JP2005333714A - 簡潔構造直流モータ、及び、その構成方法 - Google Patents

簡潔構造直流モータ、及び、その構成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 直流モータを改良して、極限的に簡潔な構造で、小形軽量、かつ低コストならしめる。
【解決手段】 ローター6は、回転軸6aに環状着磁鋼板6dを取り付けて構成する。上記環状着磁鋼板には、N極・S極が交互に円形に配列された環状磁極列(図に現れて以内)が形成される。一方ステーター8は、円盤状樹脂プレート8aに波巻コイル8bを装着して構成される。これによって、整流子やブラシの無い直流モータが構成される。整流子やブラシが無いから、電気的な接触抵抗も無く機械的な摩擦抵抗も無く、エネルギー効率が高い。さらに、整流子やブラシが無いから小形軽量であり低コストである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、構成要素を極限的に簡略化した直流モータ、および、その構成方法に関するものである。
交流モータに比して直流モータは(極めて概要的に言えば)回転速度・トルク制御が容易であるが、整流子やブラシを必要として構造的に複雑である。
こうした技術的常識を脱却して、整流子やブラシの無い直流モータを創作する努力も為されていて、例えば特願2004−69976号「引戸の開閉駆動方法、および同駆動装置」(以下、未公知の先願発明という)が有る。
図2は未公知の先願発明(特願2004−69976号公報・引戸の開閉駆動方法、および同駆動装置)の原理を説明するため該公報に図2として掲げられた模式的な外観斜視図である。
符号2を付して示されたのは永久磁石列であって可動部材であり、被動部材である引戸1に取り付けられている。
つづら折れ導線3は静止部材である。矢印E,E′のように通電すると、可動部材は、 S極と電流(矢印i)との関係で矢印fのフレミング力を受ける。
同様に、N極と電流(矢印j)との関係で同方向のフレミング力を受ける。このため、被動部材である引戸1は矢印F方向に駆動される。
以上のようにして、整流子やブラシを用いることなく、直流電流によるリニアーな駆動が遂行される。
この図2の例では、矢印iや矢印jのようにY軸方向の電流がフレミング力を生じる。 つづら折れ導線3はX軸方向の部分とY軸方向の部分とから成っているが、Y軸方向の部分が作動のためのエレメントである。
X軸方向の部分は、直接的には電磁的作用を発生しない導電用のエレメントである。 これを要するに、メアンダー形のつづら折れ導線3の内で、被動部材の移動方向に直交する部分が作動エレメントであり、被動部材の移動方向と平行な部分は導電エレメントである。
特表2003−529303号公報 特開2003−244928号公報 特開平8−42249号公報
前記未公知の先願発明は、極限的に簡潔な構造で直流電流によって駆動できる問いう点で画期的であり、非常に優れた発明であるが、本質的にリニアーモータであるという長短を有している。
本発明の目的は、上記未公知の先願発明を改良して『整流子もブラシも必要としない、極限的に簡潔な構造の直流回転モータを提供しようとするものである。
図3は本発明に係る簡潔構造直流モータの基本的原理を説明するため模式的に描いた要部斜視図である。
Z軸は回転中心線を表している。本発明は回転モータであるから前掲の図2のように直交3軸X−Y−Zといった概念よりも、Z軸に直交する平面Hを考える。
符号4は環状磁極列であって、Z軸を中心とし平面Hに沿ってN極・Y極が交互に環状に配列されている。この図は先に述べたように原理的な模式図であって、実際に馬蹄形磁石を並べなければならないものではなく、実際には図1を参照して後に述べるごとく環状の着磁鋼板を用いる。要するに、平面Hに沿ってN極・S極が交互に環状に配列されることが構成要件である。
環状磁極列4は可動部材であって、Z軸周りに回転自在に支承される。波巻コイル5は静止部材である。
