JP2005330630A - タイヤコード及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 2本のコードを簡易な方法によって形成される接合部を介して簡単に、短時間に接続し、ダイス工程等を持つ製造ラインにおいて円滑にコードを通過せしめることができる長尺のタイヤコードを提供する。
【解決手段】 2本のコード11,12が接合部13を介して接続されたタイヤコード1であって、コード端部11a,12aが突き合わせ状に配され、該突き合わせ部14を含むコード外周部が熱収縮性フィルム2を熱収縮させて密着状態に被われ前記接合部13を形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】 2本のコード11,12が接合部13を介して接続されたタイヤコード1であって、コード端部11a,12aが突き合わせ状に配され、該突き合わせ部14を含むコード外周部が熱収縮性フィルム2を熱収縮させて密着状態に被われ前記接合部13を形成する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、2本のコード端部同士を接続して得られるタイヤコード、及びそのタイヤコードを用いた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのカーカス層やベルト層の補強材として緯糸を用いずにタイヤコードを引き揃えゴム被覆したものを使用しタイヤの軽量化やユニフォミティーを向上すること、またベルト補強層等の補強材として長尺のシングルコードを用いてタイヤ周方向で補強部材間にジョイントを生じさせない構造にすることが行われている。
このような用途に用いる長尺のタイヤコードを得るためには、2本のコード端部を機械的に結ぶノット法や、旋回空気流を利用し撚り掛けるエアージョイント法等により短尺のコードを継ぎ合わせる、また、糸端部を重ね合わせて撚を加えると共に接着剤で接着し長尺化することが知られている(特許文献1,2)。
また、コード接合部のコード径をコード本体並みに維持して、ダイス工程等でのコード切れ等を防いで円滑に工程を通過させるようにした糸繋ぎ方法が種々提案されている(特許文献3,4)。
特開2002−362836号公報
特開平11−256455号公報
特開2003−247129号公報
特開2003−301340号公報
シングルのタイヤコードを引き揃えゴム被覆された緯糸なしの補強材を作製するには、例えば、多数のコードを櫛状の筬や口金に設けたハーモニカ状のダイス穴に通す等の手段で一定のピッチに配列させ押出機やカレンダー装置に供給してゴムをトッピングすることにより、経糸のみからなる長尺のトッピングシートを得ることができ、タイヤの補強材として好適に使用することができる。
しかしながら、短尺のコードを繋ぎ合わせて長尺化した前記のタイヤコードにはコード接合部が所々に存在しており、これを前記のように押出機等のトッピング工程に供給した場合、コードから突出した結び目やフィラメント、或いはコード本体部より大きい径の接合部が筬やダイス穴に引っ掛かったり、接続強度の不足からトッピング中にコードが破断することがある。
一旦、コード破断のようなトラブルが起こると押出機の口金部を分解し、コードを再配列して筬やダイス穴に通し直すという人手と時間を要する煩雑な作業を必要とし、また、ノットセンサによってコード中の接合部を検出することもできるが、この場合はコード破断が生じないように運転を制御してトッピング加工を行うため、低速運転による手間や作業効率の低下、さらには低速運転中のコードピッチの乱れやゴム厚みの変化などトッピング精度の低下を招くという問題がある。
また、上記トッピングシートをタイヤ補強材に使用する場合、コードの接合部の強度不足や結び目等の突出部がタイヤ性能に悪影響を及ぼすおそれがあることから接合部を除去して使用する必要があり、その工数増加や材料損失の要因となっている。
本発明は、主として空気入りタイヤの補強材に用いられるシングルタイヤコードであって、2本のコードを簡易な方法によって形成される接合部を介して簡単に、短時間に接続し、限られた径を有するダイス工程等を持つ製造ラインにおいて、接続されているタイヤコードを工程内でコード切れ等を起こさずに円滑に通過せしめることができる長尺のタイヤコード、及びそのタイヤコードを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、2本のコードが接合部を介して接続されたタイヤコードであって、コード端部が突き合わせ状に配され、該突き合わせ部を含むコード外周部が合成樹脂フィルムによって密着状態に被われ前記接合部を形成していることを特徴とするタイヤコードである。
