12,T13,・・・T1n)を求め(S210)、それらの平均値T1av’を求める(S211)。次いで、複数回に亘って逆方向の超音波の到達時間(T21,T22,T23,・・・T2n)を求め(S212)、それらの平均値T2avを求める(S213)。次いで、到達時間T1av’,T2avの差ΔT(=|T1av’−T2av|)を求め(S214)、通常モード用信号処理プログラムPG100で使用するオフセット補正値H1の値を前記到達時間T1av’,T2avの差ΔTの値に更新して記憶する(S215)。そして、オフセット補正値H1の更新が完了した旨の信号を検査制御装置40に付与してこのゼロ点チューニングプログラムPG21から抜ける。このように本実施形態では、ガス流量計10自体が0点調整を行うので、作業者の負担が軽減される。
なお、このゼロ点チューニングプログラムPG21を実行している状態が、本発明に係る「ゼロ点チューニングモード」に相当する。
検査制御装置40は、オフセット補正値H1の更新が完了した旨の信号を受けると、次いで、図18に示したチューニング補助ルーチン(S22)を実行する。すると、検査制御装置40は、ガス供給装置45からガス流量計10に予め設定された基準流量Qsのガスを流し(S221)、ガス流量計10のCPU51にチューニングプログラムPG23を実行させる(S222)。
ガス流量計10のCPU51は、チューニングプログラムPG23を実行すると、図19に示すように、前記した通常モード用信号処理プログラムPG100を実行し、これにより計測した流量Qxを記憶する(S231)。そして、その流量Qxと前記した基準流量Qsと、通常モード用信号処理プログラムPG100で使用した流量演算係数Kxと以下の式(4)から、新係数Ksを求める(S232)。
Ks=Kx・Qs/Qx ・・・・・(4)
そして、通常モード用信号処理プログラムPG100で使用する流量演算係数Kxを新係数Ksの値に更新して記憶する(S233)。そして、その更新が完了した旨の信号を検査制御装置40に付与してこのチューニングプログラムPG23から抜ける。このように実施形態では、ガス流量計10自体が自動的にチューニングを行うので作業者の負担が軽減される。
なお、このチューニングプログラムPG23を実行している状態が、本発明に係る「チューニングモード」に相当する。また、流量演算係数Kxが新係数Ksに更新されて、実質的には流量演算係数Kxに含まれる補正ゲインk(上記式(2)参照)が更新される。
検査制御装置40は、流量演算係数Kxの更新が完了した旨の信号を受けると、次いで、図20に示した合否検査補助ルーチン(S24)を実行する。すると、検査制御装置40は、ガス供給装置45からガス流量計10に3[リットル/時間]の流量のガスを流し(S241)、ガス流量計10のCPU51に合否自己検査プログラムPG25(本発明に係る「合否自己検査手段」に相当する)を実行させる(S242)。
ガス流量計10のCPU51は、合否自己検査プログラムPG25を実行すると、図21に示すように、前記した通常モード用信号処理プログラムPG100を実行し、これにより計測した流量Qzを記憶する(S251)。そして、その流量Qzと3[リットル/時間]との差が所定の許容誤差ΔQz以内に入っているか否かを判別する(S252)。ここで、許容誤差ΔQz以内に入っていた場合には(S252でYES)、「合格」と判断し(S253)、許容誤差ΔQz以内に入っていなかった場合には(S252でNO)、「不合格」と判断する(S254)。そして、それら何れかの判断結果を検査制御装置40に出力して、この合否自己検査プログラムPG25を抜ける。このように本実施形態では、ガス流量計10自体が3[リットル/時間]を規定の範囲で正確に計測可能か否かを判別するので、作業者の負担が軽減される。
検査制御装置40は、3[リットル/時間]の計測精度に関する検査の判断結果を得ると、その判断結果を図示しない検査結果テーブルに記憶し、次いで、図22に示した器差性能検査補助ルーチン(S26)を実行する。このルーチン(S26)を実行すると、例えば、検査制御装置40は、カウンタjに値「1」をセットし(S261)、ガス供給装置45からガス流量計10に流すガスの流量を予め設定された第j基準流量Y(j)、即ち、第1基準流量Y(1)とし(S262)、ガス流量計10のCPU51に器差性能検査プログラムPG27(本発明に係る「器差性能検査手段」に相当する)を実行させる(S263)。次いで、所定時間待機して(S264)、カウンタjを1インクリメントし(S265)、ガス供給装置45からガス流量計10に流すガスの流量を予め設定された第j基準流量Y(j)、即ち、第2基準流量Y(2)とする(S266)。そして、カウンタjが所定数nになるまで、ステップS264〜S266を繰り返す(S267)。
