JP2005336453A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

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正浩 梶川
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哲 岸上
Takashi Mukai
隆 向井
Hideyo Tsukaguchi
英世 塚口
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Abstract

【課題】
本発明が解決しようとする課題は、塗膜形成時に発生するホルムアルデヒドを十分に捕捉し、大気中への放散を防止できる塗料用樹脂組成物を提供することである。
【解決手段】
本発明は、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有し、且つ、不飽和結合を有する樹脂(A)、金属ドライヤー(B)及び有機溶剤(C)を含有してなり、前記樹脂(A)が、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有するビニル重合体からなる側鎖を有し、且つ不飽和結合を有するアルキド樹脂、又はアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有する不飽和脂肪酸変性ビニル系樹脂であることを特徴とする塗料用樹脂組成物である。
【選択図】 なし


Description

本発明は、建築内外装用途をはじめ各種用途の塗料として使用でき、塗膜形成時に発生するホルムアルデヒドを捕捉し、大気中への放散を防止できる酸化重合型の塗料用樹脂組成物に関する。
不飽和結合を有する樹脂、金属ドライヤー及び有機溶剤を含有してなる塗料は、前記不飽和結合の架橋反応によって硬化塗膜を形成する、いわゆる一液型の塗料である。現在、前記一液型の塗料として市場に流通しているものの多くは溶剤系であり、主に水の影響を受けやすい用途、例えば建築内外装用塗料として使用されている。
しかし、前記塗料は、その詳細なメカニズムは定かでないが、塗膜を形成する際にホルムアルデヒドを発生させるという固有の問題を有している。ホルムアルデヒドは強い刺激臭、催涙性を有することから、前記塗料を、例えば密閉性の高い室内の内装等に使用することは好まれない。
また、ホルムアルデヒドの人体に対する悪影響が問題視されているなかで、塗膜から大気中に放散されるホルムアルデヒドの排出量が、2003年7月から建築基準法によって規制されるようになり、特定の樹脂等を含有する塗料は、ホルムアルデヒドの排出量に応じて塗装面積等が規制されることになった。一方、特定の樹脂等を含有しない塗料は、かかる規制の対象外であるものの、前記一液型の塗料のようにホルムアルデヒドを発生させる塗料は存在する。そこで、日本塗料工業会では、前記規制対象外の塗料を使用するにあたり、ホルムアルデヒド放出量が低レベルであることの担保として、ホルムアルデヒド放出量の自主基準を策定している。かかる自主基準においてホルムアルデヒド排出量の最も少ない基準である、「F☆☆☆☆」を満足しうる塗料の開発が産業界から求められている。なお、前記「F☆☆☆☆」を満足しうる塗料は、JIS A 1460〔建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法−デシケータ法〕に従ってホルムアルデヒドを測定した場合に、その排出量が0.12mg/L以下のものである。
ホルムアルデヒドの放出量の少ない塗膜を形成する方法としては、(1)得られた塗膜を一定期間養生させることで、塗膜中に残存するホルムアルデヒドを減少させる方法、(2)塗膜形成時に高温で加熱することで、得られる塗膜中に残存するホルムアルデヒドを減少させる方法、(3)エチレン尿素等を含有するホルムアルデヒドの吸収・分解剤を使用する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、前記(1)の方法では、得られた塗膜から排出されるホルムアルデヒドの量がその規制値を下回るまでに相当な養生期間を必要とするため、かかる塗料を建築物内装用塗料として使用した場合に、ホルムアルデヒド濃度が低下するまで入室することができず、室内におけるその他の作業を進行させることができないという問題がある。また、建築内外装の塗装は、主に現場施工である為、前記(2)の方法のように、前記塗料を塗装後に加熱して、塗膜中のホルムアルデヒドを強制乾燥させることはできない。また、前記(3)に示すエチレン尿素等を含有するホルムアルデヒドの吸収・分解剤などは、水性塗料の分野において特定の触媒等を使用した場合に発生するホルムアルデヒドを吸収し、大気中への放散を抑制できるものとして知られている。しかしこれらは有機溶剤中に溶解又は安定して分散できない為、溶剤系の前記塗料に使用することは困難である。
以上のように、建築内外装用途に使用できる、前記規制の基準「F☆☆☆☆」のレベルを満足しうる塗料の開発が産業界から要望されているものの、かかる要望を満たしうる塗料は、未だ見出されていない。
特開2004−026881号公報
本発明が解決しようとする課題は、塗膜形成時に発生するホルムアルデヒドを捕捉し、大気中への放散を防止できる塗料用樹脂組成物を提供することである。
本発明者等は、不飽和結合を有する樹脂中に、活性水素原子を有する構造単位を導入すれば、該活性水素原子がホルムアルデヒドと反応することにより正に荷電した前記ホルムアルデヒド中の炭素原子と、前記樹脂とが結合し、ホルムアルデヒドの大気中への排出を防止できると考え鋭意研究を行った。活性水素原子を有する構造単位としてエチレン尿素由来の構造単位を有する樹脂、金属ドライヤー、及び有機溶剤を含有する塗料用樹脂組成物を検討したところ、ホルムアルデヒドの大気中への放散を十分なレベルにまで抑制することができなかった。その後も、活性水素原子を有する各種構造単位の検討を進めた結果、特にアセトアセトキシエチルメタアクリレート又はアセトアセトキシエチルアクリレート由来の構造単位を有する樹脂、金属ドライヤー、及び有機溶剤を含有する塗料用樹脂組成物によれば、塗膜形成時に発生するホルムアルデヒドを十分に捕捉でき、ホルムアルデヒドの大気中への放散を防止できることを見出した。