請求項2の発明は、請求項1のタイヤコードにおいて、前記合成樹脂フィルムが熱収縮性フィルムからなり、該熱収縮性フィルムを熱収縮させて前記接合部を形成することを特徴とする。
本発明のタイヤコードによれば、熟練を要さない簡易な方法で短時間に接合部を形成して2本のコードを接続した連続するタイヤコードを容易に得ることができる。この接合部がフィルム内に収納されて接合部の強度と径を維持することで、ゴム押出機やカレンダー装置等を用いたトッピング加工時のコード破断などの工程トラブルを防止して連続運転を可能とし、さらにコード端部での接続を繰り返すことで、無限長さのタイヤコードを容易に得ることができるようになる。
このコード接合部の形成は、コード端部の撚りを戻したりフィラメントに解すような面倒な作業を不用とし、また特別な糸繋ぎ設備や装置を要さずに鋏や熱収縮のための簡易な加熱装置を用いて手作業でも容易に実施することができるので、タイヤコードを材料として処理する準備過程での全ての工程においてコードの接続作業が可能となる。
請求項3の発明は、前記合成樹脂フィルムの厚みが10〜100μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤコードであり、接合部の形状安定性と接続強度を確保することができる。厚みが10μm未満であると、フィルムの強度が低く接続強度の確保が困難となり、100μmを越えると熱収縮性が低下し外形形状が不安定となって外径が大きくなったり凹凸状を呈し、また密着性が悪くなりコードの撚り目にフィルムが食い込まず十分な接続強度が得られなくなる。
請求項4の発明は、前記合成樹脂フィルムが被うコード軸方向長さが、前記突き合わせ部の片側においてコード径の5〜50倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤコードである。
これにより、コード突き合わせ部の両側部分でフィルムがコード外周に沿って密着し、かつ撚り目に食い込む投錨効果を発揮して接続強度を確保するとともに、突き合わせ部にフィルムを巻き付ける作業性を損なわず短時間でのコード接続を可能とすることができる。
請求項5の発明は、前記接合部の引張り強さが本体コードの引張り強さの60%以上であり、その外径が本体コード径の0.9〜1.1倍であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤコードである。
接合部の引張り強さを本体コードの引張り強さの60%以上、好ましくは70%以上とすることで、トッピング加工時の口金やダイス穴への引っ掛かりやコードテンションによるコード破断を防ぐと共に、接合部がそのままタイヤ中に含まれても補強性を低下させることがない。また、接合部の外径を制限することで、接合部がトッピング加工時に筬やダイス穴に引っ掛かったり詰まったり、コード供給ロールの溝付きロールからの脱線などの不具合を防止してスムーズに工程通過することができ、コード破断などのトラブル発生時の煩雑な作業を解放して加工効率を向上し、また、トッピングシート表面に接合部の膨らみや凹みを生じることがなく、シートの外観を良好にするだけでなくユニフォミティーなどタイヤ性能を向上することができる。
請求項6の発明は、前記コード端同士の突き合わせ部に接着剤が付与され接着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤコードであり、突き合わせ部を安定させることでフィルムの巻き付け作業を容易にして作業性や巻き付け精度を向上し、接続強度を安定させることができる。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤコードで用いたことを特徴とする空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤによれば、コード接合部がタイヤ中に含まれても接合部が異物化することがなく、ユニフォミティーの向上やシートの薄肉化によるタイヤ軽量化に寄与することができる。
