JP2005333265A - 固体撮像素子および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の垂直走査回路と水平走査回路を有し、走査回路毎に独立した走査条件で読み出すことができ、走査領域を自由に設定でき、異なる複数の走査回路で読み出される各画素信号で構成される各フレーム画像は、蓄積時間や蓄積開始および終了時間、更にはフレームレートなどをそれぞれ独立に変化させることができる固体撮像素子および固体撮像装置を提供できること。
【解決手段】複数の垂直走査回路1,2と、複数の水平走査回路11〜14と、前記複数の垂直走査回路のいずれか1つと接続されているとともに、前記複数の水平走査回路と接続されている2次元状に配置された光電変換を行う画素P11〜P44を有する画素部と、水平方向に配列した複数の前記画素から読み出された光電変換信号を、前記水平走査回路の各々が独立に選択して出力するように制御する選択手段5と、を具備したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の垂直走査回路と水平走査回路を有する固体撮像素子およびこれを用いた固体撮像装置に関する。
複数の垂直走査回路と水平走査回路を有する固体撮像素子又は固体撮像装置として、次の開示例がある。複数の垂直走査回路と水平走査回路を有することにより、多くの画素を所定時間内で読み出すことができる。従って、一定の画素数を有する撮像素子又は装置であれば、画素の読出しを短時間で行え、フレームレート(単位時間当りの撮影画像枚数)を高くすることができる。
動画像撮像装置などに適応すべく多くの画素を所定時間内で読み出す一例として、複数の信号出力を有する固体撮像素子を用いて、複数の走査回路で読み出す画素を分担し、同時に読み手法がある。
これによれば、短時間で多くの画素を読み出すことができるが、画素部を複数の走査領域に分割してそれぞれの読出し手段によって読み出した場合、読み出し手段の回路特性の違いが光電変換信号特性のばらつきとなり、走査領域依存の固定パターンノイズとなって画質劣化を引き起こす。
そこで、例えば特許文献1においては、各走査領域の境界部に重複画素部を設け、複数の読み出し手段で読み出すようにした該当部画素の光電変換信号に対して平均化処理を施す。これにより、領域境界部に発生する画質劣化を緩和する。
一方、動画撮像装置などに適応すべく多くの画素を所定の時間内で読み出す一例として、画素部を複数領域に分割し、分割領域毎の水平走査回路は同時に走査できるようにし、複数倍のフレームレートで画素信号を読み出す手法がある。
この場合、各水平走査回路は同時に走査できるので、全受光部を同時に読み出しながら高フレームレートを得ることができるが、受光部が水平方向に分割されたりしているので、読み出し後に画素の信号を時系列的に正しい順序に並べ替えなければならず、複雑な処理が要求される。
そこで、例えば特許文献2においては、2n(n≧1の整数)個の隣接する各画素信号を、同一の垂直および水平走査回路の制御により、2n個の複数信号出力から同時並列に読み出す。これにより、後段の信号処理回路などで、分割された領域を大幅に並び替える必要がなく、且つ、2n個の複数信号出力における各信号出力からの映像信号は全受光部から交互に画素を間引いて読み出していることになるため、それぞれの信号出力からの映像を低解像度の全受光部画像として扱うことが可能となる。
特開2000−209503号公報 特開平8−111821号公報
しかしながら、特許文献1では、複数の垂直走査回路と水平走査回路を有する固体撮像素子において、各走査領域の境界部における固定パターンノイズを軽減するべく、同一画素からの光電変換信号を複数の水平走査出力から重複して得ようとした場合、以下のような問題がある。
即ち、走査回路毎に異なる走査領域を設定した場合、重複部画素の読出しがお互いの領域の走査シーケンスの自由度を制限するため、走査手法の自由度が失われると共に、任意の走査領域を設定できなかった。
一方、特許文献2では、複数の信号出力を有する固体撮像素子において、同一の垂直および水平走査回路の制御により、複数個の隣接する各画像信号を同時並列に読み出そうとした場合、以下のような問題がある。
即ち、同時並列に読み出す複数の各画素で構成される、全受光領域を間引き状態で構成する各フレーム画像単位で、例えば、蓄積時間や蓄積開始および終了時間、更にはフレームレートなどを個別に変化させて読み出すことができなかった。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、複数の垂直走査回路と水平走査回路を有する固体撮像素子および固体撮像装置において、走査回路毎に独立した走査条件で読み出すことができ、走査領域を自由に設定でき、異なる複数の走査回路で読み出される各画素信号で構成される各フレーム画像は、蓄積時間や蓄積開始および終了時間、更にはフレームレートなどをそれぞれ独立に変化させることができる固体撮像素子および固体撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明による固体撮像素子は、複数の垂直走査回路と、複数の水平走査回路と、前記複数の垂直走査回路のいずれか1つと接続されているとともに、前記複数の水平走査回路と接続されている2次元状に配置された光電変換を行う画素を有する画素部と、水平方向に配列した複数の前記画素から読み出された光電変換信号を、前記水平走査回路の各々が独立に選択して出力するように制御する選択手段と、を有するものである。
本発明において、前記2次元状に配置された画素を垂直方向または水平方向の少なくともいずれが一方向に複数選択して画素群を形成し、この画素群内の各画素は、それぞれ異なる垂直走査回路に接続されるとともに、前記画素群内の各画素からの光電変換信号は、前記複数の水平走査回路のうち、それぞれ異なる水平走査回路から出力することを特徴とする。
