JP2005336152A - 成形薫香 - Google Patents

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【課題】 日常的に使用できる抗カビ作用を発揮する成形薫香、とりわけ、その燻煙ガスが抗カビ作用を発揮する、新規な成形薫香を提供することを課題とする。
【解決方法】 竹粉を含んでなり、その燻煙ガスが抗カビ作用を有する成形薫香を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、成形薫香に関するものであり、とりわけ、竹粉を含んでなり、その燻煙ガスが抗カビ作用を有する成形薫香に関するものである。
従来、成形薫香は仏事などのための線香として、又は、燃焼させて香気を味わい、リラックスやヒーリング効果を得るための材料として使用されている。成形薫香は、通常、本粉と呼ばれる、クスノキ科の常緑高木であるたぶ(椨)の樹皮(甘皮)を製粉したものと、のり粉と呼ばれる、たぶの葉を製粉したもの又はたぶの葉と樹皮の粉砕物の混合物を主成分としてなり、これに香木粉末、香料、色素などを混合し、水(通常は湯)を加えて混捏し、これを各種の形状に成形した後、乾燥して製造されている。
一方、古くから用いられている蚊取り線香のように、炎の出ない状態で燃焼させることにより発生する燻煙ガスとともに除虫菊の殺虫成分であるピレスロイド類を揮散させ、昆虫を防除する目的に使用される成形薫香も知られている。しかしながら、防虫効果を目的として開発された蚊取り線香を別にすれば、燻煙ガスの生物作用については、これまで、議論らしい議論がほとんど為されてこなかった。
斯かる現状に鑑み、本発明は、日常的に使用できる抗カビ作用を発揮する成形薫香、とりわけ、その燻煙ガスが抗カビ作用を発揮する、新規な成形薫香を提供しようとするものである。
本発明者が竹の成形薫香への利用に着目し、鋭意研究したところ、竹粉を含んでなる成形薫香は、その燻煙ガスにカビの増殖を抑制する抗カビ作用を有することが判明した。
すなわち、本発明は、竹粉を含んでなり、その燻煙ガスが抗カビ作用を有する成形薫香を提供することによって、前記課題を解決するものである。
本発明の成形薫香は、その燻煙ガスが抗カビ作用を発揮することから、日常的に使用することにより仏間のみならず、座敷、居間、寝室、バスルーム、エステルームなど各種室内、さらにはこれら室内の物品の防カビに有用である。
本発明は、竹粉を含んでなり、その燻煙ガスが抗カビ作用を有する成形薫香に関するものである。本発明でいう竹粉とは、竹又は笹類の茎(幹)粉末を意味し、具体例としては、真竹、孟宗竹などの茎(幹)粉末、望ましくは、「竹茹」と呼ばれる表皮組織を乾燥・粉砕したもの、又は、竹茹をアルコールに浸漬してエキスを抽出した残渣を乾燥・粉砕したものを意味する。
本発明の成形薫香は、竹粉以外の主要な成分として、本粉及びのり粉を含んでなる。たぶの樹皮の粉砕物である本粉と、たぶの葉の粉砕物又は葉と樹皮の粉砕物の混合物であるのり粉は、水(通常は湯)を加えて香木粉末又は他の副材料とともに混捏した場合、粘土状となり、本発明の成形薫香の成形、とりわけ押し出し成形を可能とする整形剤としての役割を担うとともに、乾燥後も充分な形状保持性を与える凝集力を有し、結合母材の作用を有している。のり粉は本粉に比べてこの作用が強いため、本発明の成形薫香において、竹の粉の含量が多い場合には、成形性を向上させる目的で本粉よりものり粉の含量を高めるなど、本粉とのり粉の含量は竹の粉の含量に応じて適宜加減するのが望ましい。
本発明の成形薫香における竹粉の含量は、通常、25質量%以上95質量%以下、望ましくは、30質量%以上90質量%以下が好適であり、この成形薫香の燻煙ガスはカビの増殖を抑制する抗カビ作用を有している。竹粉の含量が95質量%を越えると、本粉やのり粉などの結合母材の含量が5質量%未満となることから、成形薫香の物理的強度が低下し、成形が困難となるか、又は、成形・乾燥後の形状保持が困難となる。一方、竹粉の含量が25質量%未満になると、成形薫香の抗カビ作用が充分に発揮できなくなるため好ましくない。
