JP2005330328A - オイル性能の改善方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、潤滑油等のオイルの性能を改善する方法に関する。
現在、2万種類以上の潤滑油が、多種多様な設備機械、車両等に用いられており、その国内需要は180万キロリッターに及ぶ。現在用いられている潤滑油は、大部分が鉱物油系の潤滑油であり、多種多様な設備機械のそれぞれに、過去の実績、経験等により最適な潤滑油が選択され、使用されている。
ここで、上記の設備機械はメンテナンスフリーであることが要求されてきており、設備機械に用いる潤滑油は、寿命が長いことが求められている。また、設備機械が高度化し、潤滑油が過酷な条件下において使用される状況が生じているため、従来よりも高性能の潤滑油が必要とされている。このような要求を満たすものとして、合成油をベース(基油)とした潤滑油が注目されている。
しかし、高性能の潤滑油として、新たに合成油をベースとした潤滑油(以下、単に「合成油」という。)を採用する場合、それぞれの設備機械について、どの合成油が最適であるのかを確認する必要があり、作業が煩雑となる。例えば、機械のシール部分のパッキンに収縮等の悪影響を及ぼさないかについて確認する必要があり、場合によっては、異なる材質のパッキンに取り替える必要が生じる。また、現在使用している潤滑油を完全に抜き取ることは不可能であるので、現在使用している潤滑油と合成油との混合使用の是非について確認する必要が生じる。
また、それぞれの合成油の開発には、配合を決定する作業に膨大な時間と費用が必要である。よって、合成油は高価なものとなり、これを採用するのは経済性が悪い。また、多数存在する設備機械の一部に合成油を導入した場合、従来から存在する油種に新たに合成油の油種が追加され、現場で多数の油種を管理する必要が生じる。
そこで、本発明は、このような問題が生じない、現場において現在使用されている既存の潤滑油をそのまま使用しつつ、その性能を向上させることができる簡易な方法を提供することを課題とする。
新たな潤滑油の採用に伴う確認作業や、新しい配合の合成油の開発には、膨大な費用・時間・労力等が必要となる。本発明者は、これらの種々の不利益を回避することができる方法について鋭意検討した結果、アルキルナフタレン化合物を所定の方法にて使用すれば、現状の潤滑油を変更しないで、これをそのまま使用しつつ、その性能を簡易な方法で向上することができるオイル性能の改善方法を見出し、以下の発明を完成した。
以下、本発明について説明する。
第一の本発明は、以下の化学式で表されるアルキルナフタレン化合物を既存のオイルに添加する、オイル性能の改善方法である。
第一の本発明は、以下の化学式で表されるアルキルナフタレン化合物を既存のオイルに添加する、オイル性能の改善方法である。
上記オイル性能の改善方法において、既存のオイルおよびアルキルナフタレン化合物の総量を基準として(100質量%)、アルキルナフタレン化合物を10〜30質量%添加することが好ましい。
第二の本発明は、以下の化学式で表されるアルキルナフタレン化合物を含む、オイルの性能改善剤である。
それぞれの設備機械には、過去の実績から選択された最適な潤滑油が用いられている。本発明の方法によれば、この最適な潤滑油をそのまま使用して、さらにその潤滑性、耐摩耗性等の性能を向上させることができる。このように、新たな潤滑油を採用するのではなく、従来から用いられている最適な潤滑油をそのまま使用しているので、設備機械に対して適合するかどうかの確認作業をする必要がなく、簡便に潤滑油の性能を向上させることができる。
さらに、本発明の方法によると、潤滑油の寿命を長くすることができ、メンテナンスフリーの効果を得ることができる。また、潤滑油の寿命が長くなることによって、廃油を排出する回数が減少するので、本発明は環境面においても好ましい。また、現場における油種管理に、新たな手間を生じさせない。
本発明のオイル性能の改善方法において用いるアルキルナフタレン化合物とは、以下の化学式で表される化合物である。
上記化学式において、R1、R2とは、以下の化学式で表されるオレフィンの1〜10量体からなるアルキル基であり、好ましくは、以下の化学式で表されるオレフィンの1〜10量体がα結合したアルキル基であり、さらに好ましくは、以下の化学式で表されるオレフィンの1〜3量体がα結合したアルキル基であり、R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよい。