すなわち、本発明は、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有し、且つ、不飽和結合を有する樹脂(A)、金属ドライヤー(B)及び有機溶剤(C)を含有することを特徴とする塗料用樹脂組成物に関するものであり、好ましくは、前記樹脂(A)が、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有するビニル重合体からなる側鎖を有し、且つ、不飽和結合を有するアルキド樹脂であり、好ましくは、前記樹脂(A)が、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有する不飽和脂肪酸変性ビニル系樹脂であり、好ましくは前記樹脂(A)に対する、前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位の割合が0.1〜15重量%の範囲である塗料用樹脂組成物に関するものである。
本発明の塗料用樹脂組成物によれば、得られる塗膜からホルムアルデヒドが放散することを防止することができる。
本発明のアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有し、且つ、不飽和結合を有する樹脂(A)、金属ドライヤー(B)、及び有機溶剤(C)を含有する塗料用樹脂組成物は、前記樹脂(A)の有する不飽和結合の酸化重合反応によって架橋反応が進行し、塗膜を形成することができる。
前記樹脂(A)中に含まれるアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位は、活性水素原子を有している。かかる活性水素原子は前記樹脂(A)から比較的脱離しやすく、脱離した活性水素原子は塗膜形成時に発生したホルムアルデヒドの分子と反応し、該分子を正に荷電させていると考えられる。正に荷電したホルムアルデヒドの分子は、活性水素原子が脱離して負に荷電した前記樹脂(A)と付加反応することによって、ホルムアルデヒドの大気中への放散を防止していると考えられる。
前記樹脂(A)としては、例えばアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有するビニル重合体からなる側鎖を有し、且つ不飽和結合を有するアルキド樹脂(a1)や、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有する不飽和脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2)などを使用することができる。なかでも、前記樹脂(A)中における前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位の割合が多い方が、耐酸性及び耐アルカリ性等に優れた塗膜を形成できることから好ましい。
前記アルキド樹脂(a1)は、例えば、(4)不飽和結合を有するアルキド樹脂の有機溶剤溶液に、下記一般式(I)で示されるアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート及びラジカル重合開始剤を滴下、加熱することで、前記アルキド樹脂の有する不飽和結合の一部にビニル単量体をグラフト重合させる方法や、(5)アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位及び水酸基を有するビニル重合体と、不飽和結合及びカルボキシル基を有するアルキド樹脂とを別々に製造し、それらをエステル化反応させる方法で製造できるが、前記(4)に記載の方法で製造することが好ましい。
Figure 2005336453
(ここで、Rはメチル基又は水素原子を示す。)
前記(4)に記載の方法で使用する前記不飽和結合を有するアルキド樹脂は、多価アルコール、多価カルボン酸及び不飽和脂肪酸等を周知慣用の方法でエステル化反応させることで製造することができる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールまたはソルビトール等を使用することができる。
前記多価カルボン酸としては、例えば(無水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、テトラクロロ(無水)フタル酸、ヘキサクロロ(無水)フタル酸、テトラブロモ(無水)フタル酸、トリメリット酸、「ハイミック酸」[日立化成工業(株)製品;「ハイミック酸」は同社の登録商標である。]、(無水)こはく酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、アジピン酸、セバチン酸またはしゅう酸等を使用することができる。また、前記多価カルボン酸には、本発明の目的を達成する範囲内で安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸等の1価のカルボン酸を併用することができる。
前記不飽和脂肪酸としては、例えば(半)乾性油脂肪酸を使用することができる。ここで(半)乾性油脂肪酸とは、一般的に100以上のヨウ素価を有するものであり、具体的にはオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸もしくはリシノール酸等や;「パモリン 200もしくは300」(アメリカ国ハーキュレス社製の合成乾性油脂肪酸)、支那桐油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、トール油脂肪酸、綿実油脂肪酸、大豆油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、ひまし油脂肪酸または米糠油脂肪酸等が挙げられる。なかでも、架橋性に優れ、得られる塗膜の着色を防止することのできる脱水ひまし油脂肪酸を使用することが好ましい。
