JP2005330616A - 玉虫様色調を有する織物 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な制約で一般的な構造をもつ織物に限らず通常の変化織物にも適用でき、しかも美しい玉虫様の色調が得られる普遍性に富んだ織物を提供する。
【解決手段】経糸及び緯糸に異色の糸条が使われた玉虫様色調を有する織物である。経糸及び緯糸のいずれか一方の糸条太さを、経糸及び緯糸のいずれか他方の糸条太さよりも細くする。また、前記一方の細い経糸又は緯糸の単位面積当たりの本数を、他方の経糸又は緯糸の単位面積当たりの本数よりも多く設定する。好ましくは、前記経糸の太さを160〜330Tとし、1mm2 当たりの経糸の本数を4.4〜6.1本、1mm2 当たりの緯糸の本数を3.30〜4.3本とする。
【選択図】なし
【解決手段】経糸及び緯糸に異色の糸条が使われた玉虫様色調を有する織物である。経糸及び緯糸のいずれか一方の糸条太さを、経糸及び緯糸のいずれか他方の糸条太さよりも細くする。また、前記一方の細い経糸又は緯糸の単位面積当たりの本数を、他方の経糸又は緯糸の単位面積当たりの本数よりも多く設定する。好ましくは、前記経糸の太さを160〜330Tとし、1mm2 当たりの経糸の本数を4.4〜6.1本、1mm2 当たりの緯糸の本数を3.30〜4.3本とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、織物構造に関わらず見る角度で色調が連続的に大きく変化する玉虫様色調を有する織物に関する。
従来も、見る角度により玉虫様に色調変化する織物が古くから知られている。この玉虫様に色調変化をもたらす織物の例には、古くは1色の糸条と2色の糸条とを経糸と緯糸に使って織物を作ると玉虫様に色調変化することが知られており、或いは経糸と緯糸に例えば赤と緑のような反対色の色調をもつ糸を使った平織構造や綾織構造が玉虫様の色調変化をすることが知られている。しかしながら、織物に玉虫様の色調変化をもたらすための基本原理については様々な説があり、未だに解明されていないのが実状である。
そのため、従来も玉虫様に色調が変化する織物については数多く提案されてきているが、いずれも、その色調の発現原理を同じくするものはない。例えば、特開昭49−117764号公報(特許文献1)では、経糸又は緯糸の一方に3本の異なる色糸を用いる場合には、1番目の色糸を3本以上は織物表面に隣接して配することなく、織物表面に表出する同色糸に隣接させて2番目の色糸を配するとともに、織物裏面には3番目の色糸を表出して配しており、しかも織物表面に表出する1番目の色糸は、同じく織物表面に表出する2番目の色糸と織物裏面に表出する3番目の色糸との中間色としている。経糸又は緯糸の一方に4本の異なる色糸を用いる場合には、4番目の色糸を1番目の色糸に隣接して配さないようにしている。
また、例えば特開昭56−43491号公報(特許文献2)によれば、フィラメント糸条の三次元的軸ねじれ又は長手方向の太さ斑により形成された織物の表面裏面とを異なる色相乃至濃淡差をもって染め分けられている。この特許文献2に挙げられている三次元的軸ねじれ又は長手方向の太さ斑による凹凸面の形成例としては、デシン又はジョーゼット調縮み織構造であり、フィラメント糸条として強撚糸やスラブヤーンを用いることが好ましいとしている。
更に、例えば特許第3463167号公報(特許文献3)では、異色に染着された紡績糸又はマルチフィラメントヤーンで構成された玉虫様色彩を呈する織物の組織点において、経糸は2本の糸が並列配置されて緯糸との間で同一組織に反復して繰り返され、前記2本の糸の組に使用する二色の色の色相差が60〜120であって、その組み合わせがHSV法による50〜100の彩度であって且つ80〜100の明度を有し、シアンと黄、シアンとマゼンタ、黄とマゼンタ、緑と黄、緑とシアン、青とマゼンタ、赤と黄の組からなり、緯糸には任意の色相が付されている。
特開昭49−117764号公報
