JP2005335753A - 包装用積層フィルム及びその製造方法、並びに包装袋 - Google Patents

包装用積層フィルム及びその製造方法、並びに包装袋 Download PDF

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Abstract

【課題】 包装袋とした際に、容易に開封することのできる引裂き性を備えた包装用積層フィルムを提供する。
【解決手段】包装時外側を成す外層側から被包装物の配置される内層側に向かって、少なくとも基材フィルム層11、ポリオレフィン系樹脂層12、金属箔層13、及びコモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体層14を備える積層フィルムの前記各層を、前記ポリオレフィン系樹脂層12、及び前記エチレン共重合体層14を構成する各樹脂を溶融して押し出す押出ラミネートにより積層して総厚み40〜150μmの包装用積層フィルムを得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、包装用積層フィルム及びその製造方法、並びに包装袋に関し、より詳細には、シール袋等の包装袋となる積層フィルム及びその製造方法、並びに該積層フィルムにより製造された包装袋に関し、特に揮発性の成分、例えば薬液等を含浸させた脱脂綿やガーゼなどの衛生材料等を包装するに適した包装用積層フィルム及びその製造方法、並びに包装袋に関する。
消毒液等の薬液、特にアルコール等の揮発性の高い成分を含有する薬液を含浸させた脱脂綿等の衛生材料は、揮発性成分の揮発や薬液の変質等を防止する観点から密封状態で、かつ、遮光された状態で保管されることが好ましい。
このような密封性や遮光性を確保するために、衛生材料をドライラミネートフィルムから成るシール袋により密封することが行われており、一例として、シリカ蒸着フィルムの外側にアルミ層を設け、前記アルミ層の外側に耐熱性の合成樹脂層を設け、前記シリカ蒸着フィルムの内側に前記耐熱性の合成樹脂より溶融温度が低い合成樹脂シーラント層を設け、各層をドライラミネート用接着剤にて接着した層構成よりなる袋体素材がある(特許文献1参照)。
この発明の先行技術文献情報としては、次のものがある。
特開2001−37846号公報
前掲の特許文献1に記載の袋体素材にあっては、シリカ蒸着フィルムがバリヤ性、防湿性、耐薬品性、耐溶剤性及び耐内容物性を発揮し、アルミ層が紫外線や蛍光灯の光を遮断して遮光性のないシリカ蒸着フィルムを補完し、揮発性薬液の酸化作用を抑制する一方、シリカ蒸着フィルムがアルミ層に対する薬品や溶剤、内容物による影響を抑制している。
また、最内側の合成樹脂シーラント層により、該袋体素材に必要なシール性を付与して内容物の密封を可能とし、これにより内容物が長期に亘り殺菌洗浄能力を保持することができるものとなっている(特許文献1の「0019」「0020」欄)。
しかし、既知のドライラミネートフィルムから成る袋体素材にあっては、一般的に前述のアルミ層等の金属箔層と樹脂材料層間の密着強度が低いために、開封時に層間剥離を起こす等して該ラミネートフィルムの引裂き性が低下する。
特に、前述のように揮発性の薬液を含浸させた衛生材料等を包装する包装袋にあっては、衛生材料に含浸された薬液がシーラント層や基材層等の樹脂材料層を透過して各層間の密着性を更に低下させることから、このような引裂き性の低下がより生じ易いものとなっている。
そのため、前述のような消毒液等の薬液を含浸させた衛生材料が、必要時に迅速に開封されて使用可能な状態とされることが要求されるものでありながら、その引裂き性の悪さによりこれを迅速に取り出すことができないものとなっている。
特に近年にあっては、雑菌汚染を防ぐ目的と使い易さの追求から、前述のような衛生材料を一回の使用分毎に個別包装することが行われる場合もあることから、例えば医療機関等で消費する衛生材料のように、一度に多量に消費されることが予想される物品を包装する包装袋にあっては、より容易な開封性が求められている。
