JP2005335574A - 支持体および空気入りランフラットタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 衝撃に対する支持部の耐性を向上させる支持体および空気入りランフラットタイヤを得る。
【解決手段】 ランフラット走行時に大きな衝撃が加わると、支持部26の凸部26Aから支持部26Aの端部側に大きな荷重が作用するが、補強部27がフランジ部26Dのタイヤ軸方向外側端部からタイヤ径方向内側へ向けて延出されているので、支持部26の端部側が補強され、支持部26の端部側から亀裂が発生するのを抑える。このように、補強部27によって衝撃時の荷重に対する剛性を高めて支持部26の耐性を向上させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ランフラット走行時に大きな衝撃が加わると、支持部26の凸部26Aから支持部26Aの端部側に大きな荷重が作用するが、補強部27がフランジ部26Dのタイヤ軸方向外側端部からタイヤ径方向内側へ向けて延出されているので、支持部26の端部側が補強され、支持部26の端部側から亀裂が発生するのを抑える。このように、補強部27によって衝撃時の荷重に対する剛性を高めて支持部26の耐性を向上させることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明はパンク等により内部空気圧が減った場合にも、その状態のまま相当の距離を走行し得るようにタイヤの内部に配設される支持体および空気入りランフラットタイヤに関する。
空気入りタイヤでランフラット走行が可能、即ち、パンクしてタイヤ内圧が0kgf/cm2になっても、ある程度の距離を安心して走行が可能なタイヤ(以後、ランフラットタイヤと呼ぶ。)として、タイヤの空気室内におけるリムの部分に、中子(支持体)を取り付けた中子タイプのランフラットタイヤが知られている。中子(支持体)は、タイヤ径方向外側へ突出してランフラット走行時に荷重を受ける環状のシェル(支持部)と、このシェル(支持部)の軸方向両側へ取り付けられてリムに組み付けられる脚部と、を備えている。
このようなシェル(支持部)においては、ランフラット走行時にシェル(支持部)が脚部内で径方向内側に変位することを防止するために、略タイヤ回転軸方向に延在するフランジ部を形成する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ランフラット走行時に大きな衝撃が加わると、シェル(支持部)の接触部からシェル(支持部)の端部であるフランジ部に大きな荷重が作用する。このため、大きな衝撃時にフランジ部で亀裂が発生しないように、シェル(支持部)の材料と板厚との組み合せ、及びシェル(支持部)に形成される貫通孔の割合等が制限される。
特開平2004−51088公報
本発明は、上記事実を考慮して、衝撃に対する支持部の耐性を向上させる支持体および空気入りランフラットタイヤを提供することを課題とする。
請求項1に記載する本発明の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され、タイヤ径方向外側へ突出した接触部を備え、前記接触部のタイヤ径方向内側の部分にフランジ部を備えると共に、前記フランジ部のタイヤ軸方向外側端部からタイヤ径方向内側へ向けて延出される補強部を備える環状の支持部と、前記支持部へ取り付けられ、前記空気入りタイヤと共にリムへ組み付けられてランフラット走行時の荷重を前記リムへ支持させる弾性体の脚部と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載する本発明の支持体によれば、ランフラット走行時には、環状の支持部が接触部で荷重を受け、この荷重を弾性体の脚部がリムへ支持させる。ランフラット走行時に大きな衝撃が加わると、支持部の接触部から支持部の端部側に大きな荷重が作用する。しかし、補強部がフランジ部のタイヤ軸方向外側端部からタイヤ径方向内側へ向けて延出されているので、支持部の端部側が補強され、支持部の端部側から亀裂が発生するのを抑える。このように、補強部によって衝撃時の荷重に対する剛性を高めて支持部の耐性を向上させることができる。
