JP2005335523A - コンソールボックス - Google Patents

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Abstract

【課題】 側突時において座席を介して加わる衝撃によりボックス本体が潰れることを抑制することができるコンソールボックスを提供する。
【解決手段】 コンソールボックス11を構成するボックス本体12は、運転席及び助手席の間に設けられている。ボックス本体12内の下端部には、車両幅方向に延びる四角板状の補強部材31が架設されている。補強部材31は、車両幅方向に延びる側断面正六角形状をなす複数の中空部32が内部全体にわたって形成されている。各中空部32は、互いに所定の間隔をおいて離間するとともにハニカム状に配置されている。補強部材31は、車両幅方向の両端部がボックス本体12の各サイドパネル13の下端部に接しているうえ、該下端部に溶着されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動車等の車両において、例えば運転席及び助手席の間に配設されるコンソールボックスに関するものである。
従来、この種のコンソールボックスとしては、小物等を収納するための収納体等を内部に有するボックス本体を備えたものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。ボックス本体は運転席及び助手席の間に配設され、金属板をコ字板状に屈曲形成してなるコンソールブラケットを介してフロアトンネル上に固定されている。
特開平10−203284号公報 特開平10−16630号公報
ところで、近年の車両には、例えばIIHS(Insurance Institute for Highway Safety)による評価に示されるように、側面衝突(以下、側突という。)時における乗員の高い保護性能が求められている。このため、車両は、運転席や助手席に補強部材を取付ける等により、側突時の変形量を小さくして乗員の保護性能を高めている。さらに、車両は、側突時にエアバッグ等によって乗員を適正に拘束することにより、乗員の保護性能をより高めている。
しかし、従来構成のボックス本体は、その剛性の向上への寄与を考慮していない収納体等を有しているのみであり、剛性が低く側突時には車両幅方向からの衝撃により容易に潰れるという問題があった。このため、ボックス本体は、例えば車体の車両幅方向における剛性の向上に何ら寄与していない。従って、側突時には、その衝撃により側突された側の座席がボックス本体を潰して車両中央側へ歪むために、車室が容易に変形する。さらに、前記座席の歪みに伴って該座席に着座する乗員が移動するために、乗員の適正な拘束が困難になる。このため、ボックス本体は、乗員の保護性能の向上に何ら寄与していない。また、ボックス本体は、側突時には容易に潰れるために、内部にA/Bセンサ(エアバッグセンサ)等が配設されているときにはそれらを側突時に保護し得ない。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、側突時において座席を介して加わる衝撃によりボックス本体が潰れることを抑制することができるコンソールボックスを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両幅方向に並設された一対の座席間に設けられるボックス本体を備え、前記ボックス本体を構成する側壁のうち、車両前後方向に延びる一対の側壁の間には、補強部材が車両幅方向に延びるように架設されていることを要旨とする。
従って、側突時の衝撃によりボックス本体に車両幅方向から荷重が加わったときには、該荷重を補強部材により受け止めることができる。その結果、ボックス本体は車両幅方向の剛性が高められ、同方向からの荷重により潰れるのを抑制することができる。このため、ボックス本体は、例えば側突時に潰れることなく形状を維持することにより、車体の車両幅方向の剛性を高める。さらにボックス本体は、側突時に形状を維持することによって側突された側の座席の車両中央側への歪みを抑制し、該座席に着座する乗員の移動を容易に規制する。また、ボックス本体は、その内部にA/Bセンサ等が配設されているときには、側突時に形状を維持することにより、A/Bセンサ等を保護する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記補強部材は車両幅方向に延びる複数の中空部を有していることを要旨とする。
