JP2005337340A - 動圧軸受装置用軸部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】
軸部材の設計自由度の低下、あるいはヒケやウェルドの発生等を回避する。
【解決手段】
金属製の軸部2aおよび樹脂製のフランジ部2bからなる軸部材2をインサート成形で一体成形する。軸部材の金属部分の一端部に軸方向孔13を形成し、この軸方向孔13を含めて軸部材2の金属部分20の一端部を樹脂に埋設する。軸方向孔13の内周にねじ溝などからなる連結部11を設け、抜け止めおよび回り止めを行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、軸受隙間に生じる流体の動圧作用で回転自在に非接触支持される動圧軸受装置用軸部材に関する。この軸部材を使用する動圧軸受装置は、例えば光ディスクドライブやハードディスクドライブなどのディスク装置に搭載するスピンドルモータ用、レーザビームプリンタやディジタル複写機などに搭載する光走査装置用のスキャナーモータ用、あるいは軸流ファンなどの電気機器に搭載する小型モータ用の軸受として好適である。
この種の動圧軸受装置は、軸部材をラジアル方向で回転自在に支持するラジアル軸受部と、スラスト方向で回転自在に支持するスラスト軸受部とが設けられる。ラジアル軸受部は、ラジアル軸受隙間に生じた流体の動圧作用で軸部材をラジアル方向に非接触支持する動圧軸受で構成される。スラスト軸受部としては、ラジアル軸受部と同様に、軸受隙間(スラスト軸受隙間)に生じた流体の動圧作用で軸部材をスラスト方向に非接触支持する動圧軸受の他、軸部材の軸端をスラストプレートで接触支持するピボット軸受を使用する場合もある。
スラスト軸受部に動圧軸受を使用した動圧軸受装置では、軸部材を、軸部と軸部の外径方向に張り出したフランジ部とで構成する場合があり、このようなフランジ付軸部材の一例が下記特許文献1〜5に記載されている。
具体的には、特許文献1には金属製の軸部に金属製のフランジをねじ止めで一体に固着した軸部材が、特許文献2には金属製の軸部に樹脂製のフランジを圧入で一体に固着した軸部材が、特許文献3には金属製の軸部に樹脂製のフランジ部をインサート成形で一体に固着した軸部材が、特許文献4および5には金属製の軸部に樹脂製のフランジ部をアウトサート成形で一体に固着した軸部材がそれぞれ開示されている。
特開2001−78387号公報 特開2001−317545号公報 特開平7−332353号公報 特開平11−230161号公報 特開2001−107946号公報
しかしながら、特許文献1又は2のように、別体で製造した金属製の軸部と金属製のフランジ部を、ねじ止め又は圧入で一体化させる場合には、両者を一体に連結する作業が必要となる。これに加え、フランジ部の端面に動圧溝を形成する場合、動圧溝の形成作業が別途必要になる。このように軸部材の製作工程で多くの工程が必要となることから、大量生産に不向きで軸部材の製作コストが高騰する傾向にある。また、軸部材の重量が嵩むので特に軸部材側を回転させる場合には、起動時のトルクが大きくなって始動時間が長期化する、定常回転時にも必要トルクが増大するために高速回転が困難となり、電源の消費電力が増大するなどの点も問題となる。
以上の問題点を解決するため、特許文献3〜5に記載されるように軸部をアウトサート品またはインサート品としてフランジ部を樹脂材で射出成形することも考えられる。しかしながら、何れの文献に記載された軸部材も、金属製の軸部の軸端が樹脂製のフランジ部を貫通しているので、フランジ部の両端面の面積が小さくなる。従って、フランジ部の両端面にスラスト軸受部の動圧溝を形成する際、その形成領域が寸法的な制約を受け、設計自由度が低下する。また、特許文献文献5に記載されるように、軸の下端面に浅い孔を形成すると共に、この孔から半径方向に複数の横孔を形成し、この二種類の孔を介して樹脂を供給することによりフランジ部をアウトサート成形する場合、半径方向の横孔の延長線上では横孔の容積分だけ他所に比べて樹脂量が多くなるため、樹脂の固化後にフランジ部外周面の横孔の延長線上にヒケが発生し易く、このヒケによってフランジ部に形成する動圧溝の精度が低下するおそれがある。また、フランジ部が複数方向の横孔から供給された樹脂で形成されるため、ウェルドの発生によりフランジ部の強度低下を招く懸念がある。
