JP2005335213A - 感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙 - Google Patents

感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙 Download PDF

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Abstract

【課題】 強度が十分に高いため熱可塑性樹脂フィルムとのラミネート加工性が良好であり、画像鮮明性に優れ、且つ白抜けの少ないポリエステル繊維100%よりなる感熱孔版原紙用薄葉紙を提供する。
【解決手段】 単繊維繊度が0.01〜0.6デシテックスの延伸ポリエステル短繊維Aと、単繊維繊度が0.01〜0.6デシテックス、複屈折率が0.01〜0.05である、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を2〜6モル%共重合したポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル短繊維Bとからなる感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙とし、延伸ポリエステル短繊維A/ポリエステル短繊維Bの配合比率を、重量を基準として10/90〜60/40とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、サーマルヘッド等の熱によって穿孔製版される感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙に関するものである。
従来、感熱孔版原紙に使用する感熱孔版原紙用の薄葉紙としては、こうぞ、みつまた、マニラ麻等の天然非木材繊維単独からなる感熱孔版原紙用薄葉紙が知られている(例えば特許文献1など)。しかし、かかる感熱孔版原紙用薄葉紙は、抄造の際の繊維断面や繊維長の不均一に起因する地合い不良や結束繊維のため、インキの通過性が阻害され、ベタ印刷で白抜けが発生する欠点がある。また、湿潤寸法安定性に欠けるため、熱可塑性樹脂フィルムとラミネートして得られる感熱孔版原紙を用いて印刷する場合、水を含有するインキを用いると、インキに含まれる水分によって寸法に変化が生じ、印刷される文字等の画像に歪みを生じる欠点もある。
こうした欠点を解消するため、天然繊維に合成繊維または再生繊維を混抄した感熱孔版原紙用薄葉紙が提案されている(例えば特許文献2など)。しかしながら、合成繊維または再生繊維の配合により、白抜けや湿潤寸法安定性は改善されるものの、合成繊維または再生繊維の配合量が多くなると感熱孔版原紙用薄葉紙の剛性や強度が低下し、大量枚数を印刷する場合、印刷途中で印刷画像に歪みが生じたり、原紙が破れたりするなど耐印刷性が低下する問題がある。これに対して、天然繊維に合成繊維または再生繊維を混抄した感熱孔版原紙用薄葉紙に樹脂を含浸する提案(例えば特許文献5、特許文献6)がなされているが、含浸される樹脂によっては、繊維交絡点の接着が十分でなかったり、被膜の形成によりインキの通過性が阻害される欠点がある。さらに、最近、市場ニーズがより高度化し、より鮮明な印刷性が要求されるようになってきている。具体的には、感熱孔版印刷の高解像度化を図るため、サーマルヘッドの熱素子密度が従来の300〜400dpiから600dpiへと高度化する傾向にある。そのためインキが通過する穿孔を塞ぐ可能性の大きい天然繊維を配合した感熱孔版原紙用薄葉紙から、合成繊維100%からなる感熱孔版原紙用薄葉紙へとシフトする動きがある。
ところが、従来提案されている合成繊維100%からなる感熱孔版原紙用薄葉紙は、画像鮮明性は優れているものの、薄葉紙の剛性や強度が低く、フィルムとのラミネート加工時や孔版印刷時に原紙が破れる問題がある。例えば、特許文献3には、0.1デニール以下のポリエステル繊維および/またはアクリル繊維が5〜70%含まれ、他に0.5デニールのポリエステル繊維が10〜30%、ポリエステルバインダー繊維が20〜70%混抄された秤量9〜11g/mの合成繊維100%よりなる感熱孔版原紙用薄葉紙が開示されている。ところが、かかる薄葉紙では強度を高めるためにポリエステルバインダー繊維の配合比率が高いため、抄紙機のドライヤーへ粘着する。