ここで、前記複数の垂直走査回路は、それぞれ独立に、前記垂直走査回路と接続された前記画素群内の各画素の蓄積時間を制御する手段を有することを特徴とする。
或いは、前記複数の垂直走査回路は、それぞれ独立に、前記垂直走査回路と接続された前記画素群内の各画素の蓄積開始タイミングと蓄積終了タイミングを制御する手段を有することを特徴とする。
そして、本発明による固体撮像装置は、上述の固体撮像素子と、さらに、前記複数の垂直走査回路および水平走査回路および選択手段を制御するための読出し制御手段を有することを特徴とする。
本発明の固体撮像素子においては、複数の垂直走査回路および水平走査回路を有し、画素毎に走査を行う垂直走査回路および水平走査回路を割り当てることで、複数有する走査回路のそれぞれの走査シーケンスは他走査回路の走査シーケンスに左右されることなく、走査回路毎に独立した走査条件を設定して読み出すことが可能になる。また、各画素からの光電変換信号は複数の水平走査回路に接続され、画素の選択手段により任意の水平走査回路から出力できるため、複数の水平走査回路からの走査出力それぞれが走査領域を自由に設定できる。
また、異なる複数の走査回路で読み出される各画素信号で構成される各フレーム画像は、蓄積時間や蓄積開始および終了時間、更にはフレームレートなどの走査条件をそれぞれ独立に変化させることができる。
これらによって、該当の固体撮像素子を有する撮像装置に様々なアプリケーション(機能)を付加することを可能とする。
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例1に係る固体撮像素子の構成図を示している。本実施例1では、X-Yアドレス型の固体撮像素子を例にとって説明する。
図1の実施例1に示す固体撮像素子は、複数(図では2つ)の垂直走査回路1,2と、複数(図では4つ)の水平走査回路11,12,13,14と、複数の垂直走査回路1,2のいずれか1つと接続されているとともに、複数(図では4つ)の水平走査回路11,12,13,14と接続されているマトリクス状に配置された光電変換を行う画素を複数(図では16個)有する画素部と、水平方向に配列した複数(図では4つ)の前記画素から読み出された光電変換信号を、前記水平走査回路の各々が独立に選択して出力するように制御する画素選択手段5と、を有している。
上記画素部は、マトリクス状に配備された4×4の画素P11〜P44で構成されている。垂直走査回路1,2は、画素P11〜P44で発生する光電変換信号の読出しを制御するものである。また、水平走査回路11〜14はそれぞれ、垂直走査回路1,2の制御により読み出された画素からの光電変換信号を読み込んで順次後段へとシフトして送出するものである。さらに、画素選択手段5は、水平走査回路11〜14の各々で後段へとシフトして送出する光電変換信号を画素単位で選択するものである。
各画素には、垂直走査回路1からの垂直選択線V11〜V14と垂直走査回路2からの垂直選択線V21〜24とから成る垂直選択線V11〜V24と、水平走査回路11〜14のいずれの回路へも、複数(図では4つ)の画素を有する同一の水平ライン上の画素から読み出した複数(4つ)の光電変換信号を読み出すための垂直信号線H1〜H4が接続される。各画素における垂直選択線V11〜V14と垂直選択線V21〜V24はそれぞれ、特定の垂直走査回路1と垂直走査回路2で制御されるように連結される一方、垂直信号線H1〜H4は列毎の画素間で共有されて全ての水平走査回路11〜14へと連結される。
また、画素選択手段5から各水平走査回路11〜14へは、各水平走査回路11〜14において順次後段へとシフトして送出する光電変換信号を、それそれ個別に画素単位で選択するための画素選択制御線PS1〜PS4が連結される。
次に、図1の固体撮像素子の作用を、図2を参照して説明する。
図2は図1の固体撮像素子における光電変換信号の読出しシーケンスを示している。
なお、図1における垂直選択線V11〜V24および画素選択制御線PS1〜PS4の記号は、図2においてそれぞれ垂直選択パルス名および画素選択制御パルス名として示してある。
図2で用いられている用語を説明すると、画素からの読出しのタイミングを垂直走査回路1,2からの垂直選択パルスV11〜V24が制御しており、その制御によって一旦水平走査回路11〜14へ画素からの光電変換信号を転送するが、ここでは水平ブランキング期間中に垂直選択パルスによる読出しタイミング開始から水平走査回路へ光電変換信号を持っていく走査を行っている。水平走査回路へ光電変換信号を転送した後水平有効信号期間に水平走査回路から実際に出力1〜4として取り出す。水平ブランキング期間と水平有効信号期間とで、水平読出し期間(1ライン)を構成している。さらに、全て(図では4つ)の水平読出し期間で、垂直読出し期間(1フレーム)を構成しており、ここでは本来水平と同様に存在する垂直ブランキング期間を省略している。
まず、所定の水平ブランキング期間中に垂直走査回路1,2からの垂直選択パルス(V11とV21,V12とV22,V13とV23,V14とV24のいずれかの一組のパルス)をHレベルにすることで、各画素内において光電変換信号を垂直信号線H1〜H4へと送出するための図示しないスイッチを導通させる。これにより、各画素からの光電変換信号は垂直信号線H1〜H4を経て所定の水平走査回路へと送出され、水平走査回路内の図示しないコンテンサ等に信号が一旦蓄積される。その後、この蓄積された光電変換言号は水平有効信号期間に順次出力1〜4として読み出される。