前記(4)に記載した方法で使用するビニル単量体としては、必須成分である前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートの他に、それらと共重合可能なその他のビニル単量体を併用して使用することができる。かかるその他のビニル単量体としては、例えば以下に示す(イ)〜(ル)等が挙げられる。
(イ)スチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、又はp−tert−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;
(ロ)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート又はラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート;イソステアリル(メタ)アクリレート;ベヘニル(メタ)アクリレートや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート又はイソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、具体的には「アクリエステル SL」[三菱レーヨン(株)製の、炭素原子数が12のメタクリレートと炭素原子数が13のメタクリレート混合物の商品名]等の側鎖に官能基を含有しない(メタ)アクリレート;
(ハ)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート又はモノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレートをはじめ、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート又はこれらとε−カプロラクトンとの付加物、「プラクセル FMないしはFAモノマー」[ダイセル化学(株)製の、カプロラクトン付加モノマーの商品名]等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類等の水酸基含有(メタ)アクリレート;
(ニ)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸もしくはシトラコン酸等の不飽和モノ−又はジカルボン酸、フマル酸モノエチル、マレイン酸モノブチル等のジカルボン酸モノエステル;
(ホ)ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートもしくはジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドもしくはアルコキシ化N−メチロール化(メタ)アクリルアミド等のアミド結合含有ビニル単量体類;
(ヘ)メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートもしくはメトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;
(ト)ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレートもしくはジブチルイタコネート等の、マレイン酸、フマル酸又はイタコン酸等のジカルボン酸と1価アルコールとのジエステル;
(チ)酢酸ビニル、安息香酸ビニル又は「ベオバ」〔オランダ国シェル社製の、分岐状(分枝状)脂肪族モノカルボン酸類のビニルエステルの商品名〕等のビニルエステル;
(リ)「ビスコート 3F、3FM、8F、8FMもしくは17FM」[大阪有機化学(株)製の、含フッ素系アクリルモノマー類の商品名]、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジ−パーフルオロシクロヘキシルフマレートもしくはN−i−プロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドエチル(メタ)アクリレート等の(パー)フルオロアルキル基含有ビニルエステル、(パー)フルオロアルキル基含有ビニルエーテル、(パー)フルオロアルキル基含有(メタ)アクリレート及び(パー)フルオロアルキル基含有不飽和ポリカルボン酸エステル;
(ヌ)ジアルキル〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕ホスフェートまたは(メタ)アクリロイルオキシアルキルアシッドホスフェート、ジアルキル〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕ホスファイト又は(メタ)アクリロイルオキシアルキルアシッドホスファイト等の燐原子含有ビニル単量体;
(ル)グリシジル(メタ)アクリレート、(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレート又は(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有ビニル単量体。
前記その他のビニル単量体としては、スチレン、i−ブチル(メタ)アクリレート、及びメチル(メタ)アクリレートを、前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートと併用して使用すれば、得られる前記アルキド樹脂(a1)の、後述する脂肪族炭化水素溶剤、いわゆる「弱溶剤」への溶解性を向上できるため好ましい。
前記(4)に記載の方法で使用できるラジカル重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドまたはo,o−tert−o−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)モノパーオキシカーボネート等が挙げられ、これらを単独で使用する又は2種以上を併用して使用することができる。