また、特許文献4には、単糸繊度が0.1デニールを越え、0.3デニール未満のポリエステル繊維を40〜60重量%と、単糸繊度0.3デニール以上0.5デニール未満のポリエステル繊維を30〜50重量%、単糸繊度1〜2デニールのポリエステルバインダー繊維を5〜15重量%混抄した秤量7〜10g/mのポリエステル繊維100%よりなる感熱孔版原紙用薄葉紙が開示されている。しかしながら、かかる薄葉紙はバインダー繊維(熱溶融温度が110℃)の混抄割合が少なすぎて十分な強度が得られず、ラミネート加工時に断紙する問題がある。これに対して、バインダー繊維の混抄割合を十分な量まで増やす対策が考えられるが、今度は熱溶融部分が多くなり、インキ通過性が悪化し、白抜けが発生する。
特公昭41−7623号公報 特公昭55−47997号公報 特許第2726105号公報 特開2000−141936号公報 特開昭61−254396号公報 特開平1−271293号公報
本発明の目的は、強度が十分に高いため熱可塑性樹脂フィルムとのラミネート加工性が良好であり、画像鮮明性に優れ、且つ白抜けの少ないポリエステル繊維100%よりなる感熱孔版原紙用薄葉紙を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため検討を重ねた結果、繊度や配向状態などの異なるポリエステル短繊維を巧みに組み合わせ、さらにこれらを適正な配合比率を選んで抄紙したとき、抄紙時のドライヤーへの粘着が少なく、強度も十分高く、且つ白抜けの少ない感熱孔版原紙用ポリエステル繊維薄葉紙となることを見出した。
すなわち、本発明によれば、単繊維繊度が0.01〜0.6デシテックス(以下、dtexと称す)の延伸ポリエステル短繊維Aと、単繊維繊度が0.01〜0.6dtex、複屈折率(以下、Δnと称す)が0.01〜0.05である5−ナトリウムスルホイソフタル酸を2〜6モル%共重合したポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル短繊維Bとからなる感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙が提供される。
本発明によれば、抄紙時のドライヤーへの粘着が少ないため抄紙調子が安定しており、また得られた紙の強度が十分に高いためフィルムとのラミネート加工時に断紙が起こらず、且つ感熱孔版印刷時の白抜けの少ない、品質に優れた感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙を提供することができる。
本発明においては、感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙が、後述する、特定の繊度を有する延伸ポリエステル短繊維Aと、特定の繊度、屈折率を有するポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル短繊維Bとからなるポリエステル繊維紙であることが肝要である。かかるポリエステル短繊維を組合せたとき、それぞれのポリエステル短繊維の奏する効果が適正に引き出され、抄紙時の安定性、ラミネート加工性に優れ、且つ白抜けの少ないバランスの取れた感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙とすることができる。
すなわち、延伸ポリエステル短繊維Aの単繊維繊度は0.01〜0.6dtex、好ましくは0.02〜0.3dtexである必要がある。繊度が0.6dtexより大きくなると紙の強度が低くなり、白抜けも起こり易くなる。一方、繊度が0.01dtex未満では、水中分散時の繊維同士の絡みが起こり易くなり、抄紙欠点となり易い。
上記延伸ポリエステル短繊維Aを構成するポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと称す)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、またはこれらの共重合ポリエステルを挙げることができる。特に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(以下SIPと称す)を2〜6モル共重合したPET系ポリエステルが紙の強度をより向上させることができる点で好ましい。これはバインダー機能を有する後述するポリエステル短繊維Bとの親和性がより高くなるためと考えられる。
