JP2005334783A - 塗装装置及び塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワーク搬送コンベヤと塗料噴射機を備える塗装装置において、未塗装の塗料が塗装ブースから外部に漏れることを抑制して塗料回収を効果的に行うことである。
【解決手段】塗装装置10において、高さ可変コンベア12は、コンベア高さ可変のフレキシブルレール30と、フレキシブルレール30の両端に接続されるコンベア高さが不変の固定レール20,28とを有し、塗料噴射機52が備えられる塗装ブース14のブース本体50は、上部にワークを受け入れ可能に開閉できる開閉ふた54を有する。開閉ふた54の開くのに連動して高さ可変コンベア12の高さを下げ、それに連動して開閉ふた54を閉じ、ブース本体50の中で塗料噴射機52によりワークに塗装作業を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗装装置及び塗装方法に係り、特に塗装ブースを通過するコンベヤによりワークを塗装ブース内に搬送し、塗装ブースに設けられた塗料噴射機によりワークに塗装を行う塗装装置及び塗装方法に関する。
従来からオーバーヘッドコンベア等の搬送手段を用いて被塗装物であるワークを連続的に搬送すると共に、搬送されてきたワークに対し塗装ブース内で塗料噴射装置等を用いて塗装を行う塗装装置が広く利用されている。
塗料噴射装置としては、粉体の塗料をワークに対し噴き付ける粉体噴射塗装機、水溶性塗料又は油溶性塗料等の液体塗料をワークに対し噴き付ける液状噴射塗装機等がある。そして、複数の塗装色が必要な場合は、塗装ブース内を洗浄等して混色防止をし、塗装色の異なる塗料噴射装置を切り替える等の色替え処理を行う。この色替え処理中の塗装ブースを回避して、コンベア等を用いた連続搬送塗装作業を行うために、特許文献1には、上下方向に自由に移動できるフレキシブルレールが配設されるトロリコンベアを用いる塗装用被塗装物の搬送方法が開示されている。
また、コンベア等の搬送手段を用いて被塗装物であるワークを連続的に搬送し、塗装ブース内で粉体あるいは液体の塗料を噴き付ける塗装装置では、塗料の回収に工夫がなされる。例えば、特許文献2では、塗装装置の外部に塗料ミストが排出されるのを最小限に防ぐために、給気ファン、排気ファン、カーテン等の隔離壁、シャワー装置等を用いる従来技術が記載され、さらにトンネル型の塗装ブースの内壁面に液体膜を形成する液体供給手段を有することが開示される。
特開2003−117448号公報 特開平9−253542号公報
ところで、コンベア等の搬送手段を用いて被塗装物であるワークを連続的に搬送し、塗装ブース内で粉体あるいは液体の塗料を噴き付ける塗装装置の塗装ブースには、前工程から流れてくるワークを迎える入口部と、塗装処理が終わったワークを次工程に送り出す出口部を有するトンネル型が設けられる。そして、このトンネル型の入口部及び出口部の開口の大きさはワークの塗装面程度の大きさであるので、相当大きな開口が必要である。この開口からの塗料ミスト等の流出を防ぎぐため、例えば給気ファンや排気ファンの風量を大きくして下向きのダウンフローをより強くし、入口部及び出口部に向かう横向きの塗料ミスト等の流れを抑制することが行われる。そのために、給気装置や排気装置等が大掛かりとなり、塗装ブース及び塗装装置全体が大型化し、また運転コストも上昇する。これに代わり、トンネル型の入口部及び出口部に開閉ドアを設けることも考えられるが、入口部及び出口部の開口は様々なワークの大きさに上記のように相当大きく、大掛かりな開閉ドアとなり、塗装ブース及び塗装装置全体が大型化する。
本発明の目的は、ワークを搬送するコンベヤと塗料噴射機を備える塗装装置及び塗装方法において、噴射される塗料が塗装ブースから外部に漏れることを抑制できる塗装装置及び塗装方法を提供することである。また、他の目的は、ワークを搬送するコンベヤと塗料噴射機を備える塗装装置及び塗装方法において、ワークの塗装に用いられない未塗装の塗料の回収を効果的に行うことができる塗装装置及び塗装方法を提供することである。また、他の目的は、ワークを搬送するコンベヤと塗料噴射機を備える塗装装置及び塗装方法において、塗装ブースを小型化できる塗装装置及び塗装方法を提供することである。本願の各請求項に記載される発明は、上記の目的の少なくとも1つに貢献するものである。
本発明に係る塗装装置は、塗装ブース上に設置されたコンベヤによりワークを吊り下げて塗装ブース内に搬送し、塗装ブースに設けられた塗料噴射機によりワークに塗装を行う塗装装置において、上部にワークを受け入れ可能に開閉できる開閉ふたを有する塗装ブースと、塗装ブース上に搬送されたワークを塗装ブース内に下降させ、塗装されたワークを塗装ブースから引き上げるための高さ上下可変のコンベアであって、コンベア高さ可変のフレキシブルレールと、フレキシブルレールの両端に接続されたコンベア高さ不変の固定レールと、両レールに沿ってワークを移動させるキャリアと、を含む高さ可変コンベアと、高さ可変コンベアの上下動作と塗装ブースの開閉ふたの開閉動作とを連動させて制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る塗装装置は、塗装ブースからの未塗装塗料を回収し塗装ブースに戻して再利用する回収部を備えるが好ましい。
また、本発明に係る塗装装置は、塗装ブースの開閉ふたは、ワークを受け入れ可能な受入状態と、ワークを吊り下げるハンガ部分を受け入れる余地部分を残して開閉ふたを閉じる閉じ状態との間で開閉可能であることが好ましい。
