本発明は、シフトレジスタを備えた固体撮像装置等に係り、特に順次走査と間引き走査を組み合せた読み出し、更には任意エリアの読み出しの組み合わせを可能とするシフトレジスタを備えた固体撮像装置及びそれを用いたカメラに関する。
従来、任意の位置から所定単位で走査させることが可能なシフトレジスタ及びそれを用いた固体撮像装置に関して種々の技術が開示されている。
例えば、特許文献1では、間引き走査を実現することができる固体撮像装置として、複数のシフトレジスタユニットを有する単位段を複数個直列接続して構成したシフトレジスタを備えた固体撮像装置が開示されている。
さらに、特許文献2では、任意の位置から走査を開始することができるシフトレジスタとして、単位段のシフトレジスタユニットに当該シフトレジスタユニットの出力を記憶する記憶部を備えたシフトレジスタが開示されている。
特開平9−163245号公報
特開平6−350933号公報
しかしながら、上記固体撮像装置では、間引き走査については記載されているが、順次走査と間引き走査を組み合わせた読み出しについては何等記載されていない。また、固体撮像装置にオートフォーカスや自動露出等の機能を付加する場合には、回路構成を変えることなく目的に応じた読出し方式を選択できることが求められる。更に、任意エリアの読み出しについては、そのフレームレートは読み出されるエリアの画素数に依存する為、所望の領域に対応する読み出し速度には限界があるといった問題も生じ得る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、垂直シフトレジスタ制御信号及び水平シフトレジスタ制御信号を操作することにより、画素を間引きながらエリア読み出しを行うことで、読出し領域を固定したままフレームレートを切換えることを可能とし、更には高速なエリア読み出しを可能とすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様では、2次元に配列された複数の画素を有している固体撮像素子と、該画素の信号の読み出しを行うための水平及び垂直走査回路とからなるXYアドレス型の固体撮像装置において、上記各走査回路は、第1の走査制御信号により、順次に画素信号の読み出しを行うための順次走査回路と、上記第1の走査信号とは異なる第2の走査制御信号により、間引いて画素信号の読み出しを行うための間引き走査回路とを有し、上記各走査制御信号の組み合わせにより、1フレーム内で順次と間引きの組み合わせを任意に行い、画素信号を読み出すことを特徴とする固体撮像装置が提供される。この第1の態様によれば、読出し領域を固定したままフレームレートを切換えることが可能となり、更には高速なエリア読み出しが可能となる。
本発明の第2の態様では、上記第1の態様において、上記各走査回路は、任意の行又は列から走査を開始するための走査駆動手段と、任意の行又は列で走査を停止するための走査停止手段とを有し、1フレーム内で任意のエリアを読み出すことを特徴とする固体撮像装置が提供される。この第2の態様によれば、読出し領域を固定したままフレームレートを切換えることが可能となり、更には高速なエリア読み出しが可能となる。
本発明の第3の態様では、上記第1又は第2の態様において、上記各走査回路は、単位段のシフトレジスタ回路を多段に接続して構成され、各シフトレジスタ回路は、異なるクロックにより情報を伝達する複数の情報伝達部を更に有することを更に特徴とする固体撮像装置が提供される。本発明の第4の態様では、上記第1又は第2の態様において、上記各走査回路は、単位段のシフトレジスタ回路を多段に接続して構成され、各シフトレジスタ回路は、異なるクロックにより情報を伝達する複数の情報伝達部と、各シフトレジスタ回路の出力を記憶する記憶部を更に有することを更に特徴とする固体撮像装置が提供される。本発明の第5の態様では、上記第3又は第4の態様において、上記情報伝達部は、クロック型インバータであることを更に特徴とする固体撮像装置が提供される。この第3乃至第5の態様によれば、簡易な構成で、読出し領域を固定したままフレームレートを切換えることが可能となり、更には高速なエリア読み出しが可能となる。