従って、補強部材は、ボックス本体の車両幅方向における剛性の低下を抑制しつつ、軽量化を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記補強部材が複数設けられていることを要旨とする。
従って、ボックス本体は、補強部材が複数設けられることにより車両幅方向の剛性がより高められる。
本発明によれば、側突時において座席を介して加わる衝撃によりボックス本体が潰れることを抑制することができるコンソールボックスを提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について説明する。尚、以下の説明において、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)とする。さらに、車両幅方向は車両の左右方向(側方)を示し、車両中央側は車両幅方向における車両の中央側を示す。加えて、上下左右は図2(a)における上下左右を基準にする。
図1に示すように、コンソールボックス11は、車両幅方向に並設された一対の座席である運転席21及び助手席22の間に、長手方向が車両前後方向に延びるように配設されている。コンソールボックス11の前端部は、車室内の前端部中央に配設される図示しないセンタパネルに接続されている。コンソールボックス11の後端部にはボックス本体12が設けられている。このボックス本体12は、運転席21及び助手席22の間に設けられているうえ、車両前後方向に延びる断面逆U字状をなすフロアトンネル23上に設けられている。フロアトンネル23は、その上面が運転席21及び助手席22の着座部24の上面よりも下方に位置している。フロアトンネル23の外側面上には、車室内の意匠性を高めるカーペット25が敷設されている。
図2(a)及び図3に示すように、ボックス本体12は合成樹脂により有蓋四角箱状に形成されている。ボックス本体12は、その左右両側部に車両前後方向に延びる一対の側壁である一対のサイドパネル13が設けられ、後端部に車両幅方向に延びるリアパネル14が設けられている。さらにボックス本体12は、その内部(中央部)に収納物を収納するための有底長四角箱状をなす収納体15が設けられている。収納体15の上端部には、その各側壁15aに対して直交するように外方へ延びる四角環状の鍔部15bが形成されている。この鍔部15bは、各サイドパネル13及び各リアパネル14の上端部に取付けられている。収納体15の車両前後方向に延びる各側壁15a及び各サイドパネル13の間には、間隙16がそれぞれ形成されている。ボックス本体12の上部には、長四角板状をなし収納体15の上面開口を開閉可能に閉塞する蓋体17が設けられている。蓋体17は、その後端部を中心にして上下方向に回動可能に軸着されている。
収納体15の下面、即ちボックス本体12内の下端部には補強部材31が設けられている。この補強部材31は車両幅方向に延びる四角板状をなし、収納体15と一体形成されている。さらに補強部材31は、一対のサイドパネル13間に架設されている。即ち、補強部材31は、その車両幅方向の両端部が各サイドパネル13の下端部に接しているうえ、該下端部にそれぞれ溶着されている。
図2(a)及び図4に示すように、補強部材31はハニカム構造体として構成されている。即ち、補強部材31は、車両幅方向に延びる側断面正六角形状をなす複数の中空部32が内部全体にわたって形成されている。各中空部32は、互いに平行をなすようにそれぞれ形成されている。さらに各中空部32は、互いに所定の間隔をおいて離間するとともにハニカム状に配置されている。各中空部32の車両幅方向の両端は、補強部材31の車両幅方向の両端部にそれぞれ開口している。各中空部32の間隔は3mmや4mm等である。
図2(b)に示すように、補強部材31の所定箇所には、上下方向に延びる有底円筒状をなす固定筒33が形成されている。固定筒33は、その上端が収納体15の内底面に開口している。さらに固定筒33は、その底壁の中央部に第1固定孔33aが形成されている。一方、フロアトンネル23には、前記第1固定孔33aに対応する箇所に第2固定孔23aが形成されている。ボックス本体12は、フロアトンネル23上に配設された後に上方から各固定孔33a,23aに挿通されたビス18により、フロアトンネル23に固定されている。
図2(a)及び図3に示すように、ボックス本体12内の左右両側部には、一対のダクト41が設けられている。各ダクト41は車両前後方向に延びる四角筒状をなし、前端部が図示しない空調装置に接続されている。各ダクト41の後端部は、収納体15及びサイドパネル13の間に配設されている。さらに各ダクト41の後端部は、左右両内側面が収納体15の車両前後方向に延びる各側壁15a及び各サイドパネル13により構成され、内上面が収納体15の鍔部15bにより構成されるとともに内底面が補強部材31により構成されている。このため、ダクト41の後端部の内部は、前記間隙16により構成されている。各ダクト41の後端上部は、空気流出孔であるRFレジスタ(リアフェイスレジスタ)となっている。各RFレジスタ42はリアパネル14に開口し、空調装置からダクト41の内部を車両前方から後方へ流通した空調空気が車室内の後端部に流出させるようになっている。