本発明の、成形薫香は、後述するように、これに着火した際に発生する燻煙ガス中に存在する成分としてp−クマル酸(p−ヒドロキシ桂皮酸)を有することを特徴とする。p−クマル酸は竹粉の燻煙ガスに特有の成分である。
以上のように構成される本発明の成形薫香には、その燻煙ガスが抗カビ作用を示すという所期の機能の妨げにならない範囲で、天然由来の香気物質若しくは合成香料を副材料として配合することもできる。天然由来の香気物質としては、伽羅、沈香、白檀、桂皮、丁子、甘松香、琲草香、薫陸、ウコン、大茴香、乳香、竜脳、青木香、零陵香、没薬、山奈、安息香、菖蒲根、唐木香などの香木由来の木部の切断物、破砕物、粉砕物、また、クスノキ、スギ、マツなどの広葉樹又は針葉樹の樹木の切断物、破砕物、粉砕物が、また、麝香、龍涎香、貝甲香などの動物由来の香気物の切断物、破砕物、粉砕物、さらには、プロポリスの粉砕物が挙げられる。加えて、これらの香気物質の抽出物であるエキスや、ハーブエキス、ユーカリエキス、ローズオイル、ラベンダーオイル、プロポリスエキスなどの天然香料を用いることもできる。合成香料としてはメントール、ゲラニオール、バニリンなどが挙げられる。これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることも有利に実施できる。
以上のような成分に加えて、本発明の成形薫香には、その燻煙ガスが抗カビ作用を示すという所期の機能の妨げにならない範囲で、通常の成形薫香に一般的に利用される、例えば、無機塩などの賦形剤、安定剤、溶剤、結合剤、着色料、抗菌剤、防腐剤、乳化剤などを必要に応じて適宜含有せしめることができる。本発明で利用できる着色料としては、天然着色料が好ましく、例えば、ベニバナ色素、クチナシ色素、シコン色素、コチニール色素、ウコン色素、紅麹色素、ビート色素、ラック色素、アカネ色素、シソ色素、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、ムラサキイモ色素、エルダーベリー色素、ブルーベリー色素、トウガラシ色素、アナトー色素、スピルリナ色素、カカオ色素、タマリンド色素、カキ色素、コウリャン色素、カラメル色素などが有利に使用され、必要に応じて、例えば、赤色系の食用赤色2号、食用赤色102号、食用赤色106号、ローダミンなどや、青色系の食用青色1号、メチルバイオレット、メチレンブルー、マラカイトグリーンなどの合成着色料も適宜用いることができる。
本発明の成形薫香の形状は特に限定されず、例えば、粒状、球状、角柱状、角錐状、円柱状、円錐(コーン)状、立方体状、直方体状、渦巻状、コイル状、馬蹄状などが適宜選択できる。
以上のような本発明の成形薫香は、着火して抗カビ作用を有する燻煙ガスを立ち上らせ、室内に揮散させることにより、各種室内若しくは室内の物品におけるカビの繁殖を抑制することが期待できる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
<竹粉入り成形薫香の燻煙ガスの抗カビ作用>
竹粉入り成形薫香を調製し、これの燻煙ガスの抗カビ性を調べた。
<実施例1−1:竹粉入り成形薫香の調製>
まず、竹粉入り成形薫香を調製した。すなわち、孟宗竹の竹茹のアルコール抽出残渣の粉((株)フードテック製)53質量部とのり粉((株)天年堂製)47質量部を均一に混合した後、熱湯を加えて混捏し、常法に従って、圧縮(玉締め)、押出し、盆切り、生付け(切りそろえ)及び自然乾燥を行って、直径約3mm、長さ約80mmの竹粉入り成形薫香を調製した。
<実施例1−2:竹粉入り成形薫香の燻煙ガスの抗カビ性試験>