上記波巻コイルに矢印a,矢印cのように通電されると、N極との関係でフレミング力が働き、環状磁極列4は矢印F方向に回される。また、矢印c,矢印hのように通電されると、S極との関係でフレミング力が働き、環状磁極列4は矢印F方向に回される。
上記の作用から理解されるように、回転円の半径方向の通電が回転力を発生する。すなわち、波巻コイル5の内で半径方向の部分がフレミング力を発生させる作動エレメントである。
上述の原理に基づく具体的な構成として、請求項1に係る発明方法は、(図4を参照) 直流モータを構成する方法において、
回転軸(6a)に直交する仮想の面Hに沿って、N極とS極とを交互に配列した環状磁極列(着磁鋼板6d)から成るローター(6)を構成するとともに、
前記仮想の面と平行で、回転軸を中心とする放射状の作動エレメント(図4において符号5a)から成る波巻コイル(8b)を有するステーター(8)を構成し、
上記ローターの磁極面をステーターの作動エレメントに対向離間させて、該ローターをステーターに対して回転自在に支持することを特徴とする。
以上に説明した請求項1の発明方法によると、整流子やブラシを用いることなく直流モータを構成することができる。
整流子やブラシを用いないので構造が簡単で、装置全体が小形軽量かつ低コストであるのみでなく、整流子やブラシが無いので接触抵抗や摩擦抵抗が無くてエネルギー損失が防止され、耐久性に富み、メンテナンスの手数が掛からない。また、漏洩した可燃性のガス(粉塵)や堆積した綿ぼこりなどが整流子火花で着火されるといった危険性が無いので安全である。
請求項2に係る発明方法の構成は、前記請求項1の発明方法の構成要件に加えて、(図6参照)
前記波巻コイル(5)を、基準波巻コイル(10)と、これに対して磁極配列ピッチの1/4だけ偏らせた位相差波巻コイル(11)とによって構成し、
かつ、前記ローター(6)が磁極配列ピッチの1/2だけ回転するごとに上記基準波巻コイルと位相差波巻コイルとの通電を交互に切り換える機構を設けることを特徴とする。
以上に説明した請求項2の発明方法によると、安定した連続回転が可能になる。
また、ローターがどのような回転角位置で停止していても、通電によって即時的に回転を開始できる。
請求項3に係る発明の構成は、(図1参照)座標軸Zと、これに直交する平面Hとを想定し、
Z軸と同心に回転自在に支持された回転軸(6a)と、
上記回転軸に取り付けられて平面Hと平行な輪状鉄板(6c)と、
上記輪状鉄板に取り付けられて平面Hと平行な環状着磁鋼板(6d)と、
平面Hに沿って配置された静止部材である波巻コイル(8b)を具備しており、
かつ、前記環状着磁鋼板(6d)は、N極・S極交互の磁極列がZ軸を中心とする環状に配置されたものであり、
前記波巻コイル(8b)は、Z軸を中心とする放射状の作動エレメント(図4における符号5a)を有するものであることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明によると、輪状鉄板と環状着磁鋼板とが回転部材であり、通電を要する波巻コイルは静止部材である。
静止部材である波巻コイルに通電するには整流子やブラシを必要としないから、装置全体の構造が簡潔で小形軽量であ理、従って製造コストが安価である。
その上、整流子とブラシとの間の電気的な接触抵抗も無く、機械的摩擦抵抗も無いのでエネルギー損失が低減される。
請求項4に係る発明の構成は、前記請求項3の発明の構成要件に加えて、(図6参照) 前記の波巻コイル(8b)は、環状着磁鋼板(6d)の磁極配列ピッチpと等ピッチに形成された基準波巻コイル(10)と、
上記基準波巻コイルに比してZ軸周りにp/4だけずらして配置された位相差波巻コイル(11)とから成るものであり、
かつ、前記環状着磁鋼板(6d)の回転角度をp/4ごとに検出するホールセンサ(12)を具備するとともに、