本発明は、上記従来技術における欠点を解消するためになされたもので、長期間の包装によっても衛生材料に含浸された薬液等の変質や揮発等を防止して、密封状態を保持するという従来のこの種の包装用積層フィルムの利点を有しつつ、容易に開封することのできる引裂き性を備えた包装用積層フィルム及びその製造方法、並びに該積層フィルムにより製造された包装袋を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の包装用積層フィルム1及びその製造方法は、包装時外側を成す外層側から被包装物の配置される内層側に向かって、基材フィルム層11、ポリオレフィン系樹脂層12、金属箔層13、及びコモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体層14を少なくとも含み、前記金属箔層の前記エチレン共重合体層側の面が、10W・min/m以上のコロナ放電によりコロナ処理されていると共に、前記ポリオレフィン系樹脂層12、及び前記エチレン共重合体層14を、それぞれポリオレフィン系樹脂及びエチレン共重合体の溶融押し出しにより形成した、押出ラミネートによる総厚み40〜150μmの包装用積層フィルムである(請求項1,請求項6)。
前述の包装用積層フィルム1は、前記ポリオレフィン系樹脂層12の材質として高圧ラジカル法により製造された低密度ポリエチレンを使用することができ、該ポリオレフィン系樹脂層12の前記金属箔層13側の面12aを、5.0g/m以上のオゾンの吹き付けによりオゾン処理した構造を備えている(請求項2,請求項7)。
また、前記ポリオレフィン系樹脂層12の材質としては、高圧ラジカル法により製造された低密度ポリエチレン80〜97wt%と、コモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体3〜20wt%とを混合した混合樹脂を使用することもできる(請求項3,請求項8)。
さらに、前記金属箔層13の前記エチレン共重合体層側の面13aは、好ましくは20W・min/m以上のコロナ放電によりコロナ処理されていることが好ましく(請求項1,請求項9)、また、本発明の包装用積層フィルム1は、押出ラミネート後、30〜70℃の温度で6〜72時間保温するエージングを行うことが好ましい(請求項4,請求項10)。
また、本発明の包装袋は、前述のようにして得られた二枚の包装用積層フィルム1を重ね合わせ、縁部をヒートシールして製造したものである(請求項5)。
上記構成を備えた本発明の包装用積層フィルム1は、引裂き強度を低く抑えることができ、この積層フィルムにより製造された包装袋は、これを容易に引き裂いて開封することができるものであった。
しかも、エタノール等の揮発性の薬液との長時間の接触によっても引き裂き性が低下せず、衛生材料等の長期の包装に適した積層フィルム1及び包装袋を提供することができた。
特に、ポリオレフィン系樹脂層12の金属箔層13側の面12aにオゾン処理を行った包装用積層フィルム1(請求項2,請求項7)、金属箔層13のエチレン共重合体層14側の面13aにコロナ処理を行った包装用積層フィルム1(請求項1,請求項9)、各層のラミネート後に所定条件でエージングを行った包装用積層フィルム1(請求項4,請求項10)及びこれらの包装用積層フィルム1により製造された包装袋にあっては、これらの処理を行っていない包装用積層フィルム及びその包装袋に比較して、開封性を更に向上させることができた。
また、前記ポリオレフィン系樹脂層12として、所定の低密度ポリエチレンとエチレン共重合体とを、所定の割合で混合した混合樹脂を使用する場合(請求項3,請求項8)には、ポリオレフィン樹脂層12に対して前述のオゾン処理を行わない場合にあっても、オゾン処理を行った場合と同様の開封性の向上を得ることができた。
次に、本発明の実施形態を以下に説明する。
本発明の包装用積層フィルム1は、図1に示すように、包装袋とした際に袋の外側となる外層側から、被包装物の配置側である内層側に向かって順に、基材フィルム層11、ポリオレフィン系樹脂層12、金属箔層13、及びコモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体層14の少なくとも4層の積層構造を有し、前記ポリオレフィン系樹脂層12及びエチレン共重合体層14が、これを構成する樹脂を溶融押出しによって押出ラミネート法で製造された、総厚み40〜150μmの包装用積層フィルム1である。
なお、本明細書において、前述のように包装袋として製造した際に袋の外側となる側を、以下単に包装用積層フィルム1の「外側」と、内側となる側を以下単に「内側」という。
〔基材フィルム層〕
包装袋に製袋された際に袋の外側となる前述の基材フィルム層11は、包装袋とした際に包装袋の外部からの応力に対する耐久性と、開封時の引裂き易さとを考慮した材質を使用し、一例として、2軸延伸ポリエステルフィルム、2軸延伸ポリアミドフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用することができる。その厚みは、好ましくは10〜20μmである。
この基材フィルム層11となるフィルムの表面のうち、後述するポリオレフィン系樹脂層12に積層される面11aには、ポリオレフィン系樹脂層12との層間付着強度を高める目的で予めアンカーコート剤等を塗布しておくことが望ましい。
