JP2005330559A - 長物筒状成形体の成形方法及び該方法により得られるバルブガイド - Google Patents

長物筒状成形体の成形方法及び該方法により得られるバルブガイド Download PDF

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【課題】長物筒状成形体の抜き出し圧力を低減して抜き出し性を改善しつつ、両端部の密度を向上させるとともに、コアロッドの移動制御を省いて金型機構の単純化することができる長物筒状成形体の成形方法を提供すること。
【解決手段】鉄基混合粉末に成形潤滑剤粉末を0.2〜1.0質量%添加した混合粉末Aと、鉄基混合粉末に前記混合粉末Aよりも0.2〜1.0質量%多い成形潤滑剤粉末を添加した混合粉末Bとを用意し、内孔1aを有するダイ1と、該ダイ1の内孔1aに挿入設置されるコア2と、該コア2と前記ダイ1の内孔1aとの間に摺動可能に介設される下パンチ3とにより形成されるキャビディ4内に、前記混合粉末Aを充填した後、その上に前記混合粉末Bを充填し、更にその上に前記混合粉末Aを再度充填してキャビティ4内に3層の充填層5を形成し、下パンチ3と上パンチ6とで前記充填層5を圧縮成形する。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉末冶金法において長いパイプ状成形体(以下、「長物筒状成形体」と称する)を成形する方法及び該方法により得られるバルブガイドに関するものである。
粉末冶金法によって金属製品を製造する工程には、金属粉末に所定の形状及び寸法を与えるフォーングと称される成形が含まれるが、内燃エンジンのバルブガイド等のような長物筒状成形体を成形する方法としては、金型圧縮成形、HIP、射出成形、押し出し成形、スリップキャスティング等の方法が知られており、このうち、長物筒状成形体の成形には、生産性が良く且つ所望の密度及び寸法を得ることが容易であること等の理由から金型圧縮成形法が採用されている。
上記金型圧縮成形法は、金型を構成する上下一対のパンチ間に粉末を充填した後、その粉末の充填部を上下一対のパンチで目標の寸法になるまで圧縮するものであるが、この方法によれば、その粉末の充填部分では上下一対のパンチに近いほど粉末の密度が高くなり、逆に上下一対のパンチから遠ざかる連れて密度が低くなることは避けられない。
即ち、充填粉末を上下一対のパンチで押圧すると、圧力はパンチに当接した両端部で最大となり、パンチより与えられた圧力が最端の粉末に加えられ、粉末がその圧力を次の粉末に伝達することによって圧力が充填粉末の中央に向かって伝達されるが、途上経過する粉末によりその圧力が粉末の変形エネルギーに変換されるために徐々に減衰し、この伝達される圧力が充填粉末の長さ方向中央部で低下してしまうために密度も低下する。この傾向は、特に、長物筒状成形体のような圧縮方向の長さが長い成形体を成形する場合に顕著であり、長物筒状成形体の長さ方向中央付近に密度の低い領域、所謂ニュートラルゾーンが発生し、その部分での機械的強度や耐摩耗性が低下して製品の信頼性が損なわれるという問題が発生する。
又、ニュートラルゾーンが発生するような長物筒状成形体においては、緻密化した内部粉末からの反力の形で内部からの圧力伝達が生じないため、両端部の密度も高くなりにくいという問題がある。
このような問題を解決するため、段付き形状のコアを用い、粉末の充填部分を上パンチと下パンチによって両押し状態で圧縮する前に、予備段階として、1)コアの段部と上パンチとの間を予備成形体とする工程、2)予備成形体から下パンチ側に向かって粉末を圧縮していく工程、3)下パンチ側から予備成形体に向かって粉末を圧縮していく工程を行うことによって、予め粉末の充填部分の密度を全体的に上昇させ、長物筒状成形体の中央付近に該当する部分の密度を高めてから、上パンチと下パンチで圧縮して目標寸法の長物筒状成形体を成形し、上パンチと下パンチによる圧力伝播を向上させて密度の高い長物筒状成形体を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開平5−171210号公報
上記方法によれば、圧粉体の中央部の密度が向上し、それに伴って両端部の密度も向上するものの、ダイスのみならずコアロッドまでもその移動を制御する必要があるために金型機構が複雑化し、又、予備圧縮工程を3段階で行った後に本圧縮を行うため、1回の成形ストロークが長くなって生産性が低下してしまう。