前記アルキド樹脂(a1)は、例えば前記周知慣用の方法で得られた前記不飽和結合を有するアルキド樹脂の有機溶剤溶液を80〜100℃の温度範囲内に調整し、次いで前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、前記ラジカル重合開始剤及び必要に応じて前記その他のビニル単量体を滴下し、約20時間反応させる溶液重合法により製造することができる。このとき、不飽和結合を有するアルキド樹脂を溶解させる際に使用する有機溶剤としては、後述する有機溶剤(C)を使用することが好ましい。
前記(5)に記載の方法で使用する不飽和結合を有し、且つカルボキシル基を有するアルキド樹脂は、前記(4)に記載の方法で使用できるものとして記載した多価アルコール及び多価カルボン酸と同様のものをエステル化反応させることで製造することができる。
前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位及び水酸基を有するビニル重合体は、例えば前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート及び必要に応じて前記その他のビニル単量体を、有機溶剤中でラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合法によりラジカル重合させることで製造することができる。
前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位及び水酸基を有するビニル重合体は、例えば前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートと、水酸基を有するビニル単量体と、前記その他のビニル単量体とを重合させて得られる共重合体である。
前記水酸基を有するビニル単量体としては、例えば前記(4)の方法で使用できるものとして例示した(ハ)に属するビニル単量体を使用することができる。
前記ラジカル重合開始剤としては、前記(4)の方法で使用できるものとして例示したラジカル重合開始剤と同様のものを使用することができる。
次に、前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有する不飽和脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2)について説明する。
前記不飽和脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2)は、ビニル系樹脂の側鎖に不飽和結合を有する脂肪酸由来の構造を有している。
前記不飽和脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2)は、例えば前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和結合を有するグリシジルエステルと、必要に応じてその他のビニル単量体とを共重合させて得られるビニル系樹脂と、不飽和脂肪酸とを反応させることで製造することができる。
前記エチレン性不飽和結合を有するグリシジルエステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタアクリレート、アリルグリシジルエステル、メタアリルグリシジルエステル等を使用することができる。
前記不飽和脂肪酸としては、例えば(半)乾性油脂肪酸が挙げられる。より具体的には「パモリン 200もしくは300」(アメリカ国ハーキュレス社製の合成乾性油脂肪酸)、支那桐油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、トール油脂肪酸、綿実油脂肪酸、大豆油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、ひまし油脂肪酸または米糠油脂肪酸等が挙げられる。前記不飽和脂肪酸は、前記ビニル系樹脂100重量部に対して5〜20重量部を反応させることが好ましい。かかる範囲内の不飽和脂肪酸を反応させることによって、得られる塗膜の耐候性、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性を向上させることができる。
前記ビニル系樹脂は、例えば前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートと前記エチレン性不飽和結合を有するグリシジルエステル、必要に応じて前記ビニル単量体として例示した(イ)〜(ル)のものを周知慣用の方法で共重合させることで製造できるが、その際、後述する有機溶剤(C)中でラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合法により製造する方法が好ましい。
かくして得られるアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有し、且つ不飽和結合を有する樹脂(A)は、該樹脂(A)に対してアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を0.1〜15重量%の範囲内で有することが好ましく、0.1〜10重量%の範囲内で有することがより好ましく、0.1〜5重量%の範囲内で有することが更に好ましい。かかる範囲内に調整することで、ホルムアルデヒドの大気中への放散を防止でき、且つ得られる塗膜の耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性の低下を抑制することができる。
また、本発明の塗料用樹脂組成物にアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有さない樹脂を併用して使用する場合には、前記樹脂(A)としてアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位の前記重量割合が概ね10〜20重量%の範囲内である樹脂を使用することが好ましい。