上記ホールセンサの検出信号に基づいて、基準波巻コイル(10)の通電と位相差波巻コイル(11)の通電とを切り換えるスイッチ回路とをが設けられていることを特徴とする。
以上に説明した請求項4の発明によると、「磁極列を固定的に設置されたローター」がp/4だけ回転する毎に、基準波巻コイルと位相差波巻コイルとに切換え通電されるので、ローターが連続的に安定して回転する。
通電される部材である基準波巻コイルも位相差波巻コイルも静止部材であるから、通電切換え制御は静止機器によって行なうことができ、別段の技術的な困難を伴わない。
請求項5に係る発明の構成は、前記請求項3または請求項4の発明の構成要件に加えて(図1参照)、前記波巻コイル(8b)が、平面Hと平行な円盤状樹脂プレート(8a)に取り付けられており、
かつ、上記円盤状樹脂プレートを介して、前記環状着磁鋼板(6d)と対向離間せしめて導磁板(9)が配設されていて、
前記波巻コイル(8b)が、環状着磁鋼板と導磁板との間に位置していることを特徴とする。
以上に説明した請求項5の発明によると、環状着磁鋼板に形成されたN極・S極交互の磁極列によって生じる磁界の導磁抵抗が少なくなるので、同一電流値による発生トルクが増加する。
さらに、該導磁板を設置したことによる特別の効果として、当該直流モータがステッピングモータとして機能し得るようになる。
請求項6に係る発明の構成は、前記請求項4の発明の構成要件に加えて、(図8参照)
前記の基準波巻コイル(10)が、2芯の複線(10a,10b)から成るとともに、
該複線(10a,10b)相互が直列に接続されており、
かつ、前記の位相差波巻コイル(1)が、2芯の複線(11a,11b)から成るとともに、該複線(11a,11b)相互が直列に接続されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項6の発明によると、同一電流値において発生トルクがほぼ2倍になる。これによって、始動時の回転加速度も上昇する。
また同一の安定回転速度を低い電流値で得られるようになる。
請求項7に係る発明の構成は、前記請求項3ないし請求項6に係る発明の構成要件に加えて、
前記の波巻コイル(8b)が、電気絶縁性の材料から成る放熱フィンを備えていることを特徴とする。
以上に説明した請求項7の発明によると、静止部材である波巻コイルの過熱が防止される。
すなわち、回転部材である環状磁極列のように風冷せされにくい上にジュール熱を発生する波巻コイルが、熱伝導で冷却される。しかも、冷却フィンが電気絶縁性であるから、レンツ損失を生じる虞れが無い。
請求項1の発明方法によると、整流子やブラシを用いることなく直流モータを構成することができる。
整流子やブラシを用いないので構造が簡単で、装置全体が小形軽量かつ低コストであるのみでなく、整流子やブラシが無いので接触抵抗や摩擦抵抗が無くてエネルギー損失が防止され、耐久性に富み、メンテナンスの手数が掛からない。また、漏洩した可燃性のガス(粉塵)や堆積した綿ぼこりなどが整流子火花で着火されるといった危険性が無いので安全である。
請求項2の発明方法によると、安定した連続回転が可能になる。
また、ローターがどのような回転角位置で停止していても、通電によって即時的に回転を開始できる。
請求項3の発明によると、輪状鉄板と環状着磁鋼板とが回転部材であり、通電を要する波巻コイルは静止部材である。
静止部材である波巻コイルに通電するには整流子やブラシを必要としないから、装置全体の構造が簡潔で小形軽量であ理、従って製造コストが安価である。
その上、整流子とブラシとの間の電気的な接触抵抗も無く、機械的摩擦抵抗も無いのでエネルギー損失が低減される。
請求項4の発明によると、「磁極列を固定的に設置されたローター」がp/4だけ回転する毎に、基準波巻コイルと位相差波巻コイルとに切換え通電されるので、ローターが連続的に安定して回転する。
通電される部材である基準波巻コイルも位相差波巻コイルも静止部材であるから、通電切換え制御は静止機器によって行なうことができ、別段の技術的な困難を伴わない。