特開昭56−43491号公報
特許第3463167号公報
上記特許文献1〜3の記載からも理解できるように、従来の玉虫様色調を発現する織物にあっては、それぞれに異なる発現手法が採用されている。しかして、これらの文献では織物構造(織り組織)が特定され、或いは使用糸条の種類や色使いなどが規定されており、汎用性ある織物構造、或いは特定の色使いや糸使いが要求されており、様々な制約がなされている。
本発明は、簡単な制約で一般的な構造をもつ織物に限らず通常の変化織物にも適用でき、しかも美しい玉虫様の色調が得られる普遍性に富んだ織物を提供することを目的としている。
本発明は、簡単な制約で一般的な構造をもつ織物に限らず通常の変化織物にも適用でき、しかも美しい玉虫様の色調が得られる普遍性に富んだ織物を提供することを目的としている。
本発明等は、かかる目的を達成すべく多様な実験を重ねた結果、以下に述べる簡単条件を満たすかぎり、通常の紡績糸やフィラメントヤーンを用いて、平織り、綾織り、変化織りなどの一般的な織り組織にて織成することによって容易に美しい玉虫様の色調をもつ織物が得られることを知った。
すなわち、本発明における基本構成は、経糸及び緯糸に異色の糸条が使われた玉虫様色調を有する織物であって、経糸及び緯糸のいずれか一方が、経糸及び緯糸のいずれか他方よりも細いことを特徴としている。
また、一方の細い経糸又は緯糸の単位面積当たりの本数は、他方の経糸又は緯糸の単位面積当たりの本数よりも多く設定されることが好ましい。
また、一方の細い経糸又は緯糸の単位面積当たりの本数は、他方の経糸又は緯糸の単位面積当たりの本数よりも多く設定されることが好ましい。
特に、例えばスライドファスナーやスナップファスナーなどの固定用テープ、或いは手提げバッグ用ストラップなどの手提げ用テープに使われる織物にあっては、経糸を緯糸よりも細くし、その経糸の太さを160〜330T(デシテックス)とし、1mm2 当たりの経糸の本数を4.4〜6.1本、1mm2 当たりの緯糸の本数が3.3〜4.3本とすることが好ましく、前記緯糸は引き揃えられた2本の糸条から構成され、その2本の構成糸条を同一色とする一方で、前記経糸と緯糸とが反対色に彩色されていることが望ましい。
同一の太さの経糸と緯糸とを使って織物を織成すると、通常はその交点において経糸のクリンプの大きさ(波形状に屈曲する糸条の最下点と最上点との間の高さの差)は緯糸のクリンプの大きさよりも大きくなり、織物の表裏面には経糸が大きく屈曲して表出する部分が大きくなる。その結果、織物の表裏面に緯糸があまり表出しなくなり、経糸の色が顕在化することになる。
これに対して、本発明の上記基本構成を採用することにより、織物の表裏面に経糸と緯糸とがバランスよく表出するようになり、正面から見ると細い経糸又は緯糸の色が現出し、左右幅方向から斜めに見ると、その角度が左右に90°と大きくなるに従って太い緯糸又は経糸の色へと移行していく。また、その色の変化は明確であって連続的であり、極めて美しい玉虫様の色調変化をもたらす。このとき経糸及び緯糸の織り密度に差を設けると、更にその色調変化が大きくなる。
上述の用途に使われる織物にあっては、通常、緯糸方向における色調変化が大きいことが好ましい。そのため、本発明では経糸を細く且つ経糸の織り密度を高くし、緯糸を経糸よりも太く且つその緯糸の織り密度を経糸のそれよりも低くして織成する。その際、経糸の太さを160〜330Tとし、1mm2 当たりの経糸の本数を4.4〜6.1本、1mm2 当たりの緯糸の本数が3.3〜4.3本とすることが好ましい。この種の織りテープにあって、通常の経糸の織り密度は1cm当たり36.2本であるのに対して、本発明における前記経糸の密度は1cm当たりに換算すると44.6〜61.5本と極めて高く、緯糸についても同様である。
