JP2003268297A - 塗料組成物および塗膜形成方法 - Google Patents

塗料組成物および塗膜形成方法

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JP2003268297A
JP2003268297A JP2002070088A JP2002070088A JP2003268297A JP 2003268297 A JP2003268297 A JP 2003268297A JP 2002070088 A JP2002070088 A JP 2002070088A JP 2002070088 A JP2002070088 A JP 2002070088A JP 2003268297 A JP2003268297 A JP 2003268297A
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solvent
coating composition
acrylic resin
coating
meth
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JP2002070088A
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English (en)
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Koji Tokunaga
幸次 徳永
Satoru Kishigami
哲 岸上
Takashi Mukai
隆 向井
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料重量濃度が、従来の艶有り塗料のそれと
同程度の比較的低顔料濃度であっても、耐候性に優れ、
艶ムラが発生しにくい弱溶剤型でアクリル系の艶消し塗
料を提供すること。 【解決手段】 アクリル系樹脂、ポリエチレン粒子、顔
料および脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤
を含んでなる組成物であって、該アクリル系樹脂が該有
機溶剤中に分散または溶解した状態で存在し、該ポリエ
チレン粒子が該有機溶剤中に分散相として存在し、顔料
の含有量が全固形分中の10〜50重量%であって、さ
らに得られる塗膜のJIS K5400の規定に基づく
20度鏡面光沢度が25以下であることを特徴とする塗
料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築内外装用の上
塗りとして用いられる脂肪族系炭化水素溶剤を主体とす
る有機溶剤系の艶消しアクリル系塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の補修用塗料の市場が益々増大し
ているが、その用途において、従来のエマルジョン塗料
にはなかった、冬場での良好な作業性、耐候性、良好な
塗膜物性を有し、また、従来のアルキド塗料にはなかっ
た、耐アルカリ性、耐候性、速乾性を併せ持ち、かつ、
塗装作業性が良好で、毒性の少ない脂肪族系炭化水素溶
剤を主成分とする有機溶剤に溶解または分散させたビニ
ル系樹脂、とりわけ、アクリル系樹脂をバインダーとす
る、いわゆる弱溶剤型アクリル系塗料が急伸している。
【0003】なかでも、このようなアクリル系樹脂中に
水酸基を導入し、ポリイソシアネート化合物で硬化させ
る、いわゆる弱溶剤型のアクリルウレタン塗料は、旧塗
膜が耐溶剤性が悪い塗膜であっても旧塗膜を侵さない
し、また、硬化塗膜は耐候性、耐水性、耐薬品性等の塗
膜性能が良好で、かつ、耐溶剤性も良好であるために次
回その上にいかなる塗料で補修されても塗膜欠陥を生じ
ないという、補修塗料に求められる性能を好適に具備し
ているために、その需要は近年益々拡大している。
【0004】そのような状況の中、建築補修市場の動向
のひとつとして艶消し塗料に対する要望が強まってき
た。これは新築用壁材や屋根材の艶消し指向化に伴う補
修用塗料の追従という自然の流れもあるし、建築内外装
や屋根の塗り替え時に、上品さや落ち着いた感じが得ら
れる艶消し塗料に対する消費者の嗜好が強まっているこ
とにも起因している。
【0005】ところが、従来の艶消し塗料は、顔料濃度
を顔料重量濃度(以下、PWCと略記する。)で約65
%以上と高く設計することによって艶を低下させる手法
により得られる場合が一般的で、その手法による塗膜は
耐候性が悪い(すなわち、『チョーキング』と呼ばれる
粉吹き状態になりやすい。)とか、膜厚の差によって艶
ムラを発生しやすいとかの不具合を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上述した従来技術の問題点を解決し、PW
Cが従来の艶有り塗料のそれと同程度、すなわちPWC
10〜50%という比較的低顔料濃度であっても、耐候
性に優れ、艶ムラが発生しにくい弱溶剤型でアクリル系
の艶消し塗料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明者ら、現在、建築補修用塗料市場で急伸し
ている上述した弱溶剤型アクリル系塗料にターゲットを
絞り、従来の艶有り塗料で一般的なPWCである10〜
50%という比較的低顔料濃度で、耐候性が良好で艶ム
ラが発生しにくい艶消し塗料、具体的には、JIS K
5400の規定に基づく20度鏡面光沢度の目標値が2
5以下の塗膜を得ることを目的に鋭意検討を進めた。
【0008】まず、我々は従来の溶剤系艶消し塗料で用
いられている合成微粉状シリカによる艶消し塗料の設計
を試みたが、PWC10〜50%で20度鏡面光沢度が
