JP2005335153A - 潜像パターンを有する凹版印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】万線状凸部でなる潜像パターンと背景部とで構成される凹版印刷物で偽造・複製が至極困難で、かつデザイン的にも優れる凹版印刷物の提供にある。
【解決手段】微細な万線状凸部10でなる潜像パターン20と、該潜像パターン20に対し垂直方向に延びる万線状凸部12でなる背景部22とで構成される画像Aと、この画像Aと略同一のピッチと線幅を有し、微細な万線状凸部14でなる潜像パターン24と該潜像パターン24に対し垂直方向に延びる万線状凸部16でなる背景部26とで構成される画像Bとが、角度を45°±15°の範囲でずらして合成され、合成された各画像A、Bの背景部22、26を形成する各万線状凸部12、16の一つ置きの間にある万線状凸部10、12、14、16が除去されている潜像パターンを有する凹版印刷物1である。
【選択図】図7

Description

本発明は、株券、商品券等有価証券類の他、商品用の封印シールやタグ類に偽造・複製の防止策として施す潜像パターンを有する凹版印刷物に関するものである。
従来、株券、商品券さらにはクレジットカード等有価証券類の他、商品用の封印シールやタグ類に至るまで偽造・複製による不正使用を防止するため、精巧な印刷技術による印刷(凹版印刷を含む)等が施されているのが一般的であったが、近年の偽造・複製による不正使用の頻発に鑑み、これら精巧な印刷等に加え特殊な偽造防止策が施されるようになってきた。
この特殊な偽造防止策として、例えばホログラムを貼付けるたり、紫外線で発色する材料や画像を施して紫外線照射で真偽判定をする方法などがあり、あるいは、金属箔層に万線方向が異なる万線状凹凸パターン群が複数集合したエンボスパターンを形成したもので、見る角度を変化させると万線状凹凸パターン群の濃淡や輝きが変化する、所謂オパール効果を有する画像体として有価証券類等に貼付けたりする方法や、さらには上記精巧な印刷技術を利用した技術の一つとして、有価証券等に微細なピッチの万線状凸部でなる潜像パターンが施されていて、真上等から見ると単なる細紋のように見えるが、有価証券を傾けたり視点を変えて観察すると潜像パターンが現れるという偽造防止技術(凹版印刷物)がある。
上記潜像パターンを有する凹版印刷物について、さらに詳しく説明すると、例えば図9(a)に示すように、文字「凸」のパターンの領域内は、横(水平)方向に延びる万線状凸部(10)でなる潜像部(20)とし、この潜像部(20)以外の領域は、縦(垂直)方向に延びる万線状凸部(12)でなる背景部(22)とした凹版印刷物であり、この凹版印刷物を手前斜め上(視点A)から観察すると、図9(b)に示すように、潜像部(20)である「凸」の文字が背景部(22)上に顕像化される(浮かび上がって見える)。また、この凹版印刷物を後方斜め上(視点B)から観察すると、図9(c)に示すように、潜像部(20)である「凸」の上下逆文字が、背景部(22)上に顕像化され(浮かび上がって見え)るものであり、さらに図9(d)および図9(e)に示すように、右側斜め上(視点C)および左側斜め上(視点D)から観察すると潜像部(20)である「凸」の文字が背景部(22)上に白く(ネガ状に)顕像化される(浮かび上がって見える)ようにもなるが、その他いずれの位置から観察しても単なる細紋としか見えない凹版印刷物がある(例えば、特許文献1参照。)。
以上いずれの方法も開発当時は、カラーコピー機やスキャナー等を駆使して複写物を作製しても、その複製は困難で偽造防止策として有効な技術であった。
以下に、上記先行技術文献を示す。
特開2002−166689号公報(段落0003〜0005、図4、図5)
しかしながら、最近では上記のホログラム技術や紫外線照射で真偽判定する技術は一般化されてきて、偽造・複製が比較的容易なものとなってきた。また、上記のオパール効果を利用した技術においても比較的容易に万線形状を読み取ることができ、この技術と機械
があれば偽造・複製が容易なものとなってきた。
