JP2005332663A - X線発生装置および電子ビーム制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クーロン相互作用による影響を小さくすることができるX線発生装置および電子ビーム制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 陰極11から発生した電子ビームBはターゲット12に衝突してX線が発生するまでに、各段の集束コイル131,132によって集束しながらターゲット12に向かう。このとき、コントローラ32は、第1、第2集束コイル131,132の間に電子ビームBが結像しないように、すなわち中間クロスオーバが形成されないように各段の集束コイル13を操作することで、結像することなく陰極11からターゲット12に電子ビームBは向かう。したがって、陰極11からターゲット12にわたって、電子ビームB中の電子同士の平均相対距離は常に十分に長くなり、クーロン相互作用による影響を小さくすることができる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、工業分野、医療分野などに用いられるX線発生装置および電子ビーム制御方法に係り、特に、複数の集束手段によって電子ビームを集束させる技術に関する。
X線発生装置では、陰極である電子銃(電子源)から発生した電子ビームを加速させてターゲットに衝突させることでX線を発生させる。X線を発生させる際には、ターゲットに電子ビームを衝突させるまでに、光学の集束レンズと同様に集束コイル(集束手段)によって電子ビームを集束させる。
従来では陰極としてタングステンで形成されたフィラメントを用いていたが、近年では消耗や切断に強い6ほう化ランタン(LaB6)や6ほう化セリウム(CeB6)などで形成された単結晶あるいは焼結体のチップを用いている。これらのチップを用いることでフィラメントを用いたときよりも高輝度で、かつ高分解能化を実現することができる。
なお、上述した高分解能化を実現した場合には、高分解能のモードでは一般にX線量が減少してX線画像が暗くなる場合がある。そこで、実用上の理由によりX線画像が明るい中分解能のモードを兼ね備える必要がある。高分解能・中分解能間での選択を可能とするために、複数の集束コイルを備える。特に、2つの集束コイルを備えた場合、すなわち集束コイルを2段に設けた場合には、電子銃側の集束コイルを『第1集束コイル』とし、ターゲット側の集束コイルを『第2集束コイル』としたときに、第1集束コイルで電子ビームが集束した後に、第2集束コイルでターゲット上に集束し、微小スポットからX線が発生する(例えば、非特許文献1参照)。なお、このとき、第1集束コイルと第2集束コイルとの間に電子ビームが一旦結像する中間クロスオーバが形成される。これらの2段以上の集束コイルにより中間クロスオーバを形成して微小スポットを形成する手法は、高い縮小率が必要な走査電子顕微鏡(SEM)などで広く使われている手法である。
実験物理学講座23 電子顕微鏡, 上田良二 編 共立出版(1982),P328-330
しかしながら、第1コイルの後段側に集束させて中間クロスオーバを形成する場合には、SEMのように例えば10nA未満のように小さな電子ビーム量で集束を行うときには問題がないが、X線発生装置のように例えば1μAを超える大きな電子ビーム量を必要とするときには以下のような問題がある。
電子ビーム中の電子同士は、クーロン(Coulomb)相互作用によって互いに反発している。通常の集束されていないビーム状態では、電子同士の平均相対距離が十分に長いので、クーロン相互作用の影響は小さいが、集束コイルによって結像されるクロスオーバでは電子ビームが微小領域に集中するので、クーロン相互作用の影響が大きくなる。クーロン相互作用は、電子ビーム量が多くなればなるほど大きくなる。したがって、SEMで起こるクロスオーバのときよりも、X線発生装置で起こるクロスオーバのときの方がクーロン相互作用は大きくなる。
クーロン相互作用によって電子ビームの質が劣化することはよく知られている(例えば、P. Kruitt and G. H. Jansen, "Space charge and statistical Coulomb effects", Handbook of Charged Particle Optics/edited by Jon Orloff, p275-318, CRC Press)。クロスオーバにおいてクーロン相互作用により、(a)電子ビームのもつエネルギのバラツキが大きくなる(Boersch効果),あるいは(b)電子ビーム中の電子の速度方向や、垂直成分の変位/速度に統計的なバラツキが生じるという現象が起こる。上述した(a),(b)のいずれの場合においても、ターゲット上の電子ビームの径を広げるという影響をもつ。