成形薫香の燻煙ガスの抗カビ性試験は下記のごとく行った。まず、試験菌株として、代表的なカビである麹カビ(Aspergillus niger ATCC 16404)、青カビ(Penicillium chrysogenum IFO 6223)及び、ケカビ(Mucor javanicus IAM 6089)の3菌株を選択し、それぞれを予めポテトデキストロース寒天((株)日水製薬販売)斜面培地にて27℃で6日間培養し、これに滅菌生理食塩水を5ml加えて胞子を懸濁し、それぞれ脱脂綿を入れた漏斗でろ過して各菌株の胞子懸濁液を調製した。次いで、この胞子懸濁液を適宜希釈した後、0.1mlをポテトデキストロース寒天((株)日水製薬販売)プレート培地に均一に塗布した。このプレート培地を滅菌した円筒形の密閉容器(嫌気培養用ジャー、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社製、容量約8.5L)に無菌的に入れた後、着火した試験成形薫香0.1gを密閉容器の底に入れ速やかに密閉し成形薫香を、炎の出ない状態で完全に燃焼させた。密閉し燻煙ガスが充満した状態で各菌株を27℃で24時間培養し、プレート培地上に出現した各菌株のコロニー数を計測した。さらに、計測後のプレート培地を密閉容器の外に出し、燻煙ガスのない条件下でさらに27℃で24時間培養を続け、再度、プレート培地上に出現した各菌株のコロニー数を計測した。なお、密閉容器に成形薫香を入れず、燻煙ガスのない条件下で同様に培養したものを対照とし、対照のプレート培地に出現する各菌株のコロニー数を100%として、下式により、各成形薫香の燻煙ガスにさらした場合、又は続いて燻煙ガスのない条件下でさらに24時間培養した場合のコロニー出現率(%)を相対評価した。
Figure 2005336152
成形薫香としては、実施例1−1で得た竹粉入り成形薫香及び市販されている成形薫香3種(市販成形薫香1:A社製、市販成形薫香2及び3:B社製2種)の計4種を用いて試験した。燻煙ガスが充満した状態で24時間培養した際の結果を表1に、また、これに続いて燻煙ガスのない条件下で24時間培養した際の結果を表2に示した。
Figure 2005336152
Figure 2005336152
成形薫香の燻煙ガスを充満させ、密閉した状態で各試験菌株を培養し、コロニー出現率を比較したところ、表1の結果に見られるとおり、麹カビ(Aspergillus niger)及び青カビ(Penicillium chrysogenum)では本発明の竹粉入り成形薫香と市販成形薫香1乃至3の3種はいずれも0%と強い抗菌作用を示したものの、ケカビ(Mucor javanicus)では本発明の竹粉入り成形薫香は12.0%のコロニー出現率を示し、48.1乃至72.2%を示す市販成形薫香3種よりも抗菌作用が強いことが判明した。さらに、密閉容器の外に出して燻煙ガスが充満していない条件下でさらに24時間培養した場合では、表2の結果に見られるとおり、本発明の竹粉入り成形薫香では、麹カビ及び青カビのコロニー出現率を0%に維持していたものの、市販成形薫香1乃至3では16.7乃至100%及び9.9乃至100%とカビの増殖が認められた。また、本発明の竹粉入り成形薫香では、ケカビのコロニー出現率は19.3%であったのに対して市販成形薫香1乃至3では53.7乃至74.1%と高い値を示した。これらの結果は、本発明の竹粉入り成形薫香の燻煙ガスが、市販成形薫香3種の燻煙ガスのいずれよりもカビの増殖を抑制する作用、すなわち、抗カビ作用が強いことを物語っている。
<竹粉入り成形薫香の燻煙ガスの抗カビ作用>
実施例1で用いた竹粉(竹茹のアルコール抽出残渣の粉)に替えて、竹茹の粉を用いて調製したコーン型成形薫香について燻煙ガスの抗カビ性を調べた。
<実施例2−1:竹粉入りコーン型成形薫香の調製>
孟宗竹の竹茹粉(商品名「タケキノンパウダー」、(株)フードテック製)80質量部とのり粉((株)天年堂製)20質量部を均一に混合した後、熱湯を加えて混捏し、常法に従って、コーン型に圧縮・押出し成形を行い自然乾燥させて、重さ約0.46g、直径約10mm、高さ約20mmの竹粉入りコーン型成形薫香をそれぞれ調製した。また、竹茹粉に替えて本粉((株)天年堂製)を用いた以外は上記と同様にコーン型成形薫香を調製し、対照の成形薫香とした。
<実施例2−2:竹粉入りコーン型成形薫香の燻煙ガスの抗カビ性試験>