そこで、本発明は、この種の不具合を解消した動圧軸受装置用軸部材の提供を目的とするものである。
本発明による動圧軸受装置用軸部材は、軸部と軸部の外径側に張り出したフランジ部とを備えた動圧軸受装置用軸部材において、少なくとも軸部外周を金属で形成すると共に、その他の部分を樹脂で形成し、軸部材の金属部分の一端部を樹脂に埋設し、かつ金属部分の樹脂に埋設される部分に、抜け止めおよび回り止めを行う連結部を設けたものである。
この軸部材では、軸部材を構成する金属材料を部分的に樹脂材料で置換しているので、軸部材が軽量化される。その一方、少なくとも軸部の外周面を金属で形成していることから、ラジアル軸受隙間の寸法管理も容易となり、かつ軸受スリーブに対して摺動する軸部外周面の摺動性能のばらつきを抑えることができる。この種の金属と樹脂の複合品は、インサート成形やアウトサート成形で一体成形することができ、これによれば、ねじ止めや圧入などの固着作業が不要となるので、均質な製品が量産可能となり、軸部材の低コスト化を図ることができる。特に金属部分に樹脂部分との間で抜け止め及び回り止めを行う連結部を設けているので、軸部に対してフランジ部が抜き方向及び回転方向の双方で強固に固着され、長期にわたって軸部材の高い寸法精度を維持することができる。
特に本発明では、金属部分の一端部を樹脂に埋設しているので、フランジ部の両端面のうち、金属部分の突出側と反対側の端面は樹脂で覆われる。そのため、この端面の全面を動圧溝領域として使用することが可能となり、動圧溝領域の寸法的制約を解消して動圧溝の設計自由度を増すことができる。また、金属部分の一端部を覆う樹脂部分が射出成形の際に外径側への樹脂の流路として機能する。この流路はその全周から均一に樹脂を供給するので、樹脂固化後の局所的なヒケやウェルドの発生が抑制され、ヒケやウェルドによるフランジ部の精度低下や強度低下を防止することができる。
連結部は、例えば軸部材の金属部分の一端部に形成した孔、例えば軸方向の孔の内周面に形成することができる。このように金属部分に孔を形成することにより、軸部材に含まれる金属材料量をさらに減じることができ、軸部材をより一層軽量化することができる。また、孔の大きさを調整することで連結部の形成領域が変更可能となるので、必要な連結強度を容易に得ることができる。
この場合、孔は有底状とするか、あるいは金属部分を軸方向に貫通する貫通孔状とする。有底孔の場合は、軸芯部の樹脂量が少なく、軸芯部とフランジ部外径側との間の樹脂量の差を小さくできる。従って、この差に基づくヒケの発生、さらにはヒケによるフランジ部の変形を抑えることができる。一方、貫通孔の場合は、連結部の形成領域をさらに拡大できるので、回り止め機能や抜け止め機能のさらなる強化が可能となる。
この他、連結部は、軸部材の金属部分の外周に形成することもできる。これにより、連結部を孔の内周に形成する場合に比べ、連結部の形成作業を容易化することができる。
連結部は、例えば軸方向に対して傾斜した溝または突条で形成される。この他、軸方向の溝もしくは突条の何れか一方と、円周方向の溝もしくは突条の何れか一方との組合せで連結部を形成することもでき、あるいは、軸部とフランジ部との間に作用する軸方向の離反力で樹脂と楔係合する軸方向の溝(例えば蟻溝)もしくは突条で連結部を形成することもできる。
軸部材のフランジ部の少なくとも一方の端面に動圧溝を設けることにより、スラスト軸受部を動圧軸受で構成することができる。この場合、フランジ部の動圧溝は、動圧溝形状に対応した溝型を用いることによりフランジ部と同時に射出成形することができる。