また、本発明において延伸ポリエステル短繊維Aは所定の条件下で延伸された繊維である。該延伸ポリエステル短繊維AのΔnは、紙の強度を高くする上で、0.07〜0.18であることが好ましく、より好ましくは0.10〜0.17である。
本発明のポリエステル繊維紙においては、該紙の重量を基準として上記の延伸ポリエステル短繊維Aの配合比率は10〜60重量%、好ましくは15〜50重量%である。配合比率が10重量%未満では、抄紙時のドライヤー粘着が起こり易くなり、60重量%を越えると紙の強度が低くなる。
一方、ポリエステル短繊維Bは、SIPを2〜6モル%共重合したPET系ポリエステル短繊維である必要がある。SIPの共重合割合が2モル%より少なくなると、水中分散性が悪くなり、画像鮮明性が低下し、白抜けが発生する。逆に、6モル%を超えると紡糸時の溶融粘度が非常に高くなって紡糸が難しくなる。
また、ポリエステル短繊維Bの単繊維繊度は0.01〜0.6dtex、好ましくは0.01〜0.3dtexである必要がある。繊度が0.6dtexより大きくなると紙の強度が低下し、画像鮮明性も悪くなり、白抜けも目立つようになる。逆に、繊度が0.01dtex未満では、製糸が極めて難しくなる。
さらに、ポリエステル短繊維BのΔnは0.01〜0.05、好ましくは0.01〜0.04である必要がある。本発明において、ポリエステル短繊維Bはバインダー機能を有するが、Δnが0.05より高くなるとこのバインダー機能が低下し、紙の強度が低くなる。逆にΔnがΔnが0.01より低くなると、接着熱処理後の繊維が脆くなり、紙強力が低下する。
本発明においては、ポリエステル短繊維Bの固有粘度は0.30〜0.45、好ましくは0.33〜0.40である。固有粘度が0.30より低くなると強度が低下する傾向にあり、一方、固有粘度が0.45を越えると溶融粘度が高くなって紡糸が難しくなり、繊度の小さい繊維を作ることが難しくなる傾向にある。
このバインダー機能を有するポリエステル短繊維Bの配合比率は40〜90重量%、好ましくは50〜80重量%である。配合比率が40重量%より少なくなると紙の強度が低くなり、90重量%を越えるとドライヤー粘着性が強くなり、また白抜けが目立ってくる。
上記の延伸ポリエステル短繊維Aおよびポリエステル短繊維Bの繊維長は、2〜15mm、好ましくは3〜10mmである。繊維長が2mmより短くなると、ドラム式カッターでの安定した繊維の切断し難くなり、また、薄葉紙の強力も低くなる傾向にある。逆に繊維長が15mmより長くなると、抄紙時の繊維の水中分散性が低下する傾向にある。また、上記2種類のポリエステル短繊維には、いずれも抄紙時の水中分散性を向上させるため、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を主成分とする表面処理剤を繊維表面に付与することが好ましい。
本発明のポリエステル繊維紙の抄造は次の方法で行うことができる。すなわち、上記のそれぞれのポリエステル短繊維をパルパーに投入して撹拌・分散し、抄き網に供給して湿紙を形成させ、乾燥工程を経てロール状に巻取る。抄き網は円網、短網、傾斜短網が一般的であるが、長網などでも構わない。乾燥方式は、複数の回転する加熱ローラーで乾燥する方式でも良いが、ヤンキー式ドライヤーで乾燥する方式が好ましい。
ポリエステル繊維紙の秤量は5〜15g/m、好ましくは7〜10g/mである。秤量が15g/mを越えると、感熱孔版印刷時のインキの透過性が低下して画像濃度・鮮明性が低下する傾向にある。5g/m未満の場合、熱可塑性フィルムとラミネートする際の強度が低下しやすく、安定したラミネートが難しくなる傾向にある。
ポリエステル繊維紙と熱可塑性フィルムとの貼り合わせには、得られる感熱孔版原紙のインキ通過性を妨げない範囲で接着剤を用いることができる。接着剤としては、公知のエマルジョンラテックス型接着剤、溶剤型接着剤(アクリル系、ポリエステル系、酢酸ビニル系、ゴム系など)、反応硬化型接着剤等を用いることができる。これらの接着剤を乾燥塗布量で0.5〜2.5g/m薄葉紙または熱可塑性フィルムに塗布し、次いでラミネートすることにより感熱孔版原紙を得ることができる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)固有粘度
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し、35℃で測定した。