請求項5の発明によると、環状着磁鋼板に形成されたN極・S極交互の磁極列によって生じる磁界の導磁抵抗が少なくなるので、同一電流値による発生トルクが増加する。
さらに、該導磁板を設置したことによる特別の効果として、当該直流モータがステッピングモータとして機能し得るようになる。
請求項6の発明によると、同一電流値において発生トルクがほぼ2倍になる。これによって、始動時の回転加速度も上昇する。
また同一の安定回転速度を低い電流値で得られるようになる。
請求項7の発明によると、静止部材である波巻コイルの過熱が防止される。
すなわち、回転部材である環状磁極列のように風冷せされにくい上にジュール熱を発生する波巻コイルが、熱伝導で冷却される。しかも、冷却フィンが電気絶縁性であるから、レンツ損失を生じる虞れが無い。
図1は、本発明を適用して構成した簡潔構造直流モータの1実施形態を示す、全体的な断面正面図である。
回転軸6aの中心線をZ軸とし、これに直交する平面Hを想定する。
前記回転軸6aに対して、ハブ6bを介して、H面と平行な輪状鉄板6cを取り付け、この輪状鉄板に環状着磁鋼板6dを取り付ける。
上記の環状着磁鋼板は、先に原理図として示した図3における環状磁極列4に相当する部材であって、「Z軸を中心とする円に沿って、N極・S極が交互に配列された磁極」が着磁されている(詳細は図4を参照して後述)。
上記の回転軸6a、ハブ6b、輪状鉄板6c、および環状着磁鋼板6dがローター6を構成している。
上記ローターに対応して、符号8を付して示したステーターが構成されていて、このステーターがベアリング7を介して前記ローター6を支持している。
ステーター8は、円盤状樹脂プレート8aに対して波巻コイル8bが装着された構造である。
上記円盤状樹脂プレートは、必ずしも文字どおりに円盤形状の樹脂製部材に限られないが、レンツ損失を防止するために電気絶縁性材料で構成され、機構学的に円盤と等価な形状に構成される。
円盤状樹脂プレート8aを挟んで波巻コイル8bと向かい合う形に仮想線で示した導磁板9を装着することもできる。
この導磁板は必須の構成要件ではないが、これを設けておくとモータ装置がステッピングモータとして機能し得るようになり、かつ、導磁抵抗が減少するのでフレーミング力が増加する。
ただし、環状着磁鋼板6dと導磁板9との間に磁気吸引力が作用するので、モータの回転軸6aにスラスト力が掛かり、ベアリング7の回転抵抗が増加する。
図4は、前掲の図1に示された環状着磁鋼板および波巻コイルの詳細を説明するための模式図であって、(A)は環状着磁鋼板に形成された環状磁極列を描き、(B)は該環状磁極列に対応せしめて波巻コイルを描いてある。
この図4(A)に描かれている環状磁極列4は、原理図として示した図3の環状磁極列4の平面図とご理解いただきたい。ただし、本実施形態においては、馬蹄形磁石の磁極面ではなく、環状着磁鋼板6d(図1)の着磁面である。
図4(B)には、対照のために前記の環状磁極列4を仮想線で描いてある。
波巻コイル5は、原理図である図3に示した波巻コイル5に対応する同様の構成部材であって、磁極の数と同じ数の「半径方向の作動エレメント5a」が形成されている。この波巻コイル5の両端に電圧Vを印加して通電すると、図3(原理図)について説明したようにして回転力が発生する。
前掲の図4のようにして回転力が発生することは本発明の基本的原理であるが、これを実用するためには、更に、連続回転機構を設けなければならない。次に、その問題点について述べる。
図5は、本発明に係るモータの連続回転機構の必要性を説明するために示したもので、(A)は通電を開始する時点の状態を模式的に描いた斜視図、(B)は通電した後の状態を模式的に描いた斜視図である。
本図5(A)は前掲の図3(原理図)の部分拡大図と御理解いただきたい。
矢印a,同c,同eのように通電すると、環状磁極列4が矢印F方向に回される。