又、中央部の密度を上げて全体の密度が上がることにより、特に長物筒状成形体の場合には金型内孔との接触面積が大きいために抜き出し時の圧力も高くなり、このために金型寿命が低下するという問題も発生する。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、長物筒状成形体の抜き出し圧力を低減して抜き出し性を改善しつつ、両端部の密度を向上させるとともに、コアロッドの移動制御を省いて金型機構の単純化することができる長物筒状成形体の成形方法及び該方法によって得られるバルブガイドを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、鉄基混合粉末に成形潤滑剤粉末を0.2〜1.0質量%添加した混合粉末Aと、鉄基混合粉末に前記混合粉末Aよりも0.2〜1.0質量%多い成形潤滑剤粉末を添加した混合粉末Bとを用意し、
内孔を有するダイと、該ダイの内孔に挿入設置されるコアと、該コアと前記ダイの内孔との間に摺動可能に介設される下パンチとにより形成されるキャビディ内に、前記混合粉末Aを充填した後、その上に前記混合粉末Bを充填し、更にその上に前記混合粉末Aを再度充填してキャビティ内に3層の充填層を形成し、
前記下パンチと、該下パンチと対向し且つ前記コアと前記ダイの内孔との間に摺動可能に介設される上パンチとで前記充填層を圧縮成形することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記充填層の混合粉末Aと混合粉末Bの充填深さの比を1:1〜1:4に設定することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の長物筒状成形体の成形方法によって成形された長物筒状成形体を燒結して、長さ方向中央部の気孔量が他の部位のそれよりも多いバルブガイドを得ることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、長物筒状成形体の中央部に配された混合粉末Bは、両端部に配された混合粉末Aよりも成形潤滑剤粉末の添加量が多いため、長物筒状成形体の中央部の圧縮性は低下するものの、混合粉末Bの真密度は混合粉末Aの真密度よりも成形潤滑剤粉末の添加量が増加した分だけ低い値を示す。このような特徴を有する混合粉末Bの両端部に混合粉末Aを配して成る3層構造の充填層(充填粉末)を両側から上パンチと下パンチで押圧して圧縮すると、両端部の混合粉末Aは、上パンチと下パンチの加圧力により緻密化しながらその圧力エネルギーを消費しつつ混合粉末Bに成形圧力を伝達する。混合粉末Aを経て伝達された成形圧力によって圧縮される混合粉末Bは、圧縮性は低いものの真密度が低いため、或る程度以上圧縮されると、混合粉末Aを経て伝達される成形圧力への反力を生じ、この反力によって混合粉末Aを内側から押圧する圧力が発生する。そして、この圧力によって各混合粉末Aには両側から圧力が加えられるため、該混合粉末Aは一層緻密化し、この結果、長物筒状成形体の両端部の密度が向上することとなる。
又、上述のように圧縮された長物筒状成形体は、中央部の成形潤滑剤含有量が多いため、ダイの内孔の壁面に露出する成形潤滑剤量が増加し、成形潤滑剤の潤滑作用が高められて長物筒状成形体の金型抜き出し時の圧力抵抗が減じられ、小さい抜き出し圧力でも長物筒状成形体をダイの内孔から抜き出すことができるようになり、長物筒状成形体の抜き出し性が改善される。
請求項2記載の発明によれば、充填層の混合粉末Aと混合粉末Bの充填深さの比を1:1〜1:4の範囲に設定することによって、請求項1記載の発明の効果を安定的に得ることができる。因に、充填層の混合粉末Aと混合粉末Bの充填深さの比が前記範囲を超えて混合粉末Aの充填深さが大きいと、混合粉末Bによる請求項1記載の発明による前記効果が薄れ、逆に前記範囲を超えて混合物Bの充填深さが大きいと、得られる長物筒状成形体に占める混合粉末Bの長さが長くなって強度低下の傾向が大きくなる。
請求項3記載の発明によれば、長物筒状成形体を燒結することによって得られるバルブガイドにおいては、長さ方向中央部が成形潤滑剤を多量に含む混合粉末Bによって構成されているため、成形潤滑剤が燒結時に揮発して中央部は気孔量が他の両端部に比して多いものとなる。このバルブガイドの中央部の多くの気孔は、当該バルブガイドが使用される状態において吸気バルブのバルブステムとの摺動面に適度の潤滑油を供給するための潤滑油供給孔として機能するため、バルブガイドと吸気バルブの摺動抵抗が低く抑えられるとともに、両者の耐久寿命が延長される。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1(a)〜(e)は本発明に係る長物筒状成形体の成形方法をその工程順に示す金型機構の断面図である。