例えば、図1における第1行目の画素P11,P13は垂直選択パルスV11によって制御され、各画素で蓄積された光電変換信号は、それぞれ垂直信号線H1,H3を経て水平走査回路11,13へと送出され、水平有効信号期間に順次光電変換信号P11-n,P13-n(n≧1の整数:フレーム番号を示す)として出力1,3として読み出される。一方、画素P12,P14は垂直選択パルスV21によって画素P11,P13の読出しタイミングと同時に制御され、各画素内で蓄積された光電変換信号は、それぞれ垂直信号線H2,H4を経て水平走査回路12,14へと送出され、水平有効信号期間に順次光電変換信号P12-n,P14-n(n≧1の整数:フレーム番号を示す)として出力2,4として読み出される。
第2行目以降第4行目までのその他の画素についても同様に走査され、所定の出力1〜4として読み出され、図2に示す出力信号1〜4を得る。
なお、水平走査回路11〜14での光電変換信号の順次|読出しの際には、それぞれ画素選択制御パルスPS1〜PS4が参照され、これがHレベルの場合には所定の画素に対応する光電変換信号を順次送出し、Lレベルの場合には読み飛ばすことを可能にする。図2では全ての画素を読み飛ばしせずに読み出している。
従って、図2では、垂直読出し期間(1フレーム)における全ての水平読出し期間の水平有効信号期間において画素選択制御パルスPS1〜PS4がHレベルとされ、その結果、垂直読出し期間(1フレーム)において全ての水平走査回路11〜14の出力1〜4に欠落なく光電変換信号P11-1〜P44-1が出力された状態となっている。
即ち、図1における画素選択手段5の役割は、垂直走査回路1で制御する垂直選択パルスV11〜V14および垂直走査回路2で制御する垂直選択パルスV21〜V24を、水平ブランキング期間毎に順次Hレベルにして全画素を読み出している状態で、全画素の中から適宜に、例えば、1画素おきにピックアップしたり、或いは、全画素で構成する領域から特定のエリアの画素をピックアップしたい(特定のエリアを自由に変えてピックアップしたい)ときなど、ほかの画素を全て省いて必要とする画素で小フレーム画像を構成したいときに威力を発揮するものである。
また、本実施例1では、全ての画素P11〜P44は全ての水平走査回路11〜14に接続した構成となっているので、垂直走査回路1,2からの垂直選択パルスV11,V21による読出し制御によって、画素P11〜P14の光電変換信号(画素信号)を全ての水平走査回路11〜14に同時に読み出して蓄積できるが、各水平走査回路に蓄積された画素信号の選択を画素選択手段5で任意に行うことによって任意の撮像画素を各水平走査回路から同時に出力させることができる。例えば、画素P12の信号を水平走査回路11〜14のうちの1つの水平走査回路からのみ出力するのではなく複数の水平走査回路から同時に出力することもできる。この場合、図2の動作例では、画素選択手段5は、各水平走査回路から1画素ずつ選択して同時に出力させている。
このように、実施例1では、各水平走査回路からは、1水平読出し期間には1画素しか読み出さない動作例を説明しているが、1水平読出し期間に複数の画素を読み出す構成及び制御を取り得ることは言うまでもない。
即ち、図1で更に水平方向の画素数が4画素を越えて増えた場合には、4つの水平走査回路の各水平走査回路から1つずつの画素信号を出力することにすると、増えた画素数だけ水平走査回路を増やす必要があるが、水平走査回路数や信号線数が増えるため実現性が少ない。そこで、4つの水平走査回路の各水平走査回路それぞれで水平方向の全画素数分を取り込んで、各水平走査回路から1水平読出し期間に(1つの画素信号だけを選択出力するのではなく)複数の画素信号を同時に選択出力するようにタイミング制御を行うようにする。これにより、水平走査回路の数は4つのままで、かつ信号線数も変更することなく全画素数を4×4以上に増やすことができる。
以上のように、複数の垂直走査回路および水平走査回路と、複数の垂直走査回のいずれか一つと接続されているとともに、前記複数の水平走査回路と接続されている2次元状に配置された光電変換を行う画素を有する画素部と、更には、水平方向に配列した複数の前記画素から読み出された光電変換信号を、前記水平走査回路の各々が独立に選択して出力するように制御する選択手段と、で固体撮像素子を構成することによって、複数有する走査回路のそれぞれの走査シーケンスは他走査回路の走査シーケンスに左右されることなく、走査回路毎に独立した走査条伴(走査領域設定、画素読み飛ばし等)で読み出すことが可能になる。
また、同時に読み出す複数の画素信号で各小フレームを構成して全画素信号を読み出すフレームレートを向上することができ、後段の信号処理回路などで分割された領域を大幅に並び替える必要がな<、且つ、各信号出力からの映像信号は全受光部から画素を間引いて読み出していることになるため、それぞれの信号出力からの映像を低解像度の全受光部画像(小フレーム画像)として扱うことが可能となることは言うまでもない。
図3は本発明の実施例2に係る固体撮像素子の構成図を示している。本実施例2についても、実施例1と同様にX-Yアドレス型の固体撮像素子を例にとって説明する。
実施例2における基本構成は、実施例1と同等であるが、垂直走査回路が2つ増えた構成となっており、画素選択手段は図3の基本的(特徴的)な動作を説明するのに煩雑となるため図示を省略してある。
4つの垂直走査回路1A,2A,3A,4Aのうち、垂直走査回路1Aからは垂直選択線V11,V12が出ており、垂直選択線V11は画素P11,P13に接続し、垂直選択線V12は画素P31,P33に接続している。垂直走査回路2Aからは垂直選択線V21,V22が出ており、垂直選択線V21は画素P12,P14に接続し、垂直選択線V22は画素P32,P34に接続している。
同様に、垂直走査回路3Aからは垂直選択線V31,V32が出ており、垂直選択線V31は画素P21,P23に接続し、垂直選択線V32は画素P41,P43に接続している。垂直走査回路4Aからは垂直選択線V41,V42が出ており、垂直選択線V41は画素P22,P24に接続し、垂直選択線V42は画素P42,P44に接続している。