25以下の塗膜を得るためには、合成微粉状シリカを全
顔料中の20%より多く配合しないと達成することが困
難であり、加えて、かくして得られた塗料はチクソ性が
高すぎることから塗料化および濾過時の作業性が非常に
悪く実用的でなく、さらに得られた塗膜は膜厚の違いに
よって艶ムラを生じやすいものであった。
【0009】そこで、我々はポリエチレン粒子の脂肪族
系炭化水素溶剤への分散体を弱溶剤系アクリル系塗料に
特定量配合することにより、PWC10〜50%で20
度鏡面光沢度が25以下の塗膜が得られ、塗料化、濾過
作業性が問題なく、艶ムラを生じにくい、また耐候性も
良好な塗料が得られることを見いだした。
【0010】これに加えて、合成微粉状シリカやアクリ
ル系非水ディスパージョン樹脂(以下、NADとも呼
称)を利用すれば、20度鏡面光沢度が25以下の範囲
で光沢を自由に制御できることを見いだし、さらには、
得られる塗料をポリイソシアネート化合物で硬化させた
場合にも、効果は何ら損なわれないことをも見いだし、
本発明を完成するに到った。
【0011】すなわち、本発明は、アクリル系樹脂、ポ
リエチレン粒子、顔料および脂肪族系炭化水素溶剤を主
成分とする有機溶剤を含んでなる組成物であって、該ア
クリル系樹脂が該有機溶剤中に分散または溶解した状態
で存在し、該ポリエチレン粒子が該有機溶剤中に分散相
として存在し、顔料の含有量が全固形分中の10〜50
重量%であって、さらに得られる塗膜のJIS K54
00の規定に基づく20度鏡面光沢度が25以下である
ことを特徴とする塗料組成物、あるいは該アクリル系樹
脂が水酸基を有するものであり、さらにポリイソシアネ
ート化合物をも含む塗料組成物を提供するものである。
【0012】また、本発明は、被塗物上に上記の塗料組
成物を塗布し硬化させることを特徴する塗膜形成方法、
及び当該塗膜形成方法により塗膜が形成された塗装物を
提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づいて詳細に説明する。 (1)脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤 脂肪族系炭化水素系溶剤としては、n−ヘキサン、n−
ヘプタンなどの脂肪族炭化水素単独の有機溶剤、脂肪族
炭化水素と脂環族炭化水素との混合溶剤、あるいは脂肪
族炭化水素と芳香族炭化水素との混合溶剤を使用するこ
とができる。
【0014】これらの市販品を例示すれば、「マルカゾ
ール RもしくはE」または「スワゾール310」[共
に、丸善石油(株)製品];「LAWS」、「HAW
S」または「シェルゾール 70もしくは71」(共
に、オランダ国シェル社製品);「ダイアナ・ソルベン
ト No.0もしくはNo.1」[出光興産(株)製
品]、「IPソルベント 1016、1020もしくは
1620」[同上];「シェルゾール D−40」(オ
ランダ国シェル社製品);「Aソルベント」、「Kソル
ベント」または「AFソルベント」[共に、日本石油
(株)製品];あるいは「エクソンナフサ No.3、
No.5もしくはNo.6」、「エクソール D−3
0、D−40、D−60もしくはD−70」または「ア
イソパー C、E、GもしくはH」[エクソン化学
(株)製品]などが挙げられ、単独使用でも、2種以上
の併用でもよい。
【0015】さらに、粘度、揮発性、分散凝集化、タレ
性あるいは静電塗装性などを調整するために、アクリル
系樹脂および塗料の安定性、塗装作業性等を損なわない
範囲で脂肪族炭化水素系溶剤以外の非水系溶剤も併用で
きる。
【0016】かかる併用可能な非水系溶剤としては、ト
ルエン、キシレン、「ソルベッソ100、エクソン化学
(株)製品」等のような芳香族系炭化水素溶剤類;酢酸
エチル、酢酸ブチル等のような酢酸エステル系溶剤類;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のよう
なケトン系溶剤;プロピレングリコールエーテル系溶剤
類、プロピレングリコールエーテルエステル系溶剤類ま
たはエトキシエチルプロピオネートなどが挙げられる
が、脂肪族炭化水素系溶剤以外の溶剤がある程度以上含
まれると、市場で拡販されている酢ビ−アクリル系塗
料、弾性一液アクリル系塗料、アルキド系塗料に代表さ
れる耐溶剤性が悪い塗料が旧塗膜である場合の補修の
際、リフティングや艶引け等の塗膜欠陥を起こすので好
ましくない。
【0017】(2)脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とす
る有機溶剤中に、分散または溶解した状態で存在するア
クリル系樹脂 (i)脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中
に、溶解した状態で存在するアクリル系樹脂
【0018】脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機
溶剤中に、溶解した状態で存在するアクリル系樹脂と
は、上述(1)で示した有機溶剤中に溶解し、常温はも
とより低温や高温でも安定であるようなアクリル系樹脂
のことをいう。
【0019】このアクリル系樹脂は、アクリル単量体類
をはじめ各種のビニル系単量体類を使用して、有機溶剤
中で共重合させることにより得られるものでるが、この
際、使用する有機溶剤と得られる共重合体の溶解性に留
意しながら、要求される塗膜性能や樹脂特性を加味した
形で、各種の単量体類を選択し、設計すればよい。
【0020】上記アクリル系樹脂の製造には、公知慣用
のビニル系単量体類が使用できる。その代表的なものと