以上に述べた軸部材は、金属部分をインサート部品あるいはアウトサート部品として、樹脂を射出成形することにより成形することができる。射出成形時には、ヒケやウェルドの発生を防止するため、樹脂を供給するゲートは、軸部材の金属部分の一端部を覆う樹脂部に対向させて、特に軸部材の軸芯部に一致させて設けるのが望ましい。この場合、ゲート跡によってフランジ部端面の平面度が損なわれるおそれがあるが、樹脂部に凹部を設け、この凹部に対向させたゲートから樹脂を射出することにより、この問題を解消することができる
このように本発明では、軸部材を樹脂と金属の複合構造としているので、低コストに製作可能であり、かつ樹脂固化後のヒケやウェルドの発生によるフランジ部の精度低下や強度低下、さらにはフランジ部端面に形成する動圧溝の精度低下を防止することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、動圧軸受装置を組み込んだモータの一例として、HDD等のディスク駆動装置に用いられるスピンドルモータを示している。このモータは、軸部材2を回転自在に支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に取り付けられたロータハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたモータステータ4(コイル)およびモータロータ5(マグネット)と、ブラケット6とを備えている。コイル4は、ブラケット6外周に取り付けられ、マグネット5は、ロータハブ3の内周に取り付けられる。ロータハブ3は、その外周に磁気ディスク等のディスクDを一枚または複数枚保持できるようになっている。コイル4に通電すると、コイル4とマグネット5との間の励磁力でマグネット5が回転し、それに伴ってロータハブ3および軸部材2が一体となって回転する。
図示例の動圧軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7の内周に配置された軸受スリーブ8と、軸部材2と、シール部材9とを主要な構成部材として具備する。
ハウジング7は、黄銅等の軟質金属や熱可塑性樹脂等の樹脂材料により、一端(図面では底部側)を封口すると共に、他端を開口した有底筒型に形成される。ハウジング7の開口部は、その内周に固定したシール部材9で密封されている。図面では、ハウジング7の底部7bをハウジング本体と一体に形成した場合を例示しているが、底部7bはスラストプレート等の別部材で構成することもできる。このようにハウジング底部7bを別部材とする場合、シール部材9をハウジング本体と一体形成することもできる。
ハウジング7の内周面には、圧入・接着等の手段で軸受スリーブ8が固定される。軸受スリーブ8は、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする焼結金属の多孔質体で円筒状に形成される。軸受スリーブ8の内周面には、ラジアル軸受面となる、へリングボーン形状等に配列した複数の動圧溝を有する領域が形成されている。
軸部材2は、後述するように金属材と樹脂材を一体成形した複合品であり、軸部2aと軸部2bの下端に設けられたフランジ部2bとを備えている。軸受スリーブ8の内周に挿入された軸部2aの外周面と軸受スリーブ8内周のラジアル軸受面との間にラジアル軸受隙間が形成される。軸部材のフランジ部2bの両端面2b1、2b2には、図5に示すように、スラスト軸受面となる、スパイラル形状等に配列した複数の動圧溝17、18を有する領域がそれぞれ形成され、両スラスラト軸受面とこれに対向する軸受スリーブ8の下側端面およびハウジング底部7bの内底面との間には、それぞれスラスト軸受隙間が形成される。フランジ部2bに形成された二つのスラスト軸受面のうち、少なくとも一方はこれに対向する面(軸受スリーブ8の下側端面、あるいはハウジング底部7bの内底面)に形成することもできる。