さらにまた、上記の万線状凸部でなる潜像パターンを有する凹版印刷物は、一般的に画線の深浅、幅、間隔で階調が表現される品位と重厚さを有し、彫刻者の技術と設備が一般化されていないことから、凹版印刷による複製は困難であるが、潜像部のパターン自体が比較的単純なことからも、潜像パターンを有する凹版印刷物に気付き、ある程度の知見と技術を有する者であれば、作製可能なものであり、さらにまたカラーコピー等による数回のトナーの重ね合わせによって、品位と重厚さを除けば、手触り感を含め、ある程度の再現(複写)が可能であり、偽造・複製防止という点では問題点のあるものであった。さらにまた、潜像パターンが単純で一つのみであるためデザイン的面からも制限があるという問題点があった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、有価証券類等に偽造防止策を施す所定の方向に延びる万線状凸部でなる潜像パターンと、この潜像パターンに対し垂直方向に延びる万線状凸部でなる背景部とで構成される凹版印刷物において、偽造・複製が至極困難で、かつデザイン的にも自由度がある潜像パターンを有する凹版印刷物を提供することにある。
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、凹版インキで印刷される凹版印刷物であって、所定のピッチと線幅を有し、所定の方向に延びる微細な万線状凸部でなる潜像パターンと、該潜像パターンの領域外で潜像パターンと略同一のピッチと線幅を有し、該潜像パターンに対し垂直方向に延びる微細な万線状凸部でなる背景部とで構成される凹版印刷物を一画像とし、前記一画像と略同一のピッチと線幅を有し、複数の、微細な万線状凸部でなる潜像パターンと該潜像パターンに対し垂直方向に延びる万線状凸部でなる背景部とで構成される凹版印刷物を他の画像とし、前記一画像に対し複数の他の画像が各々角度をずらして合成され、該合成された各画像の背景部を形成する各万線状凸部の一つ置きの間にある他の画像の万線状凸部が除去されていることを特徴とする潜像パターンを有する凹版印刷物としたものである。
また、請求項2の発明では、前記一画像に対し、複数の他の画像が合成される角度が各々45°±15°であることを特徴とする請求項1記載の潜像パターンを有する凹版印刷物としたものである。
また、請求項3の発明では、前記一画像を構成する潜像パターンと複数の他の画像を構成する潜像パターンの形状が各々異なることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の潜像パターンを有する凹版印刷物としたものである。
また、請求項4の発明では、前記一画像と複数の他の画像を構成する万線状凸部が光学可変性物質を含有している凹版インキで印刷されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の潜像パターンを有する凹版印刷物としたものである。
さらにまた、請求項5の発明では、前記光学可変性物質は蛍光顔料もしくは赤外線吸収物質であることを特徴とする請求項4記載の潜像パターンを有する凹版印刷物としたものである。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、凹版インキで印刷される凹版印刷物であって
、所定のピッチと線幅を有し、所定の方向に延びる微細な万線状凸部でなる潜像パターンと、該潜像パターンの領域外で潜像パターンと略同一のピッチと線幅を有し、該潜像パターンに対し垂直方向に延びる微細な万線状凸部でなる背景部とで構成される凹版印刷物を一画像とし、前記一画像と略同一のピッチと線幅を有し、複数の、微細な万線状凸部でなる潜像パターンと該潜像パターンに対し垂直方向に延びる万線状凸部でなる背景部とで構成される凹版印刷物を他の画像とし、前記一画像に対し複数の他の画像が各々角度をずらして合成され、該合成された各画像の背景部を形成する各万線状凸部の一つ置きの間にある他の画像の万線状凸部が除去されている凹版印刷物とすることによって、従来の一つのみの潜像パターンと背景部でなる一画像に対し、複数の潜像パターンと背景部でなる他の画像とでなり、それら各画像の修正も複雑となるので、たとえそれらりの知見と技術を有する者といえども偽造・複製が至極困難となり、かつこの潜像パターンを有する凹版印刷物を複数の箇所(視点)から斜視すると複数の潜像パターンが顕像化され浮かび上がるようになるというデザイン的にも自由度が付与された潜像パターンを有する凹版印刷物とすることができる。