上記化学式において、R3とは、炭素数6〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、好ましくは、炭素数8の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、より好ましくは、炭素数8の直鎖のアルキル基である。
アルキルナフタレン化合物の具体例としては、オレフィンであるデセンの1〜2量体をR1およびR2として有するアルキルナフタレン化合物を挙げることができる。このアルキルナフタレン化合物は、100℃で5cSt(mm2/s)の動粘度を有していることより、以下、「AN−5アルキルナフタレン化合物」または「AN−5」という場合がある。このようなアルキルナフタレン化合物としては、例えば、「Synesstic 5」(エクソンモービル化学社製)が市販されている。
また、アルキルナフタレン化合物の具体例としては、オレフィンであるデセンの2〜3量体をR1およびR2として有するアルキルナフタレン化合物を挙げることができる。このアルキルナフタレン化合物は、100℃で12cSt(mm2/s)の動粘度を有していることより、以下、「AN−12アルキルナフタレン化合物」または「AN−12」という場合がある。このようなアルキルナフタレン化合物としては、例えば、「Synesstic 12」(エクソンモービル化学社製)が市販されている。
本発明者は、上記のアルキルナフタレン化合物は、化合物中のナフタレン部分に由来する効果(ナフタレン効果)と、アルキル基部分に由来する効果(アルキル基効果)の二つの効果を併せ持っていると考えている。ここで、ナフタレン効果とは、例えば、金属と金属が触れ合う部分において、潤滑油が高圧条件にさらされる場合に、潤滑油が瞬間的に高粘度化して強固な油膜を形成する効果をいい、かつ、潤滑油の寿命を延長することができる酸化防止剤としての効果をいう。また、アルキル基効果とは、例えば油性剤等の添加剤としての効果をいい、このアルキル基効果によって、摩擦係数の低減や、磨耗防止効果が得られるものと考えられる。
本発明において、上記のAN−5アルキルナフタレン化合物を用いた場合は、ナフタレン効果が大きく発現され、上記のAN−12アルキルナフタレン化合物を用いた場合は、アルキル基効果が大きく発現される傾向がある。
本発明のアルキルナフタレン化合物は、ナフタレンとオレフィンとを反応させることにより合成することができる。オレフィンは、一種類を単独で用いてもよいし、または二種類以上を混合して用いてもよい。
本発明において、性能を改善する対象である既存のオイルとは、既存の設備機械等において用いられている種々の潤滑油をいい、例えば、エンジン油、ATF・ギアー油等の車両用潤滑油、油圧作動油、ギアー油、軸受油、冷凍機油、タービン油、ダンパー油、コンプレッサー油、真空ポンプ油、摺動面油等の工業用潤滑油、切削・研削油、塑性加工油、圧延油、放電加工油等の金属加工油、焼き入れ油、絶縁油、コンデンサー油、熱媒体油等のその他の潤滑油が挙げられる。
これら既存のオイルにアルキルナフタレン化合物を添加する方法としては、現在、使用している設備機械等において使用されている既存のオイルに、所定量のアルキルナフタレン化合物を後から添加(補給)する方法が挙げられる。そして、添加した後に、機械を作動すれば、機械内部において、既存のオイルとアルキルナフタレン化合物が混合される。
このように、本発明のオイル性能の改善方法は、所定量のアルキルナフタレン化合物を、後から添加するだけで、既存のオイルの性能を改善できる、簡便な方法である。また、現在使用されている最適な配合の潤滑油(既存のオイル)をそのまま使用しているので、既存の潤滑油の性能を保持したまま、潤滑性、境界潤滑性等の性能をさらに向上させることができる。また、潤滑油の性能が低下してきた時点において、適宜、数度に分けてアルキルナフタレン化合物を添加することもできる。
また、設備機械等に新たに潤滑油を導入しようとする場合は、導入しようとする潤滑油に、所定量のアルキルナフタレン化合物をあらかじめ添加してから、これらの混合物を設備機械等に導入することができる。
既存のオイルへの、アルキルナフタレン化合物の添加量としては、既存のオイルおよびアルキルナフタレン化合物の総量を基準として(100質量%)、アルキルナフタレン化合物を5〜50質量%添加するのが好ましく、さらには、10〜30質量%添加することがより好ましい。添加量が少なすぎると、アルキルナフタレンの効果が発揮されにくくなる。また、添加量が多すぎると、アルキルナフタレンの効果が飽和すると共に、経済的に好ましくない。
