JP2005333820A - 乗用型田植機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 植付機構を支持した伝動ケース11を苗植付装置に備え、伝動ケース11の下部にフロートを備えて、フロートの後部の横軸芯周りにフロートを上下に揺動自在に支持し、伝動ケース11が前上がり姿勢となるように構成する。機体の後部に備えられた出力軸43を後方に突出させ、伝動ケース11の前部に備えられた入力軸12を前方に突出させて、機体の出力軸43と伝動ケース11の入力軸12とに亘って、自在継手14を介して伝動軸13を接続する。
【選択図】 図5
Description
これにより、動力が機体の出力軸及び伝動軸を介して伝動ケースの入力軸に伝達されるのであり、伝動ケースの入力軸の動力により植付機構が回転駆動されて、苗の植え付けが行われ、機体の進行に伴ってフロートが田面に接地追従するように上下に揺動する(植付作業状態)。
この場合、乗用型田植機では例えば特許文献の図1に示すように、フロートが田面に接地した植付作業状態において、機体の出力軸が上側に位置し、伝動ケースの入力軸が下側に位置しており、機体の出力軸と伝動ケースの入力軸とに亘って接続される伝動軸が斜め下方に向いている。これにより、機体の出力軸から伝動ケースの入力軸に動力が伝達される場合、動力のトルク変動を抑えて動力の伝動効率を良いものすると言う面で改善の余地がある。
(構成)
本発明の第1特徴は、上下に昇降駆動自在なリンク機構を機体の後部に備え、リンク機構に苗植付装置を備えた乗用型田植機において、次のように構成することにある。
後部に植付機構を回転自在に支持した伝動ケースを苗植付装置に備え、伝動ケースの下部にフロートを備えて、フロートの後部の横軸芯周りにフロートを上下に揺動自在に支持し、伝動ケースが前上がり姿勢となるように構成する。機体の後部に備えられた出力軸を後方に突出させ、伝動ケースの前部に備えられた入力軸を前方に突出させて、機体の出力軸と伝動ケースの入力軸とに亘って、自在継手を介して伝動軸を接続する。
本発明の第1特徴によると、伝動ケースが前上がり姿勢となるように構成されているので、伝動ケースの前部に備えられた入力軸の位置が比較的高い位置となっている。これにより、フロートが田面に接地した植付作業状態において、機体の出力軸が上側に位置し、伝動ケースの入力軸が下側に位置した場合、機体の出力軸と伝動ケースの入力軸との高さの差を、特許文献1よりも小さなものにすることができる。
従って、本発明の第1特徴によると、機体の出力軸と伝動ケースの入力軸とに亘って自在継手を介して伝動軸を接続した場合、自在継手の折れ曲がりの角度を特許文献1よりも小さなものにすることができる。
本発明の第1特徴によると、上下に昇降駆動自在なリンク機構を機体の後部に備え、リンク機構に苗植付装置を備えた乗用型田植機において、機体の出力軸と伝動ケースの入力軸とに亘って自在継手を介して伝動軸を接続した場合、自在継手の折れ曲がりの角度を小さなものにすることができて、機体の出力軸から伝動ケースの入力軸に伝達される動力のトルク変動を抑えて、動力の伝動効率を良いものすることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
機体の出力軸を後下がり姿勢となるように構成し、伝動ケースの入力軸を前上がり姿勢となるように構成する。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
フロートが田面に接地した植付作業状態において、機体の出力軸が上側に位置し、伝動ケースの入力軸が下側に位置した場合、機体の出力軸と伝動ケースの入力軸とに亘って接続される伝動軸は斜め下方に向く状態となる。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、機体の出力軸と伝動軸とを接続する自在継手の折れ曲がりの角度、及び伝動ケースの入力軸と伝動軸とを接続する自在継手の折れ曲がりの角度を小さなものにすることができて、機体の出力軸から伝動ケースの入力軸に伝達される動力のトルク変動を抑えて、動力の伝動効率を良いものすることができた。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
苗植付装置が平行に昇降駆動されるようにリンク機構を構成し、機体の出力軸と伝動ケースの入力軸とが互いに平行になるように構成する。
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第3特徴によると、機体の出力軸と伝動ケースの入力軸とが互いに平行になるように構成しているので、例えば機体の出力軸と伝動軸とを接続する自在継手において、動力のトルク変動が発生しても、伝動ケースの入力軸と伝動軸とを接続する自在継手において、同じ大きさの逆位相の動力のトルク変動が発生するようになり、動力のトルク変動が相殺されるような状態を得ることができる。
本発明の第3特徴によると、本発明の第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、動力のトルク変動が相殺されるような状態を得ることができる点、及び苗植付装置の位置を上下に変更しても動力のトルク変動が相殺されるような状態を得ることができる点により、機体の出力軸から伝動ケースの入力軸に伝達される動力のトルク変動を抑えて、動力の伝動効率を良いものすることができた。
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2により機体が支持され、機体にステップ40及び運転席44が支持されて、機体の後部にリンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3に3条植型式の苗植付装置5が支持されて、3条植型式の乗用型田植機が構成されている。図3に示すように、リンク機構3は2本の上リンク3a及び2本の下リンク3bを備えて、側面視で平行四連リンクに構成されており、油圧シリンダ4によりリンク機構3が昇降駆動される場合、苗植付装置5が平行に昇降駆動される。
次に、苗植付装置5の支持構造について説明する。