軸部材2に使用する樹脂は熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、例えば、非晶性樹脂として、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSF)、ポリエーテルイミド(PEI)等、結晶性樹脂として、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができる。
また、この樹脂には必要に応じて充填材を添加することもできる。充填剤の種類は特に限定されないが、例えばガラス繊維や炭素繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。
動圧軸受装置1の組立後は、シール部材9で密封されたハウジング7の内部空間に、軸受スリーブ8の内部気孔を含めて潤滑油が充満される。
以上の構成から、軸部材2の回転時には、ラジアル軸受隙間に生じた潤滑油の動圧作用で軸部材2をラジアル方向で非接触支持するラジアル軸受部Rが形成され、同様に両スラスト軸受隙間に生じた潤滑油の動圧作用で軸部材2を両スラスト方向で非接触支持する第1および第2のスラスト軸受部T1、T2が構成される。
以下、上記動圧軸受装置1で使用する軸部材2の構造とその製造方法を図2〜図10に基づいて説明する。
軸部材2は、少なくとも軸部2aの外周を金属製とすると共に、フランジ部2bを熱可塑性樹脂製とし、両者を一体成形したものである。図2は、第1の実施形態にかかる軸部材2を示すもので、(a)図はフランジ部2b側を上にした状態の斜視図を、(b)図は軸部2aを上にした状態の斜視図を、(c)図は縦断面図をそれぞれ示す。
第1の実施形態において、軸部材2は、ステンレス鋼等の金属材からなる軸状部材20をインサート部品として樹脂の射出成形で一体に形成される。軸状部材20は、その一端(フランジ部2b側の端部)の軸心上に有底の軸方向の孔13を備え、それ以外は中実円筒状に形成される。軸方向孔13の内周に回り止め機能および抜け止め機能を有する連結部11が形成されている。インサート成形に伴い、軸状部材20の軸方向孔13内に樹脂材19が充填され、かつ軸状部材20の一端部が軸方向孔13を含めて樹脂19に埋設される。フランジ部2bの下側端面2b2の軸心上には、凹部15が例えば平面視で円形に形成されている。
回り止め機能および抜け止め機能を有する連結部11としては、種々の形態が考えられる。図3(a)〜(c)はその一例を示すもので、何れもインサート成形前の軸状部材20を図示している。各図のうち、図3(a)はねじ溝21からなる連結部11を、図3(b)は軸方向溝22と複数列の互いに平行な円周方向溝23とからなる連結部11を、図3(c)は内周面上で蛇行させた蛇行溝24からなる連結部11を例示している。何れの連結部11でも溝に入り込んだ樹脂により軸状部材20と樹脂とが円周方向および軸方向で係合するため、回り止め機能と抜け止め機能が得られる。各連結部11のうち、ねじ溝21および蛇行溝24は軸方向に対して傾斜した溝を連続させた形態を有するもので、一つの溝を加工するだけで上記両機能を実現できるという利点を有する。特に加工作業性を重視する場合には、ねじ溝21からなる連結部11を採用するのが最も好ましい。なお、軸部材2の回転中の緩みを防止するため、ねじ溝21の方向は軸部材2の回転方向と逆向きにするのがよい。
軸部材2をインサート成形する際には、例えば図4に示すように上型41Aと下型41Bを備えた射出成形金型41を用い、軸状部材20をインサート部品してフランジ部2bを射出成形する。上型11Aには、軸方向孔13との協働でキャビティ42が設けられ、さらに軸心上にキャビティ42に開口するゲート43が設けられる。下型41B側には、軸状部材20を位置決め保持するインサート孔44が設けられる。インサート孔44の下方にはノックアウトピン45が配置されている。