なお、フランジ部は、支持部の端部側において、つば状に張り出した部分であり、脚部との取付部分となっている。
請求項2に記載する本発明の支持体は、請求項1記載の構成において、前記フランジ部に表裏面を貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする。
請求項2に記載する本発明の支持体によれば、フランジ部に表裏面を貫通する貫通孔が形成されるので、支持部の軽量化と、フランジ部の脚部に対する接触面積の確保とを図ることができる。ここで、貫通孔を形成することで、衝撃時の荷重に対する剛性が低くなるが、フランジ部のタイヤ軸方向外側端部からタイヤ径方向内側へ向けて補強部を延出させることで、剛性を高めて支持部の耐性を向上させている。
請求項3に記載する本発明の支持体は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記補強部の延出長さLが1mm≦L≦10mmであることを特徴とする。
請求項3に記載する本発明の支持体によれば、補強部の延出長さLが1mm≦L≦10mmであるので、衝撃時の荷重に対する剛性を一定以上高めることができると共に、支持体のリムへの組付け時に補強部が荷重を受けて変形するのを抑えることができる。
請求項4に記載する本発明の空気入りランフラットタイヤは、一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層と、を備えるタイヤと、前記タイヤを装着するタイヤサイズ装着用のリムと、前記タイヤの内側に配設され、リムに組み付けられる請求項1から4のいずれか一項に記載の支持体と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載する本発明の空気入りランフラットタイヤによれば、空気入りタイヤの内圧低下時には、空気入りタイヤの内部に配設された支持体がサイドゴム層に代わってトレッド部を支持することによって、ランフラット走行が可能となる。ここで、ランフラット走行時には、環状の支持部が接触部で荷重を受け、この荷重を弾性体の脚部がリムへ支持させる。ランフラット走行時に大きな衝撃が加わると、支持部の接触部から支持部の端部側に大きな荷重が作用するが、補強部によって支持部の端部側が補強されているので、支持部の端部側から亀裂が発生するのを抑えることができる。このように、補強部によって衝撃時の荷重に対する剛性を高めて支持部の耐性を向上させることができる。
以上説明したように、本発明の支持体および空気入りランフラットタイヤによれば、衝撃に対する支持部の耐性を向上させることができるという優れた効果を有する。
本発明における支持体および空気入りランフラットタイヤの第1の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、ランフラットタイヤ10とは、図1に示すように、一般的なホイルリム12に空気入りタイヤ14と支持体16とを組み付けたものをいう。
図1に示すように、支持体16を組み付けるリム12は、空気入りタイヤ14のサイズに対応した標準リムである。この実施形態における空気入りタイヤ14は、一対のビード部18と、両ビード部18に跨がって延びるトロイド状のカーカス20と、カーカス20のクラウン部に位置する複数(本実施形態では2枚)のベルト層22と、ベルト層22の上部にゴム層により形成されたトレッド部24と、カーカス20のタイヤ軸方向外側をゴム層により覆って構成したタイヤサイド部25と、を備える。この実施形態で示すタイヤは、一般的なタイヤ形状であるが、本発明は各種のタイヤ形状に適用できる。なお、図中「O」は、タイヤの回転軸心を、「CL」はタイヤ幅方向の中央で回転軸心Oに垂直であるタイヤ赤道面を示している。
図2には、ランフラットタイヤ10に用いられる支持体16の回転軸心Oに沿った切断面で切断した径方向半断面の斜視図が示されている。空気入りタイヤ14(図1参照)の内部に配設される支持体16は、図2に示すように、全体としてリング状に形成されており、環状の支持部26と、この支持部26の両端部へそれぞれ取り付けられた弾性体としての加硫ゴム製の脚部28とを備えている。