して、以下の(イ)〜(ヲ)のようなもの、すなわち、 (イ)スチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレ
ン、エチルスチレン、プロピルスチレン、イソプロピル
スチレンまたはp−tert−ブチルスチレンなどのス
チレン系単量体;
【0021】(ロ)メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソ(i)−プロピル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アク
リレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、s
ec−ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
トもしくはラウリル(メタ)アクリレート、「アクリエ
ステル SL」[三菱レーヨン(株)製の、C −/
13メタクリレート混合物の商品名]、ステアリル
(メタ)アクリレートのようなアルキル(メタ)アクリ
レート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−
tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート
もしくはイソボルニル(メタ)アクリレート、アダマン
チル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ートの如き側鎖に官能基を含有しない(メタ)アクリレ
ート類;
【0022】(ハ)2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフ
マレートまたはモノ−2−ヒドロキシエチル−モノブチ
ルフマレートをはじめ、ポリエチレングリコール−ない
しはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
トまたは此等とε−カプロラクトンとの付加物、「プラ
クセル FMないしはFAモノマー」[ダイセル化学
(株)製の、カプロラクトン付加モノマーの商品名]の
如き、各種のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒ
ドロキシアルキルエステル類の如き、各種の水酸基含有
ビニル系単量体類;
【0023】(ニ)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸もしくはシトラコン
酸の如き、各種の不飽和モノ−ないしはジカルボン酸類
またはフマル酸モノエチル、マレイン酸モノブチルの如
きジカルボン酸モノエステル類;
【0024】(ホ) ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレートもしくはジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレートの如き、各種のジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリレート類の如き、3級アミノ基含有モノマ
ー;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−
ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)
アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチル
アミノプロピルアクリルアミドもしくはアルコキシ化N
−メチロール化(メタ)アクリルアミド類の如き、各種
のアミド結合含有ビニル系単量体類等の含窒素ビニル系
単量体類;
【0025】(ヘ)メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシエチル(メタ)アクリレートもしくはメト
キシブチル(メタ)アクリレートの如き、各種のアルコ
キシアルキル(メタ)アクリレート類;
【0026】(ト)ジメチルマレエート、ジエチルマレ
エート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレートもし
くはジブチルイタコネートの如き、マレイン酸、フマル
酸もしくはイタコン酸により代表される各種のジカルボ
ン酸類と1価アルコール類とのジエステル類;
【0027】(チ)酢酸ビニル、安息香酸ビニルもしく
は「ベオバ」〔オランダ国シェル社製の、分岐状(分枝
状)脂肪族モノカルボン酸類のビニルエステルの商品
名〕の如き、各種のビニルエステル類;
【0028】(リ)「ビスコート 3F、3FM、8
F、8FMもしくは17FM」[大阪有機化学(株)製
の、含フッ素系アクリルモノマー類の商品名]、パーフ
ルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジ−パー
フルオロシクロヘキシルフマレートもしくはN−i−プ
ロピルパーフルオロオクタンスルホンアミドエチル(メ
タ)アクリレートの如き、各種の(パー)フルオロアル
キル基含有ビニルエステル類、−ビニルエーテル類、−
(メタ)アクリレート類または−不飽和ポリカルボン酸
エステル類などの、種々の含フッ素重合性化合物類;
【0029】(ヌ) ジアルキル〔(メタ)アクリロイ
ルオキシアルキル〕ホスフェート類または(メタ)アク
リロイルオキシアルキルアシッドホスフェート類、ジア
ルキル〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕ホスフ
ァイト類もしくは(メタ)アクリロイルオキシアルキル
アシッドホスファイト類の如き燐原子含有ビニル系単量
体;
【0030】(ル)グリシジル(メタ)アクリレート、
