JP4409838B2 - 超音波流量計および超音波による流量計測方法 - Google Patents

超音波流量計および超音波による流量計測方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波を用いて流体の流量を測定する超音波流量計および超音波による流量計測方法に関する。また、本発明はガスメータにも関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波流量計は、構造が簡単である、機械的可動部分が少ない、流量の測定可能な範囲が広い、流量計による圧力損失がないなどの特徴を備えている。また、近年のエレクトロニクス技術の進歩によって、超音波流量計の計測精度を向上させることも可能になってきた。このため、ガスメータをはじめ、気体や液体の流量の計測が必要なさまざまな分野において超音波流量計を用いる研究がなされている。
【0003】
以下、従来の超音波流量計の構造および測定原理を説明する。図11は、従来の超音波流量計の一例を示すブロック図である。図11に示す超音波流量計は、たとえば非特許文献1に開示されている。図11に示すように、流体が流れる流路12を挟むように超音波振動子1および2が配置される。超音波振動子1および2は、それぞれ、送信器および受信器として機能する。具体的には、超音波振動子1を送信器として用いる場合には超音波振動子2を受信器として用い、超音波振動子2を送信器として用いる場合には超音波振動子1を受信器として用いる。図11に示すように、超音波振動子1および2の間に形成される超音波の伝搬路は流体の流れる方向に対して角度θだけ傾いている。
【0004】
超音波振動子1から超音波振動子2へ超音波を伝搬させる場合、超音波は流体の流れに対して順方向に進むため、その速度は速くなる。一方、超音波振動子2から超音波振動子1へ超音波を伝搬させる場合、超音波は流体の流れに対して逆方向に進むため、その速度は遅くなる。従って、超音波振動子1から超音波振動子2へ超音波が伝搬する時間と超音波振動子2から超音波振動子1へ超音波が伝搬する時間との差から、流体の速度を求めることができる。また、流路12の断面積と流速との積から流量を求めることができる。
【0005】
上述の原理に従って流体の流量を求める具体的な方法として、シングアラウンド法による計測方法を具体的に説明する。
【0006】
11に示すように、超音波流量計は送信部3および受信部6を備え、超音波振動子1は切り替え部10によって送信部3または受信部6の一方と選択的に接続される。この時、超音波振動子2は、超音波振動子1が接続されなかった送信部3または受信部6の他方と接続される。
【0007】
送信部3と超音波振動子1とが接続される場合、送信部3が超音波振動子1を駆動し、発生した超音波は流体の流れを横切って超音波振動子2に到達する。超音波振動子2によって受信された超音波は、電気信号に変換され、受信信号が受信部6によって増幅される。受信信号のレベルをレベル検知部5で検知する。
【0008】
図12は、従来の超音波流量計におけるゼロクロス検知の一例を示している。ピークホールド部13は、受信信号18からピークホールド信号19を生成する。レベル検知部5は、ピークホールド信号19が所定のレベル36に達したことを検知し、検知信号42を生成する。ゼロクロス検知部7は、検知信号42が生成された直後におけるゼロクロスポイントを検知し、ゼロクロス検知信号43が生成される。ゼロクロスポイントとは受信信号の振幅が正から負または負から正へ変化する点をいう。このゼロクロスポイントを超音波振動子2において超音波が到達した時間としている。ゼロクロス検知信号43に基づいて、遅延部4にて所定の時間遅らせたタイミングでトリガ信号を生成し、繰り返し部8にて繰り返すかどうかを判断し、繰り返す場合には送信部3へ入力する。ゼロクロス検知信号43の生成からトリガ信号の生成までの時間を遅延時間と呼ぶ。
【0009】
送信部3はトリガ信号に基づいて超音波振動子1を駆動し、次の超音波を発生させる。このように超音波の送信−受信−増幅・遅延−送信のループを繰り返すことをシングアラウンドと呼び、ループの回数をシングアラウンド回数と呼ぶ。
【0010】
計時部9では、所定の回数、ループを繰り返すのに要した時間を計測し、測定結果が流量算出部11へ送られる。次に、切り替え部10を切り換えて、超音波振動子2を送信器として用い、超音波振動子1を受信器として用いて、同様に計測を行う。
【0011】
上述の方法によって計測した時間から遅延時間とシングアラウンド回数とを乗じた値を引き、さらにシングアラウンド回数で除した値が超音波の伝搬時間となる。
【0012】
超音波振動子1を送信側にしたときの伝搬時間をt1とし、超音波振動子2を送信側にしたときの伝搬時間をt2とする。また、図11に示すように、超音波振動子1と超音波振動子2との間の距離をLとし、流体の流速および超音波の音速をそれぞれVおよびCとする。この時、t1およびt2は以下の式で表される。
【0013】
【数1】
Figure 0004409838
【0014】
これらの式から流速Vは以下の式で表される。
【0015】
【数2】
Figure 0004409838
【0016】
流体の流速Vが求まれば、流路14の断面積と流速Vとの積から流量Qが求まる。
【0017】
【非特許文献1】
日本電気計測器工業会規格、JEMIS 032「超音波による流量測定法」(社)日本電気計測工業会、1987年
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上述の超音波流量計では、シングアラウンド法によって複数の超音波を所定の時間を経て伝播させ、その伝播時間の合計を計測する。図13は、たとえば、超音波振動子1から送信された第1および第2の超音波を超音波振動子2によって受信したときの受信信号の波形を示している。第1および第2の超音波は、所定の間隔をおいて超音波振動子1から送信される。このため、図13に示すように、第1の超音波による受信波形37と第2の超音波による受信波形38とは分離して観測される。しかし、第1の超音波を受信することによって生じる超音波振動子2の振動が完全に減衰する前に、第2の超音波の受信が始まるため、受信波形37の振動が受信波38に影響し、受信波38の波形が変化してしまう。このため、波形の変形によって受信波38の正しいクロスポイントを検知することができなくなり、計測誤差が生じてしまう。
【0019】
したがって、従来の超音波流量計を用いてガスメータを作製した場合、計測したガス流量に多く誤差が含まれる可能性がある。また、単に計測に誤差が生じるだけではなく、ガスメータにガス漏れ検知機能を付加した場合には、その検知機能の信頼性を低下させる可能性もある。
【0020】
上述の超音波流量計では、超音波振動子1から超音波を送信して超音波振動子2で受信する場合の伝播時間と超音波振動子2から超音波を送信して超音波振動子1で受信する場合の伝播時間との差から流量を求める。このため、2つの超音波振動子の特性が等しく、流体の流速以外の影響がこれら2つの伝播時間に対して同様に寄与するのであれば、上述の波形の変化を伝播時間の差をとることにより相殺される。
【0021】
しかし、実際の超音波流量計において、特性の全く等しい2つの超音波振動子を用いるのは非常に困難である。また、超音波振動子1から超音波を送信して超音波振動子2で受信する場合と超音波振動子2から超音波を送信して超音波振動子1で受信する場合とで流体中を伝播する超音波が受ける影響を等しくすることは困難である。
【0022】
また、流体を伝播する超音波の音速は、流体の温度に依存し、温度が高くなるほど超音波は速く伝播する。このため、流体の温度が高くなるにつれて、2つ受信波の波形が重なる程度も大きくなり、計測誤差も温度が高くなるにつれて大きくなる。たとえば、上述の超音波流量計を用いてガスの流量を計測する場合、30〜40℃では、2つの受信波形の重なりにより、計測値に2リットル程度の誤差が生じることもある。
【0023】
このような問題を解決するために、超音波の送信間隔を十分に長くして、超音波を受信したときに波形が重ならないようにすることが考えられる。しかし、この場合、超音波の送信間隔が長くなることにより、流量を計測する全体の時間が長くなってしまう。このことは、1回の流量計測に時間がかかると問題だけではなく、計測時間が長くなることにより、1回の流量計測で消費する電力が大きくなるという問題を引き起こす。特に、可燃性あるいは引火性ガスを計測するための流量計では、安全性を考慮して流量計の電源である電池を交換できないようにしている場合があり、交換不可能な電池の消耗が早くなり、流量計の寿命が短くなるという問題にもつながる。