(2)複屈折率(Δn)
市販の偏光顕微鏡を使って、光源にナトリウムランプを用い、試料をα−ブロムナフタリンに浸漬した状態でBerekコンペンセーター法からレタデーションを求めて算出した。
(3)紙強力(引張り強さ)
JIS P 8113に示される方法で測定し、2N/15mm以上を合格とした。
(4)秤量
JIS P 8124に示される方法で測定した。
(5)ドライヤー粘着性
熊谷理機工業株式会社製の角型シートマシンを使って、各ポリエステル繊維原料を水中で撹拌・混合して分散させ、ワイヤー上に形成させた約25cm×約25cmの湿紙を濾紙を用いてピックアップする。次いで濾紙に密着した湿紙を室温中で乾燥後、ドラムの表面温度が140℃に調節された熊谷理機工業株式会社製の高温用回転型乾燥機を使い、ポリエステル繊維紙がドラム表面と接するようにして接着処理を行う。この接着処理されたポリエステル繊維紙をドラムから剥ぎ取るときの剥ぎ取り易さでドライヤー粘着性を判定した。
○ 簡単に剥ぎ取ることができる。
△ やや剥ぎ取りにくいが、断紙は起こらない。
× 非常に剥ぎ取りにくく、断紙が起こる。
(6)画像鮮明性および白抜け
ポリエステル繊維紙と厚さ2μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを溶剤可溶共重合ポリエステル系接着剤1.2g(dry)/m2によって貼り合わせ、感熱孔版印刷用原紙とした。得られた感熱孔版印刷用原紙に原稿を重ね合わせ、市販の400dpi感熱製版・印刷機を用いて穿孔製版・印刷を行い、印刷10枚目のサンプルの文字の鮮明性・解像性とベタ部のインキ濃度の均一性・白抜けを目視で評価した。
(a)鮮明性
文字のドットのつながりおよび太りを、下記の基準で目視評価した。
◎ 非常に良好
○ 良好
△ 若干、ドットのつながりが悪く、文字が太りぎみであるが、問題の無い範囲である
× ドットのつながりが悪く、また文字が太って判読しにくい
(b)白抜け
ベタ部の均一性も含めて、下記の基準で目視判定した。
○ 白抜けがなく、良好
△ 白抜けが若干あるが、問題の無い範囲である
× 白抜けが目立ち、悪い
[実施例1〜3、比較例1〜2]
(1)延伸ポリエステル短繊維Aの製造
固有粘度が0.47のPETペレットを170℃で乾燥後、290℃で溶融し、孔数が1192個の口金を通して280℃のポリマー温度で吐出し、冷却後、1300m/分の速度で引取り、単繊維繊度が1.2dtexの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を引き揃えて、約50万dtexのトウとなし、全延伸倍率が3.1倍となるように温水中で2段延伸後、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を主成分とするエマルジョンで処理し、120℃の温度で弛緩熱処理後、ドラム式カッターで3mmの長さに切断し、繊度が0.42dtex、Δnが0.165の延伸ポリエステル短繊維Aを得た。
(2)ポリエステル短繊維Bの製造
SIPが酸成分を基準として4.5モル%共重合された固有粘度が0.37のPET系ポリエステルペレットを150℃で乾燥後、300℃で溶融し、孔数が1192個の口金を通して、290℃のポリマー温度で吐出し、冷却後、500m/分の速度で引取り、単繊維繊度が3.1dtexの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を引き揃えて、約150万dtexのトウとなし、85℃の温水中で8.8倍の第1段延伸を行い、引続いて70℃の温水中で1.7倍の第2段延伸を行い、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を主成分とするエマルジョンで処理し、水分率が約30%となるように絞った。該トウをドラム式カッターで3mmの長さに切断し、繊度が0.21dtex、Δnが0.033のポリエステル短繊維Bを得た。
製造された延伸ポリエステル短繊維AおよびBを使って、ドライヤー粘着性の評価方法に従って、表1に示すようにA/Bの配合比率を変え、秤量が8.5g/mのポリエステル繊維紙を得た。結果を表1に示す。
[実施例4、比較例3]
実施例1の延伸ポリエステル短繊維Aの製造方法において、吐出量のみ変更して表1に記載した単繊維繊度とした以外は実施例1と同様にして、ポリエステル短繊維を作り、ポリエステル繊維紙を得た。その結果を表1に示す。
