JP2005337432A - クラッチ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両の置かれた環境や運転者の操作に応じて、上記クリープトルクの大きさを調整して、適切なクリープ走行を行うことができるクラッチ制御装置を提供する。
【解決手段】 車両の自動クラッチの係合制御を行うクラッチ制御装置において、該クラッチ制御装置は、車両に掛かる制動力の大きさに対して負相関するクリープトルクを出力するようクラッチ制御を行う。前記クラッチ制御装置は、車両に掛かる制動力の大きさを検出する制動力検出部と、前記制動力に対して負相関する前記クリープトルク量を定めた特性マップ等を備え、クリープトルクを出力するクリープ制御を行う場合に、前記検出した制動力と前記特性マップに基いて、制動力の大きさに応じ漸減するクリープトルクを出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】 車両の自動クラッチの係合制御を行うクラッチ制御装置において、該クラッチ制御装置は、車両に掛かる制動力の大きさに対して負相関するクリープトルクを出力するようクラッチ制御を行う。前記クラッチ制御装置は、車両に掛かる制動力の大きさを検出する制動力検出部と、前記制動力に対して負相関する前記クリープトルク量を定めた特性マップ等を備え、クリープトルクを出力するクリープ制御を行う場合に、前記検出した制動力と前記特性マップに基いて、制動力の大きさに応じ漸減するクリープトルクを出力する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、クラッチ制御装置に関し、特に、クリープ走行の際の出力トルクの増減を行うクラッチ制御装置に関するものである。
車両の変速機において、平行歯車同期式変速機と乾式摩擦クラッチの組み合わせで構成される変速機を自動化した機械式自動変速機が開発されてきた。この機械式自動変速機は、液体式トルクコンバータと多板湿式クラッチを組み合わせて構成したいわゆるトルコン式自動変速機に比べて、液体式トルクコンバータを介さずに動力伝達できることから、動力伝達効率が良く注目されている。一方、このような機械式自動変速機は、上述のようにトルクコンバータを備えていないため、エンジンの微小トルクの伝達であるクリープ現象を利用したクリープ走行(低速走行)ができないという問題があり、この問題を解決するために摩擦クラッチを半クラッチ状態に制御してクリープ走行(低速走行)を可能にする開発がなされてきた。しかしながら、半クラッチ状態を継続することは、クラッチの発熱を促進しクラッチの寿命を極端に短くしてしまうことから、ドライバの意思を推定し、最小限、かつ効率的にクリープ走行させる技術が開発されてきた。
代表的な技術として、ブレーキペダルに設けられたリミットスイッチ、リニアセンサ(ストロークセンサ)からの信号、または、ブレーキの油圧レリーズシリンダ内に設けられた圧力センサからの信号に基づきブレーキペダルの操作状態を推定するとともに、アクセルペダルに設けられたリニアセンサ(ストロークセンサ)からの信号、または、エンジンのスロットルセンサからの信号に基づきアクセルペダルの操作状態を推定して、クリープの開始/終了制御を行うクラッチ制御装置が知られている。
例えば、特開2001−116067号公報は、クリープ走行中、所定時間経過後、車両が停止した場合はドライバがクリープ走行を要求していないと判断し、クリープトルクを小さくし、燃料消費をおさえる技術を開示している。
特開2001−280373号公報は、アクセル操作の検出と、ブレーキのマスタシリンダの圧力からブレーキ操作の検出とを行い、クリープ走行の要否を判断し、クリープ走行の開始/終了を制御するとともに、車両が走行している道路勾配を検出し、ブレーキ操作の状態を補正しつつ推定する技術を開示している。
特開2002−31158号公報は、アクセル操作の検出と、ブレーキのマスタシリンダの圧力からブレーキ操作の検出とを行い、クリープ走行の要否を判断し、クリープ走行の開始/終了を制御するとともに、クラッチ動作の速さを制御し、クリープ走行への移行速度、クリープ走行から停止、通常クラッチ係合への移行速度を制御する技術を開示している。
特開2002−96658号公報は、エンジンと変速機の入力軸の回転数差が大きい場合には、摩擦クラッチの伝達トルクを大きく制御し、回転数差が小さい場合には、伝達トルクを小さく制御することで、半クラッチによるエンジンストップを回避するとともに、坂道でのクリープ力による発進性を向上させる技術を開示している。