そして、本発明の第6の態様では、2次元に配列された複数の画素を有している固体撮像素子と、第1の走査制御信号により順次に画素信号の読み出しを行うための順次走査回路と、上記第1の走査信号とは異なる第2の走査制御信号により間引いて画素信号の読み出しを行うための間引き走査回路とを有する水平及び垂直走査回路と、上記第1の走査制御信号及び第2の走査制御信号を出力する走査制御部と、所定のモードに切換えるモード切換部と、上記モード切換部の設定に基づいて、上記第1及び第2の走査制御信号の組み合わせにより、1フレーム内で順次と間引きの組み合わせを任意に行い、画素信号を読み出すことを特徴とするカメラが提供される。この第6の態様によれば、モードに応じた読み出しを行うことができる。本発明の第7の態様では、上記第6の態様において、上記各走査回路は、任意の行又は列から走査を開始するための走査駆動手段と、任意の行又は列で走査を停止するための走査停止手段とを有し、1フレーム内で任意のエリアを読み出すことを特徴とするカメラが提供される。この第6の態様によれば、モードに応じた読み出しを行うことができる。
本発明によれば、垂直シフトレジスタ制御信号及び水平シフトレジスタ制御信号を操作することにより、順次走査と間引き走査の組み合わせによる読み出し、或いは画素を間引きながらのエリア読み出しを行うことで、読出し領域を固定したままフレームレートを切換えることを可能とし、更には高速なエリア読み出しを可能とするシフトレジスタを備えた固体撮像装置及びそれを用いたカメラを提供することができる。
先ず、図1及び図2を参照して、本発明の基礎となる、複数のシフトレジスタユニットを有する単位段を複数個直列接続して構成して順次走査と間引き走査を実施するシフトレジスタを備えた固体撮像装置について、その概要を説明する。
図1には、本発明の基礎となる固体撮像装置の概略構成を示し説明する。
この図1に示されるように、画素マトリックス1は、複数の画素2が2次元状に配列されて構成されている。垂直シフトレジスタ制御信号5に基づいて駆動する垂直シフトレジスタ4は、順次走査シフトレジスタ部4−1、間引き走査シフトレジスタ部4−2で構成されている。この垂直シフトレジスタ4は、垂直選択回路3と接続されている。
一方、水平シフトレジスタ制御信号に基づいて駆動する水平シフトレジスタ8は、順次走査シフトレジスタ部8−1、間引き走査シフトレジスタ部8−2で構成されている。この水平シフトレジスタ8は、水平選択回路6と接続されている。以上のほか、符号7は画素信号を出力するアンプである。
次に、図2には、図1に示した固体撮像装置の一部を構成するシフトレジスタ4,8の構成例を更に具現化して示し説明する。
この図2に示されるように、シフトレジスタ4,8は、単位段のシフトレジスタ回路24を複数直列接続して構成されている。そして、単位段のシフトレジスタ回路24は、それぞれ駆動クロックφ1,φ2,φ3により情報を伝達する情報伝達部21−1,21−2,21−3が図示の如く接続され、構成されている。この情報伝達部21−1,21−2,21−3としては、例えばクロック型インバータ等を採用する。
単位段のシフトレジスタ回路24においては、情報伝達部21−1,21−2を従属接続して第1のシフトレジスタユニット22が構成され、当該第1のシフトレジスタユニット22と入力を共有し1以上の後段の単位段の第1のシフトレジスタユニットに出力を成すように接続された第2のシフトレジスタユニット23が構成されている。
以下、図3及び図4のタイミングチャートを参照して、図2のように構成されたシフトレジスタ4,8の駆動方法について詳細に説明する。
尚、以下の説明では、各情報伝達部、シフトレジスタユニットが何段目の単位段のシフトレジスタ回路に相当するか区別するときには括弧書きの符号を用いる。
例えば、1段目の単位段であれば、シフトレジスタ回路24(1)、情報伝達部21−1(1),21−2(1),21−3(1)、第1のシフトレジスタユニット22(1)、第2のシフトレジスタユニット23(1)の如くである。
先ず、図3のタイミングチャートを参照して、順次走査について説明する。
図3において、時刻t0 に入力パルスSR_STが第1のシフトレジスタ回路24(1)に印加されると、それと同時にクロックφ2が“H”レベルの時に、第1のシフトレジスタ回路24(1)の第1のシフトレジスタユニット22(1)を構成する情報伝達部21−2(1)により信号が情報伝達部21−1(1)に伝達される。
続く時刻t1 では、クロックφ1が“H”レベルの時に、情報伝達部21−1(1)により、信号が次段の単位段のシフトレジスタ回路24(2)に伝達されると同時に、1段目のシフトレジスタ回路24(1)の出力SR_OUT1が“H”レベルとなる。
以下、同様にして、クロックφ2及びクロックφ1が“H”レベルとなるタイミングで信号が逐次伝達され、シフトレジスタ4,8の出力に信号が伝達される。
このような動作の中で、クロックφ3は“L”レベルのままであり、第2のシフトレジスタユニット23は動作しない。以上説明したシフトレジスタ4,8の駆動方法を固体撮像装置に適用することで、画素信号を順次に読み出すことが可能である。