〔ポリオレフィン系樹脂層〕
前述の基材フィルム層11の内側に積層されるポリオレフィン系樹脂層12は、溶融押出しにより前記基材フィルム層11及び後述の金属箔層13間に積層される。
このポリオレフィン系樹脂層12を構成するポリオレフィン系樹脂の例としては、高圧ラジカル法により製造された低密度ポリエチレン、又は前記低密度ポリエチレン80〜97wt%とコモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体を3〜20wt%とを混合した混合樹脂を使用することができる。
前述の混合樹脂を使用する場合、この混合樹脂を構成するコモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体の例としては、エチレンビニルエステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられ、特に、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、又はエチレン−アクリル酸共重合体を使用することが好ましい。
前述のポリオレフィン系樹脂層12として、高圧ラジカル法により製造された低密度ポリエチレンを単独で使用する場合には、押し出されたポリオレフィン系樹脂層の少なくとも後述する金属箔層13との積層面12aに、オゾンを吹き付けてオゾン処理を行うことが好ましい。このオゾンの吹き付け量は、5.0mg/m未満では引裂き性の改善に効果的でないことから、オゾン処理を行う場合にはフィルム状に押し出されたポリオレフィン系樹脂に対し、5.0mg/m以上、好ましくは10.0mg/m以上の吹きつけ量で行うことが好ましい。
このようなオゾン処理は、既知の各種オゾン処理機により行うことができ、一例として、前記ポリオレフィン系樹脂層12となる樹脂を押し出すTダイの下に形成されたエアーギャップに、ノズル状又はスリット状の吹き出し口を形成配置し、この吹き出し口からオゾンを含む気体(例えば空気など)を、押し出されたポリオレフィン系樹脂に吹き付けることにより行うことができる。
なお、ポリオレフィン系樹脂として、高圧ラジカル法により製造された前記低密度ポリエチレンと、コモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体を所定の割合で混合した混合樹脂を使用する場合には、前述のオゾン処理は必ずしも必要ではないが、このポリオレフィン系樹脂層12と積層される他の層(基材フィルム層11、金属箔層13)、特に金属箔層13との接着を改良するためにダイより押し出された樹脂に対して、オゾン処理、その他の酸化処理(例えば火焔処理やコロナ処理等)を行っても良い。
また同様に、ポリオレフィン系樹脂層12として、高圧ラジカル法により製造された低密度ポリエチレンを単独で使用する場合においても、金属箔層13と積層される面12aのみならず基材フィルム層11と積層される面12bに対してもオゾン処理、その他の酸化処理を施しても良い。
〔金属箔層〕
金属箔層13は、製造された包装用積層フィルム1に遮光性を付与するもので、アルミ箔、鉄箔、銅箔、その他の各種金属箔を使用することができ、一例としてその厚みは5〜16μmである。本実施形態にあっては、この金属箔層13として6〜9μmアルミ箔を使用している。
この金属箔層13には、樹脂層を積層する際にコロナ処理を施すことが好ましく、特に後述するエチレン共重合体層14が積層されると面13aには、このエチレン共重合体層14を積層するに際して前述のコロナ処理を行うことが好ましい。
このコロナ処理は、10W・min/m未満のコロナ放電によっては、効果的な引裂き性の改善が見られないことから、コロナ処理を行う場合には、好適には10W・min/m以上、より好適には20W・min/m以上のコロナ放電により行うことが好ましい。
このコロナ処理は、既知の各種のコロナ放電処理機を用いて行うことができ、発生させたコロナ雰囲気中に金属箔(金属箔に既に他の層が積層されている場合には、この金属箔を含む積層体)を通過させることにより行う。
〔エチレン共重合体層〕
エチレン共重合体層14は、これを構成する樹脂を溶融押し出しで前記金属箔層13の内側に積層することにより形成され、本発明の包装用積層フィルム1にヒートシール性を付与すると共に、衛生材料等の被包装材から前述の金属箔層13を保護するもので、コモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体により構成されている。
このコモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体としては、前述の混合樹脂から成るポリオレフィン系樹脂層12において、前記混合樹脂として低密度ポリエチレンに混合したと同様のものを使用することができ、一例として、エチレンビニルエステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。特に、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、又はエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)を使用することが好ましい。
〔積層例〕
以上説明した本発明の包装用積層フィルム1を構成する各層11〜14は、一例として下記の方法により積層される。
まず、基材フィルムと金属箔間にポリオレフィン系樹脂をコロナ処理を行いつつ押出し、基材フィルムと金属箔とをポリオレフィン系樹脂を介して積層する。なお、基材フィルムのポリオレフィン系樹脂を積層する面11aには、必要に応じて予めアンカーコートを塗布しても良い。
このようにして、基材フィルム層11、ポリオレフィン系樹脂層12、及び金属箔層13の3層に形成されたフィルムは、これをコロナ処理装置内を通過させる等して、金属箔層13の未積層面13aに対してコロナ処理を行った後、この金属箔層13の未積層面13aに対してエチレン共重合体を溶融押し出して積層し、エチレン共重合体層14を形成する。
なお、各層の積層手順は、上記手順に限定されず、基材フィルム層11、ポリオレフィン系樹脂層12、金属箔層13、及びエチレン共重合体層14の各層を積層可能であれば、これを逆の手順で行っても良く、又は同時に行っても良い。
このようにして得られた積層フィルムは、好ましくはこれを30〜70℃の温度で6〜72時間、より好ましくは40〜65℃の温度で12〜60時間保持してエージングを行う。
この工程によって基材フィルム層11とポリオレフィン系樹脂層12の層間におけるAC剤硬化反応が促進されて密着強度が上昇し、エチレン共重合体層14とアルミ箔層13間の密着強度が何らかの作用によって上昇することで手切れ性が良くなるからである。
以上のようにして得られた本発明の包装用積層フィルム1を使用して製袋された包装体の引き裂き強度は、これを0.4N以下とすることができ、易開封性を有すると共に、この積層フィルムのエチレン共重合体層にエタノールを含む薬液を6時間湿布して放置した後においても、その引裂き強度が0.4Nを越えることはなく、前記薬液による開封性の低下が生じない優れた性質を有する。
次に、本発明の包装用積層フィルムの製造実施例、及び該包装用積層フィルムにより製袋した包装袋の開封試験を行った結果を以下に説明する。
なお、本発明の積層フィルム及び包装体は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において種々の変更が可能である。
〔実施例1〕
(基材フィルム層)
材質:グラビア印刷された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋エステル製「E5102」)
厚さ:12μm
AC剤塗布の有無:有り(三井武田ケミカル製「タケラック」)
(ポリオレフィン系樹脂層)
材質:ポリエチレン樹脂(住友化学製「スミカセンL705」)
押出厚さ:15μm
オゾン処理の有無:有り;金属箔層との積層面に対し10.3mg/m
(金属箔層)
材質:アルミニウム箔(東洋アルミ製)
厚さ:7μm
コロナ処理の有無:有り;エチレン共重合体との積層面に対し20W・min/m
(エチレン共重合体層)
材質:メタクリル酸含有率9%のエチレン・メタクリル酸共重合体(三井デュポンポリケミカル製「ニュクレルN410C」)
押出厚さ:25μm
(製造手順)
AC剤を塗布した基材フィルムとアルミ箔間に、上記ポリオレフィン系樹脂をオゾン処理しながら押出し、得られた積層体のアルミ箔面にコロナ処理を行った後、上記エチレン共重合体を押出して積層フィルムを得た。
その後、得られた積層フィルムを40℃で24時間保持してエージングを行った。
〔実施例2〕
ポリオレフィン系樹脂層12として、ポリエチレン樹脂(住友化学製「スミカセンL705」)95wt%と、メタクリル酸含有率11%のエチレンメタクリル酸共重合体(三井デュポンポリケミカル製「ニュクレルN1108C」)5wt%の混合樹脂を使用した点、及び押し出されたポリオレフィン系樹脂に対してオゾン処理を行わなかった点を除き、実施例1に同じ。
〔比較例1〕
金属箔に対して7W・分/mのコロナ処理を行った点を除き、実施例1に同じ。
〔比較例2〕