本発明のこの好ましい態様により、経糸と緯糸との交差点において経糸が大きくクリンプするが、同時に隣合う経糸間隔が小さいことから、正面から見ると緯糸の存在が殆ど意識されず、経糸の色調に支配されている。これを左右方向から斜めに見ていくと、丁度45°のあたりで緯糸の太さが縦糸の太さより太いことから、緯糸の色調が増加し、更に角度を水平に近づけるに連れて経糸の色彩が徐々に弱くなり、緯糸の色調が徐々に強くなる。このように、斜め45°から見たときと正面及び水平方向から見たときとでは全く反対の色調となって見えるようになる。こうした色調の変化を明確にするには、上記緯糸を構成する引き揃えられた2本の糸条を同一色とする。また、前記経糸と緯糸とを赤と緑、青と黄、或いは白と黒などの反対色に彩色しておけば、その色調変化が顕著なものとなる。
以下、本発明の代表的な実施形態である様々な織り構造をもつ実施例を図面をも参照しつつ具体的に説明する。
経糸として、赤色に先染した167Tのポリエステルからなるテクスチャードヤーンを用いるとともに、緯糸には赤色の反対色である緑色に先染した330T×2(660T)の経糸と同じ材質からなるテクスチャードヤーンを用い、いわゆる杉綾織りと呼ばれる斜紋織組織にて織物を織成した。このときの、経糸密度は5.64本/mm2 、緯糸密度は3.31、3.78、4.25本/mm2 の3通りとした。
その結果、全ての織物で十分な玉虫様の色調変化をもつ織物が得られたが、緯糸密度が3.31本/mm2 のときが最も美しい玉虫調の色調変化をもつ鮮やかな織物であった。この実施例から、上記条件では緯糸密度が増加するに従って玉虫様の色調変化が低下することが分かった。
経糸として、赤色に先染した330Tのポリエステルからなるテクスチャードヤーンを用いるとともに、緯糸には赤色の反対色である緑色に先染した165T×2(330T)の経糸と同じ材質からなるテクスチャードヤーンを用い、実施例1と同じ杉綾織りと呼ばれる斜紋織組織にて織物を織成した。このときの、経糸密度及び緯糸密度は同じ3.31本/mm2 とした。
得られた織物では、玉虫様の色調変化が表出せず、極めて色調変化に乏しものであった。
得られた織物では、玉虫様の色調変化が表出せず、極めて色調変化に乏しものであった。
経糸として、赤色に先染した330Tのポリエステルからなるテクスチャードヤーンを用いるとともに、緯糸には赤色の反対色である緑色に先染した330T×2(660T)の経糸と同じ材質からなるテクスチャードヤーンを用い、実施例1と同じ杉綾織りと呼ばれる斜紋織組織にて織物を織成した。このときの、経糸密度は2.82本/mm2 、緯糸密度は実施例1と同じ3.31、3.78、4.25(本/mm2 )の3通りとした。
得られた織物には、玉虫様の色調変化が多少あるものの、いずれもその色調変化に乏しものであった。
得られた織物には、玉虫様の色調変化が多少あるものの、いずれもその色調変化に乏しものであった。
経糸として、赤色に先染した500Tのポリエステルからなるテクスチャードヤーンを用いるとともに、緯糸には赤色の反対色である緑色に先染した330T×2(660T)の経糸と同じ材質からなるテクスチャードヤーンを用い、実施例1と同じ杉綾織りと呼ばれる斜紋織組織にて織物を織成した。このときの、経糸密度は1.91本/mm2 、緯糸密度は実施例1と同じ3.31、3.78、4.25(本/mm2 )の3通りとした。
得られたテープ織物には、玉虫様の色調変化が殆どなく、いずれも極めて色調変化に乏しものであった。
得られたテープ織物には、玉虫様の色調変化が殆どなく、いずれも極めて色調変化に乏しものであった。
経糸として、赤色に先染した330Tのポリエステルからなるテクスチャードヤーンを用いるとともに、緯糸には赤色の反対色である緑色に先染した330T×2(660T)の経糸と同じ材質からなるテクスチャードヤーンを用い、上記実施例1と同様の杉綾織りと呼ばれる斜紋織組織にて織物を織成した。このときの、経糸密度は5.09本/mm2 、緯糸密度を上記実施例1と同様に3.31、3.78、4.25本/mm2 の3通りとした。
その結果、全ての織物で十分に実用に耐える玉虫様の色調変化をもつ織物が得られた。