【0024】
本発明は、このような従来の問題を解決し、精度の高い測定を行うことが可能な超音波流量計および流量の計測方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波流量計は、超音波を送受信し、流体の流路中に前記超音波の伝播経路を形成するように配置される第1および第2の超音波振動子と、前記第1の超音波振動子および第2の超音波振動子との間で双方向に超音波が送受信されるよう、前記第1の超音波振動子および第2の超音波振動子を駆動し、超音波を受信する送信部および受信部と、前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子のうち、受信に用いる超音波振動子の振動を減衰させる減衰部とを備え、前記伝播経路間を伝播する超音波の双方向の伝播時間差を検知することにより流体の流量を計測する。
【0026】
ある好ましい実施形態において、前記減衰部は、前記超音波を受信中、前記受信部を含む受信側の入力抵抗を受信開始時における初期値から変化させる。
【0027】
ある好ましい実施形態において、超音波流量計は、前記受信部に接続され、受信部から出力される受信信号を検知して、検知信号を生成する検知部をさらに含み、前記減衰部は、前記検知部が前記受信信号を検知した後、前記受信側の入力抵抗を検知前に比べて増大させる。
【0028】
ある好ましい実施形態において、前記減衰部は、抵抗および切り替え部を含み、前記切り替え部を切り換えることによって、前記受信に用いる超音波振動子と前記受信部とを、前記抵抗を介して接続するか、前記抵抗を介さずに接続するかを選択する。
【0029】
ある好ましい実施形態において、前記減衰部は、前記受信に用いる超音波振動子と前記受信部との間に並列に接続される抵抗および抵抗よりも低い抵抗値を有するスイッチを含む。
【0030】
ある好ましい実施形態において、前記減衰部は、可変抵抗器および可変抵抗器を制御するための制御部を含む。
【0031】
ある好ましい実施形態において、前記切り替え部、前記スイッチまたは前記制御部は、前記検知信号に基づいて、前記受信側の入力抵抗が増大するよう動作する。
【0032】
ある好ましい実施形態において、超音波流量計は、前記検知信号を受け取り、所定の遅延時間が経過した後に信号を出力する遅延部と、遅延部の出力信号をカウントし、カウント値が所定の値以下であるときに、送信部に駆動信号を生成させるためのトリガ信号を生成する繰り返し部とをさらに備え、前記切り替え部、前記スイッチまたは前記制御部は、前記トリガ信号に基づいて、前記受信側の入力抵抗を前記初期値に設定するように動作する請。
【0033】
ある好ましい実施形態において、前記受信部および前記減衰部は、所定の時間内において、時間の経過とともに増幅度が初期値から増大する音波減衰量自動補正受信部を構成している。
【0034】
ある好ましい実施形態において、超音波流量計は、前記検知信号を受け取り、所定の遅延時間が経過した後に信号を出力する遅延部と、遅延部の出力信号をカウントし、カウント値が所定の値以下であるときに、送信部に駆動信号を生成させるためのトリガ信号を生成する繰り返し部とを備え、前記トリガ信号に基づいて、前記音波減衰量自動補正受信部の増幅度を前記初期値に設定する。
【0035】
ある好ましい実施形態において、超音波流量計は、前記受信信号の所定の部分における周期を推定し、前記推定した周期に基づいて前記遅延時間を決定する遅延時間決定部をさらに備える。
【0036】
ある好ましい実施形態において、超音波流量計は、シングアラウンド法により、前記超音波の送受信を前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子との間でそれぞれ複数回行う。
また、本発明のガスメータは、ガスが流れる流路に設けられた上記いずれかの超音波流量計と、前記流路を流れるガスを遮断する遮断弁と、前記超音波流量計および遮断弁を制御する制御装置とを備える。
【0037】
ある好ましい実施形態において、前記制御装置は、前記超音波流量計の減衰部を所定の場合にのみ動作するよう制御する。
【0038】
また、本発明の超音波による流量計測方法は、流体の流路中に超音波の伝播経路を形成するように配置される第1および第2の超音波振動子との間で双方向に超音波を送受信し、伝播経路間を伝播する超音波の双方向の伝播時間差を検知することにより流体の流量を計測し、前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子のうち、受信に用いる超音波振動子の振動を減衰させるステップを包含する。
【0039】
ある好ましい実施形態において、前記減衰ステップは、前記超音波を受信中、前記超音波を受信するための受信部を含む受信側の入力抵抗を、受信開始時における初期値から変化させる。
【0040】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、前記受信部に接続され、受信部から出力される受信信号を検知して、検知信号を生成するステップをさらに包含し、前記減衰ステップは、前記検知信号生成ステップにおいて前記受信信号を検知した後、前記受信側の入力抵抗を検知前に比べて増大させる。
【0041】
ある好ましい実施形態において、前記減衰ステップは、前記超音波を受信中、第1の抵抗を介して前記受信部と前記受信に用いられる超音波振動子との間を接続した状態から、第1の抵抗よりも高い第2の抵抗を介して前記受信部と前記受信に用いられる超音波振動子との間を接続した状態に切り換える。
【0042】
ある好ましい実施形態において、前記減衰ステップは、前記受信部と前記受信に用いられる超音波振動子との間の抵抗を連続的に変化させる。
【0043】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、前記減衰ステップを前記検知信号に基づいて行う。
【0044】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、前記検知信号を受け取り、所定の遅延時間が経過した後にトリガ信号を生成するステップをさらに包含し、前記減衰ステップは、前記トリガ信号に基づいて、前記受信側の入力抵抗を前記初期値に設定する。
【0045】
ある好ましい実施形態において、前記減衰ステップは、所定の時間内において、時間の経過とともに増幅度が初期値から増大する音波減衰量自動補正受信部により実行される。
【0046】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、前記検知信号を受け取り、所定の遅延時間が経過した後にトリガ信号を生成するステップをさらに包含し、前記減衰ステップは、前記トリガ信号に基づいて、前記音波減衰量自動補正受信部の増幅度を前記初期値に設定する。
【0047】
ある好ましい実施形態において、流量計測方法は、前記受信した超音波の信号の所定の部分における周期を推定し、前記推定した周期に基づいて前記遅延時間を決定するステップをさらに包含する。
【0048】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記いずれかの超音波による流量計測方法に規定した各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録している。
【0049】
【発明の実施の形態】
流体の流路中に超音波を伝播させ、伝播経路間を伝播する超音波の双方向の伝播時間差を検知することにより流体の流量を計測する場合、超音波の伝播時間を知ることができればよく、受信した超音波全体の波形は必要ではない。たとえば、ゼロクロス検知法を用いる場合、受信した超音波による受信信号の波形のうち、所定の位置が検知できればよい。したがって、受信信号の波形から伝播時間を求めるための所定の位置を検知した後、超音波振動子の振動を積極的に減衰させることによって、前に受信した超音波の振動が次に受信する超音波の振動に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0050】
このため、本発明では、受信に用いる超音波振動子の振動を早く減衰させるための減衰部を採用する。超音波振動子の振動を減衰させるために、物理的に振動子の振動に制限を加えることも考えられるが、本発明では、超音波振動子を電気的に高い負荷に接続することよって振動を早く減衰させる。より具体的には、超音波を受信中に、超音波振動子が接続される受信側入力抵抗を増大させる。
【0051】
