JP2003329502A - 超音波流量計および超音波流量計の自己診断方法 - Google Patents

超音波流量計および超音波流量計の自己診断方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波振動子の特性の変化による計測誤差や
故障を自己診断によって検知することのできる超音波流
量計を提供する。 【解決手段】 超音波の伝播時間差に基づいて流体が流
路を流れる流量を計測する超音波流量計であって、超音
波を送受信する少なくとも2つの超音波振動子1、2、
と、前記2つの超音波振動子の特性の差を示す第1の特
性差、および/または前記2つの超音波振動子の少なく
とも一方の過去における特性と現在における特性との差
を示す第2の特性差を検出し、前記第1の特性差および
/または前記第2の特性差に基づいて流量計の状態を示
す診断信号を生成する自己診断手段40とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波を用いて流体
の流量を測定する超音波流量計および超音波流量計の自
己診断方法に関する。また、本発明はガスメータにも関
する。
【0002】
【従来の技術】超音波流量計は、構造が簡単である、機
械的可動部分が少ない、流量の測定可能な範囲が広い、
流量計による圧力損失がないなどの特徴を備えている。
また、近年のエレクトロニクス技術の進歩によって、超
音波流量計の計測精度を向上させることも可能になって
きた。このため、ガスメータをはじめ、気体や液体の流
量の計測が必要なさまざま分野において超音波流量計を
用いる研究がなされている。
【0003】以下、従来の超音波流量計の構造および測
定原理を説明する。図12は、従来の超音波流量計の一
例を示すブロック図であり、流体が流れる流路14を挟
むように超音波振動子1および2が配置される。超音波
振動子1および2は、それぞれ送信器および受信器とし
て機能する。超音波振動子1を送信器として用いる場合
には超音波振動子2を受信器として用い、超音波振動子
2を送信器として用いる場合には超音波振動子1を受信
器として用いる。図12に示すように、超音波振動子1
および2の間に形成される超音波の伝播路は流体の流れ
る方向に対して角度θだけ傾いている。
【0004】超音波振動子1から超音波振動子2へ超音
波を伝播させる場合、超音波は流体の流れに対して順方
向に進むため、その速度は速くなる。一方、超音波振動
子2から超音波振動子1へ超音波を伝播させる場合、超
音波は流体の流れに対して逆方向に進むため、その速度
は遅くなる。従って、超音波振動子1から超音波振動子
2へ超音波が伝播する時間と超音波振動子2から超音波
振動子1へ超音波が伝播する時間との差から、流体の速
度を求めることができる。また、流路14の断面積と流
速との積から流量を求めることができる。
【0005】上述の原理に従って流体の流量を求める具
体的な方法として、シングアラウンド法による計測方法
を具体的に説明する。
【0006】図12に示すように、超音波流量計は送信
回路3および受信回路6を備え、超音波振動子1は、切
り替え回路10によって送信回路3または受信回路6の
一方と選択的に接続される。この時、超音波振動子2
は、超音波振動子1が接続されなかった送信回路3また
は受信回路6の他方と接続される。
【0007】送信回路3と超音波振動子1とが接続され
る場合、送信回路3が超音波振動子1を駆動し、発生し
た超音波は流体の流れを横切って超音波振動子2に到達
する。超音波振動子2によって受信された超音波は、電
気信号に変換され、受信信号が受信回路6によって増幅
される。ゼロクロス検知回路7では、受信信号が所定の
レベルに達した直後のゼロクロスポイントが検知され、
ゼロクロス検知信号が生成される。ゼロクロスポイント
とは受信信号の振幅が正から負または負から正へ変化す
る点をいう。このゼロクロスポイントを超音波振動子2
において超音波が到達した時刻としている。ゼロクロス
検知信号に基づいて、所定の時間遅らせたタイミングで
トリガ信号を生成し送信回路3へ入力する。ゼロクロス
検知信号の生成からトリガ信号の生成までの時間を遅延
時間と呼ぶ。
【0008】送信回路3はトリガ信号に基づいて超音波
振動子1を駆動し、次の超音波を発生させる。ゼロクロ
ス検知信号の発生から次の超音波を発生させる。このよ
うに超音波の送信−受信−増幅・遅延−送信のループの
繰り返すことをシングアラウンドと呼び、ループの回数
をシングアラウンド回数と呼ぶ。
【0009】計時回路9では、所定の回数、ループを繰
り返すのに要した時間を計測し、測定結果が流量算出手
段11へ送られる。次に、切り替え回路10を切り替え
て、超音波振動子2を送信器として用い、超音波振動子
1を受信器として用いて、同様に計測を行う。
【0010】上述の方法によって計測した時間から遅延
時間とシングアラウンド回数とを乗じた値を引き、更に
シングアラウンド回数で除した値が超音波の伝播時間と
なる。超音波振動子1を送信側にしたときの伝播時間を
t1とし、超音波振動子2を送信側にしたときの伝播時
間をt2とする。
【0011】また、図12に示すように、超音波振動子
1と超音波振動子2との間の距離をLとし、流体の流速
および超音波の音速をそれぞれVおよびCとする。
【0012】この時、t1およびt2は以下の式で表さ
れる。
【0013】
【数1】
【0014】これらの式から流速Vは以下の式で表され
る。
【0015】
【数2】
【0016】流体の流速Vが求まれば、流路14の断面
積と流速Vとの積から流量Qが求まる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述の超音波流量計で
は、超音波振動子1と超音波振動子2との間伝播する超
音波の伝播時間t1およびt2をゼロクロス検知によ
り、計測している。このため、超音波振動子1から送信
した超音波を超音波振動子2で受信したときの波形と超
音波振動子2から送信した超音波を超音波振動子1で受
信したときの波形とは一致している必要がある。
【0018】しかし、実際には超音波振動子1と超音波
振動子2との特性の違いから、波形は完全には一致しな
い。図13は、流体の流速がゼロであり、超音波振動子
1と超音波振動子2との特性が異なる場合において、超
音波振動子1から送信した超音波を超音波振動子2で受
信したときの波形18と超音波振動子2から送信した超
音波を超音波振動子1で受信したときの波形19とを示
している。受信信号がレベルaを超えた直後のゼロクロ
スポイントは、波形18および波形19ではそれぞれ点
18aおよび19aとなり、これらの点は一致しない。
つまり、測定すべき気体や液体が流れていない場合であ
っても、誤った流量を示してしまう。
【0019】また、超音波振動子1は圧電素子で構成さ
れており、圧電素子の特性は一般に温度依存性がある。
図14は、流体の流速がゼロである場合において、上記
伝播時間t1とt2との差Δtの温度依存性を示してい
る。図14において曲線20aで示すように、温度に対
してほぼ比例してΔtが変化する場合や、曲線20bあ
るいは曲線20cで示すように、温度の上昇と共に急激
にΔtが増大したり、減少したりする場合がある。これ
は、超音波振動子1および超音波振動子2の特性の温度
依存性が異なっており、その結果、組み合わせた特性の
変化の傾向にも種々のパターンが考えられるからであ
る。
【0020】したがって、従来の超音波流量計を用いて
例えばガスメータを作製した場合、2つの超音波振動子
の特性差によって生じる誤差のために、ガスを使ってい
ないのにガスを使用していると計測される可能性や、そ
の特性差の温度依存性のために1日のうちでも気温が低
い朝方と日中とでは、同じガス器具を使用していても使
用量が異なって計測される可能性がある。ガスメータに
ガス漏れ検知機能を付加した場合には、単に計測に誤差
が生じるだけではなく、その検知機能の信頼性を低下さ
せる可能性もある。
【0021】また、超音波振動子の特性の温度変化に加
えて、超音波流量計を長い期間使用している間に超音波
振動子が劣化し、特性が経年変化する。特性の経年変化
も上述したように、2つの超音波振動子においてまった