その結果、全ての織物で十分に実用に耐える玉虫様の色調変化をもつ織物が得られた。
経糸として、赤色に先染した167Tのポリエステルからなるテクスチャードヤーンを用いるとともに、緯糸には赤色の反対色である緑色に先染した330T×2(660T)の経糸と同じ材質からなるテクスチャードヤーンを用い、平織りにて織物を織成した。このときの、経糸密度は4.45本/mm2 、緯糸密度を上記実施例1と同様に3.31、3.78、4.25本/mm2 の3通りとした。
その結果、全ての織物で十分な玉虫様の色調変化をもつ織物が得られた。
その結果、全ての織物で十分な玉虫様の色調変化をもつ織物が得られた。
経糸として、赤色に先染した167Tのポリエステルからなるテクスチャードヤーンを用いるとともに、緯糸には赤色の反対色である緑色に先染した330T×2(660T)の経糸と同じ材質からなるテクスチャードヤーンを用い、いわゆるコンビネーションと呼ばれる変化斜紋織組織にて織物を織成した。このときの、経糸密度は5.64本/mm2 、緯糸密度は上記実施例1と同様に3.31、3.78、4.25本/mm2 の3通りとした。
その結果、経糸及び緯糸の双方が織物表面に表出しやすい織り構造であるにも関わらず、全ての織物で十分な玉虫様の色調変化をもつ織物であった。
その結果、経糸及び緯糸の双方が織物表面に表出しやすい織り構造であるにも関わらず、全ての織物で十分な玉虫様の色調変化をもつ織物であった。
経糸として、赤色に先染した330Tのポリエステルからなるテクスチャードヤーンを用いるとともに、緯糸には赤色の反対色である緑色に先染した330T×2(660T)の経糸と同じ材質からなるテクスチャードヤーンを用い、いわゆるコンビネーションと呼ばれる変化斜紋織組織にて織物を織成した。このときの、経糸密度は2.82本/mm2 、緯糸密度は上記実施例1と同様に3.31、3.78、4.25本/mm2 の3通りとした。
得られた織物は多少は玉虫様に色調変化をするが、その構造から赤色と緑色とが点状に散在し、明確な玉虫様に色調変化をもたらすものではなかった。
得られた織物は多少は玉虫様に色調変化をするが、その構造から赤色と緑色とが点状に散在し、明確な玉虫様に色調変化をもたらすものではなかった。
経糸として、赤色に先染した167Tのポリエステルからなるテクスチャードヤーンを用いるとともに、緯糸には赤色の反対色である緑色に先染した330T×2(660T)の経糸と同じ材質からなるテクスチャードヤーンを用い、いわゆるバスケットと呼ばれる変化斜紋織組織にて織物を織成した。このときの、経糸密度は上記実施例4と同様の5.64本/mm2 、緯糸密度も同実施例4と同様に3.31、3.78、4.25本/mm2 の3通りとした。
その結果、経糸及び緯糸の双方が織物表面に斜めに交差するようにして表出しやすい織り構造であるにも関わらず、全ての織物で十分な玉虫様の色調変化をもつ織物であった。
その結果、経糸及び緯糸の双方が織物表面に斜めに交差するようにして表出しやすい織り構造であるにも関わらず、全ての織物で十分な玉虫様の色調変化をもつ織物であった。
経糸として、赤色に先染した330Tのポリエステルからなるテクスチャードヤーンを用いるとともに、緯糸には赤色の反対色である緑色に先染した330T×2(660T)の経糸と同じ材質からなるテクスチャードヤーンを用い、いわゆるコンビネーションと呼ばれる変化斜紋織組織にて織物を織成した。このときの、経糸密度は2.82本/mm2 、緯糸密度は上記実施例1と同様に3.31、3.78、4.25本/mm2 の3通りとした。
得られた織物は多少は玉虫様に色調変化をするものの、その織り構造から赤色と緑色とが互いに斜めに点状に交差し、明確な玉虫様に色調変化をもたらすものではなかった。
得られた織物は多少は玉虫様に色調変化をするものの、その織り構造から赤色と緑色とが互いに斜めに点状に交差し、明確な玉虫様に色調変化をもたらすものではなかった。