垂直および水平方向に2×2の隣接する画素単位で画素群を形成し、画素群を構成する4つの画素はそれぞれ異なる垂直走査回路によって光電変換信号の読出しが制御されるように垂直選択線が連結され、後述する図4の読出しシーケンスで光電変換信号を読み出す。
例えば、画素P11,P12,P21,P22は画素群Eを構成している。画素群を構成する4つの画素P11,P12,P21,P22のうち、画素P11は垂直走査回路1Aの垂直選択線V11によって光電変換信号の読出しが制御され、画素P12は垂直走査回路2Aの垂直選択線V21によって光電変換信号の読出しが制御され、画素P21は垂直走査回路3Aの垂直選択線V31によって光電変換信号の読出しが制御され、画素P22は垂直走査回路4Aの垂直選択線V41によって光電変換信号の読出しが制御されるようになっている。
そして、画素群E内の各画素P11,P12,P21,P22からの光電変換信号は、複数(図では4つ)の水平走査回路のうち、それぞれ異なる水平走査回路11〜14から出力1〜4として出力されるようになっている。
同様に、画素P13,P14,P23,P24は画素群Fを構成し、画素P31,P32,P41,P42は画素群Gを構成し、画素P33,P34,P43,P44は画素群Hを構成している。 なお、図3の水平走査回路11〜14については、図1の水平走査回路とは配置が異なっているが動作は図1と同様であり、各水平走査回路は全ての画素P11〜P44に接続している。また、各水平走査回路は水平読出し期間に該当画素から読み出された光電変換信号を読み込み、図示しない画素選択手段から画素選択パルスにて適宜に例えば1画素ずつ選択されて出力1〜4として出力されるようになっている。先ほどの画素群E内の各画素P11,P12,P21,P22の例では、水平走査回路11では読み込まれた光電変換信号のうち画素P11の光電変換信号が選択され、水平走査回路12では読み込まれた光電変換信号のうち画素P12の光電変換信号が選択され、水平走査回路13では読み込まれた光電変換信号のうち画素P21の光電変換信号が選択され、水平走査回路14では読み込まれた光電変換信号のうち画素P22の光電変換信号が選択されて、各水平走査回路からそれぞれ出力1〜4として出力される。
次に、図3の固体撮像素子の作用を、図4を参照して説明する。
図4は図3の固体撮像素子における光電変換信号の読出しシーケンスを示している。
なお、図3における垂直選択線V11,V12,V21,V22,V31,V32,V41,V42の記号は、図4においてそれぞれ垂直選択パルス名として示してある。
例えば、図3における画素群Eの画素のうち、画素P11は垂直走査回路1Aからの垂直選択パルスV11によって制御され、画素P11内で蓄積された光電変換信号は、垂直信号線H1を経て水平走査回路11へと送出され、水平有効信号期間に光電変換信号P11-n(n≧1の整数:フレーム番号を示す)として出力1から読み出される。同様に、画素P12は垂直走査回路2Aからの垂直選択パルスV21によって制御され、垂直信号線H2を経て水平走査回路12へと送出され、水平有効信号期間に光電変換信号P12-n(n≧1の整数:フレーム番号を示す)として出力2から読み出される。画素P21は垂直走査回路3Aからの垂直選択パルスV31によって制御され、垂直信号線H1を経て水平走査回路13へと送出され、水平有効信号期間に光電変換信号P21-n(n≧1の整数:フレーム番号を示す)として出力3から読み出される。画素P22は垂直走査回路4Aからの垂直選択パルスV41によって制御され、画素P22内で蓄積された光電変換信号は、垂直信号線H2を経て水平走査回路14へと送出され、水平有効信号期間に光電変換信号P22-n(n≧1の整数:フレーム番号を示す)として出力4から読み出される。
その他の画素群F,G,Hにおける画素についても同様に走査され、所定の出力1〜4として読み出され図4で示す出力信号1〜4を得る。タイミングチャートにおける垂直選択線のHレベルが所定の画素からの光電変換信号を読み出すタイミングであることは実施例1で述べた通りである。
なお、画素からの光電変換信号を垂直信号線H1〜H4へ送出する際、例えば、P11とP21の画素を同一水平ブランキング期間中に読み出す際には、図4のA部で示すように、水平ブランキング期間中に垂直選択パルスV11,V31の読出しタイミングをずらして垂直信号線H1へと光電変換信号を送出すれば、異なる画素からの光電変換信号が同時に垂直信号線H1内を伝達し、信号がぶつかるような不具合を発生することがなくなる。ここで、異なる水平走査回路に対して同一タイミングで光電変換信号を送出するために、垂直信号線を複数本備えても良いことは言うまでもない。
また、小フレーム画像というのは、実施例1では全画素領域において画素選択手段によって画素が変更可能に選択されるエリアを意味しているが、本実施例2及び以降の実施例で、小フレーム画像というのは、全て(4つ) の水平走査回路によって全画素領域が読み込まれることになるがそれぞれの水平走査回路から出力される出力1〜4のそれぞれを小フレーム画像と呼んでいる。例えば、4つの水平走査回路からの信号出力のうち出力1だけを出力すれば、小フレーム画像を表示することも可能である。即ち、図3を参照すると、垂直読出し期間(1フレーム) において、出力1について画素P11,P13,P31,P33に基づく光電変換信号は全画素信号から1つおきに間引いた間引き映像になる。従って、これらの間引き画素信号を信号処理した後、ダイレクトに表示手段に表示することもできる。この間引き映像は、1ラインのある部分だけでできているというわけではなくて、縦横間同じ割合で間引いた1/4サイズの画像になっている。
