JPH0641699A - 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブガイド部材 - Google Patents

耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブガイド部材

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JPH0641699A
JPH0641699A JP21973592A JP21973592A JPH0641699A JP H0641699 A JPH0641699 A JP H0641699A JP 21973592 A JP21973592 A JP 21973592A JP 21973592 A JP21973592 A JP 21973592A JP H0641699 A JPH0641699 A JP H0641699A
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JP
Japan
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sintered alloy
valve guide
wear resistance
guide member
end part
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JP21973592A
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Inventor
Masaaki Sakai
正昭 坂井
Koji Kobayashi
孝司 小林
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブ
ガイド部材を提供する。 【構成】 内燃機関のバルブガイド部材が、重量%で、
C:1〜4%、Cu:1.5〜6%、P:0.1〜0.
8%を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組
成、並びにパーライトを主体とする素地に、硬質のFe
−C−P化合物と遊離黒鉛が分散分布した組織を有する
Fe基焼結合金からなり、かつ一方側端部または両側端
部の理論密度比を87〜97%とし、他方側部分または
中央部分の理論密度比を79〜85%としてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、すぐれた耐摩耗性を
発揮する内燃機関用Fe基焼結合金製バルブガイド部材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のバルブガイド部材に、
多くのFe基焼結合金が適用されていることは良く知ら
れるところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の内燃機関
の高出力化および高速化はめざましく、これに伴ない、
これの構造部材の使用条件は一段と苛酷さを増し、特に
中心孔に挿通されて往復動するバルブとの間ではげしい
摺動摩耗を受けるバルブガイド部材には、より一層の耐
摩耗性の向上が要求されるが、従来の多くのFe基焼結
合金製バルブガイド部材はこれに対応できる十分な耐摩
耗性を示すものではなく、すぐれた耐摩耗性を安定的に
発揮するバルブガイド部材の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、耐摩耗性のすぐれたFe基焼結
合金製バルブガイド部材を開発すべく研究を行なった結
果、内燃機関のバルブガイド部材を、重量%で(以下、
%は重量%を示す)、C:1〜4%、 Cu:
1.5〜6%、P:0.1〜0.8%、を含有し、残り
がFeと不可避不純物からなる組成、並びにパーライト
を主体とする素地に硬質のFe−C−P化合物と遊離黒
鉛が分散分布した組織を有するFe基焼結合金で構成す
ると共に、これの一方側端部または両側端部、望ましく
は一方側端部の場合(すなわちバルブシート側のみの場
合)には全長の1/5〜1/2、両側端部の場合にはそ
れぞれ全長の1/5〜1/3の長さ部分の理論密度比を
相対的に87〜97%の高密度とし、かつ他方側部分ま
たは中央部分の理論密度比を79〜85%の低密度とし
た構造をもったものにすると、素地に分散する硬質のF
e−C−P化合物と遊離黒鉛、一方側端部または両側端
部に形成した高密度化部分、さらに他方側部分または中
央部分の低密度部分、すなわち相対的に気孔率の高い部
分における高い保油効果によって、苛酷な条件下での実
用に際してもすぐれた耐摩耗性を示すという研究結果を
得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、C:1〜4%、 C
u:1.5〜6%、P:0.1〜0.8%、を含有し、
残りがFeと不可避不純物からなる組成、並びにパーラ
イトを主体とする素地に硬質のFe−C−P化合物と遊
離黒鉛が分散分布した組織を有するFe基焼結合金から
なると共に、一方側端部または両側端部の理論密度比を
87〜97%とし、他方側部分またはは中央部分の理論
密度比を79〜85%としてなる耐摩耗性のすぐれたバ
ルブガイド部材に特徴を有するものである。
【0006】つぎに、この発明のバルブガイド部材にお
いて、これを構成するFe基焼結合金の組成および理論
密度比を上記の通りに限定した理由を説明する。
【0007】A.組成 (a) C C成分には、素地のパーライトを形成して、これを強化
するほか、硬質のFe−C−P化合物を形成して硬さを
向上させ、さらに遊離黒鉛としても分布して自己潤滑性
を改善し、もって部材の耐摩耗性を向上させる作用があ
るが、その含有量が1%未満では前記作用に所望の向上
効果が得られず、一方その含有量が4%を越えると、脆
化して所望の強度が得られなくなることから、その含有
量を1〜4%と定めた。
【0008】(b) Cu Cu成分には、素地に固溶して、これを強化するほか、
パーライト素地を安定化させる作用があるが、その含有
量が1.5%未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方その含有量が6%を越えても、前記作用により
一層の向上効果は現われず、かえって脆化するようにな
ることから、その含有量を1.5〜6%と定めた。
【0009】(c) P P成分には、焼結性を向上させ、もって強度向上に寄与
するほか、上記の通りFe−C−P化合物を形成して耐
摩耗性を向上させる作用があるが、その含有量が0.1
%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その
含有量が0.8%を越えると、素地が硬化しすぎると共
に、粗大なFe−C−P化合物が析出するようになって
被削性が著しく悪化することから、その含有量を0.1
〜0.8%と定めた。