(β−メチル)グリシジル(メタ)アクリレートもしく
は(メタ)アリルグリシジルエーテルのような、エポキ
シ基含有重合性化合物類;
【0031】(ヲ)公知慣用の原料・手法により得られ
た(半)乾性油系のアルキド樹脂や、アクリル系樹脂と
反応するような形に変性されたポリエステル樹脂類;な
どを使用することができる。
【0032】(ii)脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とす
る有機溶剤中に、分散した状態で存在するアクリル系樹
脂 脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に、分
散した状態で存在するアクリル系樹脂とは、上述した脂
肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤中に溶解し
た状態で存在するアクリル系樹脂中で、各種のビニル系
重合体類を重合させることにより、脂肪族系炭化水素溶
剤を主成分とする有機溶剤に不溶となるビニル系共重合
体からなる分散体を形成させて得られる非水ディスパー
ジョン(NAD)アクリル系樹脂のことをいう。ここ
で、分散体を形成させるために使用するビニル系単量体
としては、上述した(イ)〜(ヲ)のビニル系単量体か
ら適宜選択して使用することができる。
【0033】上述した脂肪族系炭化水素溶剤を主成分と
する有機溶剤中に分散または溶解した状態で存在するア
クリル系樹脂を調製するには、上記(イ)〜(ヲ)のビ
ニル系単量体成分を用いて、公知慣用の種々の共重合反
応法あるいはグラフト化反応法(グラフト共重合反応
法)を駆使して遂行することができる。
【0034】本発明で使用するアクリル系樹脂が水酸基
を有する場合、後述するポリイソシアネート化合物との
組合せにより、2液硬化型の塗料組成物とすることがで
きる。この場合の、水酸基を有するアクリル系樹脂は、
公知慣用の種々の共重合反応をする際に、上述(ハ)に
例示した各種の水酸基含有ビニル系単量体を必須の単量
体として選択することにより、調整することができる。
【0035】上記の共重合反応によりアクリル系樹脂を
調整する際には、アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)、tert−
ブチルパーベンゾエート(TBPB)、tert−ブチ
ルハイドロパーオキシド(TBHPO)、ジ−tert
−ブチルパーオキシド(DTBPO)、クメンハイドロ
パーオキシド(CHP)またはo,o−tert−o−
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニ
ル)モノパーオキシカーボネートの如き、各種のラジカ
ル発生剤類(ラジカル発生重合触媒類ないしはラジカル
重合開始剤類)を単独使用し、あるいは2種以上を併用
することができる。
【0036】(3)脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とす
る有機溶剤中に、分散相として存在するポリエチレン粒
子 本発明の構成要素である、脂肪族系炭化水素溶剤を主成
分とする有機溶剤中に、分散相として存在するポリエチ
レン粒子は、ポリエチレンを分散助剤等の添加物を使用
せずに、ミネラルスピリットに分散させものである。市
場で入手可能なものとしては、『ハイフラット F−7
13』や『ハイフラット 9171』(岐阜セラック社
製)などがあり、いすれも好適な材料として使用でき
る。
【0037】上記市販されているものの中には、その有
効成分が10%〜13%であるために、塗料系に配合す
る量には自ずと限界があるものがあり、その場合、本発
明で得られる効果を考慮しながら配合量を決定する必要
がある。すなわち、塗料組成物中におけるポリエチレン
粒子とアクリル系樹脂の含有比率が重量比で、ポリエチ
レン粒子/アクリル系樹脂=0.001〜1の範囲が好
ましく、0.01〜0.1の範囲がより好ましく、さら
に0.01〜0.05の範囲が最も好ましい。
【0038】(4)顔料 本発明で使用する顔料としては、公知慣用の顔料であれ
ばいずれも使用することが可能であり、例えば、酸化チ
タン、カーボンブラック、弁柄、黄華等の無機顔料;シ
アニンブルー、シアニングリーン等の有機顔料;炭酸カ
ルシウム、沈降性硫酸バリウム、タルク、クレー、合成
微粉状シリカ等のいわゆる体質顔料等;アルミ粉等の金
属粉などが挙げられる。これらの顔料の選択により、本
発明の塗料組成物は、いわゆるエナメル塗料のほか、メ
タリック塗料やクリヤー塗料としても使用することがで
きる。
【0039】(5)合成微粉状シリカ 上述した顔料のなかでも合成微粉状シリカは、従来から
塗料用の無機系艶消し剤として一般的な材料であり、本
発明に使用しても良好な艶消し効果が得られる。これは
高純度二酸化珪砂を原料とした珪酸ナトリウムと、硫酸
から得られる珪酸ゾルの一次粒子の生成条件を変えるこ
とにより得られる三次元凝集体を微粉化したもので、一
次粒子の生成条件を変えることによりその内部比表面積
や細孔径等物性の異なるコロイド状シリカが得られる。
【0040】塗料用としては、『サイリシア 35
0』、『サイリシア 445』、『サイリシア 44
6』、『サイロスフェア C−1510』、『サイロス
フェア C−1504』〔いずれも富士シリシア化学
(株)製〕等が一般的である。
【0041】この合成微粉状シリカの使用量を多くする
ことにより塗膜の艶は消えやすくなるが、余りに多く使
用すると、塗料のチクソ性が高くなりすぎるために塗料
化および濾過時の作業性が悪くなり、塗膜の膜厚の不均
一による艶ムラを生じやすい等の弊害が生じる。