前記樹脂(A)は、後述する有機溶剤(C)への溶解性、及び乾燥塗膜の柔軟性を向上させるうえで2000〜20000の数平均分子量を有するものが好ましく3000〜10000を有するものがより好ましい。
次に、本発明で使用する金属ドライヤー(B)について説明する。
本発明で使用する金属ドライヤー(B)は、前記樹脂(A)を酸化重合させる際に必要な触媒である。
前記金属ドライヤー(B)としては、例えばナフテン酸コバルト(金属含有量6重量%)、ナフテン酸鉛(金属含有量24重量%)、ナフテン酸マンガン(金属含有量8重量%)、ナフテン酸カルシウム(金属含有量3重量%)、ナフテン酸ジルコニウム(金属含有量6重量%)、オクチル酸コバルト(金属含有量8重量%)、オクチル酸マンガン(金属含有量8重量%)、オクチル酸亜鉛(金属含有量8重量%)、オクチル酸ジルコニウム(金属含有量12重量%)、オクチル酸カルシウム(金属含有量4重量%)等があり、具体的には高活性ドライヤー「ディックネート1000」〔大日本インキ化学工業株式会社製〕等を使用することができる。
前記金属ドライヤー(B)は、前記樹脂(A)100重量部に対する金属ドライヤー(B)中の金属の合計モル量が、0.0001〜0.005モルの範囲内になる量だけ使用することが好ましく、0.0002〜0.003モルの範囲内で使用することがより好ましい。これにより、得られる塗膜の耐水性を向上でき、且つ得られる塗膜の着色を防止することができる。
前記金属ドライヤー(B)を使用する際には、得られる塗料の表面皮張りを防止するために、酸化防止剤を併用することが好ましく、かかる酸化防止剤としては、メチルエチルケトンオキシム等が挙げられる。
次に、本発明で使用する有機溶剤(C)について説明する。
本発明で使用する有機溶剤(C)としては、特に限定はないが、酸化重合による架橋で塗膜を硬化させるタイプの塗料は、建築、屋根、鉄部用の補修用に使用されることが多いため、いわゆる「弱溶剤」と呼ばれる脂肪族炭化水素溶剤を主体とする有機溶剤を使用することが好ましい。
前記脂肪族炭化水素溶剤を主体とする有機溶剤としては、一般的に『ミネラルスピリット』と呼ばれる高沸点炭化水素溶剤が挙げられ、例えば、「ペガゾール3040」(脂肪族炭化水素溶剤/芳香族炭化水素溶剤=85/15重量比),「ペガゾールAN45」(脂肪族炭化水素溶剤/芳香族炭化水素溶剤=70/30重量比)〔いずれもエクソン・モービル社製〕;「LAWS」(脂肪族炭化水素溶剤/芳香族炭化水素溶剤=70/30重量比),「HAWS」(脂肪族炭化水素溶剤/芳香族炭化水素溶剤=50/50重量比)〔いずれもシェルジャパン社製〕;「ニューソルベント」(脂肪族炭化水素溶剤/芳香族炭化水素溶剤=70/30重量比)〔新日本石油(株)製〕等が挙げられる。
前記有機溶剤(C)としては、前記した以外に脂肪族炭化水素溶剤、脂環族炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤、エステル化溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール溶剤、グリコールエステル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤などを使用することもできる。
前記脂肪族炭化水素溶剤としては、例えば、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、「IPソルベント1016,1620」〔出光石油化学(株)製〕;「アイソパーE、G、H」〔エクソン社製〕;「マルカゾールR」〔丸善石化(株)製〕;「キョーワゾールC−900」〔協和発酵(株)製〕等を使用することができる。
前記脂環族炭化水素溶剤としては、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、「エクソールD30,D40」〔エクソン・モービル社製〕、「シェルゾールD40」〔シェルジャパン社製〕等を使用することができる。
前記芳香族炭化水素溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、「ソルベッソ100,150」〔エクソン・モービル社製〕;「スワゾール1000,1500」〔丸善石化(株)製〕等を使用することができる。
前記エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸(イソ)プロピル、酢酸(イソ)ブチル、酢酸2−エトキシエチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸アミル、エトキシエチルプロピオネート等を使用することができる。
前記ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を使用することができる。
前記エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を使用することができる。
前記アルコール溶剤としては、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、(イソ)ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等を使用することができる。
前記グリコールエステル系溶剤としては、例えばセロソルブアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート等を使用することができる。
前記グリコールエーテル系溶剤としては、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチルセロソルブ;ジエチレングリコールモノブチルエーテル等を使用することができる。