発明協会公開技報公技番号2003−500778は、ブレーキペダルに設けられたストロークセンサにより、ブレーキペダルの踏込み量を検出し、踏込み量に応じて発生するクリープ力を変化させ、ブレーキペダル操作のみでのクリープ走行の操作性を高める技術を開示している。
特願2002−284752号は、クリープ走行時、所定時間経過しても、所定車速以下のときは、クリープトルクを大きくし、ブレーキペダル操作のみでのクリープ走行の操作性を高める技術を開示している。
ところで、坂道における停止の場合、ドライバは坂道の勾配による車両の後退力よりも大きな制動力を発生させるようにブレーキペダルを踏込み、車両を停止させる。つぎに、クリープ力により車両を発進させようとしたとき、後退を不快に感じる意識からブレーキペダルを徐々に放す傾向がある。このような場合、クリープ力は、ブレーキペダルの解放とともに徐々に増加し、車両がゆっくりと加速し発進することが理想的である。特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5に開示された技術では、坂道の勾配を検出し勾配に応じて、クリープ力の大小の切換え、目標クリープ力の変更、ブレーキペダルの解放にともなうクリープ力の発生開始のタイミング変更を行っているに過ぎず、ブレーキペダルの解放とともにゆっくりと加速し発進することは困難と考えられる。
さらに、ブレーキペダルに加えられた踏力による制動力は、クリープ走行中の車両の速度によって異なるため同じ踏力であっても、車両の減速は異なる(図3)ことから、実際に車両に作用する制動力を検出し、クリープ力の増減を制御することが好ましい。たとえば、凍結路面等の路面とタイヤ間の摩擦係数が低い状態では、タイヤがロックしやすいことからブレーキペダルの踏力の調整のみによって、所望の位置へ車両を停止させることが困難であるが、制動力を検出し、クリープ力の増減が調節できれば、凍結路面上の駐車位置の微調整等も容易であると考えられる。非特許文献1では、ブレーキペダルのストロークによってクリープ力を段階的に設定することが開示されているに過ぎず、車両に働く制動力に基づいてクリープ力を変化させることは開示されていない。
本発明は、上記した諸事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両の置かれた環境や運転者の操作に応じて、上記クリープトルクの大きさを調整して、適切なクリープ走行を行うことができるクラッチ制御装置を提供することにある。
前記課題を解決するための手段を提供する本発明の第1の視点によれば、車両のクラッチの係合制御を行うクラッチ制御装置において、車両に掛かる制動力の大きさに対して負相関するクリープトルクを出力するようクラッチを動作させるクラッチ制御装置が提供される。前記クラッチ制御装置は、車両に掛かる制動力の大きさを検出する制動力検出部と、クリープトルクを出力するクリープ制御を行う場合に、前記制動力の大きさが増大するに従って、出力するクリープトルクを漸減する制御部と、を備え、クリープトルクを出力するクリープ制御を行う場合に、前記検出した制動力の大きさに応じた、クリープトルクを出力する。
本発明によれば、制動力の大きさに応じて、速やかにクリープを発生させる発進制御を行うことが可能となり、また、運転者のブレーキ操作に応じて、上記クリープトルクの大きさを調整可能となるため、車両の前後進操作が困難な環境下においても、きめ細かい車両操作を行うことが可能となる。
続いて、本発明のその好ましい実施の形態について、説明する。本発明に係るクラッチ制御装置を搭載する車両には、ブレーキ系に配した変位センサや圧力センサ等の車両に掛かる制動力の大きさを検出する制動力検出部(図1の1参照)が備えられ、クラッチ制御装置の制御部(図1の40;ECU)に接続されている。
また、クラッチ制御装置の制御部(図1の40;ECU)には、クラッチアクチュエーター(図1の30参照)が接続され、駆動回路(図1の48参照)を介して、クラッチレバーの移動量を調節することで、クラッチ(図1の20参照)の摩擦クラッチによる変速機(図1の11参照)側への動力伝達が可能となっている。
上記クラッチ制御装置の制御部(図1の40;ECU)は、制動力に負相関するよう定めたクリープトルクマップ(図2参照)を記憶保持している。
上記の構成からなるクラッチ制御装置のクリープ制御部(図1の6参照)は、制動力検出部(図1の1参照)から入力される制動力に応じたクリープトルクを得るべく、別途クラッチトルクマップ(図4参照)等を参照して得られるストローク量にて、係合制御を実行する。