また、上記請求項2に係る発明によれば、前記一画像に対し、複数の他の画像が合成される角度を各々45°±15°とすることによって、複数の箇所(視点)から斜視すると複数の潜像パターンがシャープ(鮮明)に顕像化され浮かび上がって見えるようになる潜像パターンを有する凹版印刷物とすることができる。
この合成される角度が各々45°±15°の範囲を越えると凹版印刷の一画像と複数の他の画像との角度差が小さくなり過ぎ、その結果各視点からの斜視による潜像パターンの顕像(浮き上がり像)が隣の視点からの斜視の潜像パターンの顕像とが近づき過ぎて重なる危惧があり顕像のシャープ性に欠けるので好ましくない。
また、上記請求項3に係る発明によれば、前記一画像を構成する潜像パターンと複数の他の画像を構成する潜像パターンの形状を各々異なるパターンとすることによって、たとえそれらりの知見と技術を有する者といえども偽造・複製をより困難なものとし、かつこの潜像パターンを有する凹版印刷物を複数の箇所(視点)から斜視すると複数の形状が異なる潜像パターンが顕像化され浮かび上がるようになるというデザイン的にもより自由度が付与された潜像パターンを有する凹版印刷物とすることができる。
また、上記請求項4に係る発明によれば、前記一画像と複数の他の画像を構成する万線状凸部が光学可変性物質を含有している凹版インキで印刷されていることによって、販売所等での真偽判定に光学可変性物質に応じた機器による各視点からの斜視によって各潜像パターンを顕像化し浮き上がらせることができ、偽造・複製をさらに困難なものとし、デザイン性にも優れた潜像パターンを有する凹版印刷物とすることもできる。
さらにまた、上記請求項4に係る発明によれば、前記光学可変性物質を蛍光顔料もしくは赤外線吸収物質とすることによって、販売所等での真偽判定に専用のブラックランプもしくは赤外モニターによる各視点からの斜視によって、各潜像パターンを顕像化し浮き上がらせることができ、偽造・複製をさらに困難なものとすることができる。
従って本発明は、株券、商品券等有価証券類の他、商品用の封印シールやタグ類に偽造・複製の防止策の如き用途において、優れた実用上の効果を発揮する。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の潜像パターンを有する凹版印刷物の顕像化したときの1事例を示す正
面図である。図2および図3は、本発明の潜像パターンを有する凹版印刷物を構成する一画像の事例を示す正面図であり、図4やよび図5は、本発明の潜像パターンを有する凹版印刷物を構成する他の画像の事例を示す正面図であり、図6は、図2および図4の2画像を合成した事例の正面図であり、図7は、図6の合成された凹版印刷物を修正して、本発明の潜像パターンを有する凹版印刷物とした正面図である。また、図8は、図7の潜像パターンを有する凹版印刷物を斜視したときの正面図である。
本発明は、例えば図1(a)に示すように、万線状凸部でなる潜像パターン(図示せず)を有する複数の画像(本事例では2つの画像)が合成されている潜像パターンを有する凹版印刷物(1)であり、この潜像パターンを有する凹版印刷物(1)を手前斜め上(視点A)から観察(斜視)すると、図1(b)に示すように、一画像の潜像パターンである「T」の字が顕像化され浮かび上がって見えるようになり、左側45°斜め上(視点E)から観察(斜視)すると、図1(c)に示すように、他の画像の潜像パターンである「P」の字が顕像化され浮かび上がって見えるようになるものである。なお図1(b)に示す視点Aの反対側、すなわち後方斜め上(視点B)から斜視すると、図1(d)に示すように、「T」の上下逆文字が顕像化され浮かび上がって見え、さらに図1(c)に示す視点Eの反対側、すなわち後方右側45°斜め上(視点F)から観察(斜視)すると、図1(e)に示すように、他の画像の潜像パターンである「P」の上下逆文字が顕像化され浮かび上がって見えるようになる複数(事例では2つ)の潜像パターンを有する凹版印刷物(1)とし、偽造・複製を至極困難にしたものである。
本発明の潜像パターンを有する凹版印刷物は、まず、図2(a)およびその拡大図である図2(b)に示すように、例えば横(水平)方向に延びる所定のピッチ(P1)と線幅(W1)の万線状凸部(10)でなる「T」の字の潜像パターン(20)と、縦(垂直)方向に延び、前記「T」の字の潜像パターン(20)と略同一のピッチ(P2)と線幅(W2)の万線状凸部(12)でなる「T」の字以外の領域を形成する背景部(22)とで構成される凹版印刷物を画像Aとする。