すなわち、(a)のように、電子ビームのもつエネルギのバラツキが大きくなると、エネルギによってレンズの焦点距離が変わるレンズ系の色収差によってビームぼけを起こす。また、(b)のように、変位/速度の垂直成分の統計的なバラツキが生じると、ビームの輝度、すなわち単位立体角当たりの電流密度を低下させてしまい、(b)の場合においてもターゲット上のビーム径が広がってしまう。
クロスオーバにおけるクーロン相互作用の影響は、上述したフィラメントのときよりも高輝度を実現することができる6ほう化ランタン(LaB6)などのチップを電子銃の陰極として用いる場合の方が大きい。すなわち、高輝度になれば単位立体角当たりの電流密度が高くなるので、電子ビーム量が多くなってクーロン相互作用が大きくなる。このことから、フィラメントのときよりもチップを陰極として用いる場合の方が、ターゲット上の電子ビームの径を広げる効果が大きい。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、クーロン相互作用による影響を小さくすることができるX線発生装置および電子ビーム制御方法を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、電子ビームを発生させる電子源と、前記電子源に対向配置され、電子源からの電子ビームの衝突によりX線を発生させるターゲットと、電子源と前記ターゲットとの間に配置され、電子ビームを集束させる複数の集束手段とを備えたX線発生装置であって、前記集束手段を操作することで電子ビームの集束を制御する制御手段を備え、その制御手段は、隣接する各集束手段の間に電子ビームが結像しないように各集束手段を操作することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、電子源から発生した電子ビームはターゲットに衝突してX線が発生するまでに、複数の集束手段によって集束しながらターゲットに向かう。このとき、制御手段は、隣接する各集束手段の間に電子ビームが結像しないように各集束手段を操作することで、結像することなく電子源からターゲットに電子ビームは向かう。したがって、電子源からターゲットにわたって、電子ビーム中の電子同士の平均相対距離は常に十分に長くなり、クーロン相互作用による影響を小さくすることができる。
また、請求項2に記載の発明は、複数の集束手段により電子ビームを集束させて、電子ビームのターゲットへの衝突によりX線を発生させる際に、それらの集束手段を操作することで電子ビームの集束を制御する電子ビーム制御方法であって、隣接する各集束手段の間に電子ビームが結像しないように各集束手段を操作することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、電子ビームはターゲットに衝突してX線が発生するまでに、複数の集束手段によって集束しながらターゲットに向かう。このときに、隣接する各集束手段の間に電子ビームが結像しないように各集束手段を操作することで、結像することなくターゲットに電子ビームは向かう。したがって、ターゲットに向かうまで、電子ビーム中の電子同士の平均相対距離は常に十分に長くなり、クーロン相互作用による影響を小さくすることができる。
なお、本明細書は、次のようなX線撮像装置に係る発明も開示している。
(1)X線を発生させて照射するX線発生手段と、照射されたX線を検出するX線検出手段とを備え、検出されたX線に基づいてX線画像を撮像するX線撮像装置であって、前記X線発生手段は、電子ビームを発生させる電子源と、前記電子源に対向配置され、電子源からの電子ビームの衝突によりX線を発生させるターゲットと、電子源と前記ターゲットとの間に配置され、電子ビームを集束させる複数の集束手段と、前記集束手段を操作することで電子ビームの集束を制御する制御手段とを備え、その制御手段は、隣接する各集束手段の間に電子ビームが結像しないように各集束手段を操作することを特徴とするX線撮像装置。
前記(1)に記載の発明によれば、X線発生手段から照射されたX線をX線検出手段が検出することで、検出されたX線に基づいてX線画像を撮像する。このX線発生手段において電子源から発生した電子ビームはターゲットに衝突してX線が発生するまでに、複数の集束手段によって集束しながら電子源からターゲットに向かう。このときに、制御手段は、隣接する各集束手段の間に電子ビームが結像しないように各集束手段を操作することで、結像することなく電子源からターゲットにわたって、電子ビーム中の電子同士の平均相対距離は常に十分に長くなり、クーロン相互作用による影響を小さくすることができる。このクーロン相互作用による影響を小さくすることで、ターゲット上の電子ビームの径を小さくすることができて、ビームぼけを防止することができるとともに、このビームぼけによるX線画像の劣化を防止することができる。また、複数の集束手段をX線発生手段が備えているので、クーロン相互作用による影響を小さくしつつ、複数種類の分解能を選択することができ、様々な撮像を行うことができる。