図1に、78質量部のポリアルファオレフィン(PAO)(100℃での動粘度:6cSt(mm2/s)、以下同様。)に対して、アジピン酸エステルを20質量部加えた場合と、AN−5アルキルナフタレン化合物(AN−5)を20質量部加えた場合の、耐磨耗試験の結果を示す(それぞれの潤滑油には、2質量部の酸化防止・錆止め剤等の添加剤が添加されている。)。この耐摩耗性試験は、4−Ball Wear Testにより行われたものである(回転数:1800rpm、雰囲気温度:93℃、試験時間:30分)。図1によると、590N(60kgf)の荷重をかけた場合、アジピン酸エステルを加えたときの磨耗痕の大きさは0.822mmであるのに対して、アルキルナフタレン化合物を加えたときの磨耗痕の大きさは0.739mmであり、アルキルナフタレン化合物を加えることで耐摩耗性(潤滑性)が向上することが示された。また、780N(80kgf)の荷重をかけた場合、アジピン酸エステルを加えたときの磨耗痕の大きさは2.094mmであるのに対して、アルキルナフタレン化合物を加えたときの磨耗痕の大きさは0.822mmであった。このように、本発明の方法において、アルキルナフタレン化合物を添加することによって、特に高圧化における耐摩耗性(潤滑性)を向上させることができる。
図2に本発明において用いるアルキルナフタレン化合物の酸化安定度試験(RBOT)の結果を示す。この酸化安定度試験は、JIS−K 2514に準拠して行われたものである。図2によると、ポリアルファオレフィン(PAO)100%の潤滑油では、潤滑油の寿命を示すRBOT値は18分であるのに対して、AN−5アルキルナフタレン化合物(AN−5)を25質量%添加した場合は、RBOT値が160分となり、潤滑油の寿命は約9倍となる。また、AN−12アルキルナフタレン化合物(AN−12)を25%加えた場合は、RBOT値が118分となる。このように、既存のオイルに所定量のアルキルナフタレン化合物を添加すると、既存のオイル(潤滑油)の寿命は大幅に延長される。
従来から用いられている潤滑油には、酸化防止剤、防錆剤、清浄分散剤、流動点降下剤等の添加剤が含まれている。本発明において用いるアルキルナフタレン化合物は、低極性であるので、これらの添加剤に対して影響を与えず、これらの添加剤の効果を妨げない。
また、本発明において用いるアルキルナフタレン化合物は、既存のオイル(潤滑油)中の基油に完全に溶解する。よって、潤滑油として使用する際に、均一な分散状態を維持することができる。
図3にAN−5アルキルナフタレン化合物(AN−5)およびAN−12アルキルナフタレン化合物(AN−12)、並びにPAO等の溶解パラメータを示す。また、図4にAN−5アルキルナフタレン化合物(AN−5)およびAN−12アルキルナフタレン化合物(AN−12)、並びにPAO等のアニリン点を示す。図3によると、アルキルナフタレン化合物は、PAOに比べて、高い溶解パラメータを示し、その値はエステルと同程度の高い値である。また、図4によると、アルキルナフタレン化合物は、PAOに比べて、低いアニリン点を示している。このように、本発明において用いるアルキルナフタレン化合物の溶解性は高く、既存のオイルにこれを添加することで、既存のオイルの溶解性が向上すると考えられる。
ここで、潤滑油、特に高級潤滑油には、その機能性を向上させるために、上記した添加剤を多量に含んでいる。このような潤滑油においては、温度変化によってこれらの添加剤が析出する問題が生じる場合がある。しかし、本発明において用いるアルキルナフタレン化合物が高い溶解性を有することから、本発明のオイル性能の改善方法によれば、析出した不溶解成分を溶かすことができる。これにより、添加物が析出して生じるフィルターの閉塞を防止することができる。
図5にアルキルナフタレン化合物のエラストマー適合性を示す。設備機械等に用いられているオイルシール部分のパッキンは、エラストマーで形成されており、密閉性を確保するために潤滑油に対して適度な膨潤性を有していることが理想とされている。図5に示すように、ポリアルファオレフィン(PAO)100%の潤滑油を用いた場合は、ブナN製オイルシール材は収縮しており、エラストマー適合性は劣ったものである。これに対して、アルキルナフタレン化合物を添加した場合は、ブナN製オイルシール材は適度に膨潤し、エラストマー適合性は良好である。