本発明の塗料用樹脂組成物は、前記樹脂(A)、前記金属ドライヤー(B)及び前記有機溶剤(C)を混合、撹拌することによって製造することができる。前記樹脂(A)を前記有機溶剤(C)中で溶液重合法により製造した場合には、前記樹脂(A)の有機溶剤溶液が得られるため、それと前記金属ドライヤー(B)とを混合することでも製造することができる。前記金属ドライヤー(B)は、本発明の塗料用樹脂組成物を含有してなる塗料の貯蔵安定性の観点から、塗料化の直前に、前記樹脂(A)の有機溶剤(C)溶液と混合することが好ましい。
次に、本発明の塗料用樹脂組成物を含有する塗料について説明する。
本発明の前記塗料用樹脂組成物は、各種添加剤と混合することによって塗料として使用することができる。
前記添加剤としては、例えば「Disperbyk−161」、「BYK−P104」[いずれも、ドイツ国ビックケミー社製品]等の顔料分散剤;「BYK−302」[ドイツ国ビックケミー社製品]等のレベリング剤;「BYK−065」[ドイツ国ビックケミー社製品]、「ディスパロン OX−70」[楠本化成(株)社製品]等の消泡剤;「ディスパロン 6820−20M」[楠本化成(株)社製品]等のタレ防止剤;「チヌビン P」、「チヌビン328」[いずれも、スイス国チバ・ガイギー社製品]等の紫外線吸収剤;「チヌビン 770」、「チヌビン765」[いずれも、スイス国チバ・ガイギー社製品]等の光安定剤;防黴剤;ジブチル錫ジラウレート等の硬化促進剤等を、本発明の目的を達成する範囲内で使用することができる。
また、本発明では、補助的架橋剤としてアルミニウム系、ジルコニウム系またはチタニウム系の金属アルコキシド、金属アシレートまたは金属キレート(例えば、「アセトープ」[ホープ製薬(株)製品]、「チタコート」[日本曹達(株)製品]、「プレンアクト」[味の素(株)製品]、「オルガチックス TAシリーズ、TCシリーズ、ZAシリーズ、ZBシリーズ、ZCシリーズ又はALシリーズ」[松本製薬(株)製品]、「AIPD、AMD、ASBDもしくはALCHシリーズ」「アルミキレート A、DもしくはM」[川研ファインケミカル(株)製品]又は「テンカレート TPシリーズ」[テンカポリマー(株)製品]等)を使用することができる。
本発明の塗料には、その性能を改良するという目的で、有機溶剤(C)に可溶な、前記樹脂(A)以外のその他のアクリル系共重合体、アクリル化アルキド樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等を混合して使用することができ、また、可塑剤や低汚染化剤としてシラン化合物の縮合物等などを、本発明の目的を達成する範囲内で使用することもできる。
本発明の塗料用樹脂組成物は、例えば、顔料を使用しないクリヤー塗料、アルミ粉等を分散させたメタリック塗料、顔料を使用した着色塗料として使用することができる。
かかる顔料としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、黄華等の無機顔料;シアニンブルー、シアニングリーン等の有機顔料;炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、タルク、クレー等のいわゆる体質顔料、分散顔料や加工顔料等が挙げられる。前記顔料は、前記樹脂(A)の有機溶剤(C)溶液に、前記金属ドライヤー(B)を混合する際に併せて混合し、例えば、サンドミル、ボールミル、三本ロール、ペイントコンディショナー等公知慣用の機器を用いて混練し、分散させることができる。
本発明の塗料は、各種用途に使用できるが、特に建築内外装用塗料として使用することが好ましい。該塗料の塗装方法としては、例えば、スプレー、刷毛またはローラーなどの公知慣用の方法で、基材に塗装することができる。
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、一層、具体的に説明する。
参考例1〔ビニル重合体からなる側鎖を有する大豆油系長油アルキド樹脂(a1−1)溶液の調製〕
撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、「ベッコゾール P−470−67B」〔大日本インキ化学工業(株)製;不揮発分:67重量%、25℃でのガードナー粘度:Y、酸価:約3、溶剤:「LAWS」の大豆油系長油アルキド樹脂(油長65%)溶液〕の1000重量部を仕込み、100℃まで昇温した後、アセトアセトキシエチルメタクリレート(以下、AAEMと省略。)の13.4重量部、「LAWS」(脂肪族炭化水素溶剤/芳香族炭化水素溶剤=70/30重量比、シェルジャパン社製)の6.6重量部、重合開始剤としてパーブチルO(日本油脂株式会社製、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート)の1重量部を投入し、4時間、100℃で反応させ、大豆油系長油アルキド樹脂の有する不飽和結合の一部にAAEMをグラフト重合させることで、ビニル重合体からなる側鎖を有する大豆油系長油アルキド樹脂(略号「a1−1」、数平均分子量9200)の溶液(不揮発分:67重量%、溶剤:「LAWS」、25℃でのガードナー粘度:Y、酸価:3.0、)を調製した。
参考例2〔ビニル重合体からなる側鎖を有する大豆油系長油アルキド樹脂(a1−2)溶液の調製〕
参考例1と同様の装置に「ベッコゾール P−470−67B」の448重量部と「LAWS」の152重量部を仕込み、120℃に昇温した。次いでスチレン(以下Stと省略。)の200重量部、i−ブチルメタクリレート(以下i−BMAと省略。)の285重量部、AAEMの10重量部、2−エチルヘキシルアクリレート(以下2EHAと省略。)の200重量部、メタアクリル酸(以下MAAと省略。)の5重量部、重合開始剤としてパーブチルOの2重量部と「LAWS」の400重量部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度で8時間保持した後、「LAWS」の300重量部を追加して、ビニル重合体からなる側鎖を有する大豆油系長油アルキド樹脂(略号「a1−2」、数平均分子量9500)溶液(25℃でのガードナー粘度:X−Y、酸価:2.4、溶剤:「LAWS」、不揮発分:50.0重量%、を調製した。