図1において、1は円孔状の内孔1aが上下方向に貫設されたダイであり、このダイ1の内孔1aには円柱棒状のコア2が挿入設置されている。そして、コア2とダイ1の内孔1aとの間には円筒状の下パンチ3が摺動可能に介設されており、図1(a)に示すように、この下パンチ3は、初期状態においてその上端面がダイ1及びコア2の上端面と一致するよう面一状態でセットされている。
而して、本発明に係る長物筒状成形体の成形方法においては、先ず、鉄基混合粉末に成形潤滑剤粉末を0.2〜1.0質量%(本実施の形態では、0.2〜0.7質量%)添加した混合粉末Aと、鉄基混合粉末に前記混合粉末Aよりも0.2〜1.0質量%(本実施の形態では0.2〜0.7質量%)多い成形潤滑剤粉末を添加した混合粉末Bとを用意する。
ここで、上記混合粉末A,Bは共に通常の粉末冶金法において一般的に用いられているものであって、これらを構成する鉄基混合粉末としては、鉄粉と他の合金元素の単味粉末の混合粉末、鉄基合金粉末、鉄基合金粉末と他の合金元素の混合粉末等の従来から用いられている鉄を主成分とする混合粉末を使用することができる。又、成形潤滑剤粉末としては、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸金属塩、エチレンビスステアロアマイド等のワックス、脂肪酸等の従来から一般的に用いられているものを使用することができる。
上記混合粉末A,Bが用意されると、次に図1(b)に示すように下パンチ3を所定量だけ下降せしめ、このときダイ1の内孔1a内にコア2と下パンチ3によって画成されるパイプ状のキャビティ4内に混合粉末Aを不図示のフィーダによって充填する。次に、図1(c)に示すように、下パンチ3を更に所定量だけ下降せしめ、既に充填された混合粉末Aの上方に形成されるキャビティ4内に不図示のフィーダによって混合粉末Bを充填する。そして、最後に図1(d)に示すように下パンチ3を更に所定量だけ下降せしめ、既に充填された混合粉末Bの上方に形成されるキャビティ4内に不図示のフィーダによって混合粉末Aを再度充填してキャビディ4内に混合粉末A、混合粉末B、混合粉末Aの順に積層して成る3層の充填層5を形成する(図1(d)参照)。
以上のようにしてキャビディ4内に3層の充填層(充填粉末)5が形成されると、図1(e)に示すように、下パンチ3と対向する円筒状の上パンチ6をコア2とダイ1の内孔1aとの間に摺動可能に介設し、従来と同様に上パンチ6と下パンチ3によって充填層(充填粉末)5を押圧して所望の寸法まで圧縮することによって長物筒状成形体7が得られるが、このようにして得られる長物筒状成形体7の長さ方向両端部は混合粉末Aによって構成され、中央部は混合粉末Bによって構成されている。
ここで、長物筒状成形体7の中央部に配された混合粉末Bは、両端部に配された混合粉末Aよりも成形潤滑剤粉末の添加量が多いため、長物筒状成形体7の中央部の圧縮性は低下するものの、混合粉末Bの真密度は混合粉末Aの真密度よりも成形潤滑剤粉末の添加量が増加した分だけ低い値を示す。
上記特徴を有する混合粉末Bの両端部に混合粉末Aを配して成る3層構造の充填層(充填粉末)5を両側から上パンチ6と下パンチ3で押圧して圧縮すると、両端部の混合粉末Aは、上パンチ6と下パンチ3の加圧力により緻密化しながらその圧力エネルギーを消費しつつ混合粉末Bに成形圧力を伝達する。混合粉末Aを経て伝達された成形圧力によって圧縮される混合粉末Bは、圧縮性は低いものの真密度が低いため、或る程度以上圧縮されると、混合粉末Aを経て伝達される成形圧力への反力を生じ、この反力によって混合粉末Aを内側から押圧する圧力が発生する。そして、この圧力によって各混合粉末Aには両側から圧力が加えられるため、該混合粉末Aは一層緻密化し、この結果、長物筒状成形体7の両端部の密度が向上することとなる。
又、上述のように圧縮された長物筒状成形体7は、中央部の成形潤滑剤含有量が多いため、ダイ1の内孔1aの壁面に露出する成形潤滑剤量が増加し、成形潤滑剤の潤滑作用が高められて長物筒状成形体7の抜き出し時の圧力抵抗が減じられ、小さい抜き出し圧力でも長物筒状成形体7をダイ1の内孔1aから抜き出すことができるようになり、長物筒状成形体7の抜き出し性が改善される。