ガス流量計10のCPU51は、器差性能検査プログラムPG27を実行すると、図23に示すように、カウンタiに値「1」をセットしてから(S270)、前記した通常モード用信号処理プログラムPG100を実行し、これにより計測した流量X(j)を記憶する(S271)。そして、所定時間待機して(S272)、カウンタiをインクリメントし(S273)、カウンタiが所定数nになるまで、ステップS271〜S273の動作を繰り返す(S274)。これにより、実際に流した第j基準流量Y(j)に対し、ガス流量計10が計測した流量X(i)が求められる。
そして、カウンタiを1にリセットしてから(S275)、カウンタiがnになるまで、第i基準流量Y(i)(i=1〜n)に対する器差Z(i)(i=1〜n)を下記式(5)にて求め(S276)、その器差Z(i)(i=1〜n)が、所定の許容値W(i)(i=1〜n)に収まっているか否かを判別する(S277)。
Z(i)=(X(i)−Y(i))・100/Y(i)・・・・(5)
器差Z(i)(i=1〜n)のうち何れか1つでも許容値W(i)(i=1〜n)に収まっていなかったら(S277でNO)、器差性能不合格と判断し(S279)、そうでない場合にのみ(S277でYES)、器差性能合格と判断する(S278)。そして、それら何れかの判断結果を検査制御装置40に出力して、この器差性能検査プログラムPG27を抜ける。このように本実施形態では、ガス流量計10自体で、ガス流量計10の器差性能が規定の範囲であるか否かを判別することができ、作業者の負担が軽減される。
検査制御装置40は、器差性能に関する検査の判断結果を得ると、その判断結果を図示しない検査結果テーブルに記憶し、次いで、図24に示した弁開度検査補助ルーチン(S28)を実行する。このルーチン(S28)を実行すると、例えば、検査制御装置40は、ガス供給装置45から予め設定された所定圧力のガスをガス供給装置45からガス流量計10に流し(281)、ガス流量計10のCPU51に弁開度自己検査プログラムPG29(本発明に係る「弁開度自己検査手段」に相当する)を実行させる(S282)。
ガス流量計10のCPU51は、弁開度自己検査プログラムPG29を実行すると、図25に示すように、パルスモータにより遮断弁15を完全に閉じた状態とし(S291)、カウンタiに値「1」をセットする(S292)。そして、パルスモータを所定パルス分駆動して遮断弁15の開度を第i開度にする(S293)。次いで、前記した通常モード用信号処理プログラムPG100を実行して計測した流量Qxと第i開度に対して予め設定された設計流量Qw(i)との差ΔQ(以下、「設計誤差ΔQ」という)を求める。そして、設計誤差ΔQが許容値Qv(i)の範囲か否かをチェックする(S295)。そして、設計誤差ΔQが許容値Qv(i)の範囲以内である場合は(S295でYES)、カウンタiをインクリメントし(S296)、カウンタiが所定数CになるまでステップS293〜S296の動作を繰り返す(S297)。そして、設計誤差ΔQが許容値Qv(i)の範囲以外となった場合には(S295でNO)、弁開度性能不合格と判断し(S299)、設計誤差ΔQが1度も許容値Qv(i)の範囲以外とならなかった場合には(S297でYES)、弁開度性能合格と判断する(S298)。そして、それら何れかの判断結果を検査制御装置40に出力して、この弁開度自己検査プログラムPG29を抜ける。検査制御装置40は、弁開度性能に関する判断結果を受けたら、調整・検査プログラムPG300を終了する。
以上説明したように、本実施形態のガス流量計10によれば、ガス流量計10自体が自動で調整・検査を行うので、作業者の負担が軽減される。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態の外部気密自己検査プログラムPG11及び遮断弁自己検査プログラムPG13では、圧力センサ16で検出した圧力の変化に基づいてガス流量計10から外部へのガス漏れ又は遮断弁15におけるガス漏れを検出していたが、ガス流量計10内のガスの流量が「0」であるか否かに基づいてそれらガス漏れを検出する構成にしてもよい。
(2)また、前記実施形態の圧力損失検査プログラムPG17では、ガス流量計10に供給するガスの圧力と、圧力センサ16で検出した圧力との差に基づいてガス流量計10による圧力損失を求めていたが、ガス流量計10が計測した流量に基づいて圧力損失を演算する構成にしてもよい。
(3)前記実施形態では、検査制御装置40が自動で上流側電磁弁43及び下流側電磁弁44さらにはガス供給装置45を駆動していたが、作業者の手動操作によりこれら上流側電磁弁43等を動作させてもよい。
(4)また、前記実施形態では、ガス流量計10に所定のプログラムを実行させるためのトリガーとして検査制御装置40からガス流量計10に実行命令を付与していたが、例えば、ガス流量計10に所定の圧力を加える、又は所定の流量を所定時間流したことをトリガーとしてもよい。