支持体16は、支持部26の両端部をそれぞれインサートコアとしてモールド内へ装填し、ゴムにより一対の脚部28を加硫成形すると同時に、この一対の脚部28を支持部26の両端部にそれぞれ加硫接着することにより製造される。
脚部28は、長手方向がリング状(環状)とされ、回転軸心Oに沿った長手方向直角断面形状は、略矩形となっている。この脚部28は、図1に示すように、支持体16のリム組み付け時に空気入りタイヤ14の内側でリム12の外周にゴム弾性を利用して圧入等によりリム12へ組み付けられる。なお、支持体16のリム組み付け時には、コマ(治具)30によりビード部18及び脚部28が略軸方向内側へ向かう方向(矢印K方向)へ押されて組み付けられる。
脚部28に使用するゴム材料としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ウレタンゴム(U)等が挙げられ、これらは、単独で用いても、複数ブレンドして用いてもよい。また、これらのゴム材料は、充填剤を含有しており、ゴムの硬さ(Hd)は、充填剤の量により調整する。これらのゴム材料に配合することのできる充填剤としては、カーボンブラック、CaCO3、胡粉、シリカ等が挙げられる。
脚部28には、図2に示すように、環状の高剛性支持部26が接着されている。支持部26は、円筒状の高剛性の金属プレートから形成されている。ここで、支持部26の素材となる金属材料としては、例えば、高張力鋼、アルミ合金等を用いることができる。支持部26が高張力鋼を素材とする場合には、所定寸法に加工された高張力鋼からなる薄肉状の円筒材を用意し、この円筒材にヘラ絞り加工等を施すことにより支持部26は成形される。また、支持部26がアルミ合金を素材とする場合には、アルミ合金を押出加工により支持部26に対応する断面形状を有する薄肉プレート状の中間部品に成形した後、この中間部品をベンディング加工等により環状にすることで、支持部26は成形される。アルミ合金から支持部26を成形することにより軽量化を図ることができる。
なお、本実施形態では、支持部26は金属材料を素材としているが、軽量化を図るために、カーボン、ケプラー、ガラス繊維のいずれか1つあるいはその組み合わせで補強された熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を素材としてもよい。このような繊維で補強された樹脂を素材とする場合には、この素材を支持部26に対応する形状にモールド成形した後、高温・高圧下で焼成することによって支持部26を成形できる。
この支持部26は、タイヤ径方向外側へ突出した接触部としての凸部26Aと、その間に形成された径方向内側に凸となる凹部26B、さらには凸部26Aの幅方向外側(凹部26Bと反対側)に荷重を支持するサイド部26Cが一体的に形成されている。サイド部26Cのタイヤ径方向内側の部分(リム側部分)には略タイヤ回転軸O方向に沿って延在する筒状の基部としてのフランジ部26Dが形成されている。
図2及び図3に示されるように、フランジ部26Dのタイヤ軸方向外側端部からタイヤ径方向内側へ向けては、リブ状の補強部27が延出されている。図4に示されるフランジ部26Dのタイヤ軸方向外側への延長線Aと補強部27との成す角度Rは、30°≦R<180°となるようにするのが良く、好ましくは、60°≦R≦120°とするのが良い。R≧180°は、不可能であり、30°≦Rとすることで剛性の向上が顕著となる。本実施形態では、補強部27は、R=90°とされている。
補強部27の延出長さLは、1mm≦L≦10mmとなるようにするのが良い。1mm≦Lとすることで、衝撃時の荷重に対する剛性を一定以上高めることができ、L≦10mmとすることで、図1に示される支持体16のリム12への組付け時に補強部27が略軸方向内側へ向かう方向(矢印K方向)への荷重を受けた場合に変形するのを抑えることができる。本実施形態では、補強部27の延出長さL(図4参照)は、L=5mmとされている。
ここで、補強部27の加工については、フランジ部26Dのタイヤ軸方向外側端部にタイヤ径方向内側からリング状の補強部27を溶接してもよく、また、ロールフォーミング加工、ヘラ絞り加工等の加工を施すことにより作成してもよく、さらに、プレス等で折り曲げてもよい。なお、ロールフォーミング加工を施して補強部27を作成するのが最も効率的である。