受信信号を正確に検知するためには受信側入力抵抗は小さいほうが好ましいので、受信信号の波形から伝播時間を求めるための所定の位置を検知するまで、つまり、受信信号を検知するまでは、少なくとも所定の抵抗値以下にしておくことが好ましい。具体的には、超音波振動子のインピーダンスが200Ω程度である場合、受信側の入力抵抗は50Ωより小さいことが好ましく、20Ω以下であることがより好ましい。所定の抵抗値以下であれば受信信号の先頭から伝播時間を求めるための所定の位置までの間、受信側入力抵抗は一定であってもよいし、変化していてもよい。
【0052】
また、超音波振動子の振動を早く減衰させるためには、受信側の入力抵抗は、超音波振動子のインピーダンスに対して十分大きい値であることが好ましい。
【0053】
より好ましくは、受信信号の先頭から伝播時間を求めるための所定の位置までの間、受信側入力抵抗は一定の低い値を保ち、検知後、受信側入力抵抗を増大させる。
【0054】
このようにすることによって、受信信号を検知後、超音波振動子を早く減衰させることができ、計測誤差を小さくすることができる。以下本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0055】
(第1の実施形態)
図1は、本発明による超音波流量計の第1の実施形態を示すブロック図である。超音波流量計101は、流体の流路12中に超音波の伝搬経路を形成するように配置される第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2と、送信部3と、受信部6とを備えている。
【0056】
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2は、それぞれが送信器および受信器として機能する。第1の超音波振動子1から送信された超音波は第2の超音波振動子2により受信され、第2の超音波振動子2から送信された超音波は第1の超音波振動子1により受信する。これら双方向の伝搬路は、流路12を流れる流体の流れる方向に対して角度θをなしている。角度θの大きさは、10〜40度の範囲内から選択される。
【0057】
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2としては、厚み振動モード、横すべり振動モード、縦振動モード等の振動モードにより、おおよそ20kHz以上の周波数で駆動され、超音波流量計として従来から使用される種々の超音波振動子を用いることができる。測定すべき流体の状態や種類、また予測される流速に応じて最適な周波数が適宜選択される。本実施形態では、例えば厚み振動モードで振動し、200kHzの共振周波数をもつ超音波振動子が用いられる。
【0058】
第1の超音波振動子1は、第1の切り替え部10を介して送信部3または第2の切り替え部14の一方と選択的に接続される。この時、第2の超音波振動子2は、第1の切り替え部10によって、第1の超音波振動子1が接続されなかった第2の切り替え部14または送信部3の他方と接続される。
【0059】
また、第2の切り替え部14は、第1の切り替え部10と受信部6とをダンピング抵抗15を介して接続するか、ダンピング抵抗15を介さずに接続するかを選択する。言い換えれば、第1の切り替え部10と受信部6との間を第1の抵抗を介して接続するか、第1の抵抗より高い第2の抵抗を介して接続するかを選択する。第1の切り替え部10および第2の切り替え部14は、トグルスイッチのような機械的なものであってもよいし、電子部品等により構成されるものであってもよい。初期状態では第2の切り替え部14は、第1の切り替え部10と受信部6とをダンピング抵抗15を介さずに接続している。
【0060】
第2の切り替え部14を切り換えることによって、受信部6と第1の切り替え部10との間の抵抗値が変化する。つまり、第1の切り替え部10から受信部6を見たとき、第2の切り替え部14を切り換えることによって、受信部6を含む受信側の入力抵抗が変化する。第2の切り替え部14およびダンピング抵抗15は、受信に用いる超音波振動子の振動を早く減衰させるための減衰部として働く。
【0061】
受信部6の入力抵抗はたとえば5Ωから20Ωの範囲の値である。また、ダンピング抵抗15の抵抗値は、たとえば、1kΩから10kΩである。これらの値は、用いる超音波振動子の共振抵抗に依存し、例示した値は、第2の超音波振動子1および第2の超音波振動子のインピーダンスが200Ω程度であるときの値である。
【0062】
第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2に到達した超音波は電気信号に変換され、受信信号が受信部6によって増幅される。第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2に到達した超音波による電気信号が十分大きい場合には必ずしも受信部6は受信信号を増幅しなくてもよい。
【0063】
受信部6によって増幅された受信信号は、ゼロクロス検知部7とピークホールド部13とへ送られる。ピークホールド部13は、受信信号18のピーク値を保持しその値をピークホールド信号として出力を生成する。レベル検知部5は、ピークホールド信号が所定のレベルに達したことを検知し、ゼロクロス指令信号を生成する。ゼロクロス検知部7は、ゼロクロス指令信号が生成された直後におけるゼロクロスポイントを検知し、ゼロクロス検知信号を遅延部4へ出力する。このゼロクロスポイントを受信信号の伝播時間とし、この時点で受信信号を検知したとする。ゼロクロス検知信号はピークホールド部13にも入力される。ピークホールド部13は、ゼロクロス検知信号に基づいてピークホールド信号をリセットする。
【0064】
遅延部4は、ゼロクロス検知信号に基づいて、所定の時間遅らせたタイミングで出力信号を生成する。繰り返し部8は、遅延部4の出力信号をカウントし、所定回数以下であれば遅延部4の出力信号をトリガ信号として送信部3へ出力する。送信部3は、トリガ信号に基づいて、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2を駆動する。
【0065】
ゼロクロス検知信号およびトリガ信号は第2の切り替え部14にも入力される。第2の切り替え部14は、ゼロクロス検知信号に基づいて、第1の切り替え部10がダンピング抵抗15を介して受信部6に接続されるよう切り換える。また、トリガ信号に基づいて、第1の切り替え部10がダンピング抵抗15を介さずに受信部6に接続されるよう切り換える。
【0066】
計時部9は、所定の回数だけ、シングアラウンドを繰り返すのに要した時間を計測し、測定結果を流量算出部11へ送る。
【0067】
流量算出部11は、計時部9から出力されるシングアラウンドを繰り返すのに要した時間に関するデータ、遅延時間およびシングアラウンド回数から、流速および流量を求める。
【0068】
本実施形態において、上述の各構成要素は、電子部品等を用いたハードウエアにより構成することもソフトウエアにより構成することもできる。流量算出手段11は、マイコン等によって実現される。このマイコンは、各構成要素の制御も行う。
【0069】
次に、第2の切り替え部14およびダンピング抵抗15を含む減衰部の動作を説明する。図2の上部は、受信部6から出力される受信信号の波形を示しており、図2の下部は、受信部6を含む受信側の入力抵抗の変化を示している。
【0070】
上述したように、初期状態において第2の切り替え部14は、第1の切り替え部10と受信部6とをダンピング抵抗を介さずに接続している。この時、受信側の入力抵抗はR1になっている。R1は受信部6の入力インピーダンスおよび第2の切り替え部14における抵抗などからなる。
【0071】
第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2から超音波を送信し、第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1で受信した場合、受信信号は第1の切り替え部10および第2の切り替え部14を介して受信部6に入力され増幅される。ゼロクロス検知部7は、受信部6から出力される受信信号37を受け取って、ゼロクロス指令信号が生成された直後におけるゼロクロスポイントA1を検知し、ゼロクロス検知信号を生成する。これにより受信信号37が検知される。
【0072】