図4及び図6に示すように、板金材を折り曲げて構成された支持リンク6がリンク機構3の上及び下リンク3a,3bの後部に取り付けられており、支持リンク6の下部にボス部材7が固定されて、ボス部材7に苗植付装置5が支持されている。角パイプで構成された支持フレーム8が苗植付装置5の左右方向に配置され、支持フレーム8に支持軸9が前向きに固定されて、支持軸9がボス部材7に回転自在に支持されており、これによって苗植付装置5がボス部材7の前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている。平面視において苗植付装置5の前後軸芯P1が苗植付装置5の左右中央A1に一致しており、平面視において苗植付装置5の前後軸芯P1、苗植付装置5の左右中央A1及び機体の左右中央が一致している。
次に、植付アーム21の回転駆動構造について説明する。
図6及び図9に示すように、伝動ケース11の前部の内部に出力軸15が苗植付装置5の左右方向に備えられて、伝動軸15に固定されたベベルギヤ15aが、入力軸12に固定されたベベルギヤ12aに咬合している。伝動ケース11の後部に駆動軸16が苗植付装置5の左右方向に備えられており、駆動軸16に固定されたスプロケット16aと、伝動軸15に固定されたスプロケット15bとに亘って、伝動チェーン17が巻回されている。
次に、苗のせ台22の往復横送り駆動の構造について説明する。
図3,6,7に示すように、伝動ケース11の前部の左側部に、平板状の支持部材28が固定されて上方に延出されており、丸パイプ状の支持部材29が支持部材28に固定されて上方に延出されている。支持フレーム8の右の端部に平板状の支持部材31が固定されて上方に延出されており、丸パイプ状の支持部材30が支持部材31に固定されて上方に延出されている。図7及び図8に示すように、右及び左の支持部材28,31に合成樹脂製のブッシュ32が取り付けられて、右及び左のブッシュ32に横送り軸33の右及び左側部が回転自在に支持されている。
次に、苗のせ台22に備えられた縦送り機構23の構造について説明する。
図2及び図11に示すように、苗のせ台22は3つの苗のせ面22aが備えられて、3つの苗のせ面22aの各々に縦送り機構23が備えられている。図11に示すように、苗のせ台22の略全幅に亘る支持軸47が苗のせ台22の中間部に支持され、支持軸47に回転自在に支持された従動ローラー53が、苗のせ面22aに形成された開口22bに配置されている。
次に、フロート24の構造について説明する。
図12及び図13に示すように、右及び左の後輪2の間隔よりも少し広い横幅を備えてフロート24が構成されている。図14及び図15(イ)に示すように、フロート24の後部左右の2箇所に支持ブラケット65が固定されて、フロート24の前部左右中央の少し右横側の1箇所に支持ブラケット66が固定されており、支持ブラケット65に3個の連結孔65a(丸孔)が形成されている。
次に、苗植付装置5の昇降制御について説明する。
ミッションケース58の前部に制御弁(図示せず)が備えられており、図15(イ)(ロ)に示すワイヤ69のインナー69bの他方の端部が制御弁に接続されている。図1及び図2に示すように、位置保持及び位置変更自在な感度調節レバー72が運転席44の右横側に備えられており、ワイヤ69のアウター69aの他方の端部が感度調節レバー72に接続されている。昇降レバー73が運転席44の右横側に備えられており、苗植付装置5に動力を伝動及び遮断自在自在な植付クラッチ(図示せず)及び制御弁を昇降レバー73によって操作する。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において次のように構成してもよい。
図6,7,14において、伝動ケース11を支持軸9(苗植付装置5の左右中央A1)から右側に偏位して配置し、支持フレーム20を支持軸9(苗植付装置5の左右中央A1)から左側に偏位して配置する。フロート24の前部左右中央の少し左横側の1箇所に支持ブラケット66を固定し、平面視において支持ブラケット66を支持軸9及び左のアーム10の左横側に配置する。伝動ケース11の前部における左側部(苗植付装置5の左右中央A1側の部分)に、入力軸12を前方に突出するように備えて、入力軸12、伝動軸13及び自在継手14を支持軸9及び右のアーム10の右横側に配置する。
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において支持フレーム20を廃止し、支持フレーム20の位置に伝動ケース11(右及び左の植付アーム21を備えている)を配置して、複数の伝動ケース11を備えて苗植付装置5を構成してもよい。
この場合、苗植付装置5は3条植型式ではなく4条植以上の型式となるので、フロート24の右及び左横側に別のフロート(図示せず)を備えるように構成してもよい。又、植付アーム21に代えて、回転ケース(図示せず)に2組の植付アーム(図示せず)を備えて、回転ケースの回転に伴って2組の植付アームにより苗の植え付けを行うロータリ式の植付機構に構成してもよい。
5 苗植付装置
11 伝動ケース
12 入力軸
14 自在継手
21 植付機構
24 フロート
43 出力軸
Claims (3)
- 上下に昇降駆動自在なリンク機構を機体の後部に備え、前記リンク機構に苗植付装置を備えた乗用型田植機であって、
後部に植付機構を回転自在に支持した伝動ケースを苗植付装置に備え、前記伝動ケースの下部にフロートを備えて、前記フロートの後部の横軸芯周りにフロートを上下に揺動自在に支持し、前記伝動ケースが前上がり姿勢となるように構成すると共に、
機体の後部に備えられた出力軸を後方に突出させ、前記伝動ケースの前部に備えられた入力軸を前方に突出させて、前記機体の出力軸と伝動ケースの入力軸とに亘って、自在継手を介して伝動軸を接続してある乗用型田植機。 - 前記機体の出力軸を後下がり姿勢となるように構成し、前記伝動ケースの入力軸を前上がり姿勢となるように構成してある請求項1に記載の乗用型田植機。
- 前記苗植付装置が平行に昇降駆動されるようにリンク機構を構成し、前記機体の出力軸と伝動ケースの入力軸とが互いに平行になるように構成してある請求項2に記載の乗用型田植機。
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