く同じように生じるとは限らないため、流量の計測に誤
差を生じさせる原因となる。
【0022】更に、超音波振動子1および2に配線を接
続するための端子が腐食し、腐食部分の抵抗値が上昇す
ることによって、配線と超音波振動子1および2との電
気的接続が不完全となったり、超音波振動子1および2
の振動によって、配線との接続が断線してしまうといっ
た故障も超音波流量計を長い期間使用している間に生じ
る可能性がある。何らかの原因により、超音波振動子1
および2そのものが破壊してしまうことも考えられる。
【0023】このような超音波振動子の特性差によって
生じる計測誤差や超音波流量計の故障は、超音波流量計
に高い信頼性が求められる場合には特に問題となる。
【0024】本発明は、このような従来の問題を解決
し、超音波振動子の特性の変化による計測誤差や故障を
自己診断によって検知することのできる超音波流量計お
よびガスメータを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波流量計
は、超音波を送受信する少なくとも2つの超音波振動子
と、前記2つの超音波振動子の特性の差を示す第1の特
性差、および/または前記2つの超音波振動子の少なく
とも一方の過去における特性と現在における特性との差
を示す第2の特性差を検出し、前記第1の特性差および
/または前記第2の特性差に基づいて流量計の状態を示
す診断信号を生成する自己診断手段とを備え、超音波の
伝播時間差に基づいて流体が流路を流れる流量を計測す
る。
【0026】ある好ましい実施形態において、超音波流
量計は、前記超音波振動子を駆動するための駆動信号を
発生する送信回路を更に備え、前記超音波振動子の特性
は、前記超音波振動子によって生じる前記駆動信号の反
射波に基づく。
【0027】ある好ましい実施形態において、前記自己
診断手段は、前記反射波の包絡線信号を検出し、前記包
絡線信号の所定の時刻における強度を前記超音波振動子
の特性として検出する。
【0028】ある好ましい実施形態において、前記自己
診断手段は、前記反射波と前記駆動信号との定在波比を
前記超音波振動子の特性として検出する。
【0029】ある好ましい実施形態において、前記自己
診断手段は、前記駆動信号のリターンロスを前記超音波
振動子の特性として検出する。
【0030】ある好ましい実施形態において、前記自己
診断手段は、前記反射波の位相を前記超音波振動子の特
性として検出する。
【0031】ある好ましい実施形態において、前記自己
診断手段は、前記流体が静止している時に前記第1の特
性差および/または前記第2の特性差を検出する。
【0032】ある好ましい実施形態において、前記自己
診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2
の特性差が第1の値以下であるという条件を満たす場
合、正常であることを示す診断信号を生成する。
【0033】ある好ましい実施形態において、前記自己
診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2
の特性差が第2の値以上であるという条件を満たす場
合、故障であることを示す診断信号を生成する。
【0034】ある好ましい実施形態において、前記自己
診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2
の特性差が第1の値と第2の値との間の値であるという
条件を満たす場合、特性が変動していることを示す診断
信号を生成する。
【0035】ある好ましい実施形態において、前記自己
診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2
の特性差を検出する動作を複数回実行し、所定数を越え
る回数にわたって連続して前記特性差が前記条件を満た
す場合、前記診断信号を生成する。
【0036】また、本発明のガスメータは、ガスが流れ
る流路と、前記流路に設けられた上記いずれかの超音波
流量計と、前記流路を流れるガスを遮断する遮断弁と、
前記超音波流量計および遮断弁を制御する制御装置とを
備える。
【0037】ある好ましい実施形態において、ガスメー
タは、前記超音波流量計から出力される前記診断信号を
送信するための通信装置を更に備える。
【0038】また、本発明の超音波流量計の自己診断方
法は、超音波の伝播時間差に基づいて流体が流路を流れ
る流量を計測し、超音波を送受信する少なくとも2つの
超音波振動子の特性の差を示す第1の特性差、および/
または前記2つの超音波振動子の少なくとも一方の過去
における特性と現在における特性との差を示す第2の特
性差を検出するステップと、前記第1の特性差および/
または前記第2の特性差に基づいて流量計の状態を示す
診断信号を生成するステップとを包含する。
【0039】ある好ましい実施形態において、前記超音
波振動子の特性は、前記超音波振動子を駆動するための
駆動信号が前記超音波振動子において反射された反射波
に基づく。
【0040】ある好ましい実施形態において、前記反射
波の包絡線信号を検出し、前記包絡線信号の所定の時刻
における強度を前記超音波振動子の特性として検出す
る。
【0041】ある好ましい実施形態において、前記反射
波と前記駆動信号との定在波比を前記超音波振動子の特
性として検出する。
【0042】ある好ましい実施形態において、前記駆動
信号のリターンロスを前記超音波振動子の特性として検
出する。
【0043】ある好ましい実施形態において、前記反射
波の位相を前記超音波振動子の特性として検出する。
【0044】ある好ましい実施形態において、前記流体
が静止している時に前記第1の特性差および/または前
記第2の特性差を検出する。
【0045】ある好ましい実施形態において、前記診断
信号を生成するステップにおいて、前記第1の特性差お
よび/または前記第2の特性差が第1の値以下であると
いう条件を満たす場合、正常であることを示す診断信号
を生成し、前記第1の特性差および/または前記第2の
特性差が第2の値以上であるという条件を満たす場合、
故障であることを示す診断信号を生成し、前記第1の特
性差および/または前記第2の特性差が第1の値と第2
の値との間の値であるという条件を満たす場合、特性が
変動していることを示す診断信号を生成する。
【0046】ある好ましい実施形態において、上記自己
診断方法は、前記特性が変動していることを示す信号が
生成された場合、前記2つの超音波振動子を用いて、流
体が静止している状態における流量値を計測し、計測さ
れた値を用いて、前記超音波流量計を補正するステップ
を更に包含する。
【0047】ある好ましい実施形態において、前記第1
の特性差および/または前記第2の特性差を検出する動
作を複数回実行し、所定数を越える回数にわたって連続
して前記特性差が同じ条件を満たす場合、対応する前記
診断信号を生成する。
【0048】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、本発
明による超音波流量計の第1の実施形態を示すブロック
図である。超音波流量計51は、流体の流路14中に超
音波の伝播経路を形成するように配置される第1の超音
波振動子1および第2の超音波振動子2と、送信回路3
と、反射波検知回路4と、受信回路6とを備えている。
【0049】第1の超音波振動子1および第2の超音波
振動子2は、それぞれが送信器および受信器として機能
する。第1の超音波振動子1から送信された超音波は第
2の超音波振動子2によって受信され、第2の超音波振
動子2から送信された超音波は第1の超音波振動子1に
よって受信する。これら双方向の伝播路は、流路14を
流れる流体の流れる方向に対して角度θをなしている。
角度θの大きさは、10〜40度の範囲内から選択され
る。
【0050】第1の超音波振動子1および第2の超音波
振動子2としては、おおよそ20KHz以上の周波数で
駆動され、超音波流量計として従来から使用される種々
の超音波振動子を用いることができる。測定すべき流体
の状態や種類また、予測される流速に応じて最適な周波
数が適宜選択される。本実施形態では、例えば厚み振動
モードで振動し、200KHzの共振周波数をもつ超音