図2に示すように、第2の切り替え部14は、ゼロクロス検知信号を受け取り、第1の切り替え部10がダンピング抵抗15を介して受信部6に接続されるよう切り換える。これにより、受信側の入力抵抗はR2に増大する。言い換えれば、抵抗R1を介して受信部6と受信に用いられる超音波振動子との間を接続した状態から、抵抗R2を介して受信部6と前記受信に用いられる超音波振動子との間を接続した状態に切り換える。R2はR1よりもダンピング抵抗15の抵抗値分大きくなっている。以降、受信側の入力抵抗が高くなったまま、受信信号37を受信する。このため、第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1に到達する超音波がなくなると、第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1の振動は早く減衰する。図2に示すように、受信信号37の尾の部分の振動は速く減衰し、領域50において振幅は実質的に無視しうるほど小さくなる。
【0073】
次の超音波を第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2から送信するためのトリガ信号が繰り返し部8から出力されると、第2の切り替え部14は、トリガ信号を受け取り、第1の切り替え部10がダンピング抵抗15を介さずに受信部6に接続されるよう切り換える。このため時間B1において、受信側の入力抵抗は初期値であるR1に低下する。
【0074】
トリガ信号に基づいて、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2から次の超音波が送信され、第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1で受信する。受信信号は第1の切り替え部10および第2の切り替え部14を介して受信部6に入力され増幅される。ゼロクロス検知部7は、受信部6から出力される受信信号38を受け取って、ゼロクロス指令信号が生成された直後におけるゼロクロスポイントA2を検知し、ゼロクロス検知信号を生成する。これにより受信信号37が検知される。
【0075】
第2の切り替え部14は、ゼロクロス検知信号を受け取り、再び、第1の切り替え部10がダンピング抵抗15を介して受信部6に接続されるよう切り換える。これにより、受信側の入力抵抗はR2に増大する。
【0076】
このように、各超音波を受信する間に受信側の入力抵抗が増大する。特に、ゼロクロスポイントにおいて受信信号を検知した後、受信側の入力抵抗が検知前に比べて増大する。これにより、受信に用いられる第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2の振動を早く減衰させることができる。
【0077】
次に、超音波流量計101を用いて流体の流量を計測する手順を説明する。以下に説明する手順はマイコン等のコンピュータにより、各構成要素を順次制御することによって行われ、その手順をコンピュータに実行させるためのプラグラムが、ROMやRAM、ハードディスク、磁気記録媒体などの情報記録媒体に保存されている。
【0078】
まず、図1に示すように、第1の切り替え手段10を用いて、送信部3を第1の超音波振動子1へ接続し、第2の切り替え部14を第2の超音波振動子2へ接続する。
【0079】
図3に示すように、トリガ信号39を送信部3に入力し、駆動信号を生成させ、第1の超音波振動子1から超音波を発生させる。流路12を伝搬した超音波は、第2の超音波振動子2によって受信され、受信信号が第2の切り替え部14を介して、または、第2の切り替え部14およびダンピング抵抗15を介して受信部6へ送られ、受信信号18として増幅される。
【0080】
ピークホールド部13、およびレベル検知部5によって、受信信号18が所定のレベルを超えた直後のゼロクロスポイントがゼロクロス検知部7で検知される。遅延部4は、ゼロクロス検知部7から出力されるゼロクロス検知信号に基づいて、所定の遅延時間40を経た後に、送信部3へトリガ信号39’を出力する。これにより、シングアラウンドの1ループを構成する。所定の回数(例えば50〜1000回)、シングアラウンドを繰り返した後、計時部9は、ループを繰り返すのに要した全時間41を計測し、測定結果を流量算出部11へ送る。流量算出部において、全時間41をシングアラウンド回数で除し、その値から遅延時間40を引いた値が、式(1)に示すt1となる。
【0081】
上述したように各超音波を受信信号18として受信する際、ゼロクロス検知信号およびトリガ信号に基づいて第2の切り替え部14が動作し、各超音波を受信する間に受信側の入力抵抗が増大する。このため第2の超音波振動子2の振動は早く減衰し、次の超音波を受信する際、直前の超音波による振動が残存して悪影響を与えることがない。
【0082】
次に、切り替え手段10を用いて、送信部3を第2の超音波振動子2へ接続し、第2の切り替え部14を第1の超音波振動子1へ接続する。そして上述の手順と同様の手順により、第2の超音波振動子2から超音波を発生させ、第1の超音波振動子1で超音波を受信する。所定の回数、シングアラウンドを繰り返した後、計時部9では、ループを繰り返すのに要した全時間41を計測し、測定結果を流量算出部11へ送る。流量算出部において、全時間41をシングアラウンド回数で除し、その値から遅延時間40を引いた値が、式(1)に示すt2となる。
【0083】
式(2)に、t1およびt2の値と角度θを代入することによって、流体の流速Vが求まる。さらに流路12の断面積をSとすれば、流量QはV×Sによって求めることができる。この流量Qは、単位時間あたりに流量が移動する量であり、流量Qを積分することによって流体の量を求めることができる。
【0084】
このように、本実施形態によれば、各超音波を受信する間に、第2の切り替え部14およびダンピング抵抗15によって受信側の入力抵抗が増大する。特に、ゼロクロスポイントにおいて受信信号を検知した後、受信側の入力抵抗が検知前に比べて増大する。これにより、受信に用いられる第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2の振動を早く減衰させることができる。したがって、次の受信波形との干渉を抑制することができる。また、特に、ゼロクロスポイントにおいて受信信号を検知した後、受信側の入力抵抗を検知前に比べて増大させる場合、検知時の受信側の入力抵抗を小さい値にすることができる。このため、受信時の感度および精度を高くし、かつ、超音波振動子の減衰を早くすることができる。また、遅延時間を長く設定しなくても、連続する受信信号間の干渉を避けることができるため、計測時間を短くすることができ、消費電力も低減することができる。
【0085】
なお、本実施形態では、第2の切り替え部14は、繰り返し部8から出力されるトリガ信号に基づいて、ダンピング抵抗15を介さずに第1の切り替え部10と受信部6とを接続するよう切り換えを行う。しかし、この切り替えは他のタイミングに基づいて行ってもよい。たとえば、第2の切り替え部14自体が、ゼロクロス検知信号に基づいて、所定の時間を計測し、所定の時間経過後にダンピング抵抗15を介さずに第1の切り替え部10と受信部6とを接続するよう切り換えを行ってもよい。
【0086】
また、本実施形態では、常に、各超音波を受信する際、受信側の入力抵抗を増大させていた。しかし、受信した波形の重なりが問題とならない場合には、受信側の入力抵抗を変化させないように超音波流量計101を動作させてもよい。たとえば、第2の切り替え部14に切り替え動作を行うかどうかの指令を受ける端子14aを設け、端子14aから動作の指令信号を受けているときのみ第2の切り替え部14が切り替え動作を行うようにしてもよい。この場合、動作の指令信号を受けていないとき、あるいは非動作の指令信号を受けているときには、第2の切り替え部14は第1の切り替え部10と受信部6との間をダンピング抵抗15を介さないように接続した状態を保っている。
【0087】
(第2の実施形態)
図4は、本発明による超音波流量計の第2の実施形態を示すブロック図である。図4において、第1の実施形態の超音波流量計101と同じ構成要素には同じ参照番号を付している。図4に示す超音波流量計102は、第1の切り替え部10と受信部6との間に並列に接続されているダンピング抵抗15およびスイッチ部16を備えている点で第1の実施形態の超音波流量計101と異なっている。
【0088】
スイッチ部16は、ゼロクロス検知部7から出力されるゼロクロス信号を受け取り、ゼロクロス信号に基づいて、OFF状態となる。つまり、第1の切り替え部10と受信部6との間はダンピング抵抗15によってのみ接続される。また、スイッチ部16は、繰り返し部8から出力されるトリガ信号を受け取り、トリガ信号に基づいて、ON状態となる。このとき、スイッチ部16は第1の切り替え部10と受信部6とを低抵抗で接続する。スイッチ部16のON抵抗は少なくともダンピング抵抗15よりも小さくなっており、好ましくはスイッチ部16のON抵抗は20Ω以下である。
【0089】