なお、本実施形態では、図2及び図3に示されるように、補強部27は、連続した環状とされているが、非連続としてもよい。
次に、上記第1の実施形態の作用を説明する。
図1に示される空気入りタイヤ14の内圧が低下した場合、トレッド部24を支持体16の凸部26Aが支持、すなわち、凸部26Aで荷重を受けてランフラット走行する。この際、路面からの衝撃がトレッド部24、支持体16、リム12を介して車体に伝達される。ここで、支持体16のリム12と当接する部分には、脚部28が設けられており、ランフラット走行時の荷重をリム12へ支持させるが、脚部28は、ゴム製であるため、路面からの衝撃が緩衝される。これにより、ランフラット走行時の乗り心地が向上すると共に、路面からの衝撃によって支持体16(支持部26)のサイド部26Cが変形してしまうことを回避できる。
また、ランフラット走行時に大きな衝撃が加わった場合、支持部26の凸部26A、26Aから支持部26の両端部側に大きな荷重が作用する。しかし、補強部27がフランジ部26Dのタイヤ軸方向外側端部からタイヤ径方向内側へ延出されて断面2次モーメントが増加され、支持部26の端部側が補強されるので、支持部26の端部側から亀裂(割れ)が発生するのを抑える。このように、補強部27によって衝撃時の荷重に対する剛性を高めて支持部26の耐性を向上させることができる。
(試験例1)
上記第1の実施形態の作用を確認するために、以下に示す実施例に係る3種類のランフラットタイヤ(以下、これらを実施例1、2、3という)と、比較例に係るランフラットタイヤ(以下、単に比較例1という)との比較試験を行った。
(試験例1)
上記第1の実施形態の作用を確認するために、以下に示す実施例に係る3種類のランフラットタイヤ(以下、これらを実施例1、2、3という)と、比較例に係るランフラットタイヤ(以下、単に比較例1という)との比較試験を行った。
実施例1〜3及び比較例1には、支持部の素材として、JIS6061のアルミ合金を用い、T6熱処理を施した。また、支持部の板厚は、いずれも通常使用されるものの板厚よりも薄い2mmである。
実施例1、3は、補強部の延出長さを除き、上記第1の実施形態で説明したランフラットタイヤと同様の構成であり、実施例2は、上記第1の実施形態で説明したランフラットタイヤと同様の構成である。実施例1〜3は、195/65R15サイズの空気入りタイヤに支持体を挿入したものを、上記タイヤサイズに対応する標準リム(6.5J)に組み付けたものである。
補強部の延出長さL(図4参照)は、実施例1が1mm、実施例2が5mm、実施例3が10mmである。
一方、比較例1は、補強部がない点を除き、他の点については実施例1〜3と全く同じ形状である。
このような構成の実施例1〜3と比較例1に係るランフラットタイヤを乗用車に装着して1個のタイヤを空気圧ゼロ状態として時速40kmでランフラット走行をさせて、地面からの高さ30mm、走行方向の長さ100mmの突起を乗り越えさせた。この試験結果を表1に示す。
突起乗り越え後における支持部の端部の状態を調べたところ、表1に示されるように、比較例1では、20mmのクラックが発生したのに対して、実施例1では、15mmのクラックに留まり、実施例2、3では、クラックが発生していないことが確認された。このように、補強部の延出長さを1mm〜10mmにした場合、支持部の端部における剛性が高められ、衝撃に対する支持部の耐性が向上していることが確認された。
次に、支持体およびランフラットタイヤの第2の実施形態を図5に基づき説明する。第2の実施形態は、図5に示されるように、補強部27の先端側がタイヤ軸方向内側へ折り曲げられている点が特徴であり、他の構成については、第1の実施形態とほぼ同様の構成であるので、同一符号を付して説明を省略する。
図5に示されるように、補強部27の先端側は、タイヤ軸方向内側へ直角に折り曲げられた内向き曲部27Aとされている。ここで、フランジ部26Dのタイヤ軸方向外側への延長線Aと補強部27との成す角度Rは、90°である。また、フランジ部26Dと内向き曲部27Aとの間の距離Dは、6mmであり、内向き曲部27Aのタイヤ径方向内側(図5の下側)部分の長さEは、3mmである。このような形状にすることで、支持部26の両端部側における剛性が一層高められる。