この発明のタイヤコードによれば、限られた径を有するダイス工程等を持つ製造ラインにおいて、接続されているタイヤコードを工程内でコード切れ等を起こさずに円滑に通過せしめることができる長尺のタイヤコードが容易に得られ、さらにコード端部での接続を繰り返すことで無限長さのタイヤコードを得ることもできる。これにより、押出機やカレンダー装置を用いたシングルコードのトッピング加工において、コード破断などのトラブル発生を防止して連続運転を可能とし、緯糸無しのトッピングシートの生産効率を著しく向上する。
また、本発明の空気入りタイヤは、ユニフォミティーの向上や軽量化に寄与するものとなる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は本発明の実施形態に係るタイヤコード1と、その接続方法の1例を示すものである。
図に示すタイヤコード1は、ポリエステル、ナイロン、アラミド、レーヨンなど各種有機繊維の多数のフィラメントからなるフィラメント束に下撚を施して下撚糸を形成し、この下撚糸の複数本に上撚を施して構成された、いわゆる2本撚コードや3本撚コードと呼ばれる1100dtex/2、1670dtex/2、1670dtex/3等で表されるもので、RFL処理等の接着剤処理と熱処理が施された処理済みコードである。
ここで、図に示すタイヤコード1は、2本撚構造(例えば、1670dtex/2)のタイヤコードであり、2本のコード11,12が接合部13を介して接続され1本の連続したコードとなる。
タイヤコード1は、2本のコード11,12の両コード端部11a,12aを突き合わせて突き合わせ部14を形成し、突き合わせ部14を中心にコード軸方向にその外周部を熱収縮性フィルム2で包囲された接合部13を介して1本の連続したタイヤコードに接続されたものである。
すなわち、図2に示すように、突き合わせ部14を中心にコード軸方向の両側外周部が熱収縮性フィルム2で巻き付けられた接合部13を形成し、このフィルム2を周囲から加熱し熱収縮させることで図3に示すようにフィルム2がコードの外周部に沿って密着し、さらにフィルム2がコード1の撚り目に食い込み投錨効果を発揮して強固にコード11,12を接続することができ、さらに接合部13がフィルム2内に収容されるので突き合わせ部14の段差やフィラメントのひげ状飛び出しを防止してコード1の工程通過性を良好に維持するものとなる。
この突き合わせ部14を形成するコード11,12の両コード端部11a,12aは、図4に示すようにコード軸に対し傾斜して切断された端部11b、12b(図4(a))、また端部がフィラメントに解れているもの11c、12c(同(b))であってもよい。
熱収縮性フィルム2としては、熱可塑性樹脂からなるフィルムが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル樹脂、ナイロン6や66などのポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が使用できる。
このフィルム2の厚みは、10〜100μmの範囲であり、熱収縮を素速くして接合部13の形状安定性を良好にして接合部の外径のバラツキを防ぎ、接続強度を確保することができる。この厚みが10μm未満であると、フィルムの強度が低く接続強度を確保するためにフィルム2を幾重にも巻き付けることで作業性が低下するとともに形状も不安定となり、100μmを越えると熱収縮性が低下し接合部13の外形形状が不安定となって外径が大きくなり、またコード1の撚り目にフィルムが食い込み難くなり十分な接続強度が得られなくなる。
本発明において、突き合わせ部14の外周部を熱収縮性フィルム2で包囲する方法としては、何ら制限を受けることはなく、図5に示すように突き合わせ部14(予め接着剤を付与しておいてもよい)を中心にコード1の軸方向に沿ってシート状フィルム2aを巻き付けるもの、図6に示すようにリボン状フィルム2bを片辺をオーバーラップさせながら巻き付けるもの、図7に示すように筒状フィルム2cの両側からコード11,12を挿入して端部11a,12aを突き合わせ状としてフィルムを熱収縮させ接合部13を形成する方法などが挙げられる。このフィルム2の巻き付け時には、フィルム2を接着剤で接合部13に固定しておいてもよく、フィルム2の巻き付け作業を向上することができる。
上記接合部13の長さは、突き合わせ部14の片側においてコード径の5〜50倍であることが好ましく、その長さはコードの材質、撚りの形態、径などのコード構造とフィルムの材質、厚み、形状、加熱方式などにより、接続強度と作業性を考慮し適宜決定することができ、また接合部13へのフィルム2の巻き付け回数も同様にして決めればよい。