次に、図4のタイミングチャートを参照して、間引き走査について説明する。
図4において、時刻t0 に入力パルスSR_STが第1のシフトレジスタ回路24(1)に印加されると、それ同時に、クロックφ3が“H”レベルの時に、第1のシフトレジスタ回路24(1)の第2のシフトレジスタユニット23(1)を構成する情報伝達部21−3(1)により、信号が次段の単位段のシフトレジスタ回路24(2)の第1のシフトレジスタユニット22(2)を構成する情報伝達部21−1(2)に伝達される。
続く時刻t1 では、クロックφ1が“H”レベルの時に、情報伝達部21−1(2)により、信号が3段目の単位段のシフトレジスタ回路24(3)に伝達されると同時に、シフトレジスタ回路24(2)の出力SR_OUT2が“H”レベルとなる。
そして、時刻t2 において、クロックφ3が“H”レベルの時に、3段目の第2のシフトレジスタユニット23(3)により、信号が4段目の単位段のシフトレジスタ回路24(4)の第1のシフトレジスタユニット22(4)に伝達される。
更に時刻t3 では、クロックφ1が“H”レベルの時に、情報伝達部21−1(4)により、信号が5段目の単位段のシフトレジスタ回路24(5)に伝達されると同時に、シフトレジスタ回路24(4)の出力SR_OUT4が“H”レベルとなる。
以下、同様にして、クロックφ3及びクロックφ1が“H”レベルとなるタイミングで信号が伝達され、シフトレジスタ4,8の出力には、1段おきに信号が伝達される。
このような動作の中で、クロックφ2は“L”レベルのままであり、第1のシフトレジスタユニット22(1)における情報伝達部21−2(1)は動作しない。
以上説明したシフトレジスタ4,8の駆動方法を固体撮像装置に適用することで、画素信号を間引いて読み出すことが可能である。尚、画素を間引く間隔は、第2のシフトレジスタユニット23の出力先を変えればよいことになる。
次に、図5には、図1に示した固体撮像装置の一部を構成するシフトレジスタ4,8の他の構成例を更に具現化して示し説明する。
この図5に示されるように、シフトレジスタ4,8は、単位段のシフトレジスタ回路31に当該シフトレジスタ回路31の出力を記憶する記憶部32を更に備え、任意の位置から走査を開始することを可能としている。より詳細には、このシフトレジスタは、単位段のシフトレジスタ回路31を複数直列接続して構成されている。
符号21−1,21−2は、それぞれ駆動クロックφ1,φ2により情報を伝達する情報伝達部であり、クロック型インバータ等を採用し得る。符号32は、シフトレジスタ回路31の出力を記憶するための記憶部であり、制御信号φmにより情報の記憶を行い、制御信号φsにより情報の読み出しを行う機能を備えている。
以下、図6のタイミングチャートを参照して、図5のように構成されたシフトレジスタ4,8の駆動方法について詳細に説明する。
尚、以下の説明では、各情報伝達部、シフトレジスタユニット等が何段目の単位段のシフトレジスタ回路に相当するか区別するときには括弧書きの符号を用いる。
例えば、1段目の単位段であれば、シフトレジスタ回路31(1)、記憶部(1)情報伝達部21−1(1),21−2(1),21−3(1)、第1のシフトレジスタユニット22(1)、第2のシフトレジスタユニット23(1)の如くである。
先ず、時刻t0 において、入力パルスSR_STがシフトレジスタ回路31(1)に印加されると、それ同時に、クロックφ2が“H”レベルの時に、情報伝達部21−2(1)により、信号が情報伝達部21−1(1)に伝達されることになる。
時刻t1 では、クロックφ1が“H”レベルの時に、情報伝達部21−1(1)により信号が次段の単位段のシフトレジスタ回路31(2)に伝達されると同時に、シフトレジスタ回路31(1)の出力SR_OUT1が“H”レベルとなる。
以下、同様にして、クロックφ2及びクロックφ1が“H”レベルとなるタイミングで信号が伝達され、シフトレジスタの出力に信号が伝達される。
時刻t2 において、φmが“H”レベルになると、記憶部32(4)にシフトレジスタ回路31(4)の出力信号SR_OUT4が記憶されることになる。
次に、時刻t3 においてφsが“H”レベルになると、記憶部32(4)より保持していた情報が読み出され、情報伝達部21−1(4)に信号が伝達される。
さらに、続く時刻t4 では、クロックφ1が“H”レベルの時に、情報伝達部21−1(4)により、信号が5段目の単位段のシフトレジスタ回路31(5)に伝達されると同時に、シフトレジスタ回路の出力SR_OUT4が“H”レベルとなる。