また、塗装ブースは、底面部に設けられる排気口と、閉じ状態における余地部分を給気口として、排気口に向けて塗装ブース内に下向きの気体流を供給する送風部と、を有することが好ましい。また、塗装ブースは、上下方向に略円筒形又はコーナーが丸みを帯びた略筒形の形状を有することが好ましい。
また、フレキシブルレールは、直線状であって上下方向への高低変化を自由に行うことができる昇降レールと、昇降レールの前後両端部に連結され折れ曲がり自在の自在レールとを有することが好ましい。
また、本発明に係る塗装装置は、複数の塗装ブースのそれぞれの配置位置を変更可能に搭載し、複数の塗装ブースの中で選択された任意の塗装ブースを高さ可変コンベアのワークの下降又は上昇位置に移動させるブース移動機構を備えることが好ましい。
また、本発明に係る塗装方法は、塗料噴射機が備えられる塗装ブースであって、上部にワークを受け入れ可能に開閉できる開閉ふたを有し、開閉ふたの部分を除いて密閉される塗装ブースと、ワークを吊り下げて塗装ブースを通過する際にコンベヤ高さをワークの吊り上げ位置と吊り下げ位置との間で上下に可変できる高さ可変コンベアと、を用いてワークに塗装を行う塗装方法であって、高さ可変コンベヤの高さを吊り上げ位置として、当該塗装ブースの開閉ふたの上方にワークを搬送する工程と、塗装ブースの開閉ふたを開き、コンベア高さを吊り下げ位置まで下降させ、開いた開閉ふたを通ってワークを塗装ブースの中に運び込み、その位置で停止させる工程と、塗装ブースの開閉ふたを、ワークを吊り下げるハンガ部分を残して閉じる工程と、開閉ふたが閉じられた塗装ブース内のワークに塗料噴射機により塗装を行う工程と、塗料噴射が終了後、塗装ブースの開閉ふたを開き、コンベア高さを吊り上げ位置まで上昇させ、開いた開閉ふたを通ってワークを塗装ブースから運び出して吊り上げる工程と、を含むことを特徴とする。
上記構成により、高さ可変コンベアは、コンベア高さ可変のフレキシブルレールと、フレキシブルレールの両端に接続されたコンベア高さ不変の固定レールとを有し、両レールに沿ってワークを移動させて、ワークを塗装ブース内に下降させあるいは塗装されたワークを塗装ブースから引き上げるために高さ上下可変である。そして、塗料噴射機が備えられる塗装ブースは上部にワークを受け入れ可能に開閉できる開閉ふたを有し、高さ可変コンベアの上下動作と開閉ふたの開閉動作が連動する。したがって、開閉ふたの開くのに連動して高さ可変コンベアの高さを下げ、それに連動して開閉ふたを閉じて塗料噴射機により塗装作業を行うことができる。このようにして、噴射される塗料が塗装ブースから外部に漏れることを抑制できる。
また、回収部を備えるので、ワークの塗装に用いられない未塗装の塗料の回収を効果的に行い、再利用することができる。
また、ワークの出し入れは、塗装ブースの上下軸に沿って行われるので、開閉ふたの開口の大きさはキャリアから吊り下げられたワークの上下方向軸に垂直な断面の大きさですむ。通常は、広い範囲の塗装を効果的に行うため、噴射塗装機の塗料噴射ノズルを上下方向に移動させることが多い。一般的に、ワークの長手方向を上下方向としてキャリアから吊り下げられることが多いので、ワークの上下方向軸に垂直な断面の大きさは、ワークの上下方向軸に平行な断面の大きさより小さい。したがって、開閉ふたを塗装ブースの上方に設けることで、開閉ふたを小さくでき、塗装ブース全体をコンパクトな構成とできる。
また、塗装ブースの開閉ふたは、ワークを受け入れ可能な受入状態と、ワークを吊り下げるハンガ部分を受け入れる余地部分を残して開閉ふたを閉じる閉じ状態との間で開閉可能であることが好ましい。上記構成により、コンベヤを用いてワークを逐次的に搬送する機能と、未塗装塗料の漏れを防ぎたい塗装ブースの機能とを両立させることができる。
また、塗装ブースは、底面部に設けられる排気口と、閉じ状態における余地部分を給気口として、排気口に向けて塗装ブース内に下向きの気体流を供給する送風部と、を有することが好ましい。上記構成により、塗料ミスト等を下向きの気体流にのせて下方に集めることができ、ワークの塗装に用いられない未塗装の塗料の回収を効果的に行うことができる。
また、塗装ブースは、上下方向に略円筒形又はコーナーが丸みを帯びた略筒形の形状を有することが好ましい。上記構成により、塗料が滞留しやすいコーナーにおける塗料の回収を容易とし、また、コーナーを丸くすることで塗装ブースの体積効率を向上させ、コンパクトな塗装ブースを構成できる。
また、フレキシブルレールは、直線状であって上下方向への高低変化を自由に行うことができる昇降レールと、昇降レールの前後両端部に連結され折れ曲がり自在の自在レールとが好ましい。上記構成により、昇降レールの高低変化を制御することで、自在レールの折れ曲がりを用いて、フレキシブルレールのコンベア高さを可変できる。
また、複数の塗装ブースの中で選択された塗装ブースを高さ可変コンベアのワーク下降又は上昇位置に移動させるブース移動機構を備えるので、多様な塗装に対応できる。例えば、塗装の色替えを行うときでも、色替えに対応する複数色の塗装ブースを備えるブース移動機構を用いることで、混色を起こすことなく、短時間で容易に色替え作業を行うことができる。