【0010】B.理論密度比 バルブガイド部材の片側端部または両側端部を高密度化
することによりこの部分の硬さを一段と高め、一方残り
の低密度部分で十分な保油効果を発揮せしめ、もって耐
摩耗性の向上に寄与せしめるが、前記高密度部分の理論
密度比が87%未満では、十分な硬さ向上が得られず、
一方これを97%を越えて高くするには、圧粉体の成形
圧を高くすると共に、焼結温度を高くする必要があり、
これは成形金型の使用寿命の短命化および焼結後の寸法
精度低下、さらに組織粗大化の原因となるものであり、
また前記低密度部分の理論密度比が79%未満では、バ
ルブガイド部材の強度が低下し、シリンダーヘッドの圧
入取付け時に割れなどが発生し易くなり、一方その理論
密度比が85%を越えて高くなると所望の保油効果が得
られなくなり、摩耗進行が促進するようになることか
ら、前記高密度部分の理論密度比を87〜97%、前記
低密度部分のそれを79〜85%と定めた。
【0011】
【実施例】つぎに、この発明のバルブガイド部材を実施
例により具体的に説明する。原料粉末として、粒度:−
80meshのFe粉末、同−150meshの炭素粉末、同−
100meshのCu粉末、同−150meshのFe−27%
P合金粉末、および同−200meshのCu−8%P合金
粉末を用い、これら原料粉末をそれぞれ表1,2に示さ
れる配合組成には配合し、1%のステアリン酸亜鉛を加
えてV型ミキサにて30分間混合した後、これら混合粉
末を、図1(a)に概略縦断面図で示される通り、ダイ
1の中心孔と、この中心孔に下方から嵌装された下パン
チ2の上面と、この下パンチ2の中心孔を通ってダイ1
内に挿入されたコアロッド3の外周面によって形成され
たキャビティ内に挿入し、ついで一方側端部に高密度部
分を形成する場合には、同(b)に示される通り圧力を
5〜7ton /cm2 の範囲内で調整すると共に、ストロー
クも調節した状態で、上パンチ4をダイ1の中心孔内に
圧入し、また両側端部に高密度部分を形成する場合に
は、同(c)に示される通り同じく圧力およびストロー
クを調整しながら、下パンチ2を固定し、上パンチ4、
ダイ1、およびコアロッド3をそれぞれ所定のストロー
クで加工させて圧粉体S,S′をそれぞれプレス成形
し、これら圧粉体を、天然ガスの分解ガス雰囲気中、温
度:650℃に20分間保持して脱脂し、引続いて10
50〜1150℃の範囲内の所定温度に昇温し、この温
度に60分間保持して焼結し、焼結後仕上加工を施すこ
とにより実質的に配合組成と同じ成分組成を有すると共
に、いずれもパーライトを主体とした素地に微細なFe
−C−P化合物と遊離黒鉛が分散分布した組織を有する
Fe基焼結合金で構成され、かつ片側端部または両側端
部を表1,2に示される理論密度比とし、さらに長さ:
50mm×外径:12mm×内径:6.6mmの寸法をもった
本発明Fe基焼結合金製バルブガイド部材(以下、本発
明焼結バルブガイドという)1〜9、並びに成分組成お
よび理論密度比のうちのいずれかがこの発明の範囲から
外れた比較Fe基焼結合金製バルブガイド部材(以下、
焼結バルブガイドという)1〜5をそれぞれ製造した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】ついで、この結果得られた各種の焼結バル
ブガイドを、排気量:2000ccのDOHC型エンジン
のAl鋳物製シリンダヘッドの排気側に、高密度部分が
バルブシート側に位置するように圧入取付け、内径の仕
上げ加工を行なった状態で、燃料として無鉛ガソリンを
用い、回転数:6000rpm で200時間運転の実機試
験を行ない、バルブシート側の端縁から長さ方向5mmの
内面位置での内径を測定し、試験前の内径に対する試験
後の内径変化量を摩耗量として測定した。これらの測定
結果を表1,2に示した。
【0015】
【発明の効果】表1,2に示される結果から、本発明焼
結バルブガイド1〜9は、いずれもきわめて高速の長時
間連続運転にもかかわらず、すぐれた耐摩耗性を示すの
に対して、比較焼結バルブガイド1〜5に見られるよう
に、これを構成するFe基焼結合金の成分組成および理
論密度比のうちのいずれかでもこの発明の範囲から外れ
ると所望のすぐれた耐摩耗性を確保することができない
ことが明らかである。上述のように、この発明のFe基
焼結合金製バルブガイド部材は、苛酷な条件下での使用
に際してもすぐれた耐摩耗性を発揮し、内燃機関の高性
能化および高速化に十分対応できる特性をもつものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧粉体のプレス成形工程を示す概略縦断面図で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:1〜4%、 Cu:1.5〜6%、 P:0.1〜0.8%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成、並
    びにパーライトを主体とする素地に、硬質のFe−C−
    P化合物と遊離黒鉛が分散分布した組織を有するFe基
    焼結合金からなり、かつ一方側端部の理論密度比を87
    〜97%とし、他方側部分の理論密度比を79〜85%
    としたことを特徴とする耐摩耗性のすぐれたFe基焼結
    合金製バルブガイド部材。
  2. 【請求項2】 重量%で、 C:1〜4%、 Cu:1.5〜6%、 P:0.1〜0.8%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成、並
    びにパーライトを主体とする素地に、硬質のFe−C−
    P化合物と遊離黒鉛が分散分布した組織を有するFe基
    焼結合金からなり、かつ両側端部の理論密度比を87〜
    97%とし、中央部分の理論密度比を79〜85%とし
    たことを特徴とする耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金
    製バルブガイド部材。
JP21973592A 1992-07-27 1992-07-27 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブガイド部材 Pending JPH0641699A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2813317A1 (fr) * 2000-08-31 2002-03-01 Hitachi Powdered Metals Materiau d'alliage fritte pour guides de soupape
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A02 Decision of refusal

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Effective date: 20030212