まず、図4(a)に示す型開き状態で下型41Bのインサート孔44内に軸状部材20を位置決め保持する。次いで図4(b)のように型締め状態で、ゲート43から軸方向孔13を含むキャビティ42に熱可塑性の樹脂材を充填する。樹脂の固化後に図4(c)に示すように型開き状態にし、ノックアウトピン45の突き出しによって軸部材2を取り出す。取り出した軸部材2は、樹脂部分19と金属部分20(軸状部材)と有する複合品で、軸状部材20の一端部が樹脂に埋設されている。軸部2aよりも外径方向に張り出した樹脂部分19でフランジ部2bが形成され、フランジ部2bより突出した金属部分20で軸部2aの外周が形成される。
図5に示すように、フランジ部2bの上下の端面2b1、2b2に動圧溝17、18を形成する場合、この溝形状に対応する溝型を上型41Aと下型41Bの対応箇所に形成すれば、フランジ部2bと動圧溝17、18とを同時に成形することが可能となり、生産効率が高まる。
成形後の軸部材2では、金属製の軸状部材20の一端部が樹脂に埋設されているので、フランジ部2bのうち、軸状部材20の突出側と反対側の端面(図示例では下側端面2b2)は樹脂で覆われる。そのため、この端面2b2の全面を動圧溝領域として使用することが可能となり、動圧溝領域の寸法的制約を解消して動圧溝18の設計自由度を増すことができる。また、射出成形時には、キャビティ42のうち、軸状部材20の一端部との対向部を外径側への樹脂の供給路として機能させることができる。この供給路はその全周で連続しているので、前記特許文献5記載のように半径方向の複数の横孔を介して樹脂を供給する場合に問題となるヒケやウェルドの発生を防止することができ、さらには樹脂に含まれる補強材の配向性を改善することができる。以上の効果をさらに高めるため、ゲート43は、フランジ部2bの下側端面2b2に対向する領域でかつ軸心上に設けるのが好ましい。
この場合、軸心部のゲート跡によってフランジ部2bの下側端面2b2の平面度が損なわれるが、上記のように下側端面2b2に凹部15を形成し、この凹部15内にゲート43が位置するよう上型11Aの形状を設計すれば、ゲート跡の存在による軸受性能の低下を回避することができる。ゲート43を軸芯に配置する場合、樹脂の半径方向の流路を如何に確保するかが問題となるが、本発明では、上記のように軸状部材20の一端部を樹脂部分19に埋設することにより当該流路を確保しているので、連結部11やその周辺部の構造、あるいは金型41構造の複雑化を回避することができる。
なお、ゲート跡による平面度の低下が問題とならない場合、または他の手段によってゲート跡を除去できる場合には、フランジ部2bの下側端面2b2を凹部15のない平坦面に形成してもよい(図7(a)参照)。
次に、フランジ付き軸部材の第2の実施形態を図6に基づいて説明する。図6に示す各図のうち、(a)図は軸状部材20の斜視図を、(b)は軸部材2の斜視図を、(c)は軸部材2の縦断面図をそれぞれ示す。この軸部材2は、第1の実施形態で述べた軸部材と同様に、金属製の軸状部材20をインサート部品として、樹脂を射出成形(インサート成形)することによって形成される。この場合もフランジ部2bの少なくとも何れか一方の端面に動圧溝17、18を形成することができ、また、フランジ部2bの下側端面2b2の軸心に凹部15を形成することができる。
この実施形態の軸部材2は、軸状部材20に設けた軸方向の孔13が軸状部材20を貫通している点で、軸方向孔13を有底状とした第1の実施形態の軸部材2と異なる。軸方向孔13の内周には、その全長にわたって連結部11が形成されるが、必ずしも軸状部材20の軸方向全長にわたって連続させる必要はなく、一端側と他端側に分離した連結部11を設けることもできる。連結部11として図3に示す各種の形態を採ることが可能であるが、図6(a)(b)に示すように、ねじ溝21を用いるのが最も容易で且つ安価な方法である。