これにより、コード突き合わせ部14の両側部分でフィルム2がコード1外周に密着し、かつ撚り目に食い込んで投錨効果を発揮し接続強度を確保するとともに、突き合わせ部14にフィルム2を装着する作業性を損なわず短時間でコード1の接続を可能とする。
本発明において、フィルム2を熱収縮させる方法は特に制限されることはない。例えば、接合部13の周囲から熱風を吹き付ける、電熱ヒータで加熱する、予熱した溝付きモールドの溝に通す、赤外線や超音波を照射するなどの加熱方法が採用され、均一にフィルム2が収縮するものであればよい。
また、本発明では、前記コード端11a,12a同士の突き合わせ部14に、接着剤が付与され予め突き合わせ部14が接着されていることが好ましい。これにより、突き合わせ部14を安定な状態に保持してフィルム2の巻き付けなどの作業が容易となり、作業性を向上するとともにフィルム2の巻き付け精度を向上し接合部13の形状や接続強度を安定化させることができる。
この接着剤としては、特に制限されることはないが、溶液型の速乾性接着剤が好ましく、例えばポリ酢酸ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリル酸エステル系等の接着剤が挙げられる。特に接着速度が速く、常温で短時間に簡単な作業で強度の高い接着力が得られることから、シアノアクリレート系の接着剤を使用するのが好ましい。
また、上記接合部13の引張り強さは、本体コードの引張り強さの60%以上、好ましくは70%以上を確保することで、トッピング加工時の引っ掛かりやコードテンションなどによるコード破断を防ぐことができ、コード接合部13の耐久性が十分ならそのまま製品タイヤに組み込まれてもよく、耐久性が不十分な場合は接合部13を除去し使用すればよい。なお、この接合部13のタイヤ中への使用可否は、カーカスなどの強度部材としての用途、ベルト補強層などの剛性部材としての用途や部位により判断すればよい。
さらに、接合部13の外径は、本体コード径の0.9〜1.1倍であり、好ましくは0.95〜1.05倍である。接合部13の外径を1.1倍以下に制限することで、接合部13がトッピング加工時に筬やダイス穴に引っ掛かったり詰まったりして破断することなくスムーズに工程を通過することができ、コードの破断などのトラブル発生時の煩雑な作業を解放して加工効率を向上する。また、外径を上記範囲とすることで、トッピングシート表面に接合部の膨らみや凹みを生じることがなく、シートの外観を良好にするだけでなくユニフォミティーなどタイヤ性能を向上することができる。
なお、接合部13のフィルム2外周部には、ゴムとの接着性を保持にするため、RFL処理液などの接着剤を塗布しておくことが好ましい。
このようにして得られたタイヤコード1は、この接続を繰り返すことでさらにコードは長尺化され、無限長さのタイヤコードとすることも可能であり、押出機などを用いたトッピング工程においてコード破断などのトラブル発生を防いで空気入りタイヤの補強材として好適に用いることができるようになる。
この長尺のタイヤコードは、長さの不揃いなシングルコードを接続して得られるが、元コードとしては、シングルコード処理機によるもの、コードセッターを用いて複数本のコードを同時に処理したもの、処理済みすだれ織物から取り出したシングルコード等の処理済みコードを用いることができ、また、処理済みすだれ織物の隣接する経糸の端部に上記接合部を形成しすだれ織物中のタイヤコードを連続化し後、長尺のタイヤコードを織物端部から取り出すこともできる。また、未処理のすだれ織物の経糸端部に接合部を形成して経糸同士を連続化した後、接着処理を行ってシングルのタイヤコードを取り出すこともできる。
また、上記接合部13の形成は、タイヤコードを材料として処理する準備過程での全ての工程において実施することができる。例えば、シングルコード処理機やコードセッターにより処理された後のシングルコードを順次接続する、処理済みすだれ織物から取り出したシングルコードを接続しボビンやリールに巻き取り使用することができ、又、トッピング装置のクリールスタンドで接続する、コード送り出し途中で短尺コードを接続し直接トッピング装置に供給する等の各段階で接続作業を実施することができる。また、未処理コードの段階で接続した後、処理を行ったものでもよい。