また、本発明に係る塗装方法においては、開閉ふたの開閉動作と、高さ可変コンベアの高さの上げ下げを連動させる。この連動により、塗装したいワークを塗装ブースの中に入れるときは、開閉ふたを開き、高さ可変コンベアの高さを下げる。逆に塗装済みのワークを塗装ブースから運び出すには、開閉ふたを開き、高さ可変コンベアの高さを上げる。塗料噴射機により塗装作業を行うときは、ワークを塗装ブースの中に運び入れたのち、ワークを吊り下げるハンガ部分を残して開閉ふたを閉じる。したがって、塗装作業中に噴射される塗料が塗装ブースから外部に漏れることが抑制でき、ワークの塗装に用いられない未塗装の塗料の回収を効果的に行うことができる。
また、ワークの出し入れは、塗装ブースの上下軸に沿って行われるので、開閉ふたの開口の大きさはハンガ部分に吊り下げられたワークの上下方向軸に垂直な断面の大きさですみ、通常は、この断面の大きさは、ワークの上下方向の面積の大きさより小さい。したがって、開閉ふたを小さくでき、塗装ブース全体をコンパクトな構成とできる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、ワークを搬送するコンベアとして、搬送路の一部であるフレキシブルレールの部分についてコンベア高さを変更できるものとし、コンベア高さの変更は、コンベア高さが不変の固定レールの床面からの高さを標準の高さとして、さらに上方に、及びさらに下方に変更できるものとしたが、ワークを塗装ブースの上部の開閉部から出し入れできれば、それ以外の構成の高さ可変コンベアであってもよい。例えば、標準の高さと、標準の高さより低い別の高さとの2つの間で高さを変更できるものとしてもよく、搬送路の任意の部分について任意の高さに変更できるものであってもよい。また、塗料噴射機としては、粉体噴射、水性塗料噴射について説明するが、それ以外の塗料に関する噴射、例えば油性塗料噴射や、下地コーティング材噴射のような塗料に関する他の材料の粉体噴射、液体噴射等であってもよい。
図1は、塗装装置10のブロック図である。塗装装置10は、ワークを搬送するための高さ可変コンベア12と、ワークに塗装作業を行う塗装ブース14と、塗装ブース14からの未塗装の塗料や水を回収する回収部16と、これら全体の動作を制御する制御部18とを含んで構成される。なお、図1には、1つの塗装ブース14周りの部分を示してあるが、複数の塗装ブース14を配置し、これら複数の塗装ブース14を通過するように高さ可変コンベア12を配置することができる。
高さ可変コンベア12は、図示されていないワークを吊り下げて搬送路に沿って搬送し、塗装ブース14を通過するときに、その部分の上下高さを変更できるコンベアである。かかるコンベアとしては、特許文献1に開示されるトロリコンベア等を用いることができる。高さ可変コンベア12は、高さが不変の固定レール20,28と、高さを可変できるフレキシブルレール30と、両レールに内蔵され、両レールに沿って移動可能なキャリア32を含んで構成される。ここで高さ可変とは、図1で示されるZ方向に可変のことである。
固定レール20,28は、塗装装置10が配置される床面に対しレールの高さを制御によっては変更することが出来ないレールである。これに対し、フレキシブルレール30は、そのレールの高さ、すなわちコンベア高さを制御により変更することができるレールである。フレキシブルレール30は、直線状の昇降レール24と、その前後両端部に連結される自在レール22,26とから構成される。そして、フレキシブルレール30の両端は、固定レール20,28にそれぞれ連結される。すなわち、塗装ブース14の部分における高さ可変コンベア12のレールは、図示されていないワークが図1に示すX方向に搬送されるとして、ワーク搬送の上流側から、固定レール20−自在レール22−昇降レール24−自在レール26−固定レール28の順に連結されて構成される。
昇降レール24は直線状のレールであって、制御部18の制御の下で図示されていない昇降機構により、レール高さ、すなわちコンベア高さを上下方向に可変できるレールである。具体的には、図1に示すように、固定レール20,28の床面からのコンベア高さを標準の高さとすると、それより高いワーク吊り上げ位置の高さまで上昇でき、また、反対に同じだけの量だけ標準の高さより低いワーク吊り下げ位置まで下降させることができる。例えば、床面からの標準の高さを2〜4mとし、ワーク吊り上げ位置の高さを、標準の高さより(0.5〜1.5)m高くし、ワーク吊り下げ高さを、標準の高さから(0.5〜1.5)m低くするものとできる。この例では、昇降レール24のコンベア高さの変更のストロークは、1〜3mである。
自在レール22,26は、昇降レール24の前後両端部にそれぞれ連結され、昇降レール24の上下方向へのコンベア高さ変更を自由に行えるように、多数に分割されたレールピース、サイドプレート、接続プレートを組み合わせ、全体として折れ曲がり自在の機能を有するレールである。したがって、昇降レール24を上下方向に昇降させるとき、自在レール22,26は、直線状の昇降レール24と、高さ固定の固定レール20,28との間を連続的な搬送レールとなるように自在に折れ曲がって接続する機能を有する。
キャリア32は、図示されていないワークを高さ可変コンベア12の搬送路に沿って搬送するための移動部材である。かかるキャリア32としては、固定レール20,28及びフレキシブルレール30に沿って配置される移動チエーン等を用いることができる。このキャリア32には、図1に示すY軸周りに回転自在のコロ34が適当な間隔で接続される。コロ34には、図示されていないワークを吊り下げるハンガ36が設けられる。ハンガ36は、コロ34の作用により、図示されていないワークの上下方向の軸を重力方向とするように吊り下げることができる。キャリア32の移動は、図示されていないキャリア移動機構によって行われ、キャリア移動機構の動作は制御部18の制御の下で行われる。