ポリオレフィン系樹脂に対してオゾン処理を3mg/mしか行わなかった点を除き、実施例1同じ。
〔比較例3〕
エージングを20℃で6時間しか行わなかった点を除き、実施例1と同じ。
〔比較例4〕
(基材フィルム層1)
材質:2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム「E5102」)
厚さ:12μm
(金属箔層)
材質:アルミニウム箔(東洋アルミ製)
厚さ:9μm
(基材フィルム層2)
材質:2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡エステルフィルム「E5202」)
厚さ:12μm
(ポリプロピレン層)
材質:無延伸ポリプロピレンフィルム(東レ合成フィルム製 トレファンNO「3931」)
厚さ:40μm
(製造手順)
外面から順番に基材フィルム層1、金属箔層、基材フィルム層2そしてポリプロピレン層をドライラミネートして積層フィルムを得た。
〔開封試験〕
以上のようにして得られた包装用積層フィルム1を、エチレン共重合体層14を相互に重ね合わせるようにして2枚重合し、4辺をヒートシールして包装袋を製造した。
この包装袋の開封性につき、以下の試験を行った。
(引裂き強度の測定)
JIS規格K7128−2:1998に従い、包装体の引裂き強度をエルメンドルフ引裂法にて測定した。
(手切れ性の試験)
無作為に選定した男女それぞれ3名、計6名を被験者とし、上述のようにして作製した包装袋それぞれに同一形状の切れ込みを入れ、それらを被験者に手で引裂かせ、引裂き易さを比較させた。
手切れ性の試験においてそれぞれの被験者が引裂き易いと感じた順に1〜5番迄の順位を付けさせ、その値を各包装袋毎に合計(例えば、実施例1の包装袋に対し、被験者4名が1番と評価し、他の被験者が2番及び3番と評価した場合には、1+1+1+1+2+3=合計点9点を算出)して相対手切れ値として求め、このデータ整理方法により手切れ性の試験結果を数値化した。
即ち、相対手切れ値が低い程引裂き易く、相対手切れ値の合計点が高い程引裂きにくい。
Figure 2005335753
以上の包装袋の開封試験結果から、本発明の包装用積層フィルムで製造した包装袋に関し、以下の点を確認することができた。
(総合評価)
本願の構成を備えた実施例1〜2の包装袋は、いずれも0.4N未満の引裂き強度を有するものであった。
また、比較例1の包装袋に比較して、相対手切れ値において有利な結果を確認することができた。
(オゾン処理及びコロナ処理の有効性)
ポリオレフィン系樹脂層12に対して所定のオゾン処理を行った実施例1の積層フィルムで製造した包装袋は、オゾン処理を3mg/mしか行っていない比較例2の積層フィルムで製造した包装に比較して、流れ方向及び幅方向共に引裂き強度を0.1N低下させることができ、また、相対手切れ値においても有利な数値を示すことが確認された。
また、同様に金属箔層13に対して所定のコロナ処理を行っている実施例1の積層フィルムで製造した包装袋は、このようなコロナ処理を行っていない実施例3の積層フィルムで製造した包装袋に対し、流れ方向及び幅方向共に0.1Nの引裂き強度の低下が得られると共に、相対手切れ値においても有利な数値を示すことが確認された。
従って、ポリオレフィン系樹脂に対する本願所定のオゾン処理、金属箔層に対する本願所定のコロナ処理を行うことは、本発明の包装袋の開封性を向上させるために極めて有効な手段であることが確認された。
(ポリオレフィン系樹脂層の材質限定とオゾン処理の省略)
ポリオレフィン系樹脂層12として、本願所定の低密度ポリエチレンとエチレン共重合体とを所定の割合で混合した混合樹脂を使用した実施例2の積層フィルムで製造した包装袋にあっては、ポリオレフィン系樹脂層12に対するオゾン処理を省略した場合であっても、実施例1の積層フィルムで製造した包装袋と同数値(流れ方向及び幅方向共に0.3N)の引裂き強度を示すと共に、相対手切れ値においても遜色のない数値を示すことが確認された。
このことから、ポリオレフィン系樹脂層12として、前述の低密度ポリエチレンとエチレン共重合体との混合樹脂を使用することにより、ポリオレフィン系樹脂層に対するオゾン処理を省略しても包装袋の開封性をオゾン処理を行った場合と同程度に向上させることができることが確認できた。
(エージングの有効性)
以上説明した本発明の包装用積層フィルムは、揮発成分を含む薬剤が含浸された衛生材料等を包装するシール袋を製造するに特に適したものであり、例えば、医療機関等で使用する前記衛生材料の他、同様の衛生材料を一回、又は複数回の使用分毎に小分け包装した携帯用衛生材料の包装、使い捨ておしぼりやお手拭き等の包装、化粧水等を含浸させたガーゼやパフ、その他、揮発成分や薬剤等を含む物品の包装に好適である。