実施例2−1で調製した竹粉入り成形薫香と対照の成形薫香、及び市販のコーン型成形薫香の燻煙ガスの抗カビ性を検討した。燻煙ガスの抗カビ性は、実施例1−2と同じ方法で試験して評価した。成形薫香の燻煙ガスを充満させ、密閉した状態で各試験菌株を24時間培養し、コロニー出現率を比較した結果を表3に、また、その後、密閉容器の外に出して燻煙ガスが充満していない条件下でさらに24時間培養した場合の結果を表4に示した。
Figure 2005336152
Figure 2005336152
表3の結果に見られるとおり、燻煙ガスが充満した条件下で培養した場合、麹カビ(Aspergillus niger)及び青カビ(Penicillium chrysogenum)に対しては、本発明の竹粉入り成形薫香、対照の成形薫香及び市販成形薫香のいずれもが強い抗菌作用を示したものの、ケカビ(Mucor javanicus)に対しては、竹粉入り成形薫香、対照の成形薫香及び市販成形薫香はそれぞれ14.3%、68.0%及び72.4%のコロニー出現率を示し、竹粉入り成形薫香がより強い抗菌作用を示すことが判明した。また、表4の結果に見られるとおり、密閉容器から出して燻煙ガスが充満していない条件下でさらに24時間培養した場合、本発明の竹粉入り成形薫香における麹カビ及び青カビのコロニー出現率はそれぞれ3.3%、0.2%と低く、本発明の竹粉入り成形薫香は、対照の成形薫香及び市販の成形薫香に比べ、顕著な抗カビ性を示すことが分かった。この結果は、実施例2における、竹粉として竹茹のアルコール抽出残渣の粉を用いて調製した成形薫香の結果と同様であり、竹茹粉と竹茹のアルコール抽出残渣の粉は同様に本発明の竹粉入り成形薫香の原料として使用できることを物語っている。
<竹粉入りコーン型成形薫香の燻煙ガスの空中落下菌への効果>
実施例2−1で調製した竹粉入りコーン型成形薫香の燻煙ガスが実際の室内における空中落下菌数に及ぼす影響を調べた。まず、対照試験として、日本住宅の8畳間(和室)において、家庭用扇風機を5分間運転して室内の空気を十分に攪拌した後、扇風機を停止し、カビ測定用培地(DIFCO−ポテトデキストロース寒天培地、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社販売)を入れたシャーレ、及び生菌(細菌)数測定用培地(標準寒天培地、(株)日水製薬販売)を入れたシャーレをそれぞれ室内の5箇所に蓋をとった状態で配置し、2時間放置した後、カビ測定用シャーレは27℃、7日間、細菌測定用シャーレは35℃、2日間、培養器中に保持して各培地に出現するコロニー数を空中落下菌数として測定した。次いで、同じ8畳間において、同様に家庭用扇風機を5分間運転した後、竹粉入りコーン型成形薫香1個(0.46g)を炎の出ない状態で燃焼させた(燻らせた)以外は対照試験と同様に操作して、竹粉入りコーン型成形薫香の燻煙ガスが室内に拡散した状態での空中落下菌数を測定した。結果を表5に示す。
Figure 2005336152
表5の結果から明らかなように、空中落下菌の数はカビ及び細菌のいずれにおいても、竹粉入りコーン型成形薫香を焚く前に比べ焚いた後の方が約6割及び約7割と少なく、竹粉入りコーン型成形薫香の燻煙ガスが抗菌作用を示すことが確認された。
<竹粉入りプロポリス配合コーン型成形薫香>
実施例2−1で用いた孟宗竹の竹茹粉(商品名「タケキノンパウダー」、(株)フードテック製)75質量部とのり粉((株)天年堂製)25質量部を均一に混合した後、プロポリス粉末2質量部を120質量部の水に懸濁して得た懸濁液を加えて混捏し、常法に従って、コーン型に圧縮・押出し成形を行い自然乾燥させて、重さ約0.47g、直径約10mm、高さ約20mmの竹粉入りプロポリス配合コーン型成形薫香を調製した。本品は、竹粉に加えてプロポリスを配合しているため、これ自体でプロポリス特有の心地よい芳香を楽しむことができ、加えて、これを焚いた際にはその燻煙ガスが抗カビ作用を発揮する優れた成形薫香である。
<竹粉入り成形薫香の燻煙ガスに含有される竹粉に特有の成分>