以後、クロックφ2及びクロックφ1が“H”レベルとなるタイミングでシフトレジスタ動作が繰り返される。尚、図5,6では、シフトレジスタ動作を停止するための構成とタイミングについては明記していないが、公知の所謂リセット機能付シフトレジスタを用いることで、任意の位置でシフトレジスタを停止させることが可能である。
従って、図5に示したシフトレジスタ4,8を図1に示すように固体撮像装置に適用することで、任意の画素エリアを読み出すことが可能となる。
しかるに、本発明の最良の実施の形態では、上記技術を基礎とし、垂直シフトレジスタ制御信号5及び水平シフトレジスタ制御信号9を操作することにより、画素を間引きながらエリア読み出しを行うことで、読出し領域を固定したままフレームレートを切換えることを可能とし、更には高速なエリア読み出しを可能とする。
即ち、本発明の最良の実施の形態に係る固体撮像装置は、2次元に配列された複数の画素2を有している画素マトリックス1と、該画素2の信号の読み出しを行うための水平シフトレジスタ8及び垂直シフトレジスタ4とからなるXYアドレス型の固体撮像装置であって、各シフトレジスタ4,8は、垂直シフトレジスタ制御信号5、水平シフトレジスタ制御信号9により、順次に画素信号の読み出しを行うための順次走査シフトレジスタ部4−1,8−1と、間引いて画素信号の読み出しを行うための間引き走査シフトレジスタ部4−2,8−2とを有し、これらの組み合わせにより、1フレーム内で順次と間引きの組み合わせを任意に行い、画素信号を読み出すことを特徴とする。更に、各シフトレジスタ4,8は、任意の行又は列から走査を開始し、或いは任意の行又は列で走査を停止し、1フレーム内で任意のエリアを読み出すことを特徴とする。
各シフトレジスタ4,8は、単位段のシフトレジスタ回路24を多段に接続して構成され、各シフトレジスタ回路24は、異なるクロックにより情報を伝達する複数の情報伝達部21−1,21−2,21−3を更に有する。或いは、各シフトレジスタ4,8は、単位段のシフトレジスタ回路31を多段に接続して構成され、各シフトレジスタ回路31は異なるクロックにより情報を伝達する複数の情報伝達部21−1,21−2と、各シフトレジスタ回路31の出力を記憶する記憶部32を更に有する。この情報伝達部21−1,21−2,21−3は、クロック型インバータ等で構成してもよい。
また、カメラとしては、2次元に配列された複数の画素2を有している画素マトリックス1と、垂直シフトレジスタ制御信号5、水平シフトレジスタ制御信号9により、順次に画素信号の読み出しを行うための順次走査シフトレジスタ部4−1,8−1、間引いて画素信号の読み出しを行うための間引き走査シフトレジスタ部4−2,8−2とを有する水平及び垂直シフトレジスタ4,8と、垂直シフトレジスタ制御信号5、水平シフトレジスタ制御信号9を出力する走査制御部と、所定のモードに切換えるモード切換部と、上記モード切換部の設定に基づいて、上記走査制御信号の組み合わせにより、1フレーム内で順次と間引きの組み合わせを任意に行い、画素信号を読み出すことを特徴とする。各シフトレジスタ4,8は、任意の行又は列から走査を開始し、任意の行又は列で走査を停止する構成を有し、1フレーム内で任意のエリアを読み出すこともできる。
以下、実施例1乃至3として、より具体的に説明する。
図7には、本発明の実施例1に係る固体撮像装置の概略構成を示し説明する。
この図7に示されるように、画素マトリックス1は、複数の画素2が2次元状に配列されて構成されている。垂直シフトレジスタ制御信号5に基づいて駆動する垂直シフトレジスタ4は、順次にシフトレジスタ動作を行う順次走査シフトレジスタ部4−1、一定の間隔を置きながらシフトレジスタ動作を行う間引き走査シフトレジスタ部4−2、シフトレジスタの出力を記憶し任意の行からシフトレジスタ動作を開始する記憶部4−3で構成される。そして、順次走査シフトレジスタ部4−1、間引き走査シフトレジスタ部4−2及び記憶部4−3は、それぞれ独立した制御クロック或いは制御パルスにより動作する。図7では、これらの制御クロック及び制御パルスをまとめて垂直シフトレジスタ制御信号5と示している。この垂直シフトレジスタ4は、垂直選択回路3と接続される。
そして、水平シフトレジスタ制御信号に基づいて駆動する水平シフトレジスタ8は、順次にシフトレジスタ動作を行う順次走査シフトレジスタ部8−1、一定の間隔を置きながらシフトレジスタ動作を行う間引き走査シフトレジスタ部8−2、シフトレジスタの出力を記憶し任意の列からシフトレジスタ動作を開始する記憶部8−3で構成される。順次走査シフトレジスタ部8−1、間引き走査シフトレジスタ部8−2及び記憶部8−3は、それぞれ独立した制御クロック或いは制御パルスにより動作する。図7では、これらの制御クロック及び制御パルスをまとめて水平シフトレジスタ制御信号9と示している。この水平シフトレジスタ8は、画素マトリックス1の画素列を選択する水平選択回路6と接続されている。以上のほか、符号7は、画素信号を出力するアンプである。