更に、前記クリープ制御部(図1の6参照)に、勾配センサやジャイロスコープ等の車両の前後方法の勾配を検出する勾配検出部を構成する装置を接続することも好ましい。この場合には、勾配のある路面から発進する場合において、急な上り坂等、車両の後退力が大きく、上記得られたクリープトルクによる車両の推進力が、制動力+車両後退力より小となる場合は、車両の後退を防止可能となるよう、上記クリープトルクを増大し、また、急な下り坂等の車両の後退力が負となり、上記得られたクリープトルクによる車両の推進力が、制動力+車両後退力より大となる場合は、急発進を防止可能となるよう、上記クリープトルクを減少する等の調整を行うことが可能である。
また更に、前記クリープ制御部(図1の6参照)に、車両重量センサや乗員数や荷台積載量より車重を推定する車重検出部を構成する装置を接続することも好ましい。この場合にも、上記勾配によるクリープトルクの増減と同様に、必要なクリープトルクを増減制御することが可能となる。
続いて、本発明を具体化した第1の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施例に係る自動クラッチ制御装置を搭載した車両システムの概略構成図である。図1を参照すると、本実施例に係る車両システムは、エンジン10と自動変速機11との間に接続されエンジン10から出力されるトルクを断接可能に自動変速機11に伝達する自動クラッチ20と、アクチュエータ30と、運転者が操作するブレーキペダル9と、運転者意思及び車速検出部を構成する車速センサ52、ギヤポジションセンサ53等の検出信号に応じてアクチュエータ30を介して自動クラッチ20の係合状態を制御するECU40と、スロットル開度センサ55及びエンジン回転数センサ56等出力される信号に基づいてエンジン10を制御するエンジン制御装置60とを有している。
アクチュエータ30は、自動クラッチ20の係合状態を操作するものであって、直流電動モ−タの駆動によりロッドを前方又は後方に移動(進退)させてレリーズフォークを作動させる。例えば、初期状態では、レリーズベアリング、ダイヤフラムスプリングを介して、プレッシャプレートに圧着荷重が生じており、フライホイールに対するクラッチディスクの圧着荷重が加えられ、エンジン10側からの回転を伝達可能な状態となっている。一方、アクチュエータ30によりレリーズフォークが作動されると、レリーズベアリングがフライホイール側に移動し、ダイヤフラムスプリングが変形され、フライホイールに対するクラッチディスクの圧着荷重は低減されるようになっている。
ECU40は、CPU41と、各種プログラム及びデータ等を記憶したROM(不図示)、各種データ等の読み書き可能なRAM(不図示)、各種センサ又はエンジン制御装置60から出力される信号をCPU41に入力するためI/F42,43,44と、CPU41に接続され所定の設定値が書き換え可能に記憶されているEEPROM45と、CPU41からの指令に応じてアクチュエータ30を駆動するための駆動回路46と、を有している。更に、ECU40には、ブレーキペダル9のストローク量やブレーキ系の荷重等を検知する圧力センサ等の制動力検出部1が接続されている。ECU40は、その搭載するプログラムにより、上記した各種センサからの入力値に基いて、車両運転状態(スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、摩擦クラッチ21による回転伝達状態、入力軸回転数、車速、シフト位置、制動力等)を検知し、車両運転状態に応じて、アクチュエータ30のほか、スロットル用アクチュエータ、バルブ、変速用アクチュエータ等を制御する。
また、ECU40は、その記憶部に、車両発進時、クラッチ20を所定の係合状態にすることにより、車両をクリープさせるための制御部6を構成するプログラムを記憶保持している。
自動変速機11は、入力軸及び出力軸を備えており、その入力軸は、摩擦自動クラッチ20側からの動力を伝達可能に連結され、また、出力軸は、図示しない車軸側に動力を伝達可能に連結されている。なお、自動変速機11には、変速段の切り替えを操作するための変速用アクチュエータを備えており、ECU40からの指令に基いて変速用アクチュエータが駆動されることにより複数の変速段を構成可能となっている。
続いて、本実施例で使用する制動力、出力クリープトルク、アクチュエータのストローク量の相関関係について説明する。図2は、制動力と出力クリープトルクとの関係を表した図である。図2を参照すると、制動力B0が大きくなるに従って、より小さいクリープトルクC0が出力されることが好ましいのである。また、制動力の算出の方法を例示すれば、例えば、ブレーキペダルに掛かる踏力に対して発生する制動力は車両の速度によって異なるという知見に基けば、その関係は、図3に示したとおりとなる。即ち、制動力の大きさは、踏力の大きさと、車速vによって決定される。また、アクチュエータ30におけるロッドのストローク量は、図4に示すようなクラッチトルクマップで求められる。以下に説明するクリープ制御は、上記図2に示した相関関係を実現するための一例である。