また、高さ可変コンベア12には、ちょうど塗装ブース14の真上に揺動機構40が設けられる。揺動機構40は、モータを含み揺動アーム42を図1に示すXY平面内で揺動させる機能を有する。揺動アーム42は、塗装ブース14の真上に移動してきたハンガ36に作用し、ハンガ36をその吊り下げ軸周り、すなわち図1に示すZ軸周りに回転させることができる。これにより、ハンガ36に吊り下げられるワークを、Z軸周りに回転あるいは揺動させることができる。揺動機構40の制御は、制御部18により行われる。
次に塗装ブース14の構成を説明する。塗装ブース14は、図示されていないワークに対し水性塗料を噴き付け塗装するためのブースである。塗装ブース14は、ブース本体50と、塗料噴射機52と、ブース本体50の上部に設けられる開閉ふた54、及びやはりブース本体50の上部の適当な部位に設けられる給気装置56を含んで構成される。また、ブース本体50は、回収部16と接続される。
ブース本体50は、上部に開口を有する略円筒形で、底部は下方に行くほど小さな径となるテーパ状をなす容器である。ブース本体50は、後に詳述するように、高さ可変コンベア12の作用によりハンガに吊り下げられて運ばれてきたワークを収納し、上部開口を開閉ふた54により閉じた状態で塗料噴射機により塗装処理を行う際に、塗料ミスト等が外部に漏れないように、外部と隔離するための収納容器である。そして、その内部には、ワークに塗装されなかった未塗装の塗料を底部のテーパ部分に集めて回収するため、表面を水が流れるウオーターカーテンや、ウオーターシャワー等が設けられる。ブース本体50の内部構成の詳細については、塗装装置全体の作用の説明に関連させて、後に詳述する。
ブース本体50の大きさは、塗装処理対象のワークの大きさにより定めることができる。例えば、処理するワークの上限を、2m×50cm×50cmとし、2m×50cmの4つの面を塗装処理する仕様の場合では、円筒部分の高さを2.5〜3m、直径を1〜1.5m程度とすることができる。テーパの大きさは、図示されていないワークに塗装されなかった未塗装の塗料が下方向に回収されやすい角度が好ましく、例えば、水を用いて未塗着の水性塗料を流す場合で15〜30度程度、未塗着の粉体塗料を回収する場合は30〜60度程度が好ましい。テーパ部分は、直線状テーパの他、円弧状で下方へ行くほど狭くなる形状でもよい。また、略円筒形でなくても、コーナーが丸みを帯びた略筒形の形状を有するものでもよい。かかるブース本体50は、適当な金属構造材もしくは樹脂材等を加工し組み立てることで得ることができる。
塗料噴射機52は、ブース本体50と接続され、ブース本体50の中に置かれる図示されていないワークに対し塗装処理を行う水性塗料噴射機である。塗料は塗料タンク58から供給される。かかる塗料噴射機52としては、塗料噴射口が上下方向、すなわち図1に示すZ方向に往復できるいわゆるレシプロ型水性塗料噴射機を用いることができる。この場合、ブース本体50の側壁には、塗料噴射口の移動ストロークに相当する細いガイド溝が設けられる。なお、ブース本体50の開口部としては、上部の開口と、この細いガイド溝以外は設けられず、上部の開口が開閉ふた54で覆われると、ほぼ密閉容器となる。塗料噴射機52の動作は、制御部18の制御の下で行われる。
開閉ふた54は、ブース本体50の上部の開口を開閉する機能を有するものである。開閉には、スライド機構を用い、例えば2枚のふた板をブース本体50の上部に設けられたスライドガイドに沿ってスライドさせ、2枚のふた板を相互に離隔させる方向に移動させて開き、接近する方向に移動させて開口を閉じるようにすることができる。閉じるときに、ハンガ36の軸部分はブース本体50に通るように、少しの隙間余地が設けられる。具体的には、2枚のふた板に半月状等の切欠き部を設け、2枚のふた板が合わさって閉じるときに、ハンガ36の軸周りに直径が10〜30cm程度の穴が形成されるようにする。スライド機構による開閉ふた54の開閉動作は、制御部18の制御の下で行われる。
開閉ふた54は、2枚のふた板を相互にスライドさせて開閉する機構以外のものでもよい。例えば、2枚のふた板をブース本体50の上部の外周部にヒンジ等で向かい合わせに取り付け、回転機構を用い、図1のY軸あるいはX軸周りに回転して開閉するものとしてもよい。これらの機構において、2枚のふた板は相互に重なり合う部分を有してもよい。また、ハンガ36のための余地隙間ができるようにすることを前提として、1枚のふた板をスライド機構や回転機構等により開閉するものとしてもよい。
次に回収部16の構成の説明を行う。回収部16は、塗装ブース14からの未塗装の塗料や、未塗装の塗料を集めるために用いた水を回収する機能を有する。詳しくは、ブース本体50からの回収パイプ60、置換タンク62、水ポンプ64、水供給パイプ66、ガスフィルタ68、ブロワ70、塗料濃縮タンク72等で構成される。ブース本体50では、塗装装置10の作用のところで後述するように、ウオーターカーテンや、ウオーターシャワー等を用いて、ワークに塗装されなかった未塗装の塗料は水とともに下方に集められる。この塗料を含む水は、回収パイプ60により置換タンク62に集められ、そこで塗料は沈殿し、上澄みの水と沈殿物とに分離される。上澄みの水は水ポンプ64、水供給パイプ66を経由してブース本体50に戻され再利用される。沈殿物を含む水は塗料濃縮タンク72に送られ、塗料として回収され、塗料タンク58に戻され再利用される。置換タンク62からでるガスは、ガスフィルタ68、ブロワ70を経由して、大気中に放出される。このように、ブース本体50からの塗料を含む水は、塗料、水に分離されて再利用される。