参考例3
参考例1と同様の装置に「ベッコゾール P−470−67B」の448重量部と「LAWS」の152重量部を仕込み、120℃に昇温した。次いでStの200重量部、i−BMAの195重量部、AAEMの200重量部、2EHAの100重量部、MAAの5重量部、重合開始剤としてパーブチルOの2重量部と「LAWS」の400重量部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度で8時間保持した後、「LAWS」の300重量部を追加して、ビニル重合体からなる側鎖を有する大豆油系長油アルキド樹脂(略号「a1−3」、数平均分子量9500)溶液(25℃でのガードナー粘度:Z1−Z2、酸価:2.5、溶剤:「LAWS」、不揮発分:50.1重量%、を調製した。
参考例4〔大豆油系長油アルキド樹脂(a1−4)溶液〕
大豆油系長油アルキド樹脂(a1−4)の溶液として「ベッコゾール P−470−67B」を使用した。
参考例5〔ビニル重合体からなる側鎖を有する大豆油系長油アルキド樹脂(a1−5)溶液の調製〕
参考例1と同様の装置に「ベッコゾール P−470−67B」の448重量部と「LAWS」の152重量部を仕込み、120℃に昇温した。次いでStの200重量部、i−BMAの295重量部、2EHAの200重量部、MAAの5重量部、重合開始剤としてパーブチルOの2重量部と「LAWS」の400重量部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度で8時間保持した後、「LAWS」の300重量部を追加して、ビニル重合体からなる側鎖を有する大豆油系長油アルキド樹脂(略号「a1−5」、数平均分子量7700)の溶液(不揮発分:50.0重量%、25℃でのガードナー粘度:X−Y、酸価:2.4、溶剤:「LAWS」)を調製した。
参考例6〔乾性油脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2−1)溶液の調製〕
参考例1と同様の装置に「LAWS」の300重量部を仕込み、120℃に昇温した。次いでStの250重量部、i−BMAの395重量部、AAEMの5重量部、2EHAの170重量部、グリシジルメタアクリレート(以下GMAと省略。)の80重量部、重合開始剤であるパーブチルOの2重量部と「LAWS」の400重量部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度で4時間保持した後、脱水ひまし油脂肪酸の100重量部と開環触媒である2−メチルイミダゾールの1重量部を添加し同温度で8時間保持した。次いで、「LAWS」の300重量部を追加することで、乾性油脂肪酸変性ビニル系樹脂(略号「a2−1」、数平均分子量4500)の溶液(不揮発分:50.0重量%;25℃でのガードナー粘度:W、酸価:2.0、溶剤:「LAWS」)の溶液を調製した。
参考例7〔乾性油脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2−2)溶液の調製〕
参考例1と同様の装置に「LAWS」の300重量部を仕込み、120℃にまで昇温した。次いで、Stの250重量部、i−BMAの200重量部、AAEMの200重量部、2EHAの170重量部、GMAの80重量部、重合開始剤であるパーブチルOの2重量部と「LAWS」の400重量部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度で4時間保持した後、脱水ひまし油脂肪酸の100重量部と開環触媒である2−メチルイミダゾールの1重量部を添加し同温度で8時間保持した。次いで「LAWS」の300重量部を追加して、乾性油脂肪酸変性ビニル系樹脂(略号「a2−2」、数平均分子量4300)の溶液(不揮発分:50.0重量%、25℃でのガードナー粘度:Z、酸価:1.7、ガードナー色数:1以下、溶剤:「LAWS」)を調製した。
参考例8〔乾性油脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2−3)溶液の調製〕
参考例1と同様の装置に「LAWS」の300重量部を仕込み、120℃にまで昇温した。次いで、Stの250重量部、i−BMAの400重量部、2EHAの170重量部、GMAの80重量部、重合開始剤であるパーブチルOの2重量部と「LAWS」の400重量部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度に4時間保持後、脱水ひまし油脂肪酸の100重量部と開環触媒である2−メチルイミダゾールの1重量部を添加し同温度で8時間保持した後、「LAWS」の300重量部を追加して、乾性油脂肪酸変性ビニル系樹脂(略号「a2−3」、数平均分子量4200)の溶液(不揮発分:50.0重量%、25℃でのガードナー粘度:W、酸価:2.1、ガードナー色数:1以下、溶剤:「LAWS」)を調製した。
実施例1
前記大豆油系長油アルキド樹脂(a1−1)溶液の120重量部と『タイペーク R−930』〔石原産業(株)製 酸化チタン〕の40重量部とをサンドミルで混練した後、25℃におけるストーマー粘度が70KUになるように「LAWS」で調整し、PWC40重量%とした。次に前記大豆油系長油アルキド樹脂(a1−1)100重量部に対して、金属ドライヤーとしてナフテン酸コバルト(金属含有率6重量%)を0.5重量部、オクチル酸ジルコニウム(金属含有率12重量%)を0.5重量部加え、次いで「ディスパロン501」〔楠本化成(株)製メチルエチルケトンオキシム系皮張り防止剤〕を0.5重量部添加し、塗料(WP1)を調製した。
実施例2
大豆油系長油アルキド樹脂(a1−1)溶液の代わりに、前記大豆油系長油アルキド樹脂(a1−2)溶液を使用する以外は、前記実施例1と同様の方法で、塗料(WP2)を調製した。
実施例3
大豆油系長油アルキド樹脂(a1−1)溶液の代わりに、前記大豆油系長油アルキド樹脂(a1−3)溶液を使用する以外は、前記実施例1と同様の方法で、塗料(WP3)を調製した。