波振動子が用いられる。
【0051】第1の超音波振動子1および第2の超音波
振動子2は、切り替え手段12を介して送信回路3へ接
続されており、切り替え手段12による選択によって、
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2のど
ちらか一方が選択的に送信回路3へ選択的に接続され
る。
【0052】また、超音波流量計51は、送信回路3と
切り替え手段12との間に設けられた方向性結合器15
および方向性結合器15に接続された自己診断手段40
を更に備える。自己診断手段40は以下において詳細に
説明する。
【0053】第1の超音波振動子1および第2の超音波
振動子2は、切り替え手段13を介して受信回路6に接
続される。第1の超音波振動子1または第2の超音波振
動子2に到達した超音波は電気信号に変換され、受信信
号が受信回路6によって増幅される。第1の超音波振動
子1または第2の超音波振動子2に到達した超音波によ
る電気信号が十分大きい場合には必ずしも受信回路6は
受信信号を増幅しなくてもよい。
【0054】送信回路3に第1の超音波振動子1が接続
されるときには、受信回路6が第2の超音波振動子2に
接続され、送信回路3に第2の超音波振動子2が接続さ
れるときには、受信回路6が第1の超音波振動子1に接
続されるよう切り替え手段12と切り替え手段13とは
連動していることが好ましい。切り替え手段12および
切り替え手段13は、リレーのような機械的なものであ
ってもよいし、電子回路等によって構成されるものであ
ってもよい。
【0055】受信回路6によって増幅された受信信号
は、ゼロクロス検知回路7へ送られ、ゼロクロス検知回
路7において、受信信号が所定のレベルに達した直後の
ゼロクロスポイントが検知される。これにより、ゼロク
ロス検知信号が生成される。
【0056】繰り返し回路8は、ゼロクロス検知信号に
基づいて、所定の時間遅らせたタイミングでトリガ信号
を生成し、トリガ信号を送信回路3へ出力する。送信回
路3は、トリガ信号に基づいて、第1の超音波振動子1
または第2の超音波振動子2を駆動する。
【0057】計時回路9は、所定の回数、シングアラウ
ンドを繰り返すのに要した時間を計測し、測定結果を流
量算出手段10へ送る。
【0058】図1および図2を参照して、まず流体の流
量を計測する手順を説明する。流量の測定手順は従来と
同じである。図2に示すように、トリガ信号21を発振
回路3に入力し駆動信号を生成させ、第1の超音波振動
子1から超音波を発生させる。流路14を伝播した超音
波は、第2の超音波振動子2によって受信され、受信回
路6によって受信信号22として検知される。ゼロクロ
ス検知回路7では、受信信号22が所定のレベルに達し
た直後のゼロクロスポイントが検知され、ゼロクロス検
知信号が生成される。繰り返し回路8は、ゼロクロス検
知信号に基づいて、所定の遅延時間23を経た後にトリ
ガ信号21’を生成し、送信回路3へトリガ信号21’
を出力する。これにより、シングアラウンドの1ループ
を構成する。
【0059】所定の回数(例えば50〜1000回)、
シングアラウンドを繰り返した後、計時回路9は、ルー
プを繰り返すのに要した全時間24を計測し、測定結果
を流量算出手段11へ送る。全時間24から遅延時間2
3とシングアラウンド回数とを乗じた値を引き、更にシ
ングアラウンド回数で除した値が、式(1)に示すt1
となる。
【0060】次に、切り替え手段12および13を用い
て、送信回路3を第2の超音波振動子2へ接続し、受信
回路3を第1の超音波振動子1へ接続する。そして、上
述の手順と同様の手順により、第2の超音波振動子2か
ら超音波を発生させ、第1の超音波振動子1で超音波を
受信する。所定の回数、シングアラウンドを繰り返した
後、計時回路9は、ループを繰り返すのに要した全時間
24を計測し、測定結果を流量算出手段11へ送る。全
時間24から遅延時間23とシングアラウンド回数とを
乗じた値を引き、更にシングアラウンド回数で除した値
が、式(1)に示すt2となる。
【0061】式(2)に、t1およびt2の値と角度θ
を代入することによって、流体の流速Vが求まる。更に
流路14の断面積をSとすれば、流量QはV×Sによっ
て求めることができる。この流量Qは、単位時間あたり
に流体が移動する量であり、流量Qを積分することによ
って流体の量を求めることができる。
【0062】続いて、自己診断手段40を説明する。図
1に示すように、自己診断手段40は、反射波検出回路
4および判定手段5を含む。反射波検出回路4は第1の
超音波振動子1または第2の超音波振動子2において生
じる駆動信号の反射波を検知し、検知した反射波に基づ
いて、判定手段5が超音波流量計51の状態を診断す
る。この反射波は、送信回路3の出力インピーダンスと
第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2のイ
ンピーダンスとが整合していないために生じる。
【0063】図3は、第1の超音波振動子1および第2
の超音波振動子2の厚さ振動モードにおけるインピーダ
ンス曲線を示している。図3に示すように、第1の超音
波振動子1および第2の超音波振動子2は、共振周波数
frにおいて、最も電気機械変換効率が高く、かつ安定
して駆動させることができる。このため、第1の超音波
振動子1および第2の超音波振動子2は、共振周波数で
駆動される。
【0064】第1の超音波振動子1および第2の超音波
振動子2の電気音響特性が等しい場合、インピーダンス
曲線はおおよそ一致し、共振周波数におけるインピーダ
ンスが等しくなる。この時、送信回路3の出力インピー
ダンスと第1の超音波振動子1の共振周波数における入
力インピーダンスとの差および送信回路3の出力インピ
ーダンスと第2の超音波振動子2の共振周波数における
入力インピーダンスとの差が等しくなるため、第1の超
音波振動子1および第2の超音波振動子2によって生じ
る反射波の特性は等しくなる。したがって、第1の超音
波振動子1および第2の超音波振動子2によって生じる
反射波の特性が等しいということは、第1の超音波振動
子1の電気音響特性と第2の超音波振動子2の電気音響
特性とが等しく、測定誤差を含まない正確な計測が可能
であることを示している。
【0065】一方、端子の腐食や断線などにより、第1
の超音波振動子1または第2の超音波振動子2の1つと
その配線との接触抵抗が増大していたり、第1の超音波
振動子1または第2の超音波振動子2の1つが故障して
いたりする場合、その超音波振動子の入力インピーダン
スは著しく大きくなり、故障している超音波振動子によ
る反射波も著しく大きくなる。その結果、第1の超音波
振動子1および第2の超音波振動子2によって生じる反
射波の特性が大きく異なる。したがって、第1の超音波
振動子1および第2の超音波振動子2によって生じる反
射波の特性が大きく異なるということは、第1の超音波
振動子1および第2の超音波振動子2のいずれかが故障
しており、計測ができないことを示している。
【0066】気温の変化や圧電素子の経年劣化により、
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の特
性が変化する場合、通常、第1の超音波振動子1および
第2の超音波振動子2がまったく同じようにその特性を
変化させることはない。このため、第1の超音波振動子
1および第2の超音波振動子2によって生じる反射波の
特性の差が生じる。したがって、第1の超音波振動子1
および第2の超音波振動子2によって生じる反射波の特
性の差が生じているということは、第1の超音波振動子
1および第2の超音波振動子2のいずれかあるいは両方
において、特性の変動が生じており、計測結果に誤差が
含まれる可能性のあることを示している。
【0067】このため、第1の超音波振動子1および第
2の超音波振動子2による反射波をそれぞれ測定し、そ
の値を比較することにより、超音波流量計51の状態を
診断することができる。なお、流体が大流量で流れるこ
とによって第1の超音波振動子1および第2の超音波振
動子2のインピーダンスが変化し得るので、反射波の測
定は、低流量であるときに行うことが好ましく、流体静