[実施例5]
固有粘度が0.47のPETペレットを170℃で乾燥後、290℃で溶融し、孔数が1192個の口金を通して285℃のポリマー温度で吐出し、冷却後、500m/分の速度で引取り、単繊維繊度が3.4dtexの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を引き揃えて、約200万dtexのトウとなし、90℃の温水中で7.8倍の第1段延伸を行い、引続いて67℃の温水中で2.9倍の第2段延伸を行った後、98℃の温水中で10%の制限収縮処理を行い、引続いてポリエーテル・ポリエステル共重合体を主成分とするエマルジョンで処理し、水分率が約20%となるように絞った。該トウをドラム式カッターで3mmの長さに切断し、繊度が0.17dtex、Δnが0.137の延伸ポリエステル短繊維Aを得た。
上記延伸ポリエステル短繊維Aの30重量%と、実施例1で得られたポリエステル短繊維Bの70重量%を用いた以外は実施例1と同様にして、秤量が7.5g/mのポリエステル繊維紙を得た。結果を表1に示す。
[実施例6]
固有粘度が0.43のPETペレットを170℃で乾燥後、290℃で溶融し、孔数が1192個の口金を通して285℃のポリマー温度で吐出し、冷却後、500m/分の速度で引取り、単繊維繊度が2.8dtexの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を引き揃えて、約200万dtexのトウとなし、87℃の温水中で18倍の第1段延伸を行い、引続いて67℃の温水中で2.5倍の第2段延伸を行った後、98℃の温水中で緊張熱処理を行い、引続いてポリエーテル・ポリエステル共重合体を主成分とするエマルジョンで処理し、水分率が約25%となるように絞った。該トウをドラム式カッターで3mmの長さに切断し、繊度が0.06dtex、Δnが0.098の延伸ポリエステル短繊維Aを得た。
上記延伸ポリエステル短繊維Aの30重量%と、実施例1で得られたポリエステル短繊維Bの70重量%を用いた以外は実施例1と同様にして、秤量が7.0g/mのポリエステル繊維紙を得た。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例1のポリエステル短繊維Bの製造に使った未延伸トウと同じ未延伸トウを使い、85℃の温水中で9.4倍の第1段延伸を行い、引続いて65℃の温水中で2.0倍の第2段延伸を行った後、98℃の温水中で10%の制限収縮処理を行い、引続いてポリエ−テル・ポリエステル共重合体を主成分とするエマルジョンで処理し、水分率が約27%となるように絞った。該トウをドラム式カッターで3mmの長さに切断し、繊度が0.18dtex、Δnが0.078の、SIPが酸成分を基準として4.5モル%共重合された延伸ポリエステル短繊維Aを得た。
上記延伸ポリエステル短繊維Aの30重量%と、実施例1で得られたポリエステル短繊維Bの70重量%を用いた以外は実施例1と同様にして、秤量が7.5g/mのポリエステル繊維紙を得た。結果を表1に示す。
[実施例8および9]
実施例1のポリエステル短繊維Bの製造において、SIPが酸成分を基準として4.5モル%共重合されたPET系ポリエステルペレットを、SIPがそれぞれ酸成分を基準として2.0モル%、5.7モル%共重合されたPET系ポリエステルペレットに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリエステル短繊維Bを得た。
実施例1で得られた延伸ポリエステル短繊維Aの30重量%と、上記ポリエステル短繊維Bの70重量%を用いた以外は実施例1と同様にして、秤量が8.5g/mのポリエステル繊維紙を得た。結果を表1に示す。
[実施例10、比較例4]
実施例1のポリエステル短繊維Bの製造に使った未延伸トウと同じ未延伸トウを使い、84℃の温水中で第1段延伸倍率を変更し、70℃温水中での第2段延伸倍率は1.5倍とし、その後は実施例1のポリエステル短繊維Bの製造方法および条件と同じとし、繊度が0.54dtex、Δnが0.017(実施例10)および繊度が0.65dtex、Δnが0.013(比較例4)のポリエステル短繊維Bを得た。
得られたポリエステル短繊維Bの70重量%と、実施例1の延伸ポリエステル短繊維Aの30重量を、ドライヤー粘着性の評価方法に従い、秤量が8.5g/mのポリエステル繊維紙を得た。結果を表1に示す。