抗カビ作用が強い本発明の竹粉入り成形薫香の燻煙ガスにおける特有の成分を調べるため、下記の表6に示す組成からなる4種類の成形薫香の粉砕物それぞれ約5mgを試料とし、熱分解処理して生じる燻煙ガスを、後記する方法によるガスクロマトグラフィー−マススペクトロメトリー(GC/MS)により分析した。なお、対照の成形薫香は、実施例1で調製した竹粉入り成形薫香における竹粉を、一般の成形薫香に用いられる本粉((株)天年堂製)と置換して同様に調製したものである。市販成形薫香1及び2は実施例1で用いたものをそのまま用いた。
Figure 2005336152
<GC/MS分析条件>
ガスクロマトグラフ:GC 5890 SERIES II(ヒューレット・パッカード株式会社製)
カラム:DB−Wax(内径0.2mm、長さ25m、膜厚0.25μm)
昇温条件:40℃で3分保持した後、毎分5℃で250℃まで昇温
熱分解温度:350℃ キャリヤーガス:ヘリウム
質量分析計:Automass(日本電子株式会社製)
観測質量範囲:m/z 40〜600
竹粉入り成形薫香、対照の成形薫香、及び市販成形薫香1及び2の燻煙ガスの、それぞれのガスクロマトグラムa、b、c及びdを上から順に並べたものを図1に示す。本発明の竹粉入り成形薫香の燻煙ガスのクロマトグラムaを本粉とのり粉からなる対照の成形薫香、及び、市販成形薫香1及び2のそれと比較したところ、本発明の竹粉入り成形薫香の燻煙ガスのクロマトグラムにのみ認められ、対照の成形薫香、市販成形薫香1及び2のクロマトグラムの何れにも認められない成分として、図1のクロマトグラムaにおいて矢印で示す保持時間35.9分のピーク(この物質を以下、物質Xと呼称する。)が認められた。物質Xを質量分析した場合のマススペクトルを図2に示す。このマススペクトルと一致する物質をマススペクトルデータベースより検索した結果、及び、標準品のGC/MS分析の結果から、物質Xは、p−クマル酸(p−ヒドロキシ桂皮酸)と同定された。このことから、抗カビ作用を示す本発明の竹粉入り成形薫香の燻煙ガスに特有な成分としてp−クマル酸が存在することが判明した。
<竹粉入りコーン型成形薫香の燻煙ガスに含有される特有の成分>
実施例2で調製した竹粉入りコーン型成形薫香(配合:竹茹粉80質量%、のり粉20質量%)の燻煙ガスにおける特有の成分を調べるため、実施例5と同様にガスロマトグラフィー−マススペクトロメトリー(GC/MS)による分析を行った。燻煙ガスのガスクロマトグラムを図3に示す。竹茹粉で調製したコーン型成形薫香の燻煙ガスのクロマトグラムは、実施例5における竹粉(竹茹のアルコール抽出残渣の粉)入り成形薫香の燻煙ガスのクロマトグラムと同様であり、保持時間35.5分に竹粉に特有なp−クマル酸のピークも認められた。
本発明の成形薫香は、その燻煙が抗カビ作用を発揮することから、日常的に使用することにより、仏間のみならず、座敷、居間、寝室、バスルーム、エステルームなど各種室内、さらにはこれら室内の物品の防カビに有用である。
各種成形薫香の燻煙ガスのガスクロマトグラムである。a:竹粉入り成形薫香(竹茹のアルコール抽出残渣の粉53質量%、のり粉47質量%)の燻煙ガスのガスクロマトグラムb:対照の成形薫香(本粉53質量%、のり粉47質量%)の燻煙ガスのガスクロマトグラムc:市販成形薫香1(A社)の燻煙ガスのガスクロマトグラムd:市販成形薫香2(B社)の燻煙ガスのガスクロマトグラム 物質Xのマススペクトルである。 竹粉入りコーン型成形薫香(竹茹粉80質量%、のり粉20質量%)の燻煙ガスのガスクロマトグラムである。

Claims (4)

  1. 竹粉を含んでなり、その燻煙ガスが抗カビ作用を有する成形薫香。
  2. 竹粉の含量が、成形薫香の25質量%以上95質量%以下である請求項1記載の成形薫香。
  3. 燻煙ガスの成分としてp−クマル酸を含有する請求項1又は2記載の成形薫香。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の成形薫香の燻煙ガスによりカビの増殖を抑制する方法。

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