止しているとき行うことがより好ましい。
【0068】図4は、図1に示す自己診断手段40の具
体的な構成を示す。自己診断手段40の反射波検知回路
4は、検波回路41、サンプル・ホールド回路42およ
びA/D変換回路43を含む。検波回路41は、定電圧
ダイオード41aおよびコンデンサ41bを含む公知の
包絡線検波回路によって構成されており、反射波の一部
(−20dB)が端子41cから入力されると、その包
絡線信号を端子41dから出力する。以下において詳述
するように、本実施形態では、反射波の特性として反射
波の包絡線信号を検知し、検知した包絡線信号の所定の
時刻における強度を前記超音波振動子の特性として検出
する。
【0069】検波回路41からの出力は、サンプル・ホ
ールド回路42へ入力される。サンプル・ホールド回路
42は、オペアンプ42aを含む公知の回路により、構
成され、コントロール端子42bへ入力されるコントロ
ール信号に基づいて、入力端子42cから入力される信
号をホールドし、出力端子42dからホールドした信号
を出力する。
【0070】図5は、第1の超音波振動子1および第2
の超音波振動子2に基づく反射波が、反射波検出回路4
へ入力された場合に検波回路41の出力端子41dから
出力される信号と出力端子42dから出力される信号を
示している。
【0071】送信トリガ信号21によって、送信器3か
ら第1の超音波振動子1へ送られる駆動信号は第1の超
音波振動子1において反射し、反射波が検波回路41に
より、検波される。その結果、包絡線信号15が端子4
1dから出力される。検波された包絡線信号15はサン
プル・ホールド回路42の入力端子42cに入力され
る。
【0072】送信トリガ信号21から所定の時間t2遅
れたタイミングでパルス26が立ち上がるコントロール
信号がコントロール端子42bから入力されると、サン
プル・ホールド回路42は、パルス26が立ち上がる時
の包絡線信号15の電圧値をパルス26の期間保持し
て、出力端子42dから電圧値17を出力する。コント
ロール信号は、超音波流量計51の他の回路を制御する
マイコンによって生成される。
【0073】同様にして、送信器3から第2の超音波振
動子2へ送られる駆動信号は、第2の超音波振動子2に
おいて反射される。反射波は検波回路41によって検波
され、包絡線信号16が端子41dから出力される。包
絡線信号16もサンプル・ホールド回路42の入力端子
42cに入力され、出力端子42dから電圧値18が出
力される。
【0074】第1の超音波振動子1による反射波に基づ
く電圧値17および第2の超音波振動子2による反射波
に基づく電圧値18は、A/D変換回路43により、デ
ジタル信号に変換され、判定手段5へ入力される。
【0075】判定手段5は、超音波流量計51の他の回
路や他の手段を制御するマイコンなどによって構成する
ことができる。判定手段5は、電圧値17および電圧値
18のうちの少なくとも一方をステップ5aにおいて保
持し、電圧値17および電圧値18をステップ5bにお
いて比較する。ステップ5cでは、比較結果に基づいて
超音波流量計の状態を判断し、診断信号を生成する。
【0076】次に、超音波流計51を用いて自己診断を
行う手順を図1および図6を参照して更に詳しく説明す
る。まず、第1の超音波振動子1および第2の超音波振
動子2の診断に影響を与えないよう、図1に示す流路1
4内の流体を静止させる(ステップ61A)。そして、
第1の超音波振動子1が送信回路3に接続されるように
切り替え手段12および13を操作し(ステップ61
B)、送信回路3から駆動信号を出力する。第1の超音
波振動子1による反射波を信号検出回路4において検出
し、得られた電圧値S1をメモリに蓄える(ステップ6
1C)。
【0077】また、第2の超音波振動子2が送信回路3
に接続されるように切り替え手段12および13を操作
して(ステップ61D)、送信回路3から駆動信号を出
力する。第2の超音波振動子2による反射波を信号検出
回路4において検出し、得られた電圧値S2をメモリに
蓄える(ステップ61E)。
【0078】次に2つの電圧値S1およびS2を比較して
診断を行う(ステップ61F)。診断を行うための評価
関数として例えば以下の関数を考える。
【0079】評価関数(1)が、f(S1,S2)(0.
01を満たす場合、第1の超音波振動子1および第2の
超音波振動子2による反射波の特性は実質的にほぼ等し
く、第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子2との
入力インピーダンス差は実質的に無視しうる程度に小さ
い。つまり、第1の超音波振動子1と第2の超音波振動
子2との特性差は無視しうる程度に小さく、超音波流量
計51の測定結果に影響を及ぼすほどの測定誤差は生じ
ていない。したがって、この場合には、超音波流量計5
1が正常であることを示す診断信号を生成して自己診断
を終了する(ステップ61G)。
【0080】評価関数(1)が、f(S1,S2)(0.
3を満たす場合、第1の超音波振動子1および第2の超
音波振動子2による反射波の特性は大きく異なってお
り、第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子2との
入力インピーダンス差も著しく大きい。この場合には、
超音波流量計51が故障であることを示す診断信号を生
成して自己診断を終了する(ステップ61H)。
【0081】評価関数(1)が、0.01<f(S1
2)<0.3を満たす場合、第1の超音波振動子1と
第2の超音波振動子2との入力インピーダンス差が生じ
ている。これは、第1の超音波振動子1と第2の超音波
振動子2との特性差が発生し、流量の計測に誤差が含ま
れる可能性があることを示している。しかし、超音波流
量計51の周りの環境が一時的に不均一な状態になって
いて、そのことにより、第1の超音波振動子1および第
2の超音波振動子2の特性差を生じさせている可能性も
ある。例えば、超音波流量計51が戸外に設置されてお
り、朝方など、周囲の気温が低い状態において、第1の
超音波振動子1および第2の超音波振動子2の一方にの
み朝日が照射され、照射部分の温度が上昇する場合が考
えられる。
【0082】したがって、評価関数(1)が、0.01
<f(S1,S2)<0.3を満たす場合には、第1の超
音波振動子1および第2の超音波振動子2の特性差が一
時的なものであるかを判断するために、適当な時間が経
過した後、再度自己診断を行う(ステップ61B)。そ
して所定の時間間隔で数回診断を繰り返した後、評価関
数(1)の値が、f(S1,S2)(0.01を満たすよ
うになった場合には、上述したように、超音波流量計5
1が正常であることを示す診断信号を生成して自己診断
を終了する(ステップ61G)。
【0083】一方、所定の時間間隔で数回診断を繰り返
した後も評価関数(1)が、0.01<f(S1,S2
<0.3の範囲にある場合には、第1の超音波振動子1
および第2の超音波振動子2の特性差が生じている。こ
の場合には、超音波流量計51の特性が変動しているこ
とを示す診断信号を生成する(ステップ61J)。そし
て、流体が静止したままの状態で流量の測定を行い(ス
テップ61K)、求めた流量値をオフセット値として、
流量算出手段10あるいは超音波流量計51を制御する
マイコンのメモリに格納し(ステップ61L)、このオ
フセット値に基づいて流量を補正して流量の計測を行
う。
【0084】このように本実施形態によれば、第1の超
音波振動子1および第2の超音波振動子2の特性の変化
をこれらの駆動信号に対する反射波によって評価し、超
音波流量計の自己診断に用いる。このため、第1の超音
波振動子1および第2の超音波振動子2の特性変化を検
出するための新たなセンサを用いることなく、また、第
1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2を超音
波流量計に組み込んだままで診断を行うことができる。
したがって、簡単な構成により、容易に超音波振動子の
経時変化および、故障の発生を検知することができる。
【0085】また、第1の超音波振動子1および第2の
超音波振動子2による反射波の所定の時刻における強度