続いて、上記した構成からなる車両システムの動作について、図面を参照して、詳細に説明する。図5は、本実施例に係る車両システムにおける制御概要を表したフローチャートである。まず、ECU40は、例えば、シフト位置と車速を確認し、クリープを許可するか否かを判定するクリープ許可判定61を実行する。ここで、例えばシフト位置が走行レンジにあり車速が所定値以上である場合、あるいはアクセルが踏まれている場合は、発進用の各種制御を行う発進制御63を実施するが、例えばシフト位置がいずれかの走行レンジにあり、車速が所定値以下であり、かつアクセルも踏まれていない場合は、クリープ制御部を起動して、クリープ用のクラッチストローク量を求めるクリープ制御62を実行する。その後、クラッチ制御64にてクラッチの断接を行い、エンジン制御装置40側でアイドルアップやアクセル開度に従ったエンジン制御65を実行する。
続いて、上記したクリープ制御の内容について、図面を参照して、詳細に説明する。図6はクリープ制御62の内容を表した図であり、図7は、クリープ制御におけるカウンタの処理の流れを表した図である。まず、図6を参照すると、ECU40のクリープ制御部6は、後述するカウンタA及びカウンタBのカウンタの処理71を実行する。
ここで、図7を参照すると、まず、クリープ制御部6は、制動力検出部1からの入力信号に基いて、下記条件(a−1)、(a−2)が成立するか否かを判定するカウンタAクリア条件成立判定処理81を実行する。
(a−1)制動力が所定の値SA未満である(制動力<SA)
(a−2)制動力の変化量が所定の値dSC未満である(d制動力/dt<dSC)。
(a−1)制動力が所定の値SA未満である(制動力<SA)
(a−2)制動力の変化量が所定の値dSC未満である(d制動力/dt<dSC)。
上記条件(a−1)、(a−2)は、例えば、運転者が、ブレーキペダルを踏み込んだ状態から開放した場合に成立するものである。一方、運転者が、ブレーキペダルを強く踏んでいる、又は、踏み込んでいるブレーキペダルを戻そうとしない状態では、上記条件(a−1)、(a−2)は成立しないこととなる。
力ウンタAクリア条件判定処理81において、上記条件(a−1)、(a−2)が共に成立した場合は、カウンタAをゼロクリアするカウンタAクリア処理82が実行される。従って、例えば、ブレーキペダルを踏み込んだ状態から開放した場合に、カウンタAがクリアされる。
一方、上記条件(a−1)かつ(a−2)が成立しない場合は、カウンタAをカウントアップするカウンタAカウントアップ処理83が実行される。
続いて、クリープ制御部6は、制動力検出部1、車速センサ52、ギヤ位置センサ53からの入力信号に基いて、下記条件(b−1)乃至(b−3)のいずれかが成立するか否かを判定するカウンタBクリア条件成立判定処理84を実行する。
(b−1)制動力が所定の値SB超である(制動力>SB)
(b−2)変速段が前進段であり、かつ、車速vが前進側の閾値Vf超である
(b−3)変速段が後進段であり、且つ、車速vが後進側の閾値Vr超である
上記条件(b−1)は、例えば、運転者が、ブレーキペダルを一定以上踏み込んだ場合に成立するものである。また上記条件(b−2)、(b−3)は、クリープ制御により、車速が一定以上になった場合に、成立するものである。一方、運転者が、ブレーキペダルを踏んでおらず、かつ車速が上記各閾値Vf、Vr以下の状態では、上記条件(b−1)乃至(b−3)のいずれもが成立しないこととなる。
(b−1)制動力が所定の値SB超である(制動力>SB)
(b−2)変速段が前進段であり、かつ、車速vが前進側の閾値Vf超である
(b−3)変速段が後進段であり、且つ、車速vが後進側の閾値Vr超である
上記条件(b−1)は、例えば、運転者が、ブレーキペダルを一定以上踏み込んだ場合に成立するものである。また上記条件(b−2)、(b−3)は、クリープ制御により、車速が一定以上になった場合に、成立するものである。一方、運転者が、ブレーキペダルを踏んでおらず、かつ車速が上記各閾値Vf、Vr以下の状態では、上記条件(b−1)乃至(b−3)のいずれもが成立しないこととなる。
カウンタBクリア条件判定処理84において、上記条件(b−1)乃至(b−3)のいずれかが成立した場合は、カウンタBをゼロクリアするカウンタBクリア処理85が実行される。