ダンピング抵抗15およびスイッチ部16は第1の実施形態と同様、減衰部として機能する。初期状態においてスイッチ部16はON状態にある。このため、第1の切り替え部10と受信部6とはダンピング抵抗15およびスイッチ部16によって電気的に接続される。ON状態のスイッチ部16は低抵抗であるので、受信部6を含む受信側の入力抵抗は小さい。
【0090】
第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2から超音波を送信し、第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1で受信した場合、受信信号は第1の切り替え部10およびスイッチ部16を介して受信部6に入力され増幅される。受信部6から出力される受信信号は、ゼロクロス検知部7においてゼロクロス検知され、ゼロクロス検知信号を生成する。これにより受信信号37が検知される。
【0091】
スイッチ部16は、ゼロクロス検知信号を受け取り、OFF状態をとる。このため、第1の切り替え部10がダンピング抵抗15のみを介して受信部6に接続される。これにより、受信側の入力抵抗は増大する。言い換えれば、ダンピング抵抗15とスイッチ部16との合成抵抗による低抵抗を介して受信部6と受信に用いられる超音波振動子との間を接続した状態から、ダンピング抵抗15のみによる高抵抗を介して受信部6と前記受信に用いられる超音波振動子との間を接続した状態に切り換える。以降、受信側の入力抵抗が高くなったまま、受信を続ける。このため、第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1に到達する超音波がなくなると、第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1の振動は早く減衰する。
【0092】
次の超音波を第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2から送信するためのトリガ信号が繰り返し部8から出力されると、スイッチ部16は、トリガ信号を受け取り、ON状態をとなる。これにより、再び受信側の入力抵抗は小さくなる。
【0093】
このように、本実施形態によれば、各超音波を受信する間に、ダンピング抵抗15およびスイッチ部16によって受信側の入力抵抗が増大する。特に、ゼロクロスポイントにおいて受信信号を検知した後、受信側の入力抵抗が検知前に比べて増大する。これにより、受信に用いられる第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2の振動を早く減衰させ、次の受信波形との干渉を抑制することができる。
【0094】
また、特に、ゼロクロスポイントにおいて受信信号を検知した後、受信側の入力抵抗を検知前に比べて増大させる場合、検知時の受信側の入力抵抗を小さい値にすることができる。このため、受信時の感度および精度を高くし、かつ、超音波振動子の減衰を早くすることができる。また、遅延時間を長く設定しなくても、連続する受信信号間の干渉を避けることができるため、計測時間を短くすることができ、消費電力も低減することができる。
【0095】
なお、第1の実施形態において説明したように、スイッチ部16にスイッチング動作を行うかどうかの指令を受ける端子16aを設け、端子16aから動作の指令信号を受けているときのみ、スイッチ部16が動作するようにしてもよい。この場合、動作の指令信号を受けていないとき、あるいは非動作の指令信号を受けているときには、スイッチ部16はON状態を保っている。
【0096】
(第3の実施形態)
図5は、本発明による超音波流量計の第3の実施形態を示すブロック図である。図5において、第1の実施形態の超音波流量計101と同じ構成要素には同じ参照番号を付している。図5に示す超音波流量計103は、可変ダンピング抵抗21および可変コントロール部22を備えている点で第1の実施形態の超音波流量計101と異なっている。
【0097】
可変ダンピング抵抗21は、第1の切り替え部10と受信部6との間に接続されており、可変コントロール部22の制御によって抵抗値が変化する。可変コントロール部22は、ゼロクロス検知部7から出力されるゼロクロス信号に基づいて、可変ダンピング抵抗21の抵抗値を増大させる。また、繰り返し部8から出力されるトリガ信号に基づいて、可変ダンピング抵抗21の抵抗値を初期値に戻す。
【0098】
図6は、可変ダンピング抵抗21の抵抗値の変化を示している。図6に示すように、可変ダンピング抵抗21は、初期状態において抵抗値R1を有している。ゼロクロス検知部7からの出力であるゼロクロス信号を可変コントロール部22が受け取るまでは、可変ダンピング抵抗21の抵抗値は変化せず、初期値R1を保っている。
【0099】
ゼロクロス検知信号を可変コントロール部22が受け取ると、可変ダンピング抵抗21の抵抗値を増加させ始める。図6に示すように可変コントロール部22がトリガ信号を受け取るとき、可変ダンピング抵抗21の抵抗値はR2に達している。トリガ信号を可変コントロール部22が受け取ると、可変コントロール部22は可変ダンピング抵抗21の抵抗値が初期値であるR1に低下するよう、可変コントロール部22を制御する。
【0100】
このように、可変コントロール部22はゼロクロス検知信号およびトリガ信号に基づいて、可変ダンピング抵抗21の制御を繰り返す。可変ダンピング抵抗21の抵抗値の時間に対する変化の仕方は、超音波振動子の振動の状態に応じて設定することができる。たとえば経過時間に対して比例するよう抵抗値を増加させてもよいし、指数関数的に増加させてもよい。抵抗値R1は小さいほうが好ましく、たとえば5Ωから20Ωである。また、抵抗値R2は、たとえば、1kΩから10kΩである。
【0101】
可変ダンピング抵抗21は第1の切り替え部10と受信部6との間に接続されているので、可変ダンピング抵抗21が上述のように変化することによって受信側の入力抵抗が変化し、可変ダンピング抵抗21および可変コントロール部22は第1の実施形態と同様、減衰部として機能する。
【0102】
初期状態において可変ダンピング抵抗21は初期値R1をとっているため、受信部6を含む受信側の入力抵抗は小さい。第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2から超音波を送信し、第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1で受信した場合、受信信号は第1の切り替え部10および可変ダンピング抵抗21を介して受信部6に入力され増幅される。受信部6から出力される受信信号は、ゼロクロス検知部7においてゼロクロス検知され、ゼロクロス検知信号を生成する。これにより受信信号37が検知される。
【0103】
可変コントロール部22は、ゼロクロス検知信号を受け取り、抵抗値が徐々に増大するように可変ダンピング抵抗を制御する。このため、受信側の入力抵抗は徐々に増大する。第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1に到達する超音波がなくなるとき、受信側の入力抵抗の値は大きくなっているので第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1の振動は早く減衰する。
【0104】
次の超音波を第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2から送信するためのトリガ信号が繰り返し部8から出力されると、可変コントロール部22は、トリガ信号を受け取り、可変ダンピング抵抗21の抵抗値を初期値に戻す。これにより、再び受信側の入力抵抗は小さくなる。
【0105】
このように、本実施形態によれば、各超音波を受信する間に、可変ダンピング抵抗21および可変コントロール部22によって受信側の入力抵抗が増大する。特に、ゼロクロスポイントにおいて受信信号を検知した後、受信側の入力抵抗が検知前に比べて増大する。これにより、受信に用いられる第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2の振動を早く減衰させ、次の受信波形との干渉を抑制することができる。
【0106】
また、ゼロクロスポイントにおいて受信信号を検知した後、受信側の入力抵抗を検知前に比べて増大させる場合、検知時の受信側の入力抵抗を小さい値にすることができる。このため、受信時の感度および精度を高くし、かつ、超音波振動子の減衰を早くすることができる。遅延時間を長く設定しなくても、連続する受信信号間の干渉を避けることができるため、計測時間を短くすることができ、消費電力も低減することができる。本実施形態の場合、可変ダンピング抵抗21の抵抗値を連続的に変化させるので、スイッチの切り替えなどによるノイズが発生しにくく、誤動作を引き起こす可能性が少ないという効果も得られる。