上記の回転の結果、(B)図のように矢印a,c,eが磁極の境界線と対向するようになると、回転力が消失する。その理由は次のとおりである。
例えば電流(矢印c)に着目すると、(A)図においてはS極の真上に位置していたが、(B)図においてはN極からもS極からも等距離に在る。
このため、矢印cと交差する磁力線はZ軸と直角になり、発生するフレミング力は回転方向分力を有しない。すなわち、回転力を生じない。
ローターが磁極配列ピッチの1/4だけ回動して図5(B)の状態で停止するという機能は、ステッピングモータとしての特殊用途において実用価値が有り、この場合は前述の導磁板9を併用することが推奨される。しかし、モータとしての汎用性を重視すると連続回転機能が必要である。これについて次に説明する。
図6は連続回転機構を説明するために示したもので、(A)は環状磁極列の平面図にピッチ角を付記した模式図、(B)は基準波巻コイルと位相差波巻コイルとを描いた模式的な平面図である。
本図6(A)は、前掲の図4(A)に対応している。本図6(B)に実線で描いた基準波巻コイル10は、前掲の図4(B)に描かれた波巻コイル5と同様の構成部材である。ただし、説明の便宜上これを基準波巻コイル10と名付ける(次に述べる位相差コイルと区別するためである)。
本実施形態においては、N,S磁極のペアーが6組配設されている。
従って、磁極の配列ピッチ角度pは、360度/6=60度である。
また、磁極間隔ピッチ角度はその半分の30度である。磁極幅は更にその半分の15度弱となる。
理解を容易ならしめるために振り返ってみると、図4(B)において作動エレメント5aの配置数は磁極数と等しい12本であり、その配列ピッチ角度は30度である。
図6(B)に破線で描いたように、前記の基準波巻コイル10に比して15度ずらせて
位相差波巻コイル11が配設されている。この15度は磁極幅である。
図5(A)と同図(B)とを比較して、環状磁極列4の回転角度は15度(磁極幅の半分・すなわち磁極配列ピッチ角度pの1/4)である。
すなわち、図5の実施形態では(A)の状態から回り始めて、15度(p/4)回ると(B)の状態になって回転力が消失した。
図6(B)に示されているように基準波巻コイル10に比してp/4(15度)ずらせて位相差波巻コイル11が配置されているので、次のようにして連続回転が可能である。
いま仮に、基準波巻コイル10に駆動電圧Vαを印加して通電すると、前述の作動によってp/4(15度)だけ回ったとき回転力が消失する。
そこで、位相差波巻コイル11に駆動電圧Vβを印加して通電すると引き続いて回転力が発生する。
このため、p/4(15度)回転する度に基準波巻コイル10と位相差波巻コイル11との通電を切り換える機構が必要となる。この通電切換え機構は(イ)ローター6の回転角度をp/4ごとに検出する手段と、(ロ)回転角度検出信号に基づいて通電を切り換えるスイッチ手段とによって構成される。
前記(イ)項の検出手段は、回転部材であるローターの各位置を検出するものであるから、適宜の公知技術を選定して適用すれば良い。
例えば、ローターに縞模様のメジャーを設けておき、前記未公知の先願発明におけると同様のセンサーを用いることもできる。
本実施形態においては、検知対象が環状磁極列を備えていることに着目して、ホールセンサを利用した。本例では図6(A)に示したように、2個のホールセンサ12を配設した。ただし、この図に描かれているホールセンサ12は、その位置を表しているだけであって、環状磁極列4にホールセンサ12を装着するのではない(環状磁極列は回転部材であり、ホールセンサ12は静止部材である)。
ホールセンサ12の設置個数が1個であっても、通電切換えタイミングの検出が不可能ではないが、本実施形態のように2個を設けると通電制御回路(図外)の構成が容易である。