次に、支持体およびランフラットタイヤの第3の実施形態を図6に基づき説明する。第3の実施形態は、図6に示されるように、補強部27の先端側がタイヤ軸方向外側へ折り曲げられている点が特徴であり、他の構成については、第1の実施形態とほぼ同様の構成であるので、同一符号を付して説明を省略する。
図6に示されるように、補強部27の先端側は、タイヤ軸方向外側へ直角に折り曲げられた外向き曲部27Bとされている。ここで、フランジ部26Dのタイヤ軸方向外側への延長線Aと補強部27との成す角度Rは、90°である。また、フランジ部26Dのタイヤ軸方向外側への延長線Aと外向き曲部27Bとの間の距離Fは、4mmであり、外向き曲部27Bの突出長さ(タイヤ径方向外側(図6の上側)部分の長さ)Gは、2mmである。このような形状にすることで、支持部26の両端部側における剛性が一層高められる。
次に、支持体および空気入りランフラットタイヤの第4の実施形態を図7、図8に基づき説明する。第4の実施形態に係る支持体および空気入りランフラットタイヤの構成は、フランジ部の一部に貫通孔を形成する点が特徴であり、他の構成については、第1の実施形態とほぼ同様の構成であるので、同一符号を付して説明を省略する。なお、支持部26の成形素材には、80kgf/mm2(784MPa)の引張り強さを有する高張力鋼を用いた。
図8に示すように、フランジ部26Dには、その一部がフランジ部26Dの表裏面を貫通する複数の貫通孔26Eが形成されている。図8に示すように、この貫通孔26Eの開孔部分の形状は、略円形とされている。貫通孔26Eが形成されることで、接着面積が大きくなるほか、図7に示すように、貫通孔26Eを介してフランジ部26Dの表面側と裏面側とにある脚部28が貫通孔26E内で連通して一体化するので、この連通部分によって脚部28はフランジ部26Dを固定することができ、脚部28とフランジ部26Dとの接着力を補強することになる。
ここで、貫通孔26Eの開孔率が大きいほど接着面積は大きくなるが、支持部26の両端部の固定強度低下を防ぐために、貫通孔26Eの開孔率は50%以下であることが好ましく、また、貫通孔26Eの孔縁部同士の間隔は、1mm以上であることが好ましい。さらに、貫通孔26Eの打ち抜きは、強度の観点より好ましくは千鳥抜きがよい。なお、貫通孔26Eの開孔部分の形状は、本実施形態では、略円形とされているが、例えば、楕円や多角形等であってもよい。
第4の実施形態では、フランジ部26Dに表裏面を貫通する貫通孔26Eが形成されるので、支持部26の軽量化と、フランジ部26Dの脚部28に対する接触面積の確保とを図ることができる。ここで、特に、貫通孔26Eを形成した本実施形態では、衝撃時の荷重に対する剛性が低くなり、貫通孔26Eを起点として亀裂が発生しやすくなるが、フランジ部26Dのタイヤ軸方向外側端部からタイヤ径方向内側へ補強部27を延出させることで、剛性が上がり変形が小さくなるため応力が緩和され、疲労破壊性が向上する。
(試験例2)
上記第4の実施形態の作用を確認するために、以下に示す実施例に係る3種類のランフラットタイヤ(以下、これらを実施例4、5、6という)と、比較例に係るランフラットタイヤ(以下、単に比較例2という)との比較試験を行った。
(試験例2)
上記第4の実施形態の作用を確認するために、以下に示す実施例に係る3種類のランフラットタイヤ(以下、これらを実施例4、5、6という)と、比較例に係るランフラットタイヤ(以下、単に比較例2という)との比較試験を行った。
実施例4〜6及び比較例2には、支持部の成形素材として、80kgf/mm2(784MPa)の引張り強さを有する高張力鋼を用いた。また、支持部の板厚は、いずれも2mmである。貫通孔は、直径3mmとし、片側のフランジ部の周上に200個ずつ、両側のフランジ部で計400個形成した。
実施例4、6は、補強部の延出長さを除き、上記第4の実施形態で説明したランフラットタイヤと同様の構成であり、実施例5は、上記第4の実施形態で説明したランフラットタイヤと同様の構成である。実施例4〜6は、195/65R15サイズの空気入りタイヤに支持体を挿入したものを、上記タイヤサイズに対応する標準リム(6.5J)に組み付けたものである。補強部の延出長さL(図4、図8参照)は、実施例4が1mm、実施例5が5mm、実施例6が10mmである。