なお、図1では、画素部(1フレーム画素数4×4)から1フレーム分の画素を読み出すのには図2に示すように4ライン分の時間を要するが、図3では、画素部(1フレーム画素数4×4)から1フレーム分の画素を読み出すのには図4に示すように2ライン分の時間で読み出すため、読出し速度即ちフレームレートが速くなる。この高速化の原因は図1,図3ともに、図2及び図4に示すように出力1〜4に対して4画素同時に出力しているが、その4画素が図1の場合は同じタイミングで水平ブランキング期間中に読み出されているのは4画素だけであるのに対して、図3の場合はほぼ同じタイミングで水平ブランキング期間中に8画素がほぼ同時に読み出されているためである。ライン分で述べれば、図1の場合は水平1ライン分が同時に読み出され、図3の場合は水平の2ライン分がほぼ同時に読み出される。
また、図1の場合については、読出しのタイミングは2つの垂直走査回路で制御しているので、出力は4つあるが2種類しか用意できない。例えば画素P11,P13は垂直走査回路1の垂直選択線V11の制御で同時に水平走査回路に送られる。同時に送られて異なる水平走査回路11,13から出力されるわけであるが、蓄積時間や蓄積開始及び終了タイミングなどは(垂直走査回路1の読出し制御で決まるので)全く同じになる。従って、図1の場合、異なる例えば蓄積時間やシャッタタイミング(蓄積タイミングと同義)を操作しようとした場合には、2種類、4つある出力のうちのどれか2つずつでしか出力タイミング(シャッタ開始タイミングやシャッタ終了タイミング)や蓄積時間の制御をすることができない。図3の場合、読出しのタイミングは4つの垂直走査回路で制御しているので、4つの出力に対してそれぞれ同時に出力される画素に対して完全に個別の操作が可能である。
以上のように、2次元状に配置された画素を垂直方向または水平方向の少なくともいずれか一方向に複数選択して画素群を形成し、この画素群内の各画素は、それぞれ異なる垂直走査回路に接続されるとともに、画素群内の各画素からの光電変換信号は、前記複数の水平走査回路のうち、それぞれ異なる水平走査回路から出力することにより、各画素は、制御される垂直走査回路および出力される水平走査回路毎に完全に独立して制御することができるため、それぞれの出力は他の出力系に左右されることなく走査条件(走査領域、画素読み飛ばし等)を設定することが可能になる。
ところで、本発明の最上位の概念は、固体撮像素子を構成する各画像が全部の水平走査回路に接続していて、全部の水平走査回路へ同一画素の信号を読み出す構成となっていてもよいが、画素選択手段で各水平走査回路に読み込んだ画素から間引いて信号出力するというものである。例えば画像P11が水平走査回路11〜14全てに読み込まれていて、各水平走査回路の出力1〜4はただ画素選択手段で出力が選択されるだけである。具体的には、画素選択手段(図1参照)の画素選択パルスPS1〜PS4の制御によって行う。そうすることによって、どの水平走査回路からも、任意の画素を選択できる、というものである。図1及び図2に示す実施例1、図3及び図4に示す実施例2は、水平走査回路11〜14での各水平走査回路での画素選択出力1〜4がそれぞれ異なった画素出力となるように予め制御(限定)された場合である、と言うことができる。
さらに、図3のような画素群(各画素は、それぞれ異なる垂直走査回路に接続されると共に、各画素からの光電変換信号は、複数の水平走査回路のうち、それぞれ異なる水平走査回路から出力する画素から成る)の概念の場合には、画素群を構成する複数の画素出力は各画素に接続する垂直走査回路によって個別に走査条件を設定することができる。ここで、走査条件というのは、蓄積時間、蓄積開始/終了タイミング、フレームレートなどである。
次に、実施例3として、画素ごとに蓄積時間を変える実施例を、実施例4として、画素ごとに蓄積開始/終了タイミングを変える実施例を説明する。
図5は本発明の実施例3に係る固体撮像素子における画素及びその制御手段の構成図を示している。本発明における固体撮像素子の構成図は、図3と変わらないため省賂する。
ここで、画素の構成はどの画素についても同様であるので、例えば、図3における垂直走査回路1Aによって読出しが制御される画素P11を例として説明する。画素内の構成は、他の画素についても画素P11と同様である。画素P11は、画素P31と共に、垂直走査回路1Aによって画素の読出しが制御される。また、垂直走査回路の構成についても、垂直走査回路2A〜4Aはいずれも垂直走査回路1Aと同様な構成となっている。
図5は各画素の簡易構造及びその制御手段を示し、それぞれの名称は図の通り(以下、画素の各部及び各信号については略称で説明)である。
図5において、画素P11は、スイッチ素子としての電界効果型のトランジスタTr1,Tr2,Tr3,Tr4,Tr5と、受光素子としてのフォトダイオードPDと、で構成されている。垂直走査回路1Aは、画素P11の読出し制御を行う制御手段1A-1と、画素P31の読出し制御を行う制御手段1A-2とを有している。
制御手段1A-1によって制御される画素P11の構成について説明する。制御手段1A-1から画素P11へは、読出し制御信号として、符号Prst 、Grst、Trn、Lslで示される制御パルスが入力されるようになっている。
Tr1は、Tr2のゲート電荷をリセットするためのトランジスタ、Tr2は信号読出し用のトランジスタ、Tr3は水平読出しライン選択用のトランジスタ、Tr4はフォトダイオードPDの蓄積電荷を転送するためのトランジスタ、Tr5はフォトダイオードPDの電荷をリセットするためのトランジスタである。PrstはPD電荷リセットパルス(図6のシャッタスタートパルスSS1に対応)、GrstはTr2ゲート電荷リセットパルス、TrnはPD電荷をTr2のゲートに転送するための転送パルス(図6のシャッタエンドパルスSE1に対応)、Lslは読出しラインセレクトパルスである。