アルキルナフタレン化合物は、潤滑油の熱劣化、酸化劣化を防ぐことができる。また、アルキルナフタレン化合物における、アルキル基部分による潤滑性の向上と、ナフタレン部分による境界潤滑性の向上による相乗効果により、潤滑油の性能が向上する。ここで、境界潤滑性とは、潤滑性を付与しようとしている金属表面間の境界部分の潤滑性をいい、この境界部分において、潤滑油が瞬間的に高温、高圧にさらされたときに、その粘度を急上昇させ、強い油膜を形成することによって潤滑性を維持することができる性能をいう。
本発明のオイルの性能改善剤とは、上記したアルキルナフタレン化合物を含んだ構成を有しており、好ましくは、上記したアルキルナフタレン化合物を主成分として含んだ構成を有している。ここで、「主成分として含む」とは、オイル性能改善剤の全体の質量(100質量%)に対して、アルキルナフタレン化合物が50質量%以上であることをいう。本発明のオイルの性能改善剤を既存のオイルに添加することにより、オイルの性能を向上させることができる。
本発明のオイルの性能改善剤は、アルキルナフタレン化合物以外に、通常の潤滑油添加剤と使用される各種の添加剤を含んでいてもよい。各種の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、防錆剤、消泡剤、清浄剤、分散剤、磨耗防止剤、摩擦係数調整剤、極圧剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、金属不活性剤等が上げられる。
(実施例1)
既存のオイルとして、放電加工油(商品名:レクター37(エクソンモービル有限会社製))(90質量部)を用いて、これにAN−5アルキルナフタレン化合物(商品名:Synesstic 5(エクソンモービル化学社製))を10質量部添加した。そして、得られた潤滑油に対して種々の評価を行った。結果を表1に示す。
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(実施例2)
既存のオイルとして、油圧作動油(商品名:ユニパワー32(エクソンモービル有限会社製))(90質量部)を用いて、これにAN−5アルキルナフタレン化合物(商品名:Synesstic 5(エクソンモービル化学社製))を10質量部添加した。そして、得られた潤滑油に対して種々の評価を行った。結果を表1に示す。
既存のオイルとして、油圧作動油(商品名:ユニパワー32(エクソンモービル有限会社製))(90質量部)を用いて、これにAN−5アルキルナフタレン化合物(商品名:Synesstic 5(エクソンモービル化学社製))を10質量部添加した。そして、得られた潤滑油に対して種々の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
既存のオイルとして、油圧作動油(商品名:ユニパワー32(エクソンモービル有限会社製)(80質量部)を用いて、これにAN−5アルキルナフタレン化合物(商品名:Synesstic 5(エクソンモービル化学社製))を20質量部添加した。そして、得られた潤滑油に対して種々の評価を行った。結果を表1に示す。
既存のオイルとして、油圧作動油(商品名:ユニパワー32(エクソンモービル有限会社製)(80質量部)を用いて、これにAN−5アルキルナフタレン化合物(商品名:Synesstic 5(エクソンモービル化学社製))を20質量部添加した。そして、得られた潤滑油に対して種々の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
既存のオイルとして、工業用ギアー油(GL3クラス)(商品名:スパルタンEP100(エクソンモービル有限会社製)(80質量部)を用いて、これにAN−12アルキルナフタレン化合物(商品名:Synesstic 12(エクソンモービル化学社製))を20質量部添加した。そして、得られた潤滑油に対して種々の評価を行った。結果を表1に示す。
既存のオイルとして、工業用ギアー油(GL3クラス)(商品名:スパルタンEP100(エクソンモービル有限会社製)(80質量部)を用いて、これにAN−12アルキルナフタレン化合物(商品名:Synesstic 12(エクソンモービル化学社製))を20質量部添加した。そして、得られた潤滑油に対して種々の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
アルキルナフタレン化合物を添加しないで、放電加工油(商品名:レクター37(エクソンモービル有限会社製))に対して、種々の評価を行った。結果を表1に示す。