一方、比較例2は、補強部がない点を除き、他の点については実施例4〜6と全く同じ形状である。
このような構成の実施例4〜6と比較例2に係るランフラットタイヤを乗用車に装着して1個のタイヤを空気圧ゼロ状態としてランフラット走行をした。試験結果を表2に示す。
試験結果として、比較例2は、100km以下で支持部が破壊したが、実施例4〜6は、200km以上走行し、走行後も支持部の破断は見られなかった。このように、補強部の延出長さを1mm〜10mmにした場合、支持部の端部における剛性が高められ、衝撃に対する支持部の耐性が向上していることが確認された。
なお、上記第4の実施形態は、支持部26の両端に加硫接着剤が塗布される場合であるが、支持部26の両端に加硫接着剤を塗布しないで、貫通孔26Eによって支持部26に脚部28を接合させる構成も可能である。この場合、貫通孔26E内に脚部28の一部が充填されて支持部26と脚部28とが物理的に結合することにより、支持部26へ脚部28を取り付けることになる。
また、上記第2、第3の実施形態に示される支持部26のフランジ部26Dに貫通孔を形成してもよい。この場合についても、支持部26の両端に加硫接着剤を塗布しないで、貫通孔によって支持部26に脚部28を接合させる構成が可能である。
なお、上記第1〜第4の実施形態では、断面視にて等しい2つの凸部26Aを有する支持部26に脚部28が取り付けられているが、例えば、1つの凸部を有する支持部に脚部を取り付けてもよく、支持部の形状はこれに限定されない。
また、上記第1〜第4の実施形態では、脚部の全体形状が断面視にて略矩形となっているが、例えば、略円形等の他の形状であっても良く、脚部の全体形状はこれに限定されない。
10 ランフラットタイヤ
12 リム
14 空気入りタイヤ
16 支持体
20 カーカス
24 トレッド部
25 タイヤサイド部
26 支持部
26A 凸部(接触部)
26D フランジ部
26E 貫通孔
27 補強部
28 脚部
L 補強部の延出長さ
12 リム
14 空気入りタイヤ
16 支持体
20 カーカス
24 トレッド部
25 タイヤサイド部
26 支持部
26A 凸部(接触部)
26D フランジ部
26E 貫通孔
27 補強部
28 脚部
L 補強部の延出長さ
Claims (4)
- 空気入りタイヤの内部に配設され、タイヤ径方向外側へ突出した接触部を備え、前記接触部のタイヤ径方向内側の部分にフランジ部を備えると共に、前記フランジ部のタイヤ軸方向外側端部からタイヤ径方向内側へ向けて延出される補強部を備える環状の支持部と、
前記支持部へ取り付けられ、前記空気入りタイヤと共にリムへ組み付けられてランフラット走行時の荷重を前記リムへ支持させる弾性体の脚部と、
を有することを特徴とする支持体。 - 前記フランジ部に表裏面を貫通する貫通孔が形成されることを特徴とする請求項1記載の支持体。
- 前記補強部の延出長さLが1mm≦L≦10mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の支持体。
- 一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、
前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、
前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層と、
を備えるタイヤと、
前記タイヤを装着するタイヤサイズ装着用のリムと、
前記タイヤの内側に配設され、リムに組み付けられる請求項1から4のいずれか一項に記載の支持体と、
を有することを特徴とする空気入りランフラットタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004158061A JP2005335574A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | 支持体および空気入りランフラットタイヤ |
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