Tr5のドレイン・ソース路の一端は電源VDDに接続し、他の一端はフォトダイオードPDのカソード・アノードを介して基準電位点に接続し、ゲートにはリセットパルスPrstが入力可能とされている。Tr4のドレイン・ソース路の一端はフォトダイオードPDのカソードに接続し、他の一端はTr2のゲートに接続し、ゲートには転送パルスTrnが入力可能とされている。Tr1のドレイン・ソース路の一端は電源VDDに接続し、他の一端はTr2のゲートに接続し、ゲートにはリセットパルスGrstが入力可能とされている。Tr2のドレイン・ソース路の一端は電源VDDに接続し、他の一端は水平読出しライン選択用のTr3のドレイン・ソース路の一端に接続している。Tr3のドレイン・ソース路の他の一端は垂直信号線(垂直読出し線)H1に接続し、ゲートには読出しラインセレクトパルスLslが入力可能とされている。なお、電源VDDは使用されるトランジスタがNチャネル型かPチャネル型かによって正電源であったり、負電源であったりする。
以上の画素P11の構成と同様に、制御手段1A-2によって制御される画素P31についても同様な構成となっている。
これらの制御手段1A-1,1A-2はそれぞれ、図示しない蓄積時間制御手段を有し、これにより各画素は制御される垂直走査回路毎に自由に蓄積時間の設定が行われるようになっている。
以下では、簡単のため、垂直走査回路毎にフレーム単位で一括して蓄積制御が可能な、いわゆるグローバルシャッタタイプの固体撮像素子を例にとって説明する。
まず、Tr1をGrstでオンすることによってTr2のゲートの電荷を逃がしリセットする。即ち、Tr2のゲートに対して信号を読み出しても良い状態にTr2をリセットする。その間、PDでは光電荷を蓄積している。Tr5はPD電荷をリセットする(掃き捨てる)ためのトランジスタであり、これをPrstでオンすることでPDに蓄積されていた電荷がクリアされ(蓄積電荷が基板に逃げる)、直後から新たな光電荷蓄積が開始される。
PDで所定期間蓄積された光電荷は、Tr4をTrnでオンすることによってTr2のゲートへと転送され、このタイミングで実質的なPD蓄積が終了し、その後Tr2で電圧変換される。この光電変換信号はTr3をLslでオンすることによって垂直信号線H1へ送出され、水平走査回路へと受け渡される。
本実施例3では、図5で示したPrstパルス即ちPDの電荷蓄積を制御するパルスを、実施例2で示した画素群内の各画素で、異なる垂直走査回路により個別に制御する。
図6は、このときの固体撮像素子(図3参照)における光電変換信号の読出しシーケンスを示している。図3における垂直走査回路1A〜4AのPrstパルスをそれぞれSS1〜SS4、TrnパルスをそれそれSE1〜SE4とし、これらパルスによって制御される蓄積時間をそれぞれAC1〜AC4として示した。SSn(n=1〜4)がHレベルのときPD電荷がリセットされて新たな光電荷の蓄積を開始し、SEn(n=1〜4)がHレベルになることで蓄積が終了する。
例えば、SS1がHレベルの期間にオンした後オフすることで、PDがリセットされて新たな電荷蓄積がスタートし、蓄積された電荷をSE1でTr4をオンすることによって転送すると、シャッタが切られる。これによって、蓄積が事実上終わって読み出される電荷が決まる。SS1が立ち下がってからSE1が立ち下がるまでが蓄積時間である。
例えは、図3の垂直走査回路1Aは画素P11,P13,P31,P33からの光電変換信号を、蓄積時間V1-n(n≧1の整数)で読み出すように制御する。その他の垂直走査回路においても同様に読出し制御を行うが、垂直走査回路1A,2Aで制御する蓄積時間V1-n,V2-nと、垂直走査回路3A,4Aで制御する蓄積時間V3-n,V4-nとで蓄積時間長を変化させ、2種類の異なる蓄積時間の4つの小フレーム画像を同時に出力1〜4として得る。
以上のような構成と制御により、任意の画素群内の隣接する画素単位で、蓄積時間を独立して調整することで、異なる蓄積時間の小フレーム画像を同時に得ることができる。
本発明の実施例4に係る固体撮像素子の構成図は、図3と変わらないため省賂する。また、本実施例4に係る固体撮像素子における画素及びその制御手段の構成図についても、図5と変わらないため省賂する。ただし、各垂直走査回路における制御手段(例えば図5における1A-1,1A-2)は図示しない蓄積開始/終了制御手段を有し、これにより各画素は制御される垂直走査回路毎に自由に蓄積時間の開始と終了の設定が行われるようになっている。
簡単のため、垂直走査回路毎にフレーム単位で一括して蓄積制御が可能な、いわゆるグローバルシャッタタイプの固体撮像素子を例にとって説明する。
画素構成はおよびその制御動作は実施例3と同様であるため省略する。
本実施例4では、図5で示したPrstパルス(即ちシャッタスタートパルスSSn(n=1〜4))による蓄積開始タイミングとTrnパルス(即ちシャッタエンドパルスSEn(n=1〜4))による蓄積終了タイミングとを、実施例2で示した画素群内の各画素で、異なる垂直走査回路により個別に制御する。
図7は、このときの固体撮像素子(図3参照)における光電変換信号の読出しシーケンスを示している。横軸は時間を示し、T0(s)が走査開始時刻、Tn(s)が走査開始時刻からの経過時刻を示す。図3における垂直走査回路1A〜4AのPrstパルスをそれぞれSS1〜SS4、TrnパルスをそれぞれSE1〜SE4とし、これらパルスによって制御される蓄積時間をそれぞれAC1〜AC4として示した。SSn(n=l〜4)がHレベルのときPD電荷がリセットされ新たな光電荷の蓄積を開始し、SEn(n=1〜4)をHレベルにすることで蓄積が終了する。即ち、蓄積開始をSSnパルスが司り、蓄積終了はSEnパルスが司り、各垂直走査回路における蓄積開始/終了制御手段は、これら両パルスを独立して自由に設定することを可能にしている。