この発明に係るX線発生装置および電子ビーム制御方法によれば、電子ビームはターゲットに衝突してX線が発生するまでに、複数の集束手段によって集束しながらターゲットに向かう。このときに、隣接する各集束手段の間に電子ビームが結像しないように各集束手段を操作することで、結像することなくターゲットに向かうまで、電子ビーム中の電子同士の平均相対距離は常に十分に長くなり、クーロン相互作用による影響を小さくすることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るX線管の構成を示す概略断面図であり、図2は、中間クロスオーバが形成されたときにおいてX線管の各段の集束コイルの励起強度をそれぞれ変えたときの陰極からの電子ビームの照射状態を示す概略図であり、図3は、中間クロスオーバを形成しなかったときの電子ビームの照射状態を示す概略図であり、図4は、通常の操作においてX線管の各段の集束コイルの励起強度をそれぞれ変えたときの陰極からの電子ビームの照射状態を示す概略図である。
図1に示すX線管1はX線非破壊検査機器など代表されるX線撮像装置に用いられ、X線撮像装置は、X線管1と、X線管1から照射されたX線を検出するX線検出器2とを備えている。X線検出器2は、例えばイメージインテンシファイア(I.I)やフラットパネル型X線検出器(FPD)などがある。X線管1から照射されたX線をX線検出器2が検出することで、検出されたX線に基づいてX線画像を撮像する。X線管1と後述するレンズ電源31とコントローラ32とはこの発明におけるX線発生装置に相当し、この発明におけるX線発生手段にも相当する。また、X線検出器2は、この発明におけるX線検出手段に相当する。
X線管1は、電子ビームBを発生させる陰極(カソード)11と、この陰極11に対向配置され、陰極11からの電子ビームBの衝突によりX線を発生させるターゲット12と、陰極11とターゲット12との間に配置され、電子ビームBを集束させる2つの集束コイル13を備えている。つまり、本実施例では、集束コイル13を2段に設けている。本明細書中では、陰極11側の集束コイル13を『第1集束コイル131』とし、ターゲット12側の集束コイル13を『第2集束コイル132』とする。なお、特に断りがないときには『集束コイル13』で統一して以下を説明する。
本実施例では、陰極11として6ほう化ランタン(LaB6)や6ほう化セリウム(CeB6)などで形成された単結晶あるいは焼結体のチップを用いている。このチップは、タングステンで形成されたフィラメントと比較すると消耗や切断に強い。陰極11は、この発明における電子源に相当し、ターゲット12は、この発明におけるターゲットに相当し、集束コイル13は、この発明における集束手段に相当する。
集束コイル13は円環状に構成されており、その中心には電子ビームBを絞る絞り孔14を有したアパーチャ15を配設している。各集束コイル13は、X線管1の外部にある各レンズ電源31を介してコントローラ32に接続されており、レンズ電源13から集束コイル13に電流を流すことで磁界を発生させて、光学の集束レンズと同様に集束コイル13は電子ビームBを集束させる。なお、集束コイル13は、それに流す電流、すなわち励起強度を変えることで電子ビームBの焦点距離を自在に変えることができる。本明細書中では、第1集束コイル131に電流を流すレンズ電源31を『第1レンズ電源311』とし、第2集束コイル132に電流を流すレンズ電源31を『第2レンズ電源312』とする。なお、特に断りがないときには『レンズ電源31』で統一して以下を説明する。コントローラ32は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されており、この発明における制御手段に相当する。
陰極11と第1集束コイル131との間には、陰極11から第1集束コイル131に向かう電子ビームBの照射方向に、ウェネルト電極16,陽極(アノード)17を順に配設している。なお、陽極17は、通常では接地電位となっている。
ウェネルト電極16は、陽極17によって引き出される陰極11からの電子ビームBの電子ビーム量(『エミッション電流値』あるいは『管電流値』とも呼ばれる)を制御するもので、ウェネルト電極16の電位によって電子ビーム量が変化する。陽極17は、陰極でもある陰極11から発生する電子ビームBを引き出す。この陽極17による引き出しで電子ビームBはターゲット12に向かって加速する。上述したこれらの陰極11とウェネルト電極16と陽極17とで電子銃を構成している。