図7に第1の実施形態の軸部材2(a図)と第2の実施形態の軸部材2(b図)の縦断面図をそれぞれ表す。図示のように、第1の実施形態の軸部材2(a図)の場合、フランジ部2bに連なって軸方向孔13に充填された樹脂部分19の容積が第2の実施形態の軸部材2よりも少なくなるので、固化後のヒケによりフランジ部2bが湾曲し(b図参照。但し湾曲の程度は誇張している)、平面度が損なわれる可能性が少ないという利点を有する。一方、第2の実施形態の軸部材2(b図)は、第1の実施形態の軸部材2に比べて軽量化でき、かつ連結部11のを軸方向に長く形成できるので連結強度を向上させることができるという利点を有する。
次に、第3〜5の実施形態にかかるフランジ付き軸部材2を図8〜10に基づいて説明する。図8〜10の各図において、(a)図は軸状部材20の斜視図を、(b)図はフランジ付き軸部材2の斜視図を、(c)図はフランジ付き軸部材2の縦断面図をそれぞれ表す。この軸部材2は、抜け止め機能および回り止め機能を有する連結部11を金属製の軸状部材20の外周に形成した点で、軸状部材20の軸方向孔13の内周に連結部11を形成した第1および第2の実施形態と異なる。何れの軸部材2も、中実の軸状部材20をアウトサート部品として、樹脂を射出成形することにより(アウトサート成形)、軸部2aとフランジ部2bが一体に成形される。この各実施形態においても、フランジ部2bの少なくとも何れか一方の端面に動圧溝17、18を形成することができ、また、フランジ部2bの下側端面2b2の軸心に凹部15を形成することができる。
図8に示す第3の実施形態の軸部材2は、金属製の軸状部材20の外周に連結部11を設けたもので、連結部11は、円周方向の溝26と、この溝26の少なくとも一箇所以上に設けた軸方向の突条27とで構成される。これにより、フランジ部2bをアウトサート成形した際には、円周方向溝26が抜け止め機能を発揮し、突条27が回り止め機能を発揮する。
図9に示す第4の実施形態の軸部材2は、中実金属製の軸状部材20の一端部に、軸状部材20の本体よりも小径の突出部28を軸方向に設け、この突出部28の外周に抜け止め及び回り止め機能を有する連結部11を形成したもので、連結部11は、突出部28の外周面に設けた軸方向の溝31と円周方向の溝32とで構成されている。この場合、軸部材2のアウトサート成形後は、軸方向溝31が回り止め機能を発揮し、円周方向溝32が抜け止め機能を発揮する。
図10に示す第5の実施形態の軸部材2は、第4の実施形態と同様に、金属製の軸状部材20の一端部に、軸方向に突出する小径の突出部28を設け、この突出部28の外周に抜け止め及び回り止め機能を有する連結部11を形成したものである。この連結部11は、軸方向の蟻溝34で構成される。蟻溝34は、図示のように一端側に向かって溝幅を次第に狭めるか、又は図示は省略するが、溝の深さを次第に浅くして形成される。この場合、軸部材2のアウトサート形成後は、軸方向に延びる蟻溝34により回り止め機能が得られる。また、蟻溝34が軸部2aとフランジ部2bとの間に作用する軸方向の離反力に対して蟻溝34が樹脂部分19と楔係合するので、抜け止め機能も得られる。
第3〜第5の実施形態として例示した何れの軸部材2でも、軸部2aとフランジ部2bは抜き方向及び回転方向の双方で強固に固着される。また、アウトサート成形により軸部2aとフランジ部2bとを一体成形しているので、ねじ止めや圧入などの両部材同士の固着作業が不要になると共に、均質な製品を量産することが可能であり、これによって製品の歩留まりを向上し且つコストの低減を図ることができる。