【0107】
なお、第1の実施形態において説明したように、可変コントロール部22に可変ダンピング抵抗を制御するかどうかの指令を受ける端子22aを設けてもよい。そして、端子22aから動作の指令信号を受けているときのみ、可変コントロール部22抵抗を制御するようにしてもよい。この場合、動作の指令信号を受けていないとき、あるいは非動作の指令信号を受けているときには、可変ダンピング抵抗21は低抵抗を保つ。
【0108】
また、本実施形態ではゼロクロス検知信号およびトリガ信号に基づいて可変ダンピング抵抗21の制御を行っているが、トリガ信号のみに基づいて、可変ダンピング抵抗21を制御してもよい。たとえば、トリガ信号に基づいて、可変コントロール部22は可変ダンピング抵抗21の値を初期値である低抵抗値に設定する。その後、所定の時間までは可変ダンピング抵抗21が初期値を維持するよう制御する。あるいは所定の時間までは抵抗値がゆっくり増加するように制御する。これにより、ゼロクロス検知を行う際の可変ダンピング抵抗21の抵抗値を小さくし、受信側の入力抵抗を小さくすることによって、感度および精度のよいゼロクロス検知を行うことができる。所定時間が経過したら上述のように可変ダンピング抵抗21を増加させる。これによって、受信側の入力抵抗を高くして超音波振動子の振動を早く減衰させることができる。
【0109】
(第4の実施形態)
図7は、本発明による超音波流量計の第4の実施形態を示すブロック図である。図7において、第1の実施形態の超音波流量計101と同じ構成要素には同じ参照番号を付している。図7に示す超音波流量計104は、受信信号を増幅するための増幅部として音波減衰量自動補正(Sensitivity Time Control)機能を備えた受信部26(以下STC受信部と略す)を備えている点で第1の実施形態の超音波流量計101と異なっている。
【0110】
STC受信部26は、超音波振動装置などに一般的に用いられる。超音波診断において、測定対象物の内部において反射する超音波は、表面近傍において反射する超音波に比べて、反射する地点までの距離が長くなる。このため、表面で反射する超音波に比べて、伝播時間が長く、遅れて受信される。また、振幅の減衰が大きい。このため、STC受信部26は、所定の周期で時間の経過とともに増幅の利得が大きくなるように信号を増幅する。このとき、利得が大きくなるにつれて入力抵抗は高くなる。
【0111】
STC受信部26は、第1の切り替え部10とゼロクロス検知部7との間に接続される。したがって、STC受信部26の出力はゼロクロス検知部7へ入力される。
【0112】
また、超音波流量計104は、固定遅延部28を備えており、繰り返し部8の出力であるトリガ信号を受け取って、所定の時間経過後に信号を出力する。この出力信号は、STC受信部26へ入力される。
【0113】
図8は、STC受信部26の利得の変化を示している。図8に示すように、初期状態において、STC受信部26はG1の利得で入力信号を増幅する。そして時間の経過に伴って利得は大きくなってゆく。利得の時間に対する変化の仕方は、超音波振動子の振動の状態に応じて設定することができる。たとえば経過時間に対して比例するよう抵抗値を増加させてもよいし、指数関数的に増加させてもよい。
【0114】
繰り返し部8からトリガ信号出力され、さらに固定遅延部28に設定された所定の時間の後、固定遅延部28から信号が出力され、STC受信部26はその出力信号を受け取る。そして、このときの利得G2を急激に減少させて初期値であるG1に設定する。固定遅延部28から信号が出力されるタイミングは、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2が超音波を送信し、送信された各超音波が第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1に到達して受信する直前になるよう設定される。
【0115】
上述したように、STC受信部26の利得は入力抵抗に対応、または比例しており、利得が小さい時には入力抵抗も小さく、利得が大きくなるにつれて入力抵抗も大きくなる。STC受信部26の利得を大きくすることによって、入力抵抗を高くし、超音波振動子の振動を早く減衰させることができる。たとえば利得G1のとき受信側の入力抵抗は5Ωから20Ωの範囲にあり、利得G2の時に受信側の入力抵抗は1kΩから2kΩの範囲にあるよう、STC受信部26は設定されている。
【0116】
なお、利得が大きいほど、受信信号の振幅も大きく増幅される。このため、受信した超音波の末尾部分における小さな振幅部分ほど大きな増幅率で増幅される。
しかし、これは超音波振動子の振動を早く減衰させるという目的と矛盾するものではない。なぜなら、振幅が大きくなるのはSTC受信部26から出力される受信信号であり、第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1の振動を助長するわけではないからである。第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1自体は、STC受信部26の利得の増大に伴って入力抵抗が増大することにより、その振動が早く減衰する。また、STC受信部26から出力される受信信号において、末尾部分ほど大きな増幅率で振幅が増幅されているが、ゼロクロス検知によって検知するのは受信信号の初めの部分であり、ゼロクロス検知後、受信信号の波形は計測に利用されない。このため、受信信号の位置によってその振幅の増幅のされ方が異なっていても問題が生じることはない。
【0117】
超音波流量計104を用いて流量を計測する場合、初期状態においてSTC受信部26の利得はG1であり入力抵抗は小さくなっている。第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2から超音波を送信し、第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1で受信した場合、受信信号は第1の切り替え部10を介してSTC受信部26に入力され増幅される。受信部6から出力される受信信号は、ゼロクロス検知部7においてゼロクロス検知され、ゼロクロス検知信号を生成する。これにより受信信号37が検知される。
【0118】
STC受信部26の利得は時間の経過とともに増大し、入力抵抗も増大する。第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1に到達する超音波がなくなるとき、受信側の入力抵抗の値は大きくなっているので第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1の振動は早く減衰する。
【0119】
次の超音波を第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2から送信するためのトリガ信号が繰り返し部8から出力されると、所定の時間経過後に固定遅延部28から信号が出力され、STC受信部26の利得が初期値に戻る。これにより、再び受信側の入力抵抗は小さくなる。
【0120】
このように、本実施形態によれば、各超音波を受信する間に、STC受信部26の入力抵抗が増大する。これにより、受信に用いられる第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2の振動を早く減衰させ、次の受信波形との干渉を抑制することができる。また、特に本実施形態の場合、入力抵抗が連続的に変化するので、スイッチの切り替えなどによるノイズが発生しにくく、誤動作を引き起こす可能性が少ない。また、遅延時間を長く設定しなくても、連続する受信信号間の干渉を避けることができるため、計測時間を短くすることができ、消費電力も低減することができる。
【0121】
なお、第1の実施形態において説明したように、STC受信部26に利得の変化させるかどうかの指令を受ける端子26aを設けてもよい。そして、端子26aから動作の指令信号を受けているときのみ、利得を変化させてもよい。この場合、動作の指令信号を受けていないとき、あるいは非動作の指令信号を受けているときには、STC受信部26は初期値であるG1の利得を保つ。
【0122】
(第5の実施形態)
図9は、本発明による超音波流量計の第5の実施形態を示すブロック図である。図9において、第4の実施形態の超音波流量計104と同じ構成要素には同じ参照番号を付している。図9に示す超音波流量計105は、遅延時間を変化させるために、波形整形部29、周波数−電圧変換部(以下、F/Vコンバータと呼ぶ)30、固定遅延31、および遅延時間決定部26を備えている点で第4の実施形態の超音波流量計104と異なっている。