一方、上記条件(b−1)乃至(b−3)のいずれも成立しない場合は、カウンタBをカウントアップするカウンタBカウントアップ処理86が実行される。
再度、図6を参照して、クリープ制御62の内容を説明する。続いて、クリープ制御部6は、上記カウンタの処理71の結果から得られるカウンタA、Bの値に基いて、クリープトルク上限値T1とクリープトルク下限値T2の演算処理72を実行する。
クリープトルク上限値T1とクリープトルク下限値T2は、図8のマップで表される所定の演算式によって求められる。図8の縦軸は、クリープトルクの初期値A1+B1、A2+B2であり、図8の横軸は、制動力を表している。図8のマップを参照すると、制動力ゼロ(ブレーキを踏んでいない)状態では、クリープトルクの上限値T1とクリープトルク下限値T2として、それぞれ初期値A1+B1、A2+B2(後述する基準クリープトルク上限値A1(下限値A2)、クリープトルク加算補正上限値B1(下限値B2)との和)が出力されるが、制動力の増加と共にクリープトルク上限値T1、下限値T2が漸減し、所定以上の制動力が加わると、クリープトルクの上限値T1、下限値T2のいずれもが0となるよう演算される。なお、実際にクリープトルク上限値T1、下限値T2を求める際に、クリープ制御部6は、図8に示したマップそのものを用いるのではなく、該マップで表される所定の演算式、例えば、kを制動力に応じた補正係数とし、xを制動力とする式T1=(A1+B1)−kx等により演算される。
図9は、クリープ制御部6で行われる基準クリープトルク上限値A1と、下限値A2の演算式を便宜上マップで表した図である。図9の横軸は、上記の通りカウントアップ乃至クリアされるカウンタAの値を表し、図9の縦軸は基準クリープトルク上限値A1、下限値A2を表している。図9のマップを参照すると、カウンタAの値が所定の閾値(第1の閾値)以内である間は、基準クリープトルク上限値A1と、下限値A2は所定の初期値に保持されたままとなるが、カウンタAの値が所定の閾値(第1の閾値)を超えると、基準クリープトルクの値は、前記初期値から次第に減少しゼロに到ることとなる。これは、ブレーキペダルを開放した状態から踏み込んだ時、所定の時間が経過すると、基準クリープトルクの値が、次第に0まで漸減することを意味している。
図10は、クリープ制御部6で行われるクリープトルク加算補正の上限値B1と、下限値B2の演算式を便宜上マップで表した図である。図10の横軸は車速vを表し、図10の縦軸はクリープトルク加算補正の上限値B1、下限値B2を表している。図9のマップを参照すると、T1max、T2maxを初期値とする図10に例示されるマップ相当の演算式を用いてクリープトルク加算補正の上限値B1と、下限値B2が求められる。なお、クリープトルク加算補正の上限値B1、下限値B2には、それぞれ下限T1min、T2minが定められているが、これらは、エンジン10が予め設定された基準となるアイドル回転数を出力した際に発生するクリープトルク相当が設定される。
図11は、図10におけるクリープトルク加算補正値の初期値T1max、T2maxを求める際に用いられる演算式をマップで表したものである。図11の横軸はカウンタBの値を表しており、図11の縦軸は図10におけるクリープトルク加算補正値の上限T1max、T2maxを表している。図11のマップを参照すると、カウンタBの値が大きくなるにつれて上限T1max、T2maxも大きくなることを表している。即ち、クリープトルクの出力による走行が開始されてブレーキが操作されずに、また、車速が所定値を超えない範囲において、初期値T1max、T2maxが大きくなることを表している。また、初期値T1max、T2maxには上限値が設定されており、カウンタBが所定の閾値(第2の閾値)に達すると、以後クリープ走行カウンタBの値が増加しても初期値T1max、T2maxは増加しない。
再度、図6を参照して、クリープ制御62の内容を説明する。続いて、クリープ制御部6は、クリープトルクの値とクリープトルク上限値T1クリープトルク下限値T2とを順次比較する処理73、75を実行し、クリープトルクの値がクリープトルク上限値T1を上回るようであれば、クリープトルク上限値T1に引き下げる処理74を行い、クリープトルクの値がクリープトルク上限値T2を下回るようであれば、クリープトルク下限値T2に引き上げる処理76を行い、前記求めたクリープトルク上限値T1とクリープトルク下限値T2の間にクリープトルクの値が入るようにクリープトルク値を管理する。