次に、以上のように構成された本実施形態の作用について説明する。
さて、車両が例えば運転席21側から側突されたときには、その衝撃により運転席21がボックス本体12及びフロアトンネル23を助手席22側へ押圧する。このとき、ボックス本体12には運転席21側(車両幅方向)から前記押圧に起因する荷重が加わる。そして、ボックス本体12は、その内部に補強部材31が架設されていることから、該補強部材31によって前記荷重を容易に受け止めることができ、側突の衝撃により潰れるのが抑制される。
このため、ボックス本体12は、例えば側突時に形状を容易に維持して車体の車両幅方向における剛性の向上に寄与する。さらにボックス本体12は、側突時に形状を維持して運転席21の歪みを防止することにより、運転手の移動を容易に規制する。加えて、ボックス本体12は、側突時に形状を維持して収納体15等を保護する。
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態のボックス本体12は補強部材31を備えている。この補強部材31は、車両幅方向に延びるように架設されていることから、車両幅方向からの荷重を容易に受け止めることができる。このため、ボックス本体12は車両幅方向の剛性が高められ、側突時において座席を介して加わる衝撃により潰れるのが抑制される。
・ 補強部材31には、車両幅方向に延びる複数の中空部32が形成されている。このため、補強部材31は、車両幅方向からの荷重を容易に受け止めることできるうえ、重量を軽減することができる。よって、ボックス本体12の車両幅方向における剛性の低下を抑制しつつ、軽量化を図ることができる。
・ 補強部材31はハニカム構造体として構成されている。このため、補強部材31は、その一部に車両幅方向から荷重が加わったときには、該荷重を車両幅方向に対して放射状に分散させながら受け止めることができる。その結果、補強部材31は、その一部に集中的に荷重が加わるのを防止することができ、内部に複数の中空部32が不規則に設けられている場合に比べて大きな荷重を受け止めることができる。このため、ボックス本体12は車両幅方向の剛性がより高められ、側突時に潰れるのがより確実に抑制される。
・ 各ダクト41の後端部の内部は間隙16により構成されている。このため、ボックス本体12は、その内部の空間を有効に利用することができる。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記ボックス本体12を、例えば2列シートの車両において車両幅方向に並設された一対の後部座席間に設けてもよいし、3列シート等の車両において車両幅方向に並設された一対の中間部座席間に設けてもよい。
・ 前記フロアトンネル23の上面が着座部24の上面よりも上方に位置していてもよい。このように構成した場合には、車両が例えば運転席側から側突されたときには、その衝撃により運転席21がフロアトンネル23を助手席22側へ押圧するとともに運転手がボックス本体12を助手席22側へ押圧する。このとき、ボックス本体12は、形状を維持して運転手の移動を規制することができる。
・ 前記補強部材31と収納体15とをそれぞれ別体に形成してもよい。さらに、図5に示すように、補強部材31を、車両幅方向に延びるハニカム六角筒35の集合体により構成してもよい。具体的には、補強部材31は、車両前後方向に延びる長四角板状をなす一対の端面板36と、それら端面板36に挟持されるハニカム六角筒35の集合体とから構成されている。各ハニカム六角筒35は、隣接するハニカム六角筒35の外側面同士が接することにより集合体を構成してもよいし、隣接するハニカム六角筒35が一体に形成されることにより集合体を構成してもよい。各ハニカム六角筒35は、端面板36と一体に形成されている。各ハニカム六角筒35は、内部に車両幅方向に延びる中空部32が形成されている。中空部32の車両幅方向の両端は、端面板36に開口している。
・ 前記補強部材31を、収納体15の前方又は後方に設けてもよい。
・ 前記補強部材31を複数設けてもよい。このように構成した場合には、補強部材31の数の増加に伴いボックス本体12の車両幅方向の剛性をより一層高めることができる。