この他に、陰極11と第2集束コイル132との間には、図示を省略する偏向コイルを備えており、電子ビームBの照射を偏向する。そして、この偏向コイルに電流を流すことで磁界を発生させて偏向を行う。偏向コイルの配設箇所や、配設個数については特に限定されず、陰極11と第2集束コイル132との間であれば、電子ビームBの照射状況に応じて適宜変更することができる。
次に、中間クロスオーバが形成されたときにおいて各段の集束コイル13の励起強度をそれぞれ変えたときの陰極からの電子ビームの照射状態について、図2を参照して説明する。実際には、電子ビームBはアパーチャ15の絞り孔14を通って絞られるが、アパーチャ15を備えた場合でも、備えない場合でも、電子ビームBの焦点距離は変わらないので、図2および後述する図3、図4では絞り孔14やアパーチャ15の図示を省略する。なお、図2の各図では、ターゲット12上に焦点が常に位置するように各段の集束コイル13はコントローラ32に操作されている。
もし、第1、第2集束コイル131,132の間で結像されていれば、すなわち中間クロスオーバCが形成されていれば、図2(a)に示すような状態となる。この場合には、コントローラ32は第1レンズ電源311を介して第1集束コイル131を操作する。具体的には、中間クロスオーバCが形成されているときの電流よりも小さくする、すなわち第1集束コイル131の励起強度を小さくするように第1集束コイル131を操作する。すると、第1集束コイル131の励起強度が小さくなることで第1集束コイル131に対して焦点距離が長くなり、それに伴って中間クロスオーバCは、図2(b)に示すように第2集束コイル132側に移動する。なお、ターゲット12上に焦点が常に位置するように、中間クロスオーバCの移動に伴って、コントローラ32は第2レンズ電源312を介して、第2集束コイル132を操作する。
図2(b)に示すように、中間クロスオーバCが形成されている場合には、コントローラ32は第1レンズ電源311を介して第1集束コイル131を操作する。具体的には、図2(b)に示す中間クロスオーバCが形成されているときの電流よりも小さくする、すなわち第1集束コイル131の励起強度を小さくするように第1集束コイル131を操作する。すると、中間クロスオーバCは第2集束コイル132側にさらに移動し、最終的には、図2(c)に示すように中間クロスオーバCが形成されなくなる。すなわち、第1、第2集束コイル131,132間に電子ビームBが結像しなくなる。
なお、電子ビームBの量や第1、第2集束コイル131,132間の距離や陰極11・第1集束コイル131の間の距離や第2集束コイル132・ターゲット12間の距離などによって励起強度は変化するので、第1集束コイル131の励起強度を先ず変更してから、ターゲット12上に焦点が合うように第2集束コイル132の励起強度を変更すると、各段の集束コイル13の操作および電子ビームBの集束の制御が行いやすい。もちろん、第2集束コイル132の励起強度を先ず変更してから、ターゲット12上に焦点が合うように第1集束コイル131の励起強度を変更してもよい。
また、図2(c)に示すような状態から、第1集束コイル131の励起強度を小さくするように第1集束コイル131を操作すると、図3に示すように、第1、第2集束コイル131,132間において電子ビームBの照射角の開きが平行になる。
上述した場合では、中間クロスオーバCが形成されたときから、中間クロスオーバCが形成されなくなるまでの照射状態を説明するために図2を用いて説明したが、実際には、照射する場合においては、中間クロスオーバCを形成せずに図4のように操作する。
第1レンズ電源311を介して、第1集束コイル131の励起強度を0にする、すなわち第1集束コイル131に流す電流を0にするように、コントローラ32は第1集束コイル131を操作する。すると、図4(a)に示すような状態となる。この場合には、レンズ系倍率も最小となり、ターゲット12上に到達する電子ビームBの量も最少である。第1集束コイル131の励起強度を連続的に増大させると、図4(b)に示すような状態となる。このとき、ターゲット12上に焦点が常に位置するように、コントローラ32は第2レンズ電源312を介して、第2集束コイル132を操作する。
そして、第1集束コイル131の励起強度を所定の閾値以下に制限しつつ、第1集束コイル131の励起強度をさらに増大させれば、図4(c)に示すように、中間クロスオーバが形成されることがない。なお、高分解能/中分解能を選択する場合においては、第1集束コイル131の励起強度を所定の閾値以下に制限した状態で、各段の集束コイル13の励起強度、すなわちレンズ系倍率を調整するように操作すればよい。