【0042】したがって、使用量としては、艶消し性と
塗料化時の作業性、塗膜性能等を考慮した範囲を選択す
る必要がある。かかる観点から、合成微粉状シリカの使
用量は全顔料中の1〜20重量%の範囲が好ましく、2
〜15重量%の範囲がより好ましく、さらに3〜10重
量%の範囲が最も好ましい。
【0043】(6)本発明の塗料組成物の製造方法 本発明の塗料組成物は、脂肪族系炭化水素溶剤を主成分
とする有機溶剤中に分散または溶解した状態で存在する
アクリル系樹脂と上述の顔料、さらに必要に応じて、後
述する顔料分散剤をはじめ各種添加剤類を混合し、サン
ドミル、ボールミル、三本ロール、ペイントコンディシ
ョナー等公知慣用の分散方法を用いて混練することによ
り製造することができる。
【0044】脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機
溶剤中に分散相として存在するポリエチレン微粒子は、
上記混練後の組成物に加えて混合するが、上記混練前に
加えてアクリル系樹脂等とともに混練することも可能で
ある。後述する、各種添加剤類は、上記のようにアクリ
ル系樹脂等とともに混練することもできるし、混練後の
組成物に添加して使用することもできる。
【0045】また、混練後に必要に応じて塗料をさらに
アクリル系樹脂や上述のNADでレットダウンして用い
ることもできる。
【0046】さらに、後述するポリイソシアネート化合
物を使用することにより、2液硬化型の塗料組成物とし
て使用することもできる。この場合は、塗料組成物を塗
装など実際に使用する直前に、上記のように調整した塗
料組成物とポリイソシアネート化合物とを混合して使用
することができる。
【0047】(7)ポリイソシアネート化合物 本発明で使用するアクリル系樹脂が水酸基を有する場
合、ポリイソシアネート化合物との組合せにより、2液
硬化型の塗料組成物とすることができる。この場合、ポ
リイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート
(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサ
メチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジ
イソシアネート(IPDI)、水添XDI,水添MDI
の単量体をアロファネート化、ビウレット化、ウレトジ
オン化、イソシアヌレート化、アダクト化した誘導体等
を使用することができる。
【0048】その中でも外部用の塗料組成物として必要
な耐候性を考慮すると、脂肪族および/または脂環族ポ
リイソシアネート化合物、とりわけ、脂肪族炭化水素系
溶剤を30重量%以上含む非水系溶剤中で安定性が良好
なポリイソシアネート化合物が好適であり、例えば、
「バーノック DN−990、DN−991、DN−9
91S、DN−992」[大日本インキ化学工業(株)
製品]、「デスモデュール Z−4370」[住友バイ
エルウレタン(株)製品]または「デュラネートTHA
−100」[旭化成工業(株)]などが挙げられる。
【0049】上掲の如き、当該ポリイソシアネート化合
物の使用量としては、アクリル系樹脂の水酸基の1当量
に対して、イソシアネート基が、0.5〜1.5当量と
なるような範囲内、つまり、OH/NCOなる当量比が
1.0/0.5〜1.0/1.5なる範囲内が好まし
い。
【0050】上記範囲内であれば、十分な硬化性が得ら
れ、また含水率の高い皮塗面に塗装した際の発泡の問題
が生じることはなく、くわえて塗料価格などのコスト面
でも有利である。かかる観点から、さらに1/0.7〜
1.2なる当量比の範囲内がより好ましい。
【0051】(8)その他の原料等 塗料化の際には、例えば、「Disperbyk−16
1、BYK−P104」[いずれも、ドイツ国ビックケ
ミー社製品]等の顔料分散剤類、例えば、「BYK−3
02」[ドイツ国ビックケミー社製品]等のレベリング
剤類、例えば、「BYK−065」[ドイツ国ビックケ
ミー社製品]、「ディスパロン OX−70」[楠本化
成(株)社製品]等の消泡剤類、例えば、「ディスパロ
ン 6820−20M」[楠本化成(株)社製品]等の
タレ防止剤、
【0052】例えば、「チヌビン P、328」[いず
れも、スイス国チバ・ガイギー社製品]等の紫外線吸収
剤類、例えば、「チヌビン 770、765」[いずれ
も、スイス国チバ・ガイギー社製品]等の光安定剤類、
防黴剤、例えば、コバルト系、鉛系、ジルコニウム系ま
たはカルシウム系などのような、いわゆる金属ドライヤ
ー類、ジブチル錫ジラウレートの如き硬化促進剤類な
ど、通常、当業界において、公知慣用のものとなってい
る種々の塗料用添加剤類を、慣用量、使用することがで
きる。
【0053】また、補助的架橋剤として、上記ドライヤ
ー類を初め、アルミニウム系、ジルコニウム系またはチ
タニウム系の金属アルコキシド類、金属アシレート類ま
たは金属キレート類(例えば、「アセトープ」[ホープ
製薬(株)製品]、「チタコート」[日本曹達(株)製
品]、「プレンアクト」[味の素(株)製品]、「オル
ガチックス TAシリーズ、TCシリーズ、ZAシリー
ズ、ZBシリーズ、ZCシリーズもしくはALシリー
ズ」[松本製薬(株)製品]、「AIPD、AMD、A
SBDもしくはALCHシリーズ」または「アルミキレ
ート A、DもしくはM」[川研ファインケミカル
(株)製品]あるいは「テンカレート TPシリーズ」
[テンカポリマー(株)製品]等)も、本発明の効果を
損ねない範囲で使用することができる。
【0054】そして、本発明の塗料組成物に相溶して使
用されている有機溶剤類に可溶なるものであれば、性能
を改良するという目的で、可塑剤類をはじめ、その他の