本発明の一実施形態に係るガス流量計の概念図 送受波信号制御回路の回路図 通常モード用信号処理プログラムのフローチャート 調整・検査装置の概念図 調整・検査プログラムのフローチャート 外部気密検査補助ルーチンのフローチャート 外部気密自己検査プログラムのフローチャート 遮断弁検査補助ルーチンのフローチャート 遮断弁自己検査プログラムのフローチャート 圧力センサ検査補助ルーチンのフローチャート 圧力センサ検査プログラムのフローチャート 圧力損失検査補助ルーチンのフローチャート 圧力損失検査プログラムのフローチャート 感震器検査補助ルーチンのフローチャート 感震器検査プログラムのフローチャート ゼロ点チューニング補助ルーチンのフローチャート ゼロ点チューニングプログラムのフローチャート チューニング補助ルーチンのフローチャート チューニングプログラムのフローチャート 合否検査補助ルーチンのフローチャート 合否自己検査プログラムのフローチャート 器差性能検査補助ルーチンのフローチャート 器差性能検査プログラムのフローチャート 弁開度検査補助ルーチンのフローチャート 弁開度自己検査プログラムのフローチャート
符号の説明
10 ガス流量計
15 遮断弁
16 圧力センサ
20,21 超音波送受波器
40 調整検査制御装置
53 感震器
H1 オフセット補正値
PG11 外部気密自己検査プログラム(外部気密自己検査手段)
PG13 遮断弁自己検査プログラム(遮断弁自己検査手段)
PG15 圧力センサ検査プログラム(圧力センサ検査手段)
PG17 圧力損失検査プログラム(圧力損失検査手段)
PG19 感震器検査プログラム(感震器検査手段)
PG21 ゼロ点チューニングプログラム
PG23 チューニングプログラム
PG25 合否自己検査プログラム(合否自己検査手段)
PG27 器差性能検査プログラム(器差性能検査手段)
PG29 弁開度自己検査プログラム(弁開度自己検査手段)
PG100 通常モード用信号処理プログラム

Claims (12)

  1. ガスの圧力を検出する圧力センサと、前記ガスの圧力が異常である場合にガスの供給を遮断する遮断弁とを備えたガス流量計において、
    外部から所定のトリガーを受けたときに起動する外部気密自己検査手段を備え、
    前記外部気密自己検査手段は、ガスの流量及び/又は前記圧力センサの検出結果に基づいて、ガス流量計から外部への漏れを検査することを特徴とするガス流量計。
  2. ガスの圧力を検出する圧力センサと、前記ガスの圧力が異常である場合にガスの供給を遮断する遮断弁とを備えたガス流量計において、
    前記遮断弁が閉じた状態で計測されるガスの流量及び/又は前記圧力センサの検出結果に基づいて、前記遮断弁の漏れを検査する遮断弁自己検査手段を備えたことを特徴とするガス流量計。
  3. 外部から所定のトリガーを受けたときに起動する圧力センサ検査手段を備え、
    前記圧力センサ検査手段は、前記圧力センサの検出結果と、ガス流量計に予め設定された基準圧力値とが一致したか否かを判別することを特徴とする請求項1又は2に記載のガス流量計。
  4. 前記圧力センサは、ガス流量計の出口の近傍に備えられ、
    外部から所定のトリガーを受けたときに起動する圧力損失検査手段を備え、
    前記圧力損失検査手段は、前記圧力センサの検出結果と、ガス流量計に予め設定された入口側圧力値との差圧を求め、その差圧がガス流量計に予め設定された基準圧力損失値と一致したか否かを判別することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のガス流量計。
  5. パルスモータによって駆動されて開度を徐々に変更可能な遮断弁を備えたガス流量計において、
    外部から所定のトリガーを受けたときに起動する弁開度自己検査手段を備え、
    前記弁開度自己検査手段は、前記遮断弁の開度を予め設定された開度に変更し、前記各開度に対する前記ガスの流量が、予め設定された基準値と一致したか否かを判別することを特徴とするガス流量計。
  6. 感震器を備えて、その感震器が震動を検出したときに前記遮断弁が閉じられるように構成すると共に、
    外部から所定のトリガーを受けたときに起動する感震器検査手段を備え、
    前記感震器検査手段は、所定の時間内に前記感震器が震動を検出したか否かを判別することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のガス流量計。
  7. ガスが流れる方向に間隔を空けて配置された1対の超音波送受波器の間で超音波を送受波してガスの流量を計測するガス流量計において、
    前記ガスの流量を計測するための通常モードと、前記ガスの実際の流量が0であるときに計測された流量が0になるようにチューニングを行うゼロ点チューニングモードとに切り替え可能に構成され、