制御部18は、高さ可変コンベア12の動作と連動して、塗装ブース14の動作、回収部16の動作を制御する機能を有する。かかる制御部18は、専用の制御機又は一般的なコンピュータを用いることができ、制御部18の各機能は、ソフトウエアを用いて実現でき、より詳しくは、対応する塗装制御プログラムを実行することで実現できる。機能の一部をハードウエアで実現してもよい。制御部18の各機能は、次に述べる塗装装置10の作用の説明において述べる。
上記構成の塗装装置10の作用を図2から図4を用いて説明する。図2は、塗装ブース14のブース本体50にワーク8が運び込まれて塗装処理が行なわれるまでの各工程を示し、図3は、塗装処理が行なわれているときにおけるブース本体50の内部の状況と、未塗装塗料及び水の回収の様子を示し、図4は塗装処理が終わってワーク8がブース本体50から運び出され次の工程に移る各工程を示す。これらの図において、図1と同様の要素には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
図2の(a)から(d)は、ワーク8が高さ可変コンベア12により前工程から塗装ブース14に運ばれて、ブース本体50内で塗装処理が行なわれるまでの一連の流れを各工程に分けて示す図である。図2(a)は、前工程から塗装ブース14の位置に向かってワーク8が搬送される工程である。このとき、高さ可変コンベア12のフレキシブルレール30は、固定レール20,28の高さである通常高さより高い位置、すなわちワークの吊り上げ位置に設定される。この吊り上げ位置の状態で、キャリア32は、図2(a)の矢印で示す方向に送られ、キャリア32に接続されるコロ34及びコロ34に吊り下げられるハンガ36及びハンガ36に吊り下げられるワーク8も矢印方向に移動する。コロ34は、固定レール20においては水平方向に移動し、フレキシブルレール30の斜めとなっている自在レール22においては斜行して上り、昇降レール24においては再び水平方向に移動する。これらの動作は、制御部18が高さ可変コンベア12の図示されていない昇降機構及びキャリア移動機構に指示を与えて実行される。なお、図2(a)の工程においては、塗装ブース14は動作せず、開閉ふた54も閉じたままである。
図2(b)は、キャリア32の移動によりコロ34が塗装ブース14のブース本体50に真上に来て、そこで停止し、それと連動して、ブース本体50の開閉ふた54が動作し、ワークを受け入れ可能な程度の開口80まで開く工程である。この動作は、制御部18が、高さ可変コンベア12の図示されていない昇降機構及びキャリア移動機構に停止維持を指示し、開閉ふた54のための図示されていないスライド機構に開き動作の指示を与えて実行される。
図3(c)は、キャリア32の移動を停止したまま、高さ可変コンベア12のフレキシブルレール30の高さを、固定レール20,28の高さである通常高さより低い位置、すなわちワークの吊り下げ位置に変更し、ワーク8が、開いた開閉ふた54の間を通って下方に降下し、ブース本体50の中に運び込まれる工程である。ワーク8は、フレキシブルレール30のコンベア高さが徐々に低くなるにつれ、ブース本体50の内部に次第に沈み込み、コンベア高さが最低位置、すなわちフレキシブルレール30が吊り下げ位置まで下がった状態で停止する。この動作は、制御部18が高さ可変コンベア12の図示されていない昇降機構に下降指示を与え、キャリア移動機構及び開閉ふた54のスライド機構に停止維持指示を与えて実行される。
図2(d)は、図3(c)の状態から、開閉ふた54を閉じる工程である。この状態で、塗料噴射機52により、ワーク8に対し塗装処理が行われる。この動作は、制御部18が開閉ふた54のスライド機構に閉じ指示を与え、高さ可変コンベア12の図示されていない昇降機構及びキャリア移動機構に停止維持指示を与えて実行される。
図3は、塗装処理工程における塗装装置10の各要素の動作を詳細に示す図である。ここでは、ブース本体50の内部の構成を詳細に示してある。塗装処理工程では、上記のように、高さ可変コンベア12のフレキシブルレール30のコンベア高さは吊り下げ位置に維持され、キャリア32は、コロ34がブース本体50の真上の位置にある状態で停止維持されている。そして、開閉ふた54は閉じ位置に維持される。ここで、開閉ふた54がブース本体50の上部開口を完全に覆ってしまうと、ハンガ36が開閉ふた54と衝突するので、上記のようにハンガ36を受け入れる余地部分82が残される。上記の例では、余地部分82として、ハンガ36の軸周りに直径10〜30cmの穴が形成されるように開閉ふた54が閉じられる。
また、揺動機構40はブース本体50の真上に設置されるので、コロ34がブース本体50の真上にくると、揺動アーム42がちょうどハンガ36に作用する位置となる。そこで、塗装処理工程においては、揺動機構40により揺動アーム42が揺動され、これにより、ワーク8は図3に示す回転矢印方向に揺動あるいは回転する。