樹脂類、たとえば、アクリル系共重合体類、繊維素系化
合物類、アクリル化アルキド樹脂類、アルキド樹脂類、
シリコン樹脂類、フッ素樹脂類、エポキシ樹脂類、また
は低汚染化剤としてシラン化合物の縮合物等などを、本
発明の効果を損ねないような範囲で、適宜、使用するこ
とが可能である。
【0055】さらに、硬化剤として、アルコール性水酸
基と反応しうる硬化剤、例えば、メラミン、尿素、ベン
ゾグアナミン等のアミノ成分をホルムアルデヒドでメチ
ロール化してアルコールにてエーテル化した、例えば、
「スーパーベッカミン G−821−60」「スーパー
ベッカミン L−117−60」[いずれも、大日本イ
ンキ化学工業(株)製品]等のアミノ化合物や、ポリイ
ソシアネート化合物をラクタム、アルコールあるいはオ
キシムでブロックした、例えば、「バーノックDB−9
80K」[大日本インキ化学工業(株)製品]等ブロッ
クイソシアネート化合物も使用できる。
【0056】かくして得られる、本発明の塗料組成物
は、あらゆる旧塗膜に対して適用することが可能で、特
に建築内外装用の補修用として最適な性能を有するもの
であり、主として、次に掲げられるような被塗物類(基
材類)に塗装することができる。
【0057】すなわち、アルミニウム、ステンレス・ス
チール、クロム・メッキ、トタン板またはブリキ板の如
き、各種の金属素材で作成されたアルミサッシ、門扉等
金属製品類;あるいは瓦類;および、建築外壁、無機質
建材類など各種の建築内外装用資材類;などである。
【0058】その際の塗装にあっては、スプレー、刷毛
またはローラーなどの、いわゆる公知慣用の種々の手段
を利用し適用することができる。
【0059】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明することにするが、本発明
は、決して、これらの例示例のみに限定されるというよ
うなものではない。以下において、部および%は、特に
断りの無い限り、すべて重量基準であるものとする。
【0060】参考例1〔脂肪族系溶剤可溶アクリル系樹
脂(A1)の調製例〕 撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび
窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、「LAW
S」の100部を仕込み、90℃にまで昇温した。
【0061】この温度になったところで、スチレン(以
下Stと略記する)の200部、i−ブチルメタクリレ
ート(以下i−BMAと略記する)の588部、2−エ
チルヘキシルアクリレート(以下2−EHAと略記す
る)の200部、メタアクリル酸(以下MAAと略記す
る)の12部、および、重合開始剤としてtert−ブ
チルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)(以下パ
ーブチルOと略記する)の1.5部と「LAWS」の6
00部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度に8時間
保持後、「LAWS」の300部を追加して、脂肪族系
溶剤可溶アクリル系樹脂(A1)を得た。
【0062】得られた(A1)は、不揮発分が50.0
%;25℃でのガードナー粘度がX;溶液酸価が4.
0;ガードナー色数が1以下;樹脂溶剤中の脂肪族炭化
水素系溶剤重量が70%である脂肪族系溶剤可溶アクリ
ル系樹脂であった。
【0063】参考例2〔水酸基含有脂肪族系溶剤可溶ア
クリル樹脂(A2)の調製例〕 撹拌装置、温度計、リフラックス・コンデンサーおよび
窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、「LAW
S」の28.6部、「ベッコゾール P−470−7
0」(大日本インキ化学工業(株)製大豆油系長油アル
キド樹脂;不揮発分70%、溶剤「LAWS」)の7
1.4部とを仕込み、90℃にまで昇温した。
【0064】この温度になったところで、Stの200
部、i−BMAの480部、2−EHAの148部、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下2−HEMA
と略記する)の110部、MAAの12部、および、重
合開始剤としてパーブチルOの2部と「LAWS」の6
16.7部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度に8
時間保持後、「LAWS」の333.3部を追加して、
水酸基含有脂肪族系溶剤可溶アクリル樹脂(A2)を得
た。
【0065】得られた(A2)は、不揮発分が50.0
%;25℃でのガードナー粘度がX−Y;溶液酸価が
4.1;ガードナー色数が1;固形分水酸基価が50;
樹脂溶剤中の脂肪族炭化水素系溶剤重量が70%である
水酸基含有脂肪族系溶剤可溶アクリル樹脂であった。
【0066】参考例3〔水酸基含有脂肪族系溶剤系非水
ディスパージョン樹脂(A3)の調製例〕 参考例2と同様な装置に、水酸基含有脂肪族系溶剤可溶
アクリル樹脂(A2)の600部と「LAWS」の20
0部を仕込み、100℃にまで昇温した。この温度にな
ったところで、メチルメタクリレート(以下MMAと略
記する)の300部、エチルアクリレートの284部
(以下EAと略記する)、2−HEMAの116部、お
よび、重合開始剤パーブチルO)の2部と「LAWS」
の200部の混合物を4時間かけて滴下し、同温度に8
時間保持後、「LAWS」の300部を追加して、水酸
基含有脂肪族系溶剤系非水ディスパージョン樹脂(A
3)を得た。
【0067】得られた(A3)は、不揮発分が50.0
%;25℃でのガードナー粘度がW;溶液酸価が2.