上記効果は、混合粉末Bに、通常の0.2〜1.0質量%の成形潤滑剤粉末を含む混合粉末Aよりも0.2〜1.0質量%多い成形潤滑剤粉末を添加することによって得られるものである。因に、混合粉末Bの成形潤滑剤粉末の含有量の混合粉末Aのそれに対する増加量が0.2%質量%未満である場合には前記効果が乏しく、逆に1.0%を超えると得られる効果の向上分が少なく、長物筒状成形体7の中央部の密度が低下し過ぎてその部分の機械的強度が低下してしまう。
又、充填層5の混合粉末Aと混合粉末Bの充填深さの比を1:1〜1:4に設定することが望ましい。この範囲を超えて混合粉末Aの充填深さが大きいと、混合粉末Bによる前記効果が薄れ、逆に前記範囲を超えて混合物Bの充填深さが大きいと、得られる長物筒状成形体に占める混合粉末Bの長さが長くなって強度低下の傾向が大きくなるためである。
ところで、本発明に係る成形方法によれば、粉末充填を3回行う必要があるが、本成形前に3回の予備圧縮工程を行う特許文献1に記載された成形方法に比べてコアロッドの位置制御を省略することができるために金型機構を単純化することができるとともに、3回の予備圧縮工程後の本圧縮の成形工程に比べて成形ストロークを短縮することができる。
而して、以上の成形方法によって得られる長物筒状成形体7を燒結することによって図2及び図3に示す内燃エンジンのバルブガイド10を製造することができる。尚、図2は4サイクル内燃エンジンの動弁機構部の部分断面図、図3はバルブガイドの斜視図である。
図2において、11はシリンダヘッドであり、該シリンダヘッド11にはバルブガイド10が挿通保持され、このバルブガイド10には例えば吸気バルブ12が摺動自在に挿通保持されている。ここで、吸気バルブ12は、シリンダヘッド11に形成された吸気ポート13の燃焼室Sへの開口部を開閉するものであって、吸気ポート13の燃焼室Sへの開口部周縁には、吸気バルブ12の弁体12aが着座すべきバルブシート14が嵌着されている。
又、シリンダヘッド11の上部にはピボット軸15が螺着されており、このピボット軸15にはロッカアーム16の一端が揺動可能に支持され、該ロッカーアーム16の他端は、吸気バルブ12の上端(バルブステム12bの上端)に保持されたスプリングリテーナ17に当接している。そして、ロッカアーム16の中間部上面には、カムシャフト18に一体に形成された吸気カム18aが当接しており、吸気バルブ12は、シリンダヘッド11と前記スプリングリテーナ17間に縮装されたバルブスプリング19によって閉じ側(図2の上方)に常時付勢されている。
以上の動弁機構を有する内燃エンジンが始動されると、カムシャフト18が回転駆動され、このカムシャフト18に一体に形成された吸気カム18aがロッカーアーム16を適当なタイミングで押圧する。すると、ロッカアーム16がピボット軸15を中心として揺動して吸気バルブ12を適当なタイミングで開閉し、これによって燃焼室Sでのガス交換がなされる。尚、図示しないが、排気バルブもバルブガイドによって摺動自在に保持されており、同様の動弁機構によって適当なタイミングで開閉される。
ところで、本発明方法によって成形された長物筒状成形体7を燒結することによって得られるバルブガイド10においては、長さ方向中央部が成形潤滑剤を多量に含む混合粉末Bによって構成されているため、成形潤滑剤が燒結時に揮発して中央部は気孔量が他の両端部に比して多いものとなる。このバルブガイド10の中央部の多くの気孔は、当該バルブガイド10が使用される状態において吸気バルブ12のバルブステム12bとの摺動面に適度の潤滑油を供給するための潤滑油供給孔として機能するため、バルブガイド10と吸気バルブ12の摺動抵抗が低く抑えられてエンジン出力の向上が図られるとともに、両者の耐久寿命が延長される。
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、実施例は本発明を何ら制限する趣旨のものではない。
本実施例では、5質量%Cu−10質量%Su合金粉と0.4%質量Fe−20質量%P合金粉末及び2.4質量%の黒鉛粉末を添加混合した鉄基混合粉末を用意し、この鉄基混合粉末に、成形潤滑剤粉末としてステアリン酸亜鉛粉末を表1に示す割合で配合して混合粉末Aと混合粉末Bを得た。
そして、内径φ12mmの内孔を有するダイと、外径φ7.4mmの外径を有するコアロッド及び下パンチとで形成されるキャビディ内に、混合粉末Aを充填深さ30mmで充填し、その上に混合粉末Bを充填深さ40mmで充填し、最後にその上に混合粉末Aを充填深さ30mmで再度充填することによって3層構造の充填層を形成し、この充填層を上パンチと下パンチで500MPaの圧力で押圧して圧縮することによって長物筒状成形体を得た。そして、このようにして得られた長物筒状成形体の抜き出し時の抜き出し圧力を測定し、抜き出された長物筒状成形体の上端部と中央部及び下端部の部分密度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2005330559