上記の接合部13を含む長尺のタイヤコード1は、口金に開口したダイス穴や筬に通す等の手段で所定のピッチで複数本を配列させて、押出機やカレンダー装置に供給しゴムをトッピングすることにより、加工中にコード破断やカレンダーのロール溝からの脱線などの工程トラブルを発生することなく緯糸を有さない長尺のトッピングシートを得ることができる。
このトッピングシートは、例えば、図8に示す空気入りタイヤ7のカーカス層71やベルト層72或いはベルト補強層74やベルト端部補強層75、サイド補強層73などに、緯糸による弊害を解消したタイヤ補強材として好適に使用することができ、従来の簾織物による経糸と緯糸との織り目による段差を無くしてトッピングシートの薄肉化を図りタイヤの軽量化やコスト低減に寄与することができる。
また、タイヤコード1は、そのままタイヤ成型工程でタイヤ周方向にほぼ0°の角度でスパイラル状に巻付け、その上にトレッドやサイドのゴムを被覆して加硫一体化することにより、タイヤ周方向でジョイント部を生じさせない、例えばベルト補強層74やベルト端部補強層75、サイド補強層73などの補強コードとして使用することができる。
そして、前記トッピングシートやシングルコードをタイヤ補強材として使用する場合、コード接合部13の強度や外径が所定の範囲に確保され耐久性が十分であれば、接合部13部分を除去することなく使用でき、タイヤ製造工数増や材料の損失を生じることなく空気入りタイヤを製造することができる。
以下に実施例によって本発明を更に説明するが、本発明をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
ポリエステル1670dtex/2の処理済みタイヤコード(撚り数38×38回/10cm、コード径0.65mm)を用いて下記の接続方法に従い接合部を形成した実施例と各比較例のコードを作成し、接続に要した作業時間、接合部の外径(最大径)及び引張り強さをJIS L1017に準拠し測定した。作業時間は実施例を100とし、外径及び引張り強さは比較例4を100とする指数表示で表1に示した。
[接続方法]
・実施例1:図7に示す筒状フィルム(ポリエチレンテレフタレート、厚み25μm、径1.0mm、長さ20mm)を用いてコード突き合わせ部を中心に包囲し、熱風送風機(吹き出し温度150℃)でフィルムを収縮させコード外周部に密着する接合部を形成した。
・実施例2:コード突き合わせ部にシアノアクリレート系1液型の瞬間接着剤(東亜合成(株)製、アロンアルファ201)を付与して接着し、実施例1と同様のフィルムを用いてコード外周部に密着する接合部を形成した。
・実施例1:図7に示す筒状フィルム(ポリエチレンテレフタレート、厚み25μm、径1.0mm、長さ20mm)を用いてコード突き合わせ部を中心に包囲し、熱風送風機(吹き出し温度150℃)でフィルムを収縮させコード外周部に密着する接合部を形成した。
・実施例2:コード突き合わせ部にシアノアクリレート系1液型の瞬間接着剤(東亜合成(株)製、アロンアルファ201)を付与して接着し、実施例1と同様のフィルムを用いてコード外周部に密着する接合部を形成した。
・比較例1:コード両端部を長さ20mm幅に重ね合わせ、重ね合わせ部を150℃の溝付きモールド内で圧着し、溶着による接合部を形成した。
・比較例2:コード突き合わせ部にシアノアクリレート系1液型の瞬間接着剤(東亜合成(株)製、アロンアルファ201)を付与し、接着による接合部を形成した。
・比較例3:コード端部のそれぞれ15mm長さをフィラメントに解し、エアージョイント法により接合部を形成した。
・比較例4:接合部を含まない本体コードである。
・比較例2:コード突き合わせ部にシアノアクリレート系1液型の瞬間接着剤(東亜合成(株)製、アロンアルファ201)を付与し、接着による接合部を形成した。
・比較例3:コード端部のそれぞれ15mm長さをフィラメントに解し、エアージョイント法により接合部を形成した。
・比較例4:接合部を含まない本体コードである。
次に、平均200m毎に接合部を含む実施例と各比較例のコードを用いて、図9の押出機ヘッドの内部9の概略図に示すように、多数本のコード91を一定ピッチで配列するためのコードを挿通するハーモニカ状のダイス穴95を有する口金93と、トッピングシートのゴム厚みを決める口金92、及びトッピングゴムを供給する押出機(図示せず)を備えたトッピング装置を使用し、コード打ち込み密度23本/25mm、トッピング厚み1.1mm、シート幅10cmのトッピングシート94に加工した。
上記工程における各コードの口金のダイス穴95(穴径0.8mm)通過時の工程性を評価した。コード破断の発生が無く工程通過性に問題無しを「○」、コード破断の発生は無いが、接合部通過時にコード振れが発生しトッピングシートに部分的なエンド数乱れを生じ工程通過性に若干の問題ありを「△」、コード破断が多発し使用不可であるを「×」として表1に示した。
さらに、平均200m毎に接合部を含む実施例と各比較例のコードを用い、グリーンタイヤ(サイズ、205/60R15)の2次成型機でタイヤ周方向にスパイラル状にシングルコードを巻付けて図8に示すベルト補強層74を形成する工程において、ベルト上にシングルコード供給する溝付きロールの通過性を評価した。なお、ロールの溝形状は、断面V字形状、溝最大幅0.9mm、溝深さ0.3mm、ロール外径150mm、コードテンションは300gである。
各コードの溝付きロール通過時の工程性を、溝からのコード脱線の発生が無く工程通過性に問題無しを「○」、コード脱線の発生は無いが、接合部通過時にコード振れが発生しベルト補強層に部分的なエンド数乱れを生じ工程通過性に若干の問題ありを「△」、コード脱線が多発し使用不可であるを「×」として表1に示した。
実施例1,2のコード接合部は、本体コードの60%以上の引張り強さと所定範囲内の外径を有して工程性に何ら問題を起こさず工程通過性が良好である。これに対して、比較例1と比較例2では接合部の強度不足により口金の穴を通過時にコード破断が多発し、比較例3は接合部が口金の穴に引っ掛かりコードの振れによるエンド乱れを発生した。また、比較例3のコードは接合部の外径が大きく溝付きロールからの脱線が多発して工程通過性が劣る。本発明にかかる接合部を形成した実施例のコードは作業時間を短時間にして接合部を形成し、かつ工程通過性に優れていることが分かる。
この発明のタイヤコードは、シングルコードとして単独で、或いは押出機などのトッピング装置により緯糸無しトッピングシートを効率よく製造して空気入りタイヤのカーカス、ベルト、ベルト補強層、サイドウォール等の各部位の補強材として使用することができる。また、タイヤ以外の工業用品や車両用部品等、例えばVベルトやコンベアベルト、空気バネ、自動車用フレキシブルカップリングなどの補強材としても利用できる。
1,11,12……タイヤコード
2……熱収縮性フィルム
13……接合部
14……突き合わせ部
2……熱収縮性フィルム
13……接合部
14……突き合わせ部
Claims (7)
- 2本のコードが接合部を介して接続されたタイヤコードであって、
コード端部が突き合わせ状に配され、該突き合わせ部を含むコード外周部が合成樹脂フィルムによって密着状態に被われ前記接合部を形成している
ことを特徴とするタイヤコード。 - 前記合成樹脂フィルムが熱収縮性フィルムからなり、該熱収縮性フィルムを熱収縮させて前記接合部を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤコード。 - 前記合成樹脂フィルムの厚みが10〜100μmである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤコード。 - 前記合成樹脂フィルムが被うコード軸方向長さが、前記突き合わせ部の片側においてコード径の5〜50倍である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤコード。 - 前記接合部の引張り強さが本体コードの引張り強さの60%以上であり、その外径が本体コード径の0.9〜1.1倍である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤコード。 - 前記コード端同士の突き合わせ部に接着剤が付与され接着されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤコード。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤコードを用いた
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
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2004
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Legal Events
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