を検出する場合に比べて、反射波の包絡線信号の所定の
時刻における強度を検出することによって、高速のA/
D変換回路を必要としないという利点がある。
【0086】なお、上述の2つの電圧値S1およびS2
を比較して診断する際、正常(ステップ61G)あるい
は異常(ステップ61H)であるという診断は、2つの
電圧値S1およびS2を一度比較することによってのみ
行った。しかし、診断をより確実に行うために、2つの
超音波振動子に特性差が生じていると診断する場合のよ
うに、所定数を越える回数にわたって連続して、同じ診
断結果が得られる場合に正常あるいは故障であると診断
してもよい。
【0087】また、上記診断を行うタイミングは、第1
の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の予想さ
れる特性変化に応じて任意に設定される。例えば、超音
波流量計51をガスメータとして用いる場合には、1日
のうちの気温差が計測に誤差を与える可能性がある。こ
のような場合には、1日に数回診断を行ってもよい。第
1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の経年
変化による測定誤差だけが問題となる場合には、数日か
ら数ヶ月の間隔で診断を行うようにしてもよい。
【0088】上記実施形態では、第1の超音波振動子1
の反射波に基づく電圧値S1と第2の超音波振動子2の
反射波に基づく電圧S2との差を評価して、超音波流量
計51の状態を診断していた。この診断に加えて、また
は、この診断に換えて、電圧値S1および電圧値S2のそ
れぞれの過去の値と現在の値とを比較して、第1の超音
波振動子1または第2の超音波振動子2の特性の経時変
化を調べ、超音波流量計51の自己診断をおこなっても
よい。
【0089】図7は、第1の超音波振動子1の経時変化
を診断する手順を示している。まず、上述と同様にして
図1に示す流路14内の流体を静止させる(ステップ7
1A)。そして、第1の超音波振動子1が送信回路3に
接続されるように切り替え手段12および13を操作し
(ステップ71B)、送信回路3から駆動信号を出力す
る。第1の超音波振動子1による反射波を信号検出回路
4において検出し、得られた電圧値S1nをメモリに蓄え
る(ステップ71C)。ここで、nは1から始まる自然
数であり、S1nはn回目の検出により得られた電圧値S
1を示すものとする。S2nについても同様に定義する。
同じ手順によって、あらかじめ過去の検出値である電圧
値S1n-1および値S2n-1は、メモリに蓄えられている。
図6に示す自己診断も併用する場合には、図6のステッ
プ61Cにおいて記憶した電圧値S1を自己診断のたび
にS11、S12、・・S1n-1、S1nとして保存しておく。
同様に、図6のステップ61Eにおいて記憶した電圧値
2を自己診断のたびにS21、S22、・・S2n-1、S2n
して保存しておく。このようにすれば、あらためて電圧
値を検出、記憶しなくてもよい。
【0090】次に2つの電圧値S1nおよびS1n-1を比較
して診断を行う。診断を行うための評価関数として例え
ば以下の関数を考える。
【0091】本実施形態では、評価関数(2)として評
価関数(1)と同じ関数を用いるが、異なる関数を用い
てもよい。また、以下に説明するように、評価基準とし
て同じ値を用いているが、上述の診断手順に用いた値と
異なる評価基準を設定してもよい。
【0092】評価関数(2)が、f(S1n,S1n-1
(0.01を満たす場合、第1の超音波振動子1による
反射波の特性は電圧値S1n-1を測定した時と電圧値S1n
を測定した時とで実質的に等しく、入力インピーダンス
の差は実質的に無視しうる程度に小さい。つまり、第1
の超音波振動子1の特性の経時変化による特性差は無視
しうる程度に小さい。この場合には、超音波流量計51
の第1の超音波振動子が正常であることを示す診断信号
を生成する(ステップ71G)。
【0093】評価関数(2)が、f(S1n,S1n-1
(0.3を満たす場合、第1の超音波振動子1よる反射
波の特性は電圧値S1n-1を測定した時と電圧値S1nを測
定した時とで大きく異なっており、入力インピーダンス
差も著しく大きい。この場合には、超音波流量計51の
第1の超音波流量計1が故障であることを示す診断信号
を生成する(ステップ71H)。
【0094】評価関数(2)が、0.01<f(S1n
1n-1)<0.3を満たす場合、第1の超音波振動子1
よる反射波の特性は電圧値S1n-1を測定した時と電圧値
1nを測定した時とで特性差が発生し、流量の計測に誤
差が含まれる可能性があることを示している。しかし、
上述したように特性差が、外的要因による一時的なもの
である可能性がある。したがって、評価関数(2)が、
0.01<f(S1n,S1n-1)<0.3を満たす場合に
は、第1の超音波振動子1の特性差が一時的なものであ
るかを判断するために、適当な時間が経過した後、再度
自己診断を行う(ステップ71B)。そして所定の時間
間隔で数回診断を繰り返した後、評価関数(2)の値
が、f(S1n,S1n-1)(0.01を満たすようになっ
た場合には、上述したように、第1の超音波振動子が正
常であることを示す診断信号を生成了する(ステップ7
1G)。
【0095】一方、所定の時間間隔で数回診断を繰り返
した後も評価関数(2)が、0.01<f(S1n,S
1n-1)<0.3の範囲にある場合には、第1の超音波振
動子1の特性に経時変化が生じているので、特性が変動
していることを示す診断信号を生成する(ステップ71
J)。
【0096】同様にして、第2の超音波振動子2につい
ても診断を行なう。そして、第1の超音波振動子1また
は第2の超音波振動子2の少なくとも一方が、故障であ
る場合には、超音波流量計51が故障であることを示す
診断信号を生成する。また、第1の超音波振動子1およ
び第2の超音波振動子2が正常である場合には、超音波
流量計51が正常であることを示す診断信号を生成す
る。
【0097】第1の超音波振動子1または第2の超音波
振動子2の少なくとも一方において、特性に経時変化が
生じている場合には、図7に示すように、流体が静止し
たままの状態で流量の測定を行い(ステップ71K)、
求めた流量値をオフセット値として、流量算出手段10
あるいは超音波流量計51を制御するマイコンのメモリ
に格納し(ステップ71L)、このオフセット値に基づ
いて流量を補正して流量の計測を行う。
【0098】この自己診断によれば、第1の超音波振動
子1および第2の超音波振動子2のいずれが故障してい
るか、または、第1の超音波振動子1および第2の超音
波振動子2のいずれに特性の経時変化が生じているかを
判断することもできる。
【0099】また、電圧値S1nおよび電圧値S2nを逐次
マイコン等に記憶しておいて、第1の超音波振動子1お
よび第2の超音波振動子2の初期特性からの変動を診断
してもよい。例えば、電圧値S1nが初期値である電圧値
11から所定の割合(例えば50%)以上変化した場合
には、仮に第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子
2との特性差が上記図6あるいは図7で説明した手順に
おいて正常と判断される範囲、あるいは補正が必要と判
断される範囲であっても、超音波流量計51は故障して
いる、または、超音波流量計51を新しいものに交換す
る必要があると判断してもよい。第1の超音波振動子1
および第2の超音波振動子2の初期特性からのずれが大
きくなっており、超音波波流量計51の測定精度を保証
できない可能性があるからである。このような自己診断
を行なう機能を超音波流量計51に付加すれば、超音波
流量計51が故障して動作しなくなる前に、第1の超音
波振動子1および第2の超音波振動子2を修理したり、
第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2を新
しいものに交換したりすることできる。
【0100】(第2の実施形態)図8は、本発明による
超音波流量計の第2の実施形態を示すブロック図であ
る。超音波流量計52は、第1の実施形態の超音波流量
計51の自己診断手段40に換えて、自己診断手段46