    前記ゼロ点チューニングモードに切り替わると、一方から他方の前記超音波送受波器への超音波の到達時間と、前記他方から前記一方の超音波送受波器への超音波の到達時間との時間差がオフセット補正値として記憶され、前記通常モードに切り替わると、前記一方から前記他方の超音波送受波器への超音波の到達時間から前記オフセット補正値を減算するように構成したことを特徴とするガス流量計。
  8. ガスが流れる方向に間隔を空けて配置された1対の超音波送受波器の間で超音波を送受波してガスの流量を計測するガス流量計において、
    前記ガスの流量を計測するための通常モードと、前記ガスの実際の流量と計測したガスの流量とが一致するようにチューニングを行うチューニングモードとに切り替え可能に構成され、
    前記チューニングモードに切り替わると、その切り替わった後の所定のタイミングで計測した流量をガス流量計に予め設定された基準流量と一致させるための補正ゲインが求められ、前記通常モードに切り替わると、計測された流量に前記補正ゲインを乗じて補正を行うように構成したことを特徴とするガス流量計。
  9. ガスが流れる方向に間隔を空けて配置された1対の超音波送受波器の間で超音波を送受波し、一方から他方の前記超音波送受波器への超音波の到達時間の逆数と、前記他方の前記一方の超音波送受波器への超音波の到達時間の逆数との差に流量演算係数Kxを乗じて流量を求めるガス流量計において、
    前記ガスの流量を計測するための通常モードと、前記ガスの実際の流量と計測したガスの流量とが一致するようにチューニングを行うチューニングモードとに切り替え可能に構成され、
    前記チューニングモードに切り替わった後に計測した流量Qxと、その流量Qxを求める際に使用した流量演算係数Kxと、予め設定された基準流量Qsと、次式、
    Ks=Kx・Qs/Qx
    、とから新係数Ksが求められ、前記通常モードで使用する前記流量演算係数Kxを前記新係数Ksの値に更新するように構成したことを特徴とするガス流量計。
  10. 外部から所定のトリガーを受けたときに起動する合否自己検査手段を備え、
    前記合否自己検査手段は、ガスの流量が、3[リットル/時間]と一致したか否かを判別することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のガス流量計。
  11. 外部から所定のトリガーを受けたときに起動する圧力損失検査手段を備え、
    前記圧力損失検査手段は、ガスの流量に基づいてガス流量計による圧力損失を演算し、その圧力損失がガス流量計に予め設定された基準圧力損失値と一致したか否かを判別することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載のガス流量計。
  12. 外部から所定のトリガーを受けたときに起動する器差性能検査手段を備え、
    前記器差性能検査手段は、所定の間隔で複数回計測されたガスの流量が、ガス流量計に予め設定された複数の基準流量と一致したか否かを判別することを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載のガス流量計。
JP2004152958A 2004-05-24 2004-05-24 ガス流量計 Pending JP2005337726A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004152958A JP2005337726A (ja) 2004-05-24 2004-05-24 ガス流量計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004152958A JP2005337726A (ja) 2004-05-24 2004-05-24 ガス流量計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005337726A true JP2005337726A (ja) 2005-12-08

Family

ID=35491482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004152958A Pending JP2005337726A (ja) 2004-05-24 2004-05-24 ガス流量計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005337726A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009245094A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Yamatake Corp 流量制御システム