動圧軸受装置を搭載したスピンドルモータの断面図である。 動圧軸受装置に使用される軸部材を示す図であって、(a)図はフランジ側を上にした斜視図、(b)図は軸部側を上にした斜視図、(c)図は縦断面図である。 軸部材に設ける連結部の各種形態を斜視図で示す。 軸部材をインサート成形する際の概略工程を示す断面図である。 フランジ部端面に動圧溝を形成した軸部材を示す図で、(a)図はフランジ部側から見た斜視図、(b)図は軸部側から見た斜視図である。 軸部材の第2の実施形態を示す図であって、(a)図は軸状部材の斜視図、(b)図は軸部材の斜視図、(c)図は軸部材の縦断面図である。 第一の実施形態および第二の実施形態にかかる軸部材を比較説明する断面図である。 軸部材の第3の実施形態を示す図であって、(a)図は軸状部材の斜視図、(b)図は軸部材の斜視図、(c)図は軸部材の縦断面図である。 軸部材の第4の実施形態を示す図であって、(a)図は軸状部材の斜視図、(b)図は軸部材の斜視図、(c)図は軸部材の縦断面図である。 軸部材の第5の実施形態を示す図であって、(a)図は軸状部材の斜視図、(b)図は軸部材の斜視図、(c)図は軸部材の縦断面図である。
符号の説明
1 動圧軸受装置
2 軸部材
2a 軸部
2b フランジ部
2b1 フランジ部の上側端面
2b2 フランジ部の下側端面
3 ロータハブ
4 コイル
5 マグネット
6 ブラケット
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
9 シール部材
11 連結部
13 孔(軸方向孔)
15 凹部
17・18 動圧溝
19 樹脂部分
20 金属部分(軸状部材)
21 ねじ溝
22 軸方向の溝
23 円周方向の溝
24 蛇行溝
26 円周方向の溝
27 軸方向の突条
28 突出部
31 軸方向の溝
32 円周方向の溝
34 蟻溝
41 金型
42 キャビティ
43 ゲート
44 インサート孔
45 ノックアウトピン
R ラジアル軸受部
T1 第一のスラスト軸受部
T2 第二のスラスト軸受部

Claims (14)

  1. 軸部と軸部の外径側に張り出したフランジ部とを備えた動圧軸受装置用軸部材において、
    少なくとも軸部外周が金属で形成されると共に、その他の部分が樹脂で形成され、軸部材の金属部分の一端部が樹脂に埋設され、かつ金属部分の樹脂に埋設される部分に、抜け止めおよび回り止めを行う連結部を設けたことを特徴とする動圧軸受装置用軸部材。
  2. 軸部材の金属部分の一端部に孔を形成し、この孔の内周面に連結部を形成した請求項1記載の動圧軸受装置用軸部材。
  3. 孔が有底状である請求項2記載の動圧軸受装置用軸部材。
  4. 孔が金属部分を軸方向に貫通している請求項2記載の動圧軸受装置用軸部材。
  5. 軸部材の金属部分の外周に連結部を形成した請求項1記載の動圧軸受装置用軸部材。
  6. 連結部が、軸方向に対して傾斜した溝または突条である請求項2または5記載の動圧軸受装置用軸部材。
  7. 連結部が、軸方向の溝もしくは突条の何れか一方と、円周方向の溝もしくは突条の何れか一方とからなる請求項2または5記載の動圧軸受装置用軸部材。
  8. 連結部が、軸部とフランジ部との間に作用する軸方向の離反力で樹脂と楔係合する軸方向の溝もしくは突条である請求項2または5記載の動圧軸受装置用軸部材。
  9. フランジ部の少なくとも一方の端面に動圧溝を設けた請求項1〜8いずれか記載の動圧軸受装置用軸部材。
  10. 金属部分をインサート部品あるいはアウトサート部品として樹脂で射出成形された請求項1〜9いずれか記載の動圧軸受装置用軸部材。
  11. 金属部分の一端部を覆う樹脂部に対向させたゲートから樹脂を射出した請求項10記載の動圧軸受装置用軸部材。
  12. ゲートを軸部材の軸心に設けた請求項11記載の動圧軸受装置用軸部材。
  13. 前記樹脂部に凹部を設け、この凹部に対向するゲートから樹脂を射出した請求項11記載の動圧軸受装置用軸部材。
  14. フランジ部の動圧溝が、動圧溝形状に対応した溝型を用いてフランジ部と同時に射出成形されている請求項10記載の動圧軸受装置用軸部材。
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