本発明の包装用積層フィルムの概略断面図。
符号の説明
1 包装用積層フィルム
11 基材フィルム層
11a 面(基材フィルム層の)
12 ポリオレフィン系樹脂層
12a,12b 面(ポリオレフィン系樹脂層の)
13 金属箔層
13a 面(金属箔層の)
14 エチレン共重合体層

Claims (10)

  1. 包装時外側を成す外層側から被包装物の配置される内層側に向かって、基材フィルム層、ポリオレフィン系樹脂層、金属箔層、及びコモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体層を少なくとも含み、前記金属箔層の前記エチレン共重合体層側の面が、10W・min/m以上のコロナ放電によりコロナ処理されていると共に、前記ポリオレフィン系樹脂層、及び前記エチレン共重合体層を、それぞれポリオレフィン系樹脂及びエチレン共重合体の溶融押し出しにより形成した、押出ラミネートによる総厚み40〜150μmの包装用積層フィルム。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂層が、高圧ラジカル法により製造された低密度ポリエチレンにより形成されていると共に、該ポリオレフィン系樹脂層の前記金属箔層側の面が、5.0mg/m以上のオゾンの吹き付けによりオゾン処理されていることを特徴とする請求項1記載の包装用積層フィルム。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂層が、高圧ラジカル法により製造された低密度ポリエチレン80〜97wt%と、コモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体3〜20wt%とを混合した混合樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1の包装用積層フィルム。
  4. 押出ラミネート後、30〜70℃の温度で6〜72時間保温した請求項1〜3いずれか1項記載の包装用積層フィルム。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載の2枚の包装用フィルムを重ね合わせ、縁部をヒートシールして成る包装袋。
  6. 包装時外側を成す外層側から被包装物の配置される内層側に向かって、少なくとも基材フィルム層、ポリオレフィン系樹脂層、金属箔層、及びコモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体層を備える積層フィルムの前記各層を、前記ポリオレフィン系樹脂層、及び前記エチレン共重合体層を構成する各樹脂を溶融して押し出す押出ラミネートにより積層し、
    総厚み40〜150μmに形成することを特徴とする包装用積層フィルムの製造方法。
  7. 前記ポリオレフィン系樹脂層を構成する樹脂として、高圧ラジカル法により製造された低密度ポリエチレンを溶融し押し出すと共に、前記金属箔層との積層前に、押し出された前記低密度ポリエチレンの前記金属箔層に対する積層面に対し、5.0g/m以上でオゾンの吹き付けを行うことを特徴とする請求項6記載の包装用積層フィルムの製造方法。
  8. 前記ポリオレフィン系樹脂層を構成する樹脂として、高圧ラジカル法により製造された低密度ポリエチレン80〜97wt%と、コモノマー含有率5〜15wt%のエチレン共重合体3〜20wt%とを混合した混合樹脂を溶融して押し出すことを特徴とする請求項7の包装用積層フィルムの製造方法。
  9. 前記エチレン共重合体層を積層する前に、前記金属箔層の前記エチレン共重合体層との積層面に対して20W・min/m以上のコロナ放電を行うことを特徴とする請求項7又は8記載の包装用積層フィルムの製造方法。
  10. 前記押出ラミネートによる積層後、30〜70℃の温度で6〜72時間保温することを特徴とする請求項7〜9いずれか1項記載の包装用積層フィルムの製造方法。
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JP2009248377A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 太陽電池用積層体シート及びそれを用いた太陽電池モジュール
JP2014201338A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 旭化成ケミカルズ株式会社 流動性接着剤用包装材

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