こうして得られる本発明による玉虫様の色調を有する織物は、様々な用途、特に各種のファスナーテープや手提げ用ストラップなどに使われる。
図1は本発明の織物をファスナーテープ1として使った開離嵌挿具付きのスライドファスナーSFの一例を示す正面図である。この開離嵌挿具付きのスライドファスナーSFは、広く知られているように左右一対のファスナーテープ1の対向する各側縁部に沿って多数のファスナーエレメントEが止着されたファスナーストリンガーFSの一端部に補強フィルムRFが溶着一体化され、通常、その補強フィルムRFは透明フィルムからなり、その対向縁部に開離嵌挿具2の箱体2aが固着されている。この開離嵌挿具2は、箱体2aと、同箱体2aの片側に固定される箱棒2bと、箱体2aの同箱棒2bに隣合う空間に挿脱される蝶棒2cとからなる。
図1は本発明の織物をファスナーテープ1として使った開離嵌挿具付きのスライドファスナーSFの一例を示す正面図である。この開離嵌挿具付きのスライドファスナーSFは、広く知られているように左右一対のファスナーテープ1の対向する各側縁部に沿って多数のファスナーエレメントEが止着されたファスナーストリンガーFSの一端部に補強フィルムRFが溶着一体化され、通常、その補強フィルムRFは透明フィルムからなり、その対向縁部に開離嵌挿具2の箱体2aが固着されている。この開離嵌挿具2は、箱体2aと、同箱体2aの片側に固定される箱棒2bと、箱体2aの同箱棒2bに隣合う空間に挿脱される蝶棒2cとからなる。
前記箱棒2b及び蝶棒2cは、それぞれ対向する多数のファスナーエレメントEの端部に隣接して前記ファスナーテープ1の対向する各側縁部に成形などにより一体化されている。一方、左右一対の多数のファスナーエレメントEからなるエレメント列ERにはスライダーSLが挿通され、このスライダーSLの摺動操作により前記エレメント列ERの各ファスナーエレメントE同士を噛合/離脱させることにより、スライドファスナーSFを開閉する。また、左右一対のファスナーストリンガーFSの他端部にはファスナーエレメントEが存在しない部分があり、その部分のエレメント列ERの端部にそれぞれ一対の上止具3が固着され、スライダーSLの摺動がそれ以上出来ないようにしている。多数のファスナーエレメントEからなるエレメント列ERは、図2に示すようにモノフィラメントをコイル状に成形するとともに、そのファスナーテープ1の側縁部から外側に突出する噛合頭部Ehをテープ方向に膨出変形させ、同噛合頭部Ehの上下端(紙面に垂直方向)からファスナーテープ1の内側へと延びる上下脚部Elと隣接するファスナーエレメントEの下上脚部Elとを連結部Ecにより連結して形成されている。
図2に示された例によれば、前記エレメント列ERの中心線に沿って芯紐4が挿通され、同エレメント列ERはファスナーテープ1の側縁部に沿って縫着糸12で縫製することにより止着されている。また、この図2に示されたファスナーテープ1の1本の緯糸5は同じ糸条Yを同一開口内を往復させて引き揃えた2本の糸条によって構成された、2/1の綾織りテープからなりなる。すなわち、経糸6は2本の緯糸5を跨いだのち、同じく2本の緯糸5を潜り、これを繰り返しており、同経糸6に隣接する経糸は緯糸5を1本ずらして同じ動作を繰り返している。こうした組織であっても、既述した条件を満足するかぎり、本発明の玉虫様の色調を備えたファスナーテープ1が得られる。ただし、スライドファスナーSFにあっては、上記エレメント列ERを止着するファスナーテープ1の取付縁部は他のテープ部分よりも形態の安定性を確保するため、他のテープ部分と織り組織を異ならせている。
また、芯紐4と縫着糸12とをファスナーテープ1の経糸6と同色又は同系色にしている。これにより、芯紐4と縫着糸12の色調とファスナーテープ1の色調との間で一体感が増加し、ファスナーストリンガーFSの美観を向上させることができる。更に、より好適にはエレメント列ERの色調も経糸6と同色又は同系色にしてもよく、芯紐4、縫着糸12及びエレメント列ERの色調を緯糸5と同色又は同系色にすることもできる。