【0123】
波形整形部29は、STC受信部26から増幅された受信信号を受け取り、受信信号を2値化する。F/Vコンバータ30は、2値化された受信信号を受け取って、その周波数に基づいて電圧を発生する。また、トリガ信号から所定の時間経過した後に出力される信号を固定遅延部28から受け取る。そして、固定遅延部28から出力信号を受け取ったとき以降の電圧を遅延時間決定部26へ出力する。固定遅延部28の出力信号は、受信信号の尾部であって次の受信信号の波形と重なる部分を受信するタイミングで生成される。このため、F/Vコンバータ30が出力する電圧は、次の受信信号の波形と重なる部分の周波数に比例しており、この電圧に基づいて、受信信号の尾部であって次の受信信号の波形と重なる部分の周期を推定することができる。
【0124】
遅延時間決定部26は、この周期を求め、周期を複数に分割した単位時間を計算する。そして、シングアラウンド1回ごとにこの単位時間の長さ分ずつ長くなった付加遅延時間を発生させ、遅延部4へ出力する。遅延部4は、通常の設定における固定した遅延時間と、遅延時間決定部26から受け取る付加遅延時間とを加え、これらの合計の時間を用いて、トリガ信号を生成する。
【0125】
繰り返し部8は、各シングアラウンドにおける付加遅延時間を合計した値が、受信信号の尾部であって次の受信信号の波形と重なる部分の周期の整数倍となるように全シングアラウンド回数を設定する。
【0126】
第4の実施形態において説明したように、STC受信部26は、時間の経過とともにその利得を増大させる。このため、受信信号における減衰した尾部の振幅が大きくなり、尾部の周期を推定あるいは計測することが可能となる。受信信号の尾部と次の受信信号との重なりあるいは干渉によって生じるゼロクロス検知の計測誤差は、尾部の周期に依存する。したがって、上述したように付加遅延時間を生成してシングアラウンド方による計測を行えば、ゼロクロス検知の計測誤差がキャンセルしあう。このため、受信信号の尾部と次の受信信号との重なりによって生じる誤差を排除した計測を行うことができる。
【0127】
固定遅延部31は、上述の固定遅延部28の出力を受け取って、所定の時間経過した後にSTC受信部26へ信号を出力する。固定遅延部31から信号が出力されるタイミングは、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2が超音波を送信し、送信された各超音波が第2の超音波振動子2または第1の超音波振動子1に到達して受信する直前になるよう設定される。
【0128】
このように本実施形態によれば、第4の実施形態で説明した効果に加えて、受信信号の尾部と次の受信信号との重なりによって生じる誤差を排除することができる。したがって、精度の高い計測が可能となる。
【0129】
なお、本実施形態では、F/Vコンバータ30を用いたが、F/Vコンバータ30の替わりA/Dコンバータを用い、波形データから自己回帰モデルによるスペクトルの推定を行い、周期を計測することも可能である。また、フーリエ変換を用いて計測を行ってもよい。さらに、STC受信部26の利得の変化あるいは入力抵抗の変化は固定されているので、A/Dコンバータを用いて得られる波形データから、振幅の減衰の仕方を評価することにより、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の劣化の程度を評価してもよい。
【0130】
(第6の実施形態)
以下、本発明の超音波流量計を備えたガスメータを説明する。
【0131】
図10は、配管70内を流れるガスの流量を計測するためのガスメータ106のブロック図を示している。配管70内を流れるガスは、天然ガスやプロパンガスなど一般家庭で用いられるもののほか、水素や酸素等、その他の気体であってもよい。
【0132】
ガスメータ106は、配管70内を流れるガスの流量を計測するための超音波流量計71と、緊急時に配管70を流れるガスを遮断する遮断弁72と、超音波流量計71および遮断弁72を制御するマイコンなどの制御装置73と、超音波流量計106を用いて計測した流量や流量の積算値およびその他の情報を表示する表示部74とを備える。また、温度計75を備えていてもよい。超音波流量計71には、第1から第5の実施形態の超音波流量計を用いることができる。
【0133】
超音波流量計71によって計測される流量に関するデータは、マイコン73で処理されて表示部74に表示される。また、マイコン73は、計測する流量に異常がないかを監視する。例えば、突然、大流量のガスが流れ始めた場合には、ガス漏れが生じていると判断して、遮断弁72を動作させ、ガスの供給を停止する。
【0134】
また、第1から第5の実施形態において説明したように、超音波流量計71において、超音波振動子が超音波を受信する間に、受信側の入力抵抗が増大する。このため、受信信号と次の受信信号との干渉を抑制することができる。また、特に、ゼロクロスポイントにおいて受信信号を検知した後、受信側の入力抵抗を検知前に比べて増大させる場合、検知時の受信側の入力抵抗を小さい値にすることができる。このため、受信時の感度および精度を高くし、かつ、超音波振動子の減衰を早くして、ガスメータの計測誤差を低減することができる。
【0135】
受信側の入力抵抗を可変にする動作は、流量の計測ごとに常に行うようにしてもよいが、上記各実施形態で説明したように、この動作を行わせるための指令を受ける端子を設け、マイコン73が指令を出したときのみ、受信側の入力抵抗を変化させてもよい。
【0136】
たとえば、マイコン73が計測した流量に関するデータを監視し、超音波振動子の劣化等により計測した流量に誤差が生じていると判断した場合にのみ、受信側の入力抵抗を変化させてもよい。あるいは、温度計75によってガスメータ106の設置された環境温度を監視し、環境温度が所定の値以上になった場合に、受信信号と次の受信信号との干渉による影響が大きいと判断して、受信側の入力抵抗を変化させてもよい。また、あるいは、ガスメータ106の初期設定として、受信信号と次の受信信号との干渉が生じないよう、遅延時間を十分長く設定しておき、超音波流量計71の電池の起電力をモニターする。そして、電池の起電力が所定の値以下になった場合には、電池の消費を低減するために、遅延時間を短くするとともに、受信信号と次の受信信号との干渉による影響を抑制するために受信側の入力抵抗を変化させてもよい。
【0137】
なお、上記各実施形態では、シングアラウンド法により流量を計測する流量計を説明したが、本発明は、たとえば、双方向に一回、超音波を伝播させ、その伝播時間差から流量を求める流量計にも適用することが可能である。そのような流量計に本発明を適用した場合、振動子の減衰を早く収束させることによって、計測時間を短くすることが可能となり、繰り返し計測する場合に、計測間隔を短くできるという効果が得られる。
【0138】
【発明の効果】
本発明によれば、超音波を受信する間に、受信側の入力抵抗を増大させることによって、受信に用いられる超音波振動子の振動を早く減衰させることができる。したがって、次の受信波形との干渉を抑制することができる。また、検知時の受信側の入力抵抗を小さい値にすることによって受信時の感度および精度を高くすることができる。したがって、精度の高い計測が可能な超音波流量計を実現することができる。また、遅延時間を長く設定しなくても、連続する受信信号間の干渉を避けることができるため、計測時間を短くすることができ、消費電力も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波流量計の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す超音波流量計における受信側入力抵抗の変化を示す図である。
【図3】シングアラウンド法による測定を説明する図である。
【図4】本発明による超音波流量計の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明による超音波流量計の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図6】図5に示す超音波流量計における受信側入力抵抗の変化を示す図である。
【図7】本発明による超音波流量計の第4の実施形態を示すブロック図である。
【図8】図7に示す超音波流量計の受信部における利得の変化を示す図である。
【図9】本発明による超音波流量計の第5の実施形態を示すブロック図である。