以上のように構成されたX線管1とレンズ電源31とコントローラ32とからなるX線発生装置によれば、陰極11から発生した電子ビームBはターゲット12に衝突してX線が発生するまでに、各段の集束コイル13によって集束しながらターゲット12に向かう。このとき、コントローラ32は、第1、第2集束コイル131,132の間に電子ビームBが結像しないように、すなわち中間クロスオーバCが形成されないように各段の集束コイル13を操作することで、結像することなく陰極11からターゲット12に電子ビームBは向かう。したがって、陰極11からターゲット12にわたって、電子ビームB中の電子同士の平均相対距離は常に十分に長くなり、クーロン相互作用による影響を小さくすることができる。
また、X線管1を備えたX線撮像装置によれば、このクーロン相互作用による影響を小さくすることで、ターゲット12上の電子ビームBの径を小さくすることができて、ビームぼけを防止することができるとともに、このビームぼけによるX線画像の劣化を防止することができる。また、2つの第1、第2集束コイル131,132を備えているので、クーロン相互作用による影響を小さくしつつ、複数種類の分解能を選択することができ、様々な撮像を行うことができる。
なお、本実施例では、陰極11として消耗や切断に強い単結晶あるいは焼結体のチップを用いており、このチップはタングステンで形成されたフィラメントよりも高輝度を実現することができる。したがって、中間クロスオーバが形成される場合では、クーロン相互作用が大きくなるが、この発明では、そのクーロン相互作用による影響を小さくすることができる。したがって、この発明では、かかるチップを陰極11として用いる場合において、特に有用である。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、非破壊検査機器などの工業用装置を例に採ってX線撮像装置を説明したが、この発明は、X線診断装置などの医用装置にも適用することができる。
(2)上述した実施例では、電子源として、消耗や切断に強い単結晶あるいは焼結体のチップを用いたが、タングステンで形成されたフィラメントを用いてもよい。
(3)上述した実施例では、集束コイル13はいわゆる2段式であったが、3段以上であってもよい。
(4)上述した実施例では、各集束手段(実施例では集束コイル13)の間に結像しないように各集束手段を操作するのであれば、図3、図4(c)に示すように電子ビームBの照射角の開きが平行になるように操作してもよいし、図2(c)に示すように電子ビームBが絞り込まれるように操作してもよいし、図4(b)に示すように電子ビームBが開くように操作してもよい。
実施例に係るX線管の構成を示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、中間クロスオーバが形成されたときにおいてX線管の各段の集束コイルの励起強度をそれぞれ変えたときの陰極からの電子ビームの照射状態を示す概略図である。 中間クロスオーバを形成しなかったときの電子ビームの照射状態を示す概略図である。 (a)〜(c)は、通常の操作においてX線管の各段の集束コイルの励起強度をそれぞれ変えたときの陰極からの電子ビームの照射状態を示す概略図である。
符号の説明
1 … X線管
2 … X線検出器
11 … 陰極
12 … ターゲット
13 … 集束コイル
131 … 第1集束コイル
132 … 第2集束コイル
31 … レンズ電源
311 … 第1レンズ電源
312 … 第2レンズ電源
32 … コントローラ
C … 中間クロスオーバ
B … 電子ビーム

Claims (2)

  1. 電子ビームを発生させる電子源と、前記電子源に対向配置され、電子源からの電子ビームの衝突によりX線を発生させるターゲットと、電子源と前記ターゲットとの間に配置され、電子ビームを集束させる複数の集束手段とを備えたX線発生装置であって、前記集束手段を操作することで電子ビームの集束を制御する制御手段を備え、その制御手段は、隣接する各集束手段の間に電子ビームが結像しないように各集束手段を操作することを特徴とするX線発生装置。
  2. 複数の集束手段により電子ビームを集束させて、電子ビームのターゲットへの衝突によりX線を発生させる際に、それらの集束手段を操作することで電子ビームの集束を制御する電子ビーム制御方法であって、隣接する各集束手段の間に電子ビームが結像しないように各集束手段を操作することを特徴とする電子ビーム制御方法。
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