また、塗料噴射機52は、上記のようにレシプロ型水性塗料噴射機を用いるときは、塗料噴射口84が上下方向、すなわち図3に示す上下矢印方向に往復しつつ、水性塗料をワーク8に向けて噴き付ける。ワーク8は、揺動アーム42により回転矢印方向に揺動あるいは回転し、そのワーク8に対し塗料噴射口84は上下矢印方向に移動しつつ水性塗料を吹き付けるのであるから、揺動範囲、揺動速度を適当に選び、塗料噴射口84の配置を適切に選び、塗料噴射口84の上下移動範囲、移動速度、揺動アーム42の揺動範囲、揺動速度等を適当に設定することで、ワーク8の所望の範囲に塗装処理を行うことができる。これらの動作は、制御部18が、塗料噴射機52及び揺動機構40に塗装条件に応じた動作指示を与えることで行われる。
ブース本体50の内部には、ウオーターカーテン86を兼ねたブース内壁と、ウオーターシャワー88が設けられる。ウオーターカーテン86は、ワーク8を挟んでブース内周に配置される部材である。ウオーターカーテン86は、その表面に水が流下されることで、塗料噴射口84からワーク8に向かって噴き付けられた水性塗料が、ワーク8の塗装に寄与せず、その背後に飛び散ってしまうものを、壁面で受け止めさらに水で下方に流し、ブース本体50の底部に集めて回収する機能を有する。ウオーターシャワー88は、ウオーターカーテン86の前面に設けられ、下向きに水を噴出させウオーターカーテン膜を形成後、ブース本体50の底部に集めて回収する機能を有する。ウオーターカーテン86とウオーターシャワー88に用いる水は、置換タンク62から水ポンプ64を経由し水供給パイプ66により供給される。これらの動作は、制御部18が水ポンプ64及び水回収路及び水供給路に設けられる図示されていない各種バルブに所定の動作指示を与えて行われる。
ブース本体の底部は回収パイプ60を経て置換タンク62に接続し、置換タンク62の上部の気体空間はガスフィルタ68とブロワ70を介して大気に連通する。また、必要に応じ、ブース本体50の上部の適当な部位に給気装置を設けてもよい。図3では、開閉ふた54に給気装置56を設ける例を示してある。この場合、給気装置56は、開閉ふた54のハンガ36周りにおける余地部分の隙間を給気口として、ブース本体50の上部から底部に向かう気体流を形成できる。かかる給気装置56は、例えば適当な送風ファンで構成することができる。したがって、気体流は、大気−余地部分82−(給気装置56)−ブース本体50内部−ブース本体50底部−回収パイプ60−置換タンク62の上部の気体空間−ガスフィルタ68−(ブロワ70)−大気というように流れ、給気装置56により気体が供給され、ブロワ70により気体が排出される。これらの動作は、制御部18が給気装置56とブロワ70に動作指示を与え、また、気体流路に設けられる図示されていない各種バルブに所定の動作指示を与えて行われる。必要がなければ給気装置56を省略することができる。
ここで、給気装置56の給気容量は、ブース本体50の内部に下向きの気体流を形成するとともに、余地部分82から塗料ミストが外部に漏れない程度の風速とするのが好ましい。経験によれば、直径30cm程度の小さい開口であれば、1m/secの風速があれば、塗料ミストの外部への漏れを殆どなくすことができる。従来技術のトンネル型では、入口開口、出口開口の面積は相当大きく、上記のワークの上限の大きさを2m×50cm×50cmとする例では、少なくとも1mの面積を要し、1m/secの風速であれば60m/minの流量を要するが、入口と出口とがあるので2×60=120m/minの流量を要する。これでも開口面積が大きいので、塗料ミストは外部へ漏れる。経験ではおよそ2〜5%程度漏れる。これに対し、余地部分82の大きさを直径30cmとすれば、その開口の大きさはハンガ36の直径を無視しても、0.07mで、1m/secの風速であれば4.2m/minの流量を要するにすぎない。すなわち、従来のトンネル型塗装ブースに比較し、図1、図3に示す塗装ブース14は、およそ1/30の給気容量の送風ファンですみ、かつ、殆ど塗料ミストを外部に漏らすことがない。
このようにして、ウオーターカーテン86や、ウオーターシャワー88、給気装置56等を用いて、ブース本体50の底部に集められる未塗装の塗料を含む水は、底部のテーパ部分に沿って回収パイプ60に導かれ、回収部16の置換タンク62に入る。置換タンク62では、重い塗料は次第に沈殿し、上澄みの水と沈殿物とに分離される。上記のように、上澄みの水は水ポンプ64、水供給パイプ66を経由してブース本体50に戻されて、ウオーターカーテン86やウオーターシャワー88用の水として再利用される。沈殿物を含む水は塗料濃縮タンク72に送られ、塗料として回収される。置換タンク62の上部における気体空間のガスは、ガスフィルタ68、ブロワ70を経由して、塗料ミスト等が除かれて大気中に放出される。このように、ブース本体50からの塗料を含む水は、回収部16において塗料、水が回収され、ガスはフィルタ処理されて大気に戻される。これらの動作は、制御部が、回収部16を構成する各制御要素、例えばバルブ等に指示を与えて行われる。
図4は、塗装処理工程が終わりワーク8がブース本体50から運び出され次の工程に移るまでの一連の流れを各工程に分けて示す図である。図4(a)は、開閉ふた54を開ける工程である。この動作は、制御部18が開閉ふた54のスライド機構に開き指示を与え、高さ可変コンベア12の図示されていない昇降機構及びキャリア移動機構に停止維持指示を与えて実行される。