アルキルナフタレン化合物を添加しないで、放電加工油(商品名:レクター37(エクソンモービル有限会社製))に対して、種々の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
アルキルナフタレン化合物を添加しないで、油圧・タービン油(商品名:ユニパワー32(エクソンモービル有限会社製))に対して、種々の評価を行った。結果を表1に示す。
アルキルナフタレン化合物を添加しないで、油圧・タービン油(商品名:ユニパワー32(エクソンモービル有限会社製))に対して、種々の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
アルキルナフタレン化合物を添加しないで、工業用ギアー油(商品名:スパルタンEP100(エクソンモービル有限会社製))に対して、種々の評価を行った。結果を表1に示す。
アルキルナフタレン化合物を添加しないで、工業用ギアー油(商品名:スパルタンEP100(エクソンモービル有限会社製))に対して、種々の評価を行った。結果を表1に示す。
(一般性状の評価)
(1)密度
JIS−K 2249に準拠して、それぞれの潤滑油について密度を測定した。
(1)密度
JIS−K 2249に準拠して、それぞれの潤滑油について密度を測定した。
(2)動粘度
JIS−K 2283に準拠して、それぞれの潤滑油について、40℃および100℃における動粘度を測定した。
JIS−K 2283に準拠して、それぞれの潤滑油について、40℃および100℃における動粘度を測定した。
(3)粘度指数
JIS−K 2283に準拠して、それぞれの潤滑油について、粘度指数を算出した。
JIS−K 2283に準拠して、それぞれの潤滑油について、粘度指数を算出した。
(4)全酸価
JIS−K 2501に準拠して、それぞれの潤滑油について、全酸価を測定した。
JIS−K 2501に準拠して、それぞれの潤滑油について、全酸価を測定した。
(性能評価)
(1)酸化安定度試験(RBOT)
JIS−K 2514に準拠して、それぞれの潤滑油について酸化安定度試験(RBOT)を行った。
(1)酸化安定度試験(RBOT)
JIS−K 2514に準拠して、それぞれの潤滑油について酸化安定度試験(RBOT)を行った。
(2)ファレックス試験(焼付荷重試験)
ASTM D3233A法に準拠して、それぞれの潤滑油についてファレックス試験(焼付荷重試験)を行った。
ASTM D3233A法に準拠して、それぞれの潤滑油についてファレックス試験(焼付荷重試験)を行った。
(3)ファレックス試験(磨耗試験)
ASTM D2670に準拠して、それぞれの潤滑油についてファレックス試験(磨耗試験)を行った。
ASTM D2670に準拠して、それぞれの潤滑油についてファレックス試験(磨耗試験)を行った。
(評価結果)
表1より、潤滑油の一般性状については、アルキルナフタレン化合物の添加の前後で、大きな違いは見られなかった。潤滑油の性能評価については、放電加工油の寿命(RBOT値(分))は、アルキルナフタレン化合物を添加することによって、大幅に延長されたことがわかった(実施例1、比較例1)。また、油圧作動油の寿命(RBOT値(分))は、アルキルナフタレン化合物を添加することによって、大幅に延長されたことがわかった(実施例2、実施例3、比較例2)。また、ファレックス焼付荷重が大きくなり、潤滑性能、特に、境界潤滑性能が向上することがわかった(実施例2、実施例3、比較例2)。
また、工業用ギアー油においては、アルキルナフタレン化合物を添加することによって、ファレックス焼付荷重が大きくなり、ファレックス摩擦係数が小さくなって、潤滑性能、特に、境界潤滑性能が向上することがわかった(実施例4、比較例3)。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うオイル性能の改善方法およびオイルの性能改善剤もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
Claims (3)
- 既存のオイルおよびアルキルナフタレン化合物の総量を基準として(100質量%)、アルキルナフタレン化合物を10〜30質量%添加することを特徴とする請求項1に記載のオイル性能の改善方法。
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