を備えている。超音波流量計52の送信回路3、受信回
路6、ゼロクロス検知回路7、繰り返し回路8、計時回
路9および流量算出手段10は第1の実施形態の対応す
る回路あるいは手段と同じ構成によって形成されてい
る。また、第1の超音波振動子1および第2の超音波振
動子2を用いて流量を計測する方法は第1の実施形態で
説明した方法と同じである。
【0101】本実施形態では、送信回路3から出力され
る駆動信号を進行波とし、駆動信号が第1の超音波振動
子1および第2の超音波振動子2により、反射されて生
じる反射波と進行波とを用いて定在波比(VSWR)を
計算し、その値を超音波流量計52の自己診断に利用す
る。第1の実施形態で説明したように、第1の超音波振
動子1および第2の超音波振動子2の特性の変化に基づ
いて反射波の大きさも変動するため、定在波比を検出す
ることによって好適に超音波流量計52を診断すること
ができる。
【0102】図8に示すように、超音波流量計52の自
己診断手段46は、反射波検知回路44a、進行波検知
回路44b、ピーク検知回路45a、ピーク検知回路4
5b、A/D変換回路43および判定手段5を含んでい
る。また、送信回路3と切り替え手段12との間には、
方向性結合器15aおよび方向性結合器15bが挿入さ
れている。
【0103】送信回路3から出力される駆動信号は進行
波として切り替え手段12を介して、第1の超音波振動
子1または第2の超音波振動子2へ伝播し、第1の超音
波振動子1または第2の超音波振動子2からは駆動信号
の反射波が送信回路3へ向かって伝播する。方向性結合
器15aは、進行波および反射波のうち、反射波の一部
(−20dB)のみを反射波検知回路44aへ導く。ま
た、方向性結合器15bは、進行波の一部(−20d
B)のみを進行波検知回路へ導く。
【0104】反射波検知回路44aおよび進行波検知回
路44bは、それぞれ、コイルを含む回路によって構成
され、反射波および進行波を検知する。ピーク検知回路
45aは、反射波検知回路44aにおいて検知された信
号のピーク電圧vrを検出し、A/D変換回路43へピ
ーク電圧vrを出力する。ピーク検知回路45bも、反
射波検知回路44bにおいて検知された信号のピーク電
圧vfを検出し、A/D変換回路43へピーク電圧vf
を出力する。A/D変換回路43は、ピーク電圧vrお
よびピーク電圧vfをデジタル信号に変換し、判定手段
5へ出力される。
【0105】判定手段5では、まず、定在波比が求めら
れる。定在波比Rは、以下の式(3)によって求められ
る。
【0106】切り替え手段12を切り替え、上述の手順
に従って、第1の超音波振動子1に基づく反射波による
定在波比R1と第2の超音波振動子2に基づく反射波に
よる定在波比R2とを求める。求めた定在波比R1および
定在波比R2を用いて、判定手段5では、第1の実施形
態で説明したように図6または図7に示す手順に従っ
て、超音波流量計52の診断が行われる。
【0107】具体的には、第1の超音波振動子1と第2
の超音波振動子2との特性差に基づいて、超音波流量計
52の診断を行う場合には、図6に示す診断手順におい
て電圧値S1およびS2に換えて定在波比R1および定在
波比R2を用いて評価関数(1)の値を求める。そし
て、求めた値に基づいて、超音波流量計52が正常であ
ることを示す信号、超音波流量計52が異常であること
を示す信号および超音波流量計52の補正が必要である
ことを示す信号を生成させる。また、超音波流量計52
の補正が必要である場合には、図6に示すように、流体
が静止している状態で流量を測定し、得られ値を用いて
流量補正を行う。
【0108】また、第1の超音波振動子1および第2の
超音波振動子2のそれぞれの特性の経時変化に基づいて
超音波流量計52の診断を行う場合には、図7に示す診
断手順において電圧値S1およびS2に換えて定在波比R
1および定在波比R2を用いて評価関数(2)の値を求め
る。そして、求めた値に基づいて、超音波流量計52が
正常であることを示す信号、超音波流量計52が異常で
あることを示す信号および超音波流量計52の補正が必
要であることを示す信号を生成させる。また、超音波流
量計52の補正が必要である場合には、図7に示すよう
に、流体が静止している状態で流量を測定し、得られた
値を用いて流量補正を行う。
【0109】このように、送信回路から出力される駆動
信号を進行波とし、進行波と、第1の超音波振動子1お
よび第2の超音波振動子2による反射波との定在波比を
測定することによって、超音波流量計52を診断するこ
とができる。また、定在波比を用いることによって簡単
に反射の度合いを知ることができるという効果を得るこ
ともできる。
【0110】(第3の実施形態)図9は、本発明による
超音波流量計の第9の実施形態を示すブロック図であ
る。超音波流量計53は、第1の実施形態の超音波流量
計51の自己診断手段40に換えて、自己診断手段47
を備えている。
【0111】自己診断手段47は、リターンロスブリッ
ジ49と、検波回路48とA/D変換回路43と判定手
段5とを含む。また、図9に示すように、切り替え手段
12と送信回路3との間には、切り替え手段81が設け
られており、リターンロスブリッジ49を介して送信回
路3と切り替え手段12とを接続する経路および送信回
路3と切り替え手段12とを直接接続する経路のいずれ
かを切り替え手段81によって選択できるようになって
いる。
【0112】超音波流量計53の送信回路3、受信回路
6、ゼロクロス検知回路7、繰り返し回路8、計時回路
9および流量算出手段10は、第1の実施形態の対応す
る回路および手段と同じ構成によって形成されている。
切り替え手段81を用いて送信回路3と切り替え手段1
2とを直接接続し、第1の実施形態と同じ方法をもちい
ることにより、第1の超音波振動子1および第2の超音
波振動子2を用いて流量を計測することができる。
【0113】切り替え手段81によって、リターンロス
ブリッジ49を介して送信回路3と切り替え手段12と
を接続すれば、超音波流量計53の自己診断を行うこと
ができる。本実施形態では、送信回路3から出力される
駆動信号のリターンロスを検知する。駆動信号のリター
ンロスは、第1の超音波振動子1および第2の超音波振
動子2を駆動することによって生じる。送信回路3と第
1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2とのイ
ンピーダンスの整合性が高い場合には、第1の超音波振
動子1または第2の超音波振動子2において生じる駆動
信号の反射波は小さい。この場合にはリターンロスは大
きくなる。一方、第1の超音波振動子1または第2の超
音波振動子2のインピーダンスと送信回路3の出力イン
ピーダンスが異なる場合には第1の超音波振動子1また
は第2の超音波振動子2において生じる駆動信号の反射
波が大きい。この場合にはリターンロスは小さくなる。
このように、第1の超音波振動子1または第2の超音波
振動子2における反射波の大きさによってリターンロス
の大きさも変化するため、第1の実施形態で説明したよ
うに、リターンロスを測定することによって第1の超音
波振動子1および第2の超音波振動子2の特性の変化を
知ることができる。
【0114】自己診断手段47のリターンロスブリッジ
49には、公知のリターンロスブリッジを用いることが
できる。リターンロスブリッジ49において、送信回路
3から出力された駆動信号は、第1の超音波振動子1ま
たは第2の超音波振動子2へ伝播される。第1の超音波
振動子1または第2の超音波振動子2において反射され
た駆動信号が検波回路49へ導かれる。検波回路49で
は、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2
から戻ってきた信号を検知し、検知した信号はA/D変
換回路43においてデジタル信号に変換され、変換され
た信号が判定手段5へ入力される。
【0115】超音波流量計51において自己診断を行う
場合には、まず、切り替え手段3を切り替えて、送信回
路3から出力される信号が自己診断手段47のリターン
ロスブリッジ49を介して第1の超音波振動子1または
第2の超音波振動子2へ伝播されるようにする。切り替