図4(b)は、開閉ふた54を開けたまま、またキャリア32の移動を停止したまま、高さ可変コンベア12のフレキシブルレール30の高さをワークの吊り上げ位置に変更し、ワーク8が、開いた開閉ふた54の間を通って上方に上昇し、ブース本体50の中から運び出される工程である。ワーク8は、フレキシブルレール30のコンベア高さが徐々に高くなるにつれ、ブース本体50の内部から次第に上昇し、コンベア高さが最高位置、すなわちフレキシブルレール30が吊り上げ位置まで上った状態で停止する。この動作は、制御部18が高さ可変コンベア12の図示されていない昇降機構に上昇指示を与え、キャリア移動機構及び開閉ふた54のスライド機構に停止維持指示を与えて実行される。
図4(c)は、図4(b)の状態から次の工程に向かってワーク8が搬送される工程である。図4(b)において、フレキシブルレール30のコンベア高さが吊り上げ位置に達し、ワーク8の上昇が止まると、ブース本体50の開閉ふた54は閉じられる。そして、この吊り上げ位置の状態で、キャリア32は、図4(c)の矢印で示す方向に送られる。そして、キャリア32に接続されるコロ34及びコロ34に吊り下げられるハンガ36及びハンガ36に吊り下げられるワーク8も矢印方向に移動する。コロ34は、フレキシブルレール30の昇降レール24においては水平方向に移動し、自在レール22においては斜行して下り、固定レール28においては再び水平方向に移動する。これらの動作は、制御部18が、開閉ふた54のスライド機構に閉じ指示を与え、高さ可変コンベア12の図示されていないキャリア移動機構に移動指示を与え、昇降機能に停止維持指示を与えて実行される。
このように、制御部18が塗装装置10を構成する各要素に協働的な指示を逐次与えることにより、塗料噴射処理において未塗装塗料の外部への漏れを抑制し、未塗装塗料の回収を効果的に行うことができる。
上記において、塗料噴射機52はレシプロ型水性塗料噴射機を用いるものとしたが、塗料噴射口を複数設け、その位置を固定とする固定型の水性塗料噴射機を用いてもよい。この場合には、ブース本体50に、塗料噴射口の上下移動に対応する細いガイド溝が不要となり、未塗装塗料の回収をより効果的に行うことができる。
また、粉体塗料噴射機を用いてもよい。図5は、固定型の塗料噴射口85を有する粉体塗料噴射機53を用いる塗装装置11について、塗装処理工程における様子を示す図である。図5は、レシプロ型水性塗料噴射機を用いる塗装装置10の図3に対応する図であり、図3と同様の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。粉体塗料噴射機53を用いる場合は、粉体塗料の回収について、水性塗料の回収の仕方と同様な方法をとることもできるが、図5に示すような別の方法をとることもできる。すなわち、給気装置56はそのまま用いるとして、ウオーターカーテンやウオーターシャワーを用いず、未塗装粉体塗料を給気装置56の作用により、ブース本体51の上方から下方に向かう気流に乗せて底部に集め、これをサイクロンセパレータ90により粉体成分を回収する。回収した粉体塗料は、塗料タンク58に戻され再利用される。サイクロンセパレータ90の気体部分は、ガスフィルタ68を介し、ブロワ70により大気に戻される。
粉体塗料噴射機53を用いる塗装装置11の場合でも、図2、図4で説明した、高さ可変コンベア12と、開閉ふた54との動作は同様である。したがって上述のように、制御部18が塗装装置11を構成する各要素に協働的な指示を逐次与えることにより、塗料噴射処理において未塗装塗料の外部への漏れを抑制し、未塗装塗料の回収を効果的に行うことができる。
また、上記において、塗装ブース14の配置は、半固定的なものを前提として説明している。したがって、塗装の色を変更する色替えのとき等、塗装工程を変更するときは、塗装ブースを別のものに配置換えする必要が生ずることがある。図6は、塗装ブースを容易に配置換えできるブース移動機構92の例を示す図である。ブース移動機構92は、4個の独立した塗装ブース14が、ローラ93を有する回転テーブル94の上に搭載されている。回転テーブル94は、図示されていない回転中心の周りに90度間隔で回転可能に制御され、その90度回転ごとに1つの塗装ブース14がちょうど高さ可変コンベア12のワーク8の下降又は上昇位置の真下にくるようにされる。回転テーブル94の回転をモータで行い、その制御を制御部18により行われるものとしてもよい。
例えば、4つの独立した塗装ブース14をそれぞれ異なる塗装色用の塗装ブースとすれば、ブース移動機構92を用いることで、塗装色の仕様が異なるワーク8が混載して塗装作業ラインに流されても容易に対応できる。すなわち、異なる仕様のワーク8にあわせて塗装ブース14を選択し、選択された塗装ブース14がちょうど高さ可変コンベアのワーク下降上昇の真下にくるように回転移動させればよい。
なお、ブース移動機構92に搭載される塗装ブース14の数は4つに限られず、複数であればよい。また、選択された塗装ブースを移動させる機構は、回転テーブル方式以外の位置移動機構、例えば搬送テーブル等を用いるものとしてもよい。
また、上記において、ブース本体50は、ワーク8を1つ収容する大きさとし、塗装処理工程は1つの工程として説明した。もちろん、混色等の恐れのない複数の塗料噴射機を配置して、複数の塗装処理工程を1つのワーク8に対して行ってもよい。また、図7に示すように、略長方体のブース本体95を用い、1つのブース本体95の中でワーク8が複数工程分の位置を移動できるようにして、複数の塗装工程を処理できるようにしてもよい。この場合には、ブース本体95に上部の開閉ふた97には、ハンガ36の移動範囲に応じた隙間の余地部分を設けることで、未塗装塗料の外部への漏れを抑制し、未塗装塗料の回収を効率的に行うことができる。