このような構成において、垂直シフトレジスタ4及び水平シフトレジスタ8は、垂直シフトレジスタ制御信号5及び水平シフトレジスタ制御信号9を適切に制御することで、先に図3に示したような順次走査、図4に示したような間引き走査、更には図6に示したようなエリア選択走査が得られることになる。
ここで、図8に本発明の実施例1に係る固体撮像装置の読出し方法の概念図を示し説明する。図8は、垂直方向は順次走査と4画素間引き走査を繰り返し行い、水平方向は順次走査を行った場合の画素マトリックスの走査範囲を表している。そして、この図8において、斜線部分が読み出される画素の範囲に相当する。
以下、図9のタイミングチャートには、本発明の実施例1において、先に図8に示したような読出し方法を垂直シフトレジスタ4で実現する場合の入力信号である垂直シフトレジスタ制御信号5と出力信号との関係を示し詳細に説明する。
ここでは、図10を適宜参照する。この図10の各構成については、前述した内容と重複するので詳細な説明は省略する。以下の説明では、各情報伝達部、シフトレジスタユニットが何段目の単位段のシフトレジスタ回路に相当するか区別するときには括弧書きの符号を用いる。例えば、1段目の単位段であれば、シフトレジスタ回路40(1)、情報伝達部21−1(1),21−2(1),21−3(1)、記憶部32(1)の如くである。
この図9に示されるように、垂直シフトレジスタ4では、スタートパルスVSR_STが印加され、シフトレジスタ動作が行われている場合において、クロックφv1が“H”レベルとなるタイミングで出力信号が出力されることになる。
順次走査を行う場合には、クロックφv2が“H”レベルとなるタイミングで、順次走査シフトレジスタ部4−1により信号が次段に伝達される。その一方で、間引き走査を行う場合には、クロックφv3が“H”レベルとなるタイミングで、間引き走査シフトレジスタ部4−2により指定された複数個先の段に信号が伝達される。
先ず、時刻t0 において、スタートパルスVSR_STが印加されると、それ同時にクロックφv2が“H”レベルの時に1段目のシフトレジスタ回路40(1)に信号が伝達される。次いで、時刻t1 において、クロックφv1が“H”レベルとなると、シフトレジスタ回路40(1)の出力VSR_OUT1に信号が出力される。
時刻t2 では、クロックφv2が“H”レベルとなると、2段目のシフトレジスタ回路40(2)に信号が伝達され、時刻t3 でクロックφv1が“H”レベルのとき、シフトレジスタ回路40(2)の出力VSR_OUT2に信号が出力される。
時刻t4 において、クロックφv3が“H”レベルとなると、間引き走査シフトレジスタ動作により7段目のシフトレジスタ回路40(7)に信号が伝達され、時刻t5 でクロックφv1が“H”レベルとなると、シフトレジスタ回路40(7)の出力VSR_OUT7に信号が出力される。以降、時刻t1 〜t5 の周期が繰り返され、順次走査と4画素間引き走査が繰り返されることにより、図8に示した読出し方法が実現される。
以上説明したように、実施例1では、垂直シフトレジスタ4の順次走査と4画素間引き走査の組み合わせによる画素マトリックスの読出し方法を示したが、クロックφv2及びクロックφv3のタイミングの組み合わせにより、順次走査の繰り返しと間引き走査の繰り返しを任意に行うことができる。また、間引き走査の間引き数は、各間引き走査シフトレジスタ部4−2の構成を変えることで所望の値を得ることができる。
更に、順次走査と間引き走査の組み合わせによる画素マトリックスの読み出しは、垂直方向のみに限らず、水平方向の読み出し、及び両者の組み合わせにも適用できる。例えば図11の概念図は、水平方向及び垂直方向に対して、順次走査と間引き走査の組み合わせ走査を行うことで、複数の画素エリアを読み出す例を示したものである。即ち、この図11において、斜線部分が読み出される画素の範囲に相当する。
このように、実施例1の固体撮像装置によれば、垂直シフトレジスタ制御信号5及び水平シフトレジスタ制御信号9を操作することで、回路構成を変えることなく画素の読出し方式を目的に応じて切り替えることができる。
本発明の実施例2に係る固体撮像装置の概略構成は、先に実施例1(図7)で示したものと共通するので、ここでは図7と同一構成について同一符号をもって参照する。
図12は、本発明の実施例2に係る固体撮像装置の読出し方式の概念図である。即ち図12においては、水平方向は2画素間引き走査をあるエリアのみ行い、垂直方向は2画素間引き走査をあるエリアのみ行った場合の画素マトリックスの走査範囲を表している。そして、この図12の斜線部分が、読み出される画素を表している。