上述のとおり、本実施例によれば、マップに従って、制動力、車速や経過時間に応じたクリープトルクを演算することができるため無段階にクリープトルクの値を変更することができ、より細かいクリープトルクの調整を行うことができる。また、制動力が所定の値を超えるとクリープトルクは0値となるため、車両停止時に無用のクリープトルクを出力することが避けられるものとなっている。勿論、クリープトルクの上限値も設けているため、クリープトルクを高く出力しすぎることによるクラッチディスクの発熱及び摩耗を抑制することができる。そして、クリープトルクの設定値を演算するためのマップを検出値に基づいて形成することができるため、クリープトルク制御装置の汎用性を高めることができる。
なお、上記した本発明の第1の実施例では、クリープトルク上限値T1とクリープトルク下限値T2とを設定し、その間にクリープトルクの値が入るようにクリープトルク値を制御するものとして説明したが、図2に表されるような関係を充足するクリープトルク中央値Tcを求めて、クリープトルク中央値Tcから離れないようにクリープトルク値を制御するようにしても良いことはもちろんである。
続いて、本発明を具体化した第2の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施例は、制動力検出部1として、スイッチ1a、1bを用いるものとし、この場合での上記した第1の実施例におけるクリープ制御62に係る処理態様を変更したものである。従って、その他の構成、処理については上記実施例と同様であり、重複する説明を省略し、その相違点のみを説明する。図12は、本実施例に係る自動クラッチ制御装置を搭載した車両システムの概略構成図である。図12を参照すると、上記した実施例の制動力検出部1として、スイッチ1a、1bが配されている。
開放側スイッチ1aは、ブレーキペダル9のストロークが開放側(運転者側)ポイントよりも踏み込み側である場合にはオン状態を示す信号を出力し、踏み込み側にない場合にはオフ状態を示す信号を出力する。踏込側スイッチ1bは、ブレーキペダル9のストロークが開放側(運転者側)ポイントよりも踏み込み側のポイントである第2のポイントよりも踏み込み側である場合にはオン状態、踏み込み側にない場合にはオフ状態を示す信号を出力する。従って、上記した第1の実施例のカウンタA、Bの判定における制動力の大きさ・変化量の判定は、これらスイッチの作動状態によって、行うことが可能である。
本実施例におけるクリープトルク上限値T1とクリープトルク下限値T2は、図13のマップで表される所定の演算式によって求められる。図13の縦軸は、クリープトルクの初期値A1+B1、A2+B2であり、図8の横軸は、制動力を表している。図13のマップを参照すると、制動力ゼロ(ブレーキを踏んでいない)状態では、クリープトルクの上限値T1とクリープトルク下限値T2として、それぞれ初期値A1+B1、A2+B2(後述する基準クリープトルク上限値A1(下限値A2)、クリープトルク加算補正上限値B1(下限値B2)との和)が出力される。そして、開放側スイッチ1aが作動する程度にブレーキが踏み込まれると、クリープ制御部6は、クリープトルク上限値T1、下限値T2をそれぞれ所定の幅減少し、更に、踏込側スイッチ1bが作動する程度にまでブレーキが踏み込まれると、クリープ制御部6は、クリープトルク上限値T1を更に所定の幅減少し、下限値T2を0値にする。
本実施例によれば、より安価なオン/オフスイッチを用いて、上記した第1の実施例と同様のクリープ制御を実現することができる。また、ブレーキスイッチとは別に、いわゆるクルーズコントロールスイッチを備えた車両の場合、このクルーズコントロールスイッチを第2のブレーキスイッチとして用いることができる。
以上、第2の実施例として、本発明を2つのスイッチで実現する最小構成を、説明してきたが、本発明は、2以上のスイッチを配することにより、良い好適な態様にすることが可能である。図14は、n個のスイッチを用いて、上記した各実施例と同等のクリープ制御を行うこととした場合の概念図である。図14を参照すれば、明らかなとおり、使用するスイッチの数に制限はなく、コストが許す範囲で、上記スイッチを増加し、踏み込みレベルを示す踏み込みレベル信号を出力させることによって、より決め細やかなクリープの制御が可能となる。
以上、本発明の各実施例を説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した、検出した制動力と、出力トルクの関係をもって、クラッチ動作によるクリープトルク制御を行うものであれば、特に限定するものではないことはもちろんである。
1 制動力検出部
1a 開放側スイッチ
1b 踏込側スイッチ
6 クリープ制御部
9 ブレーキペダル
10 エンジン
11 自動変速機
20 自動クラッチ
30 アクチュエータ
40 ECU(自動クラッチ制御装置)