表1の資料番号03〜08は混合粉末Aの成形潤滑剤量を0.5質量%に固定して混合粉末Bの成形潤滑剤量を変化させたものであって、これらについての測定結果を比較することによって、混合粉末Aの成形潤滑剤量と混合粉末Bの成形潤滑剤量との関係を調べることができる。尚、資料番号03は従来例を示すものである。
図4に両混合粉末A,Bの成形潤滑剤量の差に対する抜き出し圧力と部分密度の関係を示すが、同図から明らかなように、混合粉末Bの成形潤滑量を混合粉末Aの成形潤滑剤量よりも0.2質量%以上多くすることによって(両成形潤滑剤量の差が0.2質量%以上とすることによって)、抜き出し圧力の低下と両端部密度の向上が顕著となる。
但し、混合粉末Bの成形潤滑剤量が混合粉末Aの成形潤滑剤量よりも1.0質量%を超えて多くなると、中央部密度の低下が著しく強度低下が懸念されるため、混合粉末Bの成形潤滑剤量は混合粉末Aの成形潤滑剤量よりも0.2〜1.0質量%だけ多く添加することが効果が高いことが確認された。
又、表1の資料番号01,02,06,09〜11は両混合粉末A,Bの成形潤滑剤量の差を0.5質量%に固定して混合粉末Aの成形潤滑剤量を変化させたものであって、これらについての測定結果を比較することによって、混合粉末Aの成形潤滑剤量野影響を調べることができる。
図5に混合粉末Aの成形潤滑剤量に対する抜き出し圧力と部分密度の関係を示すが、同図から明らかなように、混合粉末Aの成形潤滑剤量は0.2質量%以上の添加で抜き出し圧力は低下するものの、上下端及び中央部の密度も低下することが分かる。又、混合粉末Aの成形潤滑剤量が1.0質量%を超えて成形潤滑剤量を添加しても、抜き出し圧力の低減量の割には密度低下の影響が大きくなることから、混合粉末Aの成形潤滑剤量の上限値を1.0質量%とすべきである。
本発明に係る成形方法は、内燃エンジンのバルブガイドのみならず、他の任意の長物筒状金属部品を粉末冶金法によって製造する場合に有用である。
(a)〜(e)は本発明に係る長物筒状成形体の成形方法をその工程順に示す金型機構の断面図である。 4サイクル内燃エンジンの動弁機構部の部分断面図である。 本発明に係るバルブガイドの斜視図である。 混合粉末A,Bの成形潤滑剤量の差に対する抜き出し圧力と部分密度の関係を示す図である。 混合粉末Aの成形潤滑剤量に対する抜き出し圧力と部分密度の関係を示す図である。
符号の説明
1 ダイ
1a 内孔
2 コア
3 下パンチ
4 キャビティ
5 充填層
6 上パンチ
7 長物筒状成形体
10 バルブガイド
11 シリンダヘッド
12 吸気バルブ
13 吸気ポート
14 バルブシート
15 ピボット軸
16 ロッカアーム
17 スプリングリテーナ
18 カムシャフト
18a 吸気カム
19 バルブスプリング
S 燃焼室

Claims (3)

  1. 鉄基混合粉末に成形潤滑剤粉末を0.2〜1.0質量%添加した混合粉末Aと、鉄基混合粉末に前記混合粉末Aよりも0.2〜1.0質量%多い成形潤滑剤粉末を添加した混合粉末Bとを用意し、
    内孔を有するダイと、該ダイの内孔に挿入設置されるコアと、該コアと前記ダイの内孔との間に摺動可能に介設される下パンチとにより形成されるキャビディ内に、前記混合粉末Aを充填した後、その上に前記混合粉末Bを充填し、更にその上に前記混合粉末Aを再度充填してキャビティ内に3層の充填層を形成し、
    前記下パンチと、該下パンチと対向し且つ前記コアと前記ダイの内孔との間に摺動可能に介設される上パンチとで前記充填層を圧縮成形することを特徴とする長物筒状成形体の成形方法。
  2. 前記充填層の混合粉末Aと混合粉末Bの充填深さの比を1:1〜1:4に設定することを特徴とする請求項1記載の長物筒状成形体の成形方法。
  3. 請求項1又は2記載の長物筒状成形体の成形方法によって成形された長物筒状成形体を燒結して得られ、長さ方向中央部の気孔量が他の部位のそれよりも多いことを特徴とするバルブガイド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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