0;固形分水酸基価が50;樹脂溶剤中の脂肪族炭化水
素系溶剤重量が70%である水酸基含有脂肪族系溶剤系
非水ディスパージョン樹脂であった。
【0068】実施例1 脂肪族系溶剤可溶アクリル系樹脂(A1)の30.0
部、『三菱カーボン MA−100』〔三菱化成製カー
ボンブラック〕の4.5部、『タイペーク R−930
〔石原産業(株)製酸化チタン〕の7.0部、『トダカ
ラー120ED』〔戸田工業(株)製弁柄〕の8.0
部、『テツキNo.3』〔東洋色素工業(株)製黄華〕
の12.5部、『富士タルクNK−48』〔富士タルク
工業(株)製タルク粉〕の3.0部、および「LAW
S」の10.0部をサンドミルで混練した後、(A1)
の100.0部でレットダウンしてブラウン系塗料組成
物を得た。この塗料組成物は練肉、濾過工程は問題なく
行えるものであった。
【0069】この塗料組成物にポリエチレン粒子の脂肪
族系炭化水素溶剤への分散体『ハイフラット 917
1』(有効成分10%)〔岐阜セラック(株)製〕をア
クリル樹脂に対して固形分比で3%配合した塗料組成物
を(B1)と呼称し、実施例1とする。
【0070】実施例2 水酸基含有脂肪族系溶剤可溶アクリル樹脂(A2)の3
0.4部、『三菱カーボン MA−100』〔三菱化成
製カーボンブラック〕の4.5部、『タイペーク R−
930〔石原産業(株)製酸化チタン〕の7.0部、
『トダカラー120ED』〔戸田工業(株)製弁柄〕の
8.0部、『テツキNo.3』〔東洋色素工業(株)製
黄華〕の12.5部、『富士タルクNK−48』〔富士
タルク工業(株)製タルク粉〕の3.0部、および「L
AWS」の10.0部をサンドミルで混練した後、(A
2)の71.0部でレットダウンしてブラウン系塗料組
成物を得た。この塗料組成物は練肉、濾過工程は問題な
く行えるものであった。
【0071】この塗料組成物にポリエチレン粒子の脂肪
族系炭化水素溶剤への分散体『ハイフラット 917
1』(有効成分10%)〔岐阜セラック(株)製〕をア
クリル樹脂に対して固形分比で3%配合した塗料組成物
を(B2)と呼称する。
【0072】さらにこの(B2)に弱溶剤可溶型ポリイ
ソシアネート「バーノック DN−992」(大日本イ
ンキ化学工業(株))を当量配合した塗料組成物を実施
例2とする。〔(B2)にポリイソシアネート硬化剤:
「バーノック DN−992」を水酸基含有脂肪族系溶
剤可溶アクリル樹脂(A2)の水酸基価に対して当量配
合した場合のPWCは35%である。〕
【0073】実施例3 実施例2の『富士タルクNK−48』の代わりに『サイ
リシア 350』〔富士シリシア化学(株)製合成微粉
状シリカ〕を3.0部用いる以外は実施例2と同様にし
て得られた塗料組成物を(B3)とする。この(B3)
に弱溶剤可溶型ポリイソシアネート「バーノック DN
−992」(大日本インキ化学工業(株))を当量配合
した塗料組成物を実施例3とする。〔(B3)にポリイ
ソシアネート硬化剤:「バーノック DN−992」を
水酸基含有脂肪族系溶剤可溶アクリル樹脂(A2)の水
酸基価に対して当量配合した場合のPWCは35%であ
る。〕
【0074】実施例4 実施例3の操作の中で、レットダウン用樹脂(A2)の
代わりに水酸基含有脂肪族系溶剤系非水ディスパージョ
ン樹脂(A3)を用いた以外同様にして得られたブラウ
ン系塗料組成物を(B4)と呼称する。
【0075】この(B4)に弱溶剤可溶型ポリイソシア
ネート「バーノック DN−992」(大日本インキ化
学工業(株))を当量配合した塗料組成物を実施例4と
する。〔(B4)にポリイソシアネート硬化剤:「バー
ノック DN−992」を水酸基含有脂肪族系溶剤可溶
アクリル樹脂および水酸基含有脂肪族系溶剤系非水ディ
スパージョン樹脂の水酸基価に対して当量配合した場合
のPWCは35%である。〕
【0076】実施例5 実施例4と同様の方法により、水酸基含有脂肪族系溶剤
可溶アクリル樹脂(A2)/水酸基含有脂肪族系溶剤系
非水ディスパージョン樹脂(A3)=30/70(固形
分比)で塗膜のPWCが20%となるようにして得られ
たブラウン系塗料組成物を(B5)と呼称する。
【0077】この(B5)に弱溶剤可溶型ポリイソシア
ネート「バーノック DN−992」(大日本インキ化
学工業(株))を当量配合した塗料組成物を実施例5と
する。〔以上、実施例1〜実施例5の詳細な塗料組成物
配合は表1参照。〕
【0078】実施例6 実施例4と同様の方法により、水酸基含有脂肪族系溶剤
可溶アクリル樹脂(A2)/水酸基含有脂肪族系溶剤系
非水ディスパージョン樹脂(A3)=30/70(固形
分比)で塗膜のPWCが12%となるようにして得られ
たブラウン系塗料組成物を(B6)と呼称する。この
(B6)に弱溶剤可溶型ポリイソシアネート「バーノッ
ク DN−992」(大日本インキ化学工業(株))を
当量配合した塗料組成物を実施例6とする。〔実施例6
および以下比較例1〜比較例3の詳細な塗料組成物配合
は表2参照。〕
【0079】比較例1 実施例1の『ハイフラット9171』を使用しない場合
に得られた塗料組成物を(B7)と呼称し、比較例1と
する。
【0080】比較例2 実施例2の『ハイフラット9171』を使用しない場合
に得られた塗料組成物を(B8)とする。この(B8)
に弱溶剤可溶型ポリイソシアネート「バーノック DN
−992」(大日本インキ化学工業(株))を当量配合
した塗料組成物を比較例2とする。〔(B8)にポリイ
ソシアネート硬化剤:「バーノック DN−992」を
水酸基含有脂肪族系溶剤可溶アクリル樹脂の水酸基価に
対して当量配合した場合のPWCは35%である。〕
【0081】比較例3 水酸基含有脂肪族系溶剤可溶アクリル樹脂(A2)の3
0.4部、『三菱カーボン MA−100』〔三菱化成
製カーボンブラック〕の4.5部、『タイペーク R−
930〔石原産業(株)製酸化チタン〕の7.0部、
『トダカラー120ED』〔戸田工業(株)製弁柄〕の