上記で得られた画像Aに対し、図4(a)およびその拡大図である図4(b)に示すように、例えば右側斜め下45°方向に延びる、所定のピッチ(P3)と線幅(W3)の万線状凸部(14)でなる「P」の字の潜像パターン(24)と、この「P」の字の潜像パターン(24)と垂直方向に延び、前かつこの潜像パターン(24)の領域外で略同一のピッチ(P4)と線幅(W4)を有しする万線状凸部(16)でなる背景部(26)とで構成される凹版印刷物を画像Bとする。
上記で得られた図2(a)に示す画像Aを、例えば手前斜め上(視点A)から観察すると、図3に示すように、A画像の潜像パターン(20)である「T」の字が顕像化され浮かび上がって見えるようになり、また上記で得られた図4(a)に示す画像Bを、例えば左側45°斜め上(視点E)から観察すると、図5に示すように、B画像の潜像パターン(24)である「P」の字が顕像化され浮かび上がって見えるようになるが、例えば図6に示すように、前記画像Aと画像Bを単に合成した凹版印刷物(2)では、各万線状凸部(10、12、14、16)が互いに交差して格子状を形成するので、これを手前斜め上(視点A)から観察しても、あるいは左側45°斜め上(視点E)から観察しても合成前の図3や図5に示すような画像Aや画像Bのように潜像パターン(20、24)が背景部(22、26)に対するコントラストに欠け、よって潜像パターン(20、24)である「T」や「P」を殆ど視認することができないものとなる。
そこで、上記請求項1に係る発明の特徴とするところは、上記図6に示す画像Aに画像Bが左側下45°の角度で単に合成された凹版印刷物(2)を修正するもので、例えば図7に示すように、画像Aを構成する背景部(22)の各万線状凸部(12)の間にある画
像Bを構成する潜像パターン(24)と背景部(26)の各万線状凸部(14、16)を、一間隔置きに削除(修正)し、さらに画像Bを構成する背景部(26)の各万線状凸部(16)の間にある画像Aを構成する潜像パターン(20)と背景部(22)の各万線状凸部(10、12)を、一間隔置きに削除(修正)した潜像パターンを有する凹版印刷物(1)とするものである。
以上のように、画像Aと画像Bを左側下45°の角度で合成し、さらに各背景部(22、26の各万線状凸部(12、16)の間にある各万線状凸部(14、16、10、12)を、一間隔置きに削除(修正)することによって、この修正された潜像パターンを有する凹版印刷物(1)を、手前斜め上(視点A)から観察すると、例えば図8(a)に示すように、背景部(22)が潜像パターン(20)よりも薄く見えるようになって、背景部(22)と潜像パターン(20)のコントラストを高め、よって画像Aの潜像パターン(20)である「T」の字がそれ以外の背景部(22)よりも濃くなって浮かび上がって見える(顕像化される)ようになり、また、修正された潜像パターンを有する凹版印刷物(1)を、手前左側45°斜め上(視点E)から観察すると、例えば図8(b)に示すように、背景部(26)が潜像パターン(24)よりも薄く見えるようになって、背景部(26)と潜像パターン(24)のコントラストを高め、よって画像Bの潜像パターン(24)である「P」の字がそれ以外の背景部(26)よりも濃くなって浮かび上がって見える(顕像化される)ようになるものである。
これらの削除(修正)は、原版(写真フィルム)上で写真的に修正するか、あるいはディスプレイ上で電子的に修正することもできる。
図2(a)、(b)および図3(a)、(b)に示す万線状凸部(10、12、14、16)のピッチ(P1、P2、P3、P4)は、0.1〜1.0mm、その線幅(W1、W2、W3、W4)は、0.02〜0.6mm、白線幅(非画線部)は、0.012〜0.36mmの範囲が好ましく、ピッチ(P1、P2、P3、P4)を0.25mm、線幅(W1、W2、W3、W4)を0.1mmとするとより好ましい。
また、上記万線状凸部(10、12、14、16)の形状は、上記事例の直線の他、破線、波線であってもよいが、背景部と潜像パターンの斜視したときのコントラストを考慮すると上記事例のように直線とする方が好ましい。