41 CPU
42,43,44 I/F
45 EEPROM
46 駆動回路
52 車速センサ
53 ギヤポジションセンサ
54 変速機入力軸回転数センサ
55 スロットル開度センサ
56 エンジン回転数センサ
60 エンジン制御装置
1a 開放側スイッチ
1b 踏込側スイッチ
6 クリープ制御部
9 ブレーキペダル
10 エンジン
11 自動変速機
20 自動クラッチ
30 アクチュエータ
40 ECU(自動クラッチ制御装置)
41 CPU
42,43,44 I/F
45 EEPROM
46 駆動回路
52 車速センサ
53 ギヤポジションセンサ
54 変速機入力軸回転数センサ
55 スロットル開度センサ
56 エンジン回転数センサ
60 エンジン制御装置
Claims (5)
- 車両のクラッチの係合制御を行うクラッチ制御装置において、
車両に掛かる制動力の大きさを検出する制動力検出部と、
クリープトルクを出力するクリープ制御を行う場合に、
前記制動力の大きさが増大するに従って、出力するクリープトルクを漸減する制御部と、を備えること、
を特徴とするクラッチ制御装置。 - 車両のクラッチの係合制御を行うクラッチ制御装置において、
ブレーキペダルのストローク上の踏み込み側と開放側とを含む2以上の箇所に、踏み込みレベル信号を出力するスイッチを備え、更に、
クリープトルクを出力するクリープ制御を行う場合に、
前記踏み込みレベル信号を出力するスイッチの数が増加乃至減少するに従って、出力するクリープトルクを減少させる制御部を備えること、
を特徴とするクラッチ制御装置。 - 請求項1又は2に記載のクラッチ制御装置において、更に、車速を検出する車速検出部を備え、
前記制御部は、
前記制動力の大きさが所定の値未満であり、かつ、前記制動力の変化量が所定の値未満である第1の条件が成立しない場合は、第1のカウンタ値を増大させるとともに、前記第1のカウンタ値が第1の閾値未満である期間は、基準クリープトルクを所定の値に保持し、前記第1のカウンタ値が第1の閾値以上となった後は、前記第1のカウンタ値に応じて基準クリープトルクを減少し、
前記第1の条件が成立する場合に、前記第1のカウンタ値を初期化する第1の処理と、
前記制動力の大きさが所定の値を超える第2の条件と、車速が所定の速度未満である第3の条件とのいずれも成立しない場合は、第2のカウンタ値を増大させるとともに、前記第2のカウンタ値が第2の閾値未満である期間は、前記第2のカウンタ値に応じて前記基準クリープトルクの加算補正値を増大させ、前記第2のカウンタ値が第2の閾値以上となった後は、前記基準クリープトルクの加算補正値を所定の値に保持し、
前記第2、第3の条件とのいずれかが成立した場合は、前記第2のカウンタ値を初期化する第2の処理と、
前記第1、第2の処理を実行して、前記基準クリープトルクと前記基準クリープトルクの加算補正値との和により、出力するクリープトルクの初期値を決定すること、
を特徴とするクラッチ制御装置。 - 請求項1乃至3いずれか一に記載のクラッチ制御装置において、更に、
車両の前後方法の勾配を検出する勾配検出部を備え、
前記制御部は、前記勾配に応じて、前記クリープトルクを増減すること、
を特徴とするクラッチ制御装置。 - 請求項1乃至4いずれか一に記載のクラッチ制御装置において、更に、
車両重量を検出する車重検出部を備え、
前記制御部は、前記車両重量に応じて、前記クリープトルクを増減すること、
を特徴とするクラッチ制御装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004158886A JP2005337432A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | クラッチ制御装置 |
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JP2004158886A JP2005337432A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | クラッチ制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012057708A (ja) * | 2010-09-08 | 2012-03-22 | Daimler Ag | 車両のクリープトルク制御装置 |
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2004
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