8.0部、『テツキNo.3』〔東洋色素工業(株)製
黄華〕の12.5部、『サイリシア 350』〔富士シ
リシア化学(株)製合成微粉状シリカ〕の3.0部、
『富士タルクNK−48』〔富士タルク工業(株)製タ
ルク粉〕の30.0部、および「LAWS」の20.0
部をサンドミルで混練した後、(A2)の24.2部で
レットダウンしてブラウン系塗料組成物を得た。これを
(B9)と呼称する。(B9)はチクソ性が高く、練
肉、濾過工程の作業性は悪かった。
【0082】この(B9)に弱溶剤可溶型ポリイソシア
ネート「バーノック DN−992」(大日本インキ化
学工業(株))を当量配合した塗料組成物を比較例3と
する。〔(B7)にポリイソシアネート硬化剤:「バー
ノック DN−992」を水酸基含有脂肪族系溶剤可溶
アクリル樹脂の水酸基価に対して当量配合した場合のP
WCは65%である。〕
【0083】比較例4 実施例4と同様の方法により、水酸基含有脂肪族系溶剤
可溶アクリル樹脂(A2)/水酸基含有脂肪族系溶剤系
非水ディスパージョン樹脂(A3)=30/70(固形
分比)で塗膜のPWCが8%となるようにして得られた
ブラウン系塗料組成物を(B10)と呼称する。この
(B10)に弱溶剤可溶型ポリイソシアネート「バーノ
ック DN−992」(大日本インキ化学工業(株))
を当量配合した塗料組成物を比較例4とする。〔詳細な
塗料組成物配合は表2参照。〕
【0084】実施例および比較例の配合とJIS K5
400の規定に基づく20度鏡面光沢度、その他の主な
塗膜性能評価結果を表1、表2に示す。試験は表1およ
び表2に基づいて作成した塗料組成物B1〜B8をLA
WSにて25℃のストーマー粘度が70KUになるよう
に調整した塗料組成物に硬化剤を配合し、150g/m
となるように刷毛塗りした後、25℃で7日間乾燥し
たもので行った。
【0085】艶ムラの評価に関しては、上記塗膜の一部
にさらに同一塗料組成物を150g/mとなるように
刷毛塗りし、25℃で7日間乾燥した後の一層目と二層
目の艶感の目視判定で行った。
【0086】
【表1】
【0087】1) ○:艶ムラなし △:若干の艶ムラなし ×:艶ムラなし
【0088】2)1mm角碁盤目セロハン粘着テープ剥
離後の残存率をX/100で表示。3) 三菱ユニ傷つき。
【0089】4)カップテスト1週間後の外観。 ○:変化なし ×:変化あり
【0090】5)サンシャインウェザオメータ2000
時間後の外観。 ○:著しい変化なし ×:変化あり
【0091】
【表2】
【0092】 評価方法と判定は表1に準じる。** 高光沢であるため艶ムラは判りにくい。
【0093】
【発明の効果】本発明は、PWC50%以下で20度鏡
面光沢度が25以下という艶消し塗料組成物を与え、そ
の塗膜性能は従来高顔料濃度の艶消し塗料と比較して圧
倒的に良好であり、実用上の利用価値が非常に大きいも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 CA32 CA47 CB02 DB02 DB04 DB05 DB07 DC01 EA07 EB22 EB38 EB56 EC03 EC07 EC24 EC30 EC54 4J038 CB022 CG001 DG191 DG262 GA03 HA446 KA06 KA08 MA02 NA01 PB05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系樹脂、ポリエチレン粒子、顔
    料および脂肪族系炭化水素溶剤を主成分とする有機溶剤
    を含んでなる組成物であって、該アクリル系樹脂が該有
    機溶剤中に分散または溶解した状態で存在し、該ポリエ
    チレン粒子が該有機溶剤中に分散相として存在し、顔料
    の含有量が全固形分中の10〜50重量%であって、さ
    らに得られる塗膜のJIS K5400の規定に基づく
    20度鏡面光沢度が25以下であることを特徴とする塗
    料組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエチレン粒子及びアクリル系樹脂の
    含有比率が重量比で、ポリエチレン粒子/アクリル系樹
    脂=0.001〜1である請求項1に記載の塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 顔料中の1〜20重量%が合成微粉状シ
    リカである請求項1に記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 アクリル系樹脂が水酸基を有するもので
    あり、かつポリイソシアネート化合物をも含むものであ
    る請求項1又は2又は3に記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 被塗物上に、請求項4に記載の塗料組成
    物を塗布し硬化させることを特徴する塗膜形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の塗膜形成方法により塗
    膜が形成された塗装物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007290915A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Matsushita Electric Works Ltd 人工大理石への塗布材料
JP2017052931A (ja) * 2015-09-09 2017-03-16 関西ペイント株式会社 塗料組成物
CN110904726A (zh) * 2019-12-06 2020-03-24 广东艺都科技股份有限公司 一种高光弱溶剂组合物、制备方法及其应用

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