また、図2(a)および図3(a)に示す万線状凸部(10、12、14、16)は、凹版インキで印刷され、その色相は、特に限定するものではないが、一般的には斜視したときのコントラストを高める必要性から濃茶、濃紺等黒色系で、濃色(概ねPCS値0.5以上、Bフィルター)が好ましい。また、画像Aと画像Bを構成する万線状凸部を画像毎に色違いとすることもできる。
上記事例での合成される画像は、画像Aと画像Bの2画像で構成され、画像Aに対し45°ずらして画像Bが構成されているが、上記請求項2に係る発明では、このずらし角度を一画像に対し、45°±15°の範囲とするもので、従ってこの範囲内で合成される他の画像も複数とすることができる。
一画像に対しずらし角度が60°を越え、あるいは30°に満たないと隣会う画像同士が近づき過ぎて、斜視したときの潜像パターンの顕像パターンに切れがなくなり、好ましくないものとなる。
また、上記請求項3に係る発明は、例えば図5に示すように、画像Aを構成する潜像パターン(20)と画像Bを構成する潜像パターン(24)の形状が「T」の字と「P」の
字であるように各々異なるパターンとするもので、複数の画像では、さらに複数の潜像パターンの形状とし、偽造・複製をより困難なものとし、かつこの潜像パターンを有する凹版印刷物を複数の箇所(視点)から斜視すると複数の形状が異なる潜像パターンが浮かび上がるようになるというデザイン的にもより優れたものとすることができる。
また、上記請求項4に係る発明は、例えば図7に示すように、画像Aと他の画像Bを構成する各万線状凸部(10、12、14、16)が光学可変性物質を含有している凹版インキで印刷されているものであり、上記請求項5に係る発明では、この光学可変性物質を蛍光顔料もしくは赤外線吸収物質としたものである。
例えば、光学可変性物質を蛍光顔料とした場合、画像Aの万線状凸部(10、12)と画像Bの万線状凸部(14、16)とは、それぞれ異なる蛍光色を発し、可視光では同一色となるような蛍光凹版インキを用い、画像Aと画像Bを色分けで印刷したものとすることもできる。
このように、蛍光顔料あるいは赤外線吸収物質が含有する凹版インキを用い、さらに各画像ごとに色分け印刷とすることによって、より偽造・複製を困難にし、かつデザイン的にも優れる潜像パターンを有する凹版印刷物(1)とすることができる。
上記凹版インキに含有する蛍光顔料としては、蛍光染料と合成樹脂固溶体でなる有機蛍光顔料であり、その蛍光染料には、例えば昼光下では黄色を、ブラックライト下では緑から黄緑色を呈するブリリアントスルホフラビンFF、チオフラビン、ベーシックイエローあるいはフルオレセインなどが挙げられ、これら蛍光染料の坦体となる合成樹脂には、ポリメタクリル酸エステル、尿素、ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合体、アルキッド樹脂およびそれら変性したものなどが挙げられ、用途等に応じて適宜選定される。
また、上記凹版インキに含有する蛍光顔料として、200〜300nmの波長域の光にのみ発光するZn2 SiO4 /Mn、CaWO4 等でなる耐熱性のある無機系蛍光顔料があり、上記有機蛍光顔料または無機系蛍光顔料を凹版印刷インキのビヒクルに20%程度分散させて凹版印刷用の蛍光印刷インキとし、それぞれの万線状凸部(10、12、14、16)を形成することができる。
以上のように有色(濃色)の蛍光凹版インキを用いた潜像パターンを有する凹版印刷物(1)とすることによって、販売所等でこの凹版印刷物の真偽判定に専用のブラックランプの照射による各視点からの斜視によって各潜像パターンを浮き上がらせ、視認することができ、偽造・複製をさらに困難なものとし、デザイン性にも優れた潜像パターンを有する凹版印刷物(1)とすることもできる。
さらにまた、上記凹版インキに含有する赤外線吸収物質としては、例えば五二酸化リンを主成分とし酸化鉄或いは酸化銅或いは両者を含むリン酸結晶粉末、五二酸化リンを主成分としFe2+またはCu2+イオンを含むガラス系粉末、金属錯体の赤外線吸収材、シアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アントラキノン系、コロニックメチン系、アズレオニオム系、ピリリウム系等の赤外線吸収染料が挙げられ、これら物質を通常の有色の凹版インキに分散させて赤外線吸収凹版インキとすることができる。