[実施例11、比較例5]
実施例1のポリエステル繊維Bの製造に使った未延伸トウと同じ未延伸トウを使い、延伸温度および全延伸倍率も同一とし、第2段延伸倍率を1.9倍(実施例11)、2.1倍(比較例5)としてΔnの異なる延伸ポリエステル短繊維Bを得た。なお、処理剤の付与以降の製造方法および条件は同じとした。
得られたポリエステル短繊維Bの70重量%と、実施例1の延伸ポリエステル短繊維Aの30重量%を、ドライヤー粘着性の評価方法に従い、秤量が8.5g/mのポリエステル繊維紙を得た。結果を表1に示す。
[実施例12]
SIPが酸成分を基準として4.5モル%共重合された固有粘度が0.35のPET系ポリエステルペレットを150℃で乾燥後、300℃で溶融し、孔数が1192個の口金を通して、290℃のポリマー温度で吐出し、冷却後、500m/分の速度で引取り、単繊維繊度が2.8dtexの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を引き揃えて、約150万dtexのトウとなし、87℃の温水中で15倍の第1段延伸を行い、引続いて70℃の温水中で1.7倍の第2段延伸を行い、ポリエーテル・ポリエステル共重合体を主成分とするエマルジョンで処理し、水分率が約30%となるように絞った。該トウをドラム式カッターで3mmの長さに切断し、繊度が0.11dtex、Δnが0.043のポリエステル短繊維Bを得た。
上記のポリエステル短繊維Bの70重量%と、実施例1で得られた延伸ポリエステル短繊維Aの30重量%を用いた以外は実施例1と同様にして、秤量が8.0g/mのポリエステル繊維紙を得た。結果を表1に示す。
Figure 2005335213
本発明によれば、強度が十分に高いため熱可塑性樹脂フィルムとのラミネート加工性が良好であり、画像鮮明性に優れ、且つ白抜けの少ないポリエステル繊維100%よりなる感熱孔版原紙用薄葉紙を提供することができる。このため、上記の感熱孔版原紙用薄葉紙は、最近強く要求されている感熱孔版印刷の高解像度化にも十分対応できるものであり、その産業的利用価値が極めて高いものである。

Claims (6)

  1. 単繊維繊度が0.01〜0.6デシテックスの延伸ポリエステル短繊維Aと、単繊維繊度が0.01〜0.6デシテックス、複屈折率が0.01〜0.05である、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を2〜6モル%共重合したポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル短繊維Bとからなり、延伸ポリエステル短繊維A/ポリエステル短繊維Bの配合比率が重量を基準として10/90〜60/40である感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙。
  2. 延伸ポリエステル短繊維Aの複屈折率が、0.07〜0.18である請求項1に記載の感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙。
  3. 延伸ポリエステル短繊維Aが、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を2〜6モル%共重合したポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル短繊維である請求項1または2に記載の感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙。
  4. 延伸ポリエステル短繊維Aの単繊維繊度が、0.01〜0.3デシテックスである請求項1〜3のいずれかに記載の感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙。
  5. ポリエステル短繊維Bの単繊維繊度が、0.01〜0.3デシテックスである請求項1〜4のいずれかに記載の感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙。
  6. ポリエステル短繊維Bの固有粘度が、0.30〜0.45である請求項1〜5のいずれかに記載の感熱孔版原紙用ポリエステル繊維紙。
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