本実施形態の2個のホールセンサ12は磁極列配列ピッチ角pの5/4だけ離して配設してあるが、本発明を実施する際は、p/4の奇数倍だけ離して配設することが望ましい。これらのセンサの検出信号を入力されて基準波巻コイル10と位相差波巻コイル11との通電切換えを行なう制御回路(自動的なスイッチ回路)は、前記未公知の先願発明における制御回路を利用しても良く、また、市販されている制御回路から適宜に選定して使用することもできる。
図7は、前掲の図1と類似の実施形態の簡潔構造直流モータの性能特性を示し、回転速度を横軸にとり、電流値を縦軸にとった図表である。
本例の簡潔構造直流モータは、外径20mm、内径11mm、厚さ寸法2mmの環状着磁鋼板を用いて構成した。
図7(A)の実線カーブは印加電圧1.5Vの場合を、鎖線カーブは1.0Vの場合を、それぞれ表している。
この試験結果から、本発明の簡潔構造直流モータは低トルク高速モータとしての用途が期待される。
図7(B)は、先に段落0031で説明した導磁板9を設けた実施形態における計測値であって、導磁板の外径18mm、内径8.5mm、磁極面と導磁板との間の距離4mmである。
実線カーブは印加電圧1.5Vの場合を、鎖線カーブは1.0Vの場合を、それぞれ表している。
図8は、前掲の図6(B)の実施形態の改良例を示し、同一電圧を与えたときの電流値を減少させて消費電力を格段に節減し、しかも性能の低下を防止したものにおける基準波巻コイルおよび位相差波巻コイルの模式的な平面図である。
図6(B)における基準波巻コイル10を2芯の複線(10a,10b)で構成するとともに、該2芯の複線10aと10bとを相互に直列に接続して本実施形態の基準波巻コイル10′を構成する。
同ように、図6(B)における基準波巻コイル11を2芯の複線(11a,11b)で構成するとともに、該2芯の複線11aと11bとを相互に直列に接続して本実施形態の位相差波巻コイル11′を構成する。
この図8の実施形態に係る基準波巻コイル10′と位相差波巻コイル11′とにそれぞれ切換え電圧Vαおよび切換え電圧Vβを切換え印加して、図6の実施形態におけると同様に操作する。
複線で構成された波巻コイルは、単線の場合に比して電気抵抗は約2倍になり、同一電圧であれば電流値は約1/2になる。
電流値が1/2であっても複線構造であるからフレミング力は減少しない。電流値が1/2であって電圧が同一であるから、消費電力は1/2になる。
(図1参照)先に述べたように仮想線で描かれている導磁板9は必ずしも設置しなくても良い。
上記導磁板9に代えて、もしくは該導磁板9と併せて、電気絶縁性で熱伝導性の材料で構成した放熱フィン(図示省略)を設けることも有益である。
導電性の放熱フィンを設けるとレンツ損失を生じて回転速度が低下するので、放熱フィンは電気絶縁性材料で構成しなければならない。
本発明を適用して構成した簡潔構造直流モータの1実施形態を示す全体的な断面正面図。 未公知の先願発明(特願2004−69976号公報・引戸の開閉駆動方法、および同駆動装置)の原理を説明するため該公報に図2として掲げられた模式的な外観斜視図。 本発明に係る簡潔構造直流モータの基本的原理を説明するため模式的に描いた要部斜視図。 前掲の図1に示された環状着磁鋼板および波巻コイルの詳細を説明するための模式図であって、(A)は環状着磁鋼板に形成された環状磁極列、(B)は該環状磁極列に対応せしめて波巻コイル。 本発明に係るモータの連続回転機構の必要性を説明するために示したもので、(A)は通電を開始する時点の状態を模式的に描いた斜視図、(B)は通電した後の状態を模式的に描いた斜視図。 連続回転機構を説明するために示したもので、(A)は環状磁極列の平面図にピッチ角を付記した模式図、(B)は基準波巻コイルと位相差波巻コイルとを描いた模式的な平面図。 前掲の図1と類似の実施形態の簡潔構造直流モータの性能特性を示し、回転速度を横軸にとり、電流値を縦軸にとった図表。 前掲の図6(B)の実施形態の改良例を示し、同一電圧を与えたときの電流値を減少させて消費電力を格段に節減し、しかも性能の低下を防止したものにおける基準波巻コイルおよび位相差波巻コイルの模式的な平面図。
符号の説明
1…引戸