例えば、図3の垂直走査回路1Aは画素P11,P13,P31,P33からの光電変換信号を、蓄積時間V1-n(n≧1の整数)で読み出すように制御するが、蓄積開始時間を図7の時間T1(s) に蓄積を開始し、T2(s)に蓄積を終了する。その他の垂直走査回路においても同様に読出し制御を行うが、垂直走査回路1Aおよび2Aで制御する蓄積時間V1-nおよびV2-nと、垂直走査回路3Aおよび4Aで制御する蓄積時間V3-nおよびV4-nとで蓄積開始および終了タイミングを変化させ、2種類の蓄積開始および終了時間の異なる同蓄積時間の小フレーム画像を、蓄積時間終了タイミング分ずれた時間差で瞬時に得る。
即ち、出力1からは蓄積開始時刻T1(s)終了時刻T2(s)で読み出される画素P11,P13,P31,P33の光電変換信号P11-1,P13-1,P31-1,P33-1で構成する小フレーム画像1を、出力2からは蓄積開始時刻T1(s)終了時刻T2(s)で読み出される画素P12,P14,P32,P34の光電変換信号P12-1,P14-1,P32-1,P34-1で構成する小フレーム画像2を、出力3からは蓄積開始時刻T3(s)終了時刻T4(s)で読み出される画素P21,P23,P41,P43の光電変換信号P21-1,P23-1,P41-1,P43-1で構成する小フレーム画像3を、出力4からは蓄積開始時刻T3(s)終了時刻T4(s)で読み出される画素P22,P24,P42,P44の光電変換信号P22-1,P24-1,P42-1,P44-1で構成する小フレーム画像4を、2種類の蓄積終了時間差(T4−T2)(s)ずれたタイミングで得る。
ここで、図7における×印について説明する。時間軸上、T0 (s)は走査開始時刻を示している。出力3,4について見ると、T0(s) から走査開始しているが、走査ライン毎に蓄積タイミングはずれるので、垂直選択パルスV31,V41による最初の読み込みタイミングの前(T0〜T2)にはまだ蓄積タイミングを与える信号SS3及びSE3、SS4及びSE4がない。このため、垂直選択パルスV31,V41による最初の読み込みタイミングで画素P21,P22,P23,P24を読み込んではいるが、これらの画素には蓄積データがないため、露光された画素信号が欠落するという意味で、×印を付けてある。
以上のような構成と制御により、任意の画素群内の隣接する画素単位で、蓄積開始および終了タイミングを独立して調整することで、異なるシャッタタイミングの小フレーム画像を最小限の時間差で得ることかできる。
次に、実施例2の図3で説明した固体撮像素子を用いた撮像装置について説明する。
図8及び図9は本発明に係る実施例5の撮像装置の構成図を示している。図8は基本構成図、図9は撮像条件設定機能を備えた撮像装置の構成図を示している。
図8に示す撮像装置は、集光用レンズ21と、これを通過した光を受光し光電変換する図3の固体撮像素子22と、光電変換された信号を処理(γ特性,ゲイン調整など)し図示しない後段の図示しない記録部や表示部等へ送出する信号処理部23と、撮像装置の動作を管理するためのクロックを発生するクロック発生部24と、クロックを受けて固体撮像素子22からの読出しを制御する読出し制御手段25とを備えた構成となっている。読出し制御手段25は図3における垂直走査回路1A〜4Aを制御することになる。
図9の撮像装置においては、出力1〜4のうち、出力4を撮影条件(例えば蓄積時間や蓄積開始/終了タイミンクなどの調整条件)の検出用に用いるように構成している。すなわち、出力4からの信号を信号処理部23を経由した後、撮影制御信号処理部26へと送出し、該当信号から最適な撮影条件を自動検出した結果を読出し制御手段25へと送出し、これを以って読出し制御手段25は最適な撮影条件設定を行って図3の固体撮像素子22の読出しを制御する構成となっている。
上記構成の撮像装置においては、静止画カメラを考えた場合、例えばディジタルスチルカメラでは、ワンショットを素早く撮る必要があるので、早めに撮像情報をフィードバックして、固体撮像素子22を最適な駆動状態に設定した後、通常状態に出力4の読出し状態を戻して実際にシャッタを切り撮影する。つまり、出力4を完全に制御用に使い、本体撮影の1枚を撮るときには、出力4を元に戻して全画素を読み出させるように制御する。
次に、図9の撮像装置の作用を図10を参照して説明する。
図10は図9の読出し制御手段25によって図9の固体撮像素子を制御するシーケンスを示している。この制御シーケンスは、シャッタを切る前にシャッタボタン半押し操作などによって実行される撮像条件設定動作に該当する。ここでは、特に出力4を得るための垂直走査回路4Aの垂直選択パルス(読出し制御バルスと同義である)V41,V42と出力信号4について説明する。
垂直走査回路4Aからの垂直選択パルスV41は、図3における画素P22,PP24のみを、図10中のBで示す通り、実施例2における水平ブランキング期間毎にHレベルとし、該当画素からの光電変換信号を読み出すよう制御する(これに対してV11,V12,V21,V22,V31,V32は2水平ブランキング期間毎にHレベルとされる)。一方、垂直選択パルスV42は常にLレベルを保持させ、接続された画素からの光電変換信号を読み出さない。この制御により出力4からは図10で示す信号出力(出力信号4)が得られる。出力1〜3を得るための垂直走査回路1A〜3Aの垂直選択パルスは実施例2と変わらないため説明を省略する。
これにより、出力4からの小フレーム画像を構成する画素数は、水平読出し期間毎に同じ画素出力P22-1,P24-1の組が繰り返し出力され且つV42による出力がないので、垂直読出し期間において、他出力1〜3からの小フレーム画像の画素数の1/2即ちライン数が1/2となる結果、出力4からの小フレーム画像のフレームレートは他出力1〜3からの小フレーム画像のフレームレートに比して倍速となる。