え手段12によって、第1の超音波振動子1がリターン
ロスブリッジ49へ接続されるようにする。送信回路3
から流量測定に用いる信号よりも長いバースト信号(例
えば、波数が10以上)を駆動信号として出力し、第1
の超音波振動子1によって生じる反射波であるリターン
ロスL1を検波回路48で検出する。検出した値をA/
D変換回路43で変換して、判定手段5へ入力する。
【0116】次に、切り替え手段12によって、第2の
超音波振動子1がリターンロスブリッジ49へ接続され
るようにする。同様の手順によって、第2の超音波振動
子2によって生じる反射波であるリターンロスL2を検
波回路48で検出する。検出した値をA/D変換回路4
3で変換して、判定手段5へ入力する。
【0117】判定手段5は、得られたリターンロスL1
およびリターンロスL2を用いて、図6または図7に示
す手順に従って、超音波流量計52の診断を行う。具体
的には、第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子2
との特性差に基づいて、超音波流量計53の診断を行う
場合には、図6に示す診断手順において電圧値S1およ
びS2に換えてリターンロスL1およびリターンロスL2
を用いて評価関数(1)の値を求める。そして、求めた
値に基づいて、超音波流量計53が正常であることを示
す信号、超音波流量計53が異常であることを示す信号
および超音波流量計53の補正が必要であることを示す
信号を生成させる。また、超音波流量計53の補正が必
要である場合には、図6に示すように、流体が静止して
いる状態で流量を測定し、得られ値を用いて流量補正を
行う。
【0118】また、第1の超音波振動子1および第2の
超音波振動子2のそれぞれの特性の経時変化に基づいて
超音波流量計52の診断を行う場合には、図7に示す診
断手順において電圧値S1およびS2に換えてリターンロ
スL1およびリターンロスL2を用いて評価関数(2)の
値を求める。そして、求めた値に基づいて、超音波流量
計53が正常であることを示す信号、超音波流量計53
が異常であることを示す信号および超音波流量計53の
補正が必要であることを示す信号を生成させる。また、
超音波流量計53の補正が必要である場合には、図7に
示すように、流体が静止している状態で流量を測定し、
得られた値を用いて流量補正を行う。
【0119】このように、送信回路から出力される駆動
信号を進行波とし、進行波と、第1の超音波振動子1お
よび第2の超音波振動子2による反射波とのリターンロ
スを測定することによって、超音波流量計53を診断す
ることができる。また、リターンロスを用いることによ
って簡単に反射の度合いを知ることができるという効果
を得ることもできる。
【0120】なお、第1から第3の実施形態において、
反射の特性として、反射波の包絡線信号、定在波比、お
よびリターンロスを検出する例を示した。これらのほか
に、反射波の特性として、第1の超音波振動子1および
第2の超音波振動子2による反射波の位相を検出しその
位相差に基づいて、診断してもよい。
【0121】(第4の実施形態)以下、本発明の超音波
流量計を備えたガスメータを説明する。図10に示すよ
うに、ガスメータ54は、配管82aおよび配管82b
との間に設けられ、配管82aから配管82bへ流れる
ガスの流量を計測する。配管82aおよび配管82bを
流れるガスは、天然ガスやプロパンガスなど一般家庭で
用いられるもののほか、水素や酸素等、その他の気体で
あってもよい。
【0122】配管82aおよび配管82bはガスメータ
54の上部に接続される。ガスの流量は、ガスメータ5
4に設けられた表示部83に表示される。また、自己診
断の結果をガス会社等へ送信するためのアンテナ84が
ガスメータ54に設けられている。
【0123】図11は、ガスメータ54の内部の構造を
模式的に示している。ガスメータ54は、配管82aお
よび配管82bに接続される流路85を含む。流路85
は、その途中において、主流路85aおよび計測用流路
85bに分かれており、主流路85aには遮断弁87が
設けられている。また、計測流路85bには2つの遮断
弁86が設けられている。
【0124】ガスメータ54には、第1から第3の実施
形態の超音波流量計を用いることができる。ガスメータ
54には、例えば第1の実施形態の超音波流量計51を
用いる。計測用流路85bの2つの遮断弁86に挟まれ
た領域に、超音波流量計51の第1の超音波振動子1お
よび第2の超音波振動子2が設けられ、送信回路3等の
他の回路51’が基板88上に形成される。基板88上
には、表示部83、マイコンなどを含む制御装置89、
および通信装置90が設けられている。制御装置89
は、超音波流量計51、通信装置90、遮断弁86およ
び遮断弁87を制御している。
【0125】計測用流路85bと主流路85aとは常に
比例した流量のガスが流れるように構成されており、計
測用流路85bに流れるガスの流量を超音波流量計51
で計測し、その値に所定の補正を乗ずることによって、
計測用流路85bおよび主流路85aを流れるガスの流
量を計測することができる。
【0126】超音波流量計51によって計測される流量
に関するデータは、制御装置89によって処理されて表
示部83に表示される。また、制御装置89は、計測す
る流量に異常がないかを監視する。例えば、突然、大流
量のガスが流れ始めた場合には、ガス漏れが生じている
と判断して、遮断弁86および遮断弁87を動作させ、
ガスの供給を停止する。そして、通信装置88を用い
て、ガス漏れであるという情報をガス会社へ送信する。
また、所定の期間に配管85を流れたガスの流量を制御
装置89に記憶しておき、その値をガスの使用量とし
て、通信装置90を用いてガス会社等へ送信してもよ
い。
【0127】自己診断を行う場合、まず、遮断弁86に
よって、計測用流路85b内のガスを静止させる。そし
て、第1から第3の実施形態で説明した手順によって自
己診断を行う。通信装置90を用いて、逐次、診断結果
をガス会社等に送信してもよいし、ガスメータ54が故
障している診断された場合や、ガスメータ54の超音波
振動子に劣化が生じていると診断された場合にのみ、診
断結果をガス会社へ送信してもよい。
【0128】上述したように、自己診断の際、超音波振
動子が設けられた流路内のガスを静止させる必要があ
る。一回の自己診断に要する時間は数秒であるが、自己
診断中にガスの供給が止まることによって不都合が生じ
ないよう、本実施形態では計測用流路85bを主流路8
5aから分岐させている。ガスを使用していないときに
自己診断を行う場合や、自己診断中にガスの供給が止ま
っても問題がない場合には、計測用流路85bを主流路
とし、主流路85aは設けなくともよい。
【0129】
【発明の効果】本発明によれば、超音波流量計の2つの
超音波振動子の特性の経時変化や特性の温度変化、また
は、超音波振動子と配線とを接続する端子の腐食による
インピーダンス変化に起因する測定精度の低下を診断す
ることができ、診断によって測定精度の低下を未然に防
ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波流量計の第1の実施形態を示す
ブロック図である。
【図2】シングアラウンド法による測定を説明する図で
ある。
【図3】本発明で用いる超音波振動子の電気的特性を示
すインピーダンス曲線図である。
【図4】図1に示す超音波流量計の自己診断手段の具体
的な構成を示す回路図である。
【図5】図4に示す回路において、検出される信号を説
明する図である。
【図6】自己診断の手順を説明するフローチャートであ
る。
【図7】自己診断の手順を説明するフローチャートであ
る。
【図8】本発明の超音波流量計の第2の実施形態を示す
ブロック図である。
【図9】本発明の超音波流量計の第3の実施形態を示す
ブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施形態であるガスメータを
示す外観図である。
【図11】図10のガスメータの構造を示す模式図であ
る。
【図12】従来の超音波流量計を示すブロック図であ
る。
【図13】従来の超音波流量計において生じる受信波形