比較例1
大豆油系長油アルキド樹脂(a1−1)溶液の代わりに、前記大豆油系長油アルキド樹脂(a1−4)溶液を使用する以外は、前記実施例1と同様の方法で、塗料(WP4)を調製した。
比較例2
大豆油系長油アルキド樹脂(a1−1)溶液の代わりに、前記大豆油系長油アルキド樹脂(a1−5)溶液を使用する以外は、前記実施例1と同様の方法で、塗料(WP5)を調製した。
比較例3
比較例2で調製した塗料(WP5)にホルマリンキャッチャー剤としてリケンレヂンC−70(三木理研(株)製)を、前記塗料(WP5)中に含まれる大豆油系長油アルキド樹脂(a1−5)溶液100重量部に対して10重量部を混合して塗料(WP6)を調製した。
実施例4
大豆油系長油アルキド樹脂(a1−1)溶液の代わりに、前記乾性油脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2−1)溶液を使用する以外は、前記実施例1と同様の方法で、塗料(WP7)を調製した。
実施例5
大豆油系長油アルキド樹脂(a1−1)溶液の代わりに、前記乾性油脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2−2)溶液を使用する以外は、前記実施例1と同様の方法で、塗料(WP8)を調製した。
比較例4
大豆油系長油アルキド樹脂(a1−1)溶液の代わりに、前記乾性油脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2−3)溶液を使用する以外は、前記実施例1と同様の方法で、塗料(WP9)を調製した。
比較例5
比較例4で調製した塗料(WP9)にホルマリンキャチャー剤としてリケンレヂンC−70(三木理研(株)製)を、前記塗料(WP9)中に含まれる前記乾性油脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2−3)溶液100重量部に対して10重量部混合して塗料(WP10)を調製した。
Figure 2005336453
Figure 2005336453
指触乾燥性:前記塗料WP1〜10を脱脂軟鋼板上に6milのアプリケーターを用いて塗膜を作成し、指触にて指紋痕跡が付かなくなるまでの時間を測定した。
塗板の作製
前記塗料WP1〜10を脱脂軟鋼板にそれぞれ150g/m刷毛塗りし、1週間常温乾燥後させることで塗板を作成した。得られた塗板を用いて後述する一次塗膜性能評価を行った。得られた結果を表1にまとめた。
耐酸性:前記塗板を5重量%の硫酸中に24時間浸漬した後、塗膜表面を水洗いし、乾燥後の塗膜表面を目視で評価した。
耐アルカリ性:前記塗板を5重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に24時間浸漬した後、塗膜表面を水洗し、乾燥後の塗膜表面を目視で評価した。
耐酸性及び耐アルカリ性の評価基準
◎ :変化なし。
○ :表面に軽微な黄変もしくはブリスタあり。
△ :表面に問題となる程度の黄変もしくはブリスタあり。
× :表面が剥離。
耐水性:前記塗板を水中に1日間浸漬し、引き上げた後の塗膜のフクレ、ブリスタの状態を評価した。
耐水性の評価基準
○ :フクレ、ブリスタなし。
△ :直径5mm以下のフクレ、ブリスタあり。
× :直径5mm以上のフクレ、ブリスタあり、又は塗膜のハガレあり。
鏡面光沢度:JIS K 5600−4−7に基づき前記塗板の塗膜の60度鏡面反射率(%)を測定した。
引っかき硬度(鉛筆法):前記塗板の塗膜の引っかき硬度をJIS K−5600−5−4に基づいて評価した。
エリクセン:エリクセン試験機で前記塗板の基材に力を加え、剥離するまでの押し出し長さ(mm)を測定した。
SWOM(サンシャインウェザオメータ試験): 前記塗料WP1〜10をクロメート処理したアルミ板にそれぞれ150g/m刷毛塗りし、1週間常温乾燥後、1サイクル120分(102分間の光照射と18分間の降雨)の試験条件で500時間後の60度光沢保持率、1000時間後60度光沢保持率を測定した。
ホルムアルデヒド検出量:前記15cm×15cmの大きさのガラス板2枚に前記塗料をそれぞれ塗布し、7日間経過後に、JIS A 1460〔建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法−デシケータ法〕に従って測定した値である。検出量が0.12mg/L以下であればF☆☆☆☆、0.12を越え0.35mg/L以下ならF☆☆☆と規定されている(社団法人 日本塗料工業会 判定基準)。

Claims (5)

  1. アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有し、且つ不飽和結合を有する樹脂(A)、金属ドライヤー(B)、及び有機溶剤(C)を含有してなる塗料用樹脂組成物。
  2. 前記樹脂(A)が、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有するビニル重合体からなる側鎖を有し、且つ不飽和結合を有するアルキド樹脂(a1)である、請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
  3. 前記樹脂(A)が、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位を有する不飽和脂肪酸変性ビニル系樹脂(a2)である、請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
  4. 前記樹脂(A)に対する、前記アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート由来の構造単位の重量割合が0.1〜15重量%の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用樹脂組成物を含有してなる塗料。

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