また、本発明の潜像パターンを有する凹版印刷物の検証には、専用の赤外モニターが使用され、例えば半導体レーザーによる波長750nm、780nm、810nm、830nm、905nm、940nm等のレーザー光を照射して可視領域の光をカットしたセンサーや赤外カメラなどが搭載されていて、これらが捉えた画像を表示するモニターを備え
ているものである。
本発明の潜像パターンを有する凹版印刷物の一実施の形態を示すもので、(a)は、その正面図であり、(b)は、視点Aから観察した時の正面図であり、(c)は、視点Eから観察した時の正面図であり、(d)は、視点Bから観察した時の正面図であり、(e)は、視点Fから観察した時の正面図である。 本発明の潜像パターンを有する凹版印刷物の一実施の形態を示すもので、(a)は、画像Aの正面図であり、(b)は、(a)の拡大図であり、 図2(a)の画像Aを視点Aから観察した時の正面図である。 本発明の潜像パターンを有する凹版印刷物の一実施の形態を示すもので、(a)は、画像Bの正面図であり、(b)は、(a)の拡大図であり、 図4(a)の画像Bを視点Eから観察した時の正面図である。 本発明の潜像パターンを有する凹版印刷物の一実施の形態を示すもので、画像Aと画像Bを角度をずらして合成した凹版印刷物の正面図である。 図4の合成した凹版印刷物を修正して潜像パターンを有する凹版印刷物とした一事例を示す正面図である。 本発明の潜像パターンを有する凹版印刷物の一事例を示すもので、(a)は、視点Aから観察した時の正面図であり、(b)は、視点Eから観察した時の正面図である。 従来の偽造防止策を施した凹版印刷物の一事例を示すもので、(a)は、その正面図であり、(b)は、視点Aから観察した時の正面図である。
符号の説明
1‥‥潜像パターンを有する凹版印刷物
2‥‥合成した修正前の凹版印刷物
10‥‥画像Aの潜像パターンの万線状凸部
12‥‥画像Aの背景部の万線状凸部
14‥‥画像Bの潜像パターンの万線状凸部
16‥‥画像Bの背景部の万線状凸部
20‥‥画像Aの潜像パターン
22‥‥画像Aの背景部
24‥‥画像Bの潜像パターン
26‥‥画像Bの背景部
P1‥‥画像Aを構成する潜像パターンの万線状凸部のピッチ
P2‥‥画像Aを構成する背景部の万線状凸部のピッチ
P3‥‥画像Bを構成する潜像パターンの万線状凸部のピッチ
P4‥‥画像Bを構成する背景部の万線状凸部のピッチ
W1‥‥画像Aを構成する潜像パターンの万線状凸部の線幅
W2‥‥画像Aを構成する背景部の万線状凸部の線幅
W3‥‥画像Bを構成する潜像パターンの万線状凸部の線幅
W4‥‥画像Bを構成する背景部の万線状凸部の線幅

Claims (5)

  1. 凹版インキで印刷される凹版印刷物であって、所定のピッチと線幅を有し、所定の方向に延びる微細な万線状凸部でなる潜像パターンと、該潜像パターンの領域外で潜像パターンと略同一のピッチと線幅を有し、該潜像パターンに対し垂直方向に延びる微細な万線状凸部でなる背景部とで構成される凹版印刷物を一画像とし、前記一画像と略同一のピッチと線幅を有し、複数の、微細な万線状凸部でなる潜像パターンと該潜像パターンに対し垂直方向に延びる万線状凸部でなる背景部とで構成される凹版印刷物を他の画像とし、前記一画像に対し複数の他の画像が各々角度をずらして合成され、該合成された各画像の背景部を形成する各万線状凸部の一つ置きの間にある他の画像の万線状凸部が除去されていることを特徴とする潜像パターンを有する凹版印刷物。
  2. 前記一画像に対し、複数の他の画像が合成される角度が各々45°±15°であることを特徴とする請求項1記載の潜像パターンを有する凹版印刷物。
  3. 前記一画像を構成する潜像パターンと複数の他の画像を構成する潜像パターンの形状が各々異なることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の潜像パターンを有する凹版印刷物。
  4. 前記一画像と複数の他の画像を構成する万線状凸部が光学可変物質を含有している凹版インキで印刷されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の潜像パターンを有する凹版印刷物。
  5. 前記光学可変物質は蛍光顔料もしくは赤外線吸収物質であることを特徴とする請求項4記載の潜像パターンを有する凹版印刷物。
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