尚、この実施例2に係る固体撮像装置のシフトレジスタ4,8は、図15の構成に示される通りである。そして、垂直シフトレジスタ4及び水平シフトレジスタ8は、垂直シフトレジスタ制御信号5及び水平シフトレジスタ制御信号9を適切に制御することで、先に図3に示したような順次走査、図4に示したような間引き走査、更には図6に示したようなエリア選択走査が得られることになる。
以下、図13及び図14のタイミングチャートを参照して、本発明の実施例2の固体撮像装置による図11に示した読出し方法について更に詳細に説明する。
先ず、図13のタイミングチャートには、本発明の実施例2において、先に図12に示したような読出し方法に関し、垂直シフトレジスタ4の入力信号である垂直シフトレジスタ制御信号5と出力信号との関係を示し詳細に説明する。
ここでは、図15を適宜参照する。この図15の各構成については、前述した内容と重複するので詳細な説明は省略する。以下の説明では、各情報伝達部、シフトレジスタユニットが何段目の単位段のシフトレジスタ回路に相当するか区別するときには括弧書きの符号を用いる。例えば、1段目の単位段であれば、シフトレジスタ回路40(1)、情報伝達部21−1(1),21−2(1),21−3(1)、記憶部32(1)の如くである。
この図13において、垂直シフトレジスタ4では、スタートパルスVSR_STが印加されシフトレジスタ動作が行われている場合には、クロックφv1が“H”レベルとなるタイミングで出力信号が出力される。間引き走査を行う場合には、クロックφv3が“H”レベルのタイミングで、間引き走査シフトレジスタ部4−2により指定された複数個先の段に信号が伝達される。ここで、パルス信号φvmは、垂直シフトレジスタ4の記憶部4−3に垂直シフトレジスタの出力信号を記憶する為の制御パルスである。φvsは、垂直シフトレジスタ4の記憶部4−3より信号を読み出す為の制御パルスである。また、φvrは、垂直シフトレジスタの走査を停止する為の制御パルスである。
さて、時刻tv0 において、スタートパルスVSR_STが印加され、クロックφv3が“H”レベルとなると、3段目の垂直シフトレジスタ回路40(3)に信号が伝達される。
時刻tv1 において、クロックφv1が“H”レベルとなると、垂直シフトレジスタ回路40(3)の出力VSR_OUT3に信号が出力される。時刻tv2 では、クロックφv3が“H”レベルとなると、6段目の垂直シフトレジスタ回路40(6)に信号が伝達される。時刻tv3 でクロックφh1が“H”レベルになると垂直シフトレジスタ回路40(6)の出力VSR_OUT6に信号が出力され、2画素間引き走査が繰り返される。
次いで、時刻tv4 において、φvmが“H”になると、6段目の垂直シフトレジスタ回路40(6)の記憶部32(6)でVSR_OUT6の出力信号が保持されると同時にφvrが“H”レベルとなることで、垂直シフトレジスタの走査が停止する。
次いで、時刻tv5 において、φvsが“H”レベルになると、6段目の垂直シフトレジスタ回路40(6)の記憶部32(6)から情報伝達部21−1(6)に信号が伝達される。そして、時刻tv6 では、クロックφv1が“H”になると、垂直シフトレジスタ回路40(6)の出力VSR_OUT6に信号が出力され、時刻tv7 においてクロックφvmが“H”レベルになると、6段目の垂直シフトレジスタ回路40(6)の記憶部32(6)でVSR_OUT6の出力信号が再び記憶される。
以降、6段目より2画素間引き走査が繰り返される。上記のように、φvm,φvs及びφvrを適宜制御することで、任意の範囲のみ走査を行うことが可能である。
次に、図14のタイミングチャートには、本発明の実施例2において、先に図12に示したような読出し方法に関し、水平シフトレジスタ8の入力信号である水平シフトレジスタ制御信号9と出力信号との関係を示し詳細に説明する。
ここでは、図15を適宜参照する。この図15の各構成については、前述した内容と重複するので詳細な説明は省略する。以下の説明では、各情報伝達部、シフトレジスタユニットが何段目の単位段のシフトレジスタ回路に相当するか区別するときには括弧書きの符号を用いる。例えば、1段目の単位段であれば、シフトレジスタ回路40(1)、情報伝達部21−1(1),21−2(1),21−3(1)、記憶部32(1)の如くである。