本発明に係る実施の形態における塗装装置のブロック図である。 本発明に係る実施の形態において、ブース本体にワークが運び込まれて塗装処理が行なわれるまでの各工程を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、塗装処理が行なわれているときにおけるブース本体の内部の状況と、未塗装塗料及び水の回収の様子を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、塗装処理が終わってワークがブース本体から運び出され次の工程に移る各工程を説明する図である。 他の実施の形態における塗装装置について、塗装処理工程における様子を示す図である。 さらに他の実施の形態において、複数の塗装ブースを移動可能に搭載するブース移動機構を説明する図である。 さらに別の実施の形態において、略長方体のブース本体を用いる例を説明する図である。
符号の説明
8 ワーク、10,11 塗装装置、12 高さ可変コンベア、14 塗装ブース、16 回収部、18 制御部、20,28 固定レール、22,26 自在レール、24 昇降レール、30 フレキシブルレール、32 キャリア、34 コロ、36 ハンガ、40 揺動機構、42 揺動アーム、50,51,95 ブース本体、52,53 塗料噴射機、54 開閉ふた、56 給気装置、58 塗料タンク、60 回収パイプ、62 置換タンク、64 水ポンプ、66 水供給パイプ、68 ガスフィルタ、70 ブロワ、72 塗料濃縮タンク、80 開口、82 余地部分、84,85 塗料噴射口、86 ウオーターカーテン、88 ウオーターシャワー、90 サイクロンセパレータ、92 ブース移動機構。

Claims (8)

  1. 塗装ブース上に設置されたコンベヤによりワークを吊り下げて塗装ブース内に搬送し、塗装ブースに設けられた塗料噴射機によりワークに塗装を行う塗装装置において、
    上部にワークを受け入れ可能に開閉できる開閉ふたを有する塗装ブースと、
    塗装ブース上に搬送されたワークを塗装ブース内に下降させ、塗装されたワークを塗装ブースから引き上げるための高さ上下可変のコンベアであって、コンベア高さ可変のフレキシブルレールと、フレキシブルレールの両端に接続されたコンベア高さ不変の固定レールと、両レールに沿ってワークを移動させるキャリアと、を含む高さ可変コンベアと、
    高さ可変コンベアの上下動作と塗装ブースの開閉ふたの開閉動作とを連動させて制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする塗装装置。
  2. 請求項1に記載の塗装装置において、
    塗装ブースからの未塗装塗料を回収し塗装ブースに戻して再利用する回収部を備えることを特徴とする塗装装置。
  3. 請求項1に記載の塗装装置において、
    塗装ブースの開閉ふたは、ワークを受け入れ可能な受入状態と、ワークを吊り下げるハンガ部分を受け入れる余地部分を残して開閉ふたを閉じる閉じ状態との間で開閉可能であることを特徴とする塗装装置。
  4. 請求項3に記載の塗装装置において、
    塗装ブースは、
    底面部に設けられる排気口と、
    閉じ状態における余地部分を給気口として、排気口に向けて塗装ブース内に下向きの気体流を供給する送風部と、
    を有することを特徴とする塗装装置。
  5. 請求項3に記載の塗装装置において、
    塗装ブースは、上下方向に略円筒形又はコーナーが丸みを帯びた略筒形の形状を有することを特徴とする塗装装置。
  6. 請求項1に記載の塗装装置において、
    フレキシブルレールは、直線状であって上下方向への高低変化を自由に行うことができる昇降レールと、昇降レールの前後両端部に連結され折れ曲がり自在の自在レールとを有することを特徴とする塗装装置。
  7. 請求項1に記載の塗装装置において、
    複数の塗装ブースのそれぞれの配置位置を変更可能に搭載し、複数の塗装ブースの中で選択された任意の塗装ブースを高さ可変コンベアのワークの下降又は上昇位置に移動させるブース移動機構を備えることを特徴とする塗装装置。
  8. 塗料噴射機が備えられる塗装ブースであって、上部にワークを受け入れ可能に開閉できる開閉ふたを有し、開閉ふたの部分を除いて密閉される塗装ブースと、
    ワークを吊り下げて塗装ブースを通過する際にコンベヤ高さをワークの吊り上げ位置と吊り下げ位置との間で上下に可変できる高さ可変コンベアと、
    を用いてワークに塗装を行う塗装方法であって、
    高さ可変コンベヤの高さを吊り上げ位置として、当該塗装ブースの開閉ふたの上方にワークを搬送する工程と、
    塗装ブースの開閉ふたを開き、コンベア高さを吊り下げ位置まで下降させ、開いた開閉ふたを通ってワークを塗装ブースの中に運び込み、その位置で停止させる工程と、
    塗装ブースの開閉ふたを、ワークを吊り下げるハンガ部分を残して閉じる工程と、
    開閉ふたが閉じられた塗装ブース内のワークに塗料噴射機により塗装を行う工程と、
    塗料噴射が終了後、塗装ブースの開閉ふたを開き、コンベア高さを吊り上げ位置まで上昇させ、開いた開閉ふたを通ってワークを塗装ブースから運び出して吊り上げる工程と、
    を含むことを特徴とする塗装方法。
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