の差異を示す図である。
【図14】従来の超音波流量計の特性の変化の温度依存
性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 第1の超音波振動子 2 第2の超音波振動子 3 送信回路 4 信号検知回路 5 判定手段 6 受信回路 7 ゼロクロス検知回路 8 繰り返し回路 9 計時回路 12、13、81 切り替え手段 11 流量算出手段 14 流路 40 自己診断回路 41 検知回路 42 サンプル・ホールド回路 43 A/D変換回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F030 CA03 CB04 CC13 CD04 CD08 CD11 CE02 CE04 CE09 CF05 CF11 2F035 DA16 DA19 DA23

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波の伝播時間差に基づいて流体が流
    路を流れる流量を計測する超音波流量計であって、 超音波を送受信する少なくとも2つの超音波振動子と、 前記2つの超音波振動子の特性の差を示す第1の特性
    差、および/または前記2つの超音波振動子の少なくと
    も一方の過去における特性と現在における特性との差を
    示す第2の特性差を検出し、前記第1の特性差および/
    または前記第2の特性差に基づいて流量計の状態を示す
    診断信号を生成する自己診断手段と、を備えた超音波流
    量計。
  2. 【請求項2】 前記超音波振動子を駆動するための駆動
    信号を発生する送信回路を更に備え、前記超音波振動子
    の特性は、前記超音波振動子によって生じる前記駆動信
    号の反射波に基づくものである請求項1に記載の超音波
    流量計。
  3. 【請求項3】 前記自己診断手段は、前記反射波の包絡
    線信号を検出し、前記包絡線信号の所定の時刻における
    強度を前記超音波振動子の特性として検出する請求項2
    に記載の超音波流量計。
  4. 【請求項4】 前記自己診断手段は、前記反射波と前記
    駆動信号との定在波比を前記超音波振動子の特性として
    検出する請求項2に記載の超音波流量計。
  5. 【請求項5】 前記自己診断手段は、前記駆動信号のリ
    ターンロスを前記超音波振動子の特性として検出する請
    求項2に記載の超音波流量計。
  6. 【請求項6】 前記自己診断手段は、前記反射波の位相
    を前記超音波振動子の特性として検出する請求項2に記
    載の超音波流量計。
  7. 【請求項7】 前記自己診断手段は、前記流体が静止し
    ている時に前記第1の特性差および/または前記第2の
    特性差を検出する請求項1から6のいずれかに記載の超
    音波流量計。
  8. 【請求項8】 前記自己診断手段は、前記第1の特性差
    および/または前記第2の特性差が第1の値以下である
    という条件を満たす場合、正常であることを示す診断信
    号を生成する請求項7に記載の超音波流量計。
  9. 【請求項9】 前記自己診断手段は、前記第1の特性差
    および/または前記第2の特性差が第2の値以上である
    という条件を満たす場合、故障であることを示す診断信
    号を生成する請求項8に記載の超音波流量計。
  10. 【請求項10】 前記自己診断手段は、前記第1の特性
    差および/または前記第2の特性差が第1の値と第2の
    値との間の値であるという条件を満たす場合、特性が変
    動していることを示す診断信号を生成する請求項9に記
    載の超音波流量計。
  11. 【請求項11】 前記自己診断手段は、前記第1の特性
    差および/または前記第2の特性差を検出する動作を複
    数回実行し、所定数を越える回数にわたって連続して前
    記特性差が前記条件を満たす場合、前記診断信号を生成
    する請求項8から10のいずれかに記載の超音波流量
    計。
  12. 【請求項12】 ガスが流れる流路と、 前記流路に設けられた請求項1から11のいずれかに記
    載の超音波流量計と、 前記流路を流れるガスを遮断する遮断弁と、 前記超音波流量計および遮断弁を制御する制御装置と、
    を備えたガスメータ。
  13. 【請求項13】 前記超音波流量計から出力される前記
    診断信号を送信するための通信装置を更に備える請求項
    12に記載のガスメータ。
  14. 【請求項14】 超音波の伝播時間差に基づいて流体が
    流路を流れる流量を計測する超音波流量計の自己診断方
    法であって、 超音波を送受信する少なくとも2つの超音波振動子の特
    性の差を示す第1の特性差、および/または前記2つの
    超音波振動子の少なくとも一方の過去における特性と現
    在における特性との差を示す第2の特性差を検出するス
    テップと、 前記第1の特性差および/または前記第2の特性差に基
    づいて流量計の状態を示す診断信号を生成するステップ
    と、を包含する超音波流量計の自己診断方法。
  15. 【請求項15】 前記超音波振動子の特性は、前記超音
    波振動子を駆動するための駆動信号が前記超音波振動子
    において反射された反射波に基づくものである請求項1
    4に記載の超音波流量計の自己診断方法。
  16. 【請求項16】 前記反射波の包絡線信号を検出し、前
    記包絡線信号の所定の時刻における強度を前記超音波振
    動子の特性として検出する請求項14に記載の超音波流
    量計の自己診断方法。
  17. 【請求項17】 前記反射波と前記駆動信号との定在波
    比を前記超音波振動子の特性として検出する請求項15
    に記載の超音波流量計の自己診断方法。
  18. 【請求項18】 前記駆動信号のリターンロスを前記超
    音波振動子の特性として検出する請求項15に記載の超
    音波流量計の自己診断方法。
  19. 【請求項19】 前記反射波の位相を前記超音波振動子
    の特性として検出する請求項15に記載の超音波流量計
    の自己診断方法。
  20. 【請求項20】 前記流体が静止している時に前記第1
    の特性差および/または前記第2の特性差を検出する請
    求項16から19のいずれかに記載の超音波流量計の自
    己診断方法。
  21. 【請求項21】 前記診断信号を生成するステップにお
    いて、 前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第
    1の値以下であるという条件を満たす場合、正常である
    ことを示す診断信号を生成し、 前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第
    2の値以上であるという条件を満たす場合、故障である
    ことを示す診断信号を生成し、 前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第
    1の値と第2の値との間の値であるという条件を満たす
    場合、特性が変動していることを示す診断信号を生成す
    る請求項20に記載の超音波流量計の自己診断方法。
  22. 【請求項22】 前記特性が変動していることを示す信
    号が生成された場合、前記2つの超音波振動子を用い
    て、流体が静止している状態における流量値を計測し、
    計測された値を用いて、前記超音波流量計を補正するス
    テップを更に包含する請求項21に記載の超音波流量計
    の自己診断方法。
  23. 【請求項23】 前記第1の特性差および/または前記
    第2の特性差を検出する動作を複数回実行し、所定数を
    越える回数にわたって連続して前記特性差が同じ条件を
    満たす場合、対応する前記診断信号を生成する請求項2
    2に記載の超音波流量計の自己診断方法。
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