JP2019168421A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 マイコン式ガスメーター
JP2023027370A (ja) * 2018-12-28 2023-03-01 パナソニックホールディングス株式会社 ガスメータ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009245094A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Yamatake Corp 流量制御システム
JP2019168421A (ja) * 2018-03-26 2019-10-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 マイコン式ガスメーター
JP2023027370A (ja) * 2018-12-28 2023-03-01 パナソニックホールディングス株式会社 ガスメータ
JP7370447B2 (ja) 2018-12-28 2023-10-27 パナソニックホールディングス株式会社 ガスメータ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9632511B2 (en) Pressure type flow control system with flow monitoring, and method for detecting anomaly in fluid supply system and handling method at abnormal monitoring flow rate using the same
US8793082B2 (en) Upstream volume mass flow verification systems and methods
JP4422412B2 (ja) 流れ診断システム
EP1697698B1 (en) Diagnostics of impulse piping in an industrial process
KR100894430B1 (ko) 초음파, 음향 및 온도변화를 이용한 밸브의 유체누설 측정장치 및 이를 이용한 유체누설 측정방법
JP5094374B2 (ja) 流量計測装置とガス供給システム
US20170328751A1 (en) Method for detection of pipeline vibrations and measuring instrument
EP3954974B1 (en) Gas flowmeter having inline calibrating
US8485046B2 (en) Ultrasonic flow meter and method including a test procedure to verify the operation of the electronic
JPH08136386A (ja) 管路閉塞検出装置
US20150260556A1 (en) Ultrasonic transit-time flowmeter and method for detecting a failure in an ultrasonic transit-time flowmeter
CN111919094A (zh) 燃气安全装置
KR20180074698A (ko) 샘플 테이크오프를 위한 정상 상태의 유체 유동 검증
KR20180073794A (ko) 공압식 제어 밸브의 진단 장치 및 방법
JP2008128824A (ja) 超音波流量計
JP4110908B2 (ja) ガス遮断装置
JP2005337726A (ja) ガス流量計
KR20080038956A (ko) 주변잡음 제거를 위한 밸브누설 진단장치 및 진단방법
JP5195553B2 (ja) 流量計測装置
JP3901159B2 (ja) ガス配管漏洩監視装置
JPH11118555A (ja) 流量計測装置
JP2005037268A (ja) 流量検査装置
JP2003329502A (ja) 超音波流量計および超音波流量計の自己診断方法
JPS6280535A (ja) バルブリ−ク検出方法
JP2004036937A (ja) ガス保安装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090909

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100113

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100305