この図14において、水平シフトレジスタ8では、スタートパルスHSR_STが印加され、シフトレジスタ動作が行われている場合には、クロックφh1が“H”レベルとなるタイミングで出力信号が出力される。間引き走査を行う場合には、クロックφh3が“H”のタイミングで、間引き走査シフトレジスタ部8−2により指定された複数個先の段に信号が伝達される。パルス信号φhmは、水平シフトレジスタ8の記憶部8−3に水平シフトレジスタの出力信号を記憶するための制御パルスである。φhsは、水平シフトレジスタ8の記憶部8−3より信号を読み出すための制御パルスである。また、φhrは、水平シフトレジスタの走査を停止するための制御パルスである。
さて、時刻th0 において、スタートパルスHSR_STが印加されると同時にクロックφh3が“H”レベルとなると、3段目の水平シフトレジスタ回路40(3)に信号が伝達される。ついで、時刻th1 において、クロックφh1が“H”となると、水平シフトレジスタ回路40(3)の出力HSR_OUT3に信号が出力される。
そして、時刻th2 では、クロックφh3が“H”レベルとなると、6段目の水平シフトレジスタ回路40(6)に信号が伝達されることになる。
更に、時刻th3 でクロックφh1が“H”レベルになると水平シフトレジスタ回路40(6)の出力HSR_OUT6に信号が出力され、2画素間引き走査が繰り返される。
そして、時刻th4 において、φhmが“H”レベルになると、6段目の水平シフトレジスタ回路40(6)の記憶部32(6)でHSR_OUT6の出力信号が記憶されると同時にφhrが“H”レベルとなることで水平シフトレジスタの走査が停止する。
次に、時刻th5 において、φhsが“H”レベルになると、6段目の水平シフトレジスタ回路40(6)の記憶部32(6)から情報伝達部21−1(6)へと信号が伝達される。時刻th6 では、クロックφh1が“H”レベルになると、水平シフトレジスタ回路40(6)の出力HSR_OUT6に信号が出力される。
そして、時刻th7 において、クロックφhmが“H”レベルになると、6段目の水平シフトレジスタ回路40(6)の記憶部32(6)でHSR_OUT6の出力信号が再び記憶される。以降、6段目より2画素間引き走査が繰り返される。
実施例2では、前述したように、φhm,φhs及びφhrを適宜制御することで、任意の範囲のみ水平走査を行うことが可能である。さらに、実施例2では、前述したように、垂直シフトレジスタ制御信号9と水平シフトレジスタ制御信号5との組み合わせにより、間引き読み出しを任意のエリアのみ選択して行うことが可能である。
以上説明した本発明の実施例2では、水平及び垂直2画素間引きを行いつつ、画素マトリックスの一部のエリアのみを読み出す方法を示したが、水平方向或いは垂直方向のみ間引きを行ってもよいことは勿論である。また、間引き走査の間引き数は、各間引き走査シフトレジスタ部4−2,8−2の構成を変えることで所望の値を得ることができる。
更に、水平シフトレジスタ制御信号5及び垂直シフトレジスタ制御信号9の組み合わせにより、任意のエリアを選択して、順次と間引きを組み合わせて読み出してもよい。
このように、本発明の実施例2に係る固体撮像装置では、垂直シフトレジスタ制御信号9及び水平シフトレジスタ制御信号5を操作することで画素を間引きながらエリア読み出しを行う為、読出し領域を固定したままフレームレートを切換えることができ、高速なエリア読み出しが可能となる。
次に、図16の概念図を参照して、本発明の実施例3として、上述した実施例1,2に係る固体撮像装置を適用したカメラについて詳細に説明する。
この図16に示されるように、撮影レンズ50を介して入射した被写体光の光路上には固体撮像装置51が配設されている。そして、この固体撮像装置51の出力は直流再生部(CDS)54の入力に接続されており、更に当該直流再生部54の出力はスイッチ部60を介してコントラストAF検出部55、画像処理部56の入力に接続されている。
このコントラストAF検出部55の検出結果に基づいて撮影レンズ50に概念上含まれるズームレンズが駆動制御される。画像処理部56の出力は、LCD等の表示部57、メディア記録部58の入力に接続されている。クロック信号を発生する同期タイミング発生部52の出力は、直流再生部54、走査制御部53の入力に接続されている。この走査制御部53には、各種モードを設定する為のモード切換部59も接続されている。
このような構成において、撮影レンズ50を介して入射された被写体光は、固体撮像装置1の固体撮像素子に撮像され、画素信号が出力される。このとき、モード切換部59で設定された各種モードに基づいて、走査制御部53が制御され、前述した間引き走査、順次走査、エリア読み出し等を実施するように垂直シフトレジスタ制御信号及び水平シフトレジスタ制御信号が固体撮像装置1内の水平シフトレジスタ、垂直シフトレジスタに出力される。この制御信号に基づいて、前述した実施例1,2ような駆動がなされ、画素を間引きながらのエリア読み出しが行われ、読出し領域を固定したままフレームレートを切換えられ、更には高速なエリア読み出しが行われることになる。