2…永久磁石列
3…つづら折れ導線
4…環状磁極列
5…波巻コイル
5a…作動エレメント
6…ローター
6a…回転軸
6b…ハブ
6c…輪状鉄板
6d…環状着磁鋼板
7…ベアリング
8…ステーター 8a…円盤状樹脂プレート
8b…波巻コイル
9…導磁板
10…基準波巻コイル
10a…複線
10b…複線
10c…作動エレメント
10′…基準波巻コイル
11…位相差波巻コイル
11a…複線
11b…複線
11′…位相差波巻コイル
12…ホールセンサ

Claims (7)

  1. 直流モータを構成する方法において、
    回転軸(6a)に直交する仮想の面に沿って、N極とS極とを交互に配列した環状磁極列(4)から成るローター(6)を構成するとともに、
    前記仮想の面と平行で、回転軸を中心とする放射状の作動エレメント(5c)から成る波巻コイル(5)を有するステーター(8)を構成し、
    上記ローターの磁極面をステーターの作動エレメントに対向離間させて、該ローターをステーターに対して回転自在に支持することを特徴とする、簡潔構造直流モータの構成方法。
  2. 前記波巻コイル(5)を、基準波巻コイル(10)と、これに対して磁極配列ピッチの1/4だけ偏らせた位相差波巻コイル(11)とによって構成し、
    かつ、前記ローター(6)が磁極配列ピッチの1/2だけ回転するごとに上記基準波巻コイルと位相差波巻コイルとの通電を交互に切り換える機構を設けることを特徴とする、請求項1に記載した簡潔構造直流モータの構成方法。
  3. 座標軸Zと、これに直交する平面Hとを想定し、
    Z軸と同心に回転自在に支持された回転軸(6a)と、
    上記回転軸に取り付けられて平面Hと平行な輪状鉄板(6c)と、
    上記輪状鉄板に取り付けられて平面Hと平行な環状着磁鋼板(6d)と、
    平面Hに沿って配置された静止部材である波巻コイル(8b)を具備しており、
    かつ、前記環状着磁鋼板(6d)は、N極・S極交互の磁極列がZ軸を中心とする環状に配置されたものであり、
    前記波巻コイル(8b)は、Z軸を中心とする放射状の作動エレメント(5a)を有するものであることを特徴とする、簡潔構造直流モータ。
  4. 前記の波巻コイル(8b)は、環状着磁鋼板(6d)の磁極配列ピッチpと等ピッチに形成された基準波巻コイル(10)と、
    上記基準波巻コイルに比してZ軸周りにp/4だけずらして配置された位相差波巻コイル(11)とから成るものであり、
    かつ、前記環状着磁鋼板(6d)の回転角度をp/4ごとに検出するホールセンサ(12)を具備するとともに、
    該ホールセンサの検出信号に基づいて、基準波巻コイル(10)の通電と位相差波巻コイル(11)の通電とを切り換えるスイッチ回路とをが設けられていることを特徴とする、請求項3に記載した簡潔構造直流モータ。
  5. 前記波巻コイル(8b)が、平面Hと平行な円盤状樹脂プレート(8a)に取り付けられており、
    かつ、上記円盤状樹脂プレートを介して、前記環状着磁鋼板(6d)と対向離間せしめて導磁板(9)が配設されていて、
    前記波巻コイル(8b)が、環状着磁鋼板と導磁板との間に位置していることを特徴とする、請求項4に記載した簡潔構造直流モータ。
  6. 前記の基準波巻コイル(10)が、2芯の複線(10a,10b)から成るとともに、該複線(10a,10b)相互が直列に接続されており、
    かつ、前記の位相差波巻コイル(1)が、2芯の複線(11a,11b)から成るとともに、該複線(11a,11b)相互が直列に接続されていることを特徴とする、請求項4に記載した簡潔構造直流モータ。
  7. 前記の波巻コイル(8b)が、電気絶縁性の材料から成る放熱フィンを備えていることを特徴とする、請求項3ないし請求項6の何れかに記載した簡潔構造直流モータ。
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