以上により、出力毎に構成する画素数の異なる小フレーム画像を、異なるフレームレートで読み出すことが可能となる一方、出力4から高速に得られる小レーム画像信号を用いて、撮影制御信号処理を行い、これを読出し制御にフィードバックして、実施例3,4で示したように蓄積時間や蓄積開始/終了タイミンク設定など、被写体の変化に適応した撮影条件設定をより高速に行うことができる。
このように、垂直選択パルスV41を毎ライン読むことで、短い周期(速い速度)で同じ画素の信号出力を繰り返し読むことができるので、撮像条件を早くに設定してフィードバックをかけて固体撮像素子22の読出し条件を素早く変えてやることができる。その代わり、垂直選択パルスV42はLレベルにされるため、V42に基づく読出し画素信号はなくなってしまうが、このような制御動作は撮像条件設定動作期間のごく短期間であり、出力4に基づく撮像条件設定がなされた後には、実施例2の図4の走査シーケンスに示されるように通常状態に出力4の読出しを戻して(即ち、出力4も他の出力1〜3と同様に2水平読出し期間に4画素分の信号を出力して)シャッタを切ることになる。
固体撮像装置内に、図3で示した固体撮像素子22と、この読出しを制御する読出し制御手段25とを有することで、例えば、固体撮像装置として以下の機能を発揮する。
実施例3を実現することで、各小フレーム画像の空間的位相差は1画素分であるため、例えばこれらの異なる蓄積時間の小フレーム画像を合成処理して、違和感の少ない広ダイナミックレンジの1フレームを合成することが可能になる。また、ワンシャッタで複数の蓄積時間の小フレーム画像を得、その中から最適な露光量の小フレームを1枚選択し、最終的に有効なフレームとすることも可能である。
さらに、実施例4を実現することで、静止画カメラであれば、複数のシャッタタイミングの画像をワンシャッタて取得できるため、被写体である人間が瞬きをした瞬間などを排除して小フレーム画像得るなど、最適タイミングの画像取得を可能とする。
なお、撮影条件設定として例えばAF(オートフォーカス)制御信号を得るためには、撮影制御信号処理部26は、出力4にて得られる撮像信号から高周波成分を抽出し、抽出した高周波成分に応じた信号をAF制御信号として読出し制御手段25へ供給する。ただし、AF調整の場合、読出し制御手段25は集光用レンズ21の位置を駆動(前後動)制御して、AF制御信号として最大の振幅が得られる位置(ピント位置)でレンズ21を止める制御が必要となる。
画素毎に、読出し画素の選択や、蓄積時間及び蓄積開始/終了タイミングを変えて設定することが可能となるので、非常に多種の撮影条件の設定ができ、撮影画像の生成に関する広汎なアプリケーション手法の開拓ができ、汎用性の高い固体撮像素子および固体撮像装置の実現が可能となる。
本発明の実施例1に係る固体撮像素子の構成図。 図1の固体撮像素子における光電変換信号の読出しシーケンスを示す図。 本発明の実施例2に係る固体撮像素子の構成図。 図3の固体撮像素子における光電変換信号の読出しシーケンスを示す図。 本発明の実施例3に係る固体撮像素子における画素及びその制御手段の構成図。 実施例4における、固体撮像素子における光電変換信号の読出しシーケンスを示す図。 実施例5における、固体撮像素子における光電変換信号の読出しシーケンスを示す図。 本発明に係る実施例5の撮像装置の基本構成図。 本発明に係る実施例5における撮像条件設定機能を備えた撮像装置の構成図。 図9の読出し制御手段によって図9の固体撮像素子を制御するシーケンスを示す図。
符号の説明
1,2…垂直走査回路
1A〜4A…垂直走査回路
11〜14…水平走査回路
5…画素選択手段(選択手段)
P11〜P14,P21〜P24,P31〜P34,P41〜P44…画素
E,F,G,H…画素群
代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (5)

  1. 複数の垂直走査回路と、
    複数の水平走査回路と、
    前記複数の垂直走査回路のいずれか1つと接続されているとともに、前記複数の水平走査回路と接続されている2次元状に配置された光電変換を行う画素を有する画素部と、
    水平方向に配列した複数の前記画素から読み出された光電変換信号を、前記水平走査回路の各々が独立に選択して出力するように制御する選択手段と、
    を有することを特徴とする固体撮像素子。
  2. 前記2次元状に配置された画素を垂直方向または水平方向の少なくともいずれが一方向に複数選択して画素群を形成し、この画素群内の各画素は、それぞれ異なる垂直走査回路に接続されるとともに、前記画素群内の各画素からの光電変換信号は、前記複数の水平走査回路のうち、それぞれ異なる水平走査回路から出力することを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記複数の垂直走査回路は、それぞれ独立に、前記垂直走査回路と接続された前記画素群内の各画素の蓄積時間を制御する手段を有することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
  4. 前記複数の垂直走査回路は、それぞれ独立に、前記垂直走査回路と接続された前記画素群内の各画素の蓄積開始タイミングと蓄積終了タイミングを制御する手段を有することを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。
  5. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の固体撮像素子と、
    さらに、前記複数の垂直走査回路および水平走査回路および選択手段を制御するための読出し制御手段を有することを特徴とする固体撮像装置。
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