【図10】本発明によるガスメータの実施形態を示すブロック図である。
【図11】従来の超音波流量計を示すブロック図である。
【図12】受信波のゼロクロス検知方法を説明する図である。
【図13】連続する受信波の渉を説明する図である。
【符号の説明】
1 第1の超音波振動子
2 第2の超音波振動子
3 送信部
4 遅延部
5 レベル検知部
6 受信部
7 ゼロクロス検知部
8 繰り返し部
9 計時部
10 第1の切り替え部
11 流量算出部
13 ピークホールド部
14 第2の切り替え部
15 ダンピング抵抗
16 スイッチ部
21 可変ダンピング抵抗
22 可変コントロール部
26遅延時間決定部
28、31 固定遅延部
29 波形整形部
30 F/Vコンバータ
101、102、103、104、105 超音波流量計

Claims (24)

  1. 超音波を送受信し、流体の流路中に前記超音波の伝播経路を形成するように配置される第1および第2の超音波振動子と、
    前記第1の超音波振動子および第2の超音波振動子との間で双方向に超音波がそれぞれ複数回送受信されるよう、前記第1の超音波振動子および第2の超音波振動子を駆動し、超音波を受信する送信部および受信部と、
    前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子のうち、受信に用いる超音波振動子の振動を減衰させる減衰部と、
    前記受信部に接続され、前記受信部から出力される受信信号をそれぞれ検知して、検知信号を出力する検知部と、
    を備え、
    前記減衰部は前記検知部が前記超音波の受信信号を検知した後、前記受信部を含む受信側の入力抵抗を検知前に比べて増大させ、前記入力抵抗を増大させた所定の時間後、次の超音波の受信信号を受信するまでの間に、前記入力抵抗を前記増大させる前の入力抵抗値にし、
    前記伝播経路間を伝播する超音波の双方向の伝播時間差を検知することにより流体の流量を計測する超音波流量計。
  2. 前記減衰部は、前記超音波を受信中、前記受信側の入力抵抗を受信開始時における初期値から変化させる請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 前記減衰部は、抵抗および切り替え部を含み、
    前記切り替え部は、前記検知部が前記受信信号を検知する前は、前記抵抗を介さずに前記受信に用いる超音波振動子と前記受信部とを接続し、前記検知部が前記受信信号を検知した後は、前記抵抗を介して前記受信に用いる超音波振動子と前記受信部とを接続するように切り替える請求項1に記載の超音波流量計。
  4. 前記減衰部は、前記受信に用いる超音波振動子と前記受信部との間に並列に接続される抵抗および抵抗よりも低い抵抗値を有するスイッチを含む請求項1に記載の超音波流量計。
  5. 前記減衰部は、可変抵抗器および可変抵抗器を制御するための制御部を含む請求項1に記載の超音波流量計。
  6. 前記切り替え部、前記スイッチまたは前記制御部は、前記検知信号に基づいて、前記受信側の入力抵抗が増大するよう動作する請求項3から5のいずれかに記載の超音波流量計。
  7. 前記検知信号を受け取り、所定の遅延時間が経過した後に信号を出力する遅延部と、遅延部の出力信号をカウントし、カウント値が所定の値以下であるときに、送信部に駆動信号を生成させるためのトリガ信号を生成する繰り返し部とをさらに備え、
    前記切り替え部、前記スイッチまたは前記制御部は、前記トリガ信号に基づいて、前記受信側の入力抵抗を前記初期値に設定するように動作する請求項3から5のいずれかに記載の超音波流量計。
  8. 前記受信部および前記減衰部は、所定の時間内において、時間の経過とともに利得が初期値から増大する音波減衰量自動補正受信部を構成しており、前記利得が大きくなるにつれて前記入力抵抗が高くなる請求項に記載の超音波流量計。
  9. 前記検知信号を受け取り、所定の遅延時間が経過した後に信号を出力する遅延部と、遅延部の出力信号をカウントし、カウント値が所定の値以下であるときに、送信部に駆動信号を生成させるためのトリガ信号を生成する繰り返し部とを備え、前記トリガ信号に基づいて、前記音波減衰量自動補正受信部の利得を前記初期値に設定する請求項に記載の超音波流量計。
  10. 前記受信信号の所定の部分における周期を推定し、前記推定した周期に基づいて前記遅延時間を決定する遅延時間決定部をさらに備える請求項に記載の超音波流量計。
  11. シングアラウンド法により、前記超音波の送受信を前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子との間でそれぞれ複数回行う請求項1から10のいずれかに記載の超音波流量計。
  12. ガスが流れる流路に設けられた請求項1から11のいずれかに記載の超音波流量計と、
    前記流路を流れるガスを遮断する遮断弁と、
    前記超音波流量計および遮断弁を制御する制御装置と、
    を備えたガスメータ。
  13. 前記制御装置は、前記超音波流量計の減衰部を所定の場合にのみ動作するよう制御する請求項12に記載のガスメータ。
  14. 流体の流路中に超音波の伝播経路を形成するように配置される第1および第2の超音波振動子との間で双方向に超音波を複数回送受信し、伝播経路間を伝播する超音波の双方向の伝播時間差を検知することにより流体の流量を計測する、超音波による流量計測方法であって、
    送信部を用いて前記第1の超音波振動子および第2の超音波振動子の一方を駆動し、超音波を送信するステップと、
    受信部を用いて、前記第1の超音波振動子および第2の超音波振動子の他方で前記超音波を受信するステップと、
    前記受信部に接続され、前記受信部から出力される受信信号を検知して、検知信号を生成するステップと、
    前記検知信号を検知した後、前記受信部を含む受信側の入力抵抗を検知前に比べて増大させることにより、前記第1超音波振動子および第2の超音波振動子のうち、受信に用いる超音波振動子の振動を減衰させるステップと、
    前記入力抵抗を増大させた所定の時間後、次の超音波の受信信号を受信するまでの間に、前記入力抵抗を前記増大させる前の入力抵抗値にするステップと
    を包含する超音波による流量計測方法。
  15. 前記減衰ステップは、前記入力抵抗を増大させた所定の時間後に、前記増大させる前の入力抵抗値にする請求項14に記載の超音波による流量計測方法。
  16. 前記減衰ステップは、前記超音波を受信中、前記超音波を受信するための受信部を含む受信側の入力抵抗を、受信開始時における初期値から変化させる請求項14に記載の超音波による流量計測方法。
  17. 前記減衰ステップは、前記超音波を受信中、第1の抵抗を介して前記受信部と前記受信に用いられる超音波振動子との間を接続した状態から、第1の抵抗よりも高い第2の抵抗を介して前記受信部と前記受信に用いられる超音波振動子との間を接続した状態に切り換える請求項14に記載の超音波による流量計測方法。
  18. 前記減衰ステップは、前記受信部と前記受信に用いられる超音波振動子との間の抵抗を連続的に変化させる請求項14に記載の超音波による流量計測方法。
  19. 前記減衰ステップを前記検知信号に基づいて行う請求項17または18に記載の超音波による流量計測方法。
  20. 前記検知信号を受け取り、所定の遅延時間が経過した後にトリガ信号を生成するステップをさらに包含し、前記減衰ステップは、前記トリガ信号に基づいて、前記受信側の入力抵抗を前記初期値に設定する請求項14から19のいずれかに記載の超音波による流量計測方法。
  21. 前記減衰ステップは、所定の時間内において、時間の経過とともに増幅度が初期値から増大する音波減衰量自動補正受信部により実行さ前記利得が大きくなるにつれて前記入力抵抗が高くなる請求項14に記載の超音波による流量計測方法。
  22. 前記検知信号を受け取り、所定の遅延時間が経過した後にトリガ信号を生成するステップをさらに包含し、前記減衰ステップは、前記トリガ信号に基づいて、前記音波減衰量自動補正受信部の利得を前記初期値に設定する請求項21に記載の超音波による流量計測方法。
  23. 前記受信した超音波の信号の所定の部分における周期を推定し、前記推定した周期に基づいて前記遅延時間を決定するステップをさらに包含する請求項22に記載の超音波による流量計測方法。
  24. 請求項14から23のいずれかの超音波による流量計測方法に規定した各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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