・ 前記補強部材31を金属材料等により形成してもよい。また、補強部材31を、車両幅方向に延びる柱状又は筒状に形成してもよい。
・ 前記補強部材31の車両幅方向の両端部とサイドパネル13との溶着を省略してもよい。
・ 図6に示すように、補強部材31を格子構造体として構成してもよい。即ち、各中空部32を、側断面長方形状をなすとともに格子状に配置してもよい。また、各中空部32を、側断面円形状や側断面三角形状等に形成してもよい。
・ 前記中空部32を省略し、補強部材31を矩形状等としてもよい。また、中空部32を、補強部材31の前端部のみや車両幅方向の一端部のみ等のように、補強部材31の内部の一部にのみ設けてもよい。
・ 前記中空部32の一部を、補強部材31を形成する合成樹脂により閉塞してもよい。また、前記中空部32に、補強部材31を形成する合成樹脂と異なる材料からなる充填材、例えば発泡樹脂からなる充填材を充填してもよい。このように構成した場合には、中空部32の閉塞や充填材の充填により補強部材31の車両幅方向の強度を高めることができる。このため、補強部材31は、中空部32に充填材が充填されていないとき等に比べて大きな荷重を受け止めることができ、ボックス本体12の車両幅方向の剛性をより高めることができる。
・ 図6に示すように、前記収納体15の下部に車両幅方向に延びる四角板状の収納体補強部材51を設けてもよい。この収納体補強部材51は、車両幅方向の両端面が収納体15の左右両側面を通る平面上に位置している。収納体補強部材51の内部には、車両幅方向に延びる複数の中空部52が設けられている。各中空部52は側断面長方形状をなし、車両前後方向に延びる列状に設けられている。各中空部52は、側断面正六角形状等に形成されてもよいし、格子状又はハニカム状に配設されてもよい。収納体補強部材51は、図6に示すように収納体15及び補強部材31と一体に形成されてもよいし、別体として形成されてもよい。このように構成した場合には、収納体15の車両幅方向の剛性が高まるために、ボックス本体12の車両幅方向の剛性をより高めることができる。
・ 前記ボックス本体12にA/Bセンサ等を設けてもよい。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記補強部材がハニカム構造体として構成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコンソールボックス。この構成によれば、側突時において座席を介して加わる衝撃によりボックス本体が潰れることをより確実に抑制することができる。
・ 前記中空部に充填材が充填されている請求項2又は請求項3に記載のコンソールボックス。この構成によれば、側突時において座席を介して加わる衝撃によりボックス本体が潰れることをより確実に抑制することができる。
・ 前記ボックス本体は、補強部材の上部に設けられ有底四角箱状をなす収納体と、収納体の上面開口を開閉可能に閉塞する蓋体と、内部を車両前方から後方に向かって空調空気が流通するダクトと、ダクトの後端に位置し空調空気を車室内へと流出させる空気流出孔とを備え、前記収納体の車両前後方向に延びる一対の側壁と、ボックス本体の車両前後方向に延びる一対の側壁と、補強部材との間には間隙が形成され、前記ダクトの内部は前記間隙により構成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコンソールボックス。この構成によれば、ボックス本体内の空間を有効に利用することができる。
実施形態のボックス本体を示す斜視図。 (a)及び(b)はボックス本体を示す要部断面図。 ボックス本体を示す要部断面図。 収納体及び補強部材を示す斜視図。 補強部材の別例を示す斜視図。 収納体及び補強部材の別例を示す斜視図。
符号の説明
11…コンソールボックス、12…ボックス本体、13…車両前後方向に延びる一対の側壁としてのサイドパネル、21…座席としての運転席、22…座席としての助手席、31…補強部材、32…中空部。

Claims (3)

  1. 車両幅方向に並設された一対の座席間に設けられるボックス本体を備え、
    前記ボックス本体を構成する側壁のうち、車両前後方向に延びる一対の側壁の間には、補強部材が車両幅方向に延びるように架設されていることを特徴とするコンソールボックス。
  2. 前記補強部材は車両幅方向に延びる複数の中空部を有している請求項1に記載のコンソールボックス。
  3. 前記補強部材が複数設けられている請求項1又は請求項2に記載のコンソールボックス。
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