画素信号は、直流再生部54にて相関二重サンプリングされ、更にA/D変換されてデジタル画像信号とされ、スイッチ部60の切替状態に応じてコントラストAF検出部55又は画像処理部56に送られる。コントラストAF検出部55では、デジタル画像信号に基づく被写体距離の検出がなされる。一方で、画像処理部56では、例えば色信号生成処理、マトリックス変換処理、その他の各種画像処理がなされ、表示部57又はメディア記録部58に出力される。この表示部57では、デジタル画像信号に基づいて各種表示がなされることになる。一方、メディア記録部58は、例えばカードインターフェース及びメモリカード等からなり、デジタル画像信号が記録されることになる。
このように、本発明の実施例3に係るカメラでは、その固体撮像装置で、垂直シフトレジスタ制御信号9及び水平シフトレジスタ制御信号5に基づき、順次走査と間引き走査の組み合わせによる読み出し、或いは画素を間引きながらのエリア読み出しを行うことによって、読出し領域を固定したままフレームレートを切換えることができ、高速なエリア読み出しが可能となり、その結果、各種モード(AF、表示、記録等)に応じた好適な読み出し方法を選択することができることになる。
即ち、間引き走査は短いフレームレートで連続的な表示を表示部57で行う場合に好適であり、エリア読み出しは画素信号を画面の各部位から得てコントラスト値を分析しマルチAFする上で好適であり、これらの組み合わせは、例えば早い被写体に追従して表示を行う場合等に好適であるが、上記モード切換部59の設定に基づいて走査制御部53が垂直シフトレジスタ制御信号、水平シフトレジスタ制御信号の出力タイミングを制御することで、簡易に実現されることになる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は前述した実施例1乃至3に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変更が可能であることは勿論である。
本発明の基礎となる固体撮像装置の概略構成を示す図。
図1に示した固体撮像装置の一部を構成するシフトレジスタ4,8の構成例を更に具現化して示す図。
図2のように構成されたシフトレジスタ4,8の駆動方法(順次走査)について詳細に説明するタイミングチャート。
図2のように構成されたシフトレジスタ4,8の駆動方法(間引き走査)について詳細に説明するタイミングチャート。
図1に示した固体撮像装置の一部を構成するシフトレジスタ4,8の他の構成例を更に具現化して示す図。
図5のように構成されたシフトレジスタ4,8の駆動方法について詳細に説明するタイミングチャート。
本発明の実施例1に係る固体撮像装置の概略構成を示す図。
本発明の実施例1に係る固体撮像装置の読出し方法の概念図。
本発明の実施例1において、先に図8に示したような読出し方法を垂直シフトレジスタ4で実現する場合の詳細を示すタイミングチャート。
本発明の実施例1において、先に図8に示したような読出し方法を実現するシフトレジスタの構成例を示す図。
本発明の実施例1により、水平方向及び垂直方向に対して、順次走査と間引き走査の組み合わせ走査を行うことで、複数の画素エリアを読み出す例を示す図。
本発明の実施例2に係る固体撮像装置の読出し方式の概念図。
本発明の実施例2において、図12に示したような読出し方法に関し、垂直シフトレジスタ4の入力信号である垂直シフトレジスタ制御信号5と出力信号との関係を示すタイミングチャート。
本発明の実施例2において、図12に示したような読出し方法に関し、水平シフトレジスタ8の入力信号である水平シフトレジスタ制御信号9と出力信号との関係を示すタイミングチャート。
本発明の実施例2において、先に図12に示したような読出し方法を実現するシフトレジスタの構成例を示す図。
本発明の実施例3として、上述した実施例1,2に係る固体撮像装置を適用したカメラの構成を示す図。
符号の説明
1・・・画素マトリックス、2・・・画素、3・・・垂直選択回路、4・・・垂直シフトレジスタ、4−1・・・順次走査シフトレジスタ部、4−2・・・間引き走査シフトレジスタ部、4−3・・・記憶部、5・・・垂直シフトレジスタ制御信号、6・・・水平選択回路、7・・・アンプ、8・・・水平シフトレジスタ、8−1・・・順次走査シフトレジスタ部、8−2・・・間引き走査シフトレジスタ部、8−3・・・記憶部、9・・・水平シフトレジスタ制御信号。