またエレメント列ERについてはファスナーテープ1や芯紐4の色調が透けて見えるような透明又は半透明の材料で成形することもできる。
またエレメント列ERについてはファスナーテープ1や芯紐4の色調が透けて見えるような透明又は半透明の材料で成形することもできる。
本発明の玉虫様色調を備えた織物は、前述のようにスライドファスナーSFのファスナーテープ1として使われるだけでなく、例えば図3に示すとおりテープ7に雄部材8aと雌部材8bとが止着されたテープ付きスナップファスナー8のテープ7として、本発明の玉虫様色調を備えた織物を使うことができる。また本発明の玉虫様色調を備えた織物は、図4に示すようにスライドファスナー用のスライダーSLの引手テープ9や、図5に示すような携帯電話などの吊下げ用ストラップ10のテープ11、又は鞄の肩掛けベルトやリボン等のテープ織物、或いは衣服や袋物等の織地として使うことが可能であり、多様な用途に適用できる。
1 ファスナーテープ
2 開離嵌挿具
2a 箱体
2b 箱棒
2c 蝶棒
3 上止具
4 芯紐
5 緯糸
6 経糸
7 テープ
8 テープ付きスナップファスナー
8a,8b 雄雌部材
9 引手テープ
10 吊下げ用ストラップ
11 テープ
12 縫着糸
SF スライドファスナー
RF 補強フィルム
FS ファスナーストリンガー
E ファスナーエレメント
Eh 噛合頭部
El 脚部
Ec 連結部
ER エレメント列
SL スライダー
2 開離嵌挿具
2a 箱体
2b 箱棒
2c 蝶棒
3 上止具
4 芯紐
5 緯糸
6 経糸
7 テープ
8 テープ付きスナップファスナー
8a,8b 雄雌部材
9 引手テープ
10 吊下げ用ストラップ
11 テープ
12 縫着糸
SF スライドファスナー
RF 補強フィルム
FS ファスナーストリンガー
E ファスナーエレメント
Eh 噛合頭部
El 脚部
Ec 連結部
ER エレメント列
SL スライダー
Claims (5)
- 経糸及び緯糸に異色の糸条が使われ、玉虫様色調を有する織物であって、
経糸及び緯糸のいずれか一方の糸条太さを、経糸及び緯糸のいずれか他方の糸条太さよりも細いことを特徴とする玉虫様色調の織物。 - 前記一方の細い経糸又は緯糸の単位面積当たりの本数が、他方の経糸又は緯糸の単位面積当たりの本数よりも多く設定されてなる請求項1記載の織物。
- 前記経糸の太さが160〜330Tであり、1mm2 当たりの経糸の本数が4.4〜6.1本、1mm2 当たりの緯糸の本数が3.30〜4.3本である請求項1記載の織物。
- 前記緯糸は、引き揃えられた2本の糸条から構成され、その2本の構成糸条が同一色である請求項1記載の織物。
- 前記経糸と緯糸とが反対色に彩色されてなる請求項1記載の織物。
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JP2004149943A JP2005330616A (ja) | 2004-05-20 | 2004-05-20 | 玉虫様色調を有する織物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018198179A (ja) * | 2017-05-24 | 2018-12-13 | トヨタ紡織株式会社 | 発光性装飾品、発光性装飾品の敷設方法、敷設物及び発光意匠の形成方法 |
-
2004
- 2004-05-20 JP JP2004149943A patent/JP2005330616A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018198179A (ja) * | 2017-05-24 | 2018-12-13 | トヨタ紡織株式会社 | 発光性装飾品、発光性装飾品の敷